JP6845433B2 - 打具の挙動の解析装置 - Google Patents

打具の挙動の解析装置 Download PDF

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Description

本発明は、スイング中に変形する性質を有する打具の挙動を解析する解析装置、方法及びプログラムに関する。
従来より、スイング中に変形する性質を有する打具の挙動を解析する技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1は、有限要素法に基づく解析モデルに従って、ゴルフクラブのシャフトを構成する微小な各要素のスイング中の撓み変形をシミュレーションする技術を開示している。
松本賢太、他5名,「クラブヘッドの慣性がシャフト挙動に及ぼす影響」,スポーツ工学・ヒューマンダイナミクス2015講演論文集,B−34(USB memory),2015年10月
特開2017−023690号公報 特開2016−034483号公報 特開2005−292061号公報 特開2011−122972号公報
ところで、シミュレーションとは、解析の対象となる系を近似的にモデル化することにより行われるものであり、現実の系を完全に再現することは難しい。そのため、特にスイング中に変形する打具のような複雑な系を解析する場面では、シミュレーションの精度を向上させるための技術が常に求められることになる。
本発明は、スイング中の打具の変形をより高精度に解析することができる解析装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
第1観点に係る解析装置は、スイング中に変形する性質を有する打具の挙動を解析する解析装置であって、前記打具に含まれる第1部位のスイング中の挙動を計測した計測データを取得する取得部と、前記計測データに基づいて、スイング中の前記打具における回転中心を算出する中心算出部と、前記計測データ及び前記回転中心に基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析する解析部とを備える。
第2観点に係る解析装置は、第1観点に係る解析装置であって、前記解析部は、前記回転中心に基づいて、前記計測データを補正し、前記補正後の計測データに基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析する。
第3観点に係る解析装置は、第1観点又は第2観点に係る解析装置であって、前記取得部は、第1のタイミングでの前記計測データである第1計測データを取得するとともに、第2のタイミングでの前記計測データである第2計測データを取得する。前記中心算出部は、前記第1計測データに基づいて、前記回転中心を算出する。前記解析部は、前記第2計測データ及び前記回転中心に基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析する。
第4観点に係る解析装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る解析装置であって、前記中心算出部は、前記計測データに含まれるデータであって、前記打具の使用者がワッグル動作を行ったときの前記第1部位の挙動を計測したデータ、及び、前記打具の使用者が前記打具に並進運動を与えず、回転運動のみを与えることを意図して前記打具を操作したときの前記第1部位の挙動を計測したデータの少なくとも一方のデータに基づいて、前記回転中心を算出する。
第5観点に係る解析装置は、第1観点から第4観点のいずれかに係る解析装置であって、前記中心算出部は、前記計測データに基づいて、前記打具において動きが最小化される位置を前記回転中心として算出する。
第6観点に係る解析装置は、第1観点から第5観点のいずれかに係る解析装置であって、前記計測データに基づいて、前記打具の使用者が前記打具を把持する把持力の強さを判定する判定部をさらに備える。前記解析部は、前記把持力の強さにさらに基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析する。
第7観点に係る解析装置は、第6観点に係る解析装置であって、前記判定部は、前記計測データに含まれる所定の周波数成分の大きさを特定し、前記所定の周波数成分の大きさに応じて、前記把持力の強さを判定する。
第8観点に係る解析装置は、第1観点から第7観点のいずれかに係る解析装置であって、前記取得部は、前記計測データとして、前記第1部位に取り付けられた慣性センサにより計測されたデータを取得する。
第9観点に係る解析装置は、第1観点から第8観点のいずれかに係る解析装置であって、前記解析部は、前記打具の変形に基づいて、前記打具に含まれる前記第1部位とは異なる第2部位の挙動を導出する。
第10観点に係る解析装置は、第9観点に係る解析装置であって、前記打具は、ゴルフクラブであり、前記第1部位は、グリップ又はシャフトであり、前記第2部位は、ヘッドである。
第11観点に係る解析装置は、第1観点から第9観点のいずれかに係る解析装置であって、前記打具は、ゴルフクラブである。
第12観点に係る解析装置は、第1観点から第11観点のいずれかに係る解析装置であって、前記解析部は、前記計測データに基づいて、前記打具に作用する慣性力を算出し、前記慣性力に基づいて、有限要素法モデルにより前記打具の変形量を算出する。
第13観点に係る解析プログラムは、スイング中に変形する性質を有する打具の挙動を解析する解析プログラムであって、以下のステップをコンピュータに実行させる。
・前記打具に含まれる第1部位のスイング中の挙動を計測した計測データを取得するステップ
・前記計測データに基づいて、スイング中の前記打具における回転中心を算出するステップ
・前記計測データ及び前記回転中心に基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析するステップ
第14観点に係る解析方法は、スイング中に変形する性質を有する打具の挙動を解析する解析方法であって、以下のステップを含む。
・前記打具に含まれる第1部位のスイング中の挙動を計測した計測データを取得するステップ
・前記計測データに基づいて、スイング中の前記打具における回転中心を算出するステップ
・前記計測データ及び前記回転中心に基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析するステップ
第15観点に係る解析装置は、スイング中に変形する性質を有する打具の挙動を解析する解析装置であって、前記打具に含まれる第1部位のスイング中の挙動を計測した計測データを取得する取得部と、前記計測データに基づいて、前記打具の使用者が前記打具を把持する把持力の強さを判定する判定部と、前記計測データ及び前記把持力の強さに基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析する解析部とを備える。
多くの場合、打具の使用者は、打具の端部を把持して打具をスイングする。そのため、従来、打具のスイング中の挙動を解析するためのシミュレーションモデルでは、特許文献1,2のように、打具はその端部を中心として回転するものと仮定される。しかしながら、実際には、打具の回転中心はその端部ではなく、打具においてプレイヤーがまさに把持した位置の近傍にくることが多い。従来、このような打具の真の回転中心は考慮されてこなかったが、これを把握することは、より正確なシミュレーションに寄与し得る。
この点、本発明の第1観点によれば、打具に含まれる第1部位のスイング中の挙動を計測した計測データに基づいて、打具における回転中心が算出される。すなわち、打具の真の回転中心が算出され、これに基づいてスイング中の打具の変形が解析される。その結果、スイング中の打具の変形をより高精度に解析することができる。
また、使用者が打具を把持する把持力は、打具の挙動に影響を与え得る。そのため、打具の挙動を解析する場面においては、打具の把持状態を把握することが重要となり得る。この点、特許文献3,4には、ゴルフクラブのグリップに圧力センサを取り付け、プレイヤーがグリップを把持したときの圧力を測定することが開示されている。しかしながら、特許文献3,4のような圧力センサは、時として汎用性に乏しい。
この点、本発明の第15観点によれば、打具に含まれる第1部位のスイング中の挙動を計測した計測データに基づいて、使用者が打具を把持する把持力の強さが判定される。よって、把持力を直接的に測定せずとも、把持力の強さが特定され、さらにこれに基づいて、スイング中の打具の変形が解析される。その結果、スイング中の打具の変形をより高精度に解析することができる。
本発明の一実施形態に係る解析装置を含むスイング解析システムの全体構成を示す図。 スイング解析システムの機能ブロック図。 ゴルフクラブの斜視図。 (A)アドレス状態を示す図。(B)トップ状態を示す図。(C)インパクト状態を示す図。(D)フィニッシュ状態を示す図。 ワッグル動作時のゴルフクラブの運動を説明する図。 有限要素法に従ってゴルフクラブをモデル化した図。 変形時のゴルフクラブをモデル化した図。 把持力の強いゴルファーによるゴルフスイング時の角速度のグラフ。 把持力の弱いゴルファーによるゴルフスイング時の角速度のグラフ。 図8Aの角速度の周波数スペクトルのグラフ。 図8Bの角速度の周波数スペクトルのグラフ。 あるゴルファーにゴルフクラブを意図的に強く把持させてスイングさせた時の角速度の周波数スペクトルのグラフ。 図10Aと同じゴルファーにゴルフクラブを意図的に弱く把持させてスイングさせた時の角速度の周波数スペクトルのグラフ。 解析処理の流れを示すフローチャート。 補正前及び補正後のセンサデータに基づくグリップエンドの軌跡のグラフ。 参考例及び実施例に係るゴルファーの正面側から視たゴルフクラブの軌道のシミュレーション結果を示す図。 参考例及び実施例に係るゴルファーの右側から視たゴルフクラブの軌道のシミュレーション結果を示す図。 参考例及び実施例に係るヘッド速度の解析結果を示す図。 参考例及び実施例に係るフェース角の解析結果を示す図。 参考例及び実施例に係る進入角の解析結果を示す図。 参考例及び実施例に係るブロー角の解析結果を示す図。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る解析装置、方法及びプログラムをスイング中のゴルフクラブの挙動の解析に適用した場合の一実施形態について説明する。
<1.スイング解析システムの概要>
図1及び図2に、本発明の一実施形態に係る解析装置1を含むスイング解析システム100の全体構成図を示す。スイング解析システム100は、ゴルファー7によるスイング中のゴルフクラブ5の挙動を解析するように構成されている。ゴルフクラブ5の特にシャフト52の部分は、スイング中に変形する性質を有している。解析装置1は、スイング中のゴルフクラブ5のグリップエンド51aの挙動を計測した計測データに基づいて、ゴルフクラブ5のグリップ51及びシャフト52の変形を解析するとともに、この変形を考慮して、ヘッド53の挙動を解析する。以上の計測は、計測装置2により行われ、計測装置2は、解析装置1とともにスイング解析システム100を構成する。解析装置1による解析結果は、ゴルファー7に適したゴルフクラブ5のフィッティングや、ゴルファー7のフォームの改善、ゴルフ用品の開発等、様々な用途で利用される。
以下、スイング解析システム100の各部の構成を説明した後、スイング解析システム100による解析方法について説明する。
<2.各部の詳細>
<2−1.計測装置>
本実施形態に係る計測装置2は、慣性センサユニット4と、距離画像センサ21とから構成される。以下、順に説明する。
<2−1−1.慣性センサユニット>
慣性センサユニット4は、図1に示すとおり、ゴルフクラブ5のグリップ51におけるヘッド53と反対側の端部であるグリップエンド51aに取り付けられており、グリップエンド51aの挙動を計測する。図3に示すとおり、ゴルフクラブ5は、一般的なゴルフクラブであり、シャフト52と、シャフト52の一端に設けられたヘッド53と、シャフト52の他端に設けられたグリップ51とから構成される。慣性センサユニット4は、スイング動作の妨げとならないよう、小型且つ軽量に構成されている。
図2に示すように、本実施形態に係る慣性センサユニット4には、加速度センサ41、角速度センサ42及び地磁気センサ43が搭載されている。また、慣性センサユニット4には、これらのセンサ41〜43から出力されるセンサデータを、通信線17を介して解析装置1等の外部のデバイスに送信するための通信装置40も搭載されている。なお、本実施形態では、通信装置40は、スイング動作の妨げにならないように無線式であるが、ケーブルを介して有線式に解析装置1に接続するようにしてもよい。
加速度センサ41、角速度センサ42及び地磁気センサ43はそれぞれ、xyz局所座標系における加速度、角速度及び地磁気を計測する。より具体的には、加速度センサ41は、x軸、y軸及びz軸方向のグリップエンド51aの加速度ax,ay,azを計測する。角速度センサ42は、x軸、y軸及びz軸周りのグリップエンド51aの角速度ωx,ωy,ωzを計測する。地磁気センサ43は、グリップエンド51aにおけるx軸、y軸及びz軸方向の地磁気mx,my,mzを計測する。これらの加速度、角速度及び地磁気に関するセンサデータ(計測データ)は、所定の短いサンプリング周期の時系列データとして取得される。なお、xyz局所座標系は、図3に示すとおりに定義される3軸直交座標系である。すなわち、z軸は、シャフト52の延びる方向に一致し、ヘッド53からグリップ51に向かう方向が、z軸正方向である。y軸は、ゴルフクラブ5のアドレス時の飛球方向にできる限り沿うように、すなわち、フェース−バック方向に概ね沿うように配向され、バック側からフェース側に向かう方向がy軸正方向である。x軸は、y軸及びz軸に直交するように、すなわち、トゥ−ヒール方向に概ね沿うように配向され、ヒール側からトゥ側に向かう方向がx軸正方向である。xyz局所座標系の原点は、グリップエンド51aである。
ゴルフスイングは、一般に、アドレス、トップ、インパクト、フィニッシュの順に進む。アドレスとは、図4(A)に示すとおり、ヘッド53をボール近くに配置した静止状態を意味し、トップとは、図4(B)に示すとおり、アドレスからゴルフクラブ5をテイクバックし、最もヘッド53が振り上げられた状態を意味する。インパクトとは、図4(C)に示すとおり、トップからゴルフクラブ5が振り下ろされ、ヘッド53がボールと衝突した瞬間の状態を意味し、フィニッシュとは、図4(D)に示すとおり、インパクト後、ゴルフクラブ5を前方へ振り抜いた状態を意味する。また、一般に、アドレスの前には、ゴルファー7はワッグル動作を行う。ワッグル動作とは、ゴルファー7がアドレスの位置を決定するために、概ね手71でグリップ51を把持した位置を中心としてヘッド53を回転させるかの如く、ゴルフクラブ5を左右に揺らす動きを言う(図5参照)。本実施形態の説明では、特に断らない限り、ゴルフスイングにはワッグル動作が含まれるものとする。
本実施形態では、加速度センサ41、角速度センサ42及び地磁気センサ43からのセンサデータは、通信装置40を介してリアルタイムに解析装置1に送信される。しかしながら、例えば、慣性センサユニット4内の記憶装置にセンサデータを格納しておき、スイング動作の終了後に当該記憶装置からセンサデータを取り出して、解析装置1に受け渡すようにしてもよい。
<2−1−2.距離画像センサ>
距離画像センサ21は、ゴルファー7がゴルフクラブ5を試打する様子を二次元画像として撮影するとともに、被写体までの距離を測定する測距機能を有するカメラである。従って、距離画像センサ21は、時系列の二次元画像とともに、時系列の深度画像を出力することができる。なお、ここでいう二次元画像とは、撮影空間の像をカメラの光軸に直交する平面内へ投影した画像である。また、深度画像とは、カメラの光軸方向の被写体の奥行きのデータを、二次元画像と略同じ撮像範囲内の画素に割り当てた画像である。本実施形態では、距離画像センサ21は、ゴルファー7を正面側から撮影すべく、ゴルファー7の前方に設置される。
本実施形態で使用される距離画像センサ21は、二次元画像を赤外線画像(以下、IR画像という)として撮影する。また、深度画像は、赤外線を用いたタイムオブフライト方式やドットパターン投影方式等の方法により得られる。従って、図2に示すように、距離画像センサ21は、赤外線を前方に向けて発光するIR発光部21aと、IR発光部21aから照射され、被写体に反射して戻ってきた赤外線を受光するIR受光部21bとを有する。IR受光部21bは、光学系及び撮像素子等を有するカメラである。IR発光部21a及びIR受光部21bは、同じ筐体21f内に収容され、筐体21fの前方に配置されている。
距離画像センサ21には、距離画像センサ21の動作全体を制御するCPU21cの他、撮影されたIR画像及び深度画像の画像データ(計測データ)を少なくとも一時的に記憶するメモリ21dが内蔵されている。距離画像センサ21の動作を制御する制御プログラムは、メモリ21d内に格納されている。また、距離画像センサ21には、通信部21eも内蔵されており、通信部21eは、有線又は無線の通信線17を介して、撮影された画像データを解析装置1等の外部のデバイスへと出力することができる。本実施形態では、CPU21c及びメモリ21dも、IR発光部21a及びIR受光部21bとともに、筐体21f内に収納されている。なお、解析装置1への画像データの受け渡しは、必ずしも通信部21eを介して行う必要はない。例えば、メモリ21dが着脱式であれば、これを筐体21f内から取り外し、解析装置1のリーダー(後述する通信部15に対応)に挿入する等して、解析装置1で画像データを読み出すことができる。
本実施形態では、距離画像センサ21により赤外線撮影が行われ、撮影されたIR画像に基づいて、グリップエンド51aの挙動が解析される。従って、図1及び図3には特に示されないが、距離画像センサ21によるグリップエンド51aの挙動の計測が容易となるように、グリップエンド51aには、赤外線を効率的に反射する反射シートがマーカーとして貼付される。また、シャフト52にも、同様の赤外線の反射シートがマーカーとして貼付される。
<2−2.解析装置>
解析装置1は、ハードウェアとしては汎用のコンピュータであり、例えば、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンとして実現される。図2に示すとおり、解析装置1は、コンピュータで読み取り可能なCD−ROM等の記録媒体30から、或いはインターネット等の通信回線を介して、解析プログラム6を汎用のコンピュータにインストールすることにより製造される。解析プログラム6は、計測装置2から送られてくる計測データに基づいて、スイング中のゴルフクラブ5の挙動を解析するためのソフトウェアであり、解析装置1に後述する動作を実行させる。解析プログラム6は、スイング中のゴルフクラブ5における回転中心Cを推定する機能を有するとともに、ゴルファー7がグリップ51を把持する把持力の強さを推定する機能を有する。
解析装置1は、表示部11、入力部12、記憶部13、制御部14及び通信部15を備える。これらの部11〜15は、互いにバス線16を介して接続されており、相互に通信可能である。表示部11は、液晶ディスプレイ等で構成することができ、ゴルフスイングの解析結果等をユーザに対し表示する。なお、ここでいうユーザとは、ゴルファー7自身やそのインストラクター、ゴルフ用品の販売者や開発者等、ゴルフスイングの解析結果を必要とする者の総称である。入力部12は、マウス、キーボード、タッチパネル等で構成することができ、解析装置1に対するユーザからの操作を受け付ける。
記憶部13は、ハードディスク等で構成することができる。記憶部13内には、解析プログラム6が格納されている他、計測装置2から送られてくる計測データが保存される。制御部14は、CPU、ROMおよびRAM等から構成することができる。制御部14は、記憶部13内の解析プログラム6を読み出して実行することにより、仮想的に取得部14a、解析部14b、中心算出部14c、判定部14d及び表示制御部14eとして動作する。各部14a〜14eの動作の詳細については、後述する。通信部15は、計測装置2等の外部のデバイスとの間でデータを送受信する通信インターフェースとして機能する。
<3.解析方法>
次に、スイング中のゴルフクラブ5の挙動を解析する解析方法について説明する。本実施形態に係る解析モデルでは、ゴルファー7がゴルフクラブ5をスイングするときの、ゴルフクラブ5を把持する把持力の強さが考慮される。以下では、まず、解析処理の基礎となる解析モデルについて説明した後、把持力の強さを判定するアルゴリズムについて説明し、最後に解析処理の流れについて説明する。
<3−1.解析モデル>
本実施形態に係る解析モデルは、有限要素法に従うモデルである。グリップ51及びシャフト52は多段円筒梁要素と仮定され、ヘッド53は剛体と仮定される。図6に示すように、グリップ51及びシャフト52は、長手方向に沿って複数の微小な要素に分割される。本実施形態では、グリップ51が6個の要素に分割され、シャフト52が16個の要素に分割される。また、グリップ51と、シャフト52において最もグリップ51近傍の要素とは、物理領域とされ、残りの領域は、弾性変形領域とされる。
ここで、図7に示すように、グリップエンド51a側から第i番目の要素を、第i要素と呼ぶ(i=1,2,・・・,22)。なお、図7において、実線で示されるゴルフクラブ5は、変形のない剛体としてのゴルフクラブであり、点線で示されるゴルフクラブ5は、慣性力により変形したゴルフクラブである。ここでいう慣性力とは、スイング中にスイング平面内を回転するように移動するゴルフクラブ5に作用する慣性力である。さらに、第i要素のグリップエンド51a側の節点を第i節点と呼び、ヘッド53側の節点を第(i+1)節点と呼ぶ。
また、無変形時のゴルフクラブ5の第i節点を原点とするシャフト座標系を定義する。シャフト座標系は、x、y及びz軸を有し、x軸は、シャフト52の軸方向に平行でグリップエンド51a側からヘッド53側に向かう方向を正とする。y軸は、ヘッド53のトゥ−ヒール方向に概ね平行で、トゥ方向負の向きを正とする。z軸は、フェース面53aの法線方向に概ね平行で、フェース面53aから飛球方向に向かう方向を正方向とする。なお、説明の便宜上、シャフト座標系の三軸も、上述したxyz局所座標系の三軸もx、y、zで表すが、両者はそれぞれに定義した通りの異なる軸である。また、地面に対して固定されており、ゴルフボールの設置位置を原点とする三次元の慣性座標系と、グリップエンド51aを原点とする三次元の物体固定座標系とを定義する。
このとき、数1のように各記号を定義すると、数2の式が成り立つ。なお、本明細書において、記号の右肩につくTは、転置ベクトルを意味する。
また、ゴルフクラブ5の変形により生じる仮想変位は、以下のように表される。
また、d(i)は、以下のとおり定義される。ただし、以下のx,y,zは、それぞれシャフト座標系のx軸、y軸、z軸方向の節点の変位を表し、θxは、x軸回りの捩じり角、θy,θzは、それぞれy軸、z軸回りの撓み角を表す。右下の添え字(i)及び(i+1)は、節点の番号を表す。
以上の式と、ダランベールの原理とにより、下式が成り立つ。なお、本明細書において、記号の上に付くドットは、微分を意味し、2つのドットは、2回微分を意味する。
このとき、数5の式が常に成り立つためには、下式が成り立たなければならない。
また、数6の式の各項は、以下のように得られる。
数6の式に数7の式を代入すると、下式が得られる。
さらに、捩りを考慮し、運動エネルギーから質量マトリクス[M]、ポテンシャルエネルギーから剛性マトリクス[K]を導出すると(「岩壺卓三ら,“振動工学の基礎”,森北出版株式会社,2008年,pp.130−134」及び「小松敬治,“機械構造振動学MATLABによる有限要素法と応答解析”,森北出版株式会社,2009年,pp.38−39」を参照)、第i要素の運動方程式は、以下のとおり表される。
また、数9の式から、グリップ51及びシャフト52全体での運動方程式は、以下のように表される。なお、右下の添え字tは、各マトリクス及びベクトルを全要素で加算していることを表す。
一方、ヘッド53の運動方程式は、以下のとおり表される。
数11及び数12の式中の記号の意味は、以下のとおりである。なお、最終節点とは、最もヘッド53側の節点である。
以上の数10〜12の式より、非減衰系でのゴルフクラブ5の運動方程式は、以下のように表される。なお、0i×jは、全ての要素をゼロとするi行j列である。
ここで、質量マトリクス[Mc]及び剛性マトリクス[Kt]を、以下のように、物理領域及び弾性変形領域に分割する。Mi×jは、[Mc]内のi×j列のマトリクス、Ki×jは、[Kt]内のi×j列のマトリクスである。特に、M90×90及びK90×90は、それぞれ固定端条件の弾性変形領域の質量マトリクス及び剛性マトリクスである。
このとき、減衰マトリクス[Ct]は、以下のように表される(「長松昭男,“モード解析”,培風館,1985年,pp.176−216」を参照)。
ただし、上式中の各記号の意味は、以下のとおりである。
以上の数14及び数18の式より、ゴルフクラブ5の全系の運動方程式として、以下の式が導かれる。
さらに、拘束モード合成法から縮小モードマトリクス[Q]を求めると、数20の式は、以下のように縮小される。
ところで、グリップ51は、ゴルファー7に把持されるが、固定端のように硬く把持されるのではなく、柔軟な手の動きを伴って移動するように把持される。本解析モデルでは、このような柔軟な把持条件を表現するために、図6に示すように、グリップ51をバネモデルにモデル化して、解析が行われる。
具体的には、物理領域の第i要素(i=1,2,・・・,7)に注目する。このとき、グリップ51の変形により蓄えられるポテンシャルエネルギーは、以下のように表される。
ただし、kx,ky,kzは、それぞれシャフト座標系のx、y、z軸方向の変位に対するバネ定数であり、kθxは、シャフト座標系のx軸回りの回転に対する回転バネ定数であり、u,v,wは、それぞれ第i要素に生じるシャフト座標系のx,y,z軸方向の変位であり、Lは、要素長さ、Nx1,Nx2は、形状関数である。上式より、シャフト座標系の各軸方向に働く把持力、及び各軸回りの把持トルクは以下のように表される。
以上より、グリップ51全体の把持力FGは、以下のとおりとなる。
ここで、[KG]は、把持剛性であり、バネ定数kx,ky,kz,kθxを用いて表すことができる。数24の式に基づき、ゴルファー7による把持状態を考慮すると、上述した数21の運動方程式は、以下のとおりとなる。
なお、以上の各式の導出方法及び各記号の意味は、非特許文献1にも記載されているとおりの公知技術である。従って、以上では、各式及び各記号の意味について簡単に説明を行ったが、より理解を深めるためには、非特許文献1を参照することができる。
<3−2.把持力の強さを判定するアルゴリズム>
本発明者らは、以下に説明する実験を行い、使用者が打具を使用するときの打具の挙動を表す時系列データに基づいて、使用者が打具を把持する把持力の強さを判定することが可能であるという知見を得た。
本実験では、ゴルファーにゴルフスイングを行わせた。このとき、上述したゴルフクラブ5のような、グリップエンドに慣性センサが取り付けられたゴルフクラブが使用された。図8Aに、把持力の強いゴルファー(以下、強力ゴルファーという)によるゴルフスイング時に角速度センサから出力された角速度ωzの時系列データの一例を示す。また、図8Bに、強力ゴルファーよりも把持力の弱いゴルファー(以下、弱力ゴルファーという)によるゴルフスイング時に角速度センサから出力された角速度ωzの時系列データの一例を示す。把持力の強弱は、グリップに圧力センサが取り付けられたゴルフクラブをゴルファーに把持させてスイングさせ、このときの圧力の値を測定することにより判断され得るが、目視でも凡その判断が可能である。図8A及び図8Bの横軸のゼロは、インパクトのタイミングを表している。
本発明者らは、強力ゴルファー及び弱力ゴルファーによるゴルフスイング時のゴルフクラブの動きを表す時系列データを多数蓄積してゆく中で、このようなスイングデータには、ゴルファーの把持力の強弱に応じて特有の波形が出現することを発見した。より具体的には、図8Aに示すように、強力ゴルファーによりスイングされたゴルフクラブの動きを表す波形は比較的滑らかであるのに対し、弱力ゴルファーによる同様の波形には小刻みの山が観測された。すなわち、弱力ゴルファーの波形には、強力ゴルファーの波形よりも高周波成分が多く含まれるという知見を得た。
以上の知見をより正確に確認するべく、周波数分析を行った。図9A及び図9Bは、それぞれ図8A及び図8Bの時系列データをバンドパスフィルタ(5〜20Hzの帯域を抽出するもの)に通した後、周波数解析した周波数スペクトルのグラフである。同図からは、弱力ゴルファーの周波数スペクトルには7〜10Hz付近にピークが出現するが、強力ゴルファーの周波数スペクトルにはそのようなピークは出現しない。
以上の実験から、スイング時のゴルフクラブの動きを表す時系列データに含まれる周波数成分の大きさは、ゴルフクラブを把持する把持力の強さに応じて変化することが分かった。従って、スイング時のゴルフクラブの動きを表す時系列データを取得し、これに含まれる所定の周波数成分の大きさを特定すれば、把持力の強さを判定することができるという知見を得た。これは、ゴルファーの把持力の強さに応じて、打具の振動の特性が変化するからであると考えられる。
なお、図10A及び図10Bは、同一ゴルファーに意図的に把持力を変化させてゴルフスイングを行わせたときの結果を示しており、図10Aが意図的に強く把持させた場合を、図10Bが意図的に弱く把持させた場合を示している。この実験の場合も、把持力が弱い場合の角速度ωzの周波数スペクトルには、7〜10Hz付近に大きなピークが存在するが、把持力が強い場合の角速度ωzの周波数スペクトルには、同様の大きなピークは存在しない。よって、以上の知見の確からしさがさらに確認された。
また、図8A及び図8Bに戻ると、主としてインパクト−2秒からインパクト−0.5秒の期間に高周波成分が確認される。この期間は、アドレスからトップまでのバックスイングの期間に相当する。すなわち、バックスイング中のようにゴルフフクラブを振り上げるときは、トップ以後のゴルフクラブを振り下ろすときに比べて、比較的ゆっくりとゴルフクラブが運動しているため、ゴルファーの把持力が小さいことの影響がより顕著に表れるためと考えられる。また、動きが速いときには、把持力が大きくなり易くなるため、ゆっくりの挙動の方が、ゴルファー間の差分が出やすい。よって、打具の動きが比較的ゆっくりとなる期間のデータに注目すれば、より正確な解析が可能になると考えられる。
<3−3.解析処理の流れ>
解析処理は、図11に示すフローチャートに従って進行する。まず、ステップS1では、ゴルファー7により上述の慣性センサユニット4付きゴルフクラブ5がスイングされ、ゴルファー7が把持しているゴルフクラブ5に回転を含む運動が与えられる。このとき、ゴルフクラブ5のスイング中の挙動が、計測装置2により計測される。より具体的には、慣性センサユニット4により、グリップエンド51aのxyz局所座標系における3軸方向の加速度ax,ay,az、角速度ωx,ωy,ωz及び地磁気mx,my,m zに関するセンサデータ(計測データ)が取得され、通信装置40を介して解析装置1に送信される。一方、解析装置1側では、取得部14aが通信部15を介してこれを受信し、記憶部13内に格納する。本実施形態では、少なくともワッグル動作の期間、及びその後のアドレスからフィニッシュまでの期間の時系列のセンサデータが収集される。
また、ステップS1では、慣性センサユニット4による計測と同時に、距離画像センサ21により、ゴルファー7の正面側からゴルフクラブ5がスイングされる様子を捉えた画像データ(計測データ)が取得され、通信部21eを介して解析装置1に送信される。一方、解析装置1側では、取得部14aが通信部15を介してこれを受信し、記憶部13内に格納する。本実施形態では、少なくともワッグル動作の期間、及びその後のアドレスからフィニッシュまでの期間の時系列の画像データが収集される。なお、ここでいう画像データには、IR画像及び深度画像を含む2系統の画像データが含まれる。
続くステップS2では、解析部14bが、記憶部23内に格納されている計測データに基づいて、アドレス、トップ及びインパクトの時刻ta,tt,tiを導出する。なお、以上のような計測データ(特に、センサデータ)に基づくアドレス、トップ及びインパクトの時刻ta,tt,tiの算出のアルゴリズムとしては、様々なものが公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
続くステップS3では、中心算出部14cは、ステップS2により導出されたアドレスの時刻を参照して、記憶部23内に格納されている計測データの中から、アドレスの前に行われるワッグル動作時のセンサデータ(以下、ワッグルデータという)を抽出する。ワッグルデータは、ゴルファー7がワッグル動作を行っているときにゴルフクラブ5に与えられる運動を表すデータである。
ステップS4では、中心算出部14cは、ワッグルデータに基づいて、ゴルフスイング中のゴルフクラブ5における真の回転中心Cを算出する。以下、図5を参照しつつ、回転中心Cを算出するアルゴリズムについて説明する。
ゴルフスイング時、ゴルファー7は手71でグリップ51を把持して、ゴルフクラブ5に回転を含む運動を与える。図5に示すとおり、ワッグル動作時のゴルフクラブ5の運動は、主として回転中心C周りの回転運動となり、並進成分は殆ど発生しない。なお、回転中心Cは、ゴルファー7がまさに手71で把持しているグリップ51上の把持位置の近傍に位置する。そして、ワッグル動作中、ゴルフクラブ5の動きは、回転中心Cにおいて最小化される。従って、本実施形態では、ゴルフクラブ5において動きが最小化される位置、より具体的には、ゴルフクラブ5において加速度の大きさがゼロとなる位置が、回転中心Cの位置として算出される。
ここで、xyz局所座標系におけるゴルフクラブ5上の任意の点の座標をhと表す。なお、xyz局所座標系のz軸は、ゴルフクラブ5の長手方向に沿って定義されるため、h=(0,0,hz)と表すことができる。また、hは、xyz局所座標系の原点であるグリップエンド51aに対する相対位置を表しており、そのz成分のhzの大きさは、グリップエンド51aから回転中心Cまでの距離を表している。このとき、ゴルフクラブ5上の座標hの点の加速度は、以下の式に従って表される。ただし、as=(ax,ay,az)、ωs=(ωx,ωy,ωz)であり、[G]は、xyz局所座標系から慣性座標系への座標変換行列である。また、チルダは、テンソルを表す。
そして、数26の加速度の大きさが最小化される、すなわち、ゼロとなるのは、以下の式が成り立つときである。
中心算出部14cは、数27の式に、ワッグルデータに含まれる加速度as及び角速度ωsの値を代入することにより、hを算出する。なお、hは、1つのタイミングにおける加速度as及び角速度ωsのデータセットがあれば算出可能である。しかしながら、本実施形態では、精度を向上させる観点から、ワッグル動作中の複数のタイミングでの加速度as及び角速度ωsのデータセットに対してhを算出し、これらが平均される。或いは、数27の左辺の式をワッグル動作の期間で積分し、これが0となるようなhを算出してもよい。
ゴルフスイングは、並進運動及び回転運動が複雑に組み合わされて構成される。本実施形態では、並進運動の影響が小さく、主として回転運動を含む運動時のデータに着目することにより、並進運動及び回転運動を分離し、回転運動の回転中心Cを精度よく導出することができる。
続くステップS5では、解析部14bは、回転中心Cに基づいて、記憶部23内に格納されている計測データを補正する。本実施形態において補正の対象となる計測データは、アドレスからフィニッシュまでの加速度ax,ay,azのセンサデータである。慣性センサユニット4により計測されるグリップエンド51aにおける加速度ax,ay,azには、慣性センサユニット4の位置が回転中心Cから距離hzだけオフセットしているため、回転中心C周りの回転成分が含まれる。この回転成分は、回転中心C周りの回転に伴って慣性センサユニット4の位置に発生する角速度及び角加速度の影響による加速度である。解析部14bは、回転中心Cに基づいてこの回転成分(数27の左辺の第2項)を算出し、これをasから除去することにより、グリップエンド51aにおける補正後の加速度as’=(ax’,ay’,az’)のデータを算出する。以下では、ステップS5でのグリップエンド51aにおける補正後の計測データ、センサデータも、単に計測データ、センサデータということがある。
図12は、本発明者らが実際に行ったシミュレーションにより導出されたグリップエンドの軌跡のグラフである。より具体的には、xyz局所座標系での加速度の時系列データを慣性座標系での値に変換した後、変換後の加速度の時系列データを2回積分することにより、ゴルフスイング中のグリップエンドの位置を表す時系列データを算出した。図12中の「補正前」のグラフは、ステップS5の補正を行わず、加速度as及び角速度ωsの時系列データから導出されたグリップエンドの軌跡のグラフであり、「補正後」のグラフは、ステップS5の補正後の加速度as’及び角速度ωsの時系列データから導出されたグリップエンドの軌跡のグラフである。なお、補正後のグラフを算出するに当たり、回転中心Cを計算したところ、hz=19.15cmとなった。これらのグラフを比較すると分かるように、補正前のグラフはギザギザしており、同グラフには角速度及び角加速度によるものと思われるノイズが確認されるが、補正後のグラフからはこのようなノイズが除去されていることが分かる。
続くステップS6では、解析部14bが、ステップS5で補正された計測データに基づいて、スイング中の各時刻におけるグリップ51の姿勢を算出する。グリップ51の姿勢は、地面に対して固定されている上述した慣性座標系の中での上述した物体固定座標系の向きにより表すことができる。従って、本実施形態では、グリップ51の姿勢として、慣性座標系を物体固定座標系に変換するための姿勢行列である上述の行列[S]が導出される。
姿勢行列[S]の9つの成分の意味は、以下のとおりである。
成分c1:慣性座標系の第1軸と、物体固定座標系の第1軸とのなす角度の余弦
成分c2:慣性座標系の第2軸と、物体固定座標系の第1軸とのなす角度の余弦
成分c3:慣性座標系の第3軸と、物体固定座標系の第1軸とのなす角度の余弦
成分c4:慣性座標系の第1軸と、物体固定座標系の第2軸とのなす角度の余弦
成分c5:慣性座標系の第2軸と、物体固定座標系の第2軸とのなす角度の余弦
成分c6:慣性座標系の第3軸と、物体固定座標系の第2軸とのなす角度の余弦
成分c7:慣性座標系の第1軸と、物体固定座標系の第3軸とのなす角度の余弦
成分c8:慣性座標系の第2軸と、物体固定座標系の第3軸とのなす角度の余弦
成分c9:慣性座標系の第3軸と、物体固定座標系の第3軸とのなす角度の余弦
ここで、ベクトル(c1,c2,c3)は、物体固定座標系の第1軸方向の単位ベクトルを表し、ベクトル(c4,c5,c6)は、物体固定座標系の第2軸方向の単位ベクトルを表し、ベクトル(c7,c8,c9)は、物体固定座標系の第3軸方向の単位ベクトルを表している。
ステップS6では、姿勢行列[S]は、少なくともアドレスからインパクトまでの期間において時系列に算出される。また、姿勢行列[S]は、時系列の加速度、角速度及び地磁気のデータを含むセンサデータに基づいて算出される。なお、このようなセンサデータに基づいて、グリップの姿勢を表す姿勢行列[S]を導出する方法は、様々知られているため、ここでは詳細な説明を省略するが、必要であれば、同出願人らによる特開2016−2429号公報や特開2016−2430号公報等に記載の方法に従うことができる。また、地磁気のデータを用いずに、センサデータのうち加速度及び角速度のデータのみを用いて姿勢行列[S]を導出することもできるが、このような方法も様々知られているため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、本実施形態では、慣性センサユニット4のxyz局所座標系は、上述した物体固定座標系に一致するように設定されているものとする。ただし、両座標系は一致していなくてもよく、その場合には、両座標系を変換するための変換行列を予め決定して記憶部13に保持しておき、適宜変換すればよい。従って、xyz局所座標系と物体固定座標系が相違していたとしても、両座標系は実質的に等価である。
以上のとおり、センサデータのみからでも姿勢行列[S]を算出可能であるが、さらに解析の精度を向上させるべく、ステップS1で取得された画像データも参照して、姿勢行列[S]を算出することもできる。具体的には、取得部14aは、ステップS1で取得された時系列のIR画像を画像処理することにより、マーカーの付されたグリップエンド51aやシャフト52等の注目点の慣性座標系における二次元座標を導出する。続いて、ステップS1で取得された時系列の深度画像から、注目点の奥行の座標を特定する。これにより、注目点の慣性座標系における三次元座標が時系列に導出される。そして、解析部14bは、注目点のこのような位置情報に加え、センサデータに含まれる各種情報を用いて、最適化された姿勢行列[S]を導出することができる。例えば、ゴルフクラブ5の注目点の位置情報及びセンサデータに含まれる各種情報を用いて所定の目的関数を定義し、これを最小化又は最大化するような最適解として、姿勢行列[S]を導出することができる。
続くステップS7では、解析部14bは、ステップS5で補正された計測データに基づいて、スイング中の各時刻におけるグリップエンド51aの物体固定座標系における加速度、並びにグリップ51の物体固定座標系における角速度及び角加速度を算出する。具体的には、グリップエンド51aの物体固定座標系における加速度は、ステップS5で補正された加速度センサ41の出力値から重力成分をキャンセルすることにより導出される。グリップ51の物体固定座標系における角速度は、角速度センサ42の出力値に一致する。グリップ51の物体固定座標系における角加速度は、角速度センサ42の出力値を微分することにより算出される。グリップエンド51aの物体固定座標系における加速度、並びにグリップ51の物体固定座標系における角速度及び角加速度の値も、少なくともアドレスからインパクトまでの期間において時系列に算出される。
以上のとおり、センサデータのみからでも、グリップエンド51aの物体固定座標系における加速度、並びにグリップ51の物体固定座標系における角速度及び角加速度の値を算出可能であるが、さらに解析の精度を向上させるべく、姿勢行列[S]の場合と同様に、ステップS1で取得された画像データも参照して最適解を導出することもできる。
また、ステップS7では、解析部14bは、ステップS5で補正された計測データに基づいて、スイング中の各時刻におけるグリップエンド51aの慣性座標系における三次元座標を導出する。具体的には、解析部14bは、グリップエンド51aの物体固定座標系における加速度を姿勢行列[S]を用いて慣性座標系の値に変換し、変換後の加速度を2回積分することにより、グリップエンド51aの慣性座標系における三次元座標を時系列に算出する。すなわち、グリップエンド51aの軌道が算出される。また、グリップエンド51aの軌道は、上述のとおり、ステップS1で取得された画像データに基づいて算出することもできる。
続くステップS8では、解析部14bは、ステップS6,S7で算出された姿勢行列[S]、グリップエンド51aの加速度、並びにグリップ51の角速度及び角加速度を数16の式に入力することにより、スイング中の各時刻における慣性力Fcを算出する。慣性力Fcは、少なくともアドレスからインパクトまでの期間において時系列に算出される。
続くステップS9では、判定部14dは、記憶部23内に格納されている計測データ(本実施形態では、ωzのセンサデータ)に、所定の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタを適用する。ここでいう所定の周波数成分とは、ゴルファー7の把持力の強さに関する特徴が顕著に出現する所定の周波数帯域における波の成分であり、本実施形態では、把持力が弱い場合の特徴が顕著に現れる5〜20Hzの帯域における波の成分である。なお、参考のため、図8Bには、5〜20Hzの周波数成分を通過させるバンドパスフィルタの適用後の波形が破線で示されている。
続くステップS10では、判定部14dは、ステップS9のバンドパスフィルタの通過後の計測データ(本実施形態では、ωzのセンサデータ)から、バックスイング時のゴルフクラブ5(より正確には、グリップエンド51a)の動きを表す時系列データを抽出する。上述した実験の結果から分かるように、ゴルファー7の把持力の弱い場合には、バックスイング時の時系列データに高周波成分の波形が顕著に出現する。従って、ステップS10においてバックスイング時の時系列データを切り出すことにより、以後の分析において把持力の強さをより正確に判定することができる。なお、バックスイングとは、アドレスからトップまでの動きを言うが、バックスイング時の時系列データとしては、アドレスの少し前又は少し後からトップの少し前又は少し後までの時系列データが抽出されてもよい。なお、ステップS9とステップS10の実行順を反対にする、すなわち、バックスイング時のセンサデータを抽出した後、バンドパスフィルタに通すこともできる。
続くステップS11では、判定部14dは、ステップS10で抽出された時系列データを周波数解析する。より具体的には、ステップS10で抽出された時系列データを高速フーリエ変換し、周波数スペクトルを導出する。そして、この周波数スペクトルを積分することにより、ステップS10で抽出された時系列データに含まれる所定の周波数成分の大きさDを特定する。なお、ステップS9を経ていることにより、ここでの積分値は、ステップS9でいう所定の周波数帯域における波の成分の大きさを表す値となる。
続くステップS12では、判定部14dは、ステップS11で特定された所定の周波数成分の大きさDに応じて、ゴルファーの把持力の強さを判定する。より具体的には、ステップS9でいう所定の周波数帯域は、把持力の強弱の差が顕著に現れる傾向にある7〜10Hzを含むため、大きさD(積分値)は、把持力の強弱を的確に表すことができる。従って、所定の周波数成分の大きさDを所定の閾値と比較し、Dが所定の閾値以下であれば、把持力が強いと判定し、所定の閾値よりも大きければ、把持力が弱いと判定する。ここで使用される閾値は、多数の実験を通して予め定められ、記憶部23内に格納されているものとする。
続くステップS13では、解析部14bは、ステップS8で算出された慣性力Fcを数25の式に入力することにより、スイング中の各時刻における、グリップ51及びシャフト52の撓みによる変形量dtを算出する。また、このとき、解析部14bは、ステップS12での把持力の強さに応じて、ゴルファー7によるグリップ51の把持条件を表すバネ定数kx,ky,kz,kθxを決定する。そして、解析部14bは、これらのバネ定数に基づいて決定される把持剛性[KG]を、数25の式に代入する。本実施形態では、把持力が強い、すなわち、より硬い把持状態と、把持力が弱い、すなわち、より柔軟な把持状態とに対応するバネ定数kx,ky,kz,kθxがそれぞれ予め定められており、ステップS12の結果に従って、適切なバネ定数kx,ky,kz,kθxが選択される。変形量dtは、少なくともアドレスからインパクトまでの期間において時系列に算出される。
続くステップS14では、解析部14bは、ステップS13で算出された変形量dtに基づいて、ヘッド53の挙動を導出する。本実施形態では、ヘッド53の挙動としては、スイング中の各時刻におけるヘッド53の重心の位置、並びにインパクト直前のヘッド53の速度(以下、ヘッド速度という)、フェース角、進入角及びブロー角が算出される。ヘッド53の重心の位置は、少なくともアドレスからインパクトまでの期間において時系列に算出される。すなわち、スイング中のヘッド53の重心の軌道が算出される。
ステップS14の実行時においては、これまでのステップにより、スイング中の各時刻におけるゴルフクラブ5の各節点における変形量dt等が導出されている。従って、解析部14bは、この情報に基づいて、スイング中の各時刻におけるシャフト52上の最終節点の挙動を導出する。そして、この時系列の最終節点の挙動、並びにヘッド53の形状のデータから、スイング中の各時刻におけるヘッド53の様々な注目点(ヘッド53の重心を含む)の位置を算出する。ヘッド53の形状のデータとは、例えば、ヘッド53の設計時のCADデータであり、記憶部13内に予め記憶されているものとする。そして、解析部14bは、これらの時系列のヘッド53の様々な注目点の位置に基づいて、上述したようなヘッド53の挙動を導出する。
続くステップS15では、表示制御部14eは、以上の解析結果を表示部11上に表示する。ここでいう解析結果とは、例えば、スイング中の各時刻におけるグリップエンド51aの慣性座標系での位置、グリップ51の姿勢、及びシャフト52の各節点における変形量dt、並びにステップS14で導出されたヘッド53の挙動の情報である。また、解析結果として、後述する図13A及び図13Bに示されるような、変形を考慮したスイング中のゴルフクラブ5の軌道をGUI表示することもできる。
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<4−1>
上記実施形態では、スイング中のゴルフクラブ5の挙動が解析されたが、上述のアルゴリズムは、テニスラケット、ベースボールバット等、その他のスポーツ用の打具の解析にも適用することもできるし、非スポーツ用途の打具の解析にも適用することができる。
<4−2>
計測装置2により挙動が計測される対象は、グリップエンド51aに限られず、例えば、グリップ51の他の部位であってもよいし、シャフト52であってもよい。シャフト52の場合、シャフト52におけるグリップ51近傍の部位の挙動を計測することが好ましい。例えば、慣性センサユニット4をシャフト52に取り付けることもできる。本発明の原理によれば、ゴルフクラブ5の様々な部位の挙動を計測装置2により計測し、解析装置1により当該計測データに基づいてゴルフクラブ5の変形を解析し、当該解析結果に基づいてゴルフクラブ5の別の様々な部位の挙動を解析することができる。
<4−3>
上記実施形態では、慣性センサユニット4により、回転中心Cを算出するための計測データ(以下、第1解析データという)が取得された。しかしながら、この例に限られず、例えば、計測装置2を1台又は複数台のカメラ(距離画像センサ3であってもよいし、他のカメラであってもよい)により構成し、このようなカメラにより打具の動きを撮影してもよい。この場合、取得部14aは、計測装置2から出力される画像の時系列データ(すなわち、動画データ)を画像処理することにより、第1解析データとして、例えばグリップエンドの位置、速度、加速度、角速度、角加速度等のデータを取得することができる。また、慣性センサユニット4とカメラとを組み合わせることにより、第1解析データを取得することもできる。
<4−4>
上記実施形態では、第1解析データは、ワッグルデータとされたが、これに限られない。例えば、ゴルファー7にゴルフクラブ5を把持させ、並進運動を与えず、回転運動のみを与えることを意識させながらゴルフクラブをスイングさせる。このときのセンサデータは、第1解析データとして好ましく使用することができる。
<4−5>
上記実施形態では、慣性センサユニット4により、ゴルファー7の把持状態を解析するための計測データ(以下、第2解析データという)である、打具の動きを表す時系列データが取得された。しかしながら、この例に限られず、例えば、計測装置2を1台又は複数台のカメラ(距離画像センサ3であってもよいし、他のカメラであってもよい)により構成し、このようなカメラにより打具の動きを撮影してもよい。この場合、取得部14aは、計測装置2から出力される画像の時系列データ(すなわち、動画データ)を画像処理することにより、第2解析データとして、例えばグリップエンドの位置、加速度、角速度等のデータを取得することができる。また、慣性センサユニット4とカメラとを組み合わせることにより、解析データを取得することもできる。
また、慣性センサユニット4から第2解析データを取得する場合においても、角速度ωzに代えて又は加えて、角速度ωx,ωyや加速度ax,ay,az、地磁気mx,my,mz等のデータを第2解析データとすることもできる。
<4−6>
上記実施形態では、所定の周波数成分の大きさDが、周波数スペクトルを所定の周波数帯域において積分することにより特定された。しかしながら、所定の周波数成分の大きさDを、所定の周波数帯におけるスペクトルパワーの最大値としてもよいし、特定の周波数のスペクトルパワーの値としてもよい。
また、これに代えて又は加えて、上記実施形態では、第2解析データをバンドパスフィルタに通すことにより、所定の周波数成分の大きさDが特定された。しかしながら、バンドパスフィルタに通すことなく第2解析データを周波数解析した後、その結果から所定の周波数成分の大きさDを特定してもよい。
<4−7>
上記実施形態では、所定の周波数成分の大きさDが、周波数解析を行うことにより特定された。しかしながら、注目している所定の周波数成分又は所定の周波数成分以外の成分を通過させるバンドパスフィルタに第2解析データを通した後、これを元の第2解析データの波と比較し、元の波とバンドパスフィルタ通過後の波の変化の度合いを、所定の周波数成分の大きさDとすることもできる。
<4−8>
上記実施形態のステップS5では、加速度ax,ay,azのデータが補正されたが、勿論、これに代えて又は加えて、角速度ωx,ωy,ωzのデータを補正することもできる。
<4−9>
上記実施形態では、把持力の強さが、強い又は弱いの2段階で現わされたが、3段階以上で判定することもできるし、数値で判定することもできる。
<参考例>
ゴルフクラブの適当な場所に複数のマーカーを取り付け、モーションキャプチャシステムによりスイング中のマーカーの軌道を計測した。また、ヘッドの適当な場所に複数のマーカーを貼付し、モーションキャプチャシステムによりスイング中のこれらのマーカーの軌道を計測した。ここでいうモーションキャプチャシステムは、高精度な三次元計測を可能にする多数のカメラからなるシステムとした。そして、以上のマーカーの軌道から、スイング中のグリップ及びシャフトの軌道、並びにインパクト直前のヘッド速度、フェース角、進入角及びブロー角を算出した。また、以上のマーカーの軌道とCADデータとから、スイング中のヘッドの軌道を算出した。
<実施例>
上記実施形態に記載した方法と同様の方法により、スイング中の回転中心C及びゴルファーの把持力の強さを算出し、これらに基づいてグリップ及びシャフトの各節点の軌道を算出した。また、上記実施形態に記載した方法と同様の方法により、スイング中の各時刻におけるヘッドの重心の位置、並びにインパクト直前のヘッド速度、フェース角、進入角及びブロー角を算出した。
<検証>
図13Aは、参考例及び実施例に係るゴルフクラブ(及びゴルファーの腕)の軌道をゴルファーの正面側から視た様子を示しており、図13Bは、同軌道を右側から視た様子を示している。これらのグラフからは、実施例の軌道が、マーカーを用いて注目点の位置を直接的に計測する参考例の軌道に近似していることが分かる。よって、実施例に係る方法の精度の高さが確認された。ところで、通常、グリップの計測データに基づいてシャフトの先端の軌道を導出する場合、特にインパクト付近において誤差が出やすい。しかしながら、本実施例によれば、図13Bに円で囲んだ通り、インパクト付近のシャフトの先端においても、誤差が殆ど見られない。なお、このときのゴルファーは、把持力の強いゴルファーであり、回転中心Cは、グリップエンドから約19cmと算出された。
また、図14A〜図14Dは、それぞれ、参考例及び実施例に係るインパクト直前のヘッド速度、フェース角、進入角及びブロー角の相関を示すグラフである。同図からも分かるとおり、参考例に対する実施例の誤差は、ヘッド速度について±1.5m/s程度、フェース角及び進入角について±1.5deg程度、ブロー角について±1.5deg程度であり、非常に小さかった。この結果からも、実施例及び参考例に係る結果が近似しており、実施例に係る方法の精度の高さが確認された。
1 解析装置
14a 取得部
14b 解析部
14c 中心算出部
14d 判定部
2 計測装置
4 慣性センサユニット
5 ゴルフクラブ(打具)
51 グリップ
51a グリップエンド(第1部位)
52 シャフト
53 ヘッド(第2部位)
6 解析プログラム
C 回転中心
c,F(i) 慣性力
t,d(i) 変形量

Claims (14)

  1. スイング中に変形する性質を有する打具の挙動を解析する解析装置であって、
    前記打具に含まれる第1部位のスイング中の挙動を計測した計測データを取得する取得部と、
    前記計測データに基づいて、スイング中の前記打具における回転中心を算出する中心算出部と、
    前記計測データ及び前記回転中心に基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析する解析部と
    を備える、解析装置。
  2. 前記解析部は、前記回転中心に基づいて、前記計測データを補正し、前記補正後の計測データに基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析する、
    請求項1に記載の解析装置。
  3. 前記取得部は、第1のタイミングでの前記計測データである第1計測データを取得するとともに、第2のタイミングでの前記計測データである第2計測データを取得し、
    前記中心算出部は、前記第1計測データに基づいて、前記回転中心を算出し、
    前記解析部は、前記第2計測データ及び前記回転中心に基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析する、
    請求項1又は2に記載の解析装置。
  4. 前記中心算出部は、前記計測データに含まれるデータであって、前記打具の使用者がワッグル動作を行ったときの前記第1部位の挙動を計測したデータ、及び、前記打具の使用者が前記打具に並進運動を与えず、回転運動のみを与えることを意図して前記打具を操作したときの前記第1部位の挙動を計測したデータの少なくとも一方のデータに基づいて、前記回転中心を算出する、
    請求項1から3のいずれかに記載の解析装置。
  5. 前記中心算出部は、前記計測データに基づいて、前記打具において動きが最小化される位置を前記回転中心として算出する、
    請求項1から4のいずれかに記載の解析装置。
  6. 前記計測データに基づいて、前記打具の使用者が前記打具を把持する把持力の強さを判定する判定部
    をさらに備え、
    前記解析部は、前記把持力の強さにさらに基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析する、
    請求項1から5のいずれかに記載の解析装置。
  7. 前記判定部は、前記計測データに含まれる所定の周波数成分の大きさを特定し、前記所定の周波数成分の大きさに応じて、前記把持力の強さを判定する、
    請求項6に記載の解析装置。
  8. 前記取得部は、前記計測データとして、前記第1部位に取り付けられた慣性センサにより計測されたデータを取得する、
    請求項1から7のいずれかに記載の解析装置。
  9. 前記解析部は、前記打具の変形に基づいて、前記打具に含まれる前記第1部位とは異なる第2部位の挙動を導出する、
    請求項1から8のいずれかに記載の解析装置。
  10. 前記打具は、ゴルフクラブであり、前記第1部位は、グリップ又はシャフトであり、前記第2部位は、ヘッドである、
    請求項9に記載の解析装置。
  11. 前記打具は、ゴルフクラブである、
    請求項1から9のいずれかに記載の解析装置。
  12. 前記解析部は、前記計測データに基づいて、前記打具に作用する慣性力を算出し、前記慣性力に基づいて、有限要素法モデルにより前記打具の変形量を算出する、
    請求項1から11のいずれかに記載の解析装置。
  13. スイング中に変形する性質を有する打具の挙動を解析する解析プログラムであって、
    前記打具に含まれる第1部位のスイング中の挙動を計測した計測データを取得するステップと、
    前記計測データに基づいて、スイング中の前記打具における回転中心を算出するステップと、
    前記計測データ及び前記回転中心に基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析するステップと
    をコンピュータに実行させる、
    解析プログラム。
  14. スイング中に変形する性質を有する打具の挙動を解析する解析方法であって、
    前記打具に含まれる第1部位のスイング中の挙動を計測した計測データを取得するステップと、
    前記計測データに基づいて、スイング中の前記打具における回転中心を算出するステップと、
    前記計測データ及び前記回転中心に基づいて、スイング中の前記打具の変形を解析するステップと
    を含む、解析方法。
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