JP6766335B2 - ゴルフスイングの分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフクラブのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するゴルフスイングの分析装置、方法及びプログラムに関する。
従来より、ゴルフクラブのスイング時において、フェース面上におけるボールの打点を推定するための方法が提案されている。例えば、特許文献1は、フェース面の裏面に打撃時の振動を検出する複数のセンサを取り付け、これらのセンサの出力信号から打撃位置を推定する装置を開示している。また、特許文献2は、2台のカメラで撮影されたゴルフスイングの画像に基づいて、打点位置を求める装置を開示している。
国際公開第2009/069698号パンフレット 特開2007−167549号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、センサがフェース面の裏面側に取り付けられるため、センサの後付けが困難となることがある。また、特許文献2の方法は、カメラの設置が必要となるため、大掛かりな装置となり、カメラの設置場所の確保が困難となり得る。
本発明は、ゴルフクラブのスイング時において、簡易にフェース面上におけるボールの打点を推定することが可能なゴルフスイングの分析装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1観点に係るゴルフスイングの分析装置は、グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、導出部と算出部と推定部とを備える。前記導出部は、前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する。前記算出部は、前記分析データの波形の特徴量を算出する。前記推定部は、前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定する。
本発明の第2観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第1観点に係るゴルフスイングの分析装置であって、前記推定部は、前記特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定する。
本発明の第3観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第1観点又は第2観点に係るゴルフスイングの分析装置であって、前記分析データには、前記フェース面上に規定される第1方向に対して傾斜する第1軸周りの前記角速度データが含まれ、前記算出部は、前記第1軸周りの前記角速度データの波形の前記特徴量である第1特徴量を算出する。前記推定部は、前記第1特徴量に応じて、前記フェース面上における前記第1方向の前記衝突位置を推定する。
本発明の第4観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第3観点に係るゴルフスイングの分析装置であって、前記第1方向は、トゥ−ヒール方向であり、前記第1軸は、前記シャフトの延びる方向又はフェース−バック方向に概ね平行である。
本発明の第5観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第3観点に係るゴルフスイングの分析装置であって、前記第1方向は、トップ−ソール方向であり、前記第1軸は、トゥ−ヒール方向又はフェース−バック方向に概ね平行である。
本発明の第6観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第3観点から第5観点のいずれかに係るゴルフスイングの分析装置であって、前記分析データには、前記フェース面上に規定される前記第1方向に略直交する第2方向に対して傾斜する第2軸周りの前記角速度データが含まれる。前記算出部は、前記第2軸周りの前記角速度データの波形の前記特徴量である第2特徴量を算出する。前記推定部は、前記第2特徴量に応じて、前記フェース面上における前記第2方向の前記衝突位置を推定する。
本発明の第7観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第1観点から第6観点のいずれかに係るゴルフスイングの分析装置であって、前記センサデータに基づいて、インパクト付近での前記ヘッドの挙動を複数のパターンに分類する分類部をさらに備える。前記推定部は、前記分類部により分類されたパターンに対応するアルゴリズムを用いて、前記衝突位置を推定する。
本発明の第8観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第1観点から第7観点のいずれかに係るゴルフスイングの分析装置であって、前記センサデータに含まれる少なくともインパクトよりも後の前記加速度データに基づいて、前記ボールが前記フェース面の端部に衝突したミスショットを判定するミスショット判定部をさらに備える。前記推定部は、前記ミスショットと判定されなかった場合に、前記衝突位置を推定する。
本発明の第9観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第1観点から第8観点のいずれかに係るゴルフスイングの分析装置であって、前記特徴量は、前記分析データの波形の振幅である。
本発明の第10観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第1観点から第9観点のいずれかに係るゴルフスイングの分析装置であって、前記特徴量は、前記分析期間に含まれる特徴時刻間の時間の長さである。前記各特徴時刻は、インパクトの時刻又は振幅のピークが現れる時刻である。
本発明の第11観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第1観点から第10観点のいずれかに係るゴルフスイングの分析装置であって、前記前記算出部は、前記分析データから複数の前記特徴量を算出する。前記推定部は、前記複数の特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の重回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定する。
本発明の第12観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第2観点又は第11観点に係るゴルフスイングの分析装置であって、トゥ−ヒール分類部をさらに備える。前記トゥ−ヒール分類部は、前記シャフトの延びる方向の軸周りの角速度の振幅スペクトルの1次モードのピーク周波数及び前記ピーク周波数に対応する位相角の少なくとも一方に応じて、前記フェース面上におけるトゥ−ヒール方向の前記衝突位置を複数の領域に分類する。前記推定部は、前記トゥ−ヒール分類部により分類されたパターンに対応する前記回帰式又は前記重回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定する。
本発明の第13観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第12観点に係るゴルフスイングの分析装置であって、前記トゥ−ヒール分類部は、前記ピーク周波数が所定の範囲内にある場合に、前記衝突位置が前記フェース面上の中央付近に含まれると判定する。
本発明の第14観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第12観点又は第13観点に係るゴルフスイングの分析装置であって、前記トゥ−ヒール分類部は、前記位相角が所定値以上である場合に、前記衝突位置が前記フェース面上のトゥ側の領域に含まれると判定し、前記所定値よりも小さい場合に、前記衝突位置が前記フェース面上のヒール側の領域に含まれると判定する。
本発明の第15観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第2観点、第11観点又は第12観点のいずれかに係るゴルフスイングの分析装置であって、トップ−ソール分類部をさらに備える。前記トップ−ソール分類部は、フェース−バック方向の加速度の位相スペクトルの150Hz以上の所定の周波数に対応する位相角、又は、トゥ−ヒール方向の軸周りの角速度の位相スペクトルの150Hz以上の所定の周波数に対応する位相角に応じて、前記フェース面上におけるトップ−ソール方向の前記衝突位置を複数の領域に分類する。前記推定部は、前記トップ−ソール分類部により分類されたパターンに対応する前記回帰式又は前記重回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定する。
本発明の第16観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第15観点に係るゴルフスイングの分析装置であって、前記トップ−ソール分類部は、前記位相角が所定値以上である場合に、前記衝突位置が前記フェース面上のトップ側の領域に含まれると判定し、前記所定値よりも小さい場合に、前記衝突位置が前記フェース面上のソール側の領域に含まれると判定する。
本発明の第17観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第1観点から第16観点のいずれかに係るゴルフスイングの分析装置であって、前記算出部は、前記分析データの波形の特徴量として、前記分析データのスペクトルの特徴量を算出する。
本発明の第18観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第17観点に係るゴルフスイングの分析装置であって、前記算出部は、前記分析データの波形の特徴量として、前記角速度データのスペクトルの1次又は2次モードのピーク振幅を算出する。
本発明の第19観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第17観点又は第18観点に係るゴルフスイングの分析装置であって、前記算出部は、前記分析データの波形の特徴量として、前記加速度データのスペクトルの1次又は2次モードのピーク振幅を算出する。
本発明の第20観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第1観点から第19観点のいずれかに係るゴルフスイングの分析装置であって、前記算出部は、前記分析データの波形の特徴量として、前記角速度データの振幅を算出する。
本発明の第21観点に係るゴルフスイングの分析装置は、第1観点から第7観点及び第8観点から第20観点のいずれかに係るゴルフスイングの分析装置であって、ミスショット判定部をさらに備える。前記ミスショット判定部は、前記特徴量が所定の範囲外である場合に、前記ボールが前記フェース面の端部に衝突したミスショットを判定する。前記推定部は、前記ミスショットと判定されなかった場合に、前記衝突位置を推定する。
本発明の第22観点に係るゴルフスイングの分析方法は、グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析方法であって、以下のステップを備える。
(1)前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップ。
(2)前記分析データの波形の特徴量を算出するステップ。
(3)前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するステップ。
本発明の第23観点に係るゴルフスイングの分析プログラムは、グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、以下のステップをコンピュータに実行させる。
(1)前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度センサデータに含まれるデータの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップ。
(2)前記分析データの波形の特徴量を算出するステップ。
(3)前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するステップ。
本発明によれば、グリップ及びシャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方の出力値から、打点が推定される。より具体的には、分析の対象となる分析データは、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方である。そして、当該分析データの波形の特徴量が算出され、当該特徴量に応じて、ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置が推定される。従って、大掛かりな装置が必要とされることなく、簡易にフェース面上におけるボールの打点を推定することができる。
本発明の第1実施形態に係る分析装置を備えるスイング分析システムを示す図。 図1のスイング分析システムの機能ブロック図。 ゴルフクラブのグリップを基準とするxyz局所座標系を説明する図。 (A)アドレス状態を示す図。(B)トップ状態を示す図。(C)インパクト状態を示す図。(D)フィニッシュ状態を示す図。 第1実施形態に係る打点推定処理の流れを示すフローチャート。 ヘッドのフェース面を示す図。 アドレスの時刻を導出する処理の流れを示すフローチャート。 非ミスショット時の加速度データを示す図。 ミスショット時の加速度データを示す図。 ミスショット時の加速度データを示す別の図。 トゥ−ヒール方向の打点と、z軸周りの角速度の振幅との関係を説明する図。 トゥ−ヒール方向の打点とz軸周りの角速度の振幅との関係を示すグラフ。 トゥ−ヒール方向の打点とz軸周りの角速度の振幅との関係を示す別のグラフ。 トゥ−ヒール方向の打点とz軸周りの角速度の振幅との関係を示す別のグラフ。 トップ−ソール方向の打点と、x軸周りの角速度の周期に依存する指標との関係を説明する図。 トップ−ソール方向の打点とx軸周りの角速度の周期に依存する指標との関係を示すグラフ。 トップ−ソール方向の打点とx軸周りの角速度の周期に依存する指標との関係を示す別のグラフ。 トップ−ソール方向の打点とx軸周りの角速度の周期に依存する指標との関係を示す別のグラフ。 軌道特定処理の流れを示すフローチャート。 軌道特定処理のアルゴリズムを説明する図。 第2実施形態に係る打点推定処理の流れを示すフローチャート。 第2実施形態に係る第1の特徴量を説明する図。 第2実施形態に係る第2の特徴量を説明する図。 第2実施形態に係る第3の特徴量を説明する図。 第2実施形態に係る第4の特徴量を説明する図。 第2実施形態に係る第5の特徴量を説明する図。 第2実施形態に係る打点の推定値と真値との関係の検証結果を示すグラフ(打点がトゥ側の領域に含まれる場合)。 第2実施形態に係る打点の推定値と真値との関係の検証結果を示すグラフ(打点がヒール側の領域に含まれる場合)。 第2実施形態に係る打点の推定値と真値との関係の検証結果を示すグラフ(打点がフェースセンター付近の領域に含まれる場合)。 第3実施形態に係る打点推定処理の流れを示すフローチャート。 上打ち及び下打ちの場合のヘッドの挙動を説明する図。 上打ち及び下打ちの場合の位相スペクトルを示すグラフ。 インパクトの時刻の決定処理の流れを示すフローチャート。 左右打点(真値)と位相角φ1との関係をプロットしたグラフ。 上下打点(真値)と位相角φ2との関係をプロットしたグラフ。 トゥ上に分類されたデータに対し、左右打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 センター上に分類されたデータに対し、左右打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 ヒール上に分類されたデータに対し、左右打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 トゥ下に分類されたデータに対し、左右打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 センター下に分類されたデータに対し、左右打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 ヒール下に分類されたデータに対し、左右打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 トゥ上に分類されたデータに対し、上下打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 センター上に分類されたデータに対し、上下打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 ヒール上に分類されたデータに対し、上下打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 トゥ下に分類されたデータに対し、上下打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 センター下に分類されたデータに対し、上下打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 ヒール下に分類されたデータに対し、上下打点の推定値と真値との関係をプロットしたグラフ。 打点推定の正答率を示すグラフ。 別の条件下での打点推定の正答率を示すグラフ。 さらに別の条件下での打点推定の正答率を示すグラフ。 変形例に係る打点の推定値と真値との関係の検証結果を示すグラフ(打点がトゥ側の領域に含まれる場合)。 図41の変形例に係る打点の推定値と真値との関係の検証結果を示すグラフ(打点がヒール側の領域に含まれる場合)。 別の変形例に係る打点の推定値と真値との関係の検証結果を示すグラフ(打点がトゥ側の領域に含まれる場合)。 図43の変形例に係る打点の推定値と真値との関係の検証結果を示すグラフ(打点がヒール側の領域に含まれる場合)。
以下、図面を参照しつつ、本発明のいくつかの実施形態に係るゴルフクラブの分析装置、方法及びプログラムについて説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.分析装置の概略構成>
図1及び図2に、本実施形態に係る分析装置2を備えるスイング分析システム100の全体構成を示す。分析装置2は、ゴルフクラブ4を用いたゴルファー7によるゴルフスイングを分析する装置である。より具体的には、分析装置2は、ヘッド41のフェース面41a(図6参照)上におけるボールの衝突位置(打点)を推定する機能を有している。分析装置2により推定された打点の情報は、例えば、ゴルフの練習時にゴルファー7がどれだけスイートエリアでボールを捉えられているのか等を把握するのに使用することができる。或いは、ゴルフクラブ4のフィッティングを支援する用途でも使用することができる。分析の対象となるデータの収集は、ゴルフクラブ4のグリップ42に取り付けられたセンサユニット1により行われ、分析装置2は、このセンサユニット1とともに、スイング分析システム100を構成する。
以下、センサユニット1及び分析装置2の構成について説明した後、ゴルフスイングの分析処理の流れについて説明する。
<1−1−1.センサユニットの構成>
センサユニット1は、図1及び図3に示すとおり、ゴルフクラブ4のグリップ42におけるヘッド41と反対側の端部に取り付けられており、グリップ42の挙動を計測する。なお、ゴルフクラブ4は、一般的なゴルフクラブであり、シャフト40と、シャフト40の一端に設けられたヘッド41と、シャフト40の他端に設けられたグリップ42とから構成される。センサユニット1は、スイング動作の妨げとならないよう、小型且つ軽量に構成されている。図2に示すように、本実施形態に係るセンサユニット1には、加速度センサ11、角速度センサ12及び地磁気センサ13が搭載されている。また、センサユニット1には、これらのセンサ11〜13から出力されるセンサデータを外部の分析装置2に送信するための通信装置10も搭載されている。なお、本実施形態では、通信装置10は、スイング動作の妨げにならないように無線式であるが、ケーブルを介して有線式に分析装置2に接続するようにしてもよい。
加速度センサ11、角速度センサ12及び地磁気センサ13はそれぞれ、xyz局所座標系における加速度、角速度及び地磁気を計測する。より具体的には、加速度センサ11は、x軸、y軸及びz軸方向のグリップ42の加速度ax,ay,azを計測する。角速度センサ12は、x軸、y軸及びz軸周りのグリップ42の角速度ωx,ωy,ωzを計測する。地磁気センサ13は、x軸、y軸及びz軸方向の地磁気mx,my,mzを計測する。これらのセンサデータは、所定のサンプリング周期Δtの時系列データとして取得される。なお、xyz局所座標系は、図3に示すとおりに定義される3軸直交座標系である。すなわち、z軸は、シャフト40の延びる方向に一致し、ヘッド41からグリップ42に向かう方向が、z軸正方向である。x軸は、ヘッド41のトゥ−ヒール方向にできる限り沿うように配向され、y軸は、ヘッド41のフェース面の法線方向(フェース−バック方向)にできる限り沿うように配向される。
なお、トゥ−ヒール方向、フェース−バック方向及びトップ−ソール方向とは、基準状態を基準として定義される。基準状態とは、シャフト40の延びる方向が水平面に対して垂直な平面(以下、基準垂直面)に含まれ、且つ所定のライ角及びリアルロフト角で水平面上にヘッド41が載置された状態である。そして、基準垂直面と水平面との交線の方向が、トゥ−ヒール方向であり、このトゥ−ヒール方向に対して垂直であり且つ水平面に対して平行な方向が、フェース−バック方向である。また、水平面に対して垂直な方向をトップ−ソール方向と称する。なお、本実施形態の説明においては、特に断らない限り、「左右」はトゥ−ヒール方向を意味し、トゥ側が左、ヒール側が右である。また、特に断らない限り、「上下」はトップ−ソール方向を意味し、トップ側が上、ソール側が下である。
本実施形態では、加速度センサ11、角速度センサ12及び地磁気センサ13からのセンサデータは、通信装置10を介してリアルタイムに分析装置2に送信される。しかしながら、例えば、センサユニット1内の記憶装置にセンサデータを格納しておき、スイング動作の終了後に当該記憶装置からセンサデータを取り出して、分析装置2に受け渡すようにしてもよい。
<1−1−2.分析装置の構成>
図2を参照しつつ、分析装置2の構成について説明する。分析装置2は、CD−ROM、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体20に格納された本実施形態に係る分析プログラム3を、当該記録媒体20から汎用のパーソナルコンピュータにインストールすることにより製造される。分析プログラム3は、センサユニット1から送られてくるセンサデータに基づいてゴルフスイングを分析し、フェース面41a上における打点を推定するためのソフトウェアである。分析プログラム3は、分析装置2に後述する動作を実行させる。
分析装置2は、表示部21、入力部22、記憶部23、制御部24及び通信部25を備える。そして、これらの部21〜25は、バス線26を介して接続されており、相互に通信可能である。本実施形態では、表示部21は、液晶ディスプレイ等で構成され、後述する情報をユーザに対し表示する。なお、ここでいうユーザとは、ゴルファー7自身やそのインストラクター等の、分析結果を必要とする者の総称である。また、入力部22は、マウス、キーボード、タッチパネル等で構成することができ、分析装置2に対するユーザからの操作を受け付ける。
記憶部23は、ハードディスク等の不揮発性の記憶装置により構成される。記憶部23内には、分析プログラム3が格納されている他、センサユニット1から送られてくるセンサデータが保存される。また、記憶部23内には、打点の推定に用いられる回帰式の係数を示すデータ(以下、係数データ)28が格納されている。係数データ28の詳細については、後述する。通信部25は、分析装置2と外部装置との通信を可能にする通信インターフェースであり、センサユニット1からデータを受信する。
制御部24は、CPU、ROMおよびRAM等から構成することができる。制御部24は、記憶部23内の分析プログラム3を読み出して実行することにより、仮想的に時刻特定部24A、ミスショット判定部24B、データ導出部24C、パターン分類部24D、特徴量算出部24E、打点推定部24F及び表示制御部24Gとして動作する。各部24A〜24Gの動作の詳細については、後述する。
<1−2.ゴルフスイングの分析処理>
続いて、スイング分析システム100による、ゴルフスイングの分析処理について説明する。この分析処理は、センサユニット1によりグリップ42の挙動を表すセンサデータを収集するデータ収集処理と、当該センサデータに基づいて、分析装置2によりゴルフスイング時の打点を推定する打点推定処理との2つの処理を含む。以下、これらの処理について、順に説明する。
<1−2−1.データ収集処理>
データ収集処理では、ゴルファー7により、上述のセンサユニット1付きゴルフクラブ4がスイングされる。このとき、センサユニット1により、ゴルフスイング中の加速度ax,ay,az、角速度ωx,ωy,ωz及び地磁気mx,my,mzのセンサデータが検出される。また、これらのセンサデータは、センサユニット1の通信装置10を介して分析装置2に送信される。一方、分析装置2側では、データ導出部24Cが通信部25を介してこれを受信し、記憶部23内に格納する。本実施形態では、少なくともアドレスからフィニッシュまでの時系列のセンサデータが収集される。
なお、ゴルフクラブのスイング動作は、一般に、アドレス、トップ、インパクト、フィニッシュの順に進む。アドレスとは、図4(A)に示すとおり、ゴルフクラブ4のヘッド41をボール近くに配置した初期の状態を意味し、トップとは、図4(B)に示すとおり、アドレスからゴルフクラブ4をテイクバックし、最もヘッド41が振り上げられた状態を意味する。インパクトとは、図4(C)に示すとおり、トップからゴルフクラブ4が振り下ろされ、ヘッド41がボールと衝突した瞬間の状態を意味し、フィニッシュとは、図4(D)に示すとおり、インパクト後、ゴルフクラブ4を前方へ振り抜いた状態を意味する。
<1−2−2.打点推定処理>
続いて、図5を参照しつつ、分析装置2により実行される打点推定処理について説明する。本実施形態では、図6に示すように、フェース面41aが仮想的に複数の領域A〜Gに分割され、これらの領域A〜Gのうちのどの領域でボールが打撃されたのかが判定される。フェース面41aの中央の領域Aには、フェース面41aの幾何学中心であるフェースセンターFcが含まれ、また、スイートスポットも含まれる。すなわち、領域Aは、概ねスイートエリアに対応する。本実施形態では、領域Aは、図6に示すように、フェースセンターFcを中心とし、上下方向に所定の長さ(例えば、20mm)広がり、左右方向に所定の長さ(例えば、30mm)広がる矩形状の領域として定義される。また、領域Aよりもトゥ側の領域は、フェースセンターFcと同じ高さ位置で左右に延びる仮想線で分割され、上側が領域Bとなり、下側が領域Cとなる。さらに、領域Aよりもヒール側の領域も、フェースセンターFcと同じ高さ位置で左右に延びる仮想線で分割され、上側が領域Fとなり、下側が領域Gとなる。さらに、フェース面41a上の残りの領域のうち、領域Aよりも上側の領域が領域Dであり、下側の領域が領域Eである。
打点推定処理は、データ収集処理が終了し、センサデータが記憶部23内に格納され、かつ、ユーザから打点推定処理の実行が命令された時に開始する。最初のステップS1では、時刻特定部24Aが、記憶部23内に格納されているセンサデータに基づいて、インパクト、トップ及びアドレスの時刻ti,tt,taを導出する。本実施形態では、まずインパクトの時刻tiが導出され、インパクトの時刻tiに基づいてトップの時刻ttが導出され、トップの時刻ttに基づいてアドレスの時刻taが導出される。
具体的には、角速度ωxのサンプリング周期Δt当たりの増分が閾値である300deg/sを最初に超えた時刻が、仮のインパクトの時刻として設定される。そして、この仮のインパクトの時刻から所定の時間を溯った時刻から、仮のインパクトの時刻までで、角速度ωxのサンプリング周期Δt当たりの増分が200deg/sを超えた時刻が検出され、インパクトの時刻tiとして設定される。
次に、インパクトの時刻tiよりも前の時刻であって、角速度ωyが負から正へ切り替わった時刻が、トップの時刻ttとして特定される。また、アドレスの時刻taは、図7のフローチャートに従って算出される。なお、インパクト、トップ及びアドレスの時刻ti,tt,taの算出のアルゴリズムとしては、様々なものが公知であり、ここで説明したものは、単なる例示である。
続くステップS2では、ミスショット判定部24Bが、データ収集処理で実施されたゴルフスイングがミスショットであったか否かを判定する。本実施形態でいうミスショットとは、ボールがフェース面41aの外周部(端部)のエリア(以下、ミスショットエリア)に衝突したショットを言う。
本実施形態に係るステップS2では、ミスショットの判定は、所定の期間に含まれる加速度ax,ay,azのデータに基づいて行われる。本実施形態に係る所定の期間とは、インパクトの時刻tiから所定の時間長さ(例えば、20ms)が経過するまでの期間である。より具体的には、ミスショット判定部24Bは、当該期間に含まれる加速度ax,ay,azのデータのうち、大きさが所定の閾値以上(例えば、200m/ss以上又は−200m/ss以下)となるものの個数(以下、レンジオーバー数)をカウントする。そして、当該期間に含まれる加速度ax,ay,azのデータの個数に対するレンジオーバー数の割合が所定の閾値を超える場合に、ミスショットであると判定する。
すなわち、通常、フェース面41aの端部は中央の領域よりも硬いため、ミスショットエリアでボールが捉えられた場合には、グリップ42に大きな加速度が生じる。従って、加速度ax,ay,azの値が大きくなる傾向が見られる場合には、ミスショットが行われたものと判定することができる。なお、この傾向は、上記のように必ずしも割合で評価する必要はなく、例えば、レンジオーバー数の絶対数が所定個以上となるか否かで評価することも可能である。
図8〜図10は、本発明者らにより行われた実験の結果を説明する図である。図8(b)は、フェースセンターFcの近傍(図8(a)に示す位置)でボールの打撃が行われた時の、加速度ax,ay,azのデータを示すグラフである。また、図9(b)は、フェースセンターFcから左側に大きく外れた位置(図9(a)に示す位置)でボールの打撃が行われた時の、加速度ax,ay,azのデータを示すグラフであり、図10(b)は、フェースセンターFcから上側に大きく外れた位置(図10(a)に示す位置)でボールの打撃が行われた時の、加速度ax,ay,azのデータを示すグラフである。図8(b)〜図10(b)の横軸は時間軸であり、0msは、インパクトのタイミングを指す。そして、これらの図を比較すると分かるとおり、打点がフェースセンターFcから大きく外れた場合の加速度のデータは、フェースセンターFcの近傍でボールを捉えた場合の加速度のデータに比べ、レンジオーバー数が著しく大きくなっている。定量的には、図8の場合のレンジオーバー数は、19個であり、図9の場合のレンジオーバー数は、43個であり、図10の場合のレンジオーバー数は、40個であった。なお、本実験での打点は、複数台のカメラを用いてゴルフスイングの様子を撮影し、得られた画像を画像処理することによって決定された。
ステップS2でミスショットであると判定された場合には、処理はステップS12に進み、ミスショットでないと判定された場合には、処理はステップS3に進む。ステップS12では、表示制御部24Gが、「フェースの端部に当たったため、打点を推定できません」等のメッセージを表示部21上に表示させ、その後、打点推定処理が終了する。
一方、ステップS3では、データ導出部24Cが、記憶部23内に格納されているセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度ωzのデータ(分析データ)を導出する。ここでいう分析期間とは、本実施形態では、(インパクトの時刻ti−T1)から(インパクトの時刻ti+T2)までの期間である。例えば、T1=1msとし、T2=15msとすることができる。なお、分析期間は、インパクトの時刻ti以降の期間としてもよいし、インパクトの時刻tiよりも後の期間としてもよい。
続くステップS4では、特徴量算出部24Eが、フェース面41a上におけるトゥ−ヒール方向のボールの衝突位置Dthを推定するのに用いられる、ステップS3の分析データの波形の特徴量Cthを算出する。本実施形態に係る特徴量Cthは、ステップS3の分析データの波形のピーク時の振幅である。
図11は、トゥ−ヒール方向のボールの衝突位置Dthを特定するために、上記特徴量Cthを算出する理由を説明する図である。すなわち、本発明者らは、ボールがフェース面41a上のトゥ側の位置で衝突すると、シャフト40はトゥ−ヒール方向に対して傾斜するz軸周りを時計回りに回転し、逆にヒール側の位置で衝突すると、z軸周りを反時計回りに回転するとの仮説を立てた(図11(a)参照)。この仮説の下では、よりトゥ側の位置で衝突する程、シャフト40に固定されている角速度センサ12の出力値ωzはより絶対値の大きな負の値をとることになり、よりヒール側の位置で衝突する程、出力値ωzは、より大きな正の値をとることになる。これを角速度ωzの波形で表すと、図11(b)のようになる。従って、本発明者らは、z軸周りの角速度ωzの振幅は、トゥ−ヒール方向のボールの衝突位置Dthと相関を有すると考えた。
本発明者らは、以上の仮説を実験により検証した。具体的に説明すると、図12は、1名のゴルファーに1本のゴルフクラブをスイングさせ、このときのデータを収集し、当該データを、縦軸を打点Dthとし、横軸を角速度ωzの振幅とする平面内にプロットしたグラフである。より正確には、横軸は、ステップS3の分析期間における角速度ωzのピーク時の振幅である。また、本グラフ中に示されるデータは、図6に示す領域A〜Gの各々で約3球ずつ打撃時したときのデータである。そして、打点Dthと角速度ωzの振幅との相関係数Rを算出したところ、R=0.9193と高い値が得られ、これにより、上記仮説の確からしさが確認された。このときの回帰式は、図12に示すとおりである。また、打点Dthは、図8〜図10の実験のときと同様、複数台のカメラを用いたシステムによって算出された。
図13も、同様の検証結果である。図13は、5名のゴルファーに同じゴルフクラブをスイングさせ、このときのデータを収集し、当該データを、縦軸を打点Dthとし、横軸を角速度ωzの振幅とする平面内にプロットしたグラフである。より正確には、横軸は、ステップS3の分析期間における角速度ωzのピーク時の振幅である。さらに、本グラフ中に示されるデータも、領域A〜Gの各々で約同数ずつ打撃したときのデータである。また、打点Dthは、図8〜図10の実験のときと同様、複数台のカメラを用いたシステムによって算出された。そして、この場合も、打点Dthと角速度ωzの振幅との相関係数Rは、R=0.8993と高かった。このときの回帰式は、図13に示すとおりである。
図12及び図13のデータには、ミスショット時のデータも含まれる。そこで、本発明者らはさらに検証を進め、図13に示すデータのうち、図8に一点鎖線で示すミスショットエリア(中心は、フェースセンターFc)内で衝突したデータについては除外して、再度相関係数Rを算出したところ、R=0.9168とさらに高くなった。このときの回帰式は、図14に示すとおりである。
以上の検証により、トゥ−ヒール方向の打点Dthは、上記特徴量Cthのような、インパクト直後の角速度ωzの振幅に応じた値となることが確認された。
続くステップS5では、打点推定部24Fが、ステップS4で算出された特徴量Cthに応じて、フェース面41a上におけるトゥ−ヒール方向のボールの衝突位置Dthを推定する。より具体的には、本実施形態では、衝突位置Dthを目的変数とし、特徴量Cthを説明変数とする以下の式に従って、衝突位置Dthが算出される。
th=k1・Cth+k2
ここで、係数k1,k2とは、上述した係数データ28である。係数k1,k2の値は、ゴルフクラブ4に対して図12〜図14の検証と同様の実験を行った上で予め定められている回帰式の係数の値であり、記憶部23内に予め記憶されているものとする。なお、本実施形態では、ステップS2でミスショット判定を行うため、図14の場合と同様に、ミスショット時のデータを省略したデータ群に対して導出された値であることが好ましい。また、係数k1,k2を決定するための回帰分析時において、ミスショット時のデータは、ステップS2と同様の方法で選別してもよい。
続くステップS6では、データ導出部24Cが、記憶部23内に格納されているセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度ωxのデータ(分析データ)を導出する。ここでいう分析期間とは、本実施形態では、(インパクトの時刻ti+T3)から(インパクトの時刻ti+T4)までの期間である。例えば、T3=5msとし、T4=10msとすることができる。なお、分析期間は、インパクトの時刻ti、又はこれよりも以前の期間を含むものであってもよい。
続くステップS7では、特徴量算出部24Eが、フェース面41a上においてトップ−ソール方向のボールの衝突位置Dtsを特定するのに用いられる、ステップS6の分析データの波形の特徴量Ctsを算出する。本実施形態に係る特徴量Ctsは、ステップS6の分析データの波形において、振幅が最大となる時刻tmaxから最小となる時刻tminを引いた値である。
図15は、トップ−ソール方向のボールの衝突位置Dtsを特定するために、上記特徴量Ctsを算出する理由を説明する図である。グリップ42のx軸周りの回転は、インパクトにより減速すると考えられる。一方、ヘッド41側のシャフト40の先端は、インパクトにより反時計回りに曲がる(撓む)と考えられる(図15(a)参照)。すなわち、本発明者らは、こうしたシャフト40の挙動により、シャフト40には二次の曲げモードが発生するとの仮説を立てた。この仮説の下では、フェース面41a上のより上側の位置での衝突は、より下側の位置での衝突に比べて、打点からセンサ12までの距離が短くなる。従って、この場合、インパクト時のシャフト40(梁)のモード周波数は高くなり、トップ−ソール方向に対して傾斜する(概ね直交する)x軸周りの角速度ωxの波形の周期が短くなると考えられる。これを角速度ωxの波形で表すと、図15(b)のようになる。従って、本発明者らは、x軸周りの角速度ωxの波形の周期、或いはこれに依存する時間長(以下、簡単のため、単に周期ということがある)は、トップ−ソール方向のボールの衝突位置Dtsと相関を有すると考えた。
本発明者らは、以上の仮説を実験により検証した。具体的に説明すると、図16は、1名のゴルファーに1本のゴルフクラブをスイングさせ、このときのデータを収集し、当該データを、縦軸を打点Dtsとし、横軸を角速度ωxの周期とする平面内にプロットしたグラフである。より正確には、横軸は、ステップS6の分析期間における、インパクト後の最小ピークの発生時刻である。また、本グラフ中に示されるデータは、図6に示す領域A〜Gの各々で約3球ずつ打撃時したときのデータである。そして、打点Dtsと角速度ωxの周期との相関係数Rを算出したところ、R=0.7017と高い値が得られ、これにより、上記仮説の確からしさが確認された。このときの回帰式は、図16に示すとおりである。また、打点Dtsは、図8〜図10の実験のときと同様、複数台のカメラを用いたシステムによって算出された。
図17も、同様の検証結果である。図17は、5名のゴルファーに同じゴルフクラブをスイングさせ、このときのデータを収集し、当該データを、縦軸を打点Dtsとし、横軸を角速度ωxの周期とする平面内にプロットしたグラフである。より正確には、横軸は、tmax−tminである。また、本グラフ中に示されるデータは、領域A〜Gの各々で約同数ずつ打撃したときのデータである。また、打点Dtsも、図8〜図10の実験のときと同様、複数台のカメラを用いたシステムによって算出された。
なお、図17には、ゴルフスイングがインサイドアウト軌道を描いた場合のグラフと、アウトサイドイン軌道を描いた場合のグラフとの2つが示されている。すなわち、図17は、上述のデータをインサイドアウト軌道又はアウトサイド軌道に分類し、これらの軌道毎に、打点Dtsと角速度ωxの周期との相関関係を検証した結果を示している。そして、この場合には、相関係数Rは、R=0.7406又はR=0.8272となり、図16の場合よりも高かった。このときの回帰式は、図17に示すとおりである。
図16及び図17のデータには、ミスショット時のデータも含まれる。そこで、本発明者らはさらに検証を進め、図17に示すデータのうち、図8に一点鎖線で示すミスショットエリア(中心は、フェースセンターFc)内で衝突したデータについては除外して、再度相関係数Rを算出したところ、R=0.7510又はR=0.8370とさらに高くなった。このときの回帰式は、図18に示すとおりである。
以上の検証により、トップ−ソール方向の打点Dtsは、上記特徴量Ctsのような、インパクト直後の角速度ωxの周期に依存する値に応じた値となることが確認された。
続くステップS8では、パターン分類部24Dは、記憶部23内に格納されているセンサデータに基づいて、ゴルフスイング時のヘッド41の挙動を複数のパターンに分類する。より具体的には、本実施形態では、ゴルフスイングの軌道が導出され、アウトサイドイン軌道であったか、インサイドアウト軌道であったかが判定される。前者の場合にはステップS9に進み、後者の場合にはステップS10に進む。
ステップS9及びステップS10においては、打点推定部24Fが、ステップS7で算出された特徴量Ctsに応じて、フェース面41a上におけるトップ−ソール方向のボールの衝突位置Dtsを推定する。より具体的には、いずれのステップも、衝突位置Dtsを目的変数とし、特徴量Ctsを説明変数とする以下の式に従って、衝突位置Dtsを算出するステップである。ただし、ステップS9で用いられる係数k3,k4の値は、アウトサイドイン軌道用のものであり、ステップS10で用いられる係数k3,k4の値は、インサイドアウト軌道用のものである。
ts=k3・Cts+k4
なお、係数k3,k4とは、上述した係数データ28である。係数k3,k4の値は、ゴルフクラブ4に対して図17及び図18の検証と同様の実験を行った上で予め定められている回帰式の係数の値であり、記憶部23内に予め記憶されているものとする。なお、本実施形態では、ステップS2でミスショット判定を行うため、図18の場合と同様に、ミスショット時のデータを省略したデータ群に対して導出された値であることが好ましい。また、係数k3,k4を決定するための回帰分析時において、ミスショット時のデータは、ステップS2と同様の方法で選別してもよい。
ステップS9及びステップS10が終了すると、処理はステップS11に進む。ステップS11では、表示制御部24Gは、ステップS5及びステップS9,S10で算出された打点Dth,Dtsの情報を、表示部21上に表示させる。また、表示制御部24Gは、当該打点が領域A〜Gのいずれに属するかを判断し、当該領域を示す情報を表示部21上に表示させる。ステップS11が終了すると、打点推定処理は終了する。
<1−2−3.ヘッドの軌道の導出処理>
以下、図19を参照しつつ、上記ステップS8におけるゴルフスイングの軌道のパターンを特定する軌道特定処理の例を示す。
まず、軌道特定処理では、記憶部23内に格納されているxyz局所座標系での加速度ax,ay,azに関する時系列のセンサデータが、XYZ全体座標系での値へと変換され
る(ステップS21)。なお、XYZ全体座標系は、図1に示すとおりに定義される3軸直交座標系である。すなわち、Z軸は、鉛直下方から上方に向かう方向であり、X軸は、ゴルファー7の背から腹に向かう方向であり、Y軸は、地平面に平行でボールの打球地点から目標地点に向かう方向である。
具体的には、ステップS21では、アドレス以降の任意の時刻tにおける姿勢行列N(t)が算出される。今、姿勢行列を以下の式で表すとする。姿勢行列N(t)は、時刻tにおけるXYZ全体座標系をxyz局所座標系に変換するための行列である。
姿勢行列N(t)の9つの成分の意味は、以下のとおりである。
成分a:全体座標系のX軸と、局所座標系のx軸とのなす角度の余弦
成分b:全体座標系のY軸と、局所座標系のx軸とのなす角度の余弦
成分c:全体座標系のZ軸と、局所座標系のx軸とのなす角度の余弦
成分d:全体座標系のX軸と、局所座標系のy軸とのなす角度の余弦
成分e:全体座標系のY軸と、局所座標系のy軸とのなす角度の余弦
成分f:全体座標系のZ軸と、局所座標系のy軸とのなす角度の余弦
成分g:全体座標系のX軸と、局所座標系のz軸とのなす角度の余弦
成分h:全体座標系のY軸と、局所座標系のz軸とのなす角度の余弦
成分i:全体座標系のZ軸と、局所座標系のz軸とのなす角度の余弦
ここで、ベクトル(a,b,c)は、x軸方向の単位ベクトルを表し、ベクトル(d,e,f)は、y軸方向の単位ベクトルを表し、ベクトル(g,h,i)は、z軸方向の単位ベクトルを表している。
また、姿勢行列N(t)は、Z−Y−Z系のオイラー角の考え方に従うと、以下の式で表すことができる。ただし、φ,θ,ψは、Z軸、Y軸、Z軸周りの回転角度とする。
アドレス以降の姿勢行列N(t)を算出するに当たり、まず、アドレスの時刻taにおける姿勢行列N(ta)が算出される。具体的には、以下の式に従って、アドレス時のφ,θが算出される。なお、以下の式は、アドレス時にはゴルフクラブ4は静止しており、加速度センサ11によって鉛直方向の重力のみが検出されることを利用している。以下の式中の加速度ax,ay,azは、アドレス時の値である。
続いて、以下の式に従って、アドレス時のψが算出される。
ただし、上式中のmxi,myiの値は、以下の式に従って算出される。また、以下の式中の地磁気mx,my,mzは、アドレス時の値である。
以上より、アドレス時のφ,θ,ψが、xyz局所座標系での加速度ax,ay,az及び地磁気mx,my,mzに基づいて算出される。そして、これらのφ,θ,ψの値を数2の式に代入することにより、アドレス時の姿勢行列N(ta)が算出される。
続いて、アドレス時の姿勢行列N(ta)をサンプリング周期Δt間隔で時々刻々更新してゆくことにより、アドレス以降の姿勢行列N(t)が算出される。具体的に説明すると、まず、姿勢行列N(t)は、クォータニオンの4変数q1,q2,q3,q4(q4がスカラー部)を用いて、以下の式で表される。
従って、数1及び数7より、クォータニオンの4変数q1,q2,q3,q4は、以下の式に従って、算出することができる。
今、アドレス時の姿勢行列N(ta)を規定するa〜iの値は既知である。よって、以上の式に従って、まず、アドレス時のクォータニオンの4変数q1,q2,q3,q4が算出される。
そして、時刻tから微小時刻経過後のクォータニオンq’は、時刻tにおけるクォータニオンqを用いて以下の式で表される。
また、クォータニオンの4変数q1,q2,q3,q4の時間変化を表す1階微分方程式は、以下の式で表される。
数9及び数10の式を用いれば、時刻tのクォータニオンを順次、次の時刻t+Δtのクォータニオンへと更新することができる。ここでは、アドレス以降のクォータニオンが算出される。そして、アドレス以降のクォータニオンの4変数q1,q2,q3,q4を数7の式に順次代入してゆくことにより、アドレス以降の姿勢行列N(t)が算出される。
続いて、アドレス以降の姿勢行列N(t)に基づいて、xyz局所座標系での加速度ax,ay,azの時系列データが、XYZ全体座標系での時系列データに変換される。変換後の加速度aX,aY,aZは、以下の式に従って算出される。
続くステップS22では、加速度aX,aY,aZの時系列データを積分することにより、アドレス以降のXYZ全体座標系での速度vX,vY,vZの時系列データが導出される。このとき、アドレスからインパクトまでの速度vX,vY,vZを、トップにおいて0m/sとなるように、オフセットを行うことが好ましい。例えば、任意の時刻tにおけるオフセットは、時刻tにおける速度vX,vY,vZから、(トップの時刻ttでの速度vX,vY,vZ)×t/(tt−ta)を減算することにより行われる。
また、速度vX,vY,vZの時系列データを積分することにより、アドレス以降のXYZ全体座標系でのグリップ42の位置座標(X(t),Y(t),Z(t))の時系列デーが導出される。
続いて、ステップS23では、アドレス以降のXYZ全体座標系でのヘッド側のゴルフクラブ4の先端の位置座標(Xh(t),Yh(t),Zh(t))が算出される。具体的には、位置座標(Xh(t),Yh(t),Zh(t))は、姿勢行列N(t)を用いて、以下の式に従って算出される。なお、Lは、ゴルフクラブ4の長さであり、(0,0,L)は、xyz局所座標系でのヘッド側のゴルフクラブ4の先端の位置を表す。
続いて、以下の式に従って、ゴルフクラブ4の先端の位置座標(Xh(t),Yh(t),Zh(t))が、グリップ42の位置座標(X(t),Y(t),Z(t))分だけ平行移動させられ、修正される。以下では、修正後のゴルフクラブ4の先端の位置座標も、(Xh(t),Yh(t),Zh(t))と表現する。
続いて、ステップS24では、X−Y平面内において、インパクトの直前の時刻ti-1からインパクトの時刻tiへかけての、Y軸に平行な方向(飛球線方向)に対するゴルフクラブの進入角αが算出される(図20参照)。αは、以下の式に従って、算出される。
そして、ステップS24では、α≧0の場合には、アウトサイドイン軌道であると判定され、α<0の場合には、インサイドアウト軌道であると判定される。
<2.第2実施形態>
以下、第2実施形態に係る分析装置を備えるスイング分析システムについて説明する。本実施形態に係るスイング分析システムは、第1実施形態に係る分析システム100と多くの点で共通し、主な相違点は、異なる打点推定処理が実行される点にある。従って、以下では、簡単のため、両実施形態の差異点を中心に説明し、同様の構成には同様の符号を付して、説明を省略する。
第1及び第2実施形態に係る打点推定処理の主な相違点は、第1実施形態では、ボールの衝突位置Dth,Dtsがそれぞれ1つの特徴量Cth,Ctsから単回帰式により算出されたのに対し、第2実施形態では、それぞれ複数の特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthN及びCts1,Cts2,・・・,CtsM(ただし、N,Mは、それぞれ2以上の整数)から重回帰式により算出される点にある。また、特徴量の種類も異なり、第2実施形態に係る打点推定のための特徴量には、加速度ax,ay,az及び角速度ωx,ωy,ωzのスペクトルの特徴量が含まれる。以下、具体的に説明する。
<2−1.打点推定処理>
図21に、本実施形態に係る打点推定処理の流れを示すフローチャートを示す。本実施形態では、フェース面41a上に定義されるDth−Dts平面における打点の座標(Dth,,Dts)が特定される。Dth−Dts平面は、フェースセンターFcを原点とし、トゥ側からヒール側に向かう方向がDth軸正方向であり、ソール側からトップ側に向かう方向がDts軸正方向である。
本実施形態における打点推定処理も、データ収集処理が終了し、センサデータが記憶部23内に格納され、かつ、ユーザから打点推定処理の実行が命令された時に開始する。最初のステップS1,S2は、第1実施形態と同様である。また、ステップS2でミスショットであると判定された場合にステップS12が実行される点も、第1実施形態と同様である。一方、本実施形態では、ステップS2においてミスショットでないと判定された場合には、処理はステップS31に進む。
ステップS31では、データ導出部24Cが、記憶部23内に格納されているセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の加速度ax,ay,az及び角速度ωx,ωy,ωzのデータ(分析データ)を導出する。ここでいう分析期間とは、本実施形態では、インパクトの時刻tiから(インパクトの時刻ti+T5)までの期間である。例えば、T5=500msとすることができる。なお、分析期間は、インパクトの時刻tiよりも以前の期間を含むものであってもよい。
続くステップS32では、特徴量算出部24Eが、加速度ax,ay,az及び角速度ωx,ωy,ωzの分析データをスペクトル解析する。具体的には、加速度ax,ay,az及び角速度ωx,ωy,ωzの波形を表すステップS31の分析データを高速フーリエ変換し、加速度ax,ay,az及び角速度ωx,ωy,ωzの各々についてスペクトル(振幅スペクトル及び位相スペクトルを含む)を導出する。なお、本実施形態では、スペクトル解析を行う前に、ステップS31の分析データのスプライン補間が行われる。これにより、ステップS31の分析データにレンジオーバーのデータが含まれる場合にも、正確な加速度ax,ay,az及び角速度ωx,ωy,ωzの波形に基づいてスペクトル解析を行うことができる。また、本実施形態では、スプライン補間が行われた後の分析データが細分化される。これにより、たとえセンサデータのサンプリング周期Δtが粗かったとしても、高精度なスペクトル解析の結果を得ることができる。例えば、サンプリング周期Δt=1msの場合に、分析データを0.1ms間隔に細分化する。
続くステップS33では、特徴量算出部24Eが、ステップS31の分析データの波形の特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthN及びCts1,Cts2,・・・,CtsMを算出する。特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthNは、トゥ−ヒール方向のボールの衝突位置Dthを推定するための特徴量であり、特徴量Cts1,Cts2,・・・,CtsMは、トップ−ソール方向のボールの衝突位置Dtsを推定するための特徴量である。また、これらの特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthN及びCts1,Cts2,・・・,CtsMには、ステップS32で導出された分析データのスペクトルの特徴量が含まれる。特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthN及びCts1,Cts2,・・・,CtsMの詳細については、まとめて後述する。
続くステップS34〜S36では、パターン分類部24Dが、ステップS32によるスペクトル解析の結果に基づいて、フェース面41a上におけるボールの衝突位置を複数の領域に分類する。ここでいう複数の領域とは、本実施形態では、トゥ−ヒール方向に沿ってトゥ側の領域、ヒール側の領域、及びフェースセンターFc付近の領域の3つである。
より具体的には、まずステップS34において、パターン分類部24Dが、角速度ωzの分析データの振幅スペクトルに基づいて、1次モードのピーク周波数f1、すなわち、1次の固有振動数f1を導出する(図22参照)。そして、f1が所定値以上、本実施形態では、f1≧40Hzである場合には、ボールの衝突位置がフェースセンター付近Fcの領域に含まれると判定し、処理をステップS41に進める。その他の場合には、処理をステップS35に進める。詳細は後述するが、ステップS41及びこれに続くステップS42では、フェースセンターFc付近の領域での打点推定に適した回帰式を用いて、打点推定が行われる。なお、トゥ−ヒール方向にフェースセンターFc付近でボールの衝突が起こった場合には、ヘッド41及びシャフト40には捩じりモードが発生しにくい。また、ゴルフクラブの種類に応じて差はあるものの、捩じりモードの1次のピーク周波数は、通常、概ね25Hzとなる。従って、1次のピーク周波数f1がかかる値から大きく離れている場合には、ボールがトゥ−ヒール方向にフェースセンターFc付近で衝突したと推定することができる。ステップS34は、この原理を利用している。
ステップS35では、パターン分類部24Dは、角速度ωzの分析データの位相スペクトルに基づいて、1次モードのピーク周波数f1に対応する位相角φ1を導出する(図22参照)。そして、φ1が所定の範囲内にある、本実施形態では、−30°≦φ1≦30°である場合には、ボールの衝突位置がフェースセンター付近Fcの領域に含まれると判定し、処理をステップS41に進める。その他の場合には、処理をステップS36に進める。なお、ボールがトゥ−ヒール方向にフェースセンターFcからトゥ側にずれて衝突した場合と、ヒール側にずれて衝突した場合とでは、位相角φ1が互いに90°ずれた捩じれ周期に伴う、分析データの波形が発生すると考えられる。これに対し、フェースセンターFc付近で衝突した場合には、位相角φ1が0°付近になる。従って、位相角φ1が0°付近、ここでは−30°≦φ1≦30°の場合には、ボールがトゥ−ヒール方向にフェースセンターFc付近で衝突したと推定することができる。
ステップS36では、パターン分類部24Dは、1次モードのピーク周波数f1に対応する位相角φ1が所定値以上であるか、本実施形態では、0°以上であるかを判定する。そして、前者の場合には、ボールの衝突位置がトゥ側の領域に含まれると判定し、処理をステップS37に進める。後者の場合には、ボールの衝突位置がヒール側の領域に含まれると判定し、処理をステップS39に進める。詳細は後述するが、ステップS37及びこれに続くステップS38では、トゥ側の領域での打点推定に適した回帰式を用いて、打点推定が行われ、ステップS39及びこれに続くステップS40では、ヒール側の領域での打点推定に適した回帰式を用いて、打点推定が行われる。なお、ボールがフェースセンターFcからトゥ側にずれて衝突した場合には、位相角φ1が正となるような分析データの波形が発生し、ヒール側にずれて衝突した場合には、位相角φ1が負となるような分析データの波形が発生すると考えられる。従って、位相角φ1が正か負かで、ボールがフェースセンターFcのトゥ側、ヒール側のどちらで衝突したかを推定することができる。
ステップS37,S39,S41では、打点推定部24Fが、ステップS33で算出された特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthNに応じて、フェース面41a上におけるトゥ−ヒール方向のボールの衝突位置Dthを推定する。より具体的には、いずれのステップにおいても、衝突位置Dthを目的変数とし、特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthNを説明変数とする以下の式に従って、衝突位置Dthが算出される。ただし、ステップS37で用いられる係数kth0,kth1,kth2,・・・,kthNの値は、ボールの打点がトゥ側の領域に含まれる場合の打点推定に適した重回帰式の係数である。ステップS39で用いられる係数kth0,kth1,kth2,・・・,kthNの値は、ボールの打点がヒール側の領域に含まれる場合の打点推定に適した重回帰式の係数である。ステップS41で用いられる係数kth0,kth1,kth2,・・・,kthNの値は、ボールの打点がフェースセンターFc付近の領域に含まれる場合の打点推定に適した重回帰式の係数である。
th=kth0+kth1・Cth1+kth2・Cth2+・・・+kthN・CthN (1)
係数kth0,kth1,kth2,・・・,kthNの値は、実験により算出され、係数データ28として記憶部23内に予め記憶されている。具体的には、多数の試打を行い、各試打時の衝突位置Dth及び特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthNを算出し、これを重回帰分析することにより、係数kth0,kth1,kth2,・・・,kthNが特定される。打点Dthは、例えば、図8〜図10の実験のときと同様、複数台のカメラを用いたシステムによって算出される。また、本実験では、各試打時のデータは、ステップS34〜S36と同様のアルゴリズムに従って、打点がトゥ側の領域に含まれる場合、ヒール側の領域に含まれる場合及びフェースセンターFc付近の領域に含まれる場合のいずれかに分類される。そして、これらの3つの場合毎に重回帰分析を実行し、それぞれの場合に適した打点推定用の係数kth0,kth1,kth2,・・・,kthNを算出する。また、本実施形態では、ステップS2でミスショット判定を行うため、ミスショット時のデータを省略したデータ群に対して重回帰分析を実行することが好ましい。
同様に、ステップS37,S39,S41に続くステップS38,S40,S42では、打点推定部24Fが、ステップS33で算出された特徴量Cts1,Cts2,・・・,CtsMに応じて、フェース面41a上におけるトップ−ソール方向のボールの衝突位置Dtsを推定する。より具体的には、いずれのステップにおいても、衝突位置Dtsを目的変数とし、特徴量Cts1,Cts2,・・・,CtsMを説明変数とする以下の式に従って、衝突位置Dtsが算出される。ただし、ステップS38で用いられる係数kts0,kts1,kts2,・・・,ktsMの値は、ボールの打点がトゥ側の領域に含まれる場合の打点推定に適した重回帰式の係数である。ステップS40で用いられる係数kts0,kts1,kts2,・・・,ktsMの値は、ボールの打点がヒール側の領域に含まれる場合の打点推定に適した重回帰式の係数である。ステップS42で用いられる係数kts0,kts1,kts2,・・・,ktsMの値は、ボールの打点がフェースセンターFc付近の領域に含まれる場合の打点推定に適した重回帰式の係数である。
ts=kts0+kts1・Cts1+kts2・Cts2+・・・+ktsM・CtsM (2)
係数kts0,kts1,kts2,・・・,ktsMの値は、実験により算出され、係数データ28として記憶部23内に予め記憶されている。具体的には、多数の試打を行い、各試打時の衝突位置Dts及び特徴量Cts1,Cts2,・・・,CtsMを算出し、これを重回帰分析することにより、係数kts0,kts1,kts2,・・・,ktsMが特定される。打点Dtsは、例えば、図8〜図10の実験のときと同様、複数台のカメラを用いたシステムによって算出される。また、本実験では、かかる打点Dtsに基づいて、各試打時のデータは、打点がトゥ側の領域に含まれる場合、ヒール側の領域に含まれる場合及びフェースセンターFc付近の領域に含まれる場合のいずれかに分類される。そして、これらの3つの場合毎に重回帰分析を実行し、それぞれの場合に適した打点推定用の係数kts0,kts1,kts2,・・
・,ktsMを算出する。また、本実施形態では、ステップS2でミスショット判定を行うため、ミスショット時のデータを省略したデータ群に対して重回帰分析を実行することが好ましい。
なお、必ずしも打点Dthの推定に用いられる全ての特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthNが、打点Dthと高い相関を有する必要はない。一部に相関の低い特徴量が存在したとしても、その場合には、そのような特徴量に対応する重回帰式の係数kthiが小さく設定される。従って、少なくとも一部に相関の高い特徴量が含まれる限り、打点Dthの推定値の精度は維持される。勿論、相関が低い特徴量Cthiについては、重回帰式から省略してもよい。打点Dtsを推定するための特徴量Cts1,Cts2,・・・,CtsMに関しても同様である。
ステップS38,S40,S42が終了すると、処理はステップS11に進む。ステップS11では、表示制御部24Gは、S37〜S42で算出された打点Dth,Dtsの情報を、表示部21上に表示させる。ステップS11が終了すると、打点推定処理は終了する。
<2−2.特徴量>
以下、本実施形態に係る特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthN及びCts1,Cts2,・・
・,CtsMについて説明する。本実施形態では、N=M=7であり、さらに、特徴量Cthi=Ctsiである(i=1,2,・・・,7)。
<2−2−1.角速度ωzのスペクトルの1次のピーク振幅>
本実施形態に係る第1の特徴量Cth1=Cts1は、シャフト40方向の軸周りの角速度、すなわち、ωzのスペクトルの1次モードのピーク振幅である(図22参照)。この特徴量は、シャフト40の捩じり成分を表している。また、本発明者が行った実験によると、この特徴量は、左右方向の打点Dthとの間で高い相関が確認された。なお、本実験では、グリップ端に加速度センサ及び角速度センサを装着したゴルフクラブを用いて、1名のゴルファーに多数回(計約30球)のゴルフスイングを行わせ、加速度及び角速度の計測データを取得した。このとき、サンプリング周期Δt=1msとされ、ti−2s〜ti+0.5s間、計測が行われた。計測データは、打点が図6に示す領域A〜Gに全体的に分散されるようにして取得した。そして、かかる計測データに基づいて、特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthN及びCts1,Cts2,・・・,CtsMが算出された。また、同時に複数台のカメラを用いてゴルフスイングの様子を撮影し、これにより特定された打点を真値とした。そして、この打点の真値と特徴量Cth1=Cts1との相関を調べた。なお、以下で述べる第2〜第7の特徴量の相関に関する検証結果も、本実験を通して得たものである。
<2−2−2.加速度ayのスペクトルの2次のピーク振幅>
本実施形態に係る第2の特徴量Cth2=Cts2は、飛球線方向の加速度、すなわち、ayのスペクトルの2次モードのピーク振幅である(図23参照)。この特徴量は、シャフト40の撓み成分を表している。また、本発明者が行った実験によると、この特徴量は、上下方向の打点Dts及び左右方向の打点Dthの両方に対し、高い相関が確認された。
<2−2−3.角速度ωxのスペクトルの2次のピーク振幅>
本実施形態に係る第3の特徴量Cth3=Cts3は、トゥ−ヒール方向の軸周りの角速度、すなわち、ωxのスペクトルの2次モードのピーク振幅である(図24参照)。この特徴量は、シャフト40の撓み成分を表している。また、本発明者が行った実験によると、この特徴量は、上下方向の打点Dts及び左右方向の打点Dthの両方に対し、高い相関が確認された。また、特に、上下方向の打点Dtsとの間の相関が高かった。
<2−2−4.加速度azのスペクトルの所定の周波数帯での最大振幅>
本実施形態に係る第4の特徴量Cth4=Cts4は、シャフト40方向の加速度、すなわち、azのスペクトルの所定の周波数帯(50〜100Hz付近)での最大振幅である(図25参照)。この特徴量は、シャフト40の縦方向の振動成分を表している。また、本発明者が行った実験によると、この特徴量は、上下方向の打点Dtsとの間で高い相関が確認された。
<2−2−5.インパクト直後の角速度ωyの最大値>
本実施形態に係る第5の特徴量Cth5=Cts5は、飛球線方向の軸周りの角速度、すなわち、ωyのインパクト直後(例えば、時刻tiから0.1秒後)の最大値である(図26参照)。この特徴量は、ヘッド41のせん断成分を表している。また、本発明者が行った実験によると、この特徴量は、上下方向の打点Dts及び左右方向の打点Dthの両方に対し、一定以上の相関が確認された。
<2−2−6.インパクト時の角速度ωx
本実施形態に係る第6の特徴量Cth6=Cts6は、インパクト時のトゥ−ヒール方向の軸周りの角速度、すなわち、インパクト時のωxである。この特徴量は、ゴルファーのタイプや能力を評価するための指標となる。
<2−2−7.インパクト時の角速度ωz
本実施形態に係る7つ目の特徴量Cth7=Cts7は、インパクト時のシャフト40方向の軸周りの角速度、すなわち、インパクト時のωzである。この特徴量は、ゴルファーのタイプや能力を評価するための指標となる。
<2−2−8.検証>
以下に、上記7つの特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthN及びCts1,Cts2,・・・,
tsMを用いた場合の打点推定の精度の検証結果について説明する。
本発明者らは、特徴量と打点との相関を検証するための上記実験により得られたゴルフスイング時の計測データに基づいて、ステップS37〜S42で用いられる重回帰式(1)及び(2)を作成した。そして、この重回帰式(1)及び(2)に同実験により得られた特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthN及びCts1,Cts2,・・・,CtsMを代入し、打点Dth,Dtsの推定値を算出した。図27〜図29は、複数台のカメラによる撮影画像から特定された打点Dth,Dts(真値)と、重回帰式(1)及び(2)から特定された打点Dth,Dts(推定値)との関係を示すグラフである。図27のグラフは、ステップS34〜S36と同様の方法で打点Dth,Dtsがトゥ側の領域にあると判定された計測データに基づいている。同様に、図28及び図29のグラフは、打点Dth,Dtsがそれぞれヒール側の領域、フェースセンターFc付近の領域にあると判定された計測データに基づいている。また、図27〜図29には、真値と推定値との間の決定係数が示されている。図27〜図29からは、打点Dth,Dtsの真値と推定値とは概ね一致していることが分かる。従って、本実施形態に係る打点Dth,Dtsの推定精度の高さが確認された。
また、図27〜図29と同じ計測データにおいて、打点の真値と推定値とが±10mm以内に収まっているケースの割合は、打点Dthついては96%となり、打点Dtsについては、82%となった。このことからも、本実施形態に係る打点Dth,Dtsの推定精度の高さが確認された。
<3.第3実施形態>
以下、第3実施形態に係る分析装置を備えるスイング分析システムについて説明する。本実施形態に係るスイング分析システムは、第1及び第2実施形態、特に第2実施形態に係る分析システム100と多くの点で共通し、主な相違点は、異なる打点推定処理が実行される点にある。従って、以下では、簡単のため、両実施形態の差異点を中心に説明し、同様の構成には同様の符号を付して、説明を省略する。
第3実施形態では、第2実施形態と同様、衝突位置Dth,Dtsを特定するために重回帰分析が利用される。ただし、第3実施形態では、後述する位相角φ2に応じて、フェース面41a上におけるトップ−ソール方向の衝突位置が複数の領域に分類され(ステップS52)、当該分類に応じた重回帰式が用意される。また、第3実施形態では、特徴量として、上述のCth1〜Cth7及びCts1〜Cts7に加え、Cth8〜Cth11及びCts8〜Cts11が追加される。さらに、第3実施形態では、ミスショット判定の詳細も異なる。以下、具体的に説明する。
<3−1.打点推定処理>
図30に、本実施形態に係る打点推定処理の流れを示すフローチャートを示す。ここでは、フェース面41a上に定義されるDth−Dts平面における打点の座標(Dth,Dts)が特定される。
本実施形態における打点推定処理も、データ収集処理が終了し、センサデータが記憶部23内に格納され、かつ、ユーザから打点推定処理の実行が命令された時に開始する。最初のステップS1は、第1及び第2実施形態と同様である。その後、本実施形態では、第2実施形態と同様のステップS31〜S33が実行される。ただし、本実施形態では、ステップS33では、上述のCth1〜Cth7及びCts1〜Cts7に加え、Cth8〜Cth11及びCts8〜Cts11も算出される。特徴量にCth8〜Cth11及びCts8〜Cts11の詳細については、後述する。
ステップS33が終了すると、ステップS51に進む。ステップS51では、ミスショット判定部24Bによりミスショット判定が行われる。具体的には、ミスショット判定部24Bは、ステップS33で算出された特徴量Cth1〜Cth5,Cth8〜Cth10及びCts1〜Cts5,Cts8〜Cts10がそれぞれ所定の範囲内にあるか否かを判定する。そして、特徴量Cth1〜Cth5,Cth8〜Cth10及びCts1〜Cts5,Cts8〜Cts11が所定の範囲外にある場合に、ミスショットであると判定する。なお、本実施形態では、特徴量Cth1〜Cth5,Cth8〜Cth10及びCts1〜Cts5,Cts8〜Cts11のうちの少なくとも1つが所定の範囲外にある場合に、ミスショットであると判定される。
すなわち、以上の特徴量CthN及びCtsMは、ミスショットの場合には外れ値をとるが、ミスショットでない限り所定の範囲内に収まることになる。従って、予め多数の試験を繰り返し、以上の特徴量CthN及びCtsM毎にミスショットの場合とミスショットでない場合とを分ける閾値(ミスショットでない場合の最小値及び最大値)を検出し、ステップS51で用いられる閾値として記憶部23内に記憶しておく。これにより、精度よくミスショットを検出することができる。
ステップS51でミスショットであると判定された場合には、処理はステップS12に進み、上述したようなエラーメッセージの表示後、処理が終了する。一方、ミスショットでないと判定された場合には、ステップS34〜S36が実行される。なお、ステップS35,S36で用いられる上述された位相角φ1の閾値は、例示である。その他の例として、本実施形態では、ステップS35では、−50°≦φ1≦−5°である場合に、ボールの衝突位置がフェースセンター付近Fcの領域に含まれると判定される。また、ステップS36では、φ1>−5°である場合に、ボールの衝突位置がトゥ側の領域に含まれると判定され、φ1<−50°である場合に、ボールの衝突位置がヒール側の領域に含まれると判定される。
ステップS34〜S36の後、ステップS52に進む。ステップS52では、パターン分類部24Dは、角速度ωxの分析データの位相スペクトルに基づいて、150Hz以上の所定の周波数(本実施形態では、200Hz)に対応する位相角φ2を導出する。かかる位相角φ2は、角速度ωxのスペクトルの高次モード(典型的には、3次以降のモード)付近の位相角である。そして、パターン分類部24Dは、φ2が所定値以上である、本実施形態では、0°≦φ2の場合に、ボールの衝突位置がトップ側(上側)の領域に含まれると判定する。一方、φ2が所定値より小さい、本実施形態では、0°>φ2の場合には、ボールの衝突位置がソール側(下側)の領域に含まれると判定する。なお、打点がフェースセンターFcから上側にずれている場合には、フェース面41aがより倒れ、下側にずれている場合には、フェース面41aがより起立する(図31参照)。そして、上打ち及び下打ちの場合の角速度ωxの位相角のグラフは、図32のようになる。従って、所定の周波数における位相角φ2に注目したとき、位相角φ2が所定値以上か否かで、上打点か下打点かを推定することができる。
なお、ステップS52においては、位相角φ2として、角速度ωxに代えて、加速度ayの分析データの位相スペクトルの150Hz以上の所定の周波数(本実施形態では、200Hz)に対応する位相角を用いることもできる。
ステップS34〜S36及びステップS52を経て、ボールの衝突位置は、トゥ−ヒール方向に3領域×トップ−ソール方向に2領域、すなわち、6つの領域のいずれかに分類される。6つの領域とは、トゥ上、センター上、ヒール上、トゥ下、センター下、及びヒール下の領域である。
続くステップS53では、打点推定部24Fが、ステップS33で算出された特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthNに応じて、フェース面41a上におけるトゥ−ヒール方向のボールの衝突位置Dthを推定する。具体的な処理内容は、ステップS37〜S42と同様である。すなわち、衝突位置Dthを目的変数とし、特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthNを説明変数とする上述の式(1)に従って、衝突位置Dthが算出されるとともに、衝突位置Dtsを目的変数とし、特徴量Cts1,Cts2,・・・,CtsMを説明変数とする上述の式(2)に従って、衝突位置Dtsが算出される。ただし、ステップS53で用いられる係数kth0,kth1,kth2,・・・,kthN及びkts0,kts1,kts2,・・・,ktsMの値は、ステップS34〜S36及びステップS52で分類された領域での打点推定に適した重回帰式の係数である。なお、ここでの係数kth0,kth1,kth2,・・・,kthN及びkts0,kts1,kts2,・・・,ktsMの値も、第2実施形態と同様の実験により算出され、係数データ28として記憶部23内に予め記憶されている。
続くステップS54では、ミスショット判定部24Cにより、再度ミスショット判定が行われる。すなわち、ステップS53で導出された打点(Dth,Dts)が所定の範囲外にある場合、例えば、−40mm≦Dth≦40mm、かつ、−30mm≦Dts≦30mmが満たされない場合には、ミスショットであると判定され、処理はステップS12に進む。一方、その他の場合には、ミスショットでないと判定され、ステップS11に進み、ステップS53で導出された打点(Dth,Dts)の情報が表示部21上に表示される。ステップS11,S12が終了すると、打点推定処理は終了する。
<3−2.特徴量>
以下、本実施形態に係る特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthN及びCts1,Cts2,・・
・,CtsMについて説明する。本実施形態では、N=M=11であり、さらに、特徴量Cthi=Ctsiである(i=1,2,・・・,11)。特徴量Cth1〜Cth7及びCts1〜Cts7については上記と同様のため、以下では、特徴量Cth8〜Cth11及びCts8〜Cts11について説明する。
<3−2−1.角速度ωxの振幅>
本実施形態に係る第8の特徴量Cth8=Cts8は、トゥ−ヒール方向の軸周りの角速度、すなわち、ωxの振幅である。本実施形態では、所定の期間(インパクトから0.1秒後まで)における最大値と最小値との差である。なお、第2〜第7の特徴量と同様の検証を行ったところ、この特徴量は、上下方向の打点Dtsとの間で高い相関が確認された。
<3−2−2.角速度ωyの振幅>
本実施形態に係る第9の特徴量Cth9=Cts9は、フェース−バック方向の軸周りの角速度、すなわち、ωyの振幅である。本実施形態では、所定の期間(インパクトから0.1秒後まで)における最大値と最小値との差である。なお、第2〜第7の特徴量と同様の検証を行ったところ、この特徴量は、左右方向の打点Dthとの間で高い相関が確認された。
<3−2−3.角速度ωzの振幅>
本実施形態に係る第10の特徴量Cth10=Cts10は、z軸周りの角速度、すなわち、ωzの振幅である。本実施形態では、所定の期間(インパクトから0.1秒後まで)における最大値と最小値との差である。なお、第2〜第7の特徴量と同様の検証を行ったところ、この特徴量は、左右方向の打点Dthとの間で高い相関が確認された。
<3−2−4.インパクト時のヘッド速度vh
本実施形態に係る第11の特徴量Cth11=Cts11は、インパクト時のヘッド速度vhである。ヘッド速度vhは、加速度ax,ay,az及び角速度ωx,ωy,ωzのデータがあれば算出可能であり、様々な計算方法が知られている。いずれの方法を用いてもよいが、本実施形態では、特に好ましい方法として、図33に示す方法が使用される。
具体的には、まず、所定の期間(例えば、アドレスからフィニッシュまで)の分析データを時系列に沿って前から探索し、サンプリング周期Δt当たりの角速度ωxの増分を導
出する。そして、サンプリング周期Δt当たりの角速度ωxの増分が所定値(例えば、7
00deg/s)以上となる最初の時刻を仮のインパクトの時刻ti1とする。ただし、上記所定の期間内にこのような時刻が存在しない場合には、上記所定の期間内において、角速度ωxが最小となる時刻を仮のインパクトの時刻ti1とする。
次に、仮のインパクトの時刻ti1を基準とする所定の期間(例えば、ti1±5msの範囲)内において、加速度ax,ay,azがレンジオーバー(例えば、|ax|≧200m/s2,|ay|≧230m/s2、又は|az|≧200m/s2)している箇所があれば、当該期間内で最初にレンジオーバーした時刻を仮のインパクトの時刻ti2とする。一方、レンジオーバーしている箇所が無ければ、仮のインパクトの時刻ti2=時刻ti1とする。
続いて、仮のインパクトの時刻ti2を基準とする所定の期間(例えば、ti2から5ms溯った範囲)の分析データを時系列に沿って前から探索し、サンプリング周期Δt当たり
の加速度ax,ay,azの差分を導出する。そして、2回連続で、加速度ax,azの差分が55m/s2以下、かつ、加速度ayの差分が120m/s2以下となる最初の時刻を検索し、有れば当該時刻をインパクトの時刻tiに決定する。一方、上記所定の期間内にこのような時刻が存在しない場合には、仮のインパクトの時刻ti2をインパクトの時刻tiに決定する。
<3−2−5.検証>
以下、第3実施形態に係る打点推定処理の精度の検証結果について説明する。本発明者らは、10名のゴルファーによる計270球分のテストスイングの実験データを収集した。ここでの実験データには、上述のセンサデータに加え、上述した複数台のカメラを用いたシステムにより特定された打点Dth,Dts(真値)が含まれる。
図34は、以上の270球の実験データに基づいて、左右打点Dth(真値)と、位相角φ1との関係をプロットしたグラフであり、図35は、上下打点Dts(真値)と、位相角φ2との関係をプロットしたグラフである。図34からは、φ1に関し、閾値−50°,−5°で、トゥ打ち(打点がトゥ側の領域に含まれる)、センター打ち(打点がフェースセンターFc付近の領域に含まれる)、ヒール打ち(打点がヒール側の領域に含まれる)を概ね分類できていることが分かる。同様に、図35からは、φ2に関し、閾値0°で、上打ち(打点が上側の領域に含まれる)、下打ち(打点が下側の領域に含まれる)を概ね分類できていることが分かる。従って、ステップS35,S36,S52の優位性が確認された。
また、以上の270球の実験データに対し、第3実施形態に係る打点推定処理を実行し、結果として得られた打点Dth,Dts(推定値)と打点Dth,Dts(真値)との関係を検証したところ、図36A〜図36F及び図37A〜図37Fに示すとおりとなった。図36A〜図36Fは、ステップS34〜S36及びステップS52によりトゥ上、センター上、ヒール上、トゥ下、センター下、及びヒール下の6つの領域に分類した上で、それぞれの分類内で左右打点Dthの推定値と真値との関係をプロットしたグラフである。図37A〜図37Fは、ステップS34〜S36及びステップS52により同様の6つの領域に分類した上で、それぞれの分類内で上下打点Dtsの推定値と真値との関係との関係をプロットしたグラフである。誤差が±10mmの範囲内にある場合を正答とカウントした場合の正答率は各グラフに示されているとおりであり、全体では97%という極めて高い正答率が確認された。
図38は、誤差が±10mmの範囲内にある場合を正答とした場合の他、誤差が±15mmの範囲内及び±5mmの範囲内にある場合を正答とした場合の全体での正答率を示すグラフである。同図は、第3実施形態に係る打点推定処理の精度の高さを示している。
図39は、第3実施形態に係る打点推定処理においてステップS52を省略せずに、特徴量Cth1〜Cth7,th11及びCts1〜Cts7,ts11に基づく重回帰分析を行った場合の、打点Dth,Dtsの正答率を示すグラフである。一方、図40は、第3実施形態に係る打点推定処理においてステップS52を省略し、特徴量Cth1〜Cth7,th11及びCts1〜Cts7,ts11に基づく重回帰分析を行った場合の、打点Dth,Dtsの正答率を示すグラフである。これらのグラフからは、ステップS52で分類することの優位性が確認された。
<4.変形例>
<4−1>
打点Dth,Dtsを求めるための特徴量Cth,Ctsは、上述した例に限られない。例えば、特徴量Cth,Ctsとして、角速度のデータに代えて、加速度のデータを用いることができ、好ましくは、ax,azのデータを用いることができる。
また、特徴量Cthを求めるための分析データとして、分析期間におけるy軸周りの角速度ωyの波形のピーク時の振幅を用いることができる。また、特徴量Cthとして、ピーク時の振幅でなく、インパクト後の所定の分析期間の角速度ωy,ωzの積分値を用いることができる。
また、特徴量Ctsとして、角速度ωxに代えて、角速度ωyを用いることもできる。また、これに代えて又は加えて、特徴量Ctsとして、図16の実験で用いられた特徴量、すなわち、インパクトの時刻tiから、その後の所定の分析期間における最小ピークの発生時刻までの時間長を用いることができる。
同様に、打点Dth,Dtsを求めるための特徴量Cth1,Cth2,・・・,CthN及びCts1,Cts2,・・・,CtsMも、上述した例に限られない。例えば、第1実施形態及び本変形例に係る特徴量Cth,Ctsを第2及び第3実施形態に係る重回帰式の説明変数とすることができる。反対に、第2及び第3実施形態に係る各特徴量は、一定以上の相関が確認される限り、第1実施形態に係る単回帰式の説明変数とすることができる。また、例えば、以下の指標(1)〜(8)の指標も、打点Dth,Dtsの推定のための特徴量とすることができる。
(1)トゥ−ヒール方向の軸周りの角速度、すなわち、ωxのスペクトルの1次モードのピーク振幅(特に、上下方向の打点Dtsの推定に適している)
(2)飛球線方向の加速度、すなわち、ayのスペクトルの1次モードのピーク振幅
(3)飛球線方向の軸周りの角速度、すなわち、ωyのスペクトルの2次モードのピーク振幅(特に、上下方向の打点Dtsの推定に適している)
(4)インパクト直後のトゥ−ヒール方向の軸周りの角速度、すなわち、インパクト直後のωxの最大値(特に、上下方向の打点Dtsの推定に適している)
(5)インパクト時のヘッド速度vh
(6)トゥ−ヒール方向の軸周りの角速度、すなわち、ωxのスペクトルの高周波のモード(例えば3次や4次モード)のピーク振幅及び位相角の少なくとも一方(特に、上下方向の打点Dtsの推定に適している)
(7)飛球線方向の加速度、すなわち、ayのスペクトルの高周波のモード(例えば3次や4次モード)のピーク振幅及び位相角の少なくとも一方(特に、上下方向の打点Dtsの推定に適している)
(8)シャフト軸周りの角速度、すなわち、ωzのスペクトルの高周波のモード(例えば3次や4次モード)のピーク振幅及び位相角の少なくとも一方(特に、左右方向の打点Dthの推定に適している)
なお、(5)のヘッド速度vhは、加速度ax,ay,az及び角速度ωx,ωy,ωzのデータがあれば算出可能であり、様々な計算方法が知られている。いずれの方法を用いてもよいが、加速度センサがシャフト軸上の基準点からずれている場合には、この影響を取り除く方法を採用することが好ましい。すなわち、局所座標系でのグリップの加速度から接線成分rω’及び遠心成分rω2を除去した後に、1−2−3で示したような方法にてXYZ全体座標系の値に変換する。なお、ωは、局所座標系でのグリップの角速度であり、ω’は、ωの微分であり、rは、シャフトの重心から加速度センサまでの距離である。その後、XYZ全体座標系でのグリップの加速度を、トップの時刻ttにおいてゼロとなるようにオフセットしつつ、トップからインパクトまでの期間で積分することにより、飛球線方向のグリップ速度vgを算出することができる。そして、ヘッド速度vhは、例えば、以下の式により算出することができる。R1は、ゴルフクラブの長さであり、R2は、ヘッド重心からシャフト軸までの距離である。
h=g+R1・ωx+R2・ωz
<4−2>
上記実施形態に係るステップS2,S51,S54のミスショット判定、及びこれに続くステップS12は、省略することができる。この場合、例えば、第1実施形態では、係数k1,k2としては、図12、図13、図16及び図17の例に示したものを用いることができる。第2実施形態の場合の係数データ28も、適宜再設定することができる。第3実施形態の場合も同様である。
<4−3>
第1実施形態において、トップ−ソール方向の打点Dtsを求めるのに際し、ステップS8のスイング軌道に応じた場合分けを省略することができる。この場合、図16の実験で算出された特徴量Cts及び係数k3,k4を用いることができる。これに代えて又は加えて、トゥ−ヒール方向の打点Dthを求めるのに際し、上記実施形態に係るステップS8のようなスイング軌道に応じた場合分けを追加することもできる。一方、第2及び第3実施形態において、ステップS8のスイング軌道に応じた場合分けを行うことができる。
<4−4>
上記実施形態では、加速度センサ、角速度センサ及び地磁気センサの3つを有するセンサユニット1が使用されたが、センサユニット1を他の構成とすることもできる。例えば、地磁気センサを省略することもできる。この場合には、統計的手法により、xyz局所座標系からXYZ全体座標系へとセンサデータを変換することが可能である。なお、このような手法については、公知技術であるため(要すれば、特開2013−56074号公報参照)、ここでは詳細な説明を省略する。また、ステップS8のスイング軌道に応じた場合分けを省略する場合には、地磁気センサは特に必要なくなるため、省略し得る。また、ステップS8に加え、ステップS2のミスショット判定を省略する場合には、加速度センサを省略し得る。
また、センサユニット1の取り付け場所も、グリップ42に限られず、シャフト40に取り付けてもよい。
<4−5>
上記実施形態では、打点を求めるための回帰式として線形回帰式が用いられたが、非線形回帰式を用いてもよい。打点と特徴量との関係の非線形性を評価するには、例えば、以下の方法を用いることができる。
(1)単回帰式又は重回帰式の説明変数に変数のN乗項を設ける(N≧2)。
(2)機械学習(ニューラルネットワーク)を構築する。
<4−6>
上記実施形態では、センサユニット1の局所座標系は、図3のとおり設定されたが、任意に設定することができる。なお、センサユニット1から直接的に分析データの波形が出力されない場合には、データ導出部24Cにより、センサユニット1の出力値を分析データの軸を含む座標系での値に変換すればよい。
<4−7>
第2及び第3実施形態において、ステップS34〜S36のうちの少なくとも1つのステップを省略することができる。例えば、ステップS34,S35を省略し、打点Dthをトゥ側の領域及びヒール側の領域の2つに分類した上で、重回帰式による打点推定を行うこともできる。図41及び図42は、図27〜図29と同じ計測データをこれらの2つの領域に分類した上で重回帰式を作成し、当該重回帰式に基づく打点Dth,Dts(推定値)と打点Dth,Dts(真値)との関係を特定した結果を示している。また、図41のグラフは、打点Dthがトゥ側の領域にあると判定された計測データに基づいており、図42のグラフは、打点Dthがヒール側の領域にあると判定された計測データに基づいている。また、図41及び図42には、真値と推定値との間の決定係数が示されている。図41及び図42からは、打点Dth,Dtsの真値と推定値とが概ね一致していることが分かる。従って、本変形例に係る打点Dth,Dtsの推定精度の高さが確認された。
また、図41及び図42と同じ計測データにおいて、打点の真値と推定値とが±10mm以内に収まっているケースの割合は、打点Dthついては96%となり、打点Dtsについては、81%となった。このことからも、本変形例に係る打点Dth,Dtsの推定精度の高さが確認された。
また、図43及び図44は、ステップS34,S35を省略した場合の別の検証例を示している。この例では、第2実施形態の7つの特徴量に加え、変形例3−1のヘッド速度vhを説明変数として重回帰式を作成した。図43のグラフは、打点Dthがトゥ側の領域にあると判定された計測データに基づいており、図44のグラフは、打点Dthがヒール側の領域にあると判定された計測データに基づいている。また、図43及び図44には、真値と推定値との間の決定係数が示されている。図43及び図44からは、打点Dth,Dtsの真値と推定値とが概ね一致していることが分かる。
また、図43及び図44と同じ計測データにおいて、打点の真値と推定値とが±10mm以内に収まっているケースの割合は、打点Dthついては98%となり、打点Dtsについては、86%となった。このことから、本変形例に係る打点Dth,Dtsの推定精度の高さ、及び、ヘッド速度vhを説明変数として加えることの優位性が確認された。
また、ステップS34〜S36,S52のうちの少なくとも1つのステップを、第1実施形態に適用することもできる。
1 センサユニット11 加速度センサ
12 角速度センサ
2 分析装置(コンピュータ)
3 分析プログラム
4 ゴルフクラブ
24B ミスショット判定部
24C データ導出部(導出部)
24D パターン分類部(分類部)
24E 特徴量算出部(算出部)
24F 打点推定部(推定部)
40 シャフト
41 ヘッド
41a フェース面
42 グリップ

Claims (33)

  1. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する導出部と、
    前記分析データの波形の特徴量を算出する算出部と、
    前記センサデータに含まれるインパクトよりも後の前記加速度データに基づいて、ボールが前記ヘッドのフェース面の端部に衝突したミスショットを判定するミスショット判定部と、
    前記ミスショットと判定されなかった場合に、前記特徴量に応じて、前記フェース面上の前記端部よりも内側の領域内における前記ボールの衝突位置を推定し、前記ミスショットと判定された場合に、前記衝突位置の推定を省略する推定部
    を備える
    ゴルフスイングの分析装置。
  2. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する導出部と、
    前記分析データの波形の特徴量を算出する算出部と、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定する推定部と
    を備え、
    前記特徴量は、前記分析期間に含まれるインパクトの時刻からある振幅のピークが現れる時刻までの時間の長さ、或いは、ある振幅のピークが現れる時刻と別の振幅のピークが現れる時刻間の時間の長さである
    ゴルフスイングの分析装置。
  3. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する導出部と、
    前記分析データの波形の特徴量を算出する算出部と、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定する推定部と
    を備え、
    前記分析データには、前記フェース面上に規定される第1方向に対して傾斜する第1軸周りの前記角速度データが含まれ、
    前記算出部は、前記第1軸周りの前記角速度データの波形の前記特徴量である第1特徴量を算出し、
    前記推定部は、前記第1特徴量に応じて、前記フェース面上における前記第1方向の前記衝突位置を推定し、
    前記分析データには、前記フェース面上に規定される前記第1方向に略直交する第2方向に対して傾斜する第2軸周りの前記角速度データが含まれ、
    前記算出部は、前記第2軸周りの前記角速度データの波形の前記特徴量である第2特徴量を算出し、
    前記推定部は、前記第2特徴量に応じて、前記フェース面上における前記第2方向の前記衝突位置を推定する、
    ゴルフスイングの分析装置。
  4. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する導出部と、
    前記分析データの波形の特徴量を算出する算出部と、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定する推定部と、
    前記センサデータに基づいて、インパクト付近での前記ヘッドの挙動を複数のパターンに分類する分類部と
    を備え、
    前記推定部は、前記分類部により分類されたパターンに対応するアルゴリズムを用いて、前記衝突位置を推定する、
    ゴルフスイングの分析装置。
  5. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する導出部と、
    前記分析データの波形の特徴量を算出する算出部と、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定する推定部と、
    前記シャフトの延びる方向の軸周りの角速度の振幅スペクトルの1次モードのピーク周波数及び前記ピーク周波数に対応する位相角の少なくとも一方に応じて、前記フェース面上におけるトゥ−ヒール方向の前記衝突位置を複数の領域に分類するトゥ−ヒール分類部と
    を備え、
    前記推定部は、前記特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の回帰式であって、前記トゥ−ヒール分類部により分類されたパターンに対応する回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定する、
    ゴルフスイングの分析装置。
  6. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する導出部と、
    前記分析データの波形の特徴量を算出する算出部と、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定する推定部と、
    前記シャフトの延びる方向の軸周りの角速度の振幅スペクトルの1次モードのピーク周波数及び前記ピーク周波数に対応する位相角の少なくとも一方に応じて、前記フェース面上におけるトゥ−ヒール方向の前記衝突位置を複数の領域に分類するトゥ−ヒール分類部と
    を備え、
    前記算出部は、前記分析データから複数の前記特徴量を算出し、
    前記推定部は、前記複数の特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の重回帰式であって、前記トゥ−ヒール分類部により分類されたパターンに対応する重回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定する、
    ゴルフスイングの分析装置。
  7. 前記トゥ−ヒール分類部は、前記ピーク周波数が所定の範囲内にある場合に、前記衝突位置が前記フェース面上の中央付近に含まれると判定する、
    請求項5又は6に記載の分析装置。
  8. 前記トゥ−ヒール分類部は、前記位相角が所定値以上である場合に、前記衝突位置が前記フェース面上のトゥ側の領域に含まれると判定し、前記所定値よりも小さい場合に、前記衝突位置が前記フェース面上のヒール側の領域に含まれると判定する、
    請求項5〜7のいずれかに記載の分析装置。
  9. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する導出部と、
    前記分析データの波形の特徴量を算出する算出部と、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定する推定部と、
    フェース−バック方向の加速度の位相スペクトルの150Hz以上の所定の周波数に対応する位相角、又は、トゥ−ヒール方向の軸周りの角速度の位相スペクトルの150Hz以上の所定の周波数に対応する位相角に応じて、前記フェース面上におけるトップ−ソール方向の前記衝突位置を複数の領域に分類するトップ−ソール分類部と
    を備え、
    前記推定部は、前記特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の回帰式であって、前記トップ−ソール分類部により分類されたパターンに対応する回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定する、
    ゴルフスイングの分析装置。
  10. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する導出部と、
    前記分析データの波形の特徴量を算出する算出部と、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定する推定部と、
    フェース−バック方向の加速度の位相スペクトルの150Hz以上の所定の周波数に対応する位相角、又は、トゥ−ヒール方向の軸周りの角速度の位相スペクトルの150Hz以上の所定の周波数に対応する位相角に応じて、前記フェース面上におけるトップ−ソール方向の前記衝突位置を複数の領域に分類するトップ−ソール分類部と
    を備え、
    前記算出部は、前記分析データから複数の前記特徴量を算出し、
    前記推定部は、前記複数の特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の重回帰式であって、前記トップ−ソール分類部により分類されたパターンに対応する重回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定する、
    ゴルフスイングの分析装置。
  11. 前記トップ−ソール分類部は、前記位相角が所定値以上である場合に、前記衝突位置が前記フェース面上のトップ側の領域に含まれると判定し、前記所定値よりも小さい場合に、前記衝突位置が前記フェース面上のソール側の領域に含まれると判定する、
    請求項9又は10に記載の分析装置。
  12. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する導出部と、
    前記分析データの波形の特徴量を算出する算出部と、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定する推定部と
    を備え、
    前記算出部は、前記分析データの波形の特徴量として、前記角速度データのスペクトルの1次又は2次モードのピーク振幅を算出する、
    ゴルフスイングの分析装置。
  13. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する導出部と、
    前記分析データの波形の特徴量を算出する算出部と、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定する推定部と
    を備え、
    前記算出部は、前記分析データの波形の特徴量として、前記加速度データのスペクトルの1次又は2次モードのピーク振幅を算出する、
    ゴルフスイングの分析装置。
  14. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析装置であって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出する導出部と、
    前記分析データの波形の特徴量を算出する算出部と、
    前記特徴量が所定の範囲外である場合に、ボールが前記ヘッドのフェース面の端部に衝突したミスショットを判定するミスショット判定部と、
    前記ミスショットと判定されなかった場合に、前記特徴量に応じて、前記フェース面上の前記端部よりも内側の領域内における前記ボールの衝突位置を推定し、前記ミスショットと判定された場合に、前記衝突位置の推定を省略する推定部
    を備え
    前記特徴量には、前記分析データのスペクトルの特徴を表す値及び前記分析データの波形の振幅を表す値の少なくとも一方が含まれる、
    ゴルフスイングの分析装置。
  15. 前記推定部は、前記特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定する、
    請求項1、2、4及び12〜14に記載のゴルフスイングの分析装置。
  16. 前記分析データには、前記フェース面上に規定される第1方向に対して傾斜する第1軸周りの前記角速度データが含まれ、
    前記算出部は、前記第1軸周りの前記角速度データの波形の前記特徴量である第1特徴量を算出し、
    前記推定部は、前記第1特徴量に応じて、前記フェース面上における前記第1方向の前記衝突位置を推定する、
    請求項1、2及び4〜14のいずれかに記載のゴルフスイングの分析装置。
  17. 前記第1方向は、トゥ−ヒール方向であり、前記第1軸は、前記シャフトの延びる方向又はフェース−バック方向に概ね平行である、
    請求項16に記載のゴルフスイングの分析装置。
  18. 前記第1方向は、トップ−ソール方向であり、前記第1軸は、トゥ−ヒール方向又はフェース−バック方向に概ね平行である、
    請求項16に記載のゴルフスイングの分析装置。
  19. 前記特徴量は、前記分析データの波形の振幅である、
    請求項1、3〜11及び14のいずれかに記載のゴルフスイングの分析装置。
  20. 前記算出部は、前記分析データから複数の前記特徴量を算出し、
    前記推定部は、前記複数の特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の重回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定する、
    請求項1〜4及び12〜14のいずれかに記載のゴルフスイングの分析装置。
  21. 前記算出部は、前記分析データの波形の特徴量として、前記分析データのスペクトルの特徴量を算出する、
    請求項1、3〜11及び14のいずれかに記載のゴルフスイングの分析装置。
  22. 前記算出部は、前記分析データの波形の特徴量として、前記角速度データの振幅を算出する、
    請求項1、3〜11及び14のいずれかに記載のゴルフスイングの分析装置。
  23. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップと、
    前記分析データの波形の特徴量を算出するステップと、
    前記センサデータに含まれるインパクトよりも後の前記加速度データに基づいて、ボールが前記ヘッドのフェース面の端部に衝突したミスショットを判定するステップと、
    前記ミスショットと判定されなかった場合に、前記特徴量に応じて、前記フェース面上の前記端部よりも内側の領域内における前記ボールの衝突位置を推定し、前記ミスショットと判定された場合に、前記衝突位置の推定を省略するステップと
    をコンピュータに実行させる、
    ゴルフスイングの分析プログラム。
  24. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップと、
    前記分析データの波形の特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記特徴量は、前記分析期間に含まれるインパクトの時刻からある振幅のピークが現れる時刻までの時間の長さ、或いは、ある振幅のピークが現れる時刻と別の振幅のピークが現れる時刻間の時間の長さである
    ゴルフスイングの分析プログラム。
  25. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップと、
    前記分析データの波形の特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記分析データには、前記フェース面上に規定される第1方向に対して傾斜する第1軸周りの前記角速度データが含まれ、
    前記算出するステップは、前記第1軸周りの前記角速度データの波形の前記特徴量である第1特徴量を算出するステップを含み、
    前記推定するステップは、前記第1特徴量に応じて、前記フェース面上における前記第1方向の前記衝突位置を推定するステップを含み、
    前記分析データには、前記フェース面上に規定される前記第1方向に略直交する第2方向に対して傾斜する第2軸周りの前記角速度データが含まれ、
    前記算出するステップは、前記第2軸周りの前記角速度データの波形の前記特徴量である第2特徴量を算出するステップを含み、
    前記推定するステップは、前記第2特徴量に応じて、前記フェース面上における前記第2方向の前記衝突位置を推定するステップを含む、
    ゴルフスイングの分析プログラム。
  26. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップと、
    前記分析データの波形の特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するステップと、
    前記センサデータに基づいて、インパクト付近での前記ヘッドの挙動を複数のパターンに分類するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記推定するステップは、前記分類されたパターンに対応するアルゴリズムを用いて、前記衝突位置を推定するステップを含む、
    ゴルフスイングの分析プログラム。
  27. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップと、
    前記分析データの波形の特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するステップと、
    前記シャフトの延びる方向の軸周りの角速度の振幅スペクトルの1次モードのピーク周波数及び前記ピーク周波数に対応する位相角の少なくとも一方に応じて、前記フェース面上におけるトゥ−ヒール方向の前記衝突位置を複数の領域に分類するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記推定するステップは、前記特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の回帰式であって、前記分類されたパターンに対応する回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定するステップを含む、
    ゴルフスイングの分析プログラム。
  28. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップと、
    前記分析データの波形の特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するステップと、
    前記シャフトの延びる方向の軸周りの角速度の振幅スペクトルの1次モードのピーク周波数及び前記ピーク周波数に対応する位相角の少なくとも一方に応じて、前記フェース面上におけるトゥ−ヒール方向の前記衝突位置を複数の領域に分類するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記算出するステップは、前記分析データから複数の前記特徴量を算出するステップを含み、
    前記推定するステップは、前記複数の特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の重回帰式であって、前記分類されたパターンに対応する重回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定するステップを含む、
    ゴルフスイングの分析プログラム。
  29. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップと、
    前記分析データの波形の特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するステップと、
    フェース−バック方向の加速度の位相スペクトルの150Hz以上の所定の周波数に対応する位相角、又は、トゥ−ヒール方向の軸周りの角速度の位相スペクトルの150Hz以上の所定の周波数に対応する位相角に応じて、前記フェース面上におけるトップ−ソール方向の前記衝突位置を複数の領域に分類するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記推定するステップは、前記特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の回帰式であって、前記分類されたパターンに対応する回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定するステップを含む、
    ゴルフスイングの分析プログラム。
  30. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップと、
    前記分析データの波形の特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するステップと、
    フェース−バック方向の加速度の位相スペクトルの150Hz以上の所定の周波数に対応する位相角、又は、トゥ−ヒール方向の軸周りの角速度の位相スペクトルの150Hz以上の所定の周波数に対応する位相角に応じて、前記フェース面上におけるトップ−ソール方向の前記衝突位置を複数の領域に分類するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記算出するステップは、前記分析データから複数の前記特徴量を算出するステップを含み、
    前記推定するステップは、前記複数の特徴量を説明変数とし、前記衝突位置を目的変数とする所定の重回帰式であって、前記分類されたパターンに対応する重回帰式に基づいて、前記衝突位置を推定するステップを含む、
    ゴルフスイングの分析プログラム。
  31. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップと、
    前記分析データの波形の特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記算出するステップは、前記分析データの波形の特徴量として、前記角速度データのスペクトルの1次又は2次モードのピーク振幅を算出するステップを含む、
    ゴルフスイングの分析プログラム。
  32. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップと、
    前記分析データの波形の特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量に応じて、前記ヘッドのフェース面上におけるボールの衝突位置を推定するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記算出するステップは、前記分析データの波形の特徴量として、前記加速度データのスペクトルの1次又は2次モードのピーク振幅を算出するステップを含む、
    ゴルフスイングの分析プログラム。
  33. グリップ、シャフト及びヘッドを有するゴルフクラブを用いたゴルフスイングの分析プログラムであって、
    前記グリップ及び前記シャフトの少なくとも一方に取り付けられた角速度センサ及び加速度センサの少なくとも一方から出力されるセンサデータから、インパクト付近の分析期間における時系列の角速度データ及び加速度データの少なくとも一方を含む分析データを導出するステップと、
    前記分析データの波形の特徴量を算出するステップと、
    前記特徴量が所定の範囲外である場合に、ボールが前記ヘッドのフェース面の端部に衝突したミスショットを判定するステップと、
    前記ミスショットと判定されなかった場合に、前記特徴量に応じて、前記フェース面上の前記端部よりも内側の領域内における前記ボールの衝突位置を推定し、前記ミスショットと判定された場合に、前記衝突位置の推定を省略するステップと
    をコンピュータに実行させ、
    前記特徴量には、前記分析データのスペクトルの特徴を表す値及び前記分析データの波形の振幅を表す値の少なくとも一方が含まれる、
    ゴルフスイングの分析プログラム。
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