JP2001108012A - エンジンマウント - Google Patents

エンジンマウント

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JP2001108012A
JP2001108012A JP28483199A JP28483199A JP2001108012A JP 2001108012 A JP2001108012 A JP 2001108012A JP 28483199 A JP28483199 A JP 28483199A JP 28483199 A JP28483199 A JP 28483199A JP 2001108012 A JP2001108012 A JP 2001108012A
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JP
Japan
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engine
piston
mount
rubber
hydraulic
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JP28483199A
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English (en)
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Chiharu Togashi
千晴 富樫
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、エンジンの静荷重を油圧アクチ
ュエータと並列に配設されたラバーマウントによって支
持することにより、エンジンの支持状態を大きく変える
原因となる油圧の微妙な調整を不要にするエンジンマウ
ントを提供する。 【解決手段】 エンジンの静荷重の一部は、取付けプレ
ート5からラバーマウント4、油圧アクチュエータ6の
カバー9及びシリンダ8を経る弾性支持経路を介して車
体フレーム3に支持される。エンジンの残りの静荷重
は、油圧アクチュエータ6のチャンバ17内の油圧に基
づいて、先端面11が取付けプレート5に当接したピス
トン10、チャンバ17内のオイル及びシリンダ8を経
る油圧支持経路を介して車体フレーム3に支持される。
ラバーマウント4による荷重支持により、ピストン10
の変位を抑制するための微妙な油圧調整が不要になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等の車両
においてエンジンを車体に対してラバーマウントと油圧
アクチュエータとで支持するエンジンマウントに関す
る。
【0002】
【従来の技術】エンジンを車体に取り付けるに際して、
エンジンの振動や騒音が車体に伝わらないようにするた
めに、従来から、ラバーマウントと呼ばれる防振ゴムが
使用されている。しかし、発生する振動や騒音の大きさ
はエンジンの運転状態によって違うだけでなく、振動に
は大きな振動もあれば、細かく速く繰り返す振動もあ
り、振動の方向も様々であるため、ラバーマウントのみ
で、エンジンの支持において問題となる現象をすべて解
決するということはできない。
【0003】エンジンの支持において問題となる現象に
は、しゃくり、シェーク、こもり音(車内音)等があ
る。しゃくりは、急加速時又は急減速時にエンジンのロ
ーリング振動及び駆動系のねじり振動により車体が前後
方向に振動する現象である。シェークは、例えば、車両
が縁石に乗り上げたり、或いは高速走行時に走行路面の
凹凸が強制源となってエンジンが上下方向に緩慢に振動
し、車体が振動する現象である。しゃくり及びシェーク
を低減するためには、ラバーマウントのばね定数と減衰
係数が大きいことが要求される。一方、こもり音は、エ
ンジンの回転数に同期した次数成分の振動でエンジン及
び駆動系の比較的小振幅の振動が原因であって、この振
動がラバーマウントを経て車体に伝わり、車室内に共鳴
を発生する現象である。こもり音を低減するためには、
ラバーマウントのばね定数及び減衰係数を小さくするこ
とが要求される。
【0004】エンジンの支持において、しゃくり、シェ
ーク、こもり音以外にも、エンジンのアイドリング運転
時に生じやすいアイドル振動が問題となる。アイドル振
動は、エンジンのローリング共振周波数とエンジンの回
転数による振動の周波数が一致することにより生じるも
のであり、特に、横置きエンジン車において問題とな
る。アイドル振動を低減するには、エンジンのローリン
グ方向の共振周波数を低減するためラバーマウントのば
ね定数及び減衰係数が小さいことが要求される。
【0005】本特許出願人は、先に、ゴムマウントをエ
ンジンに取り付け、車体側に取り付けられたシリンダと
前記シリンダ内に相対移動可能に設けられ且つ前記シリ
ンダに形成されたチャンバに供給される油圧の作用を受
けて前記ゴムマウントに変位を与えるピストンからアク
チュエータを構成し、電磁バルブで前記チャンバ内の前
記油圧を制御し、トルク変動検出手段が検出したエンジ
ンのトルク変動が所定の高周波域に達したときにコント
ローラからの開閉指令信号による前記油圧の制御を停止
して前記ゴムマウントで振動を吸収することにより、主
にアイドル振動やアイドリング付近のエンジン回転数に
おける室内音(こもり音)を低減するとともに、高周波
成分の振動をアクチュエータの上部に配設したゴムマウ
ントによって吸収して振動及び騒音を低減することを可
能にした油圧式ハイブリッドマウント装置を提案してい
る(特願平10−204060号)。
【0006】図5には、従来のエンジンマウントの断面
図が示されている。図5に示されたエンジンマウント
は、例えば図6に示すような、上記特願平10−204
060号に開示されている油圧回路によって制御され
る。図5に示すエンジンマウント40は、エンジンブラ
ケット2側に配設されたラバーマウント4と、車体フレ
ーム3側に配設された油圧アクチュエータ6とから構成
されている。ラバーマウント4は、マウントゴム4aと
その端面に取り付けられた端板4d,4eとから構成さ
れており、一側でエンジンブラケット2に取り付けら
れ、他側には取付けプレート19が取り付けられてい
る。油圧アクチュエータ6は、アクチュエータ本体7
と、アクチュエータ本体7に摺動自在に配設されている
ピストン10とから構成されている。アクチュエータ本
体7は、車体フレーム3に取り付けられたシリンダ8
と、シリンダ8の開口8aを覆うカバー9とから成る。
ピストン10は、シリンダ8内に相対移動可能に設けら
れており、シリンダ8内のチャンバ17に供給される油
圧の作用を受けて取付けプレート19を介してラバーマ
ウント4に加わる荷重を支える。この例では、ピストン
10は、ラバーマウント4の取付けプレート19に固定
されている。
【0007】シリンダ8は筒状形状を有しており、底部
が車体フレーム3に対して力センサ14を介して取り付
けられている。カバー9の開口部9bに環状ゴム13の
外周部13bが加硫接着されており、ピストン10は環
状ゴム13の内周部13aに加硫接着されている。ピス
トン10は、環状ゴム13の弾性変形によってアクチュ
エータ本体7に対して相対移動可能である。環状ゴム1
3は、アクチュエータ本体7内に形成されるチャンバ1
7内を密封する機能を果たしている。ピストン10は、
鍔状のストッパ18を備えており、ストッパ18はカバ
ー9の下面9aと当接可能である。シリンダ8の側壁に
は後述する油圧回路に接続される連絡管22が接続され
ている。ピストン10に大きな外力が加わったときに、
ピストン10の下端面12がシリンダ8の底面16に当
接することで、ピストン10の後退位置が規制され、環
状ゴム13の過度の変形が防止される。油圧がチャンバ
17に供給されていない状態では、ピストン10は底面
16に当接しているが、エンジンが始動すると、チャン
バ17内に供給されるオイルによってチャンバ17内の
油圧が上昇し、ピストン10の下端面12は底面16か
ら離れ、エンジン荷重はチャンバ17内の油圧で支えら
れる。エンジンの振動の原因となるトルク変動を検出す
る場合、力センサ14に代えて、チャンバ17内の油圧
を検出する圧力センサ、又はカムパルスのようなエンジ
ン出力軸の2回転に1回の信号をトリガーとして検出す
るセンサを用いてもよい。
【0008】図6は、図5に示すエンジンマウントに油
圧を供給する油圧供給装置の一例を示すブロック図であ
る。図6に示すように、油圧アクチュエータ6への油圧
の給排をするための油圧回路は、オイルが収容されてい
るリザーバ20と、リザーバ20からオイルを汲み上げ
る油圧ポンプ21と、油圧ポンプ21から連絡管22に
至る油圧管に配設された保持バルブ23と、連絡管22
からA点で接続されリザーバ20に至る油圧管24に配
設された減圧バルブ25とから構成されている。保持バ
ルブ23と減圧バルブ25とは、例えば、ON/OFF
のデューティ比を変えることにより流量制御を行うこと
ができるソレノイド弁である。油圧源となる油圧ポンプ
21は、油圧アクチュエータ6にかかるエンジンの動的
荷重の最大値(即ち、静的荷重と動的な荷重変動を加え
た荷重)に対応する圧力より高い圧力を発生することが
できるポンプである。
【0009】油圧アクチュエータ6はエンジンブラケッ
ト2からエンジン出力のトルク変動に起因した力を受け
るため、油圧アクチュエータ6内に生じる油圧の変動
は、車体フレーム3に伝達され、車体側に振動や騒音が
伝わることになる。コントローラ26は、力センサ14
で検出されたエンジンブラケット2から車体フレーム3
へ伝達される力の信号をフィードバック信号として受信
し、変動する伝達力に応じた指令信号を保持バルブ23
及び減圧バルブ25に出力する。保持バルブ23と減圧
バルブ25との開閉は、互いに逆相となるように制御さ
れている。保持バルブ23が閉じる方向にあるときに
は、減圧バルブ25は開く方向にあり、油圧アクチュエ
ータ6内に供給される油圧は徐々に下降していく。逆
に、保持バルブ23が開く方向にあるときには、減圧バ
ルブ25は閉じる方向にあり、油圧アクチュエータ6内
に供給される油圧は上昇していく。
【0010】コントローラ26は、保持バルブ23及び
減圧バルブ25の開閉を制御して、カムパルス等のエン
ジン出力軸の2回転に1回の信号をトリガとして、エン
ジンブラケット2と車体フレーム3との間に生じる力と
位相が逆の制御油圧を油圧アクチュエータ6に与える。
その結果、制御油圧によってチャンバ17内の油圧変動
が相殺され、油圧アクチュエータ6内の油圧は一定とな
って油圧変動を抑制することができ、車体側フレーム3
に対する加振力は低減される。
【0011】エンジンマウント40は、チャンバ17内
の油圧が高すぎるとピストン10が上昇してストッパ1
8がカバー9の下面9aと衝突し、ピストン10の振動
がシリンダ8に伝わる。チャンバ17内の油圧が低すぎ
ても、ピストン10が下降して下端面12が底面16に
衝突し、ピストン10の振動がシリンダ8に伝わる。こ
のように、エンジンの加振力がエンジンブラケット2を
介して油圧アクチュエータ6のシリンダ8とカバー9と
に伝達され、アクティブマウントとしての効果を低減し
ている。したがって、油圧アクチュエータ6に与える油
圧にはピストン10をカバー9と底面16とに衝突させ
ないような微妙な設定が必要であり、コントローラ26
の制御内容を複雑にしている。また、ピストン10と取
付けプレート19とが固定されているため、エンジンブ
ラケット2に大きく捩じれる変形が生じると、取付けプ
レート19を介してピストン10に無理な力が作用し、
油圧アクチュエータ6が損傷を受ける可能性がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、エンジン
の静荷重をすべて油圧アクチュエータで支持しようとす
ると、エンジン側と油圧アクチュエータのピストンとを
連結する必要が生じ、しかも油圧アクチュエータの油圧
力によってピストンの位置が大きく変化する。そこで、
油圧の大きさによってエンジン側の支持の状態が大きく
変化するのを防止するため、エンジンの静荷重の支持を
油圧アクチュエータのみに依らないで行う点で解決すべ
き課題がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
課題を解決することであり、エンジンの静荷重をラバー
マウントと油圧アクチュエータとで分担して支持するこ
とにより、油圧アクチュエータの油圧の変動によってピ
ストンによるエンジンの荷重の支持状態が大きく変化す
るのを防止することができるエンジンマウントを提供す
ることである。
【0014】この発明は、エンジンをラバーマウントと
油圧アクチュエータとによって車体フレームに支持する
エンジンマウントにおいて、前記エンジンの荷重は、前
記ラバーマウントを経る弾性支持経路、及び前記弾性支
持経路に対して並列関係にある前記油圧アクチュエータ
を経る油圧支持経路を介して前記車体フレームに並列に
支持されることを特徴とするエンジンマウントに関す
る。
【0015】このエンジンマウントによれば、ラバーマ
ウントが含まれる弾性支持経路と、油圧アクチュエータ
が含まれる油圧支持経路とは並列関係に配置されている
ので、油圧アクチュエータのアクチュエータ本体内に形
成されたチャンバに供給される油圧に基づく支持力が油
圧支持経路を介してエンジンの荷重の一部を支持して車
体フレームに伝達し、ラバーマウントによる支持力が弾
性支持経路を介してエンジンの残りの荷重を支持して車
体フレームに伝達する。従って、油圧アクチュエータの
油圧が多少変動しても、ラバーマウントが静荷重の一部
を支持しているので、直ちに油圧アクチュエータのピス
トンに大きな変位が生じることがない。
【0016】このエンジンマウントにおいて、前記油圧
アクチュエータは、内部に油圧の供給を受けるチャンバ
が形成されたシリンダを有するアクチュエータ本体と前
記シリンダ内に相対移動可能に設けられ且つ前記チャン
バ内の油圧の作用を受けて前記エンジンの荷重を支持可
能なピストンとから構成され、前記ラバーマウントは、
前記アクチュエータ本体と前記エンジン又は前記アクチ
ュエータ本体と前記車体フレームとの間に配置されてお
り、前記弾性支持経路は前記ラバーマウントに直列に前
記アクチュエータ本体を経ている。このような構造とす
ると、ラバーマウントが支持するエンジンの荷重の一部
は、車体フレームに直接伝達されるのではなく、アクチ
ュエータ本体を介して車体フレームに伝達される。エン
ジンマウントは、ラバーマウントの横方向の広がりがア
クチュエータ本体の横断面内に納められるので、横方向
にコンパクトになる。
【0017】このエンジンマウントにおいて、前記アク
チュエータ本体は前記エンジン側において前記ピストン
が挿通可能な開口部を有しており、前記ラバーマウント
は前記エンジンと前記アクチュエータ本体との間に配置
されている。ラバーマウントが設けられている側に進退
することになるピストンのストロークは、ラバーマウン
トの高さ内に納められ、エンジンマウントは、高さ方向
にコンパクトになる。
【0018】このエンジンマウントにおいて、前記ラバ
ーマウントは、前記ピストンの軸線の周りに配置された
一つ又は複数のラバー体から構成されている。一つのラ
バー体とする場合には、断面で見て円形又は多角形状の
環状ラバー体とし、複数のラバー体とする場合には、各
ラバー体をシリンダの軸線の周りに環状に配置すること
が好ましい。ラバーマウントのこのような配置により、
油圧アクチュエータのピストンに無理な力が作用せず、
ラバーマウントと油圧アクチュエータとによるエンジン
の支持のバランスがよくなり、エンジンの安定した支持
が可能となる。
【0019】前記ピストンが挿通される前記アクチュエ
ータ本体の前記開口部には環状ゴムの外周部が加硫接着
されており、前記ピストンは前記環状ゴムの内周部に対
して加硫接着されているか又はOリングによって密封状
態に摺動可能である。カバーとピストンとの間には環状
ゴムを配設して、チャンバを密封状態に形成すると共
に、ピストンがカバーを通して進退可能とされている。
【0020】前記チャンバの底部には、前記ピストンの
下端部に当接して前記ピストンの下降量を制限するスト
ッパが配設されている。エンジンに作用する荷重が過大
になると、ピストンがチャンバ内を大きく下降すること
がある。チャンバの底部にピストンの下降量を制限する
ストッパを配設することにより、ピストンの下端部がス
トッパに当接してそれ以上の下降を阻止する。したがっ
て、ラバーマウントの過大な変形とそうした変形による
損傷が防止される。
【0021】前記ラバーマウントは前記エンジンに対し
て取付けプレートを介して取り付けられており、前記ピ
ストンは前記取付けプレートに対して当接することによ
り前記エンジンの荷重を支持している。ピストンはエン
ジン側に固定されておらず単に当接しているだけである
ので、エンジンの振動等に起因して大きな変位が生じ、
その変位がピストンに作用することがあっても、ピスト
ンはその移動方向に変位するのみであり、ピストンを損
傷させる可能性がある捩じりをピストンに生じさせるこ
とがない。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
によるエンジンマウントの実施例を説明する。図1はこ
の発明によるエンジンマウントの一実施例を示す断面図
であり、エンジン荷重と油圧とがかかっていない非作動
状態を示している。図2は図1に示すエンジンマウント
において、ラバーマウントがエンジンの荷重を支持して
いるが油圧アクチュエータが非作動である状態を示す断
面図であり、図3は図1に示すエンジンマウントにおい
て、ラバーマウントと油圧アクチュエータとがエンジン
の荷重を支持している状態を示す断面図である。図1〜
図3に示すこの発明によるエンジンマウントにおいて、
図5に示す従来のエンジンマウントに用いられた構成要
素及び部位と同等のものには同じ符号を付して重複する
説明を省略する。
【0023】この発明によるエンジンマウント1は、図
1に示すように、エンジンをエンジンブラケット2を介
してラバーマウント4と油圧アクチュエータ6とで並列
に分担して車体フレーム(又はクロスメンバー)3に支
持する装置である。油圧アクチュエータ6に圧油を供給
するための油圧供給装置は、例えば、図6に示す装置を
適用することができる。エンジンマウント1において、
油圧アクチュエータ6は、ピストン10がチャンバ17
に供給される油圧の作用を受けてエンジンの荷重の一部
を支持する。ピストン10は環状ゴム13の内周部13
aに対して加硫接着されているか又はOリング(図示せ
ず)によって密封状態に摺動可能である。ピストン10
とカバー9との間は、単に両者間の微小隙間によってシ
ールするようにしてもよい。アクチュエータ本体7内に
形成されるチャンバ17の底部には、ピストン10の下
端部12に当接してピストン10の下降量を制限するス
トッパ15が配設されている。なお、ストッパ15は、
ラバー等の緩衝材から成り、ピストン10がストッパ1
5に衝突するときの衝撃を吸収する役割も有する。
【0024】ラバーマウント4は、エンジンブラケット
2と油圧アクチュエータ6との間に配置されている。詳
細には、ラバーマウント4は、エンジンブラケット2側
では、エンジンブラケット2に取り付けられた取付けプ
レート5と油圧アクチュエータ6のカバー9との間に配
置されているマウントゴム4aから成る。マウントゴム
4aは、取付けプレート5とカバー9とに対しては、そ
れぞれ端板4b,4cを介して取り付けられている。エ
ンジンからエンジンブラケット2を介してラバーマウン
ト4に加わる荷重は、カバー9を介してシリンダ8から
車体フレーム3に伝達される。ラバーマウント4は、ピ
ストン10の移動方向の軸線の周りに配置されており、
エンジン荷重の支持バランスの観点からすると、一つの
環状体又は環状に連なった複数のラバー体から構成する
ことが好ましい。
【0025】エンジンマウント1は、図1に示す状態で
は、エンジンブラケット2が描かれているが、油圧アク
チュエータ6のチャンバ17内には油圧が供給されてお
らず、エンジン取付け直前のようなエンジン荷重を何ら
支持していない自由状態にある。この状態では、ラバー
マウント4は自由状態にあり、油圧アクチュエータ6の
ピストン10は下降した位置にある。ピストン10の下
端面12はストッパ15に当接し、且つ先端面11は取
付けプレート5の下面5aから離間している。
【0026】エンジン荷重がエンジンブラケット2を介
してエンジンマウント1に加わる場合、油圧アクチュエ
ータ6が非作動状態にあるときには、エンジン荷重はラ
バーマウント4に伝達される。エンジン荷重の一部は、
ラバーマウント4から油圧アクチュエータ6のアクチュ
エータ本体7、即ち、カバー9及びシリンダ8を経る弾
性支持経路を介して車体フレーム3に伝達される。この
とき、図2に示すように、取付けプレート5がピストン
10の先端面11に当接し、ピストン10の下端面12
がストッパ15に当接しているので、エンジン荷重の残
りはピストン10、ストッパ15を介して車体フレーム
3に伝達される。
【0027】エンジンが始動すると、チャンバ17に油
圧が供給されて油圧アクチュエータ6が作動状態とな
る。チャンバ17内の油圧はピストン10の下端面12
に作用して、油圧とピストン10の断面積との積で求め
られる力がピストン10を上昇させる力となる。エンジ
ン荷重は、図3に示すように、ラバーマウント4からラ
バーマウント4と直列に配置されているアクチュエータ
本体7を経る弾性支持経路を介して支えられると共に、
油圧アクチュエータ6において先端面11が取付けプレ
ート5の下面5aに当接するピストン10及びチャンバ
17内のオイルを介した油圧支持経路を介して車体フレ
ーム3に支えられる。エンジン荷重は、ラバーマウント
4によってもその変形量に応じて支持されるので、油圧
アクチュエータ6のチャンバ17内の油圧の大きさ及び
ピストン10の変位には大きな変化が生じず、安定して
エンジンを支持することができる。その結果、ピストン
10の位置が大きく上下しないようにするための微妙な
油圧調整が不要となる。
【0028】上記の実施例では、油圧アクチュエータ6
については、ピストン10をエンジン側に設け、シリン
ダ8を車体フレーム3側に設けると共に、ラバーマウン
ト4については、油圧アクチュエータ6のアクチュエー
タ本体7とエンジンとの間に配設しているが、この発明
によるエンジンマウントは、この実施例として示した配
置に限定されるものではないことは明らかである。即
ち、油圧アクチュエータ6については、ピストン10を
車体フレーム3側に設け、シリンダ8をエンジン側に設
けてもよい。また、ラバーマウント4についても、油圧
アクチュエータ6の構造に関わらず、油圧アクチュエー
タ6のアクチュエータ本体7と車体フレーム3との間に
配設してもよい。
【0029】図4には、この発明によるエンジンマウン
トの別の実施例が、断面図として示されている。図4に
示す実施例は、図3と同様、エンジン荷重をラバーマウ
ントと油圧アクチュエータとで支持している状態にあ
る。図4に示すエンジンマウント30は、図1〜図3に
示すエンジンマウント1における油圧アクチュエータ7
の構成要素及び部位と同等の機能を奏するものには同じ
符号を付しており、重複する説明を省略する。エンジン
マウント30において、油圧アクチュエータ6とで並列
に分担して車体フレーム(又はクロスメンバー)3に支
持するラバーマウント34は、エンジンブラケット32
と車体フレーム3との間に直接配設されている。ラバー
マウント34は、ピストン10の移動方向の軸線の周り
において、油圧アクチュエータ6の外側を取り囲む状態
に配設されている。なお、油圧アクチュエータ6のシリ
ンダ8と車体フレーム3との間に配設された力センサ3
6は、油圧アクチュエータ6を介して支持するエンジン
荷重を検出する。
【0030】ラバーマウント34は、エンジンブラケッ
ト32側の取付けプレート35に対して取り付けられた
端板34b、車体フレーム3に取り付けられた端板34
c、及び両端板34b,34c間に取り付けられたマウ
ントゴム34aから成る。エンジンからエンジンブラケ
ット32を介してラバーマウント34に加わる荷重は、
直接に車体フレーム3に伝達される。この実施例では、
弾性支持経路は、ラバーマウント34自体で形成されて
いる。また、ラバーマウント34によるエンジン荷重の
支持は、図1〜図3に示すエンジンマウント1の場合よ
りも、油圧アクチュエータ6によるエンジン荷重の支持
の一層の外側において行われ、エンジン荷重の支持が一
層安定する。エンジン運転時において、チャンバ17に
油圧が供給されて油圧アクチュエータ6が作動状態とな
り、エンジン荷重は、一部がラバーマウント34を介し
てその変形量に応じて支えられ、残る荷重がチャンバ1
7内の油圧に基づく力でピストン10、及びアクチュエ
ータ本体7を経る油圧支持経路を介して車体フレーム3
に支えられる。エンジンマウント30のその他の作動
は、図1〜図3に示すエンジンマウント1と同様である
ので、重複する説明を省略する。
【0031】
【発明の効果】この発明によるエンジンマウントは、上
記のように、エンジンと車体フレームとの間において、
並列関係にある、ラバーマウントを経る弾性支持経路と
油圧アクチュエータを経る油圧支持経路とを介してエン
ジン荷重を並列に分担して支持しているので、ラバーマ
ウントがその変形量に応じてエンジン荷重の一部を支持
しており、油圧アクチュエータの油圧やピストン変位に
は大きな変化が現れず、ピストンを移動させる原因とな
るチャンバ内の油圧を微妙に調整する必要がなくなる。
また、油圧アクチュエータのピストンとエンジン側の取
付けプレートとを固定しないため、エンジン側に大きな
変位が生じても、ピストンには捩じるような大きな力が
作用せず、ピストンはラバーマウントの変形の範囲内で
移動方向に変位するだけであるので、ピストンの耐久性
が向上し、油圧アクチュエータの寿命を長期化すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるエンジンマウントの一実施例を
示す断面図であり、エンジン荷重及び油圧がかかってい
ない非作動状態を示す図である。
【図2】図1に示すエンジンマウントにおいて、ラバー
マウントがエンジンの荷重を支持しているが油圧アクチ
ュエータが作動していない状態を示す断面図である。
【図3】図1に示すエンジンマウントにおいて、ラバー
マウントと油圧アクチュエータとがエンジンの荷重を支
持している状態を示す断面図である。
【図4】この発明によるエンジンマウントの別の実施例
を示す断面図である。
【図5】従来のエンジンマウントの一例を示す断面図で
ある。
【図6】図5に示すエンジンマウントに油圧を供給する
油圧供給装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,30 エンジンマウント 2,32 エンジンブラケット 3 車体フレーム 4,34 ラバーマウント 5,35 取付けプレート 6 油圧アクチュエータ 7 アクチュエータ本体 8 シリンダ 9 カバー 9b 開口部 10 ピストン 11 ピストン10の先端面 12 ピストン10の下端面 13 環状ゴム 13a 内周部 15 ストッパ 16 シリンダ8の底面 17 チャンバ 22 連絡管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンをラバーマウントと油圧アクチ
    ュエータとによって車体フレームに支持するエンジンマ
    ウントにおいて、前記エンジンの荷重は、前記ラバーマ
    ウントを経る弾性支持経路、及び前記弾性支持経路に対
    して並列関係にある前記油圧アクチュエータを経る油圧
    支持経路を介して前記車体フレームに並列に支持される
    ことを特徴とするエンジンマウント。
  2. 【請求項2】 前記油圧アクチュエータは、内部に油圧
    の供給を受けるチャンバが形成されたシリンダを有する
    アクチュエータ本体と前記シリンダ内に相対移動可能に
    設けられ且つ前記チャンバ内の油圧の作用を受けて前記
    エンジンの荷重を支持可能なピストンとから構成され、
    前記ラバーマウントは、前記アクチュエータ本体と前記
    エンジン又は前記アクチュエータ本体と前記車体フレー
    ムとの間に配置されており、前記弾性支持経路は前記ラ
    バーマウントに直列に前記アクチュエータ本体を経るこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエンジンマウント。
  3. 【請求項3】 前記油圧アクチュエータは前記エンジン
    側において前記ピストンが挿通可能な開口部を有してお
    り、前記ラバーマウントは前記エンジンと前記アクチュ
    エータ本体との間に配置されていることを特徴とする請
    求項2に記載のエンジンマウント。
  4. 【請求項4】 前記ラバーマウントは、前記ピストンの
    軸線の周りに配置された一つ又は複数のラバー体から構
    成されていることを特徴とする請求項3に記載のエンジ
    ンマウント。
  5. 【請求項5】 前記ピストンが挿通される前記アクチュ
    エータ本体の前記開口部には環状ゴムの外周部が加硫接
    着されており、前記ピストンは前記環状ゴムの内周部に
    対して加硫接着されているか又はOリングによって密封
    状態に摺動可能であることを特徴とする請求項3又は4
    に記載のエンジンマウント。
  6. 【請求項6】 前記チャンバの底部には、前記ピストン
    の下端部に当接して前記ピストンの下降量を制限するス
    トッパが配設されていることを特徴とする請求項2〜5
    のいずれか1項に記載のエンジンマウント。
  7. 【請求項7】 前記ラバーマウントは前記エンジンに対
    して取付けプレートを介して取り付けられており、前記
    ピストンは前記取付けプレートに対して当接することに
    より前記エンジンの荷重を支持することを特徴とする請
    求項2〜6のいずれか1項に記載のエンジンマウント。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008068813A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Nissan Motor Co Ltd マウントシステム
JP2012107743A (ja) * 2010-09-30 2012-06-07 Ihi Infrastructure Systems Co Ltd 支承装置

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