JP5159613B2 - トランスミッション用のデュアルクラッチ機構 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的にトランスミッション用のクラッチ機構に関し、特にトランスミッション用のデュアルクラッチ機構に関する。
デュアルクラッチ機構は、通常、単一の入力軸を有しており、この入力軸は、選択的に係合可能な1対のプレートクラッチ機構を介して1対の出力軸の一方を回転駆動する。このような装置の1つの例は、中空の内側の出力軸の内部に配置される入力軸を用いており、次にその内側の出力軸は中空の外側の出力軸の内部に納められる。
このようなデュアルクラッチ機構は、通常、被駆動側および駆動側を備えた第1クラッチ装置を、同様に被駆動側および駆動側を備えた第2クラッチ装置と合わせて有する。第1および第2クラッチ装置のいずれかを選択的に作動させることによって、入力軸が内側および外側の出力軸のどちらかを駆動できる。第1および第2クラッチ装置の被駆動側は、内側および外側の出力軸の両方の内部に配備される入力軸によって回転駆動される。第1クラッチ装置の駆動側は、内側および外側の出力軸のどちらかを選択的に回転駆動し、第2クラッチ装置の駆動側は内側および外側の出力軸の他方を選択的に回転駆動する。
デュアルクラッチ機構は、例えばオートマチックトランスミッションにおけるギヤ間のシフト操作用として、自動車のトランスミッション装置において用いることができる。デュアルクラッチ機構を特定の自動車用として構成する場合に考慮すべき点は、機構の寸法であり、特に機構の半径方向の全体的な大きさである。一般的に、デュアルクラッチ機構の半径方向の全体的大きさを縮小すると、自動車内部におけるその配置に大きな自由度を有利にもたらすことができる。特定の自動車用デュアルクラッチ機構の構成におけるもう1つの考慮点として、ギヤをデュアルクラッチトランスミッションの出力軸に係合させるためのシンクロナイザのようなギヤセレクタの寸法およびトルク容量が挙げられる。ギヤセレクタの寸法およびトルク容量は、部分的には、デュアルクラッチ機構が出力軸に加える力によって決定される。一般的に、シンクロナイザの必要トルク容量が大きくなる程、シンクロナイザが大きくなり、そのコストも高くなる。
クラッチ機構は、各クラッチの被駆動側に接続される複数の環状ディスクを含むことができる。この被駆動側に接続される複数の環状ディスクは、各クラッチの駆動側に接続される複数の環状ディスクと係合接触する。係合接触するディスクは、クラッチの被駆動側がクラッチの駆動側を回転駆動し得るようにするために選択的に係合可能である。
通常は、クラッチ装置の被駆動側または入力側は、環状の被駆動ディスクの内径に連結される被駆動プレートを介して回転駆動され、クラッチ装置の駆動側または出力側は、環状の駆動ディスクの外径に連結される駆動プレートを駆動する。クラッチ装置の外径端を経由するこのような駆動経路は大きな回転慣性をもたらす可能性があり、係合接触する被駆動プレートと同じ速度に駆動プレートを加速するには、この回転慣性に打ち勝たなければならない。クラッチ装置の外径端を経由してクラッチ装置の駆動プレートが連結されることに伴って回転慣性に打ち勝つに必要な力が大きくなるが、この力は、異なる出力軸に関わるギヤ間を急速にシフトする能力にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。これは、駆動ディスクを被駆動ディスクと同じ速度に加速するに必要な時間が増大することによるものである。この結果、シンクロナイザの容量の増大を必要とする可能性がある。
係合接触する駆動および被駆動ディスクには、その摩擦係合中の冷却および/または潤滑を可能にするために流体が供給される。しかし、流体は通常非係合状態の駆動および被駆動ディスクにも供給される。低い有効ギヤ比に関わる1つの出力軸による伝達トルクから、より高い有効ギヤ比に関わるもう一方の出力軸による伝達トルクに切り換える場合は、もう一方の出力軸の駆動および被駆動ディスクを係合する前にそのもう一方の出力軸を最初に加速することが必要である。非係合状態の駆動および被駆動ディスク間並びに他の構成要素間の流体によるクラッチの引きずりは、非係合状態のディスクの組の駆動ディスクの加速をその係合に先立って遅らせる可能性があり、それによって、デュアルクラッチ機構の応答時間を減少させ、デュアルクラッチ機構におけるクラッチの引きずりに打ち勝つために、より大きなトルク容量を有するシンクロナイザを必要とすることになる。
デュアルクラッチ機構は、クラッチ機構の回転の主軸に沿って互いに平行に配置される第1および第2クラッチ装置を有することができる。平行なデュアルクラッチ機構の一例が欧州特許出願公開第1 195 537 A1号明細書に開示されている。しかし、この明細書に示されるように、出力軸は、クラッチ装置の駆動ディスクの外径を経由して駆動される場合が多い。
従って、エンジンルームに搭載されるデュアルクラッチ機構であって、設計、組み込み、および、デュアルクラッチ機構そのものとシンクロナイザのようなトランスミッションの構成要素との両者の選択において自由度を与えてくれるようなデュアルクラッチ機構の提供が望まれる。特に、コストが削減され、かつ、設計の制約の複雑さが低減される形で取り扱うことができるデュアルクラッチ機構の提供が望まれるところである。
係合接触する1組の環状の駆動および被駆動ディスクをそれぞれ有する第1および第2クラッチ装置を備えたデュアルクラッチ機構が提供される。このクラッチ機構は、出力または駆動側における回転慣性およびクラッチの引きずりが共に低減されるように構成される。1つの態様において、デュアルクラッチ機構は、第1クラッチ装置の駆動ディスクに接続される第1出力軸と、第2クラッチ装置の駆動ディスクに接続される第2出力軸とを有する。共通の入力軸は、第1および第2クラッチ装置の双方の被駆動ディスクに接続される。第1出力軸は、第1クラッチ装置の駆動および被駆動ディスクが摩擦押圧される時に入力軸によって回転駆動され、第2出力軸は、第2クラッチ装置の駆動および被駆動ディスクが摩擦押圧される時に入力軸によって回転駆動される。
この態様においては、第1および第2クラッチ装置の駆動側における回転慣性を低減するために、第1出力軸は、第1クラッチ装置の駆動ディスクの内径に接続され、第2出力軸は、第2クラッチ装置の駆動ディスクの内径に接続される。このような配置は、第1出力軸が第1クラッチ装置の駆動ディスクの外径に接続され、第2出力軸が第2クラッチ装置の駆動ディスクの外径に接続される場合に比べて、第1および第2クラッチ装置の駆動側における回転慣性を低減するであろう。
別の態様においては、デュアルクラッチ機構が、第1クラッチ装置の駆動および被駆動ディスクと第2クラッチ装置の駆動および被駆動ディスクとへの冷却および/または潤滑流体の流量を独立に制御し得るようにも構成される。低い有効ギヤ比に関わる1つの出力軸によるトルク伝達から、より高い有効ギヤ比に関わるもう一方の出力軸によるトルク伝達に切り換える場合は、もう一方の出力軸の駆動および被駆動プレートを係合する前にそのもう一方の出力軸を最初に加速することが必要である。冷却および/または潤滑流体と、駆動および被駆動ディスク並びに非係合状態の駆動および被駆動ディスクの組の他の構成要素との相互作用によるクラッチの引きずりを低減するために、ディスクのその組に対する流体の流量を、係合された駆動および被駆動ディスクの組に対する流量を対応して減少させることなく、減少させることができる。
さらに詳述すれば、第1および第2クラッチ装置への流量を個別に制御可能にすることによって、第1クラッチの駆動および被駆動ディスクが非係合状態である時の第1流量を減少させることが可能になる。これは、クラッチの引きずりの低減に有効であるが、この第1流量の減少を、第2クラッチの駆動および被駆動ディスクが係合されている時の第2流量を対応して減少させることなく行うことができる。逆に、第2クラッチの駆動および被駆動ディスクが非係合状態になると、同様にクラッチの引きずりを低減するために、第1クラッチへの冷却および/または潤滑流体の第1流量に大きな逆効果を及ぼすことなく、第2流量を減少させることができる。クラッチの引きずりが低下すると、デュアルクラッチ機構の反応時間が改善され、低減されたクラッチの引きずりに打ち勝つのに必要な装置のトルク要件を下げることができる。
従って、この態様においては、出力軸の駆動に必要な回転慣性の低下とクラッチの引きずりの低減とが組み合わされて、出力軸によって駆動されるギヤ間のシフト時間が低減され、シンクロナイザのようなシフトセレクタのトルク容量、複雑性およびコストの低減が有利に可能になる。これによって、先行技術の設計よりも、コスト面で効果的でありかつ効率的なデュアルクラッチ機構が提供される。
また別の態様においては、第1クラッチ装置の駆動ディスクが第1駆動プレートに接続され、第2クラッチ装置の駆動ディスクが第2駆動プレートに接続される。第1駆動プレートは、第1出力軸と共に回転するように第1出力軸に操作連結され、第2駆動プレートは、第2出力軸と共に回転するように第2出力軸に操作連結される。第1および第2クラッチ装置の被駆動ディスクは、それぞれ共通の被駆動プレートに接続される。この共通の被駆動プレート、従って第1および第2クラッチ装置両方の被駆動ディスクは、入力軸によって回転駆動される。このため、第1クラッチ装置の駆動および被駆動ディスクが係合されると、入力軸が、共通の被駆動プレートと、係合されたディスクの組と、第1駆動プレートとを介して第1出力軸を駆動し、第2クラッチ装置の駆動および被駆動ディスクが係合されると、入力軸が、共通の被駆動プレートと、係合されたディスクの組と、第2駆動プレートとを介して第2出力軸を駆動する。
さらに別の態様においては、第1および第2クラッチ装置のそれぞれが、付随する圧力作用チャンバおよび付随するバランスチャンバを有する。圧力作用チャンバおよびバランスチャンバは、少なくとも部分的に作用ピストンによって分離される。第1クラッチ装置用の作用ピストンは作用位置を有しており、その作用位置においては、ピストンが、共通の被駆動プレートに接続されるクラッチディスクの被駆動側の組と第1駆動プレートに接続されるクラッチディスクの駆動側の組とを摩擦係合するように構成され、第1クラッチ装置の圧力作用チャンバ内に十分な圧力が印加されると、第1駆動プレートが共通の被駆動プレートによって回転駆動され、従って入力軸が第1出力軸をそれと共に回転駆動する。
同様に、第2クラッチ装置用の作用ピストンも作用位置を有し、その作用位置においては、ピストンが、共通の被駆動プレートに接続されるクラッチディスクの被駆動側の組と第2駆動プレートに接続されるクラッチディスクの駆動側の組とを摩擦係合するように構成され、第2クラッチ装置の圧力作用チャンバ内に十分な圧力が印加されると、第2駆動プレートが共通の被駆動プレートによって回転駆動され、従って入力軸が第2出力軸をそれと共に回転駆動する。また、作用ピストンは、それぞれ非係合位置を有しており、その非作用位置においては、ピストンが、各第1および第2クラッチ装置のクラッチディスクの被駆動側および駆動側の組を摩擦係合するようには構成されず、その結果、各駆動プレートは共通の被駆動プレートによって回転駆動されない。
第1および第2クラッチ装置の駆動ディスクの内径から出力軸を駆動することによって、デュアルクラッチ機構の種々の構成要素の再配置および/または変更が必要になる可能性がある。別の態様においては、第1および第2クラッチ装置のいずれかの被駆動および駆動ディスクに冷却および/または潤滑流体を供給する流体流れ通路が、第1および第2クラッチ装置のいずれかの作用ピストンにおける開口を通る部分を含むことができる。1つの態様によれば、第1および第2クラッチ装置のいずれかの被駆動および駆動ディスクに冷却および/または潤滑流体を供給する流体流れ通路が、第1および第2クラッチ装置の他方の駆動プレートにおける開口を通る部分を含むことができる。さらに別の態様によれば、第1および第2クラッチ装置のいずれかのピストンが、駆動および被駆動ディスクから半径方向の外側に配置される部分を含むことができ、また、共通の被駆動プレートの隣接部分における開口を貫通して延長される部分を含むことができる。
1つの態様においては、第1クラッチ装置の圧力作用チャンバおよび第2クラッチ装置の圧力作用チャンバへの流体供給用として、個別に制御可能な流体流量が用いられる。また、第1クラッチ装置および第2クラッチ装置のバランスチャンバへの流体供給用としても、個別に制御可能な流体流量を用いることが可能である。この個別に制御可能な流体流量は、第1および第2クラッチ装置のそれぞれに対する冷却および/または潤滑流体の個別制御可能な流体流量と組み合わされて、デュアルクラッチ機構における制御および応答性の有利な改善を提供することができる。
別の態様においては、デュアルクラッチ機構の半径方向の全体的大きさの縮小を、同心の出力軸を2つ共入力軸から軸方向に離隔する方式、または、同心の出力軸の一方を入力軸から軸方向に離隔する方式のいずれかによってもたらすことができる。
図面は必ずしも縮尺どおりでないことが理解されるべきである。いくつかの例においては、本発明の理解には必要でない図中に示される実際構造の詳細は省略されている。また、図は本発明の実施例を例示するために添付されていること、および、本発明は、以下に述べる特定の実施例および態様に必ずしも限定されるものではないことが理解されるべきである。
図1および図2に示すようなデュアルクラッチ機構は、入力軸と第1出力軸と第2出力軸とを有する。デュアルクラッチ機構は、また、係合接触する環状の駆動および被駆動ディスクの複数の組をそれぞれ有する第1クラッチ装置および第2クラッチ装置をも含む。第1および第2クラッチは、図1および図2に示すように平行関係に配列するとよい。第1および第2クラッチ装置の駆動側からそのそれぞれの出力軸への駆動経路は、ディスクの内径から出ており、それによって、第1および第2クラッチ装置がディスクの外径から出ている場合に駆動側から出ている駆動経路を有する場合に比べて、出力軸を駆動するのに必要な回転慣性を下げることができる。
さらに、デュアルクラッチ機構におけるディスクの組への冷却および/または潤滑流体の流量が個別に調節可能である。これによって、非係合状態のディスクの組への流体の流量を減少させることが可能になり、ディスクを係合するために打ち勝たなければならないクラッチの引きずりを、係合されたもう一方のディスクの組への流体の流量を対応してあるいは大幅に減少させることなく、低減することができる。出力軸の駆動に必要な回転慣性およびクラッチの引きずりを低減すると、出力軸によって駆動されるギヤ間のシフト時間の短縮と、シンクロナイザのようなシフトセレクタのトルク容量の低減とが有利に可能になる。シフトセレクタのトルク容量の低減は、シフトセレクタの構成部品のコストを減少させ、コスト面で一層効果的でありかつより効率的なデュアルクラッチ機構の提供を可能にする。
図1のデュアルクラッチ機構は、クラッチハブまたはクラッチ支持体を経由するトルク経路を有し、一方、図2のデュアルクラッチ機構は、共通の被駆動プレートを経由するトルク経路を有する。また、図2のデュアルクラッチ機構は、その出力軸の一方が入力軸と同心であるが、図1のデュアルクラッチ機構の出力軸は、軸方向に入力軸から離隔されている。これについては以下に詳述する。さらに、図2のデュアルクラッチ機構は、振動低減用の一体組み込み型ねじり振動ダンパを具備している。
図1に示す平行デュアルクラッチ装置10においては、第1および第2クラッチ装置20および30が設けられる。各クラッチ装置20および30は被駆動側および駆動側を有する。第1および第2クラッチ装置20および30のそれぞれの被駆動側は、入力軸40に操作連結され、第1および第2クラッチ装置20および30のそれぞれの駆動側は、出力軸16および18に操作連結される。第1クラッチ装置20は外側の出力軸16に連結され、第2クラッチ装置30は内側の出力軸18に連結される。内側および外側の出力軸18および16は互いに同心であり、入力軸40から軸方向に離隔されている。これによって、以下に詳述するように、軸16、18および40の剛性を高めると共に、デュアルクラッチ機構の最大直径を縮小できる。
最初に第1および第2クラッチ装置20および30の被駆動側に着目すると、入力軸40はエンジンのトランスミッションによって駆動されるように構成される。入力軸40の一端はフランジ42を有し、他端はスプラインを有する。このスプラインは、入力軸40がクラッチハブ支持部材84を介してクラッチハブ86を駆動し得るように配置される。クラッチハブ支持部材84も入力軸40の端部のスプラインと噛み合うためのスプラインを有する。クラッチハブ86は、中心に配備される共通の被駆動プレート198に操作連結される。この共通の被駆動プレート198は、半径方向に外側に拡がる部分と、続いてクラッチ装置20および30の外径面に沿って軸方向に延びる別の部分とを有する。共通の被駆動プレート198の軸方向に延びる部分は、第1プレートクラッチ装置20用の複数の環状のプレートクラッチ部材22と、第2プレートクラッチ機構30と共に使用する複数の環状のプレートクラッチ部材32とを有する。共通の被駆動プレート198は、例えばスナップリングによって一緒に結合される多数の構成要素から構成することができる。
次にクラッチ装置10の出力側または駆動側に注目すると、第1および第2プレートクラッチ装置20および30の駆動側が、それぞれ、環状の被駆動クラッチプレート22および32と係合接触する複数の環状の駆動クラッチディスク24および34を含んでいる。第1クラッチ駆動ディスク24は、その内径端が出力プレート102の一端に操作連結され、第2クラッチ駆動ディスク34は、その内径端がもう1つの出力プレート104の一端に操作連結される。第1クラッチ駆動プレート102のもう一方の端部に、出力プレート接合面110がある。同様に、第2クラッチ駆動プレート104のもう一方の端部に、もう1つの出力プレート接合面112がある。第1クラッチ駆動プレート102の接合面110および第2クラッチ駆動プレート104の接合面112は、それぞれ、出力軸16および18のスプラインを駆動係合するように配置されるスプラインを有する。従って、外側の出力軸16は、第1クラッチ駆動プレート102を介して、第1クラッチ駆動ディスク24の内径端に駆動係合される形で連結され、内側の出力軸18は、第2クラッチ駆動プレート104を介して、第2クラッチ駆動ディスク34の内径端に駆動係合される形で独立に連結される。
各第1および第2クラッチ装置20および30の構成要素の駆動側および被駆動側の回転慣性は、駆動側の構成要素および被駆動側の構成要素の重心の半径方向の位置の二乗と、駆動側の構成要素および被駆動側の構成要素の質量との関数である。特に、駆動プレート102および104の回転慣性は、各駆動プレート102および104の重心の半径方向の位置(rdriving)の二乗と、駆動プレート102および104の質量(Mdriving)との関数である。駆動側の構成要素の回転慣性(Idriving)は、Idriving=(Mdriving)(rdriving 2)と表現できる。
駆動プレート102および104を駆動クラッチディスク24および34の内径に接続することによって、その外径に接続する場合に比較して、第1および第2クラッチ装置20および30のそれぞれの駆動プレート102および104による回転慣性が低下するであろう。回転慣性の公式によれば、駆動プレート102および104を駆動クラッチディスク24および34の内径に接続することによる回転慣性の低減は、駆動プレート102および104のそれぞれの重心の半径方向位置(rdriving)の縮小と、駆動プレート102および104が駆動クラッチディスク24および34の外径にまでは拡がらないことによる質量(Mdriving)の減少との組み合わせに基づく。先行技術の場合のようにディスク24および34の外径に接続される大きな駆動プレートに比べて、駆動プレート102および104の質量(Mdriving)に大きな低下がないと仮定すると、先行技術の駆動プレートに比べて駆動プレート102および104のそれぞれの重心の半径方向位置(rdriving)が縮小することが、回転慣性の低減に大きく影響するであろう。デュアルクラッチ機構10に対する公式適用の例として、半径方向位置(rdriving)を1.5インチ縮小すると、回転慣性を因子2.25だけ低減し、半径方向位置(rdriving)を2インチ縮小すると、回転慣性を因子4だけ低減することが可能になる。
打ち勝つべき回転慣性が低減すると、その結果として、出力軸16および18に取り付けられるギヤ間の急速なシフトに必要なトルク容量の低減が可能になり、ギヤを出力軸16および18に選択的に係合させるための、シンクロナイザまたはワンウェイクラッチのようなシフトセレクタが小型化し、簡素化される。また、シフトセレクタの必要トルク容量が低減すると、シフトセレクタによって出力軸16および18上のギヤをより急速に噛み合わせることが可能になり、反応性がさらに向上した装置が得られる。
駆動クラッチディスク24および34をそれぞれその被駆動クラッチプレート22および32と係合させるために、付属するピストン138または168が用いられる。このピストン138または168は、被駆動プレート22および32が駆動ディスク24および34を駆動するように、ディスク22および24、または32および34を一緒に押圧して摩擦係合させる。第1および第2プレートクラッチ装置20および30のそれぞれは、第1位置から第2位置に可動なその付属ピストン138および168を有する。第1位置においては、ピストン138または168はクラッチ20または30から離脱しており、一方、第2位置においては、ピストン138または168は、クラッチディスク32および34または22および24に圧力を加え、各クラッチ装置20および30の被駆動および駆動クラッチ20または30を押圧して摩擦係合させる。共通の被駆動プレート198の一部に開口146が設けられ、第1作用ピストン138の下方への延長部分142が、その開口146を貫通して延びて、クラッチディスク22および24を押圧し、摩擦係合させることができる。
ピストン138または168は、圧力チャンバ164または182内部に圧力が加えられると、その第1位置から第2位置に移動する。ピストン138または168を第1位置に偏倚させるバネの偏倚力に打ち勝つように、圧力チャンバ164または182内部に十分な圧力が印加されると、ピストン138または168は第2位置に動くことができる。図1に示すように、ピストン138は、共通の被駆動プレート198の軸方向に延びる部分を半径方向に外側に超えて延びる部分を有する。この部分140は、一般的に、共通の被駆動プレートの軸方向に延びる部分に平行に延び、下方への延長部分142は、以下に述べるように半径方向の内側に延びる。
ピストン138および168は、それぞれ、2つの別個の構成要素、すなわち下部構成要素および上部構成要素を有することによって、製造および組み立てが容易になるように構成することができる。各上部構成要素をそのそれぞれの下部構成要素に連結する。構成要素間の漏洩を防止するため、その間にシールを装着できる。
第1プレートクラッチ装置20用の圧力作用チャンバ164は、ピストン138と、共通の被駆動プレート198の半径方向に拡がる部分との間に形成される。流体は、オイル分配スリーブ60の流体流路64と、クラッチ支持体70の流体流路72と、クラッチハブ86の流体流路94とを経由して圧力作用チャンバ164に流入する。第2プレートクラッチ装置30用の圧力作用チャンバ182は、ピストン168と、クラッチハブ86に固定される圧力チャンバハウジング部材192との間に形成される。流体は、オイル分配スリーブ60の流体流路58と、クラッチ支持体70の流体流路78と、クラッチハブ86の流体流路88とを経由して圧力作用チャンバ182に流入する。
この例においては、クラッチ運転中の流体に作用する遠心力によってピストン138および168に対する好ましくない圧力を加えようとする、圧力チャンバ164および182内部の流体の傾向に対抗するために、バランスチャンバが設けられる。第1プレートクラッチ装置20用のバランスチャンバ134は、ピストン138と、圧力チャンバハウジング部材166との間に形成される。流体は、オイル分配スリーブ60の流体流路66と、クラッチ支持体70の流体流路74と、クラッチハブ86の流体流路92とを経由してバランスチャンバ134に流入する。第2プレートクラッチ装置30用のバランスチャンバ180は、バランスチャンバ134の場合と同様に、ピストン168と、バランスチャンバハウジング部材144との間に形成される。
各バランスチャンバ134および180の内部に、バネ160が配置され、それぞれのピストン138および168を、ピストン138または168がクラッチディスク22および24または32および34を押圧する位置から離すように偏倚させる。バネ160は、バランスチャンバ134および180のいずれかを通って延びる共通の支持部品162の内部に配置することができる。共通の支持部品162を使用することによって、各バネ160の個別取り付けが必要となる代わりに、バネ160を、各チャンバ134および180に挿入されるそのそれぞれの支持部品162の中に配置することが可能になり、デュアルクラッチ機構10の組み立てが簡素化される。
加圧作動流体は、流体を、流体流入流路62を通して流体分配スリーブ60に送り込むポンプによって供給できる。流体分配スリーブ60は、入力軸40と同軸であるが、回転に関しては入力軸40から独立している。クラッチハブ86は、入力軸40によって駆動される場合、クラッチ支持体70および分配スリーブ60に対して回転する。複数の軸受け82がクラッチ支持体70とクラッチハブ86との間に配備されて、その間の相対的な回転を可能にする。クラッチの支持スリーブ70とクラッチハブ86との間には複数のシール80が配備される。クラッチ支持スリーブ70は、また、入力軸40に対して回転に関して独立している。
流体分配スリーブ60は、スリーブ60の外面に形成される溝の形にすることができる5つの分配流路66、64、36、58および68を有する。この流体分配流路66、64、36、58および68のそれぞれは、流体を、クラッチ支持スリーブ70の対応する流体流路74、72、38、78および76に送り込む。クラッチ支持体70の流体流路74、72、38、78および76は、クラッチハブの流体流路92、94、188、88および90と同列に並んでいる。流体流路の内2つは第1クラッチ装置20用であり、3つは第2クラッチ装置30用である。
さらに詳しく言えば、第1クラッチ装置20については、同列に並ぶ流体流路の組64、72および94が圧力作用チャンバ164に流体を供給し、別の同列に並ぶ流体流路の組66、74および92がバランスチャンバ134に流体を供給する。同様に、第2クラッチ装置30については、同列に並ぶ流体流路の組58、78および88が圧力作用チャンバ182に流体を供給し、別の同列に並ぶ流体流路の組68、76および90がバランスチャンバ180に流体を供給する。
同列に並ぶ流体流路の別の組36、38および188は、冷却用のような作動流体を第2クラッチ装置30に供給する。流体流路188の一部分は、その一方の側が共通の被駆動プレート198によって画成され、もう一方の側が、第2クラッチ装置の圧力作用チャンバ182に関連するハウジング部材192によって画成される。第2クラッチ装置30への流体流路188は、また、第2作用ピストン168における1つ以上の開口170を通って延びている。冷却用のような作動流体は、第1クラッチ装置20には、流体流路190を経由して供給される。流体分配スリーブ60の端末は開放型の流路26を有しており、その流路26が、流体を、例えば入力軸40と出力軸16および18との端部が向かい合う部分の隙間の間を流すことによって流路190に流入させる。流体流路190は、第2クラッチ装置30の駆動プレート104における開口106を通って延びており、流体を第1クラッチ装置20に流入させる。駆動プレート102および104は、流体を駆動ディスク24および34に流すために、駆動ディスク24および34に近接する流体流路を含むことができる。
第1および第2クラッチ装置20および30に対して、流体通路において、別個の流体流路188および190と、それに関連する流体流路とを設けることによって、クラッチ装置20および30に対する冷却および/または潤滑流体の流体流量を個別に制御することが可能になり、流体の流れを有利に改善できる。特に、クラッチ装置20および30に対する流体流量が個別に制御可能になることによって、共通の流体流路を有する場合に比べて、クラッチ装置20および30のいずれかへの流体流量を、ディスク22および24または32および34を係合する前に減少させることができる。これによって、クラッチ装置20および30の他方の方への流体流量を対応して減少させることなく、流体によるクラッチの引きずりを低減できる。
デュアルクラッチ機構10は、外側のハウジング50および内側のハウジング12を含むことができる。外側のハウジング50は、第1および第2クラッチ装置20および30の周りに配置することができ、入力および出力軸40、18および16に対して独立に回転可能である。シール部材56が、入力軸40の入力フランジ42に近接する部分と、外側のハウジング50との間に装着され、シール部材56と入力軸40との間を通過し得る流体の量を最少化しながら、入力軸40と外側のハウジング50との間の相対的な回転を可能にする。
内側のハウジング12も、入力および出力軸40、18および16に対して、回転に関して独立であるとよい。内側のハウジング12は、流路62および流体分配スリーブ60と、クラッチハブ86と、クラッチ支持体70とを経由して、第1および第2クラッチ装置20および30のそれぞれに流体を供給する流体供給通路の断面を画定する部分を含むことができる。
ギヤ(図示なし)は、出力軸16および18に装着される。ギヤは、有効ギヤ比が軸の間を順番に増大していくように、出力軸16および18の間を交互に交替する。例えば、第1ギヤに関わるギヤは内側の出力軸18に装着することができ、第2ギヤに関わるギヤは外側の出力軸16に装着することができ、第3ギヤに関わるギヤは内側の出力軸18に装着することができ、第4ギヤに関わるギヤは外側の出力軸16に装着することができ、さらに、もしあれば、第5ギヤに関わるギヤは内側の出力軸18に装着することができ、第6ギヤに関わるギヤは外側の出力軸16に装着することができる。
出力軸16および18上の各ギヤは、ワンウェイクラッチ(第1ギヤ用)またはシンクロナイザ(高速ギヤ用)のようなギヤセレクタによって選択的に出力軸と回転係合させることができる。第1および第2クラッチ装置20および30の間を交替することによって、内側および外側の出力軸16および18のいずれが入力軸40によって回転駆動されるように係合されているか、並びに、どのギヤが出力軸16および18と回転係合されているかに応じて、有効ギヤ比を選択的に変化させることができる。ギヤをその上に有するレイシャフトを出力軸16および18の中間に配置して、有効ギヤ比が、係合された出力軸16または18上のギヤと、対応するレイシャフト上のギヤとの間のギヤ比を含むようにすることができる。
連続する有効ギヤ比間のシフト操作(すなわち第1から第2へ、第4から第5へ、第3から第2へ、等)は、クラッチ装置20および30のどちらを係合させて、入力軸40がそのクラッチ装置に接続される出力軸16および18を駆動し得るようにするかを交互に変えることによって達成される。1つのギヤ比が選択されると、関連するギヤを有する出力軸が、その出力軸に接続される駆動および被駆動ディスクを係合することによって、入力軸により回転駆動される。もう一方の出力軸は回転駆動されず、その出力軸に接続される駆動および被駆動ディスクは係合解除される。従って、トルクは、駆動および被駆動ディスクの組の一方のみを介して、入力軸から関連する出力軸に伝達される。
高速側または低速側いずれかの別の有効ギヤ比にシフトするには、もう一方の出力軸上の次のギヤ比に関わる次のギヤをその出力軸に連結して、駆動および被駆動ディスクの組の係合された方に接続される出力軸の上の係合されたギヤが、次のギヤを直接または間接的に回転駆動するようにする。しかし、この時点では、次のギヤを有する出力軸に接続される駆動および被駆動ディスクの組は係合されない状態のままである。この方法で、駆動および被駆動ディスクの組の係合された方に接続される出力軸の上の係合されたギヤが、次のギヤと、それに関わる出力軸とを回転駆動し、それによって、出力軸およびその当該ギヤ並びに非係合の駆動ディスクを、その接続出力軸と同じ回転速度まで加速または減速する。非係合の軸および駆動ディスクが所要速度に達すると、係合ディスクが係合解除され、非係合ディスクが係合されて、その結果、この時点で、入力軸が、出力軸を、新しく係合されたディスクによって、部分的にはその当該ギヤ比によって決定される回転速度において駆動する。
非係合の駆動ディスクを加速する間、そのディスクに対する冷却および/または潤滑流体の流量を有利に減少させることが可能であり、それによって、クラッチの引きずり、特に非係合の駆動および被駆動ディスクのクラッチの引きずりを低減できる。クラッチの引きずりDclutchは、デュアルクラッチ機構の構造および材料と、オイル流量と、クラッチの運転条件と、その他の因子とに関係するいくつかの因子の関数である。クラッチの回転速度とクラッチの引きずりとの間の関係は、Dclutch=f(ωclutch、q)として表現できる。式中、ωclutchはクラッチの回転速度であり、qはオイル流量である。この関係によれば、非係合の方のディスクに対するオイル流量(q)を減少させると、非係合クラッチの駆動ディスクの加速過程の間におけるクラッチの引きずりDclutchを低減することが可能になる。ディスク22および24または32および34を摩擦係合させると同時に、個別の流路が、ディスク22および24または32および34の係合された組への流量を実質的に変更しない、あるいは全く変更しない、あるいはディスク22および24または32および34の係合された組への流量と同じ程度には変更しないことを可能にする。これは、装置の効率的な運転に必要となり得る。
第1および第2クラッチ装置20および30の選択的係合を制御するために、流体制御装置(図示なし)が設けられる。具体的には、電子的または流体的または空気的に操作されるバルブ、あるいは、それを通って流れる流体を制御する他の同類の制限器をそれぞれ備えた多重の流体流路を含む流体制御装置が設けられる。流体制御装置に加圧作動流体を供給するためにポンプ駆動器128を回転駆動することができる。ポンプ駆動器128は、共通の被駆動プレート198に取り付けられた延長板14によって駆動することができる。流体制御装置は、加圧流体を、各クラッチ装置20および30の圧力作用チャンバ164および182と、各ピストン138および168の反対側のバランスチャンバ134および180とに、さらに、1対の流体流路190および188を経由して冷却および/または潤滑用としてプレートクラッチ装置20および30に、選択的に供給するように用いられる。これについては以下に詳述する。
制御装置は、第1および第2圧力作用チャンバ164および182のいずれかへの流体流路を通る流体流量の制御を可能にして、圧力作用ピストン138および168をその非作用位置からその作用位置に選択的に移動させ、それぞれのクラッチ装置20および30の駆動および被駆動ディスク22および24または32および34を選択的に係合させて、内側または外側の出力軸16または18のいずれかを入力軸40によって回転駆動するようにする。制御装置は、また、駆動および被駆動ディスク22および24または32および34の非係合の組への流量を減少させる。この流量減少は、駆動および被駆動ディスク22および24または32および34の係合された組への流体の流量を対応して減少させることなく行われる。非係合の駆動および被駆動ディスク22および24または32および34への流体の流量を減少させることによって、非係合の駆動および被駆動ディスク22および24または32および34の組に接続される出力軸16または18におけるクラッチの引きずりが、通過流体流量の減少により低減する。
運転においては、入力フランジ42を駆動して、それに連結される入力軸40を回転させる。入力軸40の回転によって、クラッチハブ支持部材84を介してクラッチハブ86の回転が惹起され、それによって、共通の被駆動プレート198が、それに取り付けられた被駆動クラッチプレート22および32と共に回転する。
入力軸40が外側の出力軸16を回転駆動し得るようにするには、第1クラッチ装置20が係合され、第2クラッチ装置30は係合解除される。具体的に言えば、圧力作用チャンバ164内の流体の圧力を、バランスチャンバ134内の流体圧力およびバネ160の偏倚力に対して、ピストン138をその非作用位置からその作用位置に移動させるに十分な程度に高める。この作用位置においては、ピストン138が被駆動クラッチディスク22と駆動クラッチディスク24とを摩擦押圧する。第1クラッチ装置20の圧力作用チャンバ164内の圧力を高めるためには、流体制御装置を用いて、流量を多くして圧力作用チャンバ164に流体を供給する。この流体の供給は、分配スリーブ60の流路64と、同列配置されたクラッチ支持体70の流路72とを経由して行われる。第2クラッチ装置30の圧力作用チャンバ182への流体の流量は、バランスチャンバ180内の流体圧力および/またはバネ160の力がピストン168をその作用位置からその非作用位置に押しやるに十分な程度に低減される。この非作用位置においては、第2クラッチ装置30のディスク32および34は摩擦押圧されない。
被駆動クラッチディスク22を駆動クラッチディスク24と摩擦押圧するのに先立って、上記に詳述したように、被駆動ディスク22に対する駆動ディスク24の加速の間のクラッチの引きずりを低減するために、ディスク22および24に対する冷却および/または潤滑流体の流量を減少させる。この流量減少は、第1クラッチ装置20のディスク22および24への流体の流れを減少させるあるいは遮断する流体制御装置を用いて実行される。この第1クラッチ装置20への流体の流れは、分配スリーブ60の相互連絡された開放型流路26と、流路190と、第2クラッチ装置30の駆動プレート104における開口106とを通過する流れである。同時に、第2クラッチ装置30の係合されたディスク32および34への冷却および/または潤滑流体の流量は、維持するか、あるいは、第1クラッチ装置20の非係合ディスク22および24への冷却および/または潤滑流体の流量と同じ量だけは低減されないようにすることが可能である。
入力軸40が内側の出力軸18を回転駆動し得るようにするには、第2クラッチ装置30が係合され、第1クラッチ装置20は係合解除される。具体的に言えば、圧力作用チャンバ182内の流体の圧力を、バランスチャンバ180内の流体圧力およびバネ160の偏倚力に対して、ピストン168をその非作用位置からその作用位置に移動させるに十分な程度に高める。この作用位置においては、ピストン168が被駆動クラッチディスク32と駆動クラッチディスク34とを摩擦押圧する。第2クラッチ装置30の圧力作用チャンバ182内の圧力を高めるためには、流体制御装置を用いて、流量を多くして圧力作用チャンバ182に流体を供給する。この流体の供給は、分配スリーブ60の流路58と、同列配置されたクラッチ支持体70の流路88とを経由して行われる。第1クラッチ装置20の圧力作用チャンバ164への流体の流量は、バランスチャンバ134内の流体圧力および/またはバネ160の力がピストン138をその作用位置からその非作用位置に押しやるに十分な程度に低減される。この非作用位置においては、第1クラッチ装置20のディスク22および24は摩擦押圧されない。
第2クラッチ装置30の被駆動クラッチディスク32を駆動クラッチディスク34と摩擦押圧するのに先立って、上記に詳述したように、被駆動ディスク32に対する駆動ディスク34の加速の間のクラッチの引きずりを低減するために、ディスク32および34に対する冷却および/または潤滑流体の流量を減少させる。この流量減少は、第2クラッチ装置30のディスク32および34への流体の流れを減少させるあるいは遮断する流体制御装置を用いて実行される。この第2クラッチ装置30への流体の流れは、分配スリーブ60の相互連絡された流路36と、クラッチ支持体70の流路38と、流路188と、第2クラッチ装置30のピストン168における開口170とを通過する流れである。同時に、第1クラッチ装置20の係合されたディスク22および24への冷却および/または潤滑流体の流量は、維持するか、あるいは、第2クラッチ装置30の非係合ディスク32および34への冷却および/または潤滑流体の流量と同じ量だけは低減されないようにすることが可能である。
入力軸40を出力軸16および18から軸方向に離隔することによって、クラッチの運転効率に(たとえあるとしても)大きな損失をもたらすことなく、同心の入力軸および出力軸を有するデュアルクラッチ機構に比べて、デュアルクラッチ機構10の全体的な直径を縮小することが可能になり、複合的な利点がもたらされる。入力軸40と、同心の内側および外側の出力軸18および16との半径方向の所要組み合わせ空間が縮小することによって、デュアルクラッチ機構10を、他のデュアルクラッチ装置を使用し得なかった用途、あるいは全駆動系の他の部分の設計の妥協によって用いてきた用途に活用し得るようになる。入力軸40を出力軸16および18から軸方向に離隔配置するため、デュアルクラッチ機構10の半径方向の寸法を対応して大きく増加させる必要なしに、出力軸16および18の直径を増大させることができる。2つの同心の出力軸16および18の直径が増大する結果として、軸16および18のねじり剛性が増大し、いくつかの適用例においては軸16および18の長さの短縮にも繋げることができる。これによって、デュアルクラッチ機構10の運転特性の改善と、さらにスペースの節減における改善とが実現される。入力軸40の直径も増大させることが可能になり、いくつかの適用例においては、デュアルクラッチ機構10の全所要スペースを最小化するように入力軸40の長さを短縮できる。
入力軸40を出力軸16および18から軸方向に離隔することによって、さらにクラッチハブまたはクラッチ支持体の直径および寸法の縮小も可能になる。この縮小によって、追加的なスペースの節減がもたらされ、いくつかの例においては、クラッチハブまたは支持体と、外側の出力軸または中間の流体分配スリーブとの間のシールに必要なシール用リングの寸法およびコストが低減する。デュアルクラッチ機構の半径方向の全体寸法が縮小すると、同等の運転効率を維持しながら、クラッチ作用ピストン138および168の直径を縮小することも可能になる。さらに、デュアルクラッチ機構10の半径方向の寸法が縮小すると、クラッチ作用ピストン138および168に対する遠心力の影響と、ピストン138および168をその非作用位置からその作用位置に移動させるに必要な力とを低減できる。
もう1つの実施形態においては、図2に示すデュアルクラッチ機構210が、ねじり振動ダンパを介して第1および第2クラッチ装置220および230の被駆動側を駆動するように操作連結される入力軸240を含む。これについて以下に詳述する。
外側の出力軸216は第1クラッチ装置220の駆動側に操作連結され、内側の出力軸218は第2クラッチ装置230の駆動側に操作連結される。第1クラッチ装置220は、その被駆動側がその駆動側を駆動し、それによって外側の出力軸216を駆動するように、選択的に操作可能であり、第2クラッチ装置230も、同様に、その被駆動側がその駆動側を駆動し、それによって内側の出力軸218を駆動するように、選択的に操作可能である。入力軸240は、外側の出力軸216から軸方向に離隔されるが、内側の出力軸218とは同心である。これによって、デュアルクラッチ機構210が、特に、同心の入力軸および出力軸を有するデュアルクラッチ機構に比べて、図1のデュアルクラッチ機構10に関して上記に述べた半径方向寸法縮小の利点のいくつかを実現することが可能になる。
第1および第2クラッチ装置220および230は、それぞれ、係合接触する複数のクラッチディスクから形成される。第1クラッチ装置220は、共通の被駆動プレート398に取り付けられる1組の環状のクラッチディスク222を有し、一方、係合接触する1組の環状のクラッチディスク224は第1駆動プレート302に装着される。ピストン338は非係合位置から係合位置に選択的に動かされ、それによって、ピストンがクラッチディスク222および224を一緒に摩擦押圧して、共通の被駆動プレート398が第1駆動プレート302を駆動するようにする。同様に、第2クラッチ装置230は、同じ共通の被駆動プレート398に取り付けられる1組の環状のクラッチディスク232を有し、一方、係合接触する1組の環状のクラッチディスク234は第2駆動プレート304に装着される。ピストン340は非係合位置から係合位置に選択的に動かされ、それによって、ピストンがクラッチプレート232および234を一緒に押圧して、被駆動プレート398が第2駆動プレート304を駆動するようにする。
デュアルクラッチ機構210の出力側における回転慣性を低減するために、第1駆動プレート302は、第1クラッチ装置220の駆動ディスク224の内径に接続され、第2駆動プレート304は、第2クラッチ装置230の駆動ディスク234の内径に接続される。図1のデュアルクラッチ機構10に関して前記に述べたように、このような構成によって、第1および第2駆動プレート302および304の重心の半径方向位置と、プレート302および304の質量との両方を低減できる。
第1プレートクラッチ装置220のピストン338は、圧力作用チャンバ364とバランスまたは補償チャンバ334とを分離する。複数のバネ360がバランスチャンバ334内に配置され、ピストン338を、係合接触するクラッチディスク222および224が互いに摩擦係合するように押圧されるその係合位置から、その非係合位置に偏倚させる。同様に、第2プレートクラッチ装置230のピストン340は、圧力作用チャンバ382と圧力補償チャンバ380とを分離する。圧力補償チャンバ380の内部には、それぞれバネ支持部品362の中に置かれる複数のバネ360が配置される。
第1プレートクラッチ装置220のピストン338は、作用チャンバ364内の圧力が、バランスチャンバ334内の圧力およびバネ360の偏倚力よりも大きい場合、その非係合位置からその係合位置に移動する。第2プレートクラッチ装置230のピストン340は、作用チャンバ382内の圧力が、バランスチャンバ380内の圧力およびバネ360の偏倚力よりも大きい場合、その非係合位置からその係合位置に移動する。
作動流体は、流体流路のネットワークを経由して第1および第2プレートクラッチ装置220および230に供給される。流体は、流体分配スリーブ260に通じる流路262に流入する。流体分配スリーブ260は、外側の出力軸216を中心に同心に配備され、その中に形成される複数の溝268、258、238、264および266を有する。流体分配スリーブ260の溝268、258、238、264および266は、それぞれ、流体分配スリーブ260の回りに同心に配備されるクラッチ支持体270に形成される流体流路276、278、236、272および274と同列に配置される。クラッチ支持体270の流体流路276、278、236、272および274は、クラッチハブ286の流体流路290、288、388、294および292と同列に配置される。クラッチハブ286はクラッチ支持体270の回りに同心に配備される。流体分配スリーブ260と、クラッチ支持体270と、クラッチハブ286との流体流路は、同列に並べられて、以下に述べるように、第1クラッチ装置220の圧力作用チャンバ364およびバランスチャンバ334と、第1クラッチ装置220と、さらに、第2クラッチ装置230の圧力作用チャンバ382およびバランスチャンバ380とへの別個の流体通路を画定する。クラッチハブ286とクラッチ支持体スリーブ270との間には、その間の相対的な回転を許容しながらその間のシールを提供する複数のシールが設けられる。
図1のデュアルクラッチ機構10に関して前記に述べたようにクラッチの引きずりの低減を可能にするために、第1および第2クラッチ装置220および230のそれぞれに対して、冷却および/または潤滑流体の流量の個別の制御が設けられる。第1クラッチ装置220のクラッチディスク222および224への流体通路は、同列に並べられた流路388、236および238を含む。流路388の一部は、共通の被駆動プレート398の一部とハウジング部材392とによって部分的に画定される。流路388の一部は、第1クラッチ装置220の作用ピストン338における開口306を通って延びている。第2クラッチ装置230のクラッチディスク232および234への流体通路は、流体分配スリーブ260の端部における開口266を経由して流体が供給される流体流路390を含む。流体流路390の一部は、第1クラッチ装置220の駆動プレート302における開口370を通って延びており、図2に示すように、流体が第2クラッチ装置230のクラッチディスク232および234に流れることを可能にする。流体分配スリーブ260の端部における開口266は、第1クラッチのバランスチャンバ334に流体を供給する流路274および292への流体供給用としても用いられる。その結果、第1クラッチのバランスチャンバ334および第2クラッチ装置230への流体供給は個別に制御可能ではない。
ダンパ機構を、入力軸240と共通の被駆動プレート398との間に振動吸収用として配置することができる。ダンパ機構は、弾力部材320を介して内側プレート322に連結される外側プレート352を含む。外側プレート352は入力軸240によって回転駆動され、内側プレート322は、共通の被駆動プレート398の一般的に軸方向に延びる部分324を回転駆動する。軸方向に延びる部分324は、作用ピストン340の従属部分342がそれを通って動作し得る間隙346を有する。運転においては、入力フランジ142を駆動して、連結される入力軸240を回転する。入力軸240の回転によって、外側プレート352と、弾力部材320を介して連結される内側プレート322とが回転される。続いて、内側プレート322が、共通の被駆動プレート398の一般的に軸方向に延びる部分324を、それに接続される被駆動プレート222および232と共に回転駆動する。
次に、デュアルクラッチ機構210の運転に着目すると、入力軸240が外側の出力軸216を回転駆動し得るようにするには、第1クラッチ装置220が係合され、第2クラッチ装置230は係合解除される。具体的に言えば、圧力作用チャンバ364内の流体の圧力を、バランスチャンバ334内の流体圧力およびバネ360の偏倚力に対して、ピストン338をその非作用位置からその作用位置に移動させるに十分な程度に高める。この作用位置においては、ピストン338が被駆動クラッチディスク222と駆動クラッチディスク224とを摩擦押圧する。
第1クラッチ装置220の圧力作用チャンバ364内の圧力を高めるためには、図1のデュアルクラッチ機構10に関して前記に述べたのと同様に、流体制御装置を用いて、流量を多くして圧力作用チャンバ364に流体を供給する。この流体の供給は、分配スリーブ260の流路264と、同列配置されたクラッチ支持体270の流路272と、同列配置されたクラッチハブ286の流路294とを経由して行われる。第2クラッチ装置230の圧力作用チャンバ382への流体の流量は、バランスチャンバ380内の流体圧力および/またはバネ360の力がピストン340をその作用位置からその非作用位置に押しやるに十分な程度に低減される。この非作用位置においては、第2クラッチ装置230のディスク232および234は摩擦押圧されない。
被駆動クラッチディスク222を駆動クラッチディスク224と摩擦押圧するのに先立って、上記に詳述したように、被駆動ディスク222に対する駆動ディスク224の加速の間のクラッチの引きずりを低減するために、ディスク222および224に対する冷却および/または潤滑流体の流量を減少させる。この流量減少は、第1クラッチ装置220のディスク222および224への流体の流れを減少させるあるいは遮断する流体制御装置を用いて実行される。この第1クラッチ装置220への流体の流れは、分配スリーブ260の流路238と、クラッチ支持体270の流路236と、流路388と、第1クラッチ装置220のピストン338における開口306とを通過する流れである。同時に、第2クラッチ装置230の係合されたディスク232および234への冷却および/または潤滑流体の流量は、維持するか、あるいは、装置の要件に従って必要に応じて変更することが可能である。
逆に、入力軸240が内側の出力軸218を回転駆動し得るようにするには、第2クラッチ装置230が係合され、第1クラッチ装置220は係合解除される。第2クラッチ装置230の圧力作用チャンバ382内の流体の圧力を、バランスチャンバ380内の流体圧力およびバネ360の偏倚力に対して、ピストン340をその非作用位置からその作用位置に移動させるに十分な程度に高める。この作用位置においては、ピストン340が被駆動クラッチディスク232と駆動クラッチディスク234とを摩擦押圧する。
第2クラッチ装置230の圧力作用チャンバ382内の圧力を高めるためには、流体制御装置を用いて、流量を多くして圧力作用チャンバ382に流体を供給する。この流体の供給は、分配スリーブ260の流路258と、同列配置されたクラッチ支持体270の流路278と、同列配置されたクラッチハブ286の流路288とを経由して行われる。第1クラッチ装置220の圧力作用チャンバ364への流体の流量は、バランスチャンバ334内の流体圧力および/またはバネ360の力がピストン338をその作用位置からその非作用位置に押しやるに十分な程度に低減される。この非作用位置においては、第1クラッチ装置220のディスク222および224は摩擦押圧されない。
第2クラッチ装置230の被駆動クラッチディスク232を駆動クラッチディスク234と摩擦押圧するのに先立って、上記に詳述したように、被駆動ディスク232に対する駆動ディスク234の加速の間のクラッチの引きずりを低減するために、ディスク232および234に対する冷却および/または潤滑流体の流量を減少させる。この流量減少は、第2クラッチ装置230のディスク232および234への流体の流れを減少させるあるいは遮断する流体制御装置を用いて実行される。この第2クラッチ装置230への流体の流れは、分配スリーブ260の相互連絡された開放型流路266と、流路390と、第1クラッチ装置220の駆動プレート302における開口370とを通過する流れである。同時に、第1クラッチ装置220の係合されたディスク222および224への冷却および/または潤滑流体の流量は、維持するか、あるいは、異なる程度の流量に変更できる。
以上、本発明を、好ましい材料および条件を示す特定の説明的実施例を参照して説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではないことが理解される。そうではなく、以上説明した本発明の範囲内のあらゆる代替態、変形態および同等態が、特許請求の範囲内にあると考えられる。
共に入力軸から軸方向に離隔配置される同心の出力軸対を有する平行なクラッチ装置の断面図である。 同心の出力軸対を有する平行なデュアルクラッチ装置の断面図であり、一方の出力軸が入力軸から軸方向に離隔され、もう一方の出力軸は入力軸と同心である。

Claims (17)

  1. 入力軸、第1出力軸、および、前記第1出力軸の内部に配置される部分を含む第2出力軸と、
    1組の第1クラッチ被駆動ディスクを含む第1クラッチ被駆動側および1組の第1クラッチ駆動ディスクを含む第1クラッチ駆動側を有する第1クラッチであって、前記第1クラッチ被駆動側は、共通の被駆動プレートを介して前記入力軸によって回転駆動可能であり、前記第1出力軸は、前記第1クラッチ被駆動および駆動ディスクが係合された場合に、第1クラッチ駆動プレートを介して前記第1クラッチ駆動側によって選択的に回転駆動可能であり、前記第1クラッチは、前記第1クラッチの第1クラッチ作用ピストンによって前記第1クラッチの第1クラッチバランスチャンバから隔てられた第1クラッチ圧力作用チャンバを有する、第1クラッチと、
    1組の第2クラッチ被駆動ディスクを含む第2クラッチ被駆動側および1組の第2クラッチ駆動ディスクを含む第2クラッチ駆動側を有する第2クラッチであって、前記第2クラッチ被駆動側は、前記共通の被駆動プレートを介して前記入力軸によって回転駆動可能であり、前記第2出力軸は、前記第2クラッチ被駆動および駆動ディスクが係合された場合に、第2クラッチ駆動プレートを介して前記第2クラッチ駆動側によって選択的に回転駆動可能であり、前記共通の被駆動プレートは、前記第1および第2クラッチ駆動プレートに対して半径方向の外側に配備される部分を含み、前記第2クラッチは、前記第2クラッチの第2クラッチ作用ピストンによって前記第2クラッチの第2クラッチバランスチャンバから隔てられた第2クラッチ圧力作用チャンバを有する、第2クラッチと、
    前記第1クラッチバランスチャンバに流体を供給する第1クラッチバランスチャンバの流体通路および前記第2クラッチバランスチャンバに流体を供給する第2クラッチバランスチャンバの流体通路と、
    前記第1クラッチのディスクに流体を第1の流量選択的に供給する第1クラッチ流体通路、および、前記第2クラッチのディスクに流体を第2の流量選択的に供給する第2クラッチ流体通路とを備え、
    前記第1および第2流体通路は、前記第1クラッチの駆動および被駆動ディスクが係合解除された場合、係合時の前記第2クラッチの駆動および被駆動ディスクへの前記第2の流量を対応して減少させることなく、前記第1の流量を減少させ得るのに有効なように、かつ、前記第2クラッチの駆動および被駆動ディスクが係合解除された場合、係合時の前記第1クラッチの駆動および被駆動ディスクへの前記第1の流量を対応して減少させることなく、前記第2の流量を減少させ得るに有効なように、独立しており、前記第1および第2クラッチ流体通路と、前記第1および第2クラッチバランスチャンバの流体通路のいずれか一方とが、それぞれ独立して選択可能であり、
    作用位置と非作用位置との間を選択的に移動し得る第1クラッチ作用ピストンを備え、前記作用位置における前記第1クラッチ作用ピストンは、前記第1出力軸を前記入力軸を介して回転駆動するように、前記第1クラッチの駆動および被駆動ディスクを係合状態に押圧し、
    作用位置と非作用位置との間を選択的に移動し得る第2クラッチ作用ピストンを備え、前記作用位置における前記第2クラッチ作用ピストンは、前記第2出力軸を前記入力軸によって回転駆動するように、前記第2クラッチの駆動および被駆動ディスクを係合状態に押圧し、
    前記第1クラッチ流体通路は、前記第2クラッチ駆動プレートの開口と前記第1クラッチ作用ピストンの開口とのいずれかを通って延びており、
    前記第2クラッチ流体通路は、前記第2クラッチ作用ピストンの開口と前記第1クラッチ駆動プレートの開口とのいずれかを通って延びている、
    デュアルクラッチ機構。
  2. 前記第1および第2クラッチ作用ピストンのいずれかが、前記第1および第2クラッチの駆動および被駆動ディスクから半径方向外側の部分と、前記共通の被駆動プレートの開口を通過する部分とを含む、請求項に記載のデュアルクラッチ機構。
  3. 前記第1クラッチ圧力作用チャンバ内に十分な流体圧力が存在する場合、前記第1クラッチ作用ピストンは前記非作用位置から前記作用位置に移動可能であり、
    前記第2クラッチ圧力作用チャンバ内に十分な流体圧力が存在する場合、前記第2クラッチ作用ピストンは前記非作用位置から前記作用位置に移動可能であり、
    第1クラッチ圧力作用チャンバの流体通路と、第2クラッチ圧力作用チャンバの流体通路とを備え、前記第1クラッチ圧力作用チャンバの流体通路および前記第2クラッチ圧力作用チャンバの流体通路は、前記各作用ピストンを前記非作用位置から前記作用位置に移動させるために前記第1および第2圧力作用チャンバのいずれかまたは両方に十分な流体を供給し得るのに有効なように、独立して選択可能であり、
    前記第1および第2クラッチ流体通路のいずれかが、部分的に、前記共通の被駆動プレートの一部と、前記第1および第2クラッチ作用ピストンのいずれかの一部分と反対側の、前記第1および第2クラッチ圧力作用チャンバの対応するいずれかを画成するプレートの一部とによって画成される、
    請求項に記載のデュアルクラッチ機構。
  4. 前記第1および第2クラッチバランスチャンバが、それぞれ、前記第1および第2クラッチ圧力作用チャンバより軸方向外側に配置される、請求項に記載のデュアルクラッチ機構。
  5. 前記第1および第2クラッチ圧力作用チャンバの流体通路と、前記第1および第2クラッチ流体通路と、前記第1および第2クラッチバランスチャンバの流体通路とが、それぞれ、独立して選択可能である、請求項に記載のデュアルクラッチ機構。
  6. 前記共通の被駆動プレートが、前記入力軸を少なくとも部分的に囲みかつそれと同軸の中間ハブを介して、前記入力軸によって回転駆動され、前記ハブは、前記第1および第2クラッチ圧力作用チャンバの流体通路と、前記第1および第2クラッチバランスチャンバの流体通路と、前記第1および第2クラッチ流体通路のいずれか一方とのそれぞれのための、前記ハブを貫通する個別のハブ流体通路を有し、
    前記各ハブ流体通路は、前記ハブより半径方向内側に配備された流体分配スリーブの外面に形成された複数の個別の溝のいずれかと個別に整合され、前記スリーブの複数の個別の溝のいずれかが、前記第1および第2クラッチ流体通路の他方に流体を供給するための、前記スリーブの端部から延びる開口を有する、
    請求項に記載のデュアルクラッチ機構。
  7. 前記第1および第2クラッチ圧力作用チャンバの流体通路と、前記第1および第2クラッチ流体通路と、前記第1および第2クラッチバランスチャンバの流体通路のいずれか一方とが、それぞれ独立して選択可能である、請求項に記載のデュアルクラッチ機構。
  8. 前記共通の被駆動プレートが、前記内側および外側の出力軸を少なくとも部分的に囲みかつそれと同軸のハブを介さずに、中間の外側プレートを介して前記入力軸によって回転駆動され、
    前記ハブは、前記第1クラッチ圧力作用チャンバの流体通路と、前記第2クラッチ圧力作用チャンバの流体通路と、前記第1クラッチバランスチャンバの流体通路と、前記第2クラッチバランスチャンバの流体通路と、前記第1および第2クラッチ流体通路のいずれかとのそれぞれのための前記ハブを貫通する個別のハブ流体通路を有し、
    前記第1クラッチ圧力作用チャンバの流体通路と、前記第2クラッチ圧力作用チャンバの流体通路と、前記第1クラッチバランスチャンバの流体通路および前記第2クラッチバランスチャンバの流体通路のいずれか一方と、前記第1および第2クラッチ流体通路のいずれか一方とのための前記各ハブ流体通路が、前記ハブより半径方向内側に配備された流体分配スリーブの外面に形成された複数の個別の溝のいずれかと個別に整合され、前記スリーブの複数の個別の溝のいずれかが、前記第1および第2クラッチ流体通路の他方用および前記第1および第2バランスチャンバの流体通路の他方用の、前記スリーブの端部から延びる開口を有する、
    請求項7に記載のデュアルクラッチ機構。
  9. 自動車トランスミッション用のデュアルクラッチ機構であって、
    長手方向に延びる軸線を中心に回転するように構成される入力軸と、
    前記入力軸と同軸の中空の外側の出力軸と、
    前記外側の出力軸の内部に配置されて、それとは独立に回転するように構成され、前記入力軸の軸線と同軸である内側の出力軸と、
    係合接触する複数の被駆動クラッチディスクおよび駆動クラッチディスクを有する第1クラッチ装置と、
    前記駆動クラッチディスクおよび前記外側の出力軸に動作するように連結された第1クラッチ駆動プレートと、
    前記第1クラッチ装置から軸方向に隔てられた第2クラッチ装置であって、係合接触する複数の被駆動クラッチディスクおよび駆動クラッチディスクを有する第2クラッチ装置と、
    前記駆動クラッチディスクおよび前記内側の出力軸に動作するように連結された第2クラッチ駆動プレートと、
    前記第1および第2クラッチ装置の被駆動ディスクおよび前記入力軸に動作するように連結された共通の被駆動プレートであって、前記共通の被駆動プレートと前記第1および第2クラッチ被駆動ディスクとの間の係合部が、前記第1クラッチおよび第2クラッチ装置の駆動プレートに対して半径方向外側に配備された共通の被駆動プレートと、
    第1クラッチ作用ピストンに隣接する第1クラッチ圧力作用チャンバおよび第2クラッチ作用ピストンに隣接する第2クラッチ圧力作用チャンバであって、前記第1および第2作用ピストンはそれぞれ作用位置および非作用位置を有し、前記作用位置においては、前記圧力作用チャンバに十分な圧力が印加された場合、前記クラッチ駆動プレートを前記共通の被駆動プレートと共に回転駆動するために、前記ピストンが、前記共通の被駆動プレートに動作するように連結されたそれぞれの被駆動クラッチディスクの組と前記クラッチ駆動プレートに動作するように連結された駆動クラッチディスクの組とを摩擦係合するように構成され、前記非作用位置においては、前記ピストンが、前記被駆動クラッチディスクの組と駆動クラッチディスクの組とを摩擦係合するようには構成されず、その結果、前記クラッチ駆動プレートは前記共通の被駆動プレートと共に回転駆動されない、第1クラッチ圧力作用チャンバおよび第2クラッチ圧力作用チャンバと、
    前記第1クラッチ作用ピストンを前記非作用位置から前記作用位置に移動させるために流体を供給する第1クラッチ作用チャンバの流体通路、および、前記第2クラッチ作用ピストンを前記非作用位置から前記作用位置に移動させるために流体を供給する第2クラッチ作用チャンバの流体通路であり、独立して選択可能である第1クラッチ作用チャンバの流体通路および第2クラッチ作用チャンバの流体通路と、
    それぞれが前記それぞれの作用ピストンによって前記それぞれの圧力作用チャンバから隔てられた第1クラッチバランスチャンバおよび第2クラッチバランスチャンバと、
    前記それぞれの作用チャンバ内の流体から前記それぞれのピストンに加えられる圧力を相殺するために、前記第1クラッチバランスチャンバに流体を供給する第1クラッチバランスチャンバの流体通路および前記第2クラッチバランスチャンバに流体を供給する第2クラッチバランスチャンバの流体通路と、
    前記第1クラッチ装置のディスクに流体を第1の流量供給する第1クラッチ冷却流体通路および前記第2クラッチ装置のディスクに流体を第2の流量供給する第2クラッチ冷却流体通路であって、前記第1クラッチ装置の駆動および被駆動ディスクが係合解除された場合、係合時の前記第2クラッチ装置の駆動および被駆動ディスクへの前記第2の流量を対応して減少させることなく、前記第1の流量を減少させ得るのに有効なように、かつ、前記第2クラッチ装置の駆動および被駆動ディスクが係合解除された場合、係合時の前記第1クラッチ装置の駆動および被駆動ディスクへの前記第1の流量を対応して減少させることなく、前記第2の流量を減少させ得るのに有効なように、前記第1および第2の流量が独立して調節可能である、第1クラッチ冷却流体通路および第2クラッチ冷却流体通路と、
    を含み、前記第1および第2クラッチ冷却流体通路と、前記第1および第2クラッチバランスチャンバの流体通路のいずれか一方とが、それぞれ独立して選択可能であり、
    前記第1クラッチ冷却通路が、前記第2クラッチ駆動プレートの開口と前記第1クラッチ装置用の作用ピストンの開口とのいずれかを通って延びており、
    前記第2クラッチ冷却通路が、前記第2クラッチ装置用の作用ピストンの開口と前記第1クラッチ駆動プレートにおける開口とのいずれかを通って延びており、
    前記第1および第2クラッチ装置のいずれかの作用ピストンは、前記第1および第2クラッチ装置のいずれかのディスクから半径方向外側の部分を含む、
    デュアルクラッチ機構。
  10. 前記第1および第2クラッチ冷却流体通路のいずれかが、前記第1および第2クラッチ装置のディスクより半径方向内側に配備された前記共通の被駆動プレートの少なくとも一部分によって部分的に画定され、
    前記第1および第2クラッチ装置の一方のクラッチ装置の前記圧力作用チャンバが、前記関連する作用ピストンと、前記第1および第2クラッチ装置のいずれかの被駆動および駆動ディスクより半径方向内側に配備された前記共通の被駆動プレートの一部分との間に少なくとも部分的に画定され、
    前記第1および第2クラッチ装置の他方のクラッチ装置の圧力作用チャンバは、前記関連する作用ピストンとハウジングプレートとの間に少なくとも部分的に画定される、
    請求項に記載の自動車トランスミッション用デュアルクラッチ機構。
  11. 前記第1および第2クラッチ装置の一方のクラッチ装置の被駆動および駆動ディスクに流体を供給する前記流体流路が、前記ハウジングプレートの少なくとも一部分によって部分的に画定され、
    前記第1および第2クラッチ装置の一方のクラッチ装置の被駆動および駆動ディスクに流体を供給する前記流体流路が、前記ハウジングプレートの少なくとも一部分と、前記第1および第2クラッチ装置のいずれかの被駆動および駆動ディスクより半径方向内側に配備された前記共通の被駆動プレートの一部分との間に部分的に画定され、
    前記第1および第2クラッチ装置のいずれかの被駆動および駆動ディスクに流体を供給する前記流体流路を部分的に画定する前記ハウジングプレートの一部分および前記共通の被駆動プレートの一部分が、半径方向外側に向く領域を含む、
    請求項10に記載の自動車トランスミッション用デュアルクラッチ機構。
  12. 前記第1および第2圧力作用チャンバが、それぞれ、前記第1および第2バランスチャンバ間に配備される、請求項11に記載の自動車トランスミッション用デュアルクラッチ機構。
  13. 第1出力軸および第2出力軸のいずれかをデュアルクラッチ機構の入力軸を介して回転駆動するように選択的に係合させる方法であって、
    共通の被駆動プレートに関連する外径部を有する1組の環状の被駆動ディスクと、第1駆動プレートに関連する内径部を有する駆動ディスクの相互係合される組とを含む第1クラッチを設けることであって、前記第1駆動プレートは、前記第1出力軸に動作するように連結され、第1クラッチ作用ピストンが、第1クラッチ作用流体通路を経由して供給される第1クラッチ圧力作用チャンバ内の流体圧力によって前記被駆動ディスクを前記相互係合される駆動ディスクと共に押圧して前記第1クラッチのディスクを係合させた場合、前記第1出力軸を前記第1駆動プレートと共に回転駆動する、第1クラッチを設けることと、
    前記共通の被駆動プレートに関連する外径部を有する1組の環状の被駆動ディスクと、第2駆動プレートに関連する内径部を有する駆動ディスクの相互係合される組とを含む第2クラッチを設けることであって、前記第2駆動プレートは、前記第2出力軸に動作するように連結され、第2クラッチ作用ピストンが、第2クラッチ作用流体通路を経由して供給される第2クラッチ圧力作用チャンバ内の流体圧力によって前記被駆動ディスクを前記相互係合される駆動ディスクと共に押圧して前記第2クラッチのディスクを係合させた場合、前記第2出力軸を前記第2駆動プレートと共に回転駆動する、第2クラッチを設けることと、
    前記第1クラッチの駆動および被駆動ディスクの組に流体を第1の流量供給することと、
    前記第2クラッチの駆動および被駆動ディスクの組に流体を第2の流量供給することと、
    前記第1クラッチの駆動および被駆動ディスクが係合解除される場合、前記第2クラッチの駆動および被駆動ディスクが係合されている時には、前記第2の流量を対応して減少させることなく、クラッチの引きずりの低減に有効なように前記第1の流量を減少させることと、
    前記第2クラッチの駆動および被駆動ディスクが係合解除される場合、前記第1クラッチの駆動および被駆動ディスクが係合されている時には、前記第1の流量を対応して減少させることなく、クラッチの引きずりの低減に有効なように前記第2の流量を減少させることと、
    前記第2クラッチ駆動プレートの開口と前記第1クラッチ作用ピストンの開口とのいずれかを通って延びる通路を経由して、流体を前記第1流量供給することと、
    前記第2クラッチ作用ピストンの開口と前記第1クラッチ駆動プレートの開口とのいずれかを通って延びる通路を経由して、流体を前記第2流量供給するステップと、
    を含む方法。
  14. 前記第1および第2クラッチ作用ピストンのいずれかの軸方向の部分を、前記共通の被駆動プレートの一部分に対して半径方向外側に配置することと、
    前記第1および第2クラッチ作用ピストンのいずれかの半径方向の部分を、前記共通の被駆動プレートの一部分の開口を貫通して伸長させることと、
    を含む請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1クラッチ圧力作用チャンバから前記第1クラッチ作用ピストンの反対側に第1クラッチバランスチャンバを設けることと、
    前記第2クラッチ圧力作用チャンバから前記第2クラッチ作用ピストンの反対側に第2クラッチバランスチャンバを設けることと、
    前記第1クラッチバランスチャンバと第2クラッチバランスチャンバとの間にそれぞれ配備される前記第1および第2クラッチ圧力作用チャンバを設けることと、
    前記第1クラッチ作用ピストンが前記第1クラッチの駆動および被駆動ディスクを押圧していない場合、前記第1クラッチ圧力作用チャンバ内の流体圧力を相殺するために、第1クラッチバランスチャンバの流体通路を経由して前記第1クラッチバランスチャンバに流体を供給することと、
    前記第2クラッチ作用ピストンが前記第2クラッチの駆動および被駆動ディスクを押圧していない場合、前記第2クラッチ圧力作用チャンバ内の流体圧力を相殺するために、第2クラッチバランスチャンバの流体通路を経由して前記第2クラッチバランスチャンバに流体を供給することと、
    を含む請求項14に記載の方法。
  16. 前記入力軸並びに第1および第2出力軸と同軸であるハブであり、前記ハブを貫通して延びる複数の流体流路を有するハブを設けることと、
    前記入力軸並びに第1および第2出力軸と同軸であり、前記ハブより半径方向内側に配置された流体分配スリーブであって、その外面に複数の流体溝が形成された流体分配スリーブを設けることと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の第1の流体溝と、前記ハブを通して延びる流体流路の整合された第1の流体流路とを経由して、前記第1クラッチ圧力作用チャンバに流体を供給することと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の第2の流体溝と、前記ハブを通して延びる流体流路の整合された第2の流体流路とを経由して、前記第2クラッチ圧力作用チャンバに流体を供給することと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の第3の流体溝と、前記ハブを通して延びる流体流路の整合された第3の流体流路とを経由して、前記第1クラッチバランスチャンバに流体を供給することと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の第4の流体溝と、前記ハブを通して延びる流体流路の整合された第4の流体流路とを経由して、前記第2クラッチバランスチャンバに流体を供給することと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の第5の流体溝と、前記ハブを通して延びる流体流路の同列の第5の流体流路とを経由して、前記第1クラッチの駆動および被駆動ディスクの組に流体を供給することと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の第6の流体溝を経由して、前記第2クラッチの駆動および被駆動ディスクの組に流体を供給することと、
    を含む請求項15に記載の方法。
  17. 前記入力軸並びに第1および第2出力軸と同軸であるハブであり、前記ハブを貫通して延びる複数の流体流路を有するハブを設けることと、
    前記入力軸並びに第1および第2出力軸と同軸であり、前記ハブから半径方向内側に配置された流体分配スリーブであって、その外面に複数の流体溝が形成された流体分配スリーブを設けることと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の第1の流体溝と、前記ハブを通して延びる流体流路の整合された第1の流体流路とを経由して、前記第1クラッチ圧力作用チャンバに流体を供給することと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の第2の流体溝と、前記ハブを通して延びる流体流路の整合された第2の流体流路とを経由して、前記第2クラッチ圧力作用チャンバに流体を供給することと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の第3の流体溝と、前記ハブを通して延びる流体流路の整合された第3の流体流路とを経由して、前記第1クラッチバランスチャンバに流体を供給することと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の第4の流体溝と、前記ハブを通して延びる流体流路の整合された第4の流体流路とを経由して、前記第2クラッチバランスチャンバに流体を供給することと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の第5の流体溝と、前記ハブを通して延びる流体流路の整合された第5の流体流路とを経由して、前記第1クラッチの駆動および被駆動ディスクの組に流体を供給することと、
    前記流体分配スリーブの流体溝の前記第3の流体溝を経由して、前記第2クラッチの駆動および被駆動ディスクの組に流体を供給することと、
    を含む請求項15に記載の方法。
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