JP2013117534A - 重力軸判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間で重力の方向を判定できる低コスト且つ簡易な構成の重力軸判定方法を提供する。
【解決手段】3次元空間を構成する3軸のうちの1つを重力軸と判定検出する重力軸判定方法であって、前記3軸のうちの少なくとも2軸方向における加速度を各々が表す少なくとも2つの軸加速度信号を生成し、前記軸加速度信号の各々を少なくとも2つの軸加速度データ列として取り込み、同一時間帯における前記軸加速度データ列のうちの1の軸加速度データ値が当該1の軸加速度データ列以外の軸加速度データ列のうちの1の軸加速度データ値よりも大きいと複数回に亘って連続して判別された場合に、前記1の軸加速度データ列に対応する軸が前記重力軸と判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸毎の加速度に基づいて重力軸を判定する重力軸判定方法に関する。
近年、静止画像や動画像を表示するためのディスプレイを備えた例えば携帯電話端末や音楽プレーヤなどの持ち運び可能なモバイル端末装置が広く普及している。一部の端末装置では、端末自体が縦方向を向いているか横方向を向いているかにかかわらず、ディスプレイ上の画面の向きが一定の向きに固定されるように表示する機能を備えているものもある。例えば、特許文献1には、携帯端末装置の斜度及び方向を検出し、その斜度及び方向から求めた仮想画面領域に基づいて画面表示を行う携帯端末装置が開示されている。
通常、このような表示処理を行う端末は、X軸、Y軸及びZ軸の各々の加速度の大きさ及び方向を検出する加速度センサを備えており、各軸の加速度に基づいて重力の方向を判定している。加速度センサを利用して重力加速度の方向を求める処理は、モバイル端末装置に分類され得るカーナビゲーション装置などにも用いられている。例えば、特許文献2には、Z軸方向の加速度に基づいて移動体の傾斜角度と傾斜方向とを求め、その傾斜角度及び傾斜方向から重力加速度のX軸方向成分を求める移動体搭載用三軸加速度検出装置が開示されている。
特開2000−56893号公報 特開平11−190743号公報
しかしながら、上記の如く特許文献1及び2に開示されている発明は、重力の方向を判定するに際し、端末や移動体の傾斜角度及び傾斜方向を算出しているので、判定結果を得るまでに一定の時間を要してしまうという問題があった。また、算出処理を行うための回路を備える必要があることから、回路規模が増大しコストも増加してしまうという問題があった。
本発明は上記した如き問題点に鑑みてなされたものであって、短時間で重力の方向を判定できる低コスト且つ簡易な構成の重力軸判定方法を提供することを目的とする。
本発明による重力軸判定方法は、3次元空間を構成する3軸のうちの1つを重力軸と判定検出する重力軸判定方法であって、前記3軸のうちの少なくとも2軸方向における加速度を各々が表す少なくとも2つの軸加速度信号を生成し、前記軸加速度信号の各々を少なくとも2つの軸加速度データ列として取り込み、同一時間帯における前記軸加速度データ列のうちの1の軸加速度データ値が当該1の軸加速度データ列以外の軸加速度データ列のうちの1の軸加速度データ値よりも大きいと複数回に亘って連続して判別された場合に、前記1の軸加速度データ列に対応する軸が前記重力軸と判定されることを特徴とする。
本発明による重力軸判定方法によれば、低コスト且つ簡易な構成により短時間で重力軸を判定することができる。
以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本実施例による重力軸判定装置1を表すブロック図である。重力軸判定装置1は、例えば携帯電話端末などの携帯型情報端末に内蔵され、当該端末自体の向きや傾きに応じてディスプレイ上の画面表示方向を調整するのに用いられる。重力軸判定装置1は、加速度センサ10と、フィルタ20と、マイクロプロセッサ30と、モニタ40と、を含む。
加速度センサ10は、3次元空間を構成するX軸、Y軸及びZ軸の軸毎にその加速度の大きさ及び方向を表す3つの軸加速度信号を生成する3軸加速度センサである。加速度センサ10は、例えば加速度検知機構を半導体プロセスで作製したMEMS(micro electro mechanical systems)加速度センサである。MEMS加速度センサの検知機構はピエゾ抵抗型、静電容量型又は熱検知型の何れでも良い。その性能は、例えば±数gの範囲を測定でき、0Hzから数百Hz程度までの加速度変動に追従できるものである。
加速度センサ10は、X軸、Y軸及びZ軸の各々について例えば信号レベルを±1の範囲で示す軸加速度信号を生成する。つまり、±で加速度の方向を表し、その絶対値で加速度の大きさを表す。重力軸判定装置1は、例えば図2に示される如き携帯電話端末100に内蔵されている。X軸とY軸とは互いに直交し、Y軸が携帯電話端末100の縦方向(長手方向)、X軸が横方向にそれぞれ対応している。Z軸は、携帯電話端末100の厚み方向(XY平面と直交する方向)に対応している。
加速度センサ10は、携帯電話端末100の向き(傾き)に応じた信号レベルの軸加速度信号を出力する。X軸においては、携帯電話端末100の右側が地面GDに向いたときに−の信号レベル、左側が地面GDに向いたときに+の信号レベルを示す。Y軸においては、携帯電話端末100の上側が地面GDに向いたときに−の信号レベル、下側が地面GDに向いたときに+の信号レベルを示す。Z軸においては、携帯電話端末100の表側(モニタ40のある側)に地面GDに向いたときが−の信号レベル、裏側が地面GDに向いたときに+の信号レベルを示す。
例えば、同図に示される如く携帯電話端末100の下側が地面GDに向けられて固定されている場合、X軸及びZ軸の各々の信号レベルは0、Y軸の信号レベルは+1となる。また、携帯電話端末100が同図に示される向きから時計回りに90度だけ回転させて固定した場合には、Y軸及びZ軸の各々の信号レベルは0、X軸の信号レベルは−1となる。その他、携帯電話端末100の向き(傾き)に応じて加速度センサ10は、X軸、Y軸及びZ軸の各々について信号レベルを±1の範囲で示す軸加速度信号を生成及び出力する。
フィルタ20は、加速度センサ10からのX軸、Y軸及びZ軸の各軸の軸加速度信号に含まれる例えば200Hz以上の周波数成分を除去するローパスフィルタである。携帯電話端末100のユーザーが例えば歩行やランニングをしながらモニタ40に表示される画像を見る場合がある。歩行等の運動中においては、携帯電話端末100が上下左右に小刻みに振動したり回転したりするので、軸加速度信号に高周波成分が含まれてくる。高周波成分を含む軸加速度信号に基づいて画面の表示方向を切り替えた場合、その画面の表示方向が頻繁に切り替わって見づらくなるので、それを回避するために高周波成分を除去するものである。
マイクロプロセッサ30は、重力軸判定プログラムによるルーチンを実行して重力軸判定をするので、加速度データ取り込み部31と、判定検出部32と、を含む。このプログラムの詳細は図4に後述する。
加速度データ取り込み部31は、フィルタ20により高周波成分が除去された、X軸、Y軸及びZ軸の各軸についての軸加速度信号を所定のサンプリング間隔でサンプリングして得られた軸加速度データからなる軸加速度データ列として取り込む。換言すれば、加速度データ取り込み部31は、各軸の加速度の瞬時値を所定のサンプリング間隔でサンプリングして各軸についての軸加速度データ列を得る。ここで、軸加速度データは、データ値として、その取り込み時点における加速度の大きさ及び方向を例えば±1の範囲で表す。つまり、±で加速度の方向を表し、その絶対値で加速度の大きさを表す。軸加速度データ列は、複数の軸加速度データからなるデータ列である。なお、フィルタ20はマイクロプロセッサ30によってソフト的にも実現できる。
加速度データ取り込み部31が軸加速度データ列を取得するサンプリング間隔は、重力軸判定装置1を搭載する端末の用途や機能に応じて適宜設定可能である。例えば、重力軸判定装置1を携帯電話端末100に搭載し、歩数計と共用した場合、ユーザーは携帯電話端末100を持ち歩くことから、歩く速さに基づいてサンプリング間隔を設定する。仮に徒歩の最大周波数を4Hzとした場合、一歩の間隔は250ミリ秒となるので、加速度データ取り込み部31はこれよりも短い間隔で軸加速度データ列を取得する。さらに正確に歩数を計測する場合には、一歩歩く動作中のいくつかの時点での加速度の変化を検出して計測を行うことが好ましい。そのため、例えば一歩の動作中の加速度の変化を4点において検出して歩数を計測する場合には62.5ミリ秒の間隔で軸加速度データ列を取得する必要があり、さらに短い間隔で計測することで一歩あたりの加速度の変化をより多く取得できるため、より正確な歩数を計測することができ、30ミリ秒間隔で計測することが好適である。
判定検出部32は、加速度データ取り込み部31によって取得された、X軸、Y軸及びZ軸の軸毎の軸加速度データ列に基づいて重力軸及び重力方向を判定する。判定検出部32は、軸判定部33と、検出信号生成部34と、を含む。
軸判定部33は、加速度データ取り込み部31からのX軸、Y軸及びZ軸の各軸の軸加速度データが表す加速度の大きさを相互に比較(以下、加速度比較と称する)して、これらの軸のうちのいずれか1つを重力軸と判定する。
軸判定部33は、少なくとも1回の加速度比較の結果に基づいて重力軸を判定する。重力軸を判定するための加速度比較の回数は設定自在である。
1回の加速度比較の結果に基づいて重力軸を判定する設定をした場合、軸判定部33は、同一時間帯における加速度データ取り込み部31からのX軸加速度データが表すX軸の加速度の絶対値、Y軸加速度データが表すY軸の加速度の絶対値及びZ軸加速度データが表すZ軸の加速度の絶対値を相互に比較し、最も大きい絶対値の加速度に対応する軸を重力軸であると判定する。例えば、加速度データ取り込み部31からの軸加速度データが示す加速度の大きさについてそれぞれX軸が−0.99、Y軸が0.05、Z軸が0.07であった場合、その絶対値の最も大きいX軸を重力軸であると判定する。
複数回の加速度比較の結果に基づいて重力軸を判定する設定をした場合、軸判定部33は、所定判定期間内における加速度データ取り込み部31からのX軸加速度データ列、Y軸加速度データ列及びZ軸加速度データ列同士を比較してX軸、Y軸及びZ軸のいずれか1つを重力軸と判定する。詳細には、所定判定期間内においてX軸、Y軸及びZ軸のうちのいずれか1の軸についての加速度の絶対値が、他の軸の加速度の絶対値よりも大きいと経時的に所定判定回数だけ判定した場合に、その1の軸を重力軸と判定する。
図3は、X軸、Y軸及びZ軸の各軸の軸加速度データ列DTx、DTy及びDTzの一例を表すタイムチャートである。軸加速度データ列DTxは複数の軸加速度データdxからなる。軸加速度データ列DTyは複数の軸加速度データdyからなる。軸加速度データ列DTzは複数の軸加速度データdzからなる。軸加速度データdx、dy及びdzの各々は、横軸方向に時系列的に示されている。軸加速度データdx、dy及びdzの各々は、データ値として、それぞれ対応する軸についての加速度の絶対値を表す。軸加速度データdx、dy及びdzのうちの絶対値が最大の加速度を示す軸加速度データを黒塗りの四角形で示している。例えば加速度データ取り込み部31による同一取り込みタイミング時刻t0における最大加速度を示すデータは軸加速度データdyである。
軸判定部33は、加速度データ取り込み部31により例えば30ミリ秒間隔で取り込まれた軸加速度データ列について、240ミリ秒などの所定判定期間TMにおいて、同一取り込みタイミングにおけるX軸についての加速度の絶対値がY軸及びZ軸の各々の加速度の絶対値よりも大きいと例えば4回などの所定判定回数だけ判定した場合(同図中のα)に、X軸を重力軸と判定する。
また、軸判定部33は、例えば30ミリ秒間隔で加速度データ取り込み部31からX軸、Y軸及びZ軸の各軸の軸加速度データを取得して加速度比較を行い、同一取り込みタイミングにおけるX軸についての加速度の絶対値がY軸及びZ軸の各々の加速度の絶対値よりも大きいと例えば4回などの所定判定回数だけ連続して判定した場合に、X軸を重力軸と判定するようにしても良い。つまり、少なくとも所定判定期間である120ミリ秒(=30ミリ秒×4)に亘ってX軸が最大加速度の軸である場合に軸判定部33はX軸を重力軸と判定する。
図4は、マイクロプロセッサ30のプログラム実行による重力軸判定処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。マイクロプロセッサ30は例えば30ミリ秒間隔で重力軸判定処理ルーチンを繰り返す。
先ず、加速度データ取り込み部31が加速度センサ10からX軸、Y軸及びZ軸の各軸の軸加速度データを取り込む(ステップS101)。
次に、軸判定部33は、X軸、Y軸及びZ軸の各軸の軸加速度データが示す加速度の絶対値を相互に比較する。先ず、軸判定部33は、X軸の加速度の絶対値がY軸及びZ軸の各々の加速度の絶対値よりも大である(X軸の加速度の絶対値が最大である)と判別した場合(ステップS102)、X軸の加速度の符号が+であるか−であるかを判別する(ステップS103)。X軸の加速度の符号が+であると判別した場合、X軸の−方向についてのカウント値M、Y軸の+方向についてのカウント値T、Y軸の−方向についてのカウント値S、Z軸の+方向についてのカウント値V及びZ軸の−方向についてのカウント値UをリセットつまりM=0、T=0、S=0、V=0及びU=0とする(ステップS104)と共に、X軸の+方向についてのカウント値Nに+1加算する(ステップS105)。軸判定部33は、カウント値Nが所定判定値Nmaxに達したと判別した場合(ステップS106)、X軸を重力軸と判定し、X軸の+方向を重力方向と判定する(ステップS107)。
ここで、カウント値Nは、軸判定部33が、X軸の+方向の加速度がX軸の−方向、Y軸及びZ軸の各々の加速度よりも大であると連続して判別した回数を表す値である。所定判定値Nmaxは、X軸の+方向を重力方向と判定するのに必要な所定判定回数を表す値である。所定判定値Nmax(所定判定回数)は例えば4回であり、この場合、軸判定部33は、X軸の+方向の加速度が最大であると4回連続して判別した場合にX軸の+方向を重力方向と判定する。なお、軸判定部33は、重力軸判定処理ルーチンが終了してもこれらのカウント値N、M、T、S、V及びUを保持しており、次の重力軸判定処理ルーチンの実行時に使用する。
ステップS103において軸判定部33が、X軸の加速度の符号が−であると判別した場合、カウント値N、T、S、V及びUをリセットつまりN=0、T=0、S=0、V=0及びU=0とする(ステップS108)と共に、X軸の−方向についてのカウント値Mに+1加算する(ステップS109)。軸判定部33は、カウント値Mが所定判定値Mmaxに達したと判別した場合(ステップS110)、X軸を重力軸と判定し、X軸の−方向を重力方向と判定する(ステップS111)。なお、所定判定値Mmaxは、X軸の−方向を重力方向と判定するのに必要な所定判定回数を表す値である。
ステップS102において軸判定部33が、X軸の加速度の絶対値が最大でないと判別した場合、ステップS112に移行する。軸判定部33は、Y軸の加速度の絶対値がZ軸及びX軸の各々の加速度の絶対値よりも大である(Y軸の加速度の絶対値が最大である)と判別した場合(ステップS112)、Y軸の加速度の符号が+であるか−であるかを判別する(ステップS113)。軸判定部33は、Y軸の加速度の符号が+であると判別した場合、カウント値N、M、S、V及びUをリセットつまりN=0、M=0、S=0、V=0及びU=0とする(ステップS114)と共に、Y軸の+方向についてのカウント値Tに+1加算する(ステップS115)。軸判定部33は、カウント値Tが所定判定値Tmaxに達したと判別した場合(ステップS116)、Y軸を重力軸と判定し、Y軸の+方向を重力方向と判定する(ステップS117)。ここで、カウント値Tは、軸判定部33が、Y軸の+方向の加速度がY軸の−方向、Z軸及びX軸の各々の加速度よりも大であると連続して判別した回数を表す値である。所定判定値Tmaxは、Y軸の+方向を重力方向と判定するのに必要な所定判定回数を表す値である。
ステップS113において軸判定部33が、Y軸の加速度の符号が−であると判別した場合、カウント値N、M、T、V及びUをリセットつまりN=0、M=0、T=0、V=0及びU=0とする(ステップS118)と共に、Y軸の−方向についてのカウント値Sに+1加算する(ステップS119)。軸判定部33は、カウント値Sが所定判定値Smaxに達したと判別した場合(ステップS120)、Y軸を重力軸と判定し、Y軸の−方向を重力方向と判定する(ステップS121)。なお、所定判定値Smaxは、Y軸の−方向を重力方向と判定するのに必要な所定判定回数を表す値である。
ステップS112において軸判定部33が、Y軸の加速度の絶対値が最大でないと判別した場合、ステップS122に移行する。軸判定部33は、Z軸の加速度の絶対値がY軸及びX軸の各々の加速度の絶対値よりも大である(Z軸の加速度の絶対値が最大である)と判別し、Z軸の加速度の符号が+であるか−であるかを判別する(ステップS122)。軸判定部33は、Z軸の加速度の符号が+であると判別した場合、カウント値N、M、T、S及びUをリセットつまりN=0、M=0、T=0、S=0及びU=0とする(ステップS123)と共に、Z軸の+方向についてのカウント値Vに+1加算する(ステップS124)。軸判定部33は、カウント値Vが所定判定値Vmaxに達したと判別した場合(ステップS125)、Z軸を重力軸と判定し、Z軸の+方向を重力方向と判定する(ステップS126)。ここで、カウント値Vは、軸判定部33が、Z軸の+方向の加速度がZ軸の−方向、X軸及びY軸の各々の加速度よりも大であると連続して判別した回数を表す値である。所定判定値Vmaxは、Z軸の+方向を重力方向と判定するのに必要な所定判定回数を表す値である。
ステップS122において軸判定部33が、Z軸の加速度の符号が−であると判別した場合、カウント値N、M、T、S及びVをリセットつまりN=0、M=0、T=0、S=0及びV=0とする(ステップS127)と共に、Z軸の−方向についてのカウント値Uに+1加算する(ステップS128)。軸判定部33は、カウント値Uが所定判定値Umaxに達したと判別した場合(ステップS129)、Z軸を重力軸と判定し、Z軸の−方向を重力方向と判定する(ステップS130)。なお、所定判定値Umaxは、Z軸の−方向を重力方向と判定するのに必要な所定判定回数を表す値である。
検出信号生成部34は、加速度データ取り込み部31からX軸、Y軸及びZ軸の各軸の軸加速度データを受け取り、軸判定部33により重力軸であると判定された軸(X軸、Y軸及びZ軸のうちのいずれか1つ)についての加速度の方向つまり、X軸の+方向、X軸の−方向、Y軸の+方向、Y軸の−方向、Z軸の+方向及びZ軸の−方向の6種類の方向のうちのいずれか1つを重力方向として表す検出信号を生成する(ステップS131)。
図5は、重力軸判定装置1を搭載した携帯電話端末100を表すブロック図である。携帯電話端末100は、重力軸判定装置1と、モニタ40と、画像記憶メモリ41と、画像表示制御部42と、を含む。
モニタ40は、例えばディスプレイであり、画像記憶メモリ41に記憶されている画像データに基づいた画像を表示する。画像記憶メモリ41は、画像データを記憶する例えばRAMなどのメモリである。画像表示制御部42は、画像記憶メモリ41に記憶されている画像データに応じた画像を、重力軸判定装置1からの検出信号に応じた水平垂直方向によってモニタ40に表示せしめる例えばマイクロプロセッサなどである。
画像表示制御部42は、重力軸判定装置1に含まれる検出信号生成部34からの検出信号が示す重力方向に基づいて決定した水平垂直表示方向にて、モニタ40に画像を表示させる。画像表示制御部42は、例えば重力方向がY軸の+方向である場合に図6(a)の如くモニタ40に画面表示させ、重力方向がX軸の+方向である場合に図6(b)の如くモニタ40に画面表示させる。つまり、モニタ40は、画像の向きが地面に対して一定の向きになるように切り替えて表示する。
例えば、携帯電話端末100の縦方向(Y軸方向)と横方向(X軸方向)とが共に、地面に対して45度近辺の傾きになるように保持されている場合、Y軸の加速度の大きさとX軸の加速度の大きさとがほぼ同一の値となる。このような場合、最大の加速度に対応する軸(以下、最大加速度軸と称する)がX軸とY軸とで頻繁に入れ替わることになる。つまり、軸判定部33が1度の加速度比較結果に基づいて重力軸を判定した場合、重力軸と判定される軸がX軸とY軸とで頻繁に入れ替わることになる。一方、軸判定部33が、上記した如き重力軸判定処理により、1つの軸が最大加速度軸であると所定判定回数だけ連続して判定したときに限り、その軸を重力軸であると判定する場合には、重力軸が頻繁に入れ替わることなく、確度の高い重力軸判定ができる。
上記したように、本実施例による重力軸判定装置によれば、X軸、Y軸及びZ軸の各々の加速度の絶対値を相互に比較して、最も絶対値の大きい加速度に対応する軸を重力軸と判定する。したがって、本発明によれば、重力軸を判定するために端末の傾斜角度及び傾斜方向を算出する必要がないので、短時間で重力の方向を判定でき且つ回路構成を簡単にすることができると共に低コストで重力軸判定装置を構成することができる。
また、本実施例によれば、所定期間内においてX軸、Y軸及びZ軸のうちの1つについての加速度の絶対値が他の軸の加速度の絶対値よりも大きいと所定判定回数だけ判定した場合に当該1の軸を重力軸と判定する。したがって、例えばX軸及びY軸の各々が地面に対して45度付近の角度となるように端末が傾いており最大加速度の軸がX軸とY軸とで極短時間に頻繁に入れ替わった場合には重力軸の判定結果は変わらずに一定となる。それゆえ、このような場合には、端末のディスプレイに表示される画面の向きがX軸とY軸とで頻繁に入れ替わることなく安定しているのでユーザーにとって見やすい画面表示をすることができる。
上記した例は、軸の1つについての加速度の絶対値が他の軸の加速度の絶対値よりも大きいと4回だけ連続して判定した場合に当該1の軸を重力軸と判定する場合の例であるが、その回数に制限は無く、重力軸判定装置を搭載する端末の用途や機能に応じて適宜設定可能である。
また、上記した例は、X軸、Y軸及びZ軸の3軸の加速度の大きさを相互に比較して重力軸を判定したものであるが、このうちの2軸の加速度の大きさを相互に比較して重力軸を判定するようにしても良い。例えば、重力軸判定装置を携帯電話端末に搭載した場合において、重力軸の判定結果に基づいてディスプレイの表示画面の向きを変更する場合には、X軸及びY軸の2軸のうちのいずれかの軸を重力軸と判定すれば画面の向きの切り替えができる。
この場合の重力軸判定処理ルーチンの一例を図7に示す。X軸、Y軸及びZ軸の各々の軸加速度データの取り込み処理(ステップS201)は上記した例と同様である。次に、Z軸の加速度の大きさが例えば0.866などの所定値よりも小さいか否かを判定する(ステップS202)。つまり、Z軸についての加速度検知結果は、携帯電話端末の画面と地面との間の角度が例えば30度などの所定角度以上になったか否かを判定するのに用いるのみで、X軸及びY軸との比較には用いない。また、X軸Y軸のみを利用して携帯電話端末の画面と地面との間の角度を判定することもできる、その場合は当該角度が30°の場合、X軸Y軸の加速度の大きさが0.5となる。Z軸の加速度の大きさが所定値よりも小さい場合には、X軸とY軸との間で加速度の絶対値を比較する(ステップS203)。以下の処理(ステップS204〜S222)は上記したのと同様に行い、X軸の+方向、X軸の−方向、Y軸の+方向及びY軸の−方向のいずれか1つを重力方向と判定する。
なお、上記した実施例は、重力軸判定装置を携帯電話端末に搭載した場合の例であるが、例えば携帯型のパーソナルコンピュータなど他のモバイル端末装置に重力軸判定装置を搭載した場合にも同様の効果を奏することができる。
本実施例による重力軸判定装置を表すブロック図である。 携帯電話端末と加速度軸との対応を表す図である。 X軸、Y軸及びZ軸の各軸の軸加速度データ列の一例を表すタイムチャートである。 重力軸判定処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。 重力軸判定装置を搭載した携帯電話端末を表すブロック図である。 携帯電話端末の向きと表示画面の対応を表す図である。 別の重力軸判定処理ルーチンの一例を表すフローチャートである。
1 重力軸判定装置
10 加速度センサ
20 フィルタ
30 マイクロプロセッサ
31 加速度データ取り込み部
32 判定検出部
33 軸判定部
34 検出信号生成部
40 モニタ
41 画像メモリ
42 画像表示制御部
100 携帯電話端末

Claims (4)

  1. 3次元空間を構成する3軸のうちの1つを重力軸と判定検出する重力軸判定方法であって、
    前記3軸のうちの少なくとも2軸方向における加速度を各々が表す少なくとも2つの軸加速度信号を生成し、
    前記軸加速度信号の各々を少なくとも2つの軸加速度データ列として取り込み、
    同一時間帯における前記軸加速度データ列のうちの1の軸加速度データ値が当該1の軸加速度データ列以外の軸加速度データ列のうちの1の軸加速度データ値よりも大きいと複数回に亘って連続して判別された場合に、前記1の軸加速度データ列に対応する軸が前記重力軸と判定されることを特徴とする重力軸判定方法。
  2. 前記複数回は少なくとも4回であることを特徴とする請求項1記載の重力軸判定方法。
  3. 前記軸加速度信号が取り込まれる複数の間隔は、各々等しいことを特徴とする請求項2記載の重力軸判定方法。
  4. 前記軸加速度信号の高周波成分が除去されることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の重力軸判定方法。
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