JP6488126B2 - ゴルフクラブのフィッティング装置、方法及びプログラム - Google Patents
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Description
(1)前記ゴルファーによるテストクラブのスイング動作を計測機器により計測するステップ。
(2)前記計測機器による計測値に基づいて、前記スイング動作時に前記ゴルファーにより発揮されるエネルギー又はトルクを表す指標、或いはこれらと相関のある指標を算出するステップ。
(3)前記指標の大きさに応じて、前記最適クラブ重量を決定するステップ。
(4)前記最適クラブ重量に合致する複数本のゴルフクラブの中から、スイング慣性モーメントが小さく、グリップエンド慣性モーメントの大きいゴルフクラブを特定するステップ。
(1)前記ゴルファーによるテストクラブのスイング動作を計測機器により計測した計測値を取得するステップ。
(2)前記計測機器による計測値に基づいて、前記スイング動作時に前記ゴルファーにより発揮されるエネルギー又はトルクを表す指標、或いはこれらと相関のある指標を算出するステップ。
(3)前記指標の大きさに応じて、前記最適クラブ重量を決定するステップ。
(4)前記最適クラブ重量に合致する複数本のゴルフクラブの中から、スイング慣性モーメントが小さく、グリップエンド慣性モーメントの大きいゴルフクラブを特定するステップ。
図1及び図2に、本実施形態に係るフィッティング装置2を備えるフィッティングシステム100の全体構成を示す。フィッティング装置2は、ゴルファー7によるゴルフクラブ4のスイング動作を計測した計測データに基づいて、ゴルフクラブ4のスイング動作を解析する装置である。本実施形態では、フィッティング装置2は、ゴルフクラブ4のフィッティングを支援する用途で使用される。スイング動作の計測は、ゴルフクラブ4のグリップ42に取り付けられたセンサユニット1(計測機器)により行われ、フィッティング装置2は、このセンサユニット1とともに、フィッティングシステム100を構成する。
センサユニット1は、図1及び図3に示すとおり、ゴルフクラブ4のグリップ42におけるヘッド41と反対側の端部に取り付けられており、グリップ42の挙動を計測する。なお、ゴルフクラブ4は、一般的なゴルフクラブであり、シャフト40と、シャフト40の一端に設けられたヘッド41と、シャフト40の他端に設けられたグリップ42とから構成される。センサユニット1は、スイング動作の妨げとならないよう、小型且つ軽量に構成されている。図2に示すように、本実施形態に係るセンサユニット1には、加速度センサ11、角速度センサ12及び地磁気センサ13が搭載されている。また、センサユニット1には、これらのセンサ11〜13による計測データを外部のフィッティング装置2に送信するための通信装置10も搭載されている。なお、本実施形態では、通信装置10は、スイング動作の妨げにならないように無線式であるが、ケーブルを介して有線式にフィッティング装置2に接続するようにしてもよい。
図2を参照しつつ、フィッティング装置2の構成について説明する。フィッティング装置2は、CD−ROM、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体20に格納された本実施形態に係るフィッティングプログラム3を、当該記録媒体20から汎用のパーソナルコンピュータにインストールすることにより製造される。フィッティングプログラム3は、センサユニット1から送られてくる計測データに基づいてスイング動作を解析し、ゴルファー7に適したゴルフクラブを選択するのを支援する情報を出力するためのソフトウェアである。フィッティングプログラム3は、フィッティング装置2に後述する動作を実行させる。
続いて、フィッティングシステム100による、ゴルフクラブ4のフィッティングのためのスイング動作の解析処理について説明する。本実施形態に係る解析処理は、以下の7つの工程から構成されている。
(1)xyz局所座標系でのグリップ加速度ax,ay,az、グリップ角速度ωx,ωy,ωz及びグリップ地磁気mx,my,mzの計測データを計測する計測工程
(2)計測工程で得られたxyz局所座標系での計測データを、XYZ全体座標系でのグリップ加速度aX,aY,aZ及びグリップ角速度ωX,ωY,ωZに変換する第1変換工程(第1変換工程では、XYZ全体座標系でのグリップ速度vX,vY,vZも導出される。)
(3)XYZ全体座標系でのグリップ42の挙動(グリップ角速度ωX,ωY,ωZ及びグリップ速度vX,vY,vZ)を、スイング平面P(後述する)内でのグリップ42の挙動へと変換する第2変換工程
(4)スイング平面P内でのグリップ42の挙動に基づいて、スイング平面P内でのゴルファー7の疑似的な肩の挙動を導出する肩挙動導出工程
(5)グリップ42の挙動及び疑似的な肩の挙動に基づいて、最適クラブ重量を決定するための仕様となる重量指標(本実施形態では、ゴルファー7により発揮される平均肩トルクTAVE、腕エネルギーEAVE及びヘッド速度Vhに関する3つの指標)を算出する指標算出工程
(6)重量指標に基づいて、最適クラブ重量を決定する最適総重量決定工程
(7)ゴルファー7に適したシャフト40の重量(以下、最適シャフト重量)及び曲げ剛性(以下、最適曲げ剛性)を算出する最適シャフト決定工程
(8)最適総重量決定工程で特定された最適クラブ重量に合致するとともに、最適シャフト決定工程で算出された最適シャフト重量及び最適曲げ剛性に合致する複数本のゴルフクラブの中から、特にヘッド速度を高めることができるゴルフクラブを特定する最適クラブ特定工程
以下、これらの工程を順に説明する。
計測工程では、ゴルファー7により、上述のセンサユニット1付きゴルフクラブ4がスイングされる。計測工程でスイングされるゴルフクラブ4は、2本のテストクラブのうちの1本である。ただし、詳細は後述されるが、最初に選択されたテストクラブがゴルファー7に適していないと判断される場合には、続けてもう一本のゴルフクラブもスイングされる。これらのテストクラブは、異なる種類のゴルフクラブであり、本実施形態では、1本はプロ仕様のゴルフクラブ(以下、プロモデルクラブ)であり、もう1本はアベレージユーザーに適したゴルフクラブ(以下、アベレージモデルクラブ)である。また、本実施形態では、プロモデルクラブは、アベレージモデルクラブよりも重量が大きい。計測工程でいずれのテストクラブがスイングされるかは、ゴルファー7の好みや経験等に基づいて、決定される。
ンサユニット1により計測される。この計測データは、センサユニット1の通信装置10を介してフィッティング装置2に送信される。一方、フィッティング装置2側では、取得部24Aが通信部25を介してこれを受信し、記憶部23内に格納する。本実施形態では、少なくともアドレスからインパクトまでの時系列の計測データが計測される。
以下、図5を参照しつつ、xyz局所座標系の計測データをXYZ全体座標系の値へと変換する第1変換工程について説明する。具体的には、まず、取得部24Aが、記憶部23内に格納されているxyz局所座標系でのグリップ加速度ax,ay,az、グリップ角速度ωx,ωy,ωz及びグリップ地磁気mx,my,mzの時系列の計測データを読み出す(ステップS1)。
てアドレスの時刻taが導出される。
成分a:全体座標系のX軸と、局所座標系のx軸とのなす角度の余弦
成分b:全体座標系のY軸と、局所座標系のx軸とのなす角度の余弦
成分c:全体座標系のZ軸と、局所座標系のx軸とのなす角度の余弦
成分d:全体座標系のX軸と、局所座標系のy軸とのなす角度の余弦
成分e:全体座標系のY軸と、局所座標系のy軸とのなす角度の余弦
成分f:全体座標系のZ軸と、局所座標系のy軸とのなす角度の余弦
成分g:全体座標系のX軸と、局所座標系のz軸とのなす角度の余弦
成分h:全体座標系のY軸と、局所座標系のz軸とのなす角度の余弦
成分i:全体座標系のZ軸と、局所座標系のz軸とのなす角度の余弦
ここで、ベクトル(a,b,c)は、x軸方向の単位ベクトルを表し、ベクトル(d,e,f)は、y軸方向の単位ベクトルを表し、ベクトル(g,h,i)は、z軸方向の単位ベクトルを表している。
る。
リップ角速度ωX,ωY,ωZは、以下の式に従って算出される。
以下、第1変換工程で算出されたXYZ全体座標系でのグリップ42の挙動を、スイング平面P内でのグリップ42の挙動へと変換する第2変換工程について説明する。本実施形態では、スイング平面Pは、XYZ全体座標系の原点を含み、Y軸及びインパクト時のゴルフクラブ4のシャフト40と平行な面として定義される(図7参照)。第2変換工程では、グリップ挙動導出部24Bは、XYZ全体座標系でのグリップ速度vX,vY,vZ及びグリップ角速度ωX,ωY,ωZをスイング平面P内へ射影したグリップ速度vpX,vpY,vpZ及びグリップ角速度ωpX,ωpY,ωpZを算出する。
以下、図8を算出しつつ、スイング平面P内でのグリップの挙動(グリップ速度VGE及びグリップ角速度ωpX)に基づいて、スイング平面P内の疑似的な肩の挙動を導出する肩挙動導出工程について説明する。本実施形態では、ゴルフクラブ4の挙動は、ゴルファー7の肩及びグリップ42(或いは、これを握るゴルファーの手首)を節点とし、ゴルファー7の腕及びゴルフクラブ4をリンクとする二重振り子モデルに基づいて解析される。ただし、肩の挙動は直接的に実測されるのではなく、実測されたグリップの挙動に基づいて、疑似的な肩の挙動として導出される。以下では、特に断らない限り、単に「肩」という場合も、このような疑似的な肩を意味するものとする。疑似的な肩とグリップ42(手首)との間を直線的に延びるものとして定義される疑似的な「腕」についても同様である。
(1)スイング平面P上において、グリップ42(手首)は肩を中心として円運動する。(2)スイング平面P上において、肩とグリップ42との距離(半径)Rは、一定である。
(3)肩は、スイング動作中は動かない(ただし、回転する)。
(4)スイング平面P上において、トップでの腕とゴルフクラブ4との為す角度は90°である。
(5)インパクト時の腕は、X軸正方向から見てZ軸下方を向く。
ω1=VGE/R
以下、図10を参照しつつ、グリップ42の挙動及び肩の挙動に基づいて、最適クラブ重量を決定するための重量指標を算出する指標算出工程について説明する。本実施形態では、重量指標として、後述される平均肩トルクTAVE、腕エネルギーEAVE及びヘッド速度Vhが算出される。
に定義され、図11の紙面は、スイング平面Pに等しい。以下では、図11に示されるスイング平面P内での新たなXY座標系に基づいて、解析が進められる。スイング平面P内での新たなXY座標系のX軸は、上述したXYZ全体座標系のY軸に等しく、新たなXY座標系のY軸は、XYZ全体座標系のZ軸をスイング平面P内に投影した軸である。
腕の重心が腕の中心にあるとの仮定の下、I1=m1r2/3として算出される。m1は、腕の質量であり、本実施形態では、腕の質量m1は、適宜予め定められているものとする。
例えば、解析を開始する前に、ゴルファー7の体重を入力しておき、入力された体重に所定の係数を掛ける等して、自動的に腕の質量が算出される。また、I2は、ゴルフクラブ4のスペックであり、予め定められているものとする。
の位置ベクトルds、グリップ42の位置ベクトルdg=ds+(2X1,2Y1)を一階微分することにより算出可能である。
ら負へ転じる時刻tcを特定し、トップの時刻ttから時刻tcまでの腕の仕事量E1を算出する。腕の仕事量E1は、時刻tt〜tcまでの区間で腕の仕事率E1’を積分することにより、算出される(図12参照)。なお、仕事量E1は、時刻tt〜tcの間に腕で発揮され
る仕事量(エネルギー)を表す指標と考えることができるから、この意味で、スイング動作中の腕エネルギーと呼ぶことができる。
Vh=k1・EAVE+k2・tr+k3
以下、図13を参照しつつ、最適クラブ重量を決定する最適総重量決定工程の流れについて説明する。
定される。
以上であり、平均肩トルクTAVEが65N・m以上であり、かつ、腕エネルギーEAVEが200N・m/s以上(以下、アベレージ条件1)であるか否かを判定する。そして、アベレージ条件1が満たされる場合には、アベレージモデルクラブよりも、プロモデルクラブの方が適切であると判定する。これを受けて、表示制御部24Fは、プロモデルクラブを用いて計測工程からやり直す旨を示すメッセージを表示部21上に表示させ、ステップS41に進む。一方、ステップS51でアベレージ条件1が満たされない場合には、ステップS52に進む。ステップS52では、決定部24Eは、平均肩トルクTAVEが55N・m以上であり、かつ、腕エネルギーEAVEが150N・m/s以上(以下、アベレージ条件2)であるか否かを判定する。そして、アベレージ条件2が満たされる場合には、290g〜300gが最適重量帯であると判定する。一方、ステップS52でアベレージ条件2が満たされない場合には、ステップS53に進む。ステップS53では、決定部24Eは、ヘッド速度Vhが38m/sより大きく、平均肩トルクTAVEが48N・m以上であり、かつ、腕エネルギーEAVEが100N・m/s以上(以下、アベレージ条件3)であるか否かを判定する。そして、アベレージ条件3が満たされる場合には、290g〜300gが最適重量帯であると判定する。一方、ステップS53でアベレージ条件3が満たされない場合には、290g以下が最適重量帯であると判定する。
以下、ゴルファー7に適した最適シャフト重量及び最適曲げ剛性を算出する最適シャフト決定工程について説明する。
以下、上記の工程で特定された候補クラブの中から、特にヘッド速度を高めることができるゴルフクラブ(以下、最適クラブ)を特定する最適クラブ特定工程について説明する。最適クラブは、フィッティングを行っているゴルファー7が各候補クラブを用いた場合のグリップエンド慣性モーメントIG及びスイング慣性モーメントISの値に基づいて特定される。
IS=I2+m2(2r+L)2+I1+m1r2
IS=I2+m2(2r+L)2
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
上記実施形態では、ゴルファー7のスイング動作を計測する計測機器として、加速度センサ、角速度センサ及び地磁気センサの3つを有するセンサユニット1が使用されたが、計測機器を他の構成とすることもできる。例えば、地磁気センサを省略することもできる。この場合には、統計的手法により、xyz局所座標系からXYZ全体座標系へと計測データを変換することが可能である。なお、このような手法については、公知技術であるため(要すれば、特開2013−56074号公報参照)、ここでは詳細な説明を省略する。或いは、計測機器として、三次元計測カメラを使用することもできる。三次元計測カメラにより、ゴルファーやゴルフクラブ、ゴルフボールの挙動を計測する手法についても、公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。なお、三次元計測カメラを用いた場合には、計測データのxyz局所座標系からXYZ全体座標系への変換工程を省略することもでき、直接的にXYZ全体座標系でのグリップの挙動を計測することができる。
ヘッド速度Vhは、上述した重回帰式に基づく統計的手法ではなく、他の方法で算出することもできる。例えば、以下の式に従って幾何学的に算出してもよい。ただし、Lclubは、ゴルフクラブのスペックであるゴルフクラブの長さである。
シャフト40の先端のヘッドの位置ベクトル(dhX,dhY)
dhX=2X1+Lclubcosθ2
dhY=2Y1+Lclubsinθ2
シャフト40の先端のヘッドの速度ベクトル(VhX,VhY)
VhX=2VX1−Lclubω2sinθ2
VhY=2VY1+Lclubω2cosθ2
Vh=sqrt(VhX 2+VhY 2)
最適総重量決定工程は、フィッティング装置2ではなく、ユーザ自身が実行することができる。すなわち、指標算出工程の終了後に、算出された重量指標を表示部21上に表示させる。そして、図19及び図20に示すような対応関係データ28に基づいて、ユーザが自ら最適重量帯を判断してもよい。このとき、対応関係データ28を表示部21上に表示させたり、或いは対応関係データ28を印刷した紙媒体を用意したりすると、ユーザの判断が容易となる。同様に、最適シャフト決定工程及び/又は最適クラブ特定工程における処理の一部又は全部も、フィッティング装置2に代えて、ユーザ自身が実行することができる。
上記実施形態で示された重量指標は、例示であり、最適クラブ重量と相関があるその他の様々な指標を用いることができる。例えば、腕エネルギーEAVE及び平均肩トルクTAVEに限らず、腕エネルギーE1及び肩トルクTtiを重量指標とすることができる。また、スイング動作時にゴルファー7により発揮される任意の部位のエネルギー又は任意の部位のトルクを表す指標を、重量指標とすることができる。また、ここでいう「スイング動作時」とは、上記実施形態の中で説明したトップからインパクトないしコック解放タイミングまでの時間に限られず、重量指標と最適クラブ重量とに相関がある限り、スイング動作中の任意の時刻又は期間を意味するものということができる。また、ゴルファー7により発揮されるエネルギー又はトルクと相関があると考えられる以下の指標も、重量指標として用いることができる。なお、以下の(7)〜(9)以外の指標は、値が大きい程、最適クラブ重量が大きくなる傾向があり、(7)〜(9)の指標は、値が小さい程、最適クラブ重量が大きくなる傾向がある。
(1)トップの時刻でシャフト40と全体座標系Z軸(グリップよりも下方)とが為す角度θ3(図26参照)
(2)スイング動作中の角速度ω2の平均値
(3)トップからインパクトまでの間での角速度ω2の最大値
(4)トップからインパクトまでのグリップ速度VGEの平均値
(5)トップからインパクトまでのグリップ速度VGEの最大値
(6)トップからインパクトまでの間でのグリップ42の移動距離D
(7)コック解放タイミングtrとインパクトの時間との差分(ここでいうコック解放タイミングtrは、腕とシャフト40が為すコック角θ4の解放スピードが速まり、腕のエネルギーがシャフト40のエネルギーへと変わり始めるタイミングと定義することができる。)
(8)コック解放タイミングtrでの腕とシャフト40が為すコック角θ4(図26参照)
(9)ダウンスイング時間、すなわち、トップからインパクトまでの時間
(10)トップの時刻からグリップ42周りのトルクT2が正負逆転する時刻までのトルクT2の積分値
上記実施形態では、3つの重量指標の大きさに応じて、最適クラブ重量を決定したが、1つ、2つ、又は4つ以上の重量指標の大きさに応じて、最適クラブ重量を決定してもよい。例えば、腕エネルギーEAVE、平均肩トルクTAVE及びヘッド速度Vhの3つから選択される任意の1つ又は2つの指標の大きさのみに応じて、最適クラブ重量を決定することができる。なお、図17及び図18に示す実験の結果からは、腕エネルギーEAVE及び平均肩トルクTAVEは、ヘッド速度Vhよりも最適クラブ重量との相関が高いことが分かる。従って、ヘッド速度Vhを重量指標として用いる場合には、腕エネルギーEAVE及び平均肩トルクTAVEの少なくとも一方と組み合わせて用いることが好ましい。また、EAVE,TAVE,Vhに加え、変形例3−4で例示した重量指標の中から選択される任意の数の指標の大きさに応じて、最適クラブ重量を決定することもできる。
2 フィッティング装置
3 フィッティングプログラム
4 ゴルフクラブ
7 ゴルファー
24A 取得部
24B グリップ挙動導出部
24C 肩挙動導出部
24D 指標算出部(算出部)
24E 決定部
41 ヘッド
42 グリップ
Claims (8)
- ゴルファーに最大の飛距離を与えるゴルフクラブの重量である最適クラブ重量を決定するフィッティング装置であって、
前記ゴルファーによるテストクラブのスイング動作を計測機器により計測した計測値を取得する取得部と、
前記計測値に基づいて、ダウンスイング中の期間を含む前記スイング動作時に前記ゴルファーにより発揮される腕の仕事量、ダウンスイング中の期間を含む前記スイング動作時に前記ゴルファーにより発揮される肩周りのトルク、並びにこれらの少なくとも一方と相関のある指標からなる群から選択される少なくとも2つの要素を算出する算出部と、
前記少なくとも2つの要素の大きさの組み合わせと、最大の飛距離を与える前記最適クラブ重量との対応関係を定める対応関係データを記憶する記憶部と、
前記対応関係データを参照することにより、前記少なくとも2つの要素の大きさに応じて、前記最適クラブ重量を決定する決定部と
を備え、
前記対応関係データでは、前記少なくとも2つの要素の各々について、当該要素が大きい又は小さい程、前記最適クラブ重量のより大きな値が対応付けられている、
フィッティング装置。 - 前記算出部は、前記相関のある指標として、前記スイング動作時のヘッドスピードを算出し、
前記決定部は、前記腕の仕事量及び前記肩周りのトルクの少なくとも一方の大きさに加え、前記ヘッドスピードの大きさに応じて、前記最適クラブ重量を決定する、
請求項1に記載のフィッティング装置。 - 前記記憶部は、前記テストクラブの種類毎に、前記対応関係データを記憶し、
前記決定部は、前記テストクラブの種類に応じて、前記記憶部内の前記対応関係データを参照することにより、前記最適クラブ重量を決定する、
請求項1又は2に記載のフィッティング装置。 - 前記最適クラブ重量に合致する複数本のゴルフクラブの中から、スイング慣性モーメントが小さく、グリップエンド慣性モーメントの大きいゴルフクラブを特定する最適クラブ特定部
をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載のフィッティング装置。 - ゴルファーに最大の飛距離を与えるゴルフクラブの重量である最適クラブ重量を決定するフィッティング方法であって、
前記ゴルファーによるテストクラブのスイング動作を計測機器により計測するステップと、
前記計測機器による計測値に基づいて、ダウンスイング中の期間を含む前記スイング動作時に前記ゴルファーにより発揮される腕の仕事量、ダウンスイング中の期間を含む前記スイング動作時に前記ゴルファーにより発揮される肩周りのトルク、並びにこれらの少なくとも一方と相関のある指標からなる群から選択される少なくとも2つの要素を算出するステップと、
前記少なくとも2つの要素の大きさの組み合わせと、最大の飛距離を与える前記最適クラブ重量との対応関係を定める対応関係データを参照することにより、前記少なくとも2つの要素の大きさに応じて、前記最適クラブ重量を決定するステップとを備え、
前記対応関係データでは、前記少なくとも2つの要素の各々について、当該要素が大きい又は小さい程、前記最適クラブ重量のより大きな値が対応付けられている、
フィッティング方法。 - 前記最適クラブ重量に合致する複数本のゴルフクラブの中から、スイング慣性モーメントが小さく、グリップエンド慣性モーメントの大きいゴルフクラブを特定するステップ
をさらに備える、請求項5に記載の方法。 - ゴルファーに最大の飛距離を与えるゴルフクラブの重量である最適クラブ重量を決定するフィッティングプログラムであって、
前記ゴルファーによるテストクラブのスイング動作を計測機器により計測した計測値を取得するステップと、
前記計測機器による計測値に基づいて、ダウンスイング中の期間を含む前記スイング動作時に前記ゴルファーにより発揮される腕の仕事量、ダウンスイング中の期間を含む前記スイング動作時に前記ゴルファーにより発揮される肩周りのトルク、並びにこれらの少なくとも一方と相関のある指標からなる群から選択される少なくとも2つの要素を算出するステップと、
前記少なくとも2つの要素の大きさの組み合わせと、最大の飛距離を与える前記最適クラブ重量との対応関係を定める対応関係データを参照することにより、前記少なくとも2つの要素の大きさに応じて、前記最適クラブ重量を決定するステップと
をコンピュータに実行させ、
前記対応関係データでは、前記少なくとも2つの要素の各々について、当該要素が大きい又は小さい程、前記最適クラブ重量のより大きな値が対応付けられている、
フィッティングプログラム。 - 前記最適クラブ重量に合致する複数本のゴルフクラブの中から、スイング慣性モーメントが小さく、グリップエンド慣性モーメントの大きいゴルフクラブを特定するステップ
をさらにコンピュータに実行させる、請求項7に記載のプログラム。
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