JP2001277865A - エンジン支持装置 - Google Patents

エンジン支持装置

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JP2001277865A
JP2001277865A JP2000094773A JP2000094773A JP2001277865A JP 2001277865 A JP2001277865 A JP 2001277865A JP 2000094773 A JP2000094773 A JP 2000094773A JP 2000094773 A JP2000094773 A JP 2000094773A JP 2001277865 A JP2001277865 A JP 2001277865A
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engine
hydraulic actuator
hydraulic
vehicle body
body frame
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JP2000094773A
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English (en)
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Chiharu Togashi
千晴 富樫
Mitsuo Nakano
光雄 中野
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Isuzu Motors Ltd
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Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、エンジンの始動時又は停止時に
は、油圧アクチュエータ内の油圧を低下させることによ
り、エンジンが発生させる極低周波数の振動の車体への
伝達を回避するエンジン支持装置を提供する。 【解決手段】 エンジンの始動時又は停止時には、油圧
アクチュエータ6のシリンダ8内に形成されているチャ
ンバ17内の油圧が連絡管22を通じて排出されるの
で、チャンバ17内の油圧が低下して、ピストン10は
シリンダ8の底部に向かって降下する。エンジンの始動
時又は停止時には、エンジンは極低周波数の振動を発生
し易いが、ピストン10が降下中であるので、エンジン
が発生する極低周波数の振動が車体へ伝達されるのを防
止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等の車両
に搭載されるエンジンを油圧アクチュエータを介して車
体フレームに支持するエンジン支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンを車体に搭載するに際して、エ
ンジンの振動や騒音が車体に伝わらないようにするため
に、従来から、ラバーマウントと呼ばれる防振ゴムが使
用されている。ラバーマウントによるエンジンの車体フ
レームに対する支持装置の概略が図7に示されている。
エンジンEは、車両の左右方向両側において、エンジン
ブラケット2を介して、弾性体から成る一対のラバーマ
ウント4,4によって車体フレーム3に支持されてい
る。しかし、発生する振動や騒音の大きさはエンジンE
の運転状態によって異なり、特に、エンジンEの始動時
や停止時には、周波数がアイドリング運転時の振動やシ
ェーク振動よりも更に低い5Hz前後の極低周波数であ
るが、運転者や同乗者にとって不愉快な振幅の大きい極
低周波数の振動を生じることがある。
【0003】極低周波数の振動入力に対してピストンが
シリンダ室内のダライタント流体を圧縮し、この部分の
流体を固化することにより、防振装置のばね定数を高く
し、振動を抑え込むことを可能にした液体封入式防振装
置が提案されている(特開平9−4674号公報)。こ
の液体封入式防振装置は、エンジンのような振動体側に
連結される連結金具と,車体側メンバに連結されるホル
ダとの間にインシュレータを設け、インシュレータの下
方部にダライラント流体が封入される主室と副室とが設
けられている。主室と副室との間には仕切板が配置さ
れ、仕切板に形成したシリンダ室内に摺動可能に設けら
れたピストンが、ロッドを介して連結金具に連結されて
いる。ダライラント流体は、低周波数で且つ高振幅の振
動に対して液体の状態から粘度の高い状態に移行する性
質、即ち、固化する性質があり、ピストンは、シリンダ
内でバウンド方向及びリバウンド方向の両方向でダライ
ラント効果を発揮させる構造となっており、5Hz前後
の極低周波数の振動を抑え込んでいる。
【0004】また、エンジン起動時に生じるエンジンロ
ール振動の低減を図るものとして、本体ケースとボスと
の間に一体的に設けられ円周方向に連続したエラストマ
から成る弾性体と、本体ケースに上記弾性体と反対側で
一体的に設けられたシート状のエラストマから成るダイ
ヤフラムと、本体ケースの内周に設けられて弾性体側の
主液室とダイヤフラム側の副液室との間を仕切る仕切板
と、仕切板に形成されている両液室を互いに連通し所要
の流動抵抗を生じるショックオリフィス及びこのショッ
クオリフィスよりも流動抵抗の小さいアイドルオリフィ
スと、アイドルオリフィスのみに対する閉塞位置ショッ
クオリフィス及びアイドルオリフィスの双方に対する開
放位置に選択的に動作される切換弁とを備えた液体封入
マウントが提案されている(特開平9−256986公
報)。この液体封入マウントにおいては、エンジンの始
動時には、切換弁によって、ショックオリフィス及びア
イドルオリフィスの双方を閉塞させる位置に保持するこ
とにより、エンジン起動時のクランキング振動が入力れ
さる場合には、主液室と副液室の間を封入液が流れなく
することで、弾性体の拡張弾性を大きくし、本体ケース
とボスとの上下方向の相対変位が規制されるので、エン
ジンロール振動が有効に抑制される。
【0005】エンジンの始動時にエンジン回転数が0r
pmからアイドル回転数になるまで、或いは、エンジン
の停止時にエンジン回転数がアイドル回転数から0rp
mになるまで回転数が変化するときに、エンジンを中心
とするパワープラントの振動は、振動共振点を通過す
る。運転者や乗客が不快な振動を感じるのは、この共振
発生時に、エンジン起振力が車体に対して非常に大きい
力を与えることに起因している。近年、特にバス等に導
入されているアイドリングストップ車は、エンジンの始
動と停止とを頻繁に繰り返すので、このような不快な振
動を生じる機会が増えている。液体封入マウントは、エ
ンジンの始動時や停止時に生じる極低周波数の振動を、
弾性体のばね定数を高くすることによって抑え込もうと
するものであるが、エンジンが発生する極低周波数の振
動を車体側に伝達するのを低減させることは可能である
が、低減の程度には限界が有り、振動伝達を実質的にゼ
ロにすることが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、ラバーマウン
トと油圧アクチュエータとを組み合わせたエンジンマウ
ントにおいて、エンジンの始動又は停止時に、通常、エ
ンジンが発生する極低周波数の領域にエンジンマウント
の振動共振点が存在しないようにして、エンジンがその
始動時又は停止時に生じる極低周波数の振動によって、
車体を振動させるのを防止する点で解決すべき課題があ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
課題を解決することであり、エンジンの始動時や停止時
に、油圧アクチュエータを含むエンジンマウントにおい
て、シリンダと共に油圧アクチュエータを構成するピス
トンを自由に変位するのを許容することによって、油圧
アクチュエータ部のばね定数が無限小になり、エンジン
が発生する極低周波数の振動が車体に伝達されるのを回
避して、運転者や車両の同乗者が不快な振動を感じるこ
とがないようにするエンジン支持装置を提供することで
ある。
【0008】この発明は、エンジンと車体フレームとの
間に配設されて前記車体フレームに搭載される前記エン
ジンを支持する油圧アクチュエータ、前記油圧アクチュ
エータ内の油圧を制御する圧力制御弁、及び前記圧力制
御弁を開閉制御するコントローラを具備し、前記コント
ローラは、前記エンジンが始動時又は停止時に生じる極
低周波数の振動が前記車体フレームに伝達するのを防止
するため、前記エンジンが始動時又は停止時にあること
に応答して、前記圧力制御弁を制御して前記油圧アクチ
ュエータ内の油圧を低下して前記油圧アクチュエータの
ばね定数を見かけ上、無限小とすることから成るエンジ
ン支持装置に関する。
【0009】このエンジン支持装置によれば、エンジン
が通常の運転状態や停止状態にあるときには、油圧アク
チュエータ内に供給される油圧に基づいて、エンジンの
荷重が支持され、油圧アクチュエータが支持するエンジ
ンの荷重は油圧を介して車体フレームに支持される。エ
ンジンの始動時又は停止時には、コントローラは、圧力
制御弁を制御して油圧アクチュエータ内の油圧を低下さ
せるので、油圧アクチュエータを構成するピストンはシ
リンダ内を自由に変位するのが許容され、そうした変位
を生じる間、油圧アクチュエータのばね定数は、見かけ
上、無限小になる。エンジンの始動時又は停止時に、エ
ンジンは極低周波数の振動を発生するが、車体フレーム
にはエンジンの加振力が伝わらず、運転者や車両の同乗
者が不快な振動を感じることがない。
【0010】前記油圧アクチュエータは、前記車体フレ
ーム及び前記エンジンの一方側に取り付けられたシリン
ダと、前記車体フレーム及び前記エンジンの他方側に取
り付けられ且つ前記シリンダ内に相対移動可能に設けら
れたピストンとから成り、前記ピストンは前記シリンダ
に形成されたチャンバに供給される油圧の作用を受けて
前記エンジンを支持している。油圧アクチュエータにお
いては、シリンダは、車体フレーム及びエンジンのいず
れかの側に配置され、ピストンはシリンダと反対側に配
置される。また、シリンダに形成されるチャンバ内の油
圧が低下したとき、ピストンはチャンバ内を底部に向か
って自由に変位するので、その間では、ピストン及びシ
リンダ間の剛性は見かけ上、無限小となり、エンジンの
振動は車体側に伝達されない。ピストンの変位後、その
先端部がチャンバの底部に当接したときには、それ以上
の変位が阻止される。
【0011】前記エンジンと前記車体フレームとの間に
は、前記油圧アクチュエータと直列にラバーマウントが
配設されている。エンジンの荷重は、ラバーマウントと
油圧アクチュエータとを直列に伝達されて支持される。
ラバーマウントの配置により、エンジンの荷重は直列配
置された油圧アクチュエータとラバーマウントとによっ
て支持され、油圧アクチュエータの油圧を解放した状態
では、ピストンがエンジン側に設けられている場合、エ
ンジンはピストンと共に降下しながら、ラバーマウント
を介して支持されることになる。
【0012】前記コントローラは、前記エンジンの始動
又は停止を検出する検出手段からの信号に応答して、前
記圧力制御弁を開閉制御して前記油圧アクチュエータの
油圧を低下させる。前記検出手段は、エンジンキースイ
ッチとすることができる。コントローラに、エンジンキ
ースイッチのような検出手段からのエンジンの始動又は
停止を検出する信号が入力されると、コントローラは、
自動的に圧力制御弁を開閉制御して、油圧アクチュエー
タの油圧を低下させることによって、極低周波数の振動
が発生する可能性があるエンジンの始動時及び停止時
に、エンジンの振動が油圧アクチュエータを介して車体
側に伝達されるのを回避する。
【0013】前記コントローラは、前記油圧アクチュエ
ータ内の油圧を低下させた期間が所定の期間を超えたこ
とに応答して、前記油圧アクチュエータの油圧を回復
し、前記エンジンを前記油圧アクチュエータの油圧を介
して前記車体フレームに支持する。エンジンの始動時及
び停止時において、極低周波数の振動が発生する可能性
がある所定の期間を経過した後であれば、エンジン荷重
を油圧アクチュエータの油圧を介して車体フレームに支
持する通常の支持状態に戻る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
によるエンジン支持装置の実施例を説明する。図1はこ
の発明によるエンジン支持装置の一実施例の概略を示す
断面図、図2は図1に示されているエンジン支持装置に
おいてエンジンが運転又は停止状態にあるときのエンジ
ンマウントを示す断面図、図3は図1に示されているエ
ンジン支持装置においてエンジンが始動又は停止時にお
けるエンジンマウントを示す断面図、図4はエンジンが
運転又は停止状態にあるときのエンジン支持装置の油圧
アクチュエータへの油圧供給回路の作動状態を示すブロ
ック図、図5はエンジンが始動又は停止時にあるときの
エンジン支持装置の油圧アクチュエータへの油圧供給回
路の作動状態を示すブロック図、及び図6はこの発明に
よるエンジン支持装置の周波数・振動伝達率特性を説明
するグラフである。
【0015】エンジンEの支持装置は、図1に示すよう
に、車両の左右方向の両側に突出して設けられている各
エンジンブラケット2において車体フレーム3に支持す
る一対のエンジンマウント1,1と、各エンジンマウン
ト1に油圧を供給する油圧回路(後述する)とから構成
される。各エンジンマウント1は、図2に示すように、
エンジンブラケット2側に取付けプレート2aを介して
配設されたラバーマウント4と、車体フレーム3側に配
設された油圧アクチュエータ6とから構成されている。
ラバーマウント4は、エンジンブラケット2側では端板
4bが取り付けられ且つ油圧アクチュエータ6側では端
板4cが取り付けられているマウントゴム4aと、端板
4cに取り付けられ且つ油圧アクチュエータ6に当接す
る取付けプレート19とから構成されている。ラバーマ
ウント4と油圧アクチュエータ6とは、車体フレーム3
に対して直列に配設されている。
【0016】油圧アクチュエータ6は、アクチュエータ
本体7と、アクチュエータ本体7に摺動自在に配設され
ているピストン10とから構成されている。アクチュエ
ータ本体7は、車体フレーム3に取り付けられたシリン
ダ8と、シリンダ8の上部を覆うカバー9とから構成さ
れている。ピストン10は、シリンダ8内に相対移動可
能に設けられていると共に、先端面11において取付け
プレート19に対して当接されており、シリンダ8内の
チャンバ17に供給される油圧の作用を受けて取付けプ
レート19を介してラバーマウント4との間で力の伝達
を行う。
【0017】シリンダ8は、円筒状の扁平な形状を有し
ており、平坦な底部において車体フレーム3に取り付け
られている。カバー9の開口部9bに環状ゴム13の外
周部13bが加硫接着されており、ピストン10は環状
ゴム13の内周部13aに加硫接着されている。ピスト
ン10は、環状ゴム13の弾性変形によってアクチュエ
ータ本体7に対して相対移動可能である。環状ゴム13
は、アクチュエータ本体7内に形成されるチャンバ17
内を密封する機能を果たしている。環状ゴム13に代え
て、ピストン10との間の摺動部はリップシール又はO
リングであってもよい。ピストン10は、鍔状のストッ
パ18を備えており、ストッパ18はカバー9の下面9
aと接触可能である。シリンダ8の側壁には後述する油
圧回路に接続される連絡管22が接続されている。
【0018】図2に示すように、エンジンEが運転状態
又は停止状態にあるときには、チャンバ17内に供給さ
れているオイルによってチャンバ17内の油圧が上昇し
た状態が維持され、ピストン10の下端面12は底面1
6(或いは底面16に設けられてたストッパ16a)か
ら離れ、エンジンEの荷重はラバーマウント4を介して
チャンバ17内の油圧で支えられている。ここで、スト
ッパ18は、カバー9の下面9aに当接していてもよ
い。エンジンEが運転状態又は停止状態にあるときに
は、エンジンEが極低周波数の振動を生じることはない
ので、ラバーマウント4と油圧アクチュエータとを直列
に配置したエンジンマウント1は、共振状態となること
なくエンジンEの動荷重を支持することができる。
【0019】図4は、図1に示すエンジンマウント1に
油圧を供給する油圧供給回路の一例を示すブロック図で
ある。図4に示すように、油圧アクチュエータ6への油
圧の給排するための油圧回路20は、オイルが収容され
ているリザーバ30からオイルを汲み上げる油圧ポンプ
21と、油圧ポンプ21から油圧アクチュエータ6に至
る連絡管22と、連絡管22に配設されているチェック
弁23と、連絡管22に配設されているアキュムレータ
24と、油圧アクチュエータ6内での油圧の保持又は油
圧の解放を行う圧力制御弁25とから構成されている。
圧力制御弁25は、コントローラ26からの制御信号で
オンとオフとが制御されるソレノイドで駆動される電磁
弁である。圧力制御弁25は、油圧アクチュエータ6を
リザーバ30に連通する連通位置と、油圧アクチュエー
タ6とリザーバ30との連通を遮断する遮断位置との間
でポジションを切換え可能である。コントローラ26に
は、エンジンキースイッチ27をオンにしたときに、リ
レー28を通じてスイッチ作動信号が入力される。連絡
管22内の油圧は油圧センサ29により検出されてお
り、検出信号はコントローラ26に入力される。なお、
油圧ポンプ21は、コントローラ26によって運転を制
御されるモータ31と、吐出側に設けられたチェック弁
32と、チェック弁32の後流側に分岐して設けられ吐
出圧力が所定以上になるのを防止するリリーフ弁33と
を有している。
【0020】圧力制御弁25は、コントローラ26から
の制御信号によって駆動される。即ち、コントローラ2
6から圧力制御弁25を駆動する信号が出力されないと
きには、圧力制御弁25が図4に示すオフ位置を占めて
おり、油圧アクチュエータ6とリザーバ30との間の連
通が遮断される。一方、コントローラ26から圧力制御
弁25を駆動する信号が出力されるときには、圧力制御
弁25は図5に示すオン位置を占めており、油圧アクチ
ュエータ6はリザーバ30に連通される。
【0021】コントローラ26は、エンジンEがアイド
リングや通常の運転状態にあるとき、或いはエンジンE
が停止している状態にあるときには、油圧回路20にお
いて圧力制御弁25をオフにして、油圧アクチュエータ
6とリザーバ30との連通を遮断しているので、油圧ア
クチュエータ6のチャンバ17内には、アキュムレータ
24の蓄圧圧力のような十分な大きさの油圧が確保さ
れ、ピストン10は上昇してエンジンEの荷重を支持す
る。
【0022】エンジンEの始動時及び停止時には、図5
に示すように、エンジンキースイッチ27からのスイッ
チ作動信号がコントローラ26に入力され、コントロー
ラ26は、このスイッチ作動信号に基づいて、圧力制御
弁25をオンに切り換える。圧力制御弁25がオン状態
になると、油圧アクチュエータ6のチャンバ17内の油
圧は、圧力制御弁25を通じてリザーバ30に解放され
る。
【0023】エンジンマウント1は、図3に示すよう
に、油圧アクチュエータ6のチャンバ17内の油圧が連
絡管22及び圧力制御弁25(図5)を通じて解放され
るので、ピストン10は、ラバーマウント4を介して作
用する荷重によって降下し、ピストン10の下端面12
がシリンダ8の底面16に設けられているストッパ16
aに当接するまで降下する。エンジンEの始動時及び停
止時には、エンジンEが極低周波数の振動を生じること
があるが、ピストン10が降下している間は、油圧アク
チュエータ6の見かけ上のばね定数が極めて小さくなる
ので、エンジンの振動が車体側に伝達されない。
【0024】エンジンEが始動時及び停止時となる時間
は短いので、その期間の経過後に油圧アクチュエータ6
の油圧を回復させるための手段を、コントローラ26に
組み込むことができる。即ち、ピストン10の降下時間
を制御プログラムのタイマ内に組み込むことにより、ピ
ストン10がシリンダ8の底面16に当接するまで降下
したとすることができる所定の期間を経過したことに応
答して、再び圧力制御弁25をオフ作動させて、油圧ア
クチュエータ6とリザーバ30との間の連通を遮断す
る。その後、油圧ポンプ21のモータ31が駆動され、
油圧ポンプ21が吐出した圧油によって、油圧アクチュ
エータ6のチャンバ17内の油圧は、連絡管22に配設
された油圧センサ29が所定の油圧を検出するまで回復
する。モータ31の停止後、チェック弁23と圧力制御
弁25とによって連絡管22が閉じられるので、アキュ
ムレータ24に蓄圧された圧力で油圧アクチュエータ6
の油圧が保たれる。従って、エンジンEは、油圧アクチ
ュエータ6のピストン10で持ち上げられた状態まで復
帰する。なお、油圧アクチュエータ6の油圧がリークに
よって低下した場合、油圧センサ29がその低下を検出
すると、コントローラ26は、油圧ポンプ21を始動さ
せて油圧アクチュエータ6に油圧を補充する。
【0025】図6は、横軸に振動周波数ωを取り、縦軸
に振動伝達率αを取ったグラフである。振動伝達率α
は、油圧アクチュエータ6に伝達される力P0 とマウン
ト上部に入力される力P1 との比(P0 /P1 )として
定義される。従来の、ラバーマウント4と油圧アクチュ
エータ6とを直列に配置して構成したエンジンマウント
では、ピストン10の上部がラバーマウントに押し付け
られており、図6の破線で示すように、共振周波数ω0
で振動伝達率αが大きなピークを付ける共振状態が存在
している。この発明では、エンジンの始動時又は停止時
に、油圧アクチュエータ6のチャンバ17内の油圧を解
放してピストン10を降下させ、油圧アクチュエータ6
としての作動を停止させているので、図6の実線で示す
ように、極低周波数の領域で共振状態が存在せず、エン
ジンの始動時又は停止時において極低周波数の領域を通
過するときに、大きな振動を生じることがない。
【0026】図6において、エンジンEが始動時にエン
ジン回転数は0rpmから共振点近傍の振動伝達率αが
高い部分を過ぎるまでに要する時間Tsと、エンジンE
の停止時にエンジン運転状態から停止するときにアイド
ル回転数から共振点近傍の振動伝達率αが高い部分を過
ぎるまでに要する時間Teのどちらか長い方の時間だ
け、ピストン10が降下している必要がある。
【0027】
【発明の効果】この発明によるエンジンマウントは、上
記のように、油圧アクチュエータを含むエンジンマウン
トにおいて、エンジンの始動時又は停止時に油圧アクチ
ュエータの油圧を解放してピストンを降下するのを許容
している。ピストンの降下中は、油圧アクチュエータの
ばね定数が、見かけ上、無限小になる。このため、エン
ジンの始動時又は停止時にエンジンが生じる振動の極低
周波数の領域で共振状態を生じることがない。従って、
エンジンの始動時又は停止時において、エンジンが生じ
る極低周波数の振動は車両に伝達されることがないの
で、運転者や同乗者が不快な極低周波数の振動を感じる
のを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるエンジン支持装置の一実施例の
概略を示す断面図である。
【図2】図1に示されているエンジン支持装置におい
て、エンジンが運転又は停止状態にあるときのエンジン
マウントを示す断面図である。
【図3】図1に示されているエンジン支持装置において
エンジンが始動又は停止時におけるエンジンマウントを
示す断面図である。
【図4】エンジンが運転又は停止状態にあるときのエン
ジン支持装置の油圧アクチュエータへの油圧供給回路の
作動状態を示すブロック図である。
【図5】エンジンが始動又は停止時にあるときのエンジ
ン支持装置の油圧アクチュエータへの油圧供給回路の作
動状態を示すブロック図である。
【図6】この発明によるエンジン支持装置の周波数・振
動伝達率特性を説明するグラフである。
【図7】ラバーマウントによるエンジンの車体フレーム
に対する支持装置を示す概略図である。
【符号の説明】 1 エンジンマウント 2 エンジンブラケット 3 車体フレーム 4 ラバーマウント 6 油圧アクチュエータ 8 シリンダ 10 ピストン 11 ピストン10の先端面 12 ピストン10の下端面 13 環状ゴム 17 チャンバ 20 油圧回路 21 油圧ポンプ(油圧源) 22 連絡管 23 チェック弁 24 アキュムレータ 25 圧力制御弁 26 コントローラ 27 エンジンキースイッチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと車体フレームとの間に配設さ
    れて前記車体フレームに搭載される前記エンジンを支持
    する油圧アクチュエータ、前記油圧アクチュエータ内の
    油圧を制御する圧力制御弁、及び前記圧力制御弁を開閉
    制御するコントローラを具備し、前記コントローラは、
    前記エンジンが始動時又は停止時に生じる極低周波数の
    振動が前記車体フレームに伝達するのを防止するため、
    前記エンジンが始動時又は停止時にあることに応答し
    て、前記圧力制御弁を制御して前記油圧アクチュエータ
    内の油圧を低下して前記油圧アクチュエータのばね定数
    を見かけ上、無限小とすることから成るエンジン支持装
    置。
  2. 【請求項2】 前記油圧アクチュエータは、前記車体フ
    レーム及び前記エンジンの一方側に取り付けられたシリ
    ンダと、前記車体フレーム及び前記エンジンの他方側に
    取り付けられ且つ前記シリンダ内に相対移動可能に設け
    られたピストンとから成り、前記ピストンは前記シリン
    ダに形成されたチャンバに供給される油圧の作用を受け
    て前記エンジンを支持することから成る請求項1に記載
    のエンジン支持装置。
  3. 【請求項3】 前記エンジンと前記車体フレームとの間
    には、前記油圧アクチュエータと直列にラバーマウント
    が配設されていることから成る請求項1又は2に記載の
    エンジン支持装置。
  4. 【請求項4】 前記コントローラは、前記エンジンの始
    動又は停止を検出する検出手段からの信号に応答して、
    前記圧力制御弁を開閉制御して前記油圧アクチュエータ
    の油圧を低下させることから成る請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のエンジン支持装置。
  5. 【請求項5】 前記検出手段は、エンジンキースイッチ
    であることから成る請求項4に記載のエンジン支持装
    置。
  6. 【請求項6】 前記コントローラは、前記油圧アクチュ
    エータ内の油圧を低下させた期間が所定の期間を超えた
    ことに応答して、前記油圧アクチュエータの油圧を回復
    し、前記エンジンを前記油圧アクチュエータの油圧を介
    して前記車体フレームに支持することから成る請求項1
    〜5のいずれか1項に記載のエンジン支持装置。
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