JP4339644B2 - 防振支持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、部材間の荷重を支持するとともに振動伝達を防止する防振支持装置に関する。
土木建築作業に使用される作業用車両である建設機械には、油圧ショベル、油圧クレーン、ブルドーザ、ホイールローダ、パワーショベル、ショベルローダ、ダンプトラックなどがある。このような建設機械は下部走行体が設けられた車体とこれに搭載されたキャブボックスとも言われる運転室つまりキャブと車体に装着される作業用のアタッチメントとを有しており、下部走行体の形式にはクローラベルトを使用したクローラ式、トラックキャリアを使用したトラック式および車輪を使用したホイール式がある。たとえば、油圧ショベルは下部走行体とこれに回転自在に設けられた旋回台とにより車体が構成され、旋回台にはフロントアタッチメントが装着されるとともに、キャブや原動機や動力分配機構などが組み込まれる。フロントアタッチメントは上部旋回体に上下方向に揺動自在に装着されるブームとこれの先端に揺動自在に装着されるアームとにより形成されており、アームの先端にはバケットが装着される。
このような油圧ショベルを始めとして種々の建設機械では、作業時や走行時における振動が車体からキャブに伝達されないように、運転室つまりキャブは防振機能(防振性)を有する防振支持装置を介して車体に搭載されている。このような防振支持装置としては、たとえば特許文献1に示されるように、車体に固定される本体ケースと本体ケースの内側に固定されるゴム等の弾性体およびキャブに固定されるとともに弾性体を貫通するスタッドを有し、スタッドに固定された減衰板を本体ケースに封入されたシリコーンオイルなどの減衰液に浸すようにした所謂液体封入式マウントが知られている。この場合、弾性体はキャブの荷重を支持するとともに車体からキャブへの振動伝達速度を遅延(衝撃的振動伝達の緩和)させる弾性支持機能を有し、減衰板は減衰液中を移動することにより剪断抵抗を発生させて車体からキャブに伝達される振動そのものを吸収、消散させる減衰機能を有する。
しかし、このようなマウントでは、キャブの荷重は弾性体により支持されるので、弾性体としてはキャブの荷重に耐えられる硬い材質のものが用いられる。そのため、弾性体による振動吸収性を十分に高めることができず、乗り心地を向上させることは困難であった。そこで、たとえば特許文献2に示される防振支持装置では、スタッドを弾性体に対して軸方向に移動自在に装着するとともに本体ケースとスタッドの間にスプリングを設け、キャブの荷重はスプリングで支持し、弾性体は径方向の振動を吸収するとともに、その剛性により径方向の変位量を抑制するように構成されている。これにより、キャブの荷重を支持するスプリングを十分に柔らかいものとして乗り心地の向上を図ることができる。
特開平8−189544号公報(第2−3頁、図1) 特開2002―357238号公報(第2−3頁、図2)
しかしながら、乗り心地向上のためにスプリングのバネ定数を小さく設定すると、単位荷重あたりのスタッドの変位量が大きくなるので、キャブの重量が相違するとその取付高さのばらつきが大きくなる。また、通常、マウントはキャブの4隅に配置されるので、キャブの重心位置が中心からずれている場合には、各マウントに加わる荷重が相違することになり、これにより各マウントの沈み込み量がばらついてキャブが傾くことになる。さらに、キャブには、その仕様に応じてキャブガードなど様々なオプション品が予め装備されたり、あるいは後付けされる場合があり、仕様に応じて重量や重心位置が相違する場合がある。そのため、キャブを所定の平面度で所定の高さに取り付けるためには、キャブの重量や重心位置などに応じたスプリングが用いられたマウントを用意する必要がある。このように、防振支持装置を他品種少量生産のキャブに対応させるには、部品点数が増加し、また、部品管理が煩雑となり、この防振支持装置のコストを高くしていた。
本発明の目的は、防振支持装置の汎用性を高めてコストを低減させることにある。
本発明の防振支持装置は、一端が閉塞された筒状に形成され建設機械の下部走行体に固定される本体と、前記本体の内側に配置され前記建設機械の運転室に固定されるスタッドと、前記本体内に取り付けられるとともに前記スタッドが軸方向に移動自在に貫通され前記本体に対する前記スタッドの径方向の変位量を抑える弾性体と、前記本体内の下部に形成された液体室に収容される減衰液と、前記スタッドに固定され前記減衰液に浸される減衰部材とを有する防振支持装置であって、前記弾性体の上方で前記スタッドに固定されるプレートと、一端が前記プレートに固定されるとともに他端が前記液体室よりも上方で前記本体に固定され内部に空気室を形成するベローズとを備え、前記空気室が前記プレートと前記弾性体との間および前記液体室の上方であって前記弾性体と同軸状に該弾性体の外方に形成されるとともに、前記本体と前記スタッドとの間の軸方向の荷重を支持する空気バネを有することを特徴とする。また、この防振支持装置は、前記弾性体の軸方向の両端部にストッパ部を設け、前記プレートもしくは前記減衰部材が前記ストッパ部に接したときに前記本体に対する前記スタッドの軸方向の相対移動が規制されるようにすることができる。
本発明にあっては、本体とスタッドの間の軸方向の荷重は空気バネにより支持されるので、空気室に供給する空気圧を変化させることにより、空気バネのバネ力を本体とスタッドの間に加わる軸方向の荷重に応じた値に容易に設定することができる。したがって、本体とスタッドの間に加えられる荷重が相違する場合でも、同一の防振支持装置を用いることができ、この防振支持装置の汎用性を高めてコストを低減することができる。また、空気バネを用いたことにより、ゴム等の弾性体により軸方向の荷重を支持する場合に比べてバネ力を小さくすることができ、振動吸収性を高めることができる。
本発明の防振支持装置は、前記空気室の圧縮空気が前記液体室内に供給されることを特徴とする。この防振支持装置は、前記スタッドと前記弾性体との隙間を介して前記液体室に圧縮空気を供給することができる。
本発明にあっては、液体室に収容される減衰液の液圧が高められるので、キャビテーションが抑制されて減衰部材による減衰力が高められる。また、減衰力が高まることにより減衰部材を小型化することができるので、この防振支持装置を小型・軽量化することができる。
本発明の防振支持装置は、前記空気室に圧縮空気を供給する空気圧源と、前記空気圧源と前記空気室との間に設けられ前記空気室の空気圧を制御する制御弁とを有することを特徴とする。この防振支持装置は、前記本体と前記スタッドの相対位置を検出する位置検出手段を備え、前記位置検出手段により検出される前記本体と前記スタッドの相対位置に基づいて前記制御弁を制御することを特徴とする。
本発明にあっては、空気室の空気圧を容易に調整することができるので、空気バネのバネ力を本体とスタッドの間に加わる軸方向の荷重に応じた値に容易に設定することができ、防振支持装置の高さを常に一定にすることができるため、支持される部材の高さを一定に保つことができる。
本発明にあっては、建設機械や鉄道車両、自動車の運転室や車体の荷重は空気バネにより支持されるので、下部走行体や台車、車輪支持部から運転室や車体へ伝達される振動は低減され、建設機械や鉄道車両、自動車の乗り心地は向上される。
本発明によれば、空気室の空気圧を変化させることにより、同一の防振支持装置を、荷重の変化に容易に対応させることができるので、この防振支持装置の汎用性を高めてコストを低減することができる。また、空気バネはゴム等の弾性体により軸方向の荷重を支持する場合に比べてバネ力を小さくすることができるので、振動吸収性を高められる。
また、本発明によれば、液体室に収容される減衰液の液圧を高めることによりキャビテーションを抑制することができるので、減衰部材による減衰力を高めることができる。また、減衰力が高まることにより減衰部材を小型化して、この防振支持装置を小型・軽量化することができる。
さらに、本発明によれば、空気室の空気圧は制御弁より容易に調整することができるので、空気バネのバネ力を本体とスタッドの間に加わる軸方向の荷重に応じた値に容易に設定することができ、防振支持装置の高さを常に一定にすることができるため、支持される部材の高さを一定に保つことができる。
さらに、本発明によれば、空気室の空気圧を本体とスタッドの間に加わる軸方向の荷重の変化に対応して自動的に設定することができるので、バネ力の設定をさらに容易にすることができる。
さらに、本発明によれば、建設機械の下部走行体と運転室の間や鉄道車両の台車と車体との間、自動車の車輪支持部と車体との間に用いた場合には、運転室や車体へ伝達される振動は低減され、建設機械や鉄道車両、自動車の乗り心地を向上することができる。
さらに、本発明によれば、本体とスタッドの間に加わる高周波領域の振動は空気バネにより吸収され、低周波領域の振動は減衰機構や弾性体により吸収されるので、この防振支持装置の防振性を高めることができる。さらに、本体とスタッドの間に加えられる衝撃入力に対しては、水平方向は弾性体の剛性により変位量を抑え、上下方向は高減衰特性を有する空気バネで入力負荷を緩和することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態である防振支持装置が設けられた油圧ショベルを示す側面図であり、建設機械である油圧ショベル10の車体11は下部走行体12を有しており、この下部走行体12には旋回台13が旋回自在に設けられている。下部走行体12はスプロケット14に掛け渡されるトラックキャリア15を備えたトラック式であるが、クローラベルトを使用したクローラ式や車輪を使用したホイール式の下部走行体としてもよい。
旋回台13にはブーム16が上下方向に揺動自在に取り付けられ、ブーム16の先端にはアーム17が上下方向に揺動自在に取り付けられており、このアーム17の先端にはバケット18が上下方向に首振り自在に取り付けられている。ブーム16を上下方向に揺動するために旋回台13とブーム16の間には油圧シリンダ19aが設けられ、アーム17を上下方向に揺動するためにブーム16とアーム17との間には油圧シリンダ19bが設けられている。また、バケット18は油圧シリンダ19cにより首振り駆動されるようになっている。
下部走行体12を構成する旋回台13にはキャブボックスとも呼ばれる運転室つまりキャブ20が搭載されており、ブーム16、アーム17およびバケット18や車体11の操作はこのキャブ20に搭乗した乗員により行われるようになっている。キャブ20は底壁部20aと天井壁部20bと左右側壁部20cと前後側壁部20dとを有する箱状に形成されており、左右側壁部20cには乗員がキャブ内に乗り降りする際に開閉されるドア21が開閉自在に装着され、ドア21および前後側壁部20dには乗員の外部視界を確保するための透明なガラス板22が設けられている。また、旋回台13にはキャブ20を囲うように補強枠つまりキャブガード23が取り付けられており、転倒や衝突時にキャブ20を保護するようになっている。
図2は図1に示すA−A線に沿う断面図であり、キャブ20の底壁部20aと旋回台13の間にはキャブ20を上下方向および水平方向に揺動自在に弾性支持する4つの防振マウント装置30(以下マウント30とする)が装着されている。防振支持装置であるこれらのマウント30はキャブ20の底壁部20aの4隅に配置されており、つまり4つの防振マウント装置30のうちの2つはキャブ20の前端部側において左右に離れて配置され、他の2つはキャブ20の後端部側において左右に離れて配置されている。
図3は図2に示す防振支持装置の詳細を示す断面図であり、図4は図2に示す防振支持装置の制御体系を示すブロック図である。
図3に示すように、これらのマウント30は図示しない締結部材により旋回台13つまり下部走行体12に固定される本体31と、ボルト32によりキャブ20の底壁部20aに固定されるスタッド33とを有している。本体31は取付板31aと一体に形成された円筒部31bと取付板31aを介して円筒部31bに固定される断面カップ状の蓋部31cとを有しており、全体として一端が閉塞された筒状に形成されている。一方、スタッド33は断面円形の棒状に形成されており、その軸方向を車体11の上下方向に向けて本体31の内側に配置されている。スタッド33の外周には滑り軸受35を介してスリーブ36が同軸状に配置されており、このスリーブ36と本体31の円筒部31bの間にはゴム等により筒状に形成された弾性体37が固定されている。つまり、本体31の内側に取り付けられた弾性体37は本体31とスタッド33の間に位置し、スタッド33は弾性体37に対して軸方向に移動自在に貫通されている。これにより、弾性体37には本体31とスタッド33の間の軸方向つまり上下方向の振動や荷重は加えられず、弾性体37は径方向の振動を吸収するとともに、その剛性により径方向つまり水平方向の変位量を抑制するように構成されている。
このマウント30には、作業時や走行時に生じる本体31とスタッド33の間の軸方向や水平方向の振動や衝撃を減衰するための減衰機構40が設けられている。減衰機構40は減衰部材41を有しており、この減衰部材41は端板部41aと円筒部41bを有し、端板部41aの部分においてスタッド33の一端つまり蓋部31cが取り付けられ側の端部(図示する場合では下端)に固定されている。また、本体31の内部には蓋部31cと弾性体37により区画形成されて液体室42が形成されており、この液体室にはシリコーンオイル等の減衰液43が収容されている。前述の減衰部材41はこの減衰液43に浸されるようになっており、本体31とスタッド33の間に軸方向や水平方向の振動が加わったときには減衰液43の中を移動して液体室42の内部で減衰液43を移動させる。これにより、振動エネルギーが液体の運動エネルギーに変換されてスタッド33に加わる振動や衝撃が減衰される。このように、この減衰機構40により本体31とスタッド33の間の振動や衝撃が減衰される。なお、端板部41aに減衰液43が通過する貫通孔を形成して、減衰力を調整するようにしてもよい。
スリーブ36とスタッド33の間には、液体室42の側に位置してUパッキンなどのリップパッキンであるシール部材44が組み込まれている。このシール部材44はリップ部を液体室42の側に向けて配置されており、液体室42からの減衰液43の漏れを防止している。
このマウント30には本体31に対して減衰機構40とは反対側に位置して空気バネ50が設けられており、本体31とスタッド33の間の軸方向の荷重は空気バネ50により支持されるようになっている。この空気バネ50は、端板部51aと円筒部51bとを有し前述のボルト32によりスタッド33の他端(図示する場合には上端)に固定されるプレート51と、このプレート51の円筒部51bと本体31の円筒部31bとの間に装着される筒状体であるベローズ52とを有しており、可撓性を有するベローズ52はプレート51とにより内部に空気室53を区画形成している。空気室53には圧縮空気が供給され、この圧縮空気による空気圧によりプレート51には軸方向の上向きにバネ力が加えられる。そして、このバネ力によりキャブ20からスタッド33に加えられる軸方向の荷重が支持されることになる。
このように、この防振マウント装置30では、本体31とスタッド33の間の軸方向の荷重は空気バネ50により支持されるので、空気室53に供給する空気圧を変化させることにより、空気バネ50のバネ力をスタッド33に加わるキャブ20からの荷重に応じた値に容易に設定することができる。したがって、キャブ20の重量や重心位置が異なる場合など、スタッド33に加えられる荷重が相違する場合でも、同一の防振マウント装置30を用いることができ、この防振マウント装置30の汎用性を高めてコストを低減することができる。また、空気バネ50を用いたことにより、ゴム等の弾性体により荷重を支持する場合に比べてバネ力を小さくすることができるので、振動吸収性を高めることができる。したがって、下部走行体12からキャブ20へ伝達される振動は、空気バネ50により十分に低減されることになり、キャブ20の乗り心地を向上させることができる。
この防振マウント装置30では、シール部材44はリップ部を液体室42の側に向けて配置されたリップパッキンであるので、液体室42から空気室53への減衰液43の漏れを防止することができるが、スタッド33と弾性体37つまりスリーブ36との隙間を介して空気室53から液体室42に向かう圧縮空気の流れを許容できる。したがって、シール部材44は減衰液43の漏れを防止するとともに空気室53の圧縮空気をスタッド33と弾性体37つまりスリーブ36との隙間を介して液体室42に供給することができる。これにより、液体室42の内圧つまり液体室42に収容される減衰液43の液圧は圧縮空気により高められることになり、減衰液43の中を減衰部材41が移動する際に発生する空洞現象つまりキャビテーションを抑制して、減衰機構40の減衰力を高めることができる。
なお、本実施の形態においては、スタッド33と弾性体37つまりスリーブ36との間にはシール部材44のみが設けられているが、これに加えて、たとえば、スリーブ36の上端側に空気室53から液体室42への圧縮空気の漏れを防止するシール部材を装着するようにしてもよい。
このように、この防振マウント装置30では、空気室53の圧縮空気を液体室42に供給するようにしたので、液体室42に収容される減衰液43の液圧が高められることによりキャビテーションが抑制されて減衰機構40つまり減衰部材41による減衰力が高められる。また、減衰力は液体に加えられる内圧と減衰部材41の端板部41aの径方向断面積との積で決まるので、内圧が高められることにより端板部41aの径方向断面積を小さくすることができる。したがって、この防振マウント装置30を小型・軽量化することができる。
空気バネ50では、本体31とスタッド33の間に過度の荷重が加えられたときには、スタッド33の本体31に対する変位量が過大になる恐れがある。そのため、弾性体37には、その軸方向の両端部において本体31の円筒部31bの端部から軸方向に突出するストッパ部37a,37bが一体的に設けられている。ストッパ部37aはスタッド33が本体31に対して大きく下方に変位した場合にプレート51に接して、これ以上のスタッド33の本体31に対する軸方向の相対移動つまり下方への移動を規制し、反対に、ストッパ部37bはスタッド33が本体31に対して大きく上方に変位した場合に減衰部材41に接して、これ以上のスタッド33の本体31に対する軸方向の相対移動つまり上方への移動を規制する。このように、空気バネ50により軸方向の荷重を支持するようにしても、過度の荷重により本体31に対するスタッド33の変位量が過多となってマウント30の空気バネ50が破損することを防止することができる。
プレート51には給排気口55が形成されており、図4に示すように、各マウント30の給排気口55には流路56を介して空気圧源57が接続されている。空気圧源57としては車体11に搭載されて図示しない原動機等により駆動されるコンプレッサー等が用いられ、この空気圧源57から吐出される所定の圧力の圧縮空気は流路56を介して各マウント30の空気室53に供給される。空気圧源57とマウント30との間には圧縮空気の脈動や圧力低下を低減させるリザーバタンク58(アキュームレータ)や圧縮空気内のゴミやドレンを取り除くフィルタ59等が設けられる。なお、給排気口55はプレート51に限らず、たとえば本体31の円筒部31bなど、空気室53に圧縮空気を供給できればいずれの部材に設けてもよい。
空気圧源57と各マウント30の空気室53との間には、それぞれレベリングバルブ(自動高さ調整弁)60が設けられており、各マウント30に供給される圧縮空気つまり各空気室53の空気圧はこれらのレベリングバルブ60により個別に制御されるようになっている。
図3に示すように、レベリングバルブ60は旋回台13に固定される制御弁としてのバルブ本体部60aとバルブ本体部60aに揺動自在に設けられた制御レバー60bを有している。制御レバー60bは図示しないリンク等を介してスタッド33に連結されており、スタッド33の上下動と連動するようになっている。また、バルブ本体部60aは制御レバー60bにより制御されるようになっており、制御レバー60bの位置に応じて空気圧源57と給排気口55を連通させる状態と、給排気口55を大気開放させる状態とに切り替えられるようになっている。つまり、制御レバー60bは本体31とスタッド33の相対位置を検出する位置検出手段としての機能を有しており、バルブ本体部60aは制御レバー60bにより検出される本体31とスタッド33の相対位置に基づいて制御されるのである。
このような構造により、キャブ20からスタッド33に加えられる軸方向の荷重が増加してキャブ20の取付け高さが規定の位置以下に下がった場合には、スタッド33に連動する制御レバー60bによりバルブ本体部60aは空気圧源57と給排気口55を連通させる状態に切り替えられる。そして、空気圧源57から給排気口55に圧縮空気が供給されて空気室53の空気圧つまりスタッド33に加わるバネ力が高まり、スタッド33はキャブ20を押し上げる。反対に、キャブ20からスタッド33に加えられる軸方向の荷重が低下してキャブ20の取付け高さが規定の位置以上に上がった場合には、制御レバー60bによりバルブ本体部60aは給排気口55を大気開放させる位置に切り替えられる。これにより、空気室53の内部の空気圧が低下してスタッド33に加えられるバネ力が減少し、キャブ20の位置は低下する。そして、キャブ20が規定の位置にあるときには、制御レバー60bは中立位置となって空気室53の内部の空気圧が一定に保たれてその状態が維持される。この場合、各マウント30の制御はそれぞれ個別のレベリングバルブ60で行われるので、たとえば、キャブ20の重量や重心が変化した場合であっても、これに合わせて各マウント30の制御が自動的に行われて、キャブ20の取り付け高さや水平度は常に一定に保たれる。
このように、この防振マウント装置30では、バルブ本体部60aは制御レバー60bにより本体31とスタッド33との相対位置に基づいて自動的に制御されるので、空気室53の空気圧は本体31とスタッド33の間に加わる軸方向の荷重の変化に対応して自動的に設定される。したがって、この防振マウント装置30のバネ力の設定を容易にすることができる。
なお、本実施の形態においては、制御弁としてのバルブ本体部60aと位置検出手段としての制御レバー60bを有するレベリングバルブ60を用いて空気室53の空気圧を本体31とスタッド33の相対位置に基づいて自動的に調整するようにしているが、これに限らず、バルブ本体部60aを手動で操作して空気圧を設定するようにしてもよい。この場合であっても、空気室53の空気圧をバルブ本体部60aより容易に調整することができるので、空気バネのバネ力を本体31とスタッド33の間に加わる軸方向の荷重に応じた値に容易に設定することができる。
図5は本発明の防振支持装置が適用された鉄道車両を示す正面図であり、図6は本発明の防振支持装置が適用されたトラックの要部を示す断面図である。
図5に示すように、鉄道車両71は路面に敷設されたレール72に係合する車輪73を備えた台車74を有しており、車輪73を電動モータ等の図示しない駆動源で駆動することによりレール72に沿って走行するようになっている。台車74の上には運転室や客室等が設けられる車体75が搭載されており、車体75は台車74とともに走行するようになっている。そして、台車74と車体75との間には、図3に示す防振マウント装置30と同様な構造の防振支持装置76が所謂枕バネとして装着されており、この場合、防振支持装置76の本体は台車74に固定され、スタッドは車体75に固定されている。これにより、車体75の荷重は防振支持装置76の空気バネ50により支持されるとともに、走行時等に生じる台車74と車体75の間の振動は防振支持装置76により吸収される。
一方、図6に示されるトラック81は車輪82を有する自動車となっており、この車輪82は、たとえばアクスルケース等である車輪支持部83によりその車軸82aにおいて回転自在に支持されている。この車輪支持部83は、図3に示す防振マウント装置30と同様な構造の防振支持装置84を介して車体85に取り付けられており、この場合、防振支持装置84の本体は車輪支持部83に固定され、スタッドは車体85に固定されている。これにより、車体85の荷重は防振支持装置84の空気バネ50により支持されるとともに、走行時等に生じる車輪支持部83と車体85の間の振動は防振支持装置84により吸収される。また、この場合においても、車体85に搭載されたレベリングバルブ60により車輪支持部83に対する車体85の高さを自動的に制御させることができる。
なお、図5、図6においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号が付されている。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。たとえば、前記実施の形態においては、筒状体としてベローズ52が用いられているが、これに限らず、筒状に形成されていれば、たとえばダイヤフラムを用いてもよい。
また、前記実施の形態においては、スタッド33と弾性体37との隙間を介して空気室53から液体室42に圧縮空気を供給するようにしているが、これに限らず、減衰液43の漏れが防止されていれば、他の部分に設けた供給流路を介して供給するようにしてもよい。
さらに、前記実施の形態においては、位置検出手段としての機能を有する制御レバー60bにより本体31とスタッド33の相対位置を検出し、この制御レバー60bにより制御弁としてのバルブ本体部60aを制御するようにしているが、これに限らず、たとえば機械的なセンサや電気的、磁気的なセンサを用いて本体31とスタッド33の相対位置を検出し、その検出信号が入力されるCPUやメモリ等を備えた制御装置により、たとえば電磁弁などとされるバルブ本体部60aを駆動するようにしてもよい。
さらに、前記実施の形態においては、空気室53に制御弁を介して空気圧源57を接続し、空気室53の空気圧を容易に増減できるようにしているが、これに限らず、空気圧源57や制御弁を設けず、規定の空気圧まで圧縮空気を供給した後、給排気口55を栓で閉塞して用いるようにしてもよい。
さらに、前記実施の形態においては、本発明の防振支持装置を、油圧ショベル10や鉄道車両71、トラック81に適用した場合を示しているが、これに限らず、他の建設機械や車両などに用いてもよい。また、建設機械や車両に限らず、相互に荷重や振動が伝達される部材間であればいずれの部材間に装着してもよい。
さらに、前記実施の形態においては、4つの防振マウント装置30がキャブ20の底壁部20aの4隅に配置されているが、これに限らず、キャブ20を支持することができれば、その個数は任意に設定することができる。
さらに、前記実施の形態においては、各マウント30のそれぞれにレベリングバルブ60を設けて、それぞれのマウント30の空気圧が個別に制御されるタイプのものを例示したが、キャブ20の中央部の直下にキャブ20の上下方向の位置(高さ)を検出するセンサを設け、このセンサの出力情報に基づいて各マウント30の空気圧を総括制御するように構成することもできる。また、キャブ20の前側の左右中央部および後側の左右中央部の直下にキャブ20の上下方向の位置(高さ)を検出するセンサをそれぞれ設け、前側に設けたセンサの出力情報に基づいて前側左右の各マウント30の空気圧を制御し、後側に設けたセンサの出力情報に基づいて後側左右の各マウント30の空気圧を制御するように構成することもできる。さらに、キャブ20の左側の前後中央部および右側の前後中央部の直下にキャブ20の上下方向の位置(高さ)を検出するセンサをそれぞれ設け、左側に設けたセンサの出力情報に基づいて左側前後の各マウント30の空気圧を制御し、右側に設けたセンサの出力情報に基づいて右側前後の各マウント30の空気圧を制御するように構成することもできる。
本発明の一実施の形態である防振支持装置が設けられた油圧ショベルを示す側面図である。 図1に示すA−A線に沿う断面図である。 図2に示す防振支持装置の詳細を示す断面図である。 図2に示す防振支持装置の制御体系を示すブロック図である。 本発明の防振支持装置が適用された鉄道車両を示す正面図である。 本発明の防振支持装置が適用されたトラックの要部を示す断面図である。
符号の説明
10 油圧ショベル
11 車体
12 下部走行体
13 旋回台
14 スプロケット
15 トラックキャリア
16 ブーム
17 アーム
18 バケット
19a〜19c 油圧シリンダ
20 キャブ
20a 底壁部
20b 天井壁部
20c 左右側壁部
20d 前後側壁部
21 ドア
22 ガラス板
23 キャブガード
30 防振マウント装置
31 本体
31a 取付板
31b 円筒部
31c 蓋部
32 ボルト
33 スタッド
35 滑り軸受
36 スリーブ
37 弾性体
37a,37b ストッパ部
40 減衰機構
41 減衰部材
41a 端板部
41b 円筒部
42 液体室
43 減衰液
44 シール部材
50 空気バネ
51 プレート
51a 端板部
51b 円筒部
52 ベローズ
53 空気室
54 シール部材
55 給排気口
56 流路
57 空気圧源
58 リザーバタンク
59 フィルタ
60 レベリングバルブ
60a バルブ本体部
60b 制御レバー
71 鉄道車両
72 レール
73 車輪
74 台車
75 車体
76 防振支持装置
81 トラック
82 車輪
82a 車軸
83 車輪支持部
84 防振支持装置
85 車体

Claims (6)

  1. 一端が閉塞された筒状に形成され建設機械の下部走行体に固定される本体と、前記本体の内側に配置され前記建設機械の運転室に固定されるスタッドと、前記本体内に取り付けられるとともに前記スタッドが軸方向に移動自在に貫通され前記本体に対する前記スタッドの径方向の変位量を抑える弾性体と、前記本体内の下部に形成された液体室に収容される減衰液と、前記スタッドに固定され前記減衰液に浸される減衰部材とを有する防振支持装置であって、
    前記弾性体の上方で前記スタッドに固定されるプレートと、一端が前記プレートに固定されるとともに他端が前記液体室よりも上方で前記本体に固定され内部に空気室を形成するベローズとを備え、前記空気室が前記プレートと前記弾性体との間および前記液体室の上方であって前記弾性体と同軸状に該弾性体の外方に形成されるとともに、前記本体と前記スタッドとの間の軸方向の荷重を支持する空気バネを有することを特徴とする防振支持装置。
  2. 請求項記載の防振支持装置において、前記弾性体の軸方向の両端部にストッパ部を設け、前記プレートもしくは前記減衰部材が前記ストッパ部に接することにより前記本体に対する前記スタッドの軸方向の相対移動が規制されることを特徴とする防振支持装置。
  3. 請求項1または2記載の防振支持装置において、前記空気室の圧縮空気が前記液体室内に供給されることを特徴とする防振支持装置。
  4. 請求項記載の防振支持装置において、前記スタッドと前記弾性体との隙間を介して前記液体室に圧縮空気が供給されることを特徴とする防振支持装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の防振支持装置において、前記空気室に圧縮空気を供給する空気圧源と、前記空気圧源と前記空気室との間に設けられ前記空気室の空気圧を制御する制御弁とを有することを特徴とする防振支持装置。
  6. 請求項記載の防振支持装置において、前記本体と前記スタッドの相対位置を検出する位置検出手段を備え、前記位置検出手段により検出される前記本体と前記スタッドの相対位置に基づいて前記制御弁を制御することを特徴とする防振支持装置。
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