JP5157205B2 - 衝撃力検出方法および衝撃記録装置 - Google Patents

衝撃力検出方法および衝撃記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5157205B2
JP5157205B2 JP2007068141A JP2007068141A JP5157205B2 JP 5157205 B2 JP5157205 B2 JP 5157205B2 JP 2007068141 A JP2007068141 A JP 2007068141A JP 2007068141 A JP2007068141 A JP 2007068141A JP 5157205 B2 JP5157205 B2 JP 5157205B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
impact
acceleration
time
acceleration sensor
fall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007068141A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008232631A (ja
Inventor
清人 松井
雅一 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2007068141A priority Critical patent/JP5157205B2/ja
Publication of JP2008232631A publication Critical patent/JP2008232631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5157205B2 publication Critical patent/JP5157205B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、各種の機器のための衝撃力検出方法、および機器に組み付けられる衝撃記録装置に関する。
携帯電話、ノート型コンピュータ、オーディオプレーヤ、デジタルカメラなどの各種の可搬型機器の付加機能として、落下に因る衝撃の発生を記録する衝撃記録機能がある。記録された情報は、主として機器が故障したときにユーザから修理を依頼されたサービス担当者によって読み出され、故障診断に利用される。一般に大きな衝撃を受ける状況では機器の外装が損傷を受けるが、必ずしも衝撃の度合いと外傷の度合いとが一致するとは限らない。サービス担当者は、機器の外観の観察からは確かな判別が難しい衝撃の有無を記録された情報によって知ることができる。
特開2005−37300号公報に開示された携帯機器は、3軸加速度センサ、落下判定手段、不揮発性メモリ、およびメモリ制御手段を備える。落下判定手段は、センサ出力を監視し、3軸全ての検出加速度が零になった状態を機器が落下中の状態であると判定する。この判定を受けて、メモリ制御手段は予め定められた1秒程度の時間にわたってセンサ出力情報を逐次に不揮発性メモリに書き込む。これにより落下衝突の前後に跨る短時間の加速度履歴が記録される。落下した機器が例えば床に衝突すると加速度が急激に増大するので、記録された加速度履歴を解析すれば、落下衝突の有無が分かる。
加速度センサの出力に基づく落下の判定に関して、特開2000−241442号公報では、高周波成分を除去したピエゾ抵抗型加速度センサの出力値と閾値とを比較する回路が開示されている。特開2006−105994号公報において提案された方法は、加速度センサによって刻々と検出される加速度が統計的に一定値とみなせる状態が所定時間にわたって続いた場合に、機器が落下状態であると判定する。
特開2005−37300号公報 特開2000−241442号公報 特開2006−105994号公報
故障の原因が衝撃を受けたことにあるのか否かを判断するには、機器に加わった衝撃の大きさが機器の耐衝撃性能で決まる許容範囲の上限よりも大きいか否かを知る必要がある。十分に大きな衝撃力の検出が可能な加速度センサを機器に組み込めば、故障原因の判断に必要な衝撃の大きさを示す情報は得られる。
しかし、例えば携帯電話は標準重力加速度の値(9.80665m/s)を1Gとして数百Gまたはそれ以上の衝撃に耐えるよう設計されるが、携帯電話に組み込み可能な小型の加速度センサの検出可能な衝撃は±数G程度でしかない。数百Gまで検出可能な大型で重い加速度センサを携帯電話やモバイルコンピュータに内蔵させることはできない。価格の上からも大型の加速度センサの採用は現実的ではない。
小型の加速度センサが組み込まれた機器では、加速度センサの検出限界を超える大きな衝撃(加速度)が加わったか否かは分かるが、その衝撃の大きさは分からないという問題があった。上記先行技術のように落下衝突の前後に跨る加速度履歴を記録しておけば、事後において衝撃の大きさを推定する際に加速度履歴を利用することができる。しかし、落下の検出から十分な時間の加速度履歴を記録しなければ、落下衝突前の落下途中で記録が終わってしまい、肝心の落下衝突時の加速度変化を知ることができない。特に大きな衝撃を受ける場合は落下時間が長いと考えられるので、相応の時間にわたって記録しなければならない。落下を検出するごとに十分に長い時間の履歴を記憶するには大容量のメモリが必要である。
本発明はこのような事情に鑑み、加速度センサの検出限界を超える衝撃力の大きさを定量化することを目的としている。他の目的は衝撃力の大きさを定量化して記録し、または定量化を可能にする情報を記録することである。
上記目的を達成する衝撃力検出方法は、加速度センサに加わる衝撃力を検出する方法であって、前記加速度センサの出力信号が前記加速度センサの落下状態を示す第1期間の長さである落下時間と、前記第1期間に続く期間であって、前記出力信号が前記落下状態と比べて大きい第2期間の長さである衝撃時間とを測定し、前記落下時間および前記衝撃時間に基づき且つ予め定められた演算によって前記第2期間に前記加速度センサに加わった加速度の最大値である最大加速度を算出する。
最大加速度(Gmax)は、落下衝突直後の加速度変化をハーフサイン波形をもつ変化として近似した波高値であり、次式で表される。
Gmax=(π・g・Th)/(2・Tg)
ただし、g:重力加速度、Th:落下時間、Tg:衝撃時間
重力加速度は定数であるので、落下時間と衝撃時間とを含む衝撃情報に基づいて、最大加速度を算出することができる。
また、落下時間から落下の高さを算定することができる。落下の高さは、衝撃の発生状況を事後に推定する上で有用かつ重要な情報である。衝撃情報に落下時間を含めるのが望ましい。
したがって、落下衝突の事後における衝撃力検出を可能にする衝撃記録装置の構成の選択肢として、上記式により最大加速度を算出して落下時間と一緒に記録する形態、および最大加速度を記録せずに落下時間と衝撃時間とを記録する形態がある。
落下直前の加速度である初速情報を衝撃情報に含めることにより、落下の高さの算定に際して初速情報に基づく補正を行うことができるので、例えば投げられて落下した場合の衝撃の大きさの定量化の精度を高めることができる。
記録におけるデータ形式は任意である。落下時間とともに、または落下時間に代えて落下時間から算出される落下高さを記録してもよい。
本発明によれば、加速度センサの検出限界を超える大きさの衝撃が加わった場合であっても、衝撃情報を分析する者が衝撃の大きさを事後に定量的に知ることができる。
本発明の実施に係る最大加速度Gmaxは落下衝突による衝撃の大きさであり、図1において模式的に示される。図示において最大加速度Gmaxの絶対値(以下、単に値という)は衝撃の検出に使用する加速度センサの検出限界よりも大きい。最大加速度Gmaxの値は落下時間Thと衝撃時間Tgとに基づいて算出される。算出の原理は次のとおりである。
図1中の太い線は、静止または等速運動をしている加速度センサが落下をして何かに衝突する状況における落下前から衝突後までの加速度センサの出力信号の変化を示している。ここでいう加速度センサは、図2のように互いに直交するX,Y,Zの3つの軸にそれぞれ沿う加速度ベクトルVx,Vy,Vzに応じた信号を出力する。信号は詳しくは運動加速度成分から重力加速度成分を差し引いた成分の大きさおよび方向を表す。図1における加速度センサの出力信号は、加速度ベクトルVx,Vy,Vzの合成ベクトルVの方向および長さを表す。図1では鉛直下向きが正方向(+)で、鉛直上向きが負方向(−)とされている。
静止または等速運動をしている状態の加速度は重力加速度(g)であり、その値は実質的に1.0Gである。自由落下状態における出力信号の値はほぼ零であり、衝突にともなって出力信号の値は急激に増大する。衝突の後、加速度センサがバウンドして衝突面上で静止するとすると、加速度センサに加わる加速度の値は減衰振動曲線を描くように推移する。しかし、加速度センサの出力信号は検出限界で飽和し、出力信号波形は図1のように検出限界にクリップされる。飽和した出力信号からは直接に最大加速度Gmaxを読み取ることはできないので、以下の計算で最大加速度Gmaxを算出する。
衝突から出力信号が最初に零に戻るまでの衝撃時間Tgにわたる加速度変化はハーフサイン曲線で近似され、図1中における斜線の付された領域の面積が衝突の瞬間の速度(v)に相応する。すなわち、この速度vは次式で表される。
Figure 0005157205
一方、速度vと物体の質量(m)とで決まる衝突時の運動エネルギー(m・v/2)は、落下開始時の位置エネルギー(m・g・h)と等しい。hは落下高さである。m・g・h=m・v/2を変形するとv=(2・g・h)1/2が得られる。そして、上記式から次の式が導出される。
Figure 0005157205
Figure 0005157205

ここで、落下高さhと落下時間Thとにはh=g(Th)/2の関係がある。したがって、最大加速度Gmaxは次式で表される。
Figure 0005157205
落下時間Thおよび衝撃時間Tgを加速度センサの出力信号に基づいて測定すれば、最大加速度Gmaxを算出し、衝撃の大きさを数値化することができる。落下時間Thおよび衝撃時間Tgを記録しておけば、衝撃の大きさを客観的に知る必要が生じたときに最大加速度Gmaxを算出することができる。落下時間Thおよび最大加速度Gmaxを記録しておけば、落下の高さhを算出するとともに衝突面の硬さがどの程度かを推定することができる。
ある機器について故障診断や使用状況の分析などの目的で最大加速度Gmaxを参照するには、当該機器に衝撃記録装置を組み付けておかなければならない。衝撃記録装置としては、衝撃時間Tgおよび最大加速度Gmaxのどちらかと、落下時間Thとを記録するものが望ましい。機器としては、例えば携帯電話、ノート型コンピュータ、デジタルカメラ、携帯型ハードディスクドライブ、電子辞書、オーディオプレーヤ、小型テレビジョンを含む可搬型の電子機器が挙げられる。
図3において、衝撃記録装置1は、加速度センサ10と不揮発性メモリ20とプロセッサ30とを備えている。衝撃記録装置1は、可搬型の電子機器100に内臓され、電子機器100に備わる電源回路110から電力の供給を受けて動作する。衝撃記録装置1には電子機器100のシステム時計120から日時データDdが与えられる。
加速度センサ10は図2に示される上記加速度ベクトルVx,Vy,Vzに応じた3つの信号Sx,Sy,Szをプロセッサ30へ出力する。信号Sx,Sy,Szは、電子機器100に加わり必然的に加速度センサ10にも加わる加速度の値および方向を特定する。加速度センサ10としては5mm角程度の小型3軸センサが好ましい。例えば、日立金属株式会社製のピエゾ抵抗型3軸加速度センサ(H34C)がある。この種のセンサは可撓部をもち、可撓部の微妙な位置変化を複数の素子で検出するように構成されている。X,Y,Zの各軸の検出範囲は±2G程度である。
不揮発性メモリ20は衝撃情報DSを記憶する。衝撃情報DSは、図4のように落下時間Th、衝撃時間Tsおよび日時データDdからなる。不揮発性メモリ20は、数年以上の期間にわたる衝撃情報DSの蓄積が可能なメモリ容量をもつ。不揮発性メモリ20としては書き換え可能なフラッシュメモリが好適である。
プロセッサ30はマイクロコンピュータと周辺回路とからなり、プログラムに従って衝撃記録処理を実行する。衝撃記録処理は、加速度センサ10からの信号Sx,Sy,Szに基づいて落下時間Thおよび衝撃時間Tsを測定し、システム時計120からの日時データDdに対応付けて衝撃情報DSとして記録する。
衝撃記録処理に係るプロセッサ30の動作は図5のフローチャートで示される。プロセッサ30は、例えば1msまたはそれより短い周期で加速度センサ10からの信号Sx,Sy,Szの瞬時値を取り込み、それによって加速度を測定する。このサンプリング動作を含む衝撃記録処理は、プロセッサ30が稼動可能である限り、繰り返し実行される。
のように加速度測定(#11)に続いて電子機器100が自由落下状態であるか否かの判定(#12)が行われる。自由落下状態とは、加速度の値が零またはそれに近い値であって、電子機器100が落下していると推定される状態である。一般に電子機器100の適正な使用状態は自由落下状態ではない。電子機器100が自由落下状態になるまでは、衝撃記録処理は加速度測定と状態チェックとを繰り返すだけの処理である。
自由落下状態であるか否かの判定の精度を高めるには、所定時間の加速度変化を検知するのが望ましい。すなわち、連続する複数回のサンプリング結果に基づいて総合的に状態を判定するのが好ましい。このような判定は、複数回のサンプリング結果を一時的に記憶するレジスタをプロセッサ30が有することによって実現することができる。
プロセッサ30は、自由落下状態を検知すると、落下時間を測定するための第1の計時を開始する(#12)。このとき、上記状態チェックを所定時間の加速度変化に基づいて行った場合には、当該所定時間を計時の初期値とするといった何らかの補正を行う。
自由落下状態を検知した時点以降の加速度を測定し(#14)、落下衝突があったと推定される加速度の急変の有無をチェックする(#15)。加速度の急変が無ければ、加速度が一定になったか否か、すなわち加速度の値が零(それに近い値を含む)以外の一定範囲内の値に保たれる状態が例えば1秒程度の所定期間にわたって続いたか否かをチェックする(#21)。
加速度が急変もせず一定にもならない場合は、電子機器100の落下が続いていると推定される。この場合、プロセッサ30はステップ#14に戻って加速度変化の検知を続ける。また、加速度が急変せずに一定になった場合は、先に検知した自由落下状態は真の落下に因るものではないと推定される。この場合、プロセッサ30はステップ#11に戻って再び自由落下状態を検知する。落下時間の計時途中のタイマをリセットする。
一方、ステップ#15で加速度の急変を検知したときには、衝撃時間Tgを測定するための第2の計時を開始する(#16)。また、第1の計時を終了して計時結果である落下時間Thを不揮発性メモリ20に書き込み、または記録用一時レジスタに記憶させる(#17)。
その後、最新の加速度測定の結果から加速方向が反転したか否か、すなわち加速度の値が正から負へまたは負から正に変わったか否かをチェックする(#18、#19)。ここで検知される加速方向の反転は、図1に示した加速度変化における落下衝突直後に最初に現れるハーフサイン波の後縁に対応する。加速方向の反転の検知に呼応して第2の計時を終了し、計時結果である衝撃時間Tgを不揮発性メモリ20に書き込む。このとき、プロセッサ30は、システム時計120から日時データDdを取り込んで落下時間Thおよび衝撃時間Tgに対応づける。なお、この時点以前に落下時間Thを不揮発性メモリ20に記録していなかった場合には、落下時間Thを衝撃時間Tgと合わせて記録する。
衝撃時間Tgの測定については、上記ハーフサイン波の前縁から後縁までの時間を測定する代わりに、図1に示す時間Tsまたは時間Tsgを測定する便宜的な方法がある。時間Tsは加速度センサ10の出力が検出限界になっている信号飽和時間である。一般に、落下衝突に伴う加速度変化は信号のサンプリング周期程度の時間で一気に零から検出限界に達するほどに急峻であるので、実質的に信号飽和時間は衝撃時間Tgと等しく、時間Tsを衝撃時間Tgとみなすことができる。時間Tsを測定する場合には、上記ステップ#15では最新の加速度が検出限界であるか否かをチェックし、ステップ#19では最新の加速度が検出限界よりも小さいか否かをチェックすればよい。また、時間Tsgは、加速度センサ10の出力が検出限界に達した時点から上記ハーフサイン波の後縁までの時間である。上記ハーフサイン波の前縁の検出と比べてセンサ出力が検出限界に達した時点の検出の方がより確実である場合には、時間Tsgを測定するのが有効である。時間Tsを衝撃時間Tgとみなすことができるので、当然に時間Tsgを衝撃時間Tgとみなすことができる。
図6は衝撃記録処理の他の例を示すフローチャートである。図6の例は、図5のフローに、落下開始時点に初速が生じていたか否かを判定するステップ#11A、および初速が生じていた場合に初速情報として加速度を記録するステップ#11Bを追加したものである。初速の判定以後のフローは図5と同様である。図6の衝撃記録処理によって不揮発性メモリ10に記録される衝撃情報DSbは、図7のように日時データDd、落下時間Th、衝撃時間Tsおよび初速情報Gsからなる。
以上の衝撃記録処理により蓄積される衝撃履歴は、次のように電子機器100の故障診断に利用される。
落下直前の電子機器100の姿勢は、3軸の各加速度ベクトルVx,Vy,Vzの相対関係で特定される(図2参照)。例えば静止状態のように合成ベクトルVの大きさが1Gである状態において初速が与えられると、加速度センサ10の出力に変化が生じる。この変化の方向により、初速の方向が水平より上向きか下向きかの判定は可能である。
初速が加わる前の状態で+1Gであった加速度が初速が加わって1Gを超えた場合と、初速が加わる前の状態で−1Gであった加速度が初速が加わって−1Gより負側へ増えた場合は水平より上の方向の初速であり、これ以外の変化状態では水平より下方向の初速が加えられたことになる。センサの検出限界を超える初速度の値や方向を正確に判別できないものの、このように初速発生の有無の判定は可能であり、初速のある落下状態を次の3種に大別できる。第1は重力方向と直交する水平方向(真横)の初速が有る状態、第2は重力方向と反対の方向(上向き)の初速が有る状態、第3は重力方向(下向き)の初速が有る状態である。
水平方向の初速がある場合の落下時間Thは水平方向に初速がない場合の落下時間と同じになる。重力方向の反対の方向(上向き)の初速が有る場合では、測定された落下時間Thは電子機器100が上方へ移動して最高点に達するまでの時間(Tb)と最高点からの落下時間(Ta)との合計である。
電子機器100と同一構成の試料を用いて事前に衝撃時間Tgに対応した壊れる高さを計測しておく。この壊れる高さからの落下時間をTbrとする。記録された落下時間Thと壊れる高さからの落下時間Tbrを比較することで故障診断が可能となる。Tbr≧Thの場合は、Thが最高点までに達する時間を含んでおり、実際の落下高さは最高点までの高さ分以上で壊れる高さよりも低いことが分かるので、落下による故障が原因ではないと判断することができる。Tbr<Thの場合は壊れる高さ以上の高さからの落下であって、落下による衝撃が故障の原因であると判断することができる。
壊れる高さまで達していなくてもTbr<Thの成立する場合がある。この場合は実際には壊れないので、故障診断の必要がない。
重力方向と同じ方向(下向き)の初速が有る場合でTbr<Thの時は落下を原因とする故障が起こる。Tbr≧Thであっても落下の事実がないとは言えない。落下高さが低くて初速が大きい場合は落下時間Thは極端に短い時間となる。重力方向(下向き)の初速が有るときはほぼ落下が故障の原因である。
落下途中でどこかに当たった場合は衝撃前の落下時間Thで一番長いものを判定する。一番長いものの落下時間ThについてTbr<Thの関係があれば、落下が原因との判断は妥当である。記録された落下時間Thの全てがTbr≧Thの場合は、落下が故障原因ではないとの判断が適切である。
電子機器100のユーザから修理の依頼があった日と記録されている日時データDdが示す最新の記録日時との関係も故障診断の基準になる。落下が故障の原因である場合は修理依頼日と最新の記録日時が比較的に近いのが通常である。衝撃情報が記録されていなかったり、最新の記録日時と修理依頼日とに大きな差があったりしたときは、故障原因が落下である確率は小さい。
故障診断の信頼性を高める上で、日時データDdを含む衝撃情報Ds,Dsbを、一回の落下に対応する情報を1つと数えて、少なくとも3個以上記録するのが望ましい。記録可能な数を超える落下があった場合の記録については、最も古い情報に代えて最新の情報を記録する形態、より重要な情報を記録する形態がある。重要な情報とは、例えば大きい衝撃を受けたときの記録である。重要な情報を選択的に記録する場合には、プロセッサ30は最大加速度Gmaxを算出し、最大加速度Gmaxの大きい順に記録可能な数の衝撃情報Ds,Dsbを残すように不揮発性メモリ20を制御する。
図8、図9および図10は加速度センサの出力信号の具体例を示す。
図8において落下前のX軸方向の加速度が1Gで、Y軸方向およびZ軸方向の加速度がほぼ零である。落下直前の姿勢において、X軸が鉛直方向に沿い、Y軸およびZ軸が水平方向に沿う。図9は落下前の姿勢が、X,Y,Zの3軸が鉛直方向または水平方向に対して45度の傾きをもつ場合のセンサ出力例である。落下前のセンサ出力は3軸とも0.58Gの値を示す。図10は回転を伴う落下に対応した出力例である。回転による遠心力が働くので、回転軸と直交する軸のセンサ出力がプラスとマイナスの両方へ変化する。落下時間内に零を横切る点をカウントすると落下時に何回転したかが分かる。
以上の実施形態の説明では加速度センサ10の出力信号をサンプリングしながら落下時間Thおよび衝撃時間Tgを測定するリアルタイム処理を挙げたが、これに限らない。1秒ないし2秒程度にわたって出力信号をデータ化し、信号波形を既存の信号処理手法により総合的に解析して落下時間Thおよび衝撃時間Tgを特定してもよい。
衝撃記録装置1の構成および衝撃記録処理の内容は本発明に沿う範囲内で適宜変更可能である。例えば、衝撃記録装置1が自己の動作に必要な電源を備えてもよい。この場合、電子機器100に限らず、電気的な動作機能をもたない任意の物品に衝撃記録装置1を組み付け、衝撃履歴の記録に使用することができる。
加速度センサ10は重力加速度の検出が可能であれば、構造を問わない。ピエゾ抵抗型、静電容量型、圧電型または他の形式であってもよい。3軸型に限らず、3個以上の1軸センサの組み合わせ、1軸センサと2軸センサの組み合わせであってもよい。衝撃記録装置1を組み付ける機器の移動が鉛直方向のみに限定される用途では、加速度センサ10は1軸センサでもよい。
上記実施形態は次の2つの発明を含む。1つは、衝撃記録装置1が組み付けられ、日時データDdを出力するシステム時計120を備え、衝撃記録装置1のプロセッサ30が、衝撃時間Tgを測定した年月日を特定する日時データDdをシステム時計120から取得して衝撃情報DSに対応づけて不揮発性メモリ20に記憶させる電子機器1である。他の1つは、電子機器1の受けた衝撃の大きさを数値化する方法であって、次の式で表される最大加速度Gmaxを算出する衝撃力検出方法である。
Gmax=(π・g・Th)/(2・Tg)
ただし、gは重力加速度、Thは落下時間、Tgは衝撃時間
最大加速度の算出の原理を示す図である。 加速度ベクトルと加速度センサの出力との関係を示す図である。 衝撃記録装置の構成を示す図である。 衝撃情報の構成を示す図である。 衝撃記録装置の動作の第1例を示す図である。 衝撃記録装置の動作の第2例を示す図である。 衝撃情報の他の構成を示す図である。 加速度センサの出力信号の第1例を示す図である。 加速度センサの出力信号の第2例を示す図である。 加速度センサの出力信号の第3例を示す図である。
符号の説明
1 衝撃記録装置
10 加速度センサ
20 不揮発性メモリ
30 プロセッサ
Ds,Dsb 衝撃情報
Th 落下時間
Tg 衝撃時間
Gmax 最大加速度
Gs 初速情報
#12 第1ステップ
#13 第2ステップ
#15 第3ステップ
#16 第4ステップ
#19 第5ステップ
#20 第6ステップ
Dd 日時データ
120 システム時計

Claims (4)

  1. 加速度センサに加わる衝撃力を検出する方法であって、
    前記加速度センサの出力信号が前記加速度センサの落下状態を示す第1期間の長さである落下時間と、
    前記第1期間に続く期間であって、前記出力信号が前記落下状態と比べて大きい第2期間の長さである衝撃時間とを測定し、
    前記落下時間および前記衝撃時間に基づき且つ予め定められた演算によって前記第2期間に前記加速度センサに加わった加速度の最大値である最大加速度を算出する
    ことを特徴とする衝撃力検出方法。
  2. 次の式で表される最大加速度Gmaxを算出する
    Gmax=(π・g・Th)/(2・Tg)
    ただし、gは重力加速度、Thは落下時間、Tgは衝撃時間である
    請求項1に記載の衝撃力検出方法。
  3. 加速度センサと不揮発性メモリとを備え、前記加速度センサによって得られる衝撃情報を前記不揮発性メモリによって記憶する衝撃記録装置であって、
    前記加速度センサの出力信号が前記加速度センサの落下状態を示す第1期間の長さである落下時間またはそれから算出される落下高さと、
    前記第1期間に続く期間であって、前記出力信号に基づいて判定される前記加速度センサに加わる加速度が前記落下状態と比べて大きい第2期間の長さである衝撃時間をTgとし、前記落下時間をThとし、重力加速度をgとして最大加速度Gmaxを表す、Gmax=(π・g・Th)/(2・Tg)の式に基づく演算によって算出される最大加速度と、を前記衝撃情報として記録する
    ことを特徴とする衝撃記録装置。
  4. 前記衝撃情報は、前記第1期間の直前における前記出力信号の示す加速度である初速情報を含む
    請求項3に記載の衝撃記録装置。
JP2007068141A 2007-03-16 2007-03-16 衝撃力検出方法および衝撃記録装置 Active JP5157205B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007068141A JP5157205B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 衝撃力検出方法および衝撃記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007068141A JP5157205B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 衝撃力検出方法および衝撃記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008232631A JP2008232631A (ja) 2008-10-02
JP5157205B2 true JP5157205B2 (ja) 2013-03-06

Family

ID=39905628

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007068141A Active JP5157205B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 衝撃力検出方法および衝撃記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5157205B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010038839A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Sanyo Electric Co Ltd 電子機器
WO2012169051A1 (ja) * 2011-06-09 2012-12-13 富士通株式会社 落下判定装置、及び落下判定方法
JP2013130532A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Sharp Corp 落下衝撃検知装置
JP5681817B2 (ja) * 2011-12-26 2015-03-11 川崎重工業株式会社 電動式乗り物の診断方法及びシステム
JP6041386B2 (ja) * 2013-03-04 2016-12-07 セイコーインスツル株式会社 電子機器
JP6155806B2 (ja) * 2013-04-25 2017-07-05 富士通株式会社 電子機器および衝撃検知プログラム
JP6186888B2 (ja) * 2013-05-28 2017-08-30 株式会社デンソーウェーブ 携帯端末
KR20200063765A (ko) 2018-11-28 2020-06-05 삼성전자주식회사 전자 장치 및 그의 상황을 감지하는 방법
US11585828B2 (en) * 2019-02-01 2023-02-21 Seiko Epson Corporation Sensor system and sensor drop determination method

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59100259U (ja) * 1982-12-24 1984-07-06 新和機器サ−ビス株式会社 衝撃記録計
JPS61120969A (ja) * 1984-11-19 1986-06-09 Hitachi Ltd 衝撃記録装置
JP4172448B2 (ja) * 2003-11-12 2008-10-29 日本サミコン株式会社 落石防護構造物の設計方法と落石防護構造物
JP2005337736A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Ubukata Industries Co Ltd 運搬時衝撃記録装置
US7191089B2 (en) * 2004-12-01 2007-03-13 Freescale Semiconductor, Inc. System and method for fall detection
JP4735100B2 (ja) * 2005-03-08 2011-07-27 ソニー株式会社 複合型記憶装置、データ処理方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008232631A (ja) 2008-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5157205B2 (ja) 衝撃力検出方法および衝撃記録装置
JP5067257B2 (ja) 落下を検知する情報機器
EP2274734B1 (en) Displacement measurement in a fall detection system
JP4251169B2 (ja) 情報処理装置、撮像装置、および情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラム
US9689887B1 (en) Fall event monitoring
CN101065674B (zh) 用于检测坠落的系统和方法
US20140100050A1 (en) Golf swing analyzing apparatus and method of analyzing golf swing
US7350394B1 (en) Zero-g offset identification of an accelerometer employed in a hard disk drive
KR20100033472A (ko) 두 개의 삼축 가속도계를 이용한 회전성 자유낙하의 검출 시스템 및 방법
JP5773144B2 (ja) 運動解析装置、運動解析システム、運動解析プログラム、および、記録媒体
JP2008073210A (ja) ゴルフクラブ、そのスイング評価支援装置
JP2008522189A5 (ja)
US7415380B2 (en) Fall detection device
JP2009528523A (ja) 自由落下を識別するための方法および装置
JP2017138115A (ja) リニアスライドに適用する予圧検測方法
JP2005237576A (ja) 転倒判定装置
JP6074897B2 (ja) 運動解析装置及び運動解析方法
CN111812356B (zh) 一种基于三轴加速度计的跌落检测方法及装置
JP2010054374A (ja) 移動検知装置
JP6766335B2 (ja) ゴルフスイングの分析装置
US20210255215A1 (en) System and method for determining distance of free fall
JP2013130532A (ja) 落下衝撃検知装置
JP6268897B2 (ja) 運動解析方法、運動解析プログラム、および運動解析装置
JP6940813B2 (ja) 歩数計測装置、歩数計測方法及びプログラム
Shariati et al. Oversampling in virtual visual sensors as a means to recover higher modes of vibration

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111102

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120501

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5157205

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151221

Year of fee payment: 3