WO2012169051A1 - 落下判定装置、及び落下判定方法 - Google Patents

落下判定装置、及び落下判定方法 Download PDF

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Abstract

 落下判定装置(10)は、センサ部(11)と衝撃算出部(13)とアプリケーション処理部(14)とを有する。センサ部(11)は、上記所定範囲内の加速度を検知する。衝撃算出部(13)は、センサ部(11)により検知された上記加速度を用いて、上記所定範囲外の加速度を算出する。アプリケーション処理部(14)は、衝撃算出部(13)により算出された上記加速度を用いて、落下の有無を判定する。これにより、落下判定装置(10)は、低レンジの加速度センサを用いて落下を判定する。

Description

落下判定装置、及び落下判定方法
 本発明は、落下判定装置、及び落下判定方法に関する。
 従来、加速度センサを用いて、移動中の物体の加速度を検知し、その検知結果を基に物体の状態を判定する技術がある。このような技術を実現する加速度センサには、低い加速度の検知に適した低レンジのセンサと、高い加速度の検知に適した高レンジのセンサとがある。低レンジ加速度センサは、±5G程度以下の加速度の検知において高い分解能を有することから、0.5~2.0Gの加速度を伴う歩行等の状態判定に適しており、例えば、携帯型端末用の歩数計アプリケーションに用いられている。これに対して、高レンジ加速度センサは、±70G程度の加速度の検知において高い分解能を有することから、数十~100Gの衝撃を伴う落下等の状態判定に適している。また、近年では、レンジの異なる複数の加速度センサを併せ持ち、これらのセンサをモードによって切り替える携帯型端末も提案されている。
特開2008-175771号公報
 しかしながら、加速度センサが正確に検知することのできる加速度の範囲はセンサ毎に限られており、あらゆるレンジにおいて高い分解能を有する加速度センサは存在しない。例えば、携帯型端末の落下では、激しい衝撃を伴うことから、低レンジの加速度センサでは、正確な加速度を検知することができない。このような実情に鑑み、落下の判定を高レンジの加速度センサによって行うことも考え得るが、高レンジ加速度センサでは、低レンジにおいて高い分解能の加速度検知を必要とするアプリケーションへの適用が困難である。すなわち、携帯型端末に、高レンジ加速度センサを搭載すると、歩数計等のアプリケーションの機能を実現することが困難となるという問題点があった。また、上述したように、低レンジと高レンジの加速度センサを併有することで広範囲での加速度検知が可能となるが、携帯型端末に複数の加速度センサを搭載することは、小型化や軽量化を阻害する要因となる。
 開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、低レンジの加速度センサを用いて落下を判定することができる落下判定装置、及び落下判定方法を提供することを目的とする。
 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本願の開示する落下判定装置は、一つの態様において、検知部と算出部と判定部とを有する。検知部は、前記所定範囲内の加速度を検知する。算出部は、前記検知部により検知された前記加速度を用いて、前記所定範囲外の加速度を算出する。判定部は、前記算出部により算出された前記加速度を用いて、落下の有無を判定する。
 本願の開示する落下判定装置の一つの態様によれば、低レンジの加速度センサを用いて落下を判定することができるという効果を奏する。
図1は、携帯型端末の機能的構成を示す図である。 図2は、実施例1において、加速度換算テーブルにおけるデータ格納例を示す図である。 図3は、携帯型端末のハードウェア構成を示す図である。 図4は、実施例1における携帯型端末の動作を説明するためのフローチャートである。 図5は、実施例1において、衝撃時刻と衝撃時の加速度とを算出する手法について説明するための図である。 図6は、実施例2において、加速度換算テーブルにおけるデータ格納例を示す図である。 図7は、実施例2における携帯型端末の動作を説明するためのフローチャートである。 図8は、実施例2において、衝撃時刻と衝撃時の加速度の範囲とを算出する手法について説明するための図である。 図9は、落下判定プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
 以下、本願の開示する落下判定装置、及び落下判定方法の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施例により、本願の開示する落下判定装置、及び落下判定方法が限定されるものではない。
 まず、本願の開示する落下判定装置の一実施例に係る携帯型端末の構成を説明する。図1は、本実施例に係る携帯型端末10の機能的構成を示す図である。図1に示すように、携帯型端末10は、センサ部11と、サンプリング処理部12と、衝撃算出部13と、アプリケーション処理部14とを有する。これら各構成部分は、一方向又は双方向に、信号やデータの入出力が可能なように接続されている。
 センサ部11は、レンジ値が±4Gに設定された低レンジ加速度センサである。したがって、センサ部11は、上限値として+4Gまでの加速度の検知(実測)が可能であり、下限値として-4Gまでの加速度の検知(実測)が可能である。また、センサ部11は、周知慣用のセンサであることから詳細な説明は省略するが、互いに直交する3軸方向の加速度を検知する3軸加速度センサである。X軸方向の加速度は、加速度を伴う運動(歩行や落下)において、左右方向の移動に伴う変位値となる。すなわち、X軸方向の加速度は、所定時点におけるセンサ部11の装着姿勢を基準とした左右方向の移動量であり、左方向の移動量がプラスとなり、右方向の移動量がマイナスとなる。Y軸方向の加速度は、加速度を伴う運動において、上下方向の移動に伴う変位値となる。すなわち、Y軸方向の加速度は、所定時点におけるセンサ部11の装着姿勢を基準とした上下方向の移動量であり、上方向の移動量がプラスとなり、下方向の移動量がマイナスとなる。Z軸方向の加速度は、加速度を伴う運動において、前後方向の移動に伴う変位値となる。すなわち、Z軸方向の加速度は、所定時点におけるセンサ部11の装着姿勢を基準とした前後方向の移動量であり、前方向の移動量がプラスとなり、後方向の移動量がマイナスとなる。
 サンプリング処理部12は、センサ部11が検知した加速度の値を周期的にサンプリングし、その値を衝撃算出部13に出力する。サンプリングの周期は、高レンジでの加速度検知ひいては衝撃算出を高精度に行う観点から、例えば1ms程度の短い周期であることが好ましく、より好ましくは0.1ms程度である。
 衝撃算出部13は、センサ部11により検知された後、サンプリング処理部12から入力された加速度を用いて、4G超のレンジ外加速度を算出する。すなわち、衝撃算出部13は、センサ部11により検知された加速度が4Gを超過した時刻と、当該加速度が4G以下のレンジ内に復帰した時刻と、超過時刻前における加速度の傾きと、復帰時刻後における加速度の傾きとを用いて、レンジ外の加速度を算出する。そして、衝撃算出部13は、算出された加速度の値を、衝撃時の加速度の推定値として、アプリケーション処理部14に出力する。
 アプリケーション処理部14は、落下判定アプリケーションの起動中、衝撃算出部13により算出された衝撃時の加速度の値(推定値)を実測値に換算した後、その値と閾値とを比較して、換算後の加速度が閾値以上であれば、落下があったものと判定する。そして、アプリケーション処理部14は、この落下判定結果を表示させる。
 アプリケーション処理部14は、加速度換算テーブル141aを有する。図2は、実施例1において、衝撃時の加速度(推定値)を実測値に換算するための加速度換算テーブル141aにおけるデータ格納例を示す図である。図2に示すように、加速度換算テーブル141aには、衝撃算出部13により算出された衝撃時加速度が「M推定値」として格納され、高レンジ加速度センサにより予め測定された衝撃時加速度が「実測値」として、対応付けられている。例えば、M推定値が“5.00G”と算出された場合には、実際の加速度値は“5.50G”に事前に設定されていることから、“5.50G”が閾値との比較対象として使用される。同様に、M推定値が“80.20G”と算出された場合には、事前に設定された、実際の加速度値は“80.68G”であることから、この値が落下有無の判定に使用される。上述のように、衝撃算出部13により算出された、M推定値としての衝撃時加速度は、アプリケーション処理部14により、実測値に補正される。
 なお、加速度換算テーブル141aに設定されている、M推定値と実測値との対応関係は、携帯型端末10の衝撃(落下や投げ付け等)時に測定された実測の加速度に基づき更新可能である。すなわち、アプリケーション処理部14は、センサ部11の衝撃特性あるいはM推定値の算出精度等に応じて、加速度換算テーブル141aにおける上記対応関係を適宜更新し、常に最新の状態を維持する。これにより、アプリケーション処理部14は、加速度換算テーブル141aを参照した、実態に近い正確な加速度値を基に、落下判定を行うことができる。したがって、携帯型端末10は、より高精度な落下判定結果を得ることが可能となる。その結果、携帯型端末10の信頼性が向上する。
 なお、上述した携帯型端末10は、物理的には、例えば携帯電話によって実現される。図3は、携帯型端末10としての携帯電話のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、携帯型端末10は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)10aと、加速度センサ10bと、メモリ10cと、表示装置10dと、アンテナAを有する無線装置10eとを有する。センサ部11は、上述したように、加速度センサ10bにより実現される。サンプリング処理部12、衝撃算出部13、アプリケーション処理部14は、例えばCPU10a等の集積回路によって実現される。また、レンジ値、落下判定の閾値、加速度のサンプリング値、及び加速度換算テーブル141aは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のメモリ10cに保持される。衝撃算出結果は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置10dに表示される。
 次に、携帯型端末10の動作を説明する。以下の動作説明では、ユーザが、何らかの理由により、加速度レンジ±4Gの携帯型端末10を床面に落下させた場合を想定する。
 図4は、携帯型端末10の動作を説明するためのフローチャートである。ユーザが、携帯型端末10の落下判定アプリケーションを起動すると(S1)、サンプリング処理部12は、センサ部11から入力される3軸方向毎の加速度の値を所定周期で取得することにより、加速度のサンプリングを開始する(S2)。
 衝撃算出部13は、常時、直近のサンプリング時刻よりも1時刻前及び2時刻前にサンプリングされた加速度の値を、サンプリング値として保持する(S3)。衝撃算出部13は、サンプリング値を保持しつつ、最新のサンプリング値が、センサ部11のレンジである±4Gを超過したか否かを監視している(S4)。当該監視の結果、サンプリング値がセンサ部11のレンジを超過した場合(S4;Yes)には、S5の処理に移行する。なお、レンジの超過前2時刻分のサンプリング値a、aは、次のサンプリング値が得られても消去されることなく、メモリ10cに継続して保持される。
 S5では、衝撃算出部13は、レンジの超過後、再びレンジ内に戻った直後のサンプリング値b、及びその1時刻後のサンプリング値bを保持する。更に、衝撃算出部13は、レンジを振り切った時刻tと、レンジ内に戻ってきた時刻tとをメモリ10cに保持する(S6)。時刻tは、センサ部11による加速度のサンプリングが途絶えた時刻として算出可能である。また、時刻tは、センサ部11による加速度のサンプリングが再開した時刻として算出可能であるが、サンプリング周期×時刻t間のサンプル数を、時刻tに加算することによっても算出可能である。
 なお、上記監視の結果、サンプリング値がセンサ部11のレンジ内に収まっている間(S4;No)は、携帯型端末10は、衝撃算出部13により、直近2時刻分のサンプリング値の保持を継続する(S3)。このとき保持されるサンプリング値は、2時刻分のデータに留まるため、落下判定アプリケーションの起動によりサンプリング処理が長時間実行されても、メモリ10cの空き容量が浪費されることはない。
 S7では、衝撃算出部13は、レンジを振り切る前における加速度の傾きSを算出する。衝撃算出部13は、S3において、レンジ超過直前のサンプリング値a、aを保持しているため、傾きSは、これらの値とサンプリング周期とから、│a-a│/cにより算出される。同様に、S8では、衝撃算出部13は、レンジ内に戻った後における加速度の傾きSを算出する。衝撃算出部13は、S5において、レンジ復帰直後のサンプリング値b、bを保持しているため、傾きSは、これらの値とサンプリング周期とから、│b-b│/cにより算出される。それぞれの算出結果は、メモリ10cに保持される。
 次に、衝撃算出部13は、S6で保持された時刻t、tと、S7及びS8で保持された傾きS、Sとから、携帯型端末10が衝撃を受けた時刻t、及びその時刻の加速度Mを算出する(S9)。
 以下、図5を参照しながら、衝撃時刻t及び衝撃時加速度Mの算出手法について、より具体的に説明する。図5においては、x軸に時刻t[ms]が規定され、y軸に加速度[G]が規定されている。また、時刻tは、携帯型端末10が落下して床面に接触した時刻である。時刻tは、センサ部11により検知された加速度がレンジ上限値である+4Gを超過した時の時刻であり、時刻tは、検知された加速度が再びレンジ内に復帰した時の時刻である。更に、サンプリング周期を1[ms]とし、S7で保持された傾き(図5の丸印a間の傾き)をSとし、S8で保持された傾き(図5の三角印b間の傾き)をSとする。なお、丸印aは、センサ部11により検知された加速度がレンジ上限値を超過した直後(レンジ外)のサンプリング値であるが、かかる加速度は、実際には検知されていないため、検知加速度のサンプリング値を表す丸印a、aと区別するため、破線で表すものとする。同様に、三角印bは、センサ部11により検知された加速度がレンジ内に戻る直前(レンジ外)のサンプリング値であるが、かかる加速度は、実際には検知されていないため、検知加速度のサンプリング値を表す三角印b、bとの区別のため、破線で表すものとする。
 上記条件下において、S9での算出対象となる衝撃時刻をtとすると、t-t:t-t=S:Sの関係にあるため、tは、下記の数式(1)により算出することができる。
 衝撃時刻tc  =(S+S)/(S+S)・・・(1)
 また、上記条件下において、S9での算出対象となる衝撃時加速度をMとすると、M=S+b、かつ、4=S+bの関係(bは定数)にあるため、tにおける加速度Mは、下記の数式(2)により算出することができる。
 衝撃時加速度M=S(t-t)/(S+S)+4・・・(2)
 すなわち、衝撃算出部13は、丸印a、aを通過する直線Bと、三角印b、bを通過する直線Cとの交点Dの二次元座標を求め、そのx座標値を衝撃時刻tと推定し、そのy座標値を衝撃時加速度Mと推定する。
 S10では、アプリケーション処理部14は、衝撃算出部13がS9で算出した加速度Mを実測値に換算する。この換算処理は、上述した加速度換算テーブル141aを参照して実行される。加速度Mは、センサ部11により実際に検知された値ではなく、あくまで実測値に基づいて数式により算定された値(推定値)であることから、実際の加速度の値とは必ずしも一致しない可能性がある。そこで、アプリケーション処理部14は、加速度換算テーブル141aに設定されている、推定値と実測値との対応関係に基づき、落下判定に用いる加速度の値が実際の加速度の値に近似するように、推定値を実測値に換算する補正を行う。例えば、衝撃算出部13がS9で算出した衝撃時加速度が“80.00”である場合には、“80.46”に換算される(図2参照)。
 S11では、アプリケーション処理部14は、S10における換算後の衝撃時加速度(図2の実測値)と、図5に示した閾値T1とから、携帯型端末10の落下の有無を判定する。すなわち、アプリケーション処理部14は、衝撃時加速度Mと予め設定された閾値T1との大小関係を比較し、衝撃時加速度M≧閾値T1である場合には、落下有りと判定する。一方、衝撃時加速度M<閾値T1の関係にある場合には、アプリケーション処理部14は、落下無しと判定する。落下時には、接触面の材質によって、数十~100Gの加速度が携帯型端末10に生じることから、閾値T1としては、例えば20Gが設定されている。但し、この設定値は、携帯型端末10の仕様あるいは推定値の算出精度等に応じて、適宜変更可能である。
 S11において落下有りと判定された場合には、S9で算出された衝撃時刻tが「落下時刻」として、落下があった旨を示す情報と併せて、メモリ10cに記録される。同時に、表示装置10dには、例えば「5月19日10:20:35頃、落下がありました」といった落下発生を示すメッセージが表示される。
 以上説明したように、本実施例に係る携帯型端末10によれば、センサ部11と衝撃算出部13とアプリケーション処理部14とを有する。センサ部11は、上記所定範囲内の加速度を検知する。衝撃算出部13は、センサ部11により検知された上記加速度を用いて、上記所定範囲外の加速度を算出する。アプリケーション処理部14は、衝撃算出部13により算出された上記加速度を用いて、落下の有無を判定する。より具体的には、衝撃算出部13は、時刻tと、時刻tと、加速度の傾きSと、加速度の傾きSとを用いて、上記所定範囲外の加速度を算出する。時刻tは、センサ部11により検知された上記加速度が上記所定範囲を超過した時刻である。時刻tは、上記加速度が上記所定範囲内に復帰した時刻である。傾きSは、時刻t前における上記加速度の傾きである。傾きSは、時刻t後における上記加速度の傾きである。アプリケーション処理部14は、衝撃算出部13により算出された上記加速度が所定値以上であるか否かに基づき、落下の有無を判定する。
 本実施例に係る携帯型端末10によれば、低レンジの加速度センサを用いて検知された加速度から、衝撃を受けた時刻とその時の加速度とを算出することにより、高レンジの加速度センサを実装せずとも、高レンジの衝撃を伴う落下の有無を判定することができる。換言すれば、携帯型端末10は、低レンジ加速度センサではレンジ不足で測定不可能な範囲の加速度を所定の数式により算出し、その結果を基に、レンジ外の加速度の値を推定する。これにより、携帯型端末10は、どの程度の衝撃を伴う落下がいつ起きたのかを迅速に判別することができる。したがって、携帯型端末10は、当該判別結果を履歴情報として記録し表示するものとすれば、ユーザは、落下があった旨及びその時刻を容易に認識することができる。また、ユーザのみならず、通信事業者(キャリア)やメーカ等の第三者も、上記履歴情報を参照することで、落下のあった旨を簡易迅速に把握することができる。このため、落下による衝撃で携帯型端末10が破損した場合あるいは使用不能となった場合であっても、第三者は、落下時刻を基に、その原因が落下にあることをユーザに通知することが可能となる。
 特に、本実施例に係る携帯型端末10によれば、傾きSとして、時刻t前における加速度の傾きのうち、加速度がレンジを超過する直前の傾きを使用する。時刻t前における加速度の傾きは、携帯型端末10の床面への接触後、加速度がレンジを超過するまでの間、精度を増しながらレンジ上限値(4G)に到達し、レンジを振り切ることになる。したがって、携帯型端末10は、加速度の実測値がレンジを振り切る直前の値(できる限りレンジ外に近い実測値)を、推定加速度の算出に使用することで、レンジ外においても誤差の少ない加速度を算出することができる。その結果、携帯型端末10は、より高精度な加速度推定を行うことが可能となる。他方、レンジ内に復帰する側の傾きについても、携帯型端末10は、傾きSとして、時刻t後における加速度の傾きのうち、加速度がレンジ内に復帰した直後の傾きを使用する。時刻t後における加速度の傾きは、携帯型端末10の床面への接触後、時間が経過するのに伴い、精度を低下させつつ加速度値を減少させ0[G]に近付いていく。したがって、携帯型端末10は、加速度の実測値がレンジ内に復帰した直後の値(できる限りレンジ外に近い実測値)を、推定加速度の算出に使用することで、レンジ外においても誤差の少ない加速度を算出することができる。その結果、携帯型端末10は、より高精度な加速度推定を行うことが可能となる。
 次に、実施例2における携帯型端末について説明する。実施例2は、衝撃時刻、及び衝撃時の加速度を算出する手法において、実施例1と異なる。すなわち、実施例1では、携帯型端末10は、2本の直線の交点から、衝撃時刻及び衝撃時の加速度値を直接求めるものとしたが、実施例2では、先に衝撃時刻を算出し、その時刻における加速度値の範囲を求める。
 実施例2における携帯型端末の構成は、加速度換算テーブルに格納されているデータを除き、実施例1における携帯型端末10の構成と同様である。したがって、共通する構成要素には、同一の参照番号を用いると共に、その全体構成の図示及び詳細な説明は省略し、以下、実施例1とは異なる態様を有する加速度換算テーブルについて説明する。
 実施例2におけるアプリケーション処理部14は、加速度換算テーブル141bを有する。図6は、実施例2において、衝撃時の加速度(推定値)を実測値に換算するための加速度換算テーブル141bにおけるデータ格納例を示す図である。図6に示すように、加速度換算テーブル141bには、衝撃算出部13により算出された衝撃時の最大加速度が「M1推定値」として格納されると共に、衝撃時の最小加速度が「M2推定値」として格納されている。更に、加速度換算テーブル141bにおいては、これらの推定値に対し、高レンジ加速度センサにより予め測定された衝撃時加速度が「実測値」として、対応付けられている。例えば、M1推定値が“5.10G”と算出され、かつ、この値が衝撃時加速度に選択された場合には、対応する実測値として“5.59G”が設定されていることから、“5.59G”が閾値との比較対象として使用される。同様に、M2推定値が“79.70G”と算出され、かつ、この値が衝撃時加速度に選択された場合には、事前に設定された実測値は“80.57G”であることから、この値が落下有無の判定に使用される。上述のように、衝撃算出部13により算出された、M1推定値またはM2推定値としての衝撃時加速度は、アプリケーション処理部14により、実測の加速度値に補正される。なお、加速度換算テーブル141bに設定されている、実測値に対応付けられたM1推定値及びM2推定値は、実施例1と同様、随時更新可能である。
 次に、実施例2における携帯型端末10の動作を説明する。動作についても、衝撃時刻及び衝撃時の加速度値を算出し、算出結果を実測値に換算する処理を除き、実施例1における携帯型端末10の動作と同様である。したがって、共通するステップには、末尾が同一の参照番号を用いると共に、その詳細な説明は省略する。図7は、実施例2における携帯型端末10の動作を説明するためのフローチャートである。実施例2に係る携帯型端末10の動作は、T9~T11の各ステップを除き、実施例1に係る携帯型端末10の動作と同様である。具体的には、実施例1における図4のS1~S8及びS11の各処理は、実施例2における図7のT1~T8及びT12の各処理にそれぞれ対応する。
 以下、図7、図8を参照しながら、実施例1との差異であるT9~T11の処理について詳述する。
 前提として、図8においては、実施例1と同様、x軸に時刻t[ms]が規定され、y軸に加速度[G]が規定されている。また、時刻tは、携帯型端末10が落下して床面に接触した時刻である。時刻tは、センサ部11により検知された加速度がレンジ上限値である+4Gを超過した時の時刻であり、時刻tは、検知された加速度が再びレンジ内に復帰した時の時刻である。更に、サンプリング周期を1[ms]とし、T7で保持された傾き(図8の丸印a間の傾き)をSとし、T8で保持された傾き(図8の三角印b間の傾き)をSとする。なお、丸印aは、センサ部11により検知された加速度がレンジ上限値を超過した直後(レンジ外)のサンプリング値であるが、かかる加速度は、実際には検知されていないため、検知加速度のサンプリング値を表す丸印a、aと区別するため、破線で表すものとする。同様に、三角印bは、センサ部11により検知された加速度がレンジ内に戻る直前(レンジ外)のサンプリング値であるが、かかる加速度は、実際には検知されていないため、検知加速度のサンプリング値を表す三角印b、bとの区別のため、破線で表すものとする。
 図8では、落下判定に際して実測値と比較される閾値T2が設定されているが、この閾値T2は、実施例1における閾値T1と異なる値であってもよい。
 図7に戻り、T9では、携帯型端末10は、衝撃時刻tを算出する。衝撃時刻tは、時刻tと時刻tとの中間点であることから、下記算定式(3)が成立する。
 衝撃時刻tm  =(t+t)/2・・・(3)
 T10では、携帯型端末10は、衝撃時刻における加速度の最大値及び最小値を算出する。上記条件下において、T10での算出対象となる衝撃時の最大加速度をM1とすると、M1=S+b、かつ、4=S+bの関係(bは定数)にあるため、時刻tにおける最大加速度M1は、下記の数式(4)により算出することができる。
 衝撃時最大加速度M1=S(t+t)/2 +4-S=S(t-t)/2 +4・・・(4)
 同様に、上記条件下において、T10での算出対象となる衝撃時の最小加速度をM2とすると、M2=S+b、かつ、4=S+bの関係(bは定数)にあるため、時刻tにおける最小加速度M2は、下記の数式(5)により算出することができる。
 衝撃時最小加速度M2=S(t+t)/2 +4-S=S(t-t)/2 +4・・・(5)
 すなわち、衝撃算出部13は、丸印a、aを通過する直線Eと、時刻t=tを表す直線Gとの交点Hの二次元座標を求め、そのx座標値を衝撃時刻tと推定し、そのy座標値を、加速度範囲の上限値M1と推定する。同様に、衝撃算出部13は、三角印b、bを通過する直線Fと、上記直線Gとの交点Iの二次元座標を求め、そのx座標値を衝撃時刻tと推定し、そのy座標値を、加速度範囲の下限値M2と推定する。
 T11では、アプリケーション処理部14は、衝撃算出部13がT10で算出した加速度を実測値に換算する。この換算処理は、上述した加速度換算テーブル141bを参照して実行される。推定値から実測値への換算は、最大加速度M1、最小加速度M2の双方について行ってもよいが、処理効率を高める観点から、アプリケーション処理部14は、換算対象の推定値として1つの値を算出した上で、実測値に換算をすることが好ましい。例えば、衝撃算出部13がT10で算出した衝撃時の最大加速度が“5.10”である場合には、その推定値は“5.59”の実測値に換算され、同様の最小加速度が“79.80”である場合には、“80.68”の実測値に換算される(図6参照)。
 上述してきたように、実施例2に係る携帯型端末10によれば、センサ部11と衝撃算出部13とアプリケーション処理部14とを有する。センサ部11は、上記所定範囲内の加速度を検知する。衝撃算出部13は、センサ部11により検知された上記加速度を用いて、上記所定範囲外の加速度を算出する。アプリケーション処理部14は、衝撃算出部13により算出された上記加速度を用いて、落下の有無を判定する。より具体的には、衝撃算出部13は、時刻tと、時刻tと、加速度の傾きSと、加速度の傾きSとを用いて、上記所定範囲外の加速度の最大値及び最小値を算出する。時刻tは、センサ部11により検知された上記加速度が上記所定範囲を超過した時刻である。時刻tは、上記加速度が上記所定範囲内に復帰した時刻である。傾きSは、時刻t前における上記加速度の傾きである。傾きSは、時刻t後における上記加速度の傾きである。アプリケーション処理部14は、衝撃算出部13により算出された上記加速度が所定値以上であるか否かに基づき、落下の有無を判定する。
 すなわち、実施例2に係る携帯型端末10は、一旦、衝撃時の加速度の取り得る範囲を算定し、その範囲に収まる加速度値の中から更に、実測値に換算する加速度を推定値として算出する。したがって、衝撃時の加速度は、算出された加速度の上限値M1と下限値M2との間の値と推定されるが、アプリケーション処理部14が、この範囲の中から何れか1つの値を選択または算出する手法としては、例えば、以下の手法がある。アプリケーション処理部14は、加速度の最大値であるM1推定値を、実測値への換算対象となる推定値として選択する。これにより、実測値≧閾値となる可能性が高まり、携帯型端末10は、落下と判定される確率を上げることができる。反対に、アプリケーション処理部14は、加速度の最小値であるM2推定値を、実測値への換算対象となる推定値として選択する。これにより、落下と判定される基準は厳格となり、実測値≧閾値となる可能性は相対的に低下する。その結果、携帯型端末10は、落下と判定される割合を抑え、落下無しと判定される確率を上げることができる。
 あるいは、アプリケーション処理部14は、M1推定値とM2推定値との中間値を算出し、当該算出結果を推定値としてもよい。これにより、携帯型端末10は、衝撃時における平均的な推定値を設定することができるため、落下有無の判定に際して、偏りのない実測値を閾値との比較対象に使用することができる。また、アプリケーション処理部14は、M1推定値とM2推定値とを両端とする線分を設定し、M1推定値から所定比率の値を推定値としてもよい。所定比率は、例えば1/4とすれば、M1推定値側に近い位置の加速度値が推定値となり、落下と判定される条件は緩和される。したがって、落下有りと判定され易くなる。一方、上記所定比率を3/4とすれば、M2推定値側に近い位置の加速度値が推定値となり、落下と判定される条件は厳格となる。したがって、落下有りと判定され難くなる。
 更には、図8では、レンジを超過した側(直線E)が加速度最大値を採り、レンジに復帰した側(直線F)が加速度最小値を採る例について説明した。しかしながら、レンジ超過前の傾きSやレンジ復帰後の傾きSによっては、これとは反対に、直線Eが加速度最小値を採り、直線Fが加速度最大値を採ることもある。このような場合に対応するため、アプリケーション処理部14は、レンジを超過した側の推定値に近い加速度値を推定値としてもよい。具体的には、レンジを超過した側の推定値が最大推定値M1であれば、アプリケーション処理部14は、最大推定値M1あるいは最大推定値M1から所定比率(例えば0.1~0.4)の加速度値を、実測値への換算対象の推定値とする。これに対し、レンジを超過した側の推定値が最小推定値M2であれば、アプリケーション処理部14は、最小推定値M2あるいは最小推定値M2から所定比率(例えば0.1~0.4)の加速度値を、実測値への換算対象の推定値とする。これにより、レンジを振り切った側の推定値に近似する加速度値が、推定値として優先的に使用されることとなる。したがって、携帯型端末10は、常に、床面と接触した瞬間に近い方の推定値を、実測値への換算に使用することができる。その結果、床面との接触時(衝撃時)の加速度の推定精度、ひいては落下判定の精度が向上する。
 なお、本実施例では、衝撃時刻tを時刻tと時刻tとの中点としたが、これに限らず、アプリケーション処理部14が、時刻tと時刻tとを両端とする線分を設定し、時刻tから所定比率(例えば、0.1~0.4)の時刻を衝撃時刻tとしてもよい。これにより、レンジを超過した時刻に近い時刻の加速度値が、推定値として優先的に使用されることとなる。したがって、携帯型端末10は、常に、床面と接触した瞬間に近い方の推定値を、実測値への換算に使用することができる。その結果、床面との接触時(衝撃時)の加速度の推定精度、ひいては落下判定の精度が向上する。
 また、実施例1における時刻t、t及び本実施例における時刻t、tは、それぞれ接触時の時刻tを基準とした相対的な時刻であるが、携帯型端末10は、時計機能を有するため、該機能との連携により、衝撃のあった実際の時刻を特定することができる。したがって、ユーザ及び第三者は、この時刻を参照することで、携帯型端末10が落下した日時を正確かつ容易に知ることが可能となる。
[落下判定プログラム]
 また、上記各実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図9を用いて、図1に示した携帯型端末10と同様の機能を有する落下判定プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。
 図9は、落下判定プログラムを実行するコンピュータを示す図である。図9に示すように、コンピュータ100は、CPU110と、入力装置120と、モニタ130と、音声入出力装置140と、無線通信装置150と、加速度センサ160とを有する。更に、コンピュータ100は、RAM170と、ハードディスク装置180等のデータ記憶装置とを有し、これらをバス190で接続して構成される。CPU110は、各種演算処理を実行する。入力装置120は、ユーザからのデータの入力を受け付ける。モニタ130は、各種情報を表示する。音声入出力装置140は、音声を入出力する。無線通信装置150は、無線通信を介して他のコンピュータとの間でデータの授受を行う。加速度センサ160は、3軸方向の加速度を検出する。RAM170は、各種情報を一時的に記憶する。
 そして、ハードディスク装置180には、図3に示したCPU10aと同様の機能を有する落下判定プログラム181が記憶される。また、ハードディスク装置180には、図3に示したメモリ10cに記憶される各種データ(レンジ値、落下判定の閾値、加速度のサンプリング値)に対応する落下判定処理関連データ182及び判定履歴ファイル183が記憶される。
 そして、CPU110が落下判定プログラム181をハードディスク装置180から読み出してRAM170に展開することにより、落下判定プログラム181は、落下判定プロセス171として機能するようになる。そして、落下判定プロセス171は、落下判定処理関連データ182から読み出した情報等を適宜RAM170上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開したデータ等に基づいて各種データ処理を実行する。そして、落下判定プロセス171は、所定の情報を判定履歴ファイル183に出力する。
 なお、上記の落下判定プログラム181は、必ずしもハードディスク装置180に格納されている必要はなく、CD-ROM等の記憶媒体に記憶されたこのプログラムを、コンピュータ100が読み出して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を介してコンピュータ100に接続される他のコンピュータ(またはサーバ)等にこのプログラムを記憶させておいてもよい。この場合には、コンピュータ100がこれらからプログラムを読み出して実行する。
 なお、上記各実施例では、携帯型端末10は、衝撃時加速度の算出結果を実測値に補正するものとしたが、サンプリング周期が所定値(例えば0.1ms)以下である場合には、衝撃算出部13は、衝撃時の加速度推定値を精度良く算出可能である。したがって、かかる場合には、補正処理を省略するものとしてもよい。
 また、上記各実施例では、携帯型端末10は、3軸方向の加速度のうち、1方向の加速度でも、閾値以上となった場合に、落下有りと判定するものとした。しかしながら、かかる態様に限らず、携帯型端末10は、複数の方向の加速度についてレンジ外加速度の推定を行い、これら推定値のうち、2または3軸方向の推定値が所定の閾値以上となった場合に初めて、落下有りと判定するものとしてもよい。この場合、上記閾値は、3種の軸方向毎にそれぞれ別々の値を設定するものとしてもよい。更に、携帯型端末10は、複数の方向の加速度についてレンジ外加速度の推定を行い、これら推定値の加重平均をとり、その結果としての推定値が所定の閾値以上となった場合に、落下有りと判定するものとしてもよい。この場合、上記閾値は、3種の軸方向毎に個別の値を設定する必要はなく、加重平均された推定値用の閾値を1つ設定すれば足りる。落下の仕方は多様であり、落下の仕方によって様々な方向に加速度が発生する。このため、携帯型端末10が衝撃時にとり得る、各軸方向の加速度の値は、落下の仕方によって異なる。携帯型端末10は、落下有無の判定に際して、1方向の加速度のみならず複数軸方向の加速度を考慮に入れることで、より実態に近い加速度値を基にした落下判定を実現することができる。その結果、携帯型端末10の落下判定精度ひいては信頼性が向上する。
 更に、傾きの算出に関し、傾きは、必ずしも隣接した加速度のサンプリング値から算出しなくてもよい。すなわち、上記実施例1では、携帯型端末10は、レンジ超過直前の傾きを算出するために、互いに隣接するサンプリング値a、aを用いるものとした。また、実施例2においても、携帯型端末10は、レンジ復帰直後の傾きを算出するために、互いに隣接するサンプリング値b、bを用いた。しかしながら、携帯型端末10は、傾きの値を、隣接しないサンプリング値から算出してもよく、例えば、サンプリング周期が1msの場合には、2msまたは3ms間隔のサンプリング値から加速度値の傾きを算出するものとしてもよい。
 また、傾きの算出に関し、携帯型端末10は、レンジ超過、復帰毎に、複数の傾きの値を算出し、その平均値をとるものとしてもよい。これにより、携帯型端末10は、左右1つずつの傾きの値を使用する場合と比較して、バラつき(揺らぎ)を抑えた、より正確な傾き値を基に、加速度の推定及び落下の判定を行うことができる。その結果、携帯型端末10の判定精度ひいては信頼性が向上する。更に、携帯型端末10は、複数の傾きの平均値を算出する際、より実態に近いことが推測される、レンジ外(4G以上)に近い方の傾き値に重みを付けた平均値(加重平均値)をとることもできる。これにより、傾きのバラつきは更に抑制され、より信頼性の高い傾き値を基に加速度の推定及び落下の判定を行うことができる。その結果、携帯型端末10の判定精度ひいては信頼性は更に向上する。
 加えて、上記各実施例では、携帯型端末10は、少なくとも2点のサンプリング値を用いて傾きを算出するものとしたが、これに限らず、何れか1点のサンプリング値と、レンジ超過あるいは復帰時の傾き値である4Gとから、傾きを算出するものとしてもよい。かかる態様においても、レンジ外加速度値の推定を高精度に行う観点から、携帯型端末10は、よりレンジ外に近いサンプリング値を上記傾きの算出に用いることが好ましい。例えば、実施例1(図5参照)において、時刻tにおける加速度値(4G)との組合せとしては、サンプリング値aよりもaを用いることが好ましい。また、例えば、実施例2(図8参照)において、時刻tにおける加速度値(4G)との組合せとしては、サンプリング値bよりもbを用いることが好ましい。これにより、携帯型端末10は、レンジを振り切った瞬間の傾きと、レンジに戻った瞬間の傾きとを用いて、加速度値の推定を行うことができる。したがって、携帯型端末10は、よりレンジ外に近い加速度値に基づいて落下の判定を行うことができる。その結果、落下判定精度を向上することが可能となる。かかる態様での傾き値の算出は、必ずしも、レンジの超過側及び復帰側の双方について行う必要はなく、何れか一方(例えば、レンジ超過側)についてのみ、行うものとしてもよい。
 また、上記各実施例では、携帯型端末10は、衝撃時の加速度推定値から実測値への換算に、加速度換算テーブル141a、141bを参照するものとしたが、所定の算定式を用いて、推定値から実測値を算出するものとしもよい。
 更に、上記各実施例では、高い加速度を伴う運動の一例として落下を例に採り、落下の有無を判定する携帯型端末について説明したが、本発明は、これに限らず、壁面への投げ付け、物体との衝突等、落下以外の運動についても適用可能である。また、上記各実施例では、携帯型端末として、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)を想定して説明したが、本発明は、携帯型端末に限らず、低レンジ加速度センサを有する様々な電子機器に適用可能である。
 また、図1に示した携帯型端末10の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的態様は、図示のものに限らず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することもできる。例えば、サンプリング処理部12と、衝撃算出部13と、アプリケーション処理部14とを1つの構成要素として統合してもよい。反対に、衝撃算出部13に関し、レンジ超過直前の傾きを算出する部分と、レンジ復帰直後の傾きを算出する部分と、衝撃時刻及びその時刻の加速度を算出する部分とに分散してもよい。また、アプリケーション処理部14に関し、衝撃時の加速度(推定値)を実測値に換算する部分と、落下の有無を判定する部分とに分散してもよい。また、メモリ10cを、携帯型端末10の外部装置としてネットワークやケーブル経由で接続するようにしてもよい。
10 携帯型端末
10a CPU
10b 加速度センサ
10c メモリ
10d 表示装置
10e 無線装置
11 センサ部
12 サンプリング処理部
13 衝撃算出部
14 アプリケーション処理部
141a、141b 加速度換算テーブル
100 コンピュータ
110 CPU
120 入力装置
130 モニタ
140 音声入出力装置
150 無線通信装置
160 加速度センサ
170 RAM
171 落下判定プロセス
180 ハードディスク装置
181 落下判定プログラム
182 落下判定処理関連データ
183 判定履歴ファイル
A アンテナ
B~I 直線
M 加速度
M1 最大加速度
M2 最小加速度
T1、T2 閾値
~t、t、t 時刻

Claims (3)

  1.  所定範囲内の加速度を検知する検知部と、
     前記検知部により検知された前記加速度を用いて、前記所定範囲外の加速度を算出する算出部と、
     前記算出部により算出された前記加速度を用いて、落下の有無を判定する判定部と
     を有することを特徴とする落下判定装置。
  2.  前記算出部は、前記検知部により検知された前記加速度が前記所定範囲を超過した時刻である第1の時刻と、前記加速度が前記所定範囲内に復帰した時刻である第2の時刻と、前記第1の時刻前における前記加速度の傾きと、前記第2の時刻後における前記加速度の傾きとを用いて、前記所定範囲外の加速度を算出し、
     前記判定部は、前記算出部により算出された前記加速度が所定値以上であるか否かに基づき、落下の有無を判定する
     ことを特徴とする請求項1に記載の落下判定装置。
  3.  所定範囲の加速度を検知する落下判定装置が、
     前記所定範囲内の加速度を検知し、
     検知された前記加速度を用いて、前記所定範囲外の加速度を算出し、
     算出された前記加速度を用いて、落下の有無を判定する
     ことを特徴とする落下判定方法。
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