JP2018125988A - 自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法 - Google Patents

自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法 Download PDF

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貴之 竹下
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伸治 中島
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Takahiro Tanaka
崇裕 田中
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Taichi Tokuhisa
太一 徳久
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Abstract

【課題】大幅な製造工程の簡略化と製造コストの削減ができる自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法を提供する。
【解決手段】自己融着性横巻線100は、導電性を有する導線1の周囲に、樹脂繊維2と樹脂繊維2より融点が高い絶縁繊維3とを個別に横巻きに巻き付けた層が少なくとも1層存在する。また、自己融着性横巻線100を用いたコイル体10の製造方法は、自己融着性横巻線100を鉄心9のティース部に巻線して中間コイル体10bを形成するコイル巻線工程と、中間コイル体10bを加熱して樹脂繊維2を溶融させる加熱工程と、加熱工程の後に、中間コイル体10bを冷却又は更に加熱して、樹脂繊維2が溶融した樹脂を硬化させて、ティース部と導線1と絶縁繊維3を固着させる固定工程とを有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、振動の激しい環境下で使用される電動機や変圧器用の自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法に関するものである。
従来、電動機等の回転電機や、変圧器において、絶縁皮膜電線を巻線して形成したコイルの電線間にワニス(液状樹脂)を含浸させ、加熱して硬化させることにより固定させたコイルの構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、より高い信頼性が要求される電動機や変圧器においては、強度の高い絶縁皮膜電線が求められ、電線にアラミド繊維を巻き付け、ワニスを含浸、硬化させた構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。ところで、これらのワニスの含浸作業は、作業環境の悪化を招くために、ワニスの含浸の代わりに、導線に対してガラス糸と耐熱性樹脂を予め合糸した耐熱性樹脂糸を巻き付けて加熱融着することで、導体とガラス糸を一体とする構成が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2008−048555号公報 特開平8−227616号公報 特開平7−45133号公報
特許文献3においては、ワニスの含浸工程を無くして、加熱処理のみでコイルを固定できる事が利点であるが、導線に耐熱性樹脂糸を巻き付ける工程の前に、ガラス糸と耐熱性樹脂を合糸した後にこれらを加熱融着する工程を新たに追加する必要がある。よって、特許文献1及び特許文献2に開示された構成の欠点を克服できても、別途、新たな作業工程が増えることにより、大幅な工程の簡略化を図ることができず、コスト削減効果も小さいという課題があった。
この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、ワニス含浸工程を無くしつつ、大幅な製造工程の簡略化と製造コストの削減ができる自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る自己融着性横巻線は、導電性を有する導線の周囲に、樹脂繊維と前記樹脂繊維より融点が高い絶縁繊維とを個別に横巻きに巻き付けた層が少なくとも1層存在するものである。
また、この発明に係る前記自己融着性横巻線の製造方法は、2層目の前記樹脂繊維及び前記絶縁繊維を巻き付ける前に、1層目の前記樹脂繊維及び前記絶縁繊維を固着させる、少なくとも加熱工程を有するものである。
また、この発明に係る自己融着性横巻線を用いたコイル体の製造方法は、前記自己融着性横巻線を鉄心のティース部に巻線して中間コイル体を形成するコイル巻線工程と、
前記中間コイル体を加熱して前記樹脂繊維を溶融させる加熱工程と、
前記加熱工程の後に、前記中間コイル体を冷却又は更に加熱して、前記樹脂繊維が溶融した樹脂を硬化させて、前記ティース部と前記導線と前記絶縁繊維を固着させる固定工程とを有するものである。
自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法によれば、ワニス含浸工程を無くしつつ、大幅な製造工程の簡略化と製造コストの削減ができる自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法を提供することができる。
この発明の実施の形態1に係る自己融着性横巻線の一部断面模式図である。 この発明の実施の形態1に係る自己融着性横巻線の断面模式図である。 この発明の実施の形態1に係る導線に、1層目の熱可塑性樹脂繊維と絶縁繊維とを巻き付け中の1層自己融着性横巻線の側面図である。 この発明の実施の形態1に係る1層自己融着性横巻線に、2層目の熱可塑性樹脂繊維と絶縁繊維とを巻付け中の自己融着性横巻線の側面図である。 この発明の実施の形態1に係るコイル体の斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る中間コイル体の部分断面図である。 この発明の実施の形態1に係るコイル体の製造工程を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る、加熱処理後の中間コイル体の部分断面図である。 この発明の実施の形態1に係る、冷却処理後のコイル体の部分断面図である。 比較例としての横巻線の一部断面模式図である。 比較例としての中間コイル体の部分断面図である。 比較例としてのワニスを含浸させた中間コイル体の部分断面図である。 この発明の実施の形態2に係る中間コイル体の部分断面図である。 この発明の実施の形態2に係る、加熱処理後の中間コイル体の部分断面図である。 この発明の実施の形態2に係る、コイル体の部分断面図である。 この発明の実施の形態3に係る、導線に2層目の熱可塑性樹脂繊維と絶縁繊維とを巻き付け中の自己融着性横巻線の側面図である。 この発明の実施の形態3に係るコイル体の製造工程を示すフローチャートである。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法を図を用いて説明する。
図1は、自己融着性横巻線100の一部断面模式図である。
図2(a)は、自己融着性横巻線100を、その中心軸を通る平面で切断した断面模式図である。
図2(b)は、自己融着性横巻線100を長手方向に対して垂直に切断した断面模式図である。
自己融着性横巻線100は、導電性を有する導線1と、熱可塑性樹脂繊維2と、熱可塑性樹脂繊維2より融点が高い絶縁繊維3とからなる。本実施の形態1では、熱可塑性樹脂繊維2と、絶縁繊維3とを、所定の配列で導線1の周囲に横巻きに2層分巻き付けており、自己融着性横巻線100は、2層自己融着性横巻線となっている。なお、図1、図2(a)及び図2(b)では、1つの層について、1本の熱可塑性樹脂繊維2と、7本の絶縁繊維3とを使用している。
導線1としては、例えば銅線、アルミ線等が利用できる。導線1の表面にエナメル皮膜を被覆したエナメル線を用いてもよいが、導線1には前述の絶縁繊維3を巻き付けるため、絶縁繊維3で絶縁性を十分に担保できる場合には、製造コスト低減のため、エナメル線を用いる必要はない。
熱可塑性樹脂繊維2としては、例えば、ポリイミド樹脂繊維、ポリエーテルケトン樹脂繊維、ポリアミド樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、ポリフェニレンサルファイド樹脂繊維等が利用できる。
絶縁繊維3としては、ガラス繊維、ポリビニルブチラール繊維、ポリオレフィン繊維、アラミド繊維等が利用できる。絶縁繊維3は、単繊維の集合線、撚り線、紐状の押し出し線等のいずれでもよい。
熱可塑性樹脂繊維2及び絶縁繊維3は、導線1にこれらの繊維を巻き付けた自己融着性横巻線100の線径を一定とするために、それぞれ同じ線径を有するものを利用するが、巻き崩れしない範囲であれば線径が異なるものを利用してもよい。
図3は、導線1に、1層目の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを巻き付け中の1層自己融着性横巻線100bの側面図である。
図3では、熱可塑性樹脂繊維2を巻き付けたボビン6を1個と、絶縁繊維3を巻き付けたボビン7を7個の計8個のボビンを、導線1の周囲に均等に配置している。ボビン6から引き出された熱可塑性樹脂繊維2と、ボビン7から引き出された絶縁繊維3とは、図3に示すように、導線1の周囲に仮巻きされる。
導線1を等速度で送り出しながらボビン6と、ボビン7とを導線1を中心として、その周囲に回転させることにより、導線1に1本の熱可塑性樹脂繊維2と7本の絶縁繊維3との計8本の繊維を等ピッチで巻付け、熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを1層分巻き付けた1層自己融着性横巻線100bを得る。
図4は、1層自己融着性横巻線100bに、2層目の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを巻付け中の自己融着性横巻線100の側面図である。
図4では、熱可塑性樹脂繊維2を巻き付けたボビン6を1個と、絶縁繊維3を巻き付けたボビン7を7個の計8個のボビンを、1層自己融着性横巻線100bの周囲に均等に配置している。ボビン6から引き出された熱可塑性樹脂繊維2と、ボビン7から引き出された絶縁繊維3とは、図4に示すように、1層自己融着性横巻線100bの周囲に仮巻きされる。
1層自己融着性横巻線100bを等速度で送り出しながらボビン6と、ボビン7とを1層自己融着性横巻線100bを中心として、その周囲に回転させることにより、1層自己融着性横巻線100bに1本の熱可塑性樹脂繊維2と7本の絶縁繊維3との計8本の繊維を等ピッチで巻付け、熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを更に1層分巻き付けた自己融着性横巻線100を得る。
次に、コイル体10の製造方法を説明する。
図5は、固定子の分割積層鉄心9のティース部に、絶縁用のインシュレータ8を介してコイル4を形成したコイル体10の斜視図である。
図6は、中間コイル体10bの部分断面図である。中間コイル体10bは、コイル体10の熱処理加工前の中間生産物である。図6は、コイル4となる部分を自己融着性横巻線100の長手方向に対して垂直に切断した断面図である。中間コイル体10bの断面においては、自己融着性横巻線100が俵積みされている。自己融着性横巻線100の巻線間は、この状態では固着されていない。
図7は、コイル体10の製造工程を示すフローチャートである。
まず、上述の方法により、1層自己融着性横巻線100bを製造する(ステップS001:1層目横巻工程)。次に、ステップS001にて製造した1層自己融着性横巻線100bの上に更に重ねて1本の熱可塑性樹脂繊維2と7本の絶縁繊維3との計8本の繊維を等ピッチで巻付けて、自己融着性横巻線100を製造する(ステップS002:2層目横巻工程)。
次に、図6に示すように、自己融着性横巻線100を、インシュレータ8を介して分割積層鉄心9のティース部に巻線した中間コイル体10bを形成する(ステップS003:コイル巻線工程)。
図8は、加熱処理後の中間コイル体10bの部分断面図である。
次に、中間コイル体10bを80〜200℃の温度範囲にてオーブンで10〜200分間、加熱処理する(ステップS004:加熱工程)。この加熱処理により、図8に示すように導線1に巻き付けられた熱可塑性樹脂繊維2が溶融し、導線1と絶縁繊維3との間隙、絶縁繊維3同士の間隙、及び絶縁繊維3とインシュレータ8との間隙に樹脂が含浸し、中間コイル体10bの全体に溶融した樹脂層11が形成される。
図9は、冷却処理後のコイル体10の部分断面図である。
次に、中間コイル体10bを冷却炉で冷却処理することにより、図9に示すように樹脂層11が硬化したコイル体10を得る(ステップS005:冷却固着工程)。これにより、硬化した樹脂層11を介して導線1と絶縁繊維3、絶縁繊維3同士、および絶縁繊維3とインシュレータ8とを固着させ、コイル4の巻線間の絶縁を確保すると同時に、巻線間の固着と、インシュレータ8とコイル4との固着を実現できる。
図10(a)は、比較例としての絶縁繊維3dのみを導線1dに巻き付けた横巻線100dの一部断面模式図である。
図10(b)は、図10(a)を長手方向に垂直に切断した断面図である。
図11は、中間コイル体10dの部分断面図である。コイルとなる部分を横巻線100dの長手方向に対して垂直に切断した断面図である。
図12は、ワニス14を含浸させた中間コイル体10dの部分断面図である。
この比較例では、導線1dに絶縁繊維3dを巻き付けただけの横巻線100dを、インシュレータ8dを備えた分割積層鉄心に巻線した中間コイル体に、図12に示すようにワニス14を含浸させ、加熱し硬化させることで、コイルを固定する必要があった。
しかし、ワニス14を含浸し、硬化させる方法では、中間コイル体にワニスを含浸させた後に、ワニスの余滴の除去、加熱処理、冷却処理等の工程が必要であり、製造のリードタイムが長くなる欠点があった。さらに、ワニス14は有機溶剤からなるため、作業環境の悪化を招くことも欠点であった。
本発明の実施の形態1に係る、自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法によれば、熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを予め導線1に巻き付けた自己融着性横巻線100を用いているため、ワニスの含浸工程を別途必要とせず、中間コイル体の加熱と冷却のみによってコイル4がインシュレータ8を介して分割積層鉄心9に固定されたコイル体10を製造することができる。これにより、大幅な製造工程の簡略化と製造コストの削減ができる。また、ワニスの使用による作業環境の悪化を防止できる。
また、自己融着性横巻線100の製造時においては、熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを融着させる必要がなく、コイル体10の製造工程を短縮できるという利点がある。
なお、これまでの説明では、熱可塑性樹脂繊維2の溶融のための加熱処理は、オーブンを用いることとしたが、誘導加熱、熱風加熱、およびヒータによる輻射加熱等を利用してもよい。
また、冷却工程においては、冷却炉で冷却することとしたが、水冷冷却、エアーノズル或いは送風機を用いて空気を吹き付ける空冷冷却、および自然冷却等の方法でもよい。ただし、溶融時の熱可塑性樹脂繊維2は、温度の上昇に伴って粘度が低下するため、コイル体の温度が高い状態を維持すると溶融した熱可塑性樹脂が垂れ落ちる可能性があるため、いずれかの冷却装置を使用して冷却させることが望ましい。
また、2層目の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを導線1に巻き付ける際のボビン6及びボビン7の回転方向は、1層目のこれらの回転方向の反対とし、1層目の熱可塑性樹脂繊維2及び絶縁繊維3と、2層目の熱可塑性樹脂繊維2及び絶縁繊維3とを交差させて導線1に巻き付けることが望ましい。これは、1層目と2層目の巻き付け方向を反対にすることにより、2層目の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3との巻き締め力によって、1層目の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とがほどけることを防止するためである。
また、1層目と2層目に、それぞれ熱可塑性樹脂繊維2を1本と絶縁繊維を7本使用して導線1に巻き付ける例を説明したが、熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3の巻き付け本数はこれに限るものではない。例えば、1層目と2層目に、熱可塑性樹脂繊維2を4本と、絶縁繊維3を4本ずつ用いて、それぞれの層に巻き付けてもよいし、1層目と2層目に熱可塑性樹脂繊維を7本と、絶縁繊維3を1本ずつ用いて、それぞれの層に巻き付けてもよい。さらに、1層目に熱可塑性樹脂繊維を8本、絶縁繊維を0本巻き付け、2層目に熱可塑性樹脂繊維を0本、絶縁繊維を8本巻き付けてもよい。もちろん、この他の巻き付け本数が適用できることは言うまでもない。
また1層目と2層目の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを巻き付ける本数の合計はこの限りではない。例えば、1層目に熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを合計4本巻き付け、2層目に熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを合計6本巻き付けてもよいし、1層目に熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3を合計2本巻き付け、2層目に熱可塑性樹脂繊維と絶縁繊維を合計16本巻き付けてもよい。もちろん、この他の巻き付け本数としてもよい。
また、本実施の形態1では、導線1に熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを巻き付ける層数を2層としたが、1層のみ、または3層巻き付けてもよい。導線1として丸線を用いて説明したが、平角線でもよいことは言うまでもない。なお、1層のみの場合は、1つの層に熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3の双方を利用することが必須となる。
また、本実施の形態1では、分割積層鉄心9を使用したが、鉄心は、一体の物を利用してもよい。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2に係る自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法を図を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
図13は、中間コイル体210bの部分断面図であり、コイルとなる部分を自己融着性横巻線200の長手方向に対して垂直に切断した断面図である。
図14は、加熱処理後の中間コイル体210bの部分断面図である。
図15は、コイル体210の部分断面図である。
中間コイル体210bは、コイル体210の熱処理加工前の中間生産物である。中間コイル体210bの断面においては、自己融着性横巻線200が俵積みされている。自己融着性横巻線200の巻線間は、この状態では固着されていない。
実施の形態1では、複数本の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを導線1に巻き付けた自己融着性横巻線である自己融着性横巻線100について説明した。溶融した熱可塑性樹脂繊維2は、温度の上昇に伴って粘度が低下する。そのため、溶融させた熱可塑性樹脂繊維2を硬化させるための冷却工程において、熱容量が大きい積層鋼板と接触しているインシュレータ8付近の冷却速度が遅くなり、絶縁繊維3とインシュレータ8との間隙に含浸した樹脂が硬化する前に、中間コイル体10bから垂れ落ち、局所的に樹脂不足が生じ、未固着の箇所ができる懸念がある。
この懸念を解決するために、本発明の実施の形態2では、熱可塑性樹脂繊維2に代えて、熱硬化性樹脂繊維202を用いることとする。すなわち、複数本の熱硬化性樹脂繊維202と熱硬化性樹脂繊維202より融点が高い絶縁繊維3とを導線1に巻き付ける工程を複数回実施した自己融着性横巻線200を用いてコイル体210を製造する。
熱硬化性樹脂繊維202としては、例えば、ポリアミド樹脂繊維、不飽和ポリエステル樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フェノール樹脂繊維等が挙げられる。熱硬化性樹脂繊維202及び絶縁繊維3は、導線1にこれらの繊維を巻き付けた自己融着性横巻線200の線径を一定とするために、それぞれ同じ線径を有するものを利用するが、巻き崩れしない範囲であれば線径が異なるものを利用してもよい。
実施の形態1と実施の形態2との工程において異なる点は、導線1に熱可塑性樹脂繊維2を巻き付ける代わりに熱硬化性樹脂繊維202を巻き付ける点と、コイル体210を固定させるための工程が加熱と冷却でなく、加熱のみになる点である。また、熱硬化性樹脂繊維202と絶縁繊維3とを導線1に巻き付ける工程は、実施の形態1で説明した熱可塑性樹脂繊維2を熱硬化性樹脂繊維202に変更すること以外は、実施の形態1と同様であるので、本工程については説明を省略する。
次に、本実施の形態2における、加熱工程について説明する。
中間コイル体210bをオーブンで80〜200℃の範囲で10〜150分間、加熱処理をする。加熱処理により、図14に示すように導線1に巻き付けられた熱硬化性樹脂繊維202が溶融し、導線1と絶縁繊維3との間隙、絶縁繊維3同士の間隙、及び絶縁繊維3とインシュレータ8との間隙に樹脂が含浸され、巻線間に溶融した樹脂層211が形成される。
上述の加熱処理により溶融、含浸させた熱硬化性樹脂を硬化させるために、オーブンで100〜220℃の範囲で10〜200分間、中間コイル体10bを更に加熱処理する。この加熱処理により、図15に示すように、樹脂層211が硬化したコイル体210を得る。これにより、硬化した樹脂層211を介して導線1と絶縁繊維3、絶縁繊維3同士、および絶縁繊維3とインシュレータ8とを固着させ、コイル204の巻線間の絶縁を確保すると同時に、巻線間の固着と、インシュレータ8とコイル204との固着を実現できる。
例えば、不飽和ポリエステルを主成分とする熱硬化性樹脂繊維であれば、中間コイル体210bを約80度で加熱処理して樹脂繊維を溶融させ、さらに中間コイル体210bを150度で加熱処理して、樹脂を硬化させるのが適切である(加熱固着工程)。ただし、加熱時間については中間コイル体210bの大きさによって異なる。
本発明の実施の形態2に係る、自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法によれば、熱可塑性樹脂繊維2に代えて熱硬化性樹脂繊維202を使用しているため、加熱処理のみによって樹脂を硬化させることができるので、実施の形態1で懸念された絶縁繊維3とインシュレータ8との間隙から樹脂が垂れ落ちる問題を解決できる。さらに、本実施の形態2では樹脂を硬化させるための冷却処理を必要としないので、冷却炉を必要とせず、設備費用の削減にもつながる。
実施の形態3.
以下、本発明の実施の形態3に係る自己融着性横巻線、自己融着性横巻線の製造方法、及びコイル体の製造方法を図を用いて、実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。
実施の形態1では、熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを導線1に1層分巻き付けた後に、2層目となる熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを導線1に巻き付けた自己融着性横巻線100について説明した。
ここで、複数本の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを2層目に巻き付ける際の張力によって、1層目に巻き付けられた熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3に巻き乱れが生じ自己融着性横巻線100の線径にばらつきが生じる懸念がある。
そこで、本実施の形態3では、実施の形態1における自己融着性横巻線100の1層目を加熱処理し、熱可塑性樹脂繊維2を溶融させ、導線1と絶縁繊維3に樹脂を浸透させた後に冷却させることで、樹脂と絶縁繊維3を固着させてから2層目の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを巻き付けることで懸念を解決する。
図16は、導線1に、2層目の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを巻き付け中の自己融着性横巻線300の側面図である。
図17は、コイル体の製造工程を示すフローチャートである。
図16に示すように、1層目となる複数本の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを導線1に巻回した後に、まず、ヒータ19による加熱する。さらに送風機20に通して冷却し、2層目となる複数本の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを巻回し、自己融着性横巻線300を構成する。
図17に示すように、まず、導線1に1層目となる複数本の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを巻き付けて、1層自己融着性横巻線300bを構成する(ステップS001)。次に、1層自己融着性横巻線300bをヒータ19で加熱処理し(ステップS201:1層目加熱工程)、熱可塑性樹脂繊維2を溶融させ、導線1と絶縁繊維3との間隙、および絶縁繊維3と絶縁繊維と3との間隙に溶融させた樹脂を含浸させる。次に、樹脂を含浸させた1層自己融着性横巻線300bを送風機20によって冷却させ、樹脂を硬化させることで、導線1と絶縁繊維3および絶縁繊維3同士を固着させる(ステップS202:1層目冷却工程)。その後、実施の形態1と同様に2層目となる複数本の熱可塑性樹脂繊維2と絶縁繊維3とを1層自己融着性横巻線300bに巻き付ける(ステップS002)。次に、自己融着性横巻線300を、インシュレータ8を介して分割積層鉄心9のティース部に巻線した中間コイル体を形成する(ステップS003:コイル巻線工程)。引き続いて、加熱工程(ステップS004)と冷却工程(ステップS005)を実行することで自己融着性横巻線300を得る。
1層自己融着性横巻線300bを加熱処理する工程において、溶融した樹脂が導線1と絶縁繊維3の間隙、および絶縁繊維3と絶縁繊維3の間隙に均一に浸透するまで加熱処理を継続することが好ましいが、樹脂を硬化させた時に絶縁繊維3が導線1と固着する程度に浸透していれば問題ない。また加熱処理において加熱は、ヒータに限らず、オーブン、熱風加熱等でもよい。冷却工程においても、送風機による空冷に限らず、冷却炉を用いた冷却、エアーノズルによる圧縮空気を吹き付けることによる空冷冷却、および自然冷却等の方法でもよい。
また本実施の形態3では、熱可塑性樹脂繊維2を用いる例を示したが、実施の形態2と同様に熱硬化性樹脂繊維202を用いてもよい。ただし、熱硬化性樹脂繊維202は、一度加熱溶融させた後に、加熱硬化をさせると、再び加熱溶融することができないため、コイル体を固定する際の加熱では2層目の熱硬化性樹脂のみ溶融、固定される点に注意する。また、熱硬化性樹脂繊維202を使用した際には、実施の形態2に示したように冷却工程は必要に応じて省略してもよい。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100,200,300 自己融着性横巻線、
100b,300b 1層自己融着性横巻線、100d 横巻線、1,1d 導線、
2,202 熱可塑性樹脂繊維、3,3d 絶縁繊維、4,204 コイル、
6,7 ボビン、8,8d インシュレータ、9 分割積層鉄心、
10,210 コイル体、10b,10d,210b 中間コイル体、
11,211 樹脂層、14 ワニス、19 ヒータ、20 送風機。

Claims (9)

  1. 導電性を有する導線の周囲に、樹脂繊維と前記樹脂繊維より融点が高い絶縁繊維とを横巻きに巻き付けた層が少なくとも1層存在する自己融着性横巻線。
  2. 前記層は、複数層存在する請求項1に記載の自己融着性横巻線。
  3. 1つの前記層を構成する前記樹脂繊維及び前記絶縁繊維は、当該層と重なり合う他の層の前記樹脂繊維及び前記絶縁繊維とは逆方向に巻き付けられている請求項2に記載の自己融着性横巻線。
  4. 前記樹脂繊維は、熱可塑性樹脂繊維である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自己融着性横巻線。
  5. 前記熱可塑性樹脂繊維は、ポリイミド樹脂繊維、ポリエーテルケトン樹脂繊維、ポリアミド樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、ポリフェニレンサルファイド樹脂繊維の内のいずれかである請求項4に記載の自己融着性横巻線。
  6. 前記樹脂繊維は、熱硬化性樹脂繊維である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自己融着性横巻線。
  7. 前記熱硬化性樹脂繊維は、ポリアミド樹脂繊維、不飽和ポリエステル樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フェノール樹脂繊維の内のいずれかである請求項6に記載の自己融着性横巻線。
  8. 請求項2に記載の自己融着性横巻線の製造方法であって、
    2層目の前記樹脂繊維及び前記絶縁繊維を巻き付ける前に、1層目の前記樹脂繊維及び前記絶縁繊維を固着させる、少なくとも加熱工程を有する自己融着性横巻線の製造方法。
  9. 請求項1から請求項7のいずか1項に記載の自己融着性横巻線を用いたコイル体の製造方法であって、
    前記自己融着性横巻線を鉄心のティース部に巻線して中間コイル体を形成するコイル巻線工程と、
    前記中間コイル体を加熱して前記樹脂繊維を溶融させる加熱工程と、
    前記加熱工程の後に、前記中間コイル体を冷却又は更に加熱して、前記樹脂繊維が溶融した樹脂を硬化させて、前記ティース部と前記導線と前記絶縁繊維を固着させる固着工程とを有するコイル体の製造方法。
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