JP5156426B2 - 産業機械の防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、機体を構成する上部体および下部体との間に、リリーフ弁に連結した防振部を備え、防振部は、流体を給排可能とするシリンダライナおよび、このシリンダライナ内を摺動自在とし、一端部を上部体または下部体に取付けたピストンからなるシリンダであって、上部体または下部体から伝播する振動の方向および振幅に応じてシリンダライナ内に流体を給排し、シリンダライナ内の流体の量を調節することにより、シリンダライナの内部圧を振動負荷前後で一定に保持して、上部体もしくは下部体を防振する産業機械の防振装置に関するものであり、より詳細には、上部体または下部体に、上部体または下部体の高さ位置を検出する位置検出器を備えるとともに、位置検出器と、リリーフ弁との間には、位置検出器の検出情報に基づいて、リリーフ弁の設定圧を制御して、上部体または下部体の中立位置を保持する制御部を備えることに関する。
従来のトラクタなどの作業車両には、走行時に路面の凹凸に起因して車体へ入力される振動から、キャビンなどを有する操縦部を防振する方法として、機体とキャビンとの間に防振ゴムを備えるものがある。また、防振すべき操縦部に取付けられた油圧シリンダのピストン荷重につりあう油圧力をリリーフ弁で調整し、油圧シリンダのシリンダライナと一体の走行部が油圧シリンダの軸方向に加振されたとき、リリーフ弁の作動により油圧シリンダの内部圧を振動付加前後で一定に保持して、操縦部を防振する技術もある(例えば特許文献1および非特許文献1)。
特開2006−27342号公報 農業機械学会関西支部報第48号(昭和55年6月)
しかし、このような特許文献1の作業車両では、防振ゴムに振動を吸収させて操縦部が防振されるため、走行時に路面から受ける、特に中程度以上の振動に対しては操縦部を十分に防振することができない問題があった。
また、非特許文献1のような作業車両では、防振すべき部位である、例えば操縦部に作業者が乗ることにより、操縦部の重量が変化することにより、油圧シリンダのピストンの中立位置を保持するため、作業者が操縦部への昇降時にその都度リリーフ弁の圧力調整ねじを手動で調整する必要があり、作業性が悪いという問題もあった。さらには、このような防振部を備える作業車両では、操縦部の高さ調節がしづらく、作業者によっては視界確保のために操縦部から立ち上がる必要があり、操縦部の高さを調節する場合にも大掛かりな作業となり作業性が悪いほか、路面など走行面の傾斜に応じて傾いた操縦部に振動が加振されるため、作業者にストレスを与え、車両の操縦性を悪くしていた。
そこで、この発明の目的は、防振すべき部位に荷重などが付加されても、この部位の中立位置を容易に保持できるとともに、この防振部により防振すべき部位の高さ制御や水平制御を容易とする、作業性を向上させた産業機械の防振装置を提供することにある。
このため、請求項1に記載の発明は、機体を構成する上部体および下部体との間に、リリーフ弁に連結した防振部を備え、前記防振部は、流体を給排可能とするシリンダライナおよび、該シリンダライナ内を摺動自在とし、一端部を前記上部体または前記下部体に取付けたピストンからなるシリンダであって、前記上部体または前記下部体から伝播する振動の方向および振幅に応じて前記シリンダライナ内に前記流体を給排し、前記シリンダライナ内の前記流体の量を調節することにより、前記シリンダライナの内部圧を振動負荷前後で一定に保持して、前記上部体もしくは前記下部体を防振する産業機械の防振装置において、前記防振部を、前記上部体の前部左右および後部左右の4箇所に備え、前記上部体または前記下部体に、前記上部体または前記下部体の高さ位置を検出するレーザービーム式の位置検出器を備えるとともに、前記位置検出器と、前記リリーフ弁との間には、前記位置検出器の検出情報に基づいて、前記リリーフ弁の設定圧を制御して、前記上部体または前記下部体の中立位置を保持する制御部を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の産業機械の防振装置において、前記リリーフ弁は、比例電磁式である。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の産業機械の防振装置において、前記流体は、潤滑油である。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の産業機械の防振装置において、前記流体は、空気である。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の産業機械の防振装置において、前記上部体または前記下部体は、前記制御部に接続した、前記上部体または前記下部体の傾斜角度を検出する傾斜検出器を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1又は5に記載の産業機械の防振装置において、前記上部体または前記下部体に取付けた定位弾性体の端部に、該端部の位置を摺動させる、スライド装置を設けることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の産業機械の防振装置において、前記防振部の前記ピストンと、前記上部体または前記下部体との間に弾性部材を備えることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の産業機械の防振装置において、前記リリーフ弁は、パルスモータを備えることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の産業機械の防振装置において、前記シリンダライナ内に前記流体を給排する流路内であって、前記シリンダライナと、前記リリーフ弁との間に、チェック弁を備えることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の産業機械の防振装置において、前記流路内であって、前記シリンダライナと、前記リリーフ弁との間に、方向切替弁を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、機体を構成する上部体および下部体との間に、リリーフ弁に連結した防振部を備え、防振部は、流体を給排可能とするシリンダライナおよび、このシリンダライナ内を摺動自在とし、一端部を上部体または下部体に取付けたピストンからなるシリンダであって、上部体または下部体から伝播する振動の方向および振幅に応じてシリンダライナ内に流体を給排し、シリンダライナ内の流体の量を調節することにより、シリンダライナの内部圧を振動負荷前後で一定に保持して、上部体もしくは下部体を防振する産業機械の防振装置において、防振部を、上部体の前部左右および後部左右の4箇所に備え、上部体または下部体に、上部体または下部体の高さ位置を検出するレーザービーム式の位置検出器を備えるとともに、位置検出器と、リリーフ弁との間には、位置検出器の検出情報に基づいて、リリーフ弁の設定圧を制御して、上部体または下部体の中立位置を保持する制御部を備えるので、例えば作業者の乗降によって操縦部などの上部体または下部体の重量が変化しても、従来のようにリリーフ弁を手動調整する必要がなく、自動的にシリンダの内圧を変更維持して、シリンダライナ内に流体を給排して、上部体または下部体における防振部のシリンダの中立位置を保持することができる。従って、作業性を向上させた産業機械の防振装置を提供することができる。
また、重量の大きな上部体を支持できるとともに、4箇所の防振部を制御することによって高い防振性能を得ることができる。また、レーザービーム式の位置検出器を備えるので、機械式の位置検出器と比べて位置検出の精度や耐久性が高く、高い防振性能を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、リリーフ弁は、比例電磁式であるので、制御部からの指示に基づいたリリーフ弁の電流制御により、シリンダの内圧を連続的に細かく制御することができる。従って、作業性を向上させた産業機械の防振装置を提供することができる。
請求項に記載の発明によれば、流体は、潤滑油であるので、ミッションケース内の作動油を利用して防振すべき上部体または下部体の中立位置を容易に保持させながら防振することができる。従って、コストダウンを図った産業機械の防振装置を提供することができる。
請求項に記載の発明によれば、流体は、空気であるので、安価に上部体または下部体を防振できるとともに、その中立位置を保持することができる。従って、コストダウンを図った産業機械の防振装置を提供することができる。
請求項に記載の発明によれば、上部体または下部体は、制御部に接続した、上部体または下部体の傾斜角度を検出する傾斜検出器を備えるので、走行路面の状態などにより防振すべき上部体または下部体が傾斜しても防振部を利用して、この上部体または下部体を通常の走行路面に対して水平制御することができる。従って、操縦性および安全性を向上させた産業機械の防振装置を提供することができる。
請求項に記載の発明によれば、上部体または下部体に取付けた定位弾性体の端部に、この端部の位置を摺動させる、スライド装置を設けるので、上部体または下部体の水平制御時や高さ位置制御時に、防振部のピストンを摺動させる際、ピストン端部の位置も摺動させ、制御前後でも常時同じ付勢力でピストンの定位性を保持し、上部体または下部体の中立位置を保持し易くすることができる。従って、操縦性および安全性を向上させた産業機械の防振装置を提供することができる。
請求項に記載の発明によれば、防振部のピストンと、上部体または下部体との間に弾性部材を備えるので、エンジンなど駆動部から発生する高周波数の振動を、シリンダと弾性体とを組み合わせた防振部により絶縁でき、防振すべき上部体または下部体内に伝わってくるこの高周波振動による騒音を低減することができる。従って、操縦性向上させた産業機械の防振装置を提供することができる。
請求項に記載の発明によれば、リリーフ弁は、パルスモータを備えるので、より安価なパルスモータを用いて、制御部からの指示に基づいたリリーフ弁のパルス制御により、シリンダの内圧を連続的に細かく制御することができる。従って、作業性を向上させた産業機械の防振装置を提供することができる。
請求項に記載の発明によれば、シリンダライナ内に流体を給排する流路内であって、シリンダライナと、リリーフ弁との間に、チェック弁を備えるので、エンジンなど駆動源の停止に伴い、シリンダに流体を圧送するポンプが停止しても、チェック弁により流体の逆流を防ぐことで、シリンダの油圧が固定され、上部体または下部体の中立位置を保持できるほか、駆動源の再起動時に再度流体をシリンダに圧送して、上部体または下部体を中立位置に保持する無駄な動力を省くことができる。従って、作業性および燃費を向上させた産業機械の防振装置を提供することができる。
請求項10に記載の発明によれば、流路内であって、シリンダライナと、リリーフ弁との間に、方向切替弁を備えるので、機体の低速走行時や低速作業時に防振部を作動させる必要がないときに、方向切替弁により流体の逆流を防ぐことで、シリンダの油圧を固定して、上部体または下部体の中立位置を保持でき、流体を圧送するポンプの駆動動力を低減することができる。従って、作業性および燃費を向上させた産業機械の防振装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明を実施するための最良の形態について詳述する。
図1は本発明の上部体および下部体を備える産業機械の一実施例を示す、作業車両としてのホイール式トラクタの左側面図、図2は同トラクタの平面図である。
この例の産業機械として、作業車両のトラクタ1は、車体フレーム2の前後に、前輪3および後輪4を備え、前輪3の上方にボンネット5を形成するとともに、その内側には原動機部としてのエンジン6およびクラッチハウジング7が配置され、さらにこのクラッチハウジング7の後部にはミッションケース8が配設されており、エンジン6からの動力が前輪3および後輪4に伝達される。このような構成を有する下部体1Bのボンネット5の後部に連続して車体フレーム2上には上部体1Aとしてのキャビン9が設けられる。なお、トラクタ1は、上述したようなキャビン仕様のほか、ロプス仕様であってもよい。
次いで、キャビン9内には、操縦部として、ブレーキペダルやクラッチペダルなどの操作ペダル10、ステアリングハンドル11、シート12などが設けられる。また、シート12の両側方に有する図示しない左右フェンダには、例えば、主変速レバー14や副変速レバー、PTO変速レバーなどの各種操作レバーが突設されている。また、キャビン9の外周は、それぞれフロントガラス15、リヤガラス16、ドア17、屋根18などを取付けてもよい。
そして、エンジン6の動力は、ミッションケース8から前後に突出した不図示のPTO軸に伝達され、このPTO軸の駆動により、車両後端部のユニバーサルジョイントや、リフトリンク19および左右ロアリンク20からなる三点リンク式などの作業機装着装置21を介して車両後端に装着された図示しない作業機が駆動される。
次に、本願発明の、防振部ついて、その具体的構成を説明する。図3は防振部を備えるトラクタを前方から見た斜視図、図4は防振部の参考の設置位置を示す模式図、図5は防振部の側面模式図である。
まず、図3に示すように、操縦部を備えるキャビン9などの上部体1Aと、前輪3および後輪4を備え、車体フレーム2上に載置したエンジン6を内設するボンネット5やミッションケース8などから構成される下部体1Bとの間であって、その車体フレーム2上には、走行時に路面の凹凸に起因して車体へ入力される振動から上部体1Aを防振するための防振部31が設けられる。
この防振部31は、参考例として、図4に示すように、ピストン32およびシリンダライナ33からなるシリンダsなどであって、例えば、下部体1Bの上端部に位置する車体フレーム2上における、上部体1A底部の前部中央近傍に1箇所、および上部体1A底部の後部の左右であって、車体フレーム2後部の左右に延設されるステー上に1箇所ずつ配設される。なお、前述とは逆に、防振部31を、上部体1A底部の前部左右に1箇所ずつ、および上部体1A底部の後部中央近傍に1箇所配置させてもよい。また、後述するように、防振部31の設置数および設置箇所は上記に限定されない。
さらに、防振部31を以下に例を示しながら詳述する。図5には上述した防振部31のうちの1箇所を示すが、上部体1Aの底部に、ピストンヘッド32aを下方に向けたピストン32の上端部が固設される。また、下部体1Bの車体フレーム2上には、上方からピストンヘッド32aを挿入可能としたシリンダライナ33の下端部が固設される。
また、上部体1Aの底部と、シリンダライナ33の中途部から側方に延設されたステーとの間には、ピストン32の定位性を保持するための、ばねなどの定位弾性体34および、上部体1Aの高さ位置を検出する、レーザービーム式の位置検出器35が設けられる。
さらに、シリンダライナ33の中途部(シリンダライナ33の下端部と、このシリンダライナ33内に摺動可能に挿入されたピストンヘッド32aとの間)と、ミッションケース8内との間には、流体40を給排する配管などの流路36が接続される。また、ミッションケース8近傍の流路36には油圧ポンプ37が備えられるとともに、シリンダライナ33へ向う流路36から分岐して、ミッションケース8内に戻る流路36にはリリーフ弁38として比例電磁式リリーフ弁38aが設けられる。
そして、比例電磁式リリーフ弁38aと、位置検出器35とは、コントローラなどからなる制御部39を介して接続される。
このような構成の防振部31により、まず、車体走行時に路面の凹凸に起因して車体へ入力され、下部体1Bより伝播される振動から、上部体1Aを防振する場合には、シリンダs内が予めリリーフ弁38aで設定しておいた油圧力になるまで、ミッションケース8内の流体40としての作動油(潤滑油)が油圧ポンプ37によりシリンダライナ33内へ注入され、上部体1Aを支持するピストン32が作動油により押し上げられる。このとき、ピストン32の荷重につりあったピストン32におけるピストンヘッド32aの中立位置n(シリンダs内が設定した油圧力に達した位置)が保持される。
そして、シリンダライナ33と一体の下部体1Bがシリンダsの軸方向であって、上方または下方に加振され、ピストン32に作動油から上方または下方への力が加わるとき、リリーフ弁38が作動し、シリンダs内の作動油を給排することで、シリンダs内の圧力が一定に保持され、上部体1Aが防振される。
次に、この上部体1Aに作業者が乗降して、上部体1Aの重量が変化した際、ピストン32の中立位置を自動的に保持する方法を説明する。まず、エンジン6の駆動中に、作業者が乗る前の上部体1Aにおいて、シリンダs内のピストン32が作動油を押圧するときのピストンヘッド32aの位置を中立位置nとし、作業者が上部体1Aに乗ることにより上部体1Aの重量が増加した場合には、この上部体1Aが重量増加分に応じて下方に下がるため、シリンダs内の内部圧が増加して、シリンダライナ33内の作動油の一部がリリーフ弁38から放出される結果、ピストンヘッド32aも中立位置nより下方に押し下げられる。
このとき、位置検出器35は、上部体1Aの適宜設定した位置、例えば上部体1A底部の高さ位置を検出するとともに、その検出情報を制御部39に送信する。そして、制御部39は、前記検出情報に基づき、作業者が乗る前の上部体1Aの高さ位置と、作業者が乗った後の上部体1Aの高さ位置との差分(高さ)を算出するとともに、リリーフ弁38aの設定圧を電流制御によりこの差分に応じた所定の高さに細かく設定変更することで、リリーフ弁38aの設定圧が正確に上げられる。なお、この説明では、作業者の昇降による上部体1Aの中立位置の保持方法として位置検出器35を用いているが、例えば上部体1Aの重量を測定する重量測定装置などを用い、作業者の乗降前後の重量差を制御部39に送信しても同様の効果を得ることができる。
そして、油圧ポンプ37が作動油をミッションケース8内からリリーフ弁38aの設定圧に達するまで、シリンダライナ33内に送油するため、シリンダライナ33内の作動油が増量し、この作動油によりピストン32が押し上げられるため、ピストンヘッド32aが中立位置nに戻される。
なお、油圧ポンプ37によりミッションケース8内から作動油がシリンダライナ33内に供給され続けて、シリンダライナ33内の圧力が、リリーフ弁38の設定圧に達した場合は、リリーフ弁38aから作動油を放出して系内の設定圧を維持するため、ピストンヘッド32aの中立位置nが保持され、上部体1Aの中立位置(上部体1Aの中立位置は、ピストンヘッド32aの中立位置nに準ずる)が保持される。
次いで、作業者が上部体1Aから降りたときは、上部体1Aの重量が減少し、定位弾性体34の付勢力も加わり、上部体1Aが上方に向って戻るため、ピストンヘッド32aが中立位置nよりも上方に摺動される。
このとき、位置検出器35は、上部体1A底部の高さ位置が、作業者が乗らない定位置であることを検出(あるいは、作業者が乗っていたときの上部体1Aの高さ位置と、作業者が降りた後の上部体1Aの高さ位置との差分でもよい)した情報に基づいて、制御部39は、リリーフ弁38aを電流制御により上部体1Aの定位置(あるいは、作業者が乗っていたときの上部体1Aの高さ位置と、作業者が降りた後の上部体1Aの高さ位置との差分でもよい)に応じた所定の設定圧に細かく変更することで、リリーフ弁38aの設定圧が正確に下げられる。
その結果、シリンダライナ33内の作動油が、リリーフ弁38aの設定圧までリリーフ弁38aから放出され、ピストンヘッド32aが中立位置nに戻され、上部体1Aの中立位置が保持される。
このような構成にすることで、作業者の乗降などによって操縦部など防振すべき上部体1Aの重量が変化しても、従来のようにリリーフ弁38を手動調整する手間を必要とせず、自動的にシリンダsの内圧を変更維持し、シリンダライナ33内に作動油を給排して、上部体1Aにおける防振部31のピストンヘッド32aの中立位置nを保持することができる。これにより、作業者の体重などによる上部体1Aの荷重の変化で、この上部体1Aの高さ位置が異なることなく、煩わしい調節作業を必要とせず容易に常時定位置で上部体1Aを防振部31により防振することができる。
また、比例電磁式リリーフ弁38aを用いることにより、制御部39からの指示に基づいたリリーフ弁38aの電流制御により、シリンダsの内圧を連続的に細かく制御でき、ピストンヘッド32aの中立位置nを正確に保持することができる。さらには、流体40として作動油を用いることにより、ミッションケース8内の作動油を利用して低コストで防振すべき上部体1Aの中立位置nを容易に保持させながら防振することができる。
なお、リリーフ弁38は、上述した比例電磁式リリーフ弁38aに限定されず、例えば、リリーフ弁38にパルスモータ38bを設けることもできる。図6は、パルスモータを備えたリリーフ弁を有する防振部の側面模式図を示す。
この場合、図6に示すように、リリーフ弁38にパルスモータ38bを接続させるとともに、パルスモータ38bは、制御部39を介して位置検出器35に接続される。これにより、上述同様に、様々な体重を有する作業者の乗降などによって操縦部など防振すべき上部体1Aの重量が変化し、上部体1Aの高さ位置が昇降しても、位置検出器35により検出された上部体1Aの高さ位置の検出情報に基づいて、制御部39はパルスモータ38bに、ピストンヘッド32aが中立位置nに位置する上部体1Aの定位置に応じたパルス制御を行い、リリーフ弁38の設定圧が連続かつ正確に制御される。
その結果、シリンダライナ33内の作動油が、リリーフ弁38の設定圧までリリーフ弁38に給排され、ピストンヘッド32aが中立位置nに戻されることにより、自動的にシリンダsの内圧を変更維持し、シリンダライナ33内に作動油を給排して、防振部31におけるピストンヘッド32aの中立位置nを保持することができ、上部体1Aの中立位置が保持される。
このような構成により、より安価なパルスモータ38bを用いて、制御部39からの指示に基づいたリリーフ弁38のパルス制御により、シリンダsの内圧を連続的に細かく、かつ正確に制御することができる。
以上のような防振部31を、上述したような上部体1Aと下部体1Bとの間に3箇所備えた3点支持以外に、種々のパターンで配置することができる。図7〜9は防振部の各設置パターンを示す平面模式図(a)および側面模式図(b)である。
まず、図7に示すように、防振部31を、例えば、下部体1Bの車体フレーム2上における、上部体1A底部の前部左右であって、車体フレーム2前部の左右に延設される図示しないにステー上に1箇所ずつおよび上部体1A底部の後部左右であって、車体フレーム2後部の左右に延設されるステー上に1箇所ずつ配設される、4点支持であってもよい。なお、防振部31は、前記ステー上に設置されることに限定されず、狭い左右間隔で車体フレーム2上に設置してもよい。
このような構成にすることで、例えば特に大型の車両などに有する重量の大きな上部体1Aを安定的に支持できるとともに、4点からなる大きなシリンダs内の圧力で上部体1Aの中立位置を保持できるとともに、下部体1Bから伝播される振動を防振することができる。
次に、参考例として、図8に示すように、防振部31を、例えば、下部体1Bの車体フレーム2上における、上部体1A底部の後部(前部でもよい)左右であって、車体フレーム2後部(前部でもよい)の左右に延設される図示しないにステー上に1箇所ずつ配置するとともに、車体フレーム2の前部左右に延設される前記ステー上であって、上部体1A底部の前部(後部でもよい)左右には、上部体1Aを前後方向に回動可能とするヒンジ39が1箇所ずつ設けられた、2点支持にすることができる。なお、ヒンジ40は、上部体1A底部の前部または後部の中央近傍であって、車体フレーム2上に1箇所設けてもよい。
このような構成にすることで、防振部31の設置数を減らすことにより、シリンダsやリリーフ弁38などの設置数を削減してコストダウンすることができる。
さらに、参考例として、図9に示すように、上部体1Aと下部体1Bとの間に、上部体1Aを上下方向に昇降可能とするパンタグラフ41を備えるとともに、防振部31を、例えば、パンタグラフ41の支点近傍で、パンタグラフ41の摺動を妨げない適宜位置の車体フレーム2上に1箇所配置させた、1点支持にすることもできる。
このような構成にすることで、防振部31の設置数を最小にすことにより、シリンダsやリリーフ弁38などの設置数をさらに削減してコストダウンすることができる。
次に、下部体1Bを構成するボンネット5内のエンジン6などの駆動で発生し、上部体1Aに伝播される高周波数の振動についても、この防振部31で防振することができる。図10は、上部体とピストンとの間に弾性部材を備える防振部の一部を示す側面模式図である。
図10に示すように、ピストンの上端部と、上部体1A底部との間には、シリコンゴムや、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などからなる防振ゴムなどの弾性部材42が固着される。なお、弾性部材42の材質は上述に限定されない。
このような構成にすることで、エンジン6など駆動部から発生する高周波数の振動を、シリンダsと弾性部材42とを組み合わせた防振部31により絶縁でき、防振すべき上部体1Aに伝わってくるこの高周波振動による騒音を低減することができる。
次に、本願発明の防振部31により、防振すべき上部体1Aの高さ位置を容易に制御することもできる。図11は、上部体の昇降制御を可能とする防振部の側面模式図である。この場合、図5に示す防振部31同様に、上部体1Aの高さ位置を検出する位置検出器35と、シリンダs内の圧力調節をするリリーフ弁38としての比例電磁式リリーフ弁38aとは、制御部39を介して接続される。なお、このケースにおいては図示しないが、リリーフ弁38は、図6に示すようなパルスモータ38bを接続してもよい。また、この上部体1Aの昇降制御は、防振部31のシリンダsの支持数が何点であっても可能とされる。
一方、上部体1Aの底部と、シリンダライナ33の中途部から側方に延設されるとともに上下方向に摺動可能なステーとの間に設けられた定位弾性体34の下端部には、制御部39に接続されたスライド装置43が取付けられ、例えばこのスライド装置43を構成するモータ43aで上下に摺動されるアーム43bの上端部を定位弾性体34の下端部に接続することで、定位弾性体34の下端部の位置を上下に移動させることができる。
ここで、例えば、上部体1Aに作業者が乗り、シート12に着座した際、作業者の身長などにより前方視界が悪い場合などには、上部体1A内に有する不図示の上部体昇降スイッチなどが操作され、その操作量に応じた信号が制御部39に入力される。
このとき、制御部39は、前述したように、位置検出器35からの検出情報に基づいて、比例電磁式リリーフ弁38aなどの設定圧を変更させて、作業者の体重の違いなどによらず上部体1Aの中立位置が保持されている。さらに、前記信号に基づいて上部体1Aを上昇させるため、定位弾性体34の付勢力を増加させる。制御部39は、スライド装置43を駆動させて、定位弾性体34の下端部を上方に摺動させ、定位弾性体34の長さを短くすることで、定位弾性体34の付勢力を増加させる。
その結果、付勢力が増加した定位弾性体34の、その付勢力の増加がなくなる(ゼロになる)高さ位置まで(定位弾性体34の長さが付勢力を増加させる前の長さになるまで)、上部体1Aが上昇する。
このとき、ピストンヘッド32aの中立位置n´も上方に移動するが、上部体1Aの上昇前後で同じ長さにした定位弾性体34の付勢力によりピストンヘッド32aの中立位置n´(上昇後の上部体1Aの中立位置)を保持することができる。なお、作業者の好みにより上部体1Aの位置を下降させる場合には、前述とは逆の操作により、制御部39が、スライド装置43を駆動させ、上部体1Aの下降分に応じて定位弾性体34の下端部が下方に摺動される。
このような構成により、防振部31を用いて上部体1Aを容易に昇降でき、例えば作業者の身長など体型によることなく上部体1Aからの視界を良好に確保して、安全性および作業性を向上させた産業機械の防振装置を提供することができる。また、スライド装置43を設けることにより、上部体1Aの高さ位置制御時に、防振部31のピストン32の端部位置も摺動させ、制御前後でも常時同じ付勢力でピストン32の定位性を保ち、上部体1Aの中立位置を保持することができる。
次に、本願発明の防振部31により、防振すべき上部体1Aの水平制御を容易に行うこともできる。図12は、上部体の水平制御を可能とする防振部の側面模式図である。この場合、図11に示す防振部31同様に、上部体1Aの高さ位置を検出する位置検出器35と、リリーフ弁38としての比例電磁式リリーフ弁38aとは、制御部39を介して接続され、定位弾性体34の下端部にはスライド装置43が設置される。なお、このケースにおいても図示しないが、リリーフ弁38は、図6に示すようなパルスモータ38bを接続してもよい。
また、上部体1Aの上端部など限定されない適宜位置には、上部体1Aの傾斜による傾斜角に伴い、内部に有する振り子の角変位を電気信号に変換するサーボ型などの傾斜検出器44が取付けられるとともに、この傾斜検出器44は、制御部39に接続される。なお、傾斜検出器44は、サーボ型に限定されない。なお、この上部体1Aの水平制御は、前述した防振部31による上部体1Aの支持パターンのうち、2点支持以上に適用され、1点支持は除かれる。
ここで、走行路面などの状態により、機体の防振すべき上部体1Aが前後左右方向のいずれかに傾斜した場合、傾斜検出器44が、通常の水平な走行路面などに対して上部体1Aの傾斜方向および傾斜角度を検出するとともに、その検出情報を制御部39に送信する。
次いで、制御部39は、前記検出情報に基づいて、例えば、上部体1Aを支持する防振部31のうち、水平な走行路面などに対して上部体1Aの部位が下方に傾斜した位置に相当するシリンダsに接続される比例電磁式リリーフ弁38aの設定圧を調節し、比例電磁式リリーフ弁38aの設定圧が、傾斜角度に応じた設定圧に上げられる。
そして、シリンダライナ33内の作動油量が比例電磁式リリーフ弁38aの設定圧まで増加することで、下方に傾斜した上部体1Aの部位を他の部位と同じ高さ位置に上昇させる。このとき、制御部39は、シリンダsを上昇させた防振部31に有する位置検出器35の検出情報に基づき、前述のようにスライド装置43を駆動させ、当該部位における上部体1Aの上昇分に応じて定位弾性体34の下端部が上方に摺動され、当該シリンダsにおけるピストンヘッド32aの中立位置n´´(昇降後の上部体1Aの中立位置)を保持することで、上部体1Aの中立位置が保持される。
この結果、下部体1Bが走行路面などの状態により傾斜したままであっても、上部体1Aは水平路面に対して同じ水平に保たれ、この状態における機体の走行時または作業時に、防振部31により上部体1Aが防振される。
このような構成にすることで、路面の状態などにより防振すべき上部体1Aが傾斜しても、防振部31を利用して、中立位置を保持しながら防振中の上部体1Aを、通常の水平路面に対して水平制御することができる。
なお、上述では、上部体1Aを支持する防振部31のうち、水平な走行路面などに対して上部体1Aの部位が下方に傾斜した位置のみに相当する1箇所のシリンダsの油圧を調整して上部体1Aの水平制御をする方法について説明したが、この発明はこの方法に限定されず、例えば、防振部31に有する全てのシリンダsの油圧を調整して上部体1Aを水平制御してもよい。
次に、防振部31における油圧ポンプ37の停止時に、上部体1Aの高さ位置を保持して、上部体1Aの下降を防止することもできる。図13は、チェック弁を流路に備える防振部の側面模式図である。
この場合、例えば図5に示す防振部31同様に、シリンダライナ33の中途部と、ミッションケース8内との間には、油圧ポンプ37および比例電磁式リリーフ弁38aなどが設けられた作動油を給排する流路36が接続される。なお、図13では、位置検出器35および定位弾性体34が設けられているが、上述してきたようなスライド装置43や傾斜検出器44を備える防振部31であってもよい。また、リリーフ弁38は、比例電磁式リリーフ弁38aに替えて、パルスモータ38bを接続したものでもよい。
そして、この流路36内であって、シリンダライナ33と、比例電磁式リリーフ弁38aなどとの間に、バイパスbを備えるチェック弁45が設けられる。このバイパス付きチェック弁45は、エンジン6などの駆動中には開放されており、防振部31の作動中には、シリンダライナ33内を、制御部39の制御による比例電磁式リリーフ弁38aなどの設定圧にするため、流路36の作動油がバイパスbによりシリンダライナ33側および比例電磁式リリーフ弁38a側の双方に流通可能とされる。
ここで、機体全体の駆動源であるエンジン6などを停止させることにより、エンジン6からの動力により駆動する油圧ポンプ37も停止するため、防振部31の作動も停止される。このとき、ミッションケース8からシリンダライナ33への作動油の供給が停止されるが、チェック弁45のバイパスが閉鎖されるため、シリンダライナ33内の作動油はチェック弁45から比例電磁式リリーフ弁38a側には逆流できず、シリンダsの内圧が固定される。この結果、上部体1Aは中立位置を保持したままであるため、エンジン6などを停止させても、その都度上部体1Aが下降してしまうことはない。
このような構成により、エンジン6など駆動源の停止に伴い、シリンダsに作動油を圧送する油圧ポンプ37が停止しても、チェック弁45により作動油の逆流を防ぐことで、シリンダsの内圧を固定して、上部体1Aの中立位置を保持できるほか、エンジン6の再起動時に再度作動油をシリンダsに圧送して、上部体1Aを中立位置に保持する無駄な動力を省くことができる。
次に、防振部31の作動を必要としない場合に、油圧ポンプ37の駆動動力を低減させることもできる。図14は、方向切替弁を流路に備える防振部の側面模式図である。
この場合、防振部31は、図13の構成と同様であるが、流路36内であって、シリンダライナ33と、比例電磁式リリーフ弁38aなどとの間に、方向切替弁46が設けられる。また、方向切替弁46は、ミッションケース8にバイパス36´を介してで接続される。この方向切替弁46は、防振部31の作動中には、シリンダライナ33内を、制御部39の制御による比例電磁式リリーフ弁38aなどの設定圧にするため、流路36の作動油をシリンダライナ33側および比例電磁式リリーフ弁38a側の双方に流通可能とさせる。
ここで、例えば、機体の低速走行時や、低速作業時などは、上部体1Aに加わる振動も少ない。従って、このような防振部31を作動させる必要がない場合には、作業者が、例えば上部体1A内に有する、図示しない防振部31のスイッチを切ることにより、制御部39が方向切替弁46の方向を切り替える。
このとき、油圧ポンプ37は駆動状態のままであるため、作動油がミッションケース8内から方向切替弁46へ向けて供給されるが、方向切替弁46により作動油の送油方向が、バイパス36´側となり、作動油はミッションケース8内に戻され、この間を循環されることになる。一方、シリンダライナ33内の作動油は、方向切替弁46から比例電磁式リリーフ弁38a側には逆流できず、シリンダsの内圧が固定される。この結果、上部体1Aは中立位置を保持したままであるため、防振部31の作動を停止させても、その都度上部体1Aが下降してしまうことはない。
このような構成により、機体の低速走行時や低速作業時に防振部31を作動させる必要がないときに、方向切替弁46により作動油の逆流を防ぐことで、シリンダsの内圧を固定して、上部体1Aの中立位置を保持でき、作動油を圧送する油圧ポンプ37の駆動動力を低減することができる。
上述してきたように、防振部31は流体40として作動油を用いたが、この発明の流体40は作動油に限定されず、空気を用いることもできる。図15は、空気を使用する構成の一例を示す防振部の側面模式図である。
この防振部31´は、例えば、図5に示す防振部31同様に、シリンダライナ33に接続された流路36の中途部には、比例電磁式リリーフ弁38aなどが設けられるとともに、この流路36の端部には、コンプレッサ47が設置される。また、位置検出器35と、比例電磁式リリーフ弁38aなどとは、制御部39を介して接続される。なお、この場合、シリンダsや、流路36、比例電磁式リリーフ弁38aなどは気密性の高いものが用いられる。
ここで、防振部31´の作動持には、流路36の端部から取り込まれた外気の空気が、コンプレッサ47により流路36内を圧送され、シリンダライナ33内に導入される。そして、上述同様に制御部39は、位置検出器35からの検出情報に基づいて、比例電磁式リリーフ弁38aなどの設定圧を変更させ、シリンダsの内圧を調整することにより、上部体1Aが防振されるとともに、中立位置も保持される。
このような構成により、流体40が外気を取り込んだ空気を用いるので、ミッションケース8などに有する作動油を用いる必要がないため、この作動油に関するメンテナンスが不要となるとともにさらなる安価で上部体1Aを防振可能、かつ中立位置を保持することができる。なお、この防振部31´は、上述してきたようなスライド装置43や傾斜検出器44、チェック弁45などを備えてもよい。
以上は、産業機械の一例として、ホイール式トラクタについて説明してきたが、この発明はこれに限定されるものではなく、クローラ式トラクタやコンバイン、田植機など農作業車両のほか、建設作業車両として、バックホーやブルトーザなど、また除雪車や救急車などの車両のほか、航空機、船舶など防振すべき部位を備えたあらゆる産業機械に適用することができる。
さらに、この防振部31,31´は、上述してきたような、機体の上部体1Aの防振に限定して適用されるものではなく、例えば、操縦部や客室などを機体の下部体1Bに備える吊り下げ式モノレールなど、防振すべき部位が例えば機体の下部体1Bに有するあらゆる産業機械にも適用することができる。
以上詳述したように、この例のトラクタ1(産業機械)は、機体を構成する上部体1Aおよび下部体1Bとの間に、リリーフ弁38に連結した防振部31,31´を備え、防振部31,31´は、流体40を給排可能とするシリンダライナ33および、このシリンダライナ33内を摺動自在とし、一端部を上部体1Aまたは下部体1Bに取付けたピストン32からなるシリンダsであって、上部体1Aまたは下部体1Bから伝播する振動の方向および振幅に応じてシリンダライナ33内に流体40を給排し、シリンダライナ33内の流体40の量を調節することにより、シリンダライナ33の内部圧を振動負荷前後で一定に保持して、上部体1Aもしくは下部体1Bを防振し、防振部31,31´を、上部体1Aの前部左右および後部左右の4箇所に備え、上部体1Aまたは下部体1Bに、上部体1Aまたは下部体1Bの高さ位置を検出するレーザービーム式の位置検出器35を備えるとともに、位置検出器35と、リリーフ弁38との間には、位置検出器35の検出情報に基づいて、リリーフ弁38の設定圧を制御して、上部体1Aまたは下部体1Bの中立位置を保持する制御部39を備えるものである。
加えて、リリーフ弁38は、比例電磁式38aあるいはパルスモータ38bを備え、流体40が作動油(潤滑油)あるいは空気を用いた防振部31,31´を上部体1Aと、下部体1Bとの間に備える。また、上部体1Aまたは下部体1Bは、制御部39に接続した、上部体1Aまたは下部体1Bの傾斜角度を検出する傾斜検出器44を備え、上部体1Aまたは下部体1Bに取付けた定位弾性体34の端部に、この端部の位置を摺動させるスライド装置43を設ける。さらには、防振部31,31´のピストン32と、上部体1Aまたは下部体1Bとの間に弾性部材42を備える。そして、シリンダライナ33内に流体40を給排する流路36内であって、シリンダライナ33と、リリーフ弁38との間に、チェック弁45あるいは方向切替弁46を備える。
図1は本発明の上部体および下部体を備える産業機械の一実施例を示す、作業車両としてのホイール式トラクタの左側面図である。 同トラクタの平面図である。 防振部を備えるトラクタを前方から見た斜視図である。 防振部の参考の設置位置を示す模式図である。 防振部の側面模式図である。 パルスモータを備えたリリーフ弁を有する防振部の側面模式図である。 防振部による4点支持を示す上部体の平面模式図(a)および側面模式図(b)である。 参考としての防振部による2点支持を示す上部体の平面模式図(a)および側面模式図(b)である。 参考としての防振部による1点支持を示す上部体の平面模式図(a)および側面模式図(b)である。 上部体とピストンとの間に弾性部材を備える防振部の一部を示す側面模式図である。 上部体の昇降制御を可能とする防振部の側面模式図である。 上部体の水平制御を可能とする防振部の側面模式図である。 チェック弁を流路に備える防振部の側面模式図である。 方向切替弁を流路に備える防振部の側面模式図である。 空気を使用する構成の一例を示す防振部の側面模式図である。
符号の説明
1A 上部体
1B 下部体
2 車体フレーム
9 キャビン
31,31´ 防振部
32 ピストン
32a ピストンヘッド
33 シリンダライナ
34 定位弾性体
35 位置検出器
36,36´ 流路
37 油圧ポンプ
38 リリーフ弁
38a 比例電磁式リリーフ弁
38b パルスモータ
39 制御部
40 流体
41 パンタグラフ
42 弾性部材
43 スライド装置
43a モータ
43b アーム
44 傾斜検出器
45 チェック弁
46 方向切替弁
47 コンプレッサ
b バイパス
n,n´,n´´ 中立位置
s シリンダ

Claims (10)

  1. 機体を構成する上部体および下部体との間に、リリーフ弁に連結した防振部を備え、
    前記防振部は、流体を給排可能とするシリンダライナおよび、該シリンダライナ内を摺動自在とし、一端部を前記上部体または前記下部体に取付けたピストンからなるシリンダであって、前記上部体または前記下部体から伝播する振動の方向および振幅に応じて前記シリンダライナ内に前記流体を給排し、前記シリンダライナ内の前記流体の量を調節することにより、前記シリンダライナの内部圧を振動負荷前後で一定に保持して、前記上部体もしくは前記下部体を防振する産業機械の防振装置において、
    前記防振部を、前記上部体の前部左右および後部左右の4箇所に備え、
    前記上部体または前記下部体に、前記上部体または前記下部体の高さ位置を検出するレーザービーム式の位置検出器を備えるとともに、
    前記位置検出器と、前記リリーフ弁との間には、前記位置検出器の検出情報に基づいて、前記リリーフ弁の設定圧を制御して、前記上部体または前記下部体の中立位置を保持する制御部を備えることを特徴とする産業機械の防振装置。
  2. 前記リリーフ弁は、比例電磁式である、請求項1に記載の産業機械の防振装置。
  3. 前記流体は、潤滑油である、請求項1に記載の産業機械の防振装置。
  4. 前記流体は、空気である、請求項1に記載の産業機械の防振装置。
  5. 前記上部体または前記下部体は、前記制御部に接続した、前記上部体または前記下部体の傾斜角度を検出する傾斜検出器を備えることを特徴とする、請求項1に記載の産業機械の防振装置。
  6. 前記上部体または前記下部体に取付けた定位弾性体の端部に、該端部の位置を摺動させるスライド装置を設けることを特徴とする、請求項1又は5に記載の産業機械の防振装置。
  7. 前記防振部の前記ピストンと、前記上部体または前記下部体との間に弾性部材を備えることを特徴とする、請求項1に記載の産業機械の防振装置。
  8. 前記リリーフ弁は、パルスモータを備えることを特徴とする、請求項1に記載の産業機械の防振装置。
  9. 前記シリンダライナ内に前記流体を給排する流路内であって、前記シリンダライナと、前記リリーフ弁との間に、チェック弁を備えることを特徴とする、請求項1に記載の産業機械の防振装置。
  10. 前記流路内であって、前記シリンダライナと、前記リリーフ弁との間に、方向切替弁を備えることを特徴とする、請求項1に記載の産業機械の防振装置。
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