JP5160016B2 - タイヤトレッドコンパウンド用ブロックコポリマーの製造方法及び該コポリマー - Google Patents

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Description

本発明は、架橋状態においてヒステリシスが減少した、硫黄架橋性ゴムコンパウンドに有用なブロックコポリマーの製造方法、該ブロックコポリマー及び該ゴムコンパウンドであって、タイヤトレッドに有用なものに関する。また、本発明は、そのようなトレッド及びそれを含むタイヤであって、その転がり抵抗が減少したものに関する。
タイヤ業界は、燃料消費を抑え、それと共に環境を保護するために、混合物のヒステリシスを減少させるように常に努力をしている。
ヒステリシスのこの減少は、混合物の加工性を維持又はさらに改良すると同時に達成されなければならない。ヒステリシスを減少させる多くのアプローチは、既に研究されてきた。鎖(chain)及び官能化(functionalisation)は、特に注目されてきた。
示唆された方法の多くは、重合の完了時に、カーボンブラックと相互作用可能な隣接官能基を探求することを含み、例えば、それらはスターポリマー又はスズ結合ポリマーに含まれる。
ヨーロッパ特許EP-A-709235の明細書は、例として挙げられてもよい。また、カーボンブラックと相互作用する他の官能基は、鎖状末端、例えば4,4'-ビス(ジエチルアミノベンゾフェノン)(それはDEABとして公知である)又は他のアミン官能基を攻撃する。例えば、特許明細書FR-A-2 526 030 及びUS-A-4,848,511が挙げられる。
数年前、シリカを使用することが可能になり、この充填剤と相互作用可能な官能基を見出す研究が進行中である。特許FR-A-2 740 778の明細書は、シラノール基を含む官能基を例として開示しており、それは、特にこの関連に述べられてもよい。US-A-5,066,721の明細書は、アルコキシシラン又はアリールオキシシラン官能基を開示しており、その明細書又はUS-A-3,244,664の明細書が挙げられてもよい。
カーボンブラック又はシリカのいずれであっても、これらのアプローチの多くは、ヒステリシスにおける真の(genuine)減少及び対応するコンパウンド中の補強剤の量の増加をもたらす。あいにく、これらの改良が、これらのコンパウンドの加工を、より困難にするというのが一般的である。
従って、混合物の加工に影響を与えない、他のヒステリシス減少手段が探究されている。
特に、低ヒステリシスポテンシャルを有するポリマー、具体的にはポリイソプレンを使用することが有望なアプローチであることが明らかになった。しかし、このタイプのポリマーの直接使用では、動的弾性率とヒステリシスとの満足の行く兼ね合いが通常提供されない。
この不都合を克服するために、ポリイソプレンブロックを含むブロックコポリマーを使用する試みがなされている。
一般的に、ブロックコポリマーは、相分離(segregated phase)における材料の構成要素である。ジブロックポリイソプレン/ポリスチレンコポリマーが、例として挙げられ、それらの合成は、文献に包括的に記載されている。これらのジブロックコポリマーは、価値ある衝撃耐性を示すことが知られている。
ポリイソプレン及びポリブタジエンブロック(それぞれIR及びBRと略される)を含むブロックコポリマーも、文献中に記載されている。
一定の重合後反応(post-polymerisation reactions)は、これらのエラストマーを熱可塑性材料に転化する。例えば、トリブロックBR/IR/BR コポリマーを水素化する時、ブタジエン部分は、結晶性ポリエチレンを形成し、一方、イソプレン部分は、ゴム状エチレン/ブチレン型物質を生じる。
また、これらの材料の塩化水素処理は、それらに結晶性を与える。
ジブロックIR/SBRコポリマー(ポリイソプレン/スチレン及びブタジエンのコポリマー)は、ヨーロッパ特許EP-A-438 967の明細書に、カーボンブラックを明らかに含む補強充填剤に関連して記載されている。IRブロックの数平均分子量は、好ましくは、70,000〜 150,000 g/モルであり、SBRブロックのものは、好ましくは、220,000〜240,000 g/モルである。さらに、IRブロックの数平均分子量の、SBRブロックのものに対する割合は、33%より高くなくてはならず、300%と同程度であってもよい。
この文献に記載されたゴムコンパウンドは、変動可能な構造であってもよく、上記割合が33%程度の時は板状であり、上記割合が300%程度の時は球状である。
しかし、上記33%〜300%のこれらのすべての値に関して、IRブロックの比較的高い数平均分子量が、IRブロックの1,4-結合の高い含有量のために、IR及びSBRブロックにそれぞれ対応する著しい相分離を通常生じることは、注目されるべきである。
また、IR/BRブロックコポリマーは、ポリイソプレン及びポリブタジエンのブレンドに関する相溶性剤(compatibilising agent)と考えられてきた。
D. J. Zanzig、F. L. Magnus、W. L. Hsu、A. F. Halasa、M. E. Testaによる文献、Rubber Chemistry and Technology vol. 66, 538〜549頁 (1993年)は、80%又は50%IRを含むIR/BRブロックコポリマーの使用を記載しており、それはこの関連において挙げられてもよい。これらの相対量について、IRブロックの数平均分子量は、通常200,000 g/モル以上であり、その結果として、これらコポリマーのブロックは、また、相分離を形成する。
これに関して、R. E. Cohen、A.R.Ramosによる文献、Macromolecules Vol. 12, No. 1, 131〜134頁 (1979年)が、挙げられてもよい。この文献において、使用されるジブロックコポリマーは、104,000g/モルと等しいか、133,000g/モルと等しい数平均分子量のIRブロックを有する。また、比較的高い分子量のIRブロック及びBRブロックは、これら二つのブロックに関連する大きな相分離を生じる。
驚くべきことに、最近、本出願人は、少なくとも一つの炭化水素溶媒、金属グループIIIAの化合物A、アルカリ土類金属の化合物B及び重合開始剤C(アニオン的に得られるモノリチウム化ポリイソプレンから形成されるC-Li結合を含む)を含む触媒系が、イソプレン以外の共役ジエンを含む一つ以上のモノマーの共重合により、二つのブロックを含む官能性又は非官能性のコポリマーを製造することが可能であり、それらは:
- 上記ブロックの一つは、上記重合開始剤Cから形成されるポリイソプレン(IR)からなり、
- 他のブロックは、共役ジエンから生じる単位のモル比が15%より多く、そのトランス-1,4結合の含有率が70%以上である、ジエンエラストマーからなり、また、
- IR ブロックの数平均分子量Mn1 が2,500〜20,000 g/モルであり、上記ジエンエラストマーからなる他のブロックの数平均分子量Mn2 が65,000〜350,000 g/モルであり、
このようにして得られたコポリマーは、硫黄架橋性ゴムコンパウンドに有用であり、架橋状態においてヒステリシスの減少の結果、及び、非架橋状態において加工性の結果を、このコンパウンドに関して明らかに最適化することができることを見出した。
特に、「コントロール」ジエンエラストマーに関するヒステリシスを参考に挙げると、共役ジエンから生じる単位のモル比は15%より多く、例えばスチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)であり、本発明の二つのブロックを有するコポリマー、例えばIR/SBRコポリマーは、この「コントロール」エラストマーに関するものよりも減少したヒステリシスにより特徴付けられる。
ポリイソプレンブロックのモル質量の減少は、得られるブロックコポリマーの弾性率をかなり明らかに減少しないことが可能であることに注目されるであろう。
好ましくは、上記数平均分子量の割合Mn1 / Mn2 は、実質的に5〜20%である。
共役ジエンから生じる単位のモル比が15%より多いジエンエラストマー(即ち、「本質的に不飽和な」ジエンエラストマー)であって、上記ポリイソプレンブロック以外の上記ブロックを形成することができるものは、炭素数4〜12のイソプレン以外の共役ジエンモノマーの重合により得られるいずれかのホモポリマー、又は炭素数8〜20の一つ以上のビニル芳香族化合物と一緒に共役した一つ以上のジエンの共重合により得られるいずれかのコポリマーを意味すると理解される。
好適な共役ジエンは、特に1,3-ブタジエン、2,3-ジ(C1-C5 アルキル)-1,3-ブタジエン、例えば、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジエチル-1,3-ブタジエン、2メチル-3-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-3-イソプロピル-1,3-ブタジエン、フェニル-1,3-ブタジエン、1,3ペンタジエン及び2,4-ヘキサジエンである。
好適なビニル芳香族化合物は、特に、スチレン、オルト-、パラ-又はメタ-メチルスチレン、市販の混合物「ビニル-トルエン」、パラ-tert.ブチルスチレン、メトキシスチレン又はビニルメシチレンである。
本発明によるブロックコポリマーを製造するのに使用される上記触媒系に関して、有用な上記化合物Aの代表的な例として、以下の有機金属化合物が挙げられる:
有機アルミニウム化合物であって、ハロゲン化されているか又はそうでないもの、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド又はメチルアルミニウムセスキクロライド;ジアアルキルアルミニウムヒドリド、例えば、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド等。
好ましくは、炭素数1〜12のトリアルキルアルミニウム、好都合なものとしてはトリオクチルアルミニウムが、上記化合物Aに使用される。
使用される化合物Bの代表的な例として、バリウム又はストロンチウムの以下の化合物が例として挙げられる:
水素化H2Ba 及びH2Sr、(R-COO)2 Ba 又はSr、R1-(COO)2 Ba 又はSrで表されるモノ−又はポリ官能性有機酸塩(式中、R及びR1は、有機基であり、前者は一価であり後者は二価である)、対応するチオ酸、モノ-又はポリ官能性アルコラート及び対応するチオラート:モノ-又はポリ官能性フェナート及び対応するチオフェナート ;ヒドロキシ酸及びフェノール酸のバリウム又はストロンチウム塩及び対応するチオ-生成物:バリウム又はストロンチウムβ-ジケトネート、例えば、アセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、テノイルトリフルオロアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン又はベンゾイルアセトンとバリウム又はストロンチウムとの反応生成物;有機バリウム又はストロンチウム誘導体、例えば、1,1-ジフェニルエチレン、1,2-アセナフチレン、テトラフェニルブタン、α-メチルスチレンの誘導体、又は、ジフェニルバリウム又は-ストロンチウム、ビス(シクロペンタジエニル)バリウム又は-ストロンチウム、トリアルキルシリルバリウム又は-ストロンチウム、又はトリフェニルシリルバリウム又は-ストロンチウム;混合有機誘導体、例えば、ヨウ化フェニルバリウム、ヨウ化メチルストロンチウム、第二アミンのバリウム又はストロンチウム塩;ケチル(ketyl)金属、例えばバリウム又はストロンチウムベンゾフェノン、バリウム又はストロンチウム シンナモン及び対応するアルキル化生成物及び硫化同族体;バリウム及びストロンチウムのラジカルイオン、例えばナフタレン、アントラセン、クリセン、ジフェニルのもの等。
また、化合物Bに関してカルシウムアルコレートを使用することも可能である。
好ましくは、バリウムアルコレート、好都合なものとして、バリウムエチルジグリコレート又はバリウムノニルフェノキシドが、上記化合物Bに使用される。
本発明の第一の態様において、本発明による触媒系は、上記化合物A及び上記化合物Bの上記炭化水素溶媒中における反応生成物から得られる助触媒、及び上記開始剤Cにより構成される。
本発明の態様の第一の例によると、本発明による製造方法は、以下の工程を満たすものからなる:
- 第一の工程において、製造される上記助触媒は、上記不活性炭化水素溶媒中、二つの金属化合物A及びBを反応させることにより製造される。その後、得られた混合物を、好ましくは20℃〜120℃、より好ましくは30℃〜50℃に、二つの化合物A及びBの反応を可能にするのに十分な時間、加熱する。一般的に、この期間は、1〜60分間、好ましくは20〜40分間である;その後
- 第二の工程において、上記助触媒を、重合開始剤Cを除いて、共重合されるべき上記モノマーを含む重合性媒体(medium)と接触させる(それらは、例えば、溶液中の共重合の場合、重合性溶媒中に溶解されている);その後
- 第三の工程において、上記開始剤Cを、このようにして得られた重合性媒体に加え、上記第二工程において得られた混合物と反応させ、その後、上記ポリマーを得るために重合反応を止め、官能性又は非官能性のコポリマーを得、それは、その後、それ自体公知なように回収される。
この第一の態様の第二の例によると、本発明による製造方法は、その後、以下の工程を満たすものからなる:
- 上記第一の例と同様の第一工程;その後
- 化合物A及びBにより形成される第一工程において得られる予備混合物に上記重合開始剤Cを加える第二工程であって、それは可能であればアルキルリチウム化合物を加えて触媒系の活性を向上させた後に行う。好ましくはこのアルキルリチウム化合物は、ブチルリチウムである。
- このようにして得られた触媒系を、共重合される上記モノマーを含む重合性媒体に加え(それらは、例えば、溶液中の共重合の場合、重合性溶媒に溶解されている)、その後重合を止め、官能性又は非官能性の本発明によるコポリマーを得ることからなる第三の工程。
温度条件は、上記第一例と同様である。
本発明の第二の態様によると、上記触媒系は、上記炭化水素溶媒中の上記化合物A及びCの予備混合物及び上記化合物Bにより構成される。
より正確には、化合物A及びCを含有する予備混合物を、共重合されるべき上記モノマーを含む重合性媒体に加え(それらは、例えば、溶液中の共重合の場合、重合性溶媒に溶解されている)、その後上記化合物Bをこのすべてに加え、その後重合を止め、官能性又は非官能性の、本発明によるコポリマーを得る。
本発明による製造方法のこれら二つの態様において、試薬A及びBの量は、モル比A/Bが0.5〜5、好ましくは2.5〜4になるように使用される。さらに、二つの試薬B及びCの量は、モル比C/Bが0.2〜4、好ましくは1.5〜4になるように使用される。
さらに、溶液中の共重合の場合、重合性溶媒は、好ましくは、炭化水素溶媒、好ましくはシロキサンであり、重合温度は、20℃〜150℃、好ましくは60℃〜110℃である。
さらに、本発明による触媒系のアルカリ土類金属の濃度は、0.01〜0.5 mol.l-1であり、好ましくは0.03〜0.25 mol.l-1である。
本発明による重合は、連続、非連続であってもよく、また、溶媒なしに行われても(effected)よいということが注目されるであろう。
本発明の他の特徴によると、本発明のコポリマーのポリイソプレンブロック(IR)は、いくらかのビニル結合 (3,4及び1,2)を有し、それは、実質的に1〜20%である。
都合のよいことに、スチレン及びブタジエンは、上記リチウム化開始剤Cに存在するポリイソプレンと共重合されるモノマーとして使用され、二つのブロックIR及びSBR (ポリイソプレン / スチレン/ブタジエン)を有するコポリマーが得られる。
同様に好ましくは、ポリイソプレン以外のジエンエラストマーから形成される、本発明によるコポリマーのブロック、例えばSBRブロックは、補強充填剤と相互作用することができる官能基を含む。
従来の官能化されたエラストマーに比べて、ヒステリシスの減少は、この場合一層著しく、また、それは加工性の改良を伴うことが注目されるであろう。
この官能基は、強化無機充填剤、例えばシリカと相互作用が可能であってもよく、それは、例えば、シラノール基、又はモノ-、ジ-又はトリアルコキシシラン基を含んでいてもよい。
この官能基は、カーボンブラックと相互作用可能であってもよく、それは、例えばC-Sn結合を含んでいてもよい。
この後者の場合、この官能基は、一般式R3SnClに対応してもよいオルガノハロチン(organohalotin)型の官能化剤(functionalizing agent)と、又は一般式R2SnCl2に対応してもよいオルガノジハロチン型の結合剤と、又は一般式RSnCl3に対応してもよいオルガノトリハロチン型、又は一般式SnCl4に対応してもよいテトラハロチン型のスター剤(starring agent)と反応することにより、それ自体公知なように得てもよい(式中、Rは、アルキル、シクロアルキル、又はアリール基である)。
カーボンブラックと相互作用可能な上記官能基は、アミン基を含んでいてもよい。
本発明によるゴムコンパウンドは、非架橋状態において加工性を改良、また、架橋状態においてヒステリシスを減少するのに適しており、それは、そのエラストマーマトリックスが、上記のような本発明によるブロックコポリマーを含むようにされており、ポリイソプレン以外の上記ジエンエラストマーから形成される上記コポリマーのブロックは、上記補強充填剤に結合するために官能化、結合又はスター化(starred)されている。
この補強充填剤は、例えば、過半数の(すなわち、質量分率において50%より多い)強化無機充填剤を含む。
本願において、公知の様式において、「強化無機充填剤」とは、その色及びその起源(天然又は合成)にかかわらず、無機又はミネラルの充填剤を意味するものと理解され、また、カーボンブラックとは対照的に、「白色」充填剤又は時々「清澄な」充填剤と呼ばれ、この無機充填剤は、それ自体中間カップリング剤以外のいずれの手段なしに、タイヤの製造をしようとするゴムコンパウンドを強化できるものであり、言い換えれば、その強化機能において従来のタイヤグレードカーボンブラック充填剤と置き換えることができる。
好ましくは、すべて又はせめて大部分の強化無機充填剤は、シリカ (SiO2)である。使用されるシリカは、当業者に公知の強化シリカ、特に、BET表面積及び特定のCTAB表面積を有する沈降又は熱分解法シリカのいずれであってもよく、たとえ高い分散性の沈降シリカが好ましくても、それらの両方は450m2/gより少ないものである。
本明細書において、BET比表面積は、公知の方法において、Brunauer、Emmett及び Tellerの「The Journal of the American Chemical Society」、vol. 60、309頁、1938年2月、及び付随したStandard AFNOR-NFT-45007 (1987年11月)に記載された方法により測定される;CTAB比表面積は、同Standard AFNOR-NFT-45007、1987年11月に従って測定される外面積である。
「高分散性シリカ」は、エラストマーマトリックスにおいて、非凝集(disagglomerate)及び分散する実質的な性能を有するいずれかのシリカを意味すると理解され、それらは、薄形材において、電子又は光学顕微鏡により公知の方法において観察され得る。そのような好ましい高分散性シリカの非限定的な例としては、Akzo のシリカPerkasil KS 430、DegussaのシリカBV3380 、Rhodia のシリカZeosil 1165 MP 及び1115 MP 、PPG のシリカHi-Sil 2000 、Huberのシリカ Zeopol 8741 又は8745、及び 処理された沈降シリカ、例えば、特許EP-A-735088の明細書に記載されたアルミニウム「ドープ」シリカが挙げられてもよい。
強化無機充填剤は、それが粉体、マイクロビーズ、顆粒又は球体であろうと、それが存在する物理的状態は、無形(immaterial)である。また、当然、「強化無機充填剤」は、異なる強化無機充填剤、特に、上記のような高分散性シリカの混合物を意味すると理解される。
本発明のゴムコンパウンドの補強充填剤は、ブレンド(混合物)において、上記強化無機充填剤の他に、小数の(即ち、50%より少ない質量分率)のカーボンブラックを含んでいてもよいことが注目されるであろう。好適なカーボンブラックは、いずれかのカーボンブラック、具体的には、HAF、ISAF及びSAFタイプのブラックであって、タイヤ、特にタイヤトレッドに通常使用されるものである。そのようなブラックの非限定的な例としては、ブラックN115、N134、N234、N339、N347及びN375が挙げられてもよい。
例えば、ブラック/シリカブレンド、又は、部分的又は全体的にシリカでカバーされたブラックは、補強充填剤を形成するのに好適である。
また、強化無機充填剤として好適なものは、シリカにより改質されたカーボンブラック、例えば、CABOTにより販売される商品名「CRX 2000」であり、それは国際特許WO-A-96/37547の明細書に記載されているが、それに限定されない。
本発明のコンパウンドの態様の他の例によると、上記補強充填剤は、過半数のカーボンブラックを含む。
カーボンブラックとして、タイヤ、特にトレッドにおいて、商業的に入手可能か又は従来使用される全ての上記ブラック、及びブラック/シリカブレンド、シリカで部分的又は全体的にカバーされているカーボンブラック又はシリカにより改質された上記カーボンブラックが好適である。
本発明の一つの変形の態様によると、上記補強充填剤は、強化無機充填剤50%及びカーボンブラック50%のブレンドを含む。
強化無機充填剤、例えば、シリカ又は強化アルミナのために、(無機充填剤/エラストマー)カップリング剤(結合剤とも呼ばれる)の使用が必要なことは、当業者によく知られており、その役割は、無機充填剤とエラストマーの結合又は「カップリング」を生じることであり、一方、エラストマーマトリックス内のこの無機充填剤の分散を促進することである。
「カップリング剤」は、問題の充填剤とエラストマーとの十分な化学的及び/又は物理的結合を確立する一方、エラストマーマトリックス内のこの充填剤の分散を促進することが可能な薬剤を意味する;そのようなカップリング剤は、少なくとも二官能性であり、例えば、一般式「Y-T-X」と簡略化され、式中:
- Yは、無機充填剤と物理的及び/又は化学的に結合可能な官能基(「Y」官能基)を表し、そのような結合は、カップリング剤のシリコン原子と無機充填剤の表面ヒドロキシル(OH)基(例えば、シリカの場合、表面シラノール)との間に確立され得る;
- Xは、エナンチオマーと物理的及び/又は化学的に結合可能な官能基(「X」官能基)を表し、例えば硫黄原子による;
- Tは、YとXを結合することができる基を表す。
特に、カップリング剤は、問題の充填剤をカバーするための単純な薬剤と混同されてはならず、ここでそれらは、公知の様式において、充填剤に関して活性なY官能基を含んでいてもよいが、エラストマーに関して活性なX官能基がないものである。
変動可能な効果のそのようなカップリング剤は、非常に多くの文献に記載されており、当業者に広く知られている。実際、タイヤ産業に有用なジエンゴムコンパウンドにおいて、強化白色充填剤、例えばシリカと、ジエンエラストマー、例えばオルガノシラン、特にポリ硫化アルコキシシラン又はメルカプトシラン、或いはポリオルガノシロキサンであって、上記X及びY官能基を有するものとの、効果的な結合又はカップリングが、知られているか又はそれを確実にする見込みのある、いずれかのカップリング剤を使用してもよい。
特に、シリカ/エラストマーカップリング剤は、多くの文献に記載されており、最もよく知られているのは、二官能性アルコキシシラン、例えばポリ硫化アルコキシシランである。
特に、それらの特異的構造に依存して「対称的」又は「非対称的」と呼ばれる、ポリ硫化アルコキシシランが使用され、それは、例えば、特許US-A-3,842,111、US-A-3,873,489、 US-A-3,978,103、US-A-3,997,581、US-A-4,002,594、US-A-4,072,701、US-A-4,129,585又はより最近の特許US-A-5,580,919、US-A-5,583,245、US-A-5,650,457、 US-A-5,663,358、US-A-5,663,395、US-A-5,663,396、US-A-5,674,932、US-A-5,675,014、 US-A-5,684,171、US-A-5,684,172、US-A-5,696,197、US-A-5,708,053、US-A-5,892,085 及びEP-A-1 043 357に記載されており、それは、そのような公知の化合物を詳細に記載している。
以下の定義に制限されるものではないが、本発明を実施するのに特に好適なものは、以下の一般式(I)を満たす、対称的なポリ硫化アルコキシシランである:
(I) Z - A - Sn - A - Z 、式中:
- n は、整数2 〜8 (好ましくは2〜5)であり;
- A は、二価の炭化水素基(好ましくは炭素数1〜18のアルキレン基又は炭素数6〜12のアリーレン基(arylene groups)、より具体的には炭素数1〜10のアルキレン、特に、炭素数1〜4のアルキレン、具体的にはプロピレン);
- Z は、以下の一般式の一つに対応する:
Figure 0005160016
式中、
- R1基は、置換されていても置換されていなくてもよく、また、同じであっても異なっていてもよいが、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数5〜18のシクロアルキル基、又は、炭素数6〜18のアリール基(好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、シクロヘキシル又はフェニル、特に炭素数1〜4のアルキル基、より具体的にはメチル及び/又はエチル基)を表す。
- R2基は、置換されていても置換されていなくてもよく、また、同じであっても異なっていてもよいが、炭素数1〜18のアルコキシル基、又は炭素数5〜18のシクロアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜8のアルコキシル基又は炭素数5〜8のシクロアルコキシル基、より好ましくは炭素数1〜4のアルコキシル基、具体的にはメトキシル及び/又はエトキシル)を表す。
上記一般式(I)によるポリ硫化アルコキシシランの混合物の場合、特に従来の、商業的に入手可能な混合物において、「n」の平均値は、わずかな数、好ましくは2〜5の範囲内であることが理解されるであろう。
ポリ硫黄化アルコキシシランとして、より具体的には、ビス-((C1-C4)アルコキシル-(C1-C4)アルキル-シリル(C1-C4)アルキル)のポリスルフィド(具体的にはジスルフィド、トリスルフィド又はテトラスルフィド)、例えばビス(3-トリメトキシシリルプロピル)又はビス(3-トリエトキシシリルプロピル)のポリスルフィドが挙げられる。これらの化合物のうち、好ましくは、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、略してTESPT、一般式[(C2H5O)3Si(CH2)3S2]2 又はビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、略してTESPD、一般式 [(C2H5O)3Si(CH2)3S]2 が使用される。TESPD は、例えば、Degussa により、商品名Si266又はSi75 (後者の場合、ジスルフィド(75質量%)及びポリスルフィドの混合物の形態にある)、又は、Witcoにより、商品名Silquest A1589として販売されている。TESPTは、例えば、Degussaにより商品名Si69 (又は、カーボンブラックに50質量%支持される場合はX50S)、又は、Osi Specialtiesにより商品名Silquest A1289で販売されている(両方の場合において、nの平均値が4に近いポリスルフィドの市販の混合物である)。四硫化モノアルコキシシラン、例えば、モノエトキシジメチルシリルプロピルテトラスルフィド(略してMESPT)が挙げられ、それらは、出願人の名において、国際特許出願PCT/EP02/03774に付されている。
当業者は、目的とする用途、使用されるエラストマーの性質及び強化シリコンカーバイドの量により、本発明のコンパウンド中のカップリング剤の量を調節でき、それらは、もし適用可能ならば、補足的補強充填剤として使用されるその他の無機充填剤により補足されるであろう。
上記エラストマーマトリックス、上記補強充填剤及び可能ならば一つ以上の強化無機充填剤/エラストマー結合剤の他に、本発明のコンパウンドは、ゴム配合物に一般的に使用されるすべて又はいくつかの他の構成成分および添加剤、例えば可塑剤、顔料、抗酸化剤、抗オゾンワックス、硫黄及び/又はペルオキシド及び/又はビスマレイミドをベースとした架橋系、架橋促進剤、エキステンダー油、強化無機充填剤をカバーするための一つ以上の薬剤、例えばアルコキシシラン、ポリオール、アミン等を含む。
本発明によるタイヤトレッドは、それを含むタイヤの転がり抵抗を減少するのに有用であり、上記のような架橋ゴムコンパウンドを含んでいる。
本発明のタイヤは、それがそのようなトレッドを含むものである。
本発明の上記特徴は、他のものと同様に、本発明の態様の数例の以下の記載を読むことにより、より理解されるものと思われるが、それらは説明のために示したものであり、それらに制限されるものではない。
- SEC技術(サイズエクスクルージョンクロマトグラフィ)を使用して、得られたコポリマーの数平均分子量を測定した。この技術により、高分子は、多孔性固定相で満たされたカラムにおいて、膨潤した時、それぞれのサイズにより物理的に分離される。
商品名「WATERS」モデル「150C」として販売されるクロマトグラフは、上記の分離に使用される。二つの「WATERS」カラムのセットが使用され、その型は「STYRAGEL HT6E」である。
- さらに、13-炭素核磁気共鳴 (13C-NMR) を使用し、得られたエラストマーのミクロ構造特性を測定した。この特性の詳細を以下に説明する。
13C-NMR分析を、「Bruker AM250」分光計を使用して行った。13炭素の公称周波数は62.9 MHzである。定量結果を確実にするために、「核オーバーハウザー効果」 (NOE) なしに記録した。スペクトル幅は、240 ppmであった。使用したアングルパルスは、90゜パルスであり、その持続時間は5 % μsであった。 低いパワーデカップリング及び広いプロトンバンドを使用し、13C捕捉の間のスカラー1H-13Cカップリングを排除した。配列繰り返し時間は、4秒であった。シグナル/ノイズ比を増加するために蓄積した減衰シグナル数(the number of transients)は、8192であった。そのスペクトルを77 ppm でのCDCl3 バンドに対して測定した。
例として、本発明のコンパウンドの特性を以下のように評価した:
- 100℃でのムーニー粘度ML (1+4):1999年の標準ASTM D 1646により測定した 。以下MLと略す;
- 300% (ME 300)、100% (ME 100)及び10% (ME 10)での伸び率:1998年の標準ASTM D 412により測定;
- スコット破断指数(Scott break indices):1998年の標準: ASTM D 412 により20℃で測定した;
- 破断荷重 (BL):1998年の標準ASTM D 412によりMPaにおいて測定した;
- 1998年の標準ASTM D 412による破断点での伸び率(EB) %;
- ヒステリシス損 (HL):以下の式により、60℃で6回の衝撃において反復することにより測定した%:
HL (%) = 100 x (W0-W1)/W1、式中、W0:供給したエネルギーであり、W1:回復したエネルギー;
- SHORE A硬度:1997年の標準ASTM D2240による測定値;
- 動的剪断特性 (G*):
0.45%〜50%の最大振幅で10 Hertzで行った、歪みによる測定値。
ヒステリシスは、標準ASTM D2231-71 (1977に再認可)により7%歪みでのタンデルタの測定値により表示した;
- 非充填コンパウンドにおけるデスクリプターの特異性:
以下の実施例1について、ヒステリシスデスクリプターは、タンデルタの値であり、それは 10 Hzで、0℃、 20℃及び50℃での正弦波圧縮(sinusoidal compression)において測定した。
二つのブロックSBR及びIRを有する本発明によるコポリマーAをベースとした本発明によるゴムコンパウンドAと、コポリマーSBR Bをベースとした「コントロール」コンパウンドBとの比較。

1)本発明によるコポリマーA及び「コントロール」コポリマーB SBR Bの製造
1.1) 本発明によるコポリマーAの製造
- 本発明による触媒系に含まれる助触媒の製造:
シクロヘキサン15 ml、バリウムエチルジグリコレート3.8x10-3モル(シクロヘキサン中の溶液における成分B)及びトリオクチルアルミニウム13.3x10-3モル(シクロヘキサン中の溶液における成分A)を、窒素下に維持した0.25 lボトルに投入した。この混合物を40℃で20分間攪拌し、上記助触媒を形成した。
- リチウム化したポリイソプレンから形成されるポリマー開始剤の製造:
シクロヘキサン154 ml及びイソプレン44 ml (30 g)を、窒素下に維持した0.25 lボトルに投入した。不純物の中和の後、s-BuLi 3x10-3 モルを加え、重合を50℃で45分間行った。このようにして得られたMn = 10,000 g/モルのリチウム化ポリイソプレンを、窒素下、周囲温度で維持した。
-本発明による触媒系を使用した共重合:
シクロヘキサン (154 ml)、ブタジエン及びスチレンを、窒素下に維持した0.25 l ボトルに、各質量比1/ 0.108/ 0.100で投入した。助触媒0.49 ml (又はバリウム当量 50 μmol)、その後上記リチウム化ポリイソプレン117 μmolを加えた。重合を、80℃で行い、 転化されたモノマーの量は、30分後には65%であった。この量は、110℃で乾燥した抽出物を、200 mmHgの減圧下で秤量することにより測定した。共重合を、リチウムと比較して過剰のメタノールにより、止めた。得られたSBR/IRコポリマーについて測定した内部粘度は、1.61 dl/gであり、100℃でのそのムーニー粘度ML(1+4)は51であった。
このSBR/IRコポリマーを、4,4'-メチレン-ビス-2,6-tert.ブチルフェノールのエラストマー(phr)100部当たり0.4部を添加することにより、抗酸化処理を行った。このコポリマーを、従来のスチームストリッピング操作により回収し、その後、それを、窒素流中、50℃のオーブン中で乾燥した。
SECにより測定した、得られたコポリマーA (SBR/IR)の数平均分子量は、108,000 g/モルであった。
コポリマーAのミクロ構造を、13C NMRにより測定した。
トランス-1,4 BRの量は77%、シス-1,4 BRの量は19%であり、1,2 BR の量は4%であった(これら3つの量のそれぞれは、ブタジエン単位に関連している)。
スチレンの量は30(質量)%であった。
3,4 IR 単位の量は8%、トランス-1,4 IR単位の量は24%であり、シス-1,4 IR単位の量は、68%であった(これら3つのそれぞれの量は、ポリイソプレンブロックに関連している)。
最後に、このSBR/IRコポリマーA中のこのIRブロックの質量分率(13C-NMRにより測定)は、8%であった。
1.2) 「コントロール」SBRコポリマーBの製造
この「コントロール」SBR Bを、上記セクション1.1)により行ったスチレン及びブタジエンの共重合により製造したが、ここで共重合は、上記リチウム化ポリイソプレンの代わりに、リチウム化開始剤としてn-ブチルリチウムにより開始した(使用した助触媒は前と同じものである)。
得られたSBR Bを、上記の抗酸化処理及び同じ乾燥及びストリッピング操作を行った。
このSBR Bについて測定した内部粘度は1.52 dl/gであり、100℃でのムーニー粘度ML(1+4)は49であった。
この「コントロール」コポリマーBのミクロ構造を近赤外線分光分析法により測定した。トランス-1,4 BRの量は83%、シス-1,4 BRの量は14%であり、1,2 BR の量は3%であった(これら3つのそれぞれの量は、ブタジエン単位に関連している)。スチレンの量は30(質量)%であった。
2) 上記SBR/IRコポリマーAをベースとした本発明によるゴムコンパウンドAと、コポリマーSBR Bをベースとした「コントロール」コンパウンドBとの比較:
補強充填剤を欠いた、各コンパウンドA、Bの組成を、phr (エラストマー100部当たりの質量部)において以下に示した:
コポリマーA 又はB 100
ZnO 3
ステアリン酸 2
硫黄 1.5
スルフェンアミド (1) 1.5 (N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド)
各コンパウンドA, Bを、密閉式混合機中、1工程5分間、ブレードスピード50 rpm.での熱機械作業により、同じ最大落下温度160℃を達成するまで製造し、一方、架橋系の組み込みを、「ホモ仕上げ機(homo-finisher)」において、30℃で行った。
架橋を165℃で25分間行った。
結果を以下の表1に示す:
Figure 0005160016
これらコンパウンドの架橋状態の特性に関する限り、20〜50℃で変化する温度に対応した転がり抵抗の分野において、SBR/IRブロックを有する上記コポリマーAをベースとした本発明によるコンパウンドAの消失(dissipation)レベルは、「コントロール」コポリマーSBR Bをベースとした「コントロール」コンパウンドBで得られたものと比較して低いという結論が導き出された。
上記コポリマーA (SBR/IR)をベースとした本発明によるゴムコンパウンドA'と、上記コポリマーSBR Bをベースとした「コントロール」コンパウンドBとの比較。

ここで、二つのゴムコンパウンドA'及びB'を試験した。ここで、それらは実施例1の非充填コンパウンドとは異なり、それぞれが補強充填剤として、カーボンブラックシリーズ300 65phrを含んでいた。
各コンパウンドA'、B'の組成を以下に示す(phr):
コポリマーA 又はB 100
カーボンブラック(シリーズ300) 65
ZnO 4
ステアリン酸 1
抗酸化剤 (1) 1.5
パラフィン 1
粘着性樹脂 (2) 5
抗酸化剤(3) 1
硫黄 1.3
スルフェンアミド (4) 1.1
ここで、
(1)は、N-1,3-ジメチルブチル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、
(2)は、EXXONにより商品名「Escorez 1202」として販売されている粘着性樹脂、
(3)は、テトラメチルキノリンであり、また
(4)は、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミドである。
各コンパウンドA'、B'を、密閉式混合機中、1工程5分間、ブレードスピード80 rpm.での熱機械作業により、同じ最大落下温度160℃を達成するまで製造し、一方、架橋系の組み込みを、「ホモ仕上げ機」において、30℃で行った。
架橋を150℃で20分間行った。
結果を以下の表2に示す:
Figure 0005160016
カーボンブラックを充填したこれらコンパウンドの架橋状態の特性に関する限り、SBR/IRブロック及びカーボンブラックを有する上記コポリマーAをベースとした本発明によるコンパウンドA' の(低い及び高い歪みにおける)ヒステリシス特性は、上記コポリマーSBR B及び同カーボンブラックをベースとした「コントロール」コンパウンドB'のものと比較して改善されているという結論が導き出された。
本発明によるコンパウンドA'を含むタイヤのトレッドの転がり抵抗は、「コントロール」コンパウンドB'を含むタイヤのトレッドと比較して減少したという結論が導きだされた。
二つのブロックSBR及びIRを有する本発明による官能性コポリマーCをベースとした本発明のゴムコンパウンドCと、官能性SBR Dをベースとした「コントロール」コンパウンドDとの比較。

1) 本発明によるコポリマーC及び「コントロール」SBR DコポリマーDの製造
1.1)本発明による官能性コポリマーCの製造
この官能性コポリマーCを、スチレン及びブタジエンの共重合により、上記実施例1のセクション1.1)の方法に従って行った(即ち、上記助触媒及びリチウム化ポリイソプレンにより構成された開始剤による)が、ここで、反応は、官能化(functionalisation)に関して、リチウムと相対的に2当量の4,4'-ビス(N,N-ジエチルアミノ)ベンゾフェノンで止めた。
このように官能化されたSBR/IRブロックを有するコポリマーCを、実施例1において上記した抗酸化処理及びストリッピング及び乾燥操作にかけた。
このコポリマーCに関して測定した内部粘度は、1.51 dl/gであり、100℃でのムーニー粘度ML(1+4)は、約50であった。
SECにより測定した、このコポリマーCの数平均分子量は、103,000 g/モルであった。
このコポリマーCのミクロ構造を、13C NMRにより測定した。
トランス-1,4 BRの量は、78%、シス-1,4 BRの量は17%であり、1,2 BRの量は、5%であった (これら3つそれぞれの量はブタジエン単位に関連している)。
スチレンの量は、31(質量)%であった。
3,4 IR単位の百分率は5%、トランス-1,4 IR単位の百分率は23%であり、シス -1,4 IR 単位の百分率は72%であった (これらの3つそれぞれの量は、ポリイソプレンブロックに関連している)。
最終的に、コポリマーC 中のポリイソプレンブロックの質量分率(13C NMRによる測定)は、6%であった。
1H NMRにより調べた官能化の量は、88%であった。
1.2)官能性「コントロール」コポリマーSBR Dの製造
この官能性「コントロール」SBR D を、スチレン及びブタジエンの共重合により、上記実施例1のセクション1.1)の方法に従って行うが、但し、共重合を、リチウム化ポリイソプレンの代わりに、リチウム開始剤としてn-ブチルリチウムにより開始し、また、反応を、リチウムと相対的に2当量の4,4'-ビス(N,N-ジエチルアミノ)ベンゾフェノンで止めた。
このように官能化されたSBR Dを、上記抗酸化処理及び同乾燥及びストリッピング操作にかけた。
測定したその内部粘度は、1.43 dl/gであった。
SECにより測定した、得られたSBR Dの数平均分子量は、100,000 g/モルであった。
このコポリマーD のミクロ構造を13C NMRにより測定した。
トランス-1,4 BR の量は83%、シス-1,4 BRの量は14%であり、1,2 BRの量は3%であった。スチレンの量は31(質量)%であった。
1H NMRにより調べた官能化の量は、66%であった。
2)上記官能性SBR/IRコポリマーCをベースとした本発明によるゴムコンパウンドCと、同様に官能化されている上記SBR Dコポリマーをベースとした「コントロール」コンパウンドDとの比較
ここで、二つのゴムコンパウンドC及びDを試験した。ここで、それらは上記充填剤としてカーボンブラックシリーズ300 65phrをそれぞれ含んでいた。
各コンパウンドC、Dの組成を以下に示す (phr):
コポリマーC 又はD 100
カーボンブラック(シリーズ300) 65
ZnO 4
ステアリン酸 1
抗酸化剤 (1) 1.5
パラフィン 1
粘着性樹脂 (2) 5
抗酸化剤(3) 1
硫黄 1.3
スルフェンアミド (4) 1.1
ここで、
(1)は、N-1,3-ジメチルブチル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン、
(2)は、EXXONにより商品名「Escorez 1202」として販売される粘着性樹脂、
(3)は、テトラメチルキノリンであり、また
(4)は、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミドである。
各コンパウンドC、Dを、密閉式混合機中、1工程5分間、ブレードスピード80 rpm.での熱機械作業により、同じ最大落下温度160℃を達成するまで製造し、一方、架橋系の組み込みを、「ホモ仕上げ機」において、30℃で行った。
架橋を150℃で20分間行った。
結果を以下の表3に示す:
Figure 0005160016
カーボンブラックを充填したこれらコンパウンドC及びDの架橋状態の特性に関する限り、SBR/IRブロックを有する上記官能性コポリマーCをベースとした本発明によるコンパウンドCの(低い及び高い歪みにおける)ヒステリシス特性は、同様に官能化された上記コントロールコポリマーDをベースとした「コントロール」コンパウンドDのものと比較して改良されているという結論が導き出された。
本発明によるコンパウンドCを含むタイヤのトレッドの転がり抵抗は、「コントロール」コンパウンドDを含むタイヤのトレッドのものと比較して減少したという結論が導きだされた。
二つのブロックSBR及びIRを有する本発明によるスターコポリマーEをベースとした本発明のゴムコンパウンドEと、スターSBR Fをベースとした「コントロール」コンパウンドFとの比較。

1) 二つのブロックSBR 及びIRを有する本発明によるスターコポリマーE及びスター「コントロール」SBRコポリマーFの連続製造
1. 1) 本発明によるブロックコポリマーEの製造
1. 1. 1) リビングポリイソプレンの製造
ポリイソプレンを、タービン型のスターラーを備えた、32.5 lの容量の反応器中において連続的に製造した。この反応器に、一方では、シクロヘキサン及びイソプレンを各質量比100 / 20、他方では、イソプレン100g当たり活性型sec.ブチルリチウム(s-BuLi) 12,500 μmolを連続的に投入した。
様々な溶液の流量を、平均滞留時間が40分になるように調節した。反応温度を70℃に維持した。モノマー転化率は、反応器出口において100%であった。
残留ブチルリチウム量を、ベンゾフェノンで得られる付加生成物によりサンプルから測定し、"CPSil 19" カラム(保持時間8分、20秒)における"HP 5890"クロマトグラフを使用して、気相クロマトグラフィにより検定した。従って、この残留BuLi量は、1.2%と測定された。
このようにして得られたリビングポリイソプレンの数平均分子量は8400g/モルであり、それは、メタノールの1リチウム当量により止められたサンプルにおいて浸透圧測定により測定した。この浸透圧測定は、「Gonotec」という名で販売されている「Osmomat 090」モデル浸透圧計により行った。
このポリイソプレンのガラス転移温度Tgは、−64℃であり、3,4-結合の含有率は、8%であった。
リチウム化ポリイソプレンを、10℃、窒素下で貯蔵した。窒素圧下、この温度での数週間の貯蔵において、含有量の変化は観察されなかった。
1. 1. 2) リビングポリイソプレンを含有する触媒系により開始されたブタジエン及びスチレンの連続共重合
シクロヘキサン、ブタジエン及びスチレンを、各質量流量100 / 12 / 8で、32.5 lの反応器に投入した。
同時に、助触媒を製造し、それは、シクロヘキサン中、バリウムエチルジグリコレート及びトリオクチルアルミニウムから、モル比Al/Ba = 3.5で構成される。流量を、この助触媒が、その反応器の上流において流れ(溶媒+モノマー)に加わるよう、バリウムの量がモノマー100g当たり240マイクロモルに対応するように調節した。
反応器の入り口において、セクション1. 1. 1)に記載した、モノマー100g当たり600マイクロモルのリビングポリイソプレンの溶液を、注入した。
様々な流量を、反応器中の平均滞留時間が40分になるように調節した。温度を95℃に維持した。
反応器出口において取ったサンプルで測定された転化率は65%であり、一方、トルエン中、0.1 g/dlで測定した内部粘度は、1.63 dl/gであった。
最終的に、反応器出口において、シクロヘキサン中の溶液において、トリス-(ノニルフェノール)ホスフィットモノマー100g当たり96マイクロモルを、リビングポリマーの溶液に(スタティックインラインミキサー(static in-line mixer)上で)加えた。この攪拌反応の3分後、モノマー100g当たり1440マイクロモルのメタノールを注入し、2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert. ブチルフェノール)0.8phr及び N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン0.2phrを使用し、コポリマーを抗酸化処理にかけた。
このようにして処理したコポリマーをその溶液から、スチームストリッピング操作により分離し、その後、それを開放形ロール機上、100℃で、20分間乾燥し、本発明によるSBR/IRブロックを有するスターコポリマーEを得た。
このコポリマーEの内部粘度は、1.87 dl/gであり、100℃でのその粘度ML(1+4)は55であった。
SECにより測定した、コポリマーの数平均分子量は、80,000g/モルであった。
このコポリマーEのミクロ構造を、13C NMRにより測定した。
このコポリマーEのSBRブロックは、スチレン31(質量)%及びそのブタジエン部に関しては、トランス-1,4 単位77%を含む。このコポリマーE中のポリイソプレンブロックの質量分率 (13CNMRにより測定)は、7%であった。このポリイソプレンブロックは、3,4単位8%、トランス -1,4 単位24%及びシス-1,4単位68%を含んでいた。
1. 2) 「コントロール」スターコポリマーFの製造
このスターSBR Fを上記セクション1. 1. 2)に記載した方法を使用して、スチレン及びブタジエンの共重合により製造するが、但し、この共重合の開始に関して、バリウムエチルジグリコレートの量はモノマー100g当たり525マイクロモル(Al/Ba 比は、通常3.5)であり、リビングポリイソプレンのモノマー100g当たり600マイクロモルを活性n-BuLiモノマー1100 μmol / 100 gにより置き換えた。
反応器から生じる転化率は68%であり、トリス-(ノニルフェノール)ホスフィットモノマー100g当たり210マイクロモルの添加前に、得られたSBRの内部粘度は、1.44 dl/gであった。
この攪拌後、SBRを、前記抗酸化処理及び上記乾燥及びストリッピング処理にかけた。
得られたコポリマーFの内部粘度は、1.79 dl/gであり、そのML粘度は、55であった。
SECにより測定した、コポリマーの数平均分子量は、71,000g/モルであった。
このコポリマーFのミクロ構造は、上記コポリマーEのSBRブロックに関して上に述べたものと同様であった。
2)上記スターSBR/IRコポリマーEをベースとした本発明によるゴムコンパウンドEと、上記スターコポリマーSBR Fをベースとした「コントロール」コンパウンドFとの比較
ここで、二つのゴムコンパウンドE及びFを試験した。それらは、補強充填剤としてカーボンブラックシリーズ200 54phrをそれぞれ含んでいた。
各コンパウンドE、Fの組成を以下に示す (phr):
スターコポリマーE又はF 100
カーボンブラック(シリーズ200) 54
ZnO 3
ステアリン酸 1.5
抗酸化剤 (1) 2
パラフィン 1
硫黄 1.4
スルフェンアミド (2) 1.4
ここで、
(1)は、N-1,3-ジメチルブチル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミンであり、
(2)は、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミドである。
各コンパウンドE、 Fを、密閉式混合機中、1工程5分間、ブレードスピード80 rpm.での熱機械作業により、同じ最大落下温度160℃を達成するまで製造し、一方、架橋系の組み込みを、「ホモ仕上げ機」において、30℃で行った。
架橋を150℃で20分間行った。
結果を以下の表4に示す:









Figure 0005160016
カーボンブラックを充填したこれらコンパウンドE及びFの架橋状態の特性に関する限り、SBR/IRブロックを有する上記スターコポリマーEをベースとした本発明によるコンパウンドEの(低い及び高い歪における)ヒステリシス特性は、上記スターコポリマーSBR F及び同カーボンブラックをベースとした「コントロール」コンパウンドFのものと比較して改良されているという結論が導き出された。
本発明によるコンパウンドEを含むタイヤのトレッドの転がり抵抗は、「コントロール」コンパウンドFを含むタイヤのトレッドのものと比較して減少したという結論が導きだされた。
二つのブロッSBR及びIRを有する本発明による線状コポリマーGをベースとしたゴムコンパウンドGと、線状SBR Hをベースとした「コントロール」コンパウンドHとの比較。

1)本発明による二つのブロックSBR及びIRを有する線状コポリマーG及び線状「コントロール」SBRコポリマーHの連続製造
1. 1)本発明によるブロックコポリマーGの製造
以下のこと以外は、上記コポリマーEに関して実施例4のセクション1. 1. 2)に記載した方法を使用して、この線状コポリマーGを製造した:
- ここで、バリウムエチルジグリコレートの量は、モノマー100g当たり230マイクロモルであった(Al/Ba比は、通常3.5である);
- ここで実施例4の(1.1.1)に記載した方法により製造した)リビングポリイソプレンの添加量は、モノマー100g当たり480マイクロモルであった;また、
- モノマー100g当たり1380マイクロモルのメタノールを、反応器から現れるところ(emerging)において加え、反応を止め、そのようにして線状ポリマーを得た。
反応器の出口での転化率は、60%であり、得られたブロックコポリマーG(線状SBR/IR) の数平均分子量は、99,000 g/モルであり、その内部粘度は1.93 dl/gであった。
上記例において、得られたコポリマーを上記抗酸化処理及び上記乾燥及びストリッピング操作にかけた。
このようにして得られたコポリマーGの100℃での粘度ML(1+4)は56であった。
コポリマーGのミクロ構造は、上記コポリマーEのSBRブロックについて上記したものと同様であった。従って、このコポリマーGにおけるポリイソプレンブロックの質量分率 (13C NMRによる測定)は、7%であった。
1. 2)コントロール線状SBRコポリマーHの製造
以下のこと以外は、上記コポリマーGに関して実施例5のセクション1.1)に記載した方法を使用して、この線状コポリマーHを製造した:
- ここで、バリウムエチルジグリコレートの量は、モノマー100g当たり365マイクロモルであった(Al/Ba比は、通常3.5である);
- ここでリビングポリイソプレンは、モノマー100g当たりn-ブチルリチウム770マイクロモルにより置き換えられた;また、
- モノマー100g当たり2200マイクロモルのメタノールを、反応器出口で加え、反応を止め、そのようにして線状ポリマーを得た。
反応器の出口での転化率は、68%であり、得られたSBR/IRブロックを有するコポリマーH の内部粘度は1.83 dl/gであった。このコポリマーHの数平均分子量は、83,000g/モルであった。
上記例において、得られたコポリマーを上記抗酸化処理及び上記乾燥及びストリッピング操作にかけた。
このようにして得られたコポリマーHの100℃での粘度ML(1+4)は55であった。
このコポリマーHのミクロ構造(13C NMRにより測定)は、実施例4の上記コポリマーEのSBRブロックについて上記したものと同様であった。
2) 上記線状SBR/IRコポリマーGをベースとした本発明によるゴムコンパウンドGと、上記線状コポリマーSBR Hをベースとした「コントロール」コンパウンドHとの比較
ここで、二つのゴムコンパウンドG及びHを試験した。それらは、補強充填剤としてカーボンブラックシリーズ200 54phrをそれぞれ含んでいた。
各コンパウンドG、Hの組成を以下に示す (phr):
コポリマーG又はH 100
カーボンブラック(シリーズ200) 54
ZnO 3
ステアリン酸 1.5
抗酸化剤 (1) 2
パラフィン 1
硫黄 1.4
スルフェンアミド (2) 1.4
ここで、
(1)は、N-1,3-ジメチルブチル-N'-フェニル-p-フェニレンジアミンであり、
(2)は、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミドである。
各コンパウンドG、Hを、密閉式混合機中、1工程5分間、ブレードスピード80 rpm.での熱機械作業により、同じ最大落下温度160℃を達成するまで製造し、一方、架橋系の組み込みを、「ホモ仕上げ機」において、30℃で行った。
架橋を150℃で20分間行った。
結果を以下の表5に示す:





Figure 0005160016
カーボンブラックを充填したこれらコンパウンドG及びHの架橋状態の特性に関する限り、SBR/IRブロックを有する上記線状コポリマーG及びカーボンブラックをベースとした本発明によるコンパウンドGの(低い及び高い歪における)ヒステリシス特性は、上記線状コポリマーSBR H及び同カーボンブラックをベースとした「コントロール」コンパウンドHのものと比較して改良されているという結論が導き出された。
本発明によるコンパウンドGを含むタイヤのトレッドの転がり抵抗は、「コントロール」コンパウンドHを含むタイヤのトレッドのものと比較して減少したという結論が導きだされた。

Claims (24)

  1. 二つのブロックを有する、コポリマーの製造方法であって、前記ブロックの一つが、ポリイソプレンから構成され、他はポリイソプレン以外のジエンエラストマーから構成され、該ジエンエラストマーが炭素数4〜12のイソプレン以外の共役ジエンモノマーの重合により得られるいずれかのホモポリマー、又は炭素数8〜20の一つ以上のビニル芳香族化合物と一緒に共役した一つ以上のジエンの共重合により得られるいずれかのコポリマーであり、該ジエンエラストマーにおける共役ジエンから生じる単位のモル比が15%より高く、
    ここで、該方法が、イソプレン以外の共役ジエンを含む一つ以上のモノマーを、触媒系を使用して共重合することからなり、該触媒系が、少なくとも一つの炭化水素溶媒、化合物A、アルカリ土類金属の化合物B及びC-Li結合を含む重合開始剤Cを含み、前記化合物Aは、炭素数1〜12のトリアルキルアルミニウムであり、前記化合物Bは、バリウム、ストロンチウム又はカルシウムアルコレートであり、該開始剤が前記ポリイソプレンブロックを形成しようとするモノリチウム化ポリイソプレンから構成され、前記コポリマーを得るために、前記ポリイソプレンブロックの数平均分子量Mn1 が、2,500 〜20,000 g/モルであり、前記ジエンエラストマーからなる他のブロックの数平均分子量Mn2が、65,000〜350,000 g/モルであり、トランス-1,4結合が、70%以上であることを特徴とする、前記方法。
  2. 数平均分子量Mn1 / Mn2 の比が5〜20%である、二つのブロックを有するコポリマーを製造する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記触媒系が、前記化合物Aおよび前記化合物Bの前記炭化水素溶媒中の反応生成物から得られる助触媒、及び前記重合開始剤Cを含む、二つのブロックを有するコポリマーを製造する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 二つのブロックを有するコポリマーを製造する方法であって、該方法が:
    - 前記金属化合物A及びBを、前記炭化水素溶媒中において互いに反応させることにより前記助触媒を製造する第一の工程、さらに
    - 前記助触媒を、前記重合開始剤Cを除いて、重合性溶媒中に溶解された共重合されるべき前記モノマーを含む重合性媒体と接触させる第二の工程、さらに
    - 前記重合開始剤Cにより、前記第二の工程において得られた混合物を反応させる第三の工程からなり、
    また、その方法が、前記コポリマーを得るために、重合反応をその後止めることからなる、請求項3に記載の方法。
  5. 二つのブロックを有するコポリマーを製造する方法であって、その方法が:
    - 前記金属化合物A及びBを、前記炭化水素溶媒中において互いに反応させることにより前記助触媒を製造する第一の工程、さらに
    - 前記重合開始剤Cを第一の工程において得られる助触媒に加える第二の工程、さらに
    - このようにして得られた触媒系を、重合性溶媒中の溶液において共重合される前記モノマーを含む重合性媒体に加える第三の工程からなり、
    また、その方法が、前記コポリマーを得るために、重合反応をその後止めることからなる、請求項3に記載の方法。
  6. 二つのブロックを有するコポリマーを製造する方法であって、その方法が:
    - 前記炭化水素溶媒中、前記化合物A及びCを予備混合する第一の工程、さらに、
    - 前記予備混合物を、重合性溶媒中に溶解した共重合される前記モノマーを含む重合性媒体に加える前記第二の工程、さらに
    - 前記化合物Bを、第二の工程において得られた混合物に加える第三の工程からなり、
    また、その方法が、前記コポリマーを得るために、重合反応をその後止めることからなる、請求項1又は2に記載の方法。
  7. 前記第1の工程において、モル比A/Bが0.5〜5になるように、前記炭化水素溶媒中の前記化合物A及びBの前記予備混合物を製造し、その後前記予備混合物を20℃〜120℃に加熱することからなる、二つのブロックを有するコポリマーを製造する、請求項4又は5に記載の方法。
  8. 前記炭化水素溶媒が、トルエン及び/又はシクロヘキサンからなる、二つのブロックを有するコポリマーを製造する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. モル比(重合開始剤C/化合物B)0.2〜4を使用することからなる、二つのブロックを有するコポリマーを製造する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. ポリイソプレン以外の前記ブロックを構成する前記ジエンエラストマーが、スチレン/ブタジエンコポリマーである、二つのブロックを有するコポリマーを製造する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法により得ることが可能な、二つのブロックを有する、コポリマーであって、前記ブロックの一つが、ポリイソプレンから構成され、他が、ポリイソプレン以外のジエンエラストマーから構成され、該ジエンエラストマーが炭素数4〜12のイソプレン以外の共役ジエンモノマーの重合により得られるいずれかのホモポリマー、又は炭素数8〜20の一つ以上のビニル芳香族化合物と一緒に共役した一つ以上のジエンの共重合により得られるいずれかのコポリマーであり、該ジエンエラストマーにおける共役ジエンから生じる単位のモル比が15%より高く、ここで、前記ジエンエラストマーから構成されるブロックのトランス-1,4結合含量が70%以上であり、ポリイソプレンブロックの数平均分子量Mn1が2,500〜20,000 g/モルであり、前記ジエンエラストマーから作られるブロックの数平均分子量Mn2 が65,000 〜350,000 g/モルであることを特徴とするコポリマー。
  12. 前記数平均分子量の比、Mn1 / Mn2 が5〜20%である、請求項11に記載の二つのブロックを有するコポリマー。
  13. 前記ジエンエラストマーから形成されるブロックが、補強充填剤と相互作用可能な官能基を含む、請求項11又は12に記載の二つのブロックを有するコポリマー。
  14. 前記官能基が、カーボンブラックと相互作用可能である、請求項13に記載の二つのブロックを有するコポリマー。
  15. 前記官能基を含む官能基が、補強無機充填剤と相互作用可能である、請求項13に記載の二つのブロックを有するコポリマー。
  16. 前記補強無機充填剤がシリカである、請求項15に記載の二つのブロックを有するコポリマー。
  17. 前記の又は各末端ポリイソプレンブロックが、1〜20%の3,4及び1,2ビニル結合を有する、請求項11〜16のいずれか1項に記載の二つのブロックを有するコポリマー。
  18. ポリイソプレン以外の前記ブロックから構成される前記ジエンエラストマーが、スチレン/ブタジエンコポリマーである、請求項11〜17のいずれか1項に記載の二つのブロックを有するコポリマー。
  19. 架橋状態においてヒステリシスが減少した、架橋可能な又は架橋したゴムコンパウンドであって、前記コンパウンドが補強充填剤を含み、それが、請求項11〜18のいずれか1項に記載の二つのブロックを有するコポリマーを含み、ポリイソプレン以外の前記ジエンエラストマーから構成される前記コポリマーのブロックが、官能化、結合又はスター化されているか、又は前記補強充填剤との結合のためでないことを特徴とする、前記ゴムコンパウンド。
  20. 前記補強充填剤が、補強充填剤の全質量に対し50質量%を越える量のカーボンブラックを含む、請求項19に記載のゴムコンパウンド。
  21. 前記補強充填剤が、補強充填剤の全質量に対し50質量%を越える量の補強無機充填剤含む、請求項19に記載のゴムコンパウンド。
  22. 前記補強無機充填剤がシリカである、請求項21に記載のゴムコンパウンド。
  23. 請求項19〜22のいずれか1項に記載のゴムコンパウンドを含むことを特徴とする、前記のものを含むタイヤの転がり抵抗を減少するのに有用なタイヤトレッド。
  24. 請求項23に記載のトレッドを含むことを特徴とするタイヤ。
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