JP4736917B2 - 内燃機関の懸架装置 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の発明は、内燃機関を車体に支持する懸架装置であって、前記車体に対する前記内燃機関の相対移動の規制及び規制解除を行う規制状態変更手段と、内燃機関の振動発生状態に基づいて前記規制状態変更手段の作動状態を切り替える切替手段とを備える懸架装置であり、前記規制状態変更手段は、前記車体に固定されるガイドと、前記内燃機関のブラケットに回動可能に連結されるとともに前記ガイド内を移動可能に収容されたスライダと、前記ガイド内にあって前記スライダの移動方向に配設され、その配設位置が変化するストッパとを備え、同ストッパを前記スライダに当接させて同スライダの移動を抑えることにより前記相対移動の規制を行う一方、前記スライダから前記ストッパを離間させることによって前記内燃機関と前記車体との相対移動を許容して前記相対移動の規制を解除することをその要旨とする。
また、同構成によれば、内燃機関のブラケットに連結されたスライダにストッパを当接させて同スライダの移動を抑えることにより、車体に対する内燃機関の相対移動の規制を行うことができる。一方、スライダからストッパを離間させることにより、スライダとストッパとの間にはある程度の隙間が形成される。このような隙間が形成されると、その隙間の分だけ前記スライダは上記ガイド内を移動可能な状態になることから、前記内燃機関と前記車体との相対移動が許容され、もって前記相対移動の規制を解除することができるようになる。さらに、内燃機関のブラケットとスライダとが回動可能に連結されているため、内燃機関の傾きをブラケットとスライダとの連結部分で吸収することができる。その結果、ガイドに対してスライダが傾くことを抑制することができ、ガイド内をスライダが円滑に移動できるようになる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発明において、前記ストッパの前記スライダと当接する面は、弾性部材により形成されてなることをその要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発明において、前記ストッパをスライダから離間させる方向に付勢する付勢手段を更に備えることをその要旨とする。
図1は、車両のエンジンルーム内におけるエンジン100の支持状態を示す正面図である。図1に示すように懸架装置10は、車体フレームを構成するサイドメンバ1にボルト20で締結されている。そして、この懸架装置10には、エンジン100の側面に固定されたブラケット110がクランクシャフト120の回転軸と平行な軸(点cを通る紙面に垂直な軸)を中心に回動可能に連結されている。エンジン100は、このようにブラケット110を介して懸架装置10と連結されるとともに、懸架装置10と同様に車体フレームを構成する図示しないセンタメンバに締結されたリア側懸架装置にその後端部が連結されている。こうしてエンジン100は、サイドメンバ1に締結された二つの懸架装置10とセンタメンバに締結された図示しないリア側懸架装置とによって三点で車体に支持される。
懸架装置10は、ベース11を車体のサイドメンバ1にボルト20で締結することにより車体に固定されている。そして、図2に示すように、このベース11には機関運転中にエンジン100から車体に伝達される振動を減衰する振動減衰機構12が固定されている。なお、この振動減衰機構12は弾性部材の弾性変形及びその内部に形成された液室の内圧によって振動を減衰する周知のものである。この振動減衰機構12の上面にはスライダ16を収容したガイド13が固定されている。
(1)車体に対するエンジン100の相対移動の規制及び規制解除を行う規制状態変更手段を備えるとともに、その規制状態変更手段の作動状態、すなわち相対移動を規制する状態と相対移動の規制を解除する状態とをエンジン100の振動発生状態に基づいて切り替えるようにしている。従って、通常運転時と異なる大きな振動がエンジン100から発生する場合には、そうした振動発生状態にあわせて規制状態変更手段の作動状態を変更することにより、その大きな振動を吸収して、懸架装置10に作用する力を大幅に減少させることが可能となる。そのため、機関運転時の振動とその特性が大きく異なる振動の伝達についても好適に抑制することができるようになる。
・油室18内にストッパ17をスライドベース16aから離間させる方向に付勢する付勢手段としてのスプリングを更に備える構成とすることもできる。こうした構成によれば、規制状態変更手段の作動状態が上記相対移動の規制を解除する状態に変更される際、ストッパ17がスライドベース16aから迅速に離間するようになる。そのため、相対移動の規制をより速やかに解除することができるようになり、もって機関の振動発生状態に基づいて変更される規制状態変更手段の作動状態を、より速やかに変更することができるようになる。なお、こうした構成は、上記相対移動の規制を解除する機会が頻繁に発生する内燃機関、例えば、例えばアイドル運転時等に機関の自動停止及び自動始動が行われる内燃機関や、電動モータと内燃機関とを備える、いわゆるハイブリッド車両に搭載される内燃機関等の懸架装置に対して、特に適用することが望ましい。
Claims (10)
- 内燃機関を車体に支持する懸架装置であって、
前記車体に対する前記内燃機関の相対移動の規制及び規制解除を行う規制状態変更手段と、
内燃機関の振動発生状態に基づいて前記規制状態変更手段の作動状態を切り替える切替手段とを備える懸架装置であり、
前記規制状態変更手段は、前記車体に固定されるガイドと、前記内燃機関のブラケットに回動可能に連結されるとともに前記ガイド内を移動可能に収容されたスライダと、前記ガイド内にあって前記スライダの移動方向に配設され、その配設位置が変化するストッパとを備え、同ストッパを前記スライダに当接させて同スライダの移動を抑えることにより前記相対移動の規制を行う一方、前記スライダから前記ストッパを離間させることによって前記内燃機関と前記車体との相対移動を許容して前記相対移動の規制を解除する
ことを特徴とする内燃機関の懸架装置。 - 前記切替手段は、前記内燃機関のクランキングに際して前記規制状態変更手段の作動状態を前記相対移動の規制解除が行われる状態に切り替える
請求項1に記載の内燃機関の懸架装置。 - 前記切替手段は、機関停止のための燃料噴射停止に際して前記規制状態変更手段の作動状態を前記相対移動の規制解除が行われる状態に切り替える
請求項1又は2に記載の内燃機関の懸架装置。 - 前記切替手段は、車両停止中における前記規制状態変更手段の作動状態を前記相対移動の規制解除が行われる状態に切り替える一方、車両走行中における前記規制状態変更手段の作動状態を前記相対移動の規制が行われる状態に切り替える
請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の懸架装置。 - 前記スライダは、クランクシャフトの回転軸と平行な軸を回動中心にして前記ブラケットに連結されており、前記スライダの移動方向は、同スライダの回動中心を円中心とする円の接線方向に設定されてなる
請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の懸架装置。 - 前記切替手段は、前記ストッパから前記スライダに付与される押圧力を調整することにより前記規制状態変更手段の作動状態を変更する
請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の懸架装置。 - 前記内燃機関の前記相対移動を規制するときの前記押圧力は、前記スライダから前記ストッパに付与される力よりも大きくなるように調整される一方、前記相対移動の規制解除を行うときの前記押圧力は、前記スライダから前記ストッパに付与される力よりも小さくなるように調整される
請求項6に記載の内燃機関の懸架装置。 - 前記ガイド内には、その内壁と前記ストッパとで区画される液室が設けられており、前記切替手段は、前記液室内の圧力を変更する圧力調整機構を備える
請求項6又は7に記載の内燃機関の懸架装置。 - 前記ストッパの前記スライダと当接する面は、弾性部材により形成されてなる
請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の懸架装置。 - 前記ストッパをスライダから離間させる方向に付勢する付勢手段を更に備える
請求項1〜9のいずれか一項に記載の内燃機関の懸架装置。
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