JP4526376B2 - ストッパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンマウント、エンジントルクロッド等のマウント装置等を介して車体等の荷重支持体上に弾性的に支持されたエンジン等の被荷重支持体の荷重入力方向に沿った相対変位を制限するストッパ装置に関するものである。
従来から、自動車等の車両においては、主たる振動発生源であるエンジンを含むパワーユニットから車体への振動伝達を抑えて優れた乗り心地を実現すると共に、車体に取り付けられた各種部材を振動から保護するために、パワーユニットが各種の防振支持機構(マウント装置)を介して車体に支持されている。
かかるマウント装置は、一般に、エンジン側に連結固定される取付部材である連結金具、車体側に連結固定される取付部材であるブラケット、連結金具とブラケットとの間に配設された吸振主体であるゴム弾性体等からなり、連結金具又はブラケットからの振動入力によりゴム弾性体が弾性変形することにより、振動を減衰吸収するようになっている(例えば、特許文献1,2参照)
上記のようなマウント装置としては、例えば、FF(前輪駆動)エンジンの4点支持機構に用いられるエンジンマウントや、FFエンジンのペンデュラム(吊下げ)式懸架機構に用いられるエンジントルクロッド等がある。FFエンジンの4点支持機構では、エンジンの前後左右にそれぞれ配設された4個のエンジンマウントによりエンジン自重より生じる荷重を支持すると共に、エンジンの前後にそれぞれ配設されたエンジンマウントによりエンジンのトルク変動に伴うロール振動等のトルク反力(ロール荷重)を支持し、このロール荷重を吸収する。このようなエンジンマウントのゴム弾性体は、振動伝達を低減するために概してやわらかいばね特性(静ばね定数)を有しており、このようなゴム弾性体だけでは、例えば、車両の急停止時や急発進時にエンジンから比較的大きなロール反力が入力した際には、ロール反力に対して剛性が不足し、エンジンの変位が過大になってしまう。このため、一般的には、エンジンマウントには、連結金具のブラケットに対するロール方向の変位、すなわちエンジンの車体に対するロール方向の変位を一定量以下に制限するゴム製のストッパが設けられており、このストッパが、エンジンの変位が一定以上になると、連結金具又はエンジン自体に圧接して弾性的な反力を発生させることによりエンジンのロール方向の変位を制限する。
またペンデュラム式懸架機構に用いられるエンジントルクロッドは、エンジンにおけるロール中心の外周側の部分と車体との間に介装され、そのエンジン側連結部と車体側連結部とを繋いだロッド部が略車両前後方向に沿って延在するように介装される。このようなエンジントルクロッドにも、エンジン側連結部と車体側連結部との間にゴム弾性体が配設されており、このゴム弾性体がロッド部の軸方向に沿って弾性変形することによりエンジン側からのロール荷重を吸収する。またエンジントルクロッドにも、エンジン側連結部と車体側連結部との間にゴム製のストッパが配設されるものがあり、このストッパは、エンジンのロール変位が一定量以上になるエンジン側連結部と車体側連結部との間で圧縮されて弾性的な反力を発生させることによりエンジンのロール方向の変位を制限する。なお、このようなエンジントルクロッドでは、ゴム弾性体の一部又は全体がストッパとしての機能を有する場合もある。
特開2001−214953号公報 特開2002−250392号公報
しかしながら、上記のようなエンジンマウントでは、ストッパを大荷重に対抗できるように十分に高剛性のものにする必要がある。このことから、ストッパが有する振動伝達率は、ゴム弾性体の振動伝達率よりもかなり大きなものになり、このストッパの振動伝達率は、エンジン側から入力する荷重が増加するに従って、すなわちストッパの荷重入力方向に沿った変形量が増加するに従って、振動伝達率が非線形的(例えば、指数関数的)に増大する。この結果、エンジンマウントでは、エンジン側から入力する荷重が増加するに従って振動遮断性能が急激に低下する現象が生じ、エンジン側から車体側へ伝達される振動も増加する。
上記のようなエンジントルクロッドでも、エンジン側から入力するロール荷重が増加するに従って、すなわちストッパの荷重入力方向に沿った変形量が増加するに従って、振動伝達率が非線形的(例えば、指数関数的)に増大することから、エンジン側から入力するロール荷重が増加するに従って振動遮断性能が急激に低下する現象が生じる。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、第1取付部材の第2取付部材に対する荷重入力方向に沿った相対変位を確実に所定量以下に制限でき、しかも被荷重支持体と荷重支持体との間の振動伝達率を低いものに維持できるストッパ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係るストッパ装置は、被荷重支持体と荷重支持体とにそれぞれ連結された第1取付部材と第2取付部材との間に弾性体が配設され、該弾性体を介して被荷重支持体を荷重支持体に弾性的にマウントするマウント装置における、第1取付部材の第2取付部材に対する荷重入力方向に沿った相対変位を制限するストッパ装置であって、前記荷重支持体に対して固定された本体部と、前記本体部に配設され、前記荷重入力方向に沿って前記第1取付部材又は被荷重支持体に対向すると共に、所定のストッパ上限位置とストッパ下限位置との間で移動可能に支持されたストッパ部材と、前記ストッパ部材を隔壁の一部として前記本体部内に設けられ、内部に液体が充填された圧力伝達液室と、前記圧力伝達液室における隔壁の他の一部を構成して該圧力伝達液室内の液圧を受けると共に、前記荷重入力方向に沿って所定のプランジャ上限位置とプランジャ下限位置との間で移動可能に支持されたプランジャ部材と、前記プランジャ部材を介して前記圧力伝達液室に隣接するように前記本体部内に配設され、前記プランジャ部材の前記荷重入力方向に沿った位置に応じて内容積が変化する可変空気室と、前記荷重入力方向に沿って伸縮可能とされ、前記プランジャ部材を前記プランジャ上限位置側に付勢するスプリング部材と、前記可変空気室に大気圧及び負圧の何れかを選択的に供給する空気圧供給手段とを有し、前記空気圧供給手段により前記可変空気室へ大気圧を供給すると、前記プランジャ部材が前記スプリング部材により前記プランジャ上限位置へ付勢されると共に、該スプリング部材の付勢力に対応する液圧を前記圧力伝達液室内に発生させ、該液圧により前記ストッパ部材を前記ストッパ上限位置へ付勢し、前記空気圧供給手段により前記可変空気室へ負圧を供給すると、該負圧により前記プランジャ部材が前記スプリング部材に抗して前記プランジャ下限位置へ移動すると共に、前記圧力伝達液室内の液圧により前記ストッパ部材がストッパ下限位置へ移動することを特徴とする。
本発明の請求項1に係るストッパ装置の作用を以下に説明する。
請求項1に係るストッパ装置では、空気圧供給手段による可変空気室への大気圧の供給時に、プランジャ部材がスプリング部材によりプランジャ上限位置へ付勢されると共に、このスプリング部材の付勢力に対応する液圧を圧力伝達液室内に発生させ、この液圧(正圧)によりストッパ部材をストッパ上限位置へ付勢することにより、ストッパ部材が外部(第1取付部材又は被荷重支持体)から荷重を受けていない状態では、スプリング部材の付勢力によりプランジャ部材がプランジャ上限位置PPuへ移動すると共に、圧力伝達液室内に生じる液圧によりストッパ部材がストッパ上限位置へ移動し、保持されるので、ストッパ部材がストッパ下限位置に拘束されている場合と比較し、荷重入力方向に沿ったストッパ部材の第1取付部材又は被荷重支持体までの間隔を縮小できる。
このとき、ストッパ部材が第1取付部材又は被荷重支持体から荷重を受けると、この荷重が圧力伝達液室内の液体及びプランジャ部材を介してスプリング部材へ伝達され、スプリング部材を荷重入力方向に沿って弾性変形させるので、第1取付部材又は被荷重支持体からの入力荷重をスプリング部材の復元力により支持できる。
従って、スプリング部材のばね定数を入力荷重の大きさに応じて適宜調整すれば、第1取付部材又は被荷重支持体がストッパ部材に当接して、第1取付部材又は被荷重支持体から荷重入力方向に沿った荷重が入力した場合でも、被荷重支持体の荷重入力方向に沿った変位量を、マウント装置のゴム弾性体及びスプリング部材のばね定数(静ばね定数)に対応する大きさに制御できる。
また請求項1に係るストッパ装置では、空気圧供給手段による可変空気室への負圧供給時に、この負圧によりプランジャ部材がスプリング部材に抗してプランジャ下限位置へ移動すると共に、圧力伝達液室内の液圧(負圧)によりストッパ部材がストッパ下限位置へ移動することにより、ストッパ部材をストッパ上限位置よりも荷重入力方向に沿って第1取付部材又は被荷重支持体から離間したストッパ下限位置に拘束され、ストッパ部材から第1取付部材又は被荷重支持体までの間隔が増加するので、第1取付部材又は被荷重支持体がストッパ部材に当接するまでは、ストッパ装置を経由することなく、マウント装置のみを介して被荷重支持体と荷重支持体との間で荷重(振動)が伝達される。
このとき、マウント装置のゴム弾性体の静ばね定数を十分に小さいものに設定しておけば、マウント装置のゴム弾性体による振動伝達率を十分に小さいものにできるのので、被荷重支持体から荷重支持体へ伝達される振動をマウント装置のゴム弾性体により効果的に遮断できる。
以上説明したように、請求項1に係るストッパ装置によれば、マウント装置を介して被荷重支持体から相対的に大きい荷重が荷重支持体に入力する際には、空気圧供給手段により可変空気室への大気圧を供給することにより、ストッパ部材をストッパ上限位置に付勢して第1取付部材又は被荷重支持体との間隔を縮小できると共に、スプリング部材を介して入力荷重を支持できるので、大荷重が入力してもスプリング部材により第1取付部材(被荷重支持体)の第2取付部材(荷重支持体)に対する荷重入力方向に沿った相対変位を所定量以下に制限でき、またマウント装置を介して被荷重支持体から相対的に小さい荷重が荷重支持体に入力する際には、空気圧供給手段により可変空気室への負圧を供給することにより、ストッパ部材をストッパ下限位置に拘束して第1取付部材又は被荷重支持体との間隔を増加できるので、このマウント装置のみにより第1取付部材の第2取付部材に対する荷重入力方向に沿った相対変位を制限できるので、低い振動伝達率を有するゴム弾性体により第1取付部材と第2取付部材との間の振動伝達を効果的に遮断できる。
また本発明の請求項2に係るストッパ装置は、請求項1記載のストッパ装置において、前記圧力伝達液室内に、前記ストッパ部材が下限位置へ拘束されると、該ストッパ部材と前記圧力伝達液室における前記本体部側の内壁との間に挟持され、前記荷重入力方向に沿った荷重の入力により弾性変形するストッパゴムを配設したことを特徴とする。
また本発明の請求項3に係るストッパ装置は、請求項1又は2記載のストッパ装置において、前記ストッパ部材と前記圧力伝達液室の本体部側の内壁とにそれぞれ固着されて該圧力伝達液室の隔壁の一部を構成すると共に、前記ストッパ上限位置と前記ストッパ下限位置との間で弾性変形可能とされた隔壁ゴムを有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明のストッパ装置によれば、第1取付部材の第2取付部材に対する荷重入力方向に沿った相対変位を確実に所定量以下に制限でき、しかも被荷重支持体と荷重支持体との間の振動伝達率を低いものに維持できる。
以下、本発明の実施形態に係るストッパ装置について図面を参照して説明する。
図1及び図2には、本発明の実施形態に係るストッパ装置が示されている。このストッパ装置10は自動車等の車両に装備され、エンジンマウント、エンジントルクロッド等のマウント装置を介して車体側に連結されたエンジンの車体に対する過大な変位を制限するためのものである。
先ず、車両において使用されるマウント装置について簡単に説明する。この種のマウント装置は、例えば、エンジン側に連結固定される取付部材である連結金具、車体側に連結固定される取付部材であるブラケット、これらの連結金具とブラケットとの間に配設された吸振主体であるゴム弾性体等を備えており、連結金具又はブラケットを通してエンジン又は車体から振動が入力すると、この入力振動によりゴム弾性体が弾性変形し、このゴム弾性体の内部摩擦等により振動を減衰吸収する。またマウント装置は、エンジン側から振動以外の荷重(例えば、ロール方向の荷重)が入力した際には、この入力荷重によりゴム弾性体が弾性変形すると共に、このゴム弾性体の復元力等によりエンジンの荷重入力方向に沿った変位を制限する。
ここで、本実施形態に係るマウント装置には、図1の2点鎖線で示されるように、連結金具にストッパ装置10の上方まで延出するマウントステー12が一体的に設けられており、このマウントステー12は、その下面側がエンジンからの荷重入力方向(本実施形態では、後述する軸方向と一致する方向)に沿ってストッパ装置10の上端面に対向するように支持されている。
図1に示されるように、ストッパ装置10には、その外郭部として略円筒状の本体ケーシング14を備えている。なお、図中にて符号Sが付された一点鎖線は本体ケーシング14の軸心を表しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
本体ケーシング14は軸方向に沿って2分割構造とされており、本体ケーシング14には、その上部側に有底円筒状に形成された下側ケーシング16が設けられると共に、この下側ケーシング16の上側に円筒状に形成された上側ケーシング18が設けられている。下側ケーシング16には、その外周面上端部に外周側へ延出する下側フランジ部20が一体的に形成されており、この下側フランジ部20には軸方向へ貫通する複数のねじ穴21が穿設されている。
下側ケーシング16の底板部には軸心Sに沿って貫通するねじ穴22が穿設されており、このねじ穴22には、ニップル24及び主配管26を介して三方電磁弁28が接続されている。ここで、三方電磁弁28は3個の入力ポート29,30と1個の出力ポート31を備えており、一方の入力ポート29は装置外部の大気空間に開放され、他方の入力ポート30は負圧配管32を介して車両におけるインテークマニホールド、インテークマニホールドに接続されたアキュームレータ等の負圧源33に接続されている。また出力ポート31は主配管26及びニップル24を通して本体ケーシング14内へ連通している。
下側ケーシング16の内周側には、その上端部に下部側よりも内径が拡大して嵌挿部34が形成されており、この嵌挿部34には、上側ケーシング18の下端部が嵌挿されている。上側ケーシング18には、内周面における上側寄りの部位に内周側へ延出する仕切部36が一体的に形成されており、この仕切部36の中央部には円形の開口部38が穿設されている。上側ケーシング18には、その上面側に仕切部36の上面側を底面部とする円形の凹部40が形成されている。また上側ケーシング18の上側には円環状の支持リング42が配設されている。支持リング42には、下面部の内周側に環状の嵌挿溝44が形成されており、この嵌挿溝44内に上側ケーシング18の上端部が嵌挿されている。これにより、支持リング42は上側ケーシング18の上端部に同軸的に連結される。
支持リング42には、嵌挿溝44の外周側に軸方向へ貫通する複数の挿通穴46が穿設されており、支持リング42は、複数の挿通穴46がそれぞれ下側ケーシング16における複数のねじ穴21と一致するように位置決めされる。これらの挿通穴46にはそれぞれ上側からボルト(図示省略)の軸部が挿通され、これらのボルト軸部の先端側は、それぞれ下側ケーシング16のねじ穴21内へねじ込まれると共に、ねじ穴21から突出部分が車体側に設けられたねじ穴(図示省略)へねじ込まれる。これにより、下側ケーシング16と上側ケーシング18とが締結固定されて本体ケーシング14として一体化すると共に、本体ケーシング14が車体側へ締結固定される。
図1に示されるように、ストッパ装置10には、支持リング42の内周側に円板状に形成されたストッパ板50が同軸的に配設されると共に、このストッパ板50を支持リング42に弾性的に連結するリング状の隔壁ゴム52が設けられている。隔壁ゴム52は、その内周部がストッパ板50の外周部に全周に亘って接着されると共に、外周部が支持リング42の内周部に全周に亘って接着されている。これにより、ストッパ板50は、隔壁ゴム52を介して支持リング42に弾性的に連結され、隔壁ゴム52の軸方向への弾性変形に伴って移動可能に支持される。具体的には、ストッパ板50は、図1に示されるストッパ上限位置SPuと図2に示されるストッパ下限位置SPlとの間で移動可能とされている。またストッパ板50は、その上面部が軸方向に沿ってマウントステー12下面部に略平行状態で正対するように支持されている。
ストッパ装置10には、上側ケーシング18の凹部40内へ嵌挿される円板状の支軸部材54が設けられている。この支軸部材54は、支持リング42の内周部と仕切部36との間に挟持されて固定されている。支軸部材54には、その中心部に軸心Sに沿って下方へ突出する丸棒状のスライド軸56が形成されており、このスライド軸56は開口部38を通して本体ケーシング14内へ挿入されており、その先端部が下側ケーシング16の上端部まで達している。また支軸部材54には、スライド軸56の外周側に複数の連通開口58が穿設されており、この連通開口58を通して本体ケーシング14内の空間が本体ケーシング14上側のストッパ板50を隔壁の一部とする空間と連通している。
ストッパ装置10には、支軸部材54の上面部にストッパゴム60が配設されている。ストッパゴム60は、全体としてリング状に形成されており、その径方向に沿った断面が矩形状とされている。このストッパゴム60は、支軸部材54の連通開口58の外周側縁部に沿うように配置されている。ストッパゴム60は、ストッパ板50がストッパ上限位置SPuにある状態では、軸方向に沿って所定の間隔を空けてストッパ板50の下面部に対向しており、またストッパ板50がストッパ下限位置SPlにある状態では、ストッパ板50の下面部に圧接している。これにより、ストッパ板50は、ストッパ下限位置SPlから下方へ移動がストッパゴム60の弾性的な反発力により制限される。
図2に示されるように、上側ケーシング18には、仕切部36の上面部に開口部38の外周縁に沿うように凹状の座ぐり部62が全周に亘って形成されている。ストッパ装置10には、仕切部36に同軸的に連結されて下方へ突出する薄肉円筒状の外周連結筒64が設けられている。外周連結筒64は、その上端部に外周側へ延出するフランジ部66が屈曲形成されており、このフランジ部66は、内周側(開口部38側)から座ぐり部62内へ挿入され、座ぐり部62の底面部分と支軸部材54との間に挟持されている。
ストッパ装置10には、外周連結筒64の内周側であってスライド軸56の外周側に円筒状の内周連結筒68が配設されると共に、この内周連結筒68と外周連結筒64を軸方向に沿って移動可能に連結するゴム製の第1ダイヤフラム70が設けられている。この第1ダイヤフラム70には、大径の外筒部72、この外筒部72の内周側に配置される小径の内筒部74及び、外筒部72の下端部から内周側へ延出して内筒部74の上端部に接合される可撓部76が一体的に形成されている。
ここで、外筒部72は外周連結筒64の内周面下端側に加硫接着され、また内筒部74は内周連結筒68の外周面上端側に加硫接着されている。これにより、外周連結筒64と内周連結筒68との間に形成される環状の隙間が第1ダイヤフラム70により閉止される。内周連結筒68は、図2に示されるように、可撓部76が下方へ撓み変形することにより、その下端側が外周連結筒64の下方まで突出するプランジャ下限位置PPlまで移動可能となり、また図1に示されるように可撓部76が上方へ撓み変形することにより、その上端面が支軸部材54に当接するプランジャ上限位置PPuまで移動可能となる。
ストッパ装置10には、図2に示されるように、本体ケーシング14内に全体として略肉厚円筒状に形成されたプランジャ部材78が配設されている。プランジャ部材78には、その上面部に外周連結筒64に対応する逃げ溝80が環状に形成されると共に、この逃げ溝80よりも内周側の上端部に下端側よりも小径とされた円柱状の連結凸部82が形成されている。この連結凸部82は内周連結筒68内へ嵌挿され、内周連結筒68に連結固定される。
ここで、連結凸部82の外周面と内周連結筒68の内周面との間は気密性及び液密性が保たれるようにシールされる。これにより、本体ケーシング14内の上部側には、外周連結筒64の、第1ダイヤフラム、内周連結筒68、プランジャ部材78、隔壁ゴム52及びストッパ板50により外部から密閉された空間が形成される。
本体ケーシング14内に形成された上記密閉空間は、その内部にエチレングリコール、シリコーンオイル等の液体が充填されて圧力伝達液室88とされる。この圧力伝達液室88は、機能的には支軸部材54の連通開口58を介して上側の上側液室部90と下側の下側液室部92とに区画されている。
プランジャ部材78には、逃げ溝80の内周側に軸心Sに沿って丸穴状のスライド穴94が穿設されており、このスライド穴94は上端側がプランジャ部材78の上面部で開口している。スライド穴94内には支軸部材54のスライド軸56が相対的に摺動可能に挿入されている。これにより、プランジャ部材78は、スライド軸56と同軸的に位置決めされると共に、スライド軸56により軸方向に沿ってスライド可能に支持される。これにより、プランジャ部材78は、内周連結筒68と一体となってプランジャ上限位置PPu(図1参照)とプランジャ下限位置PPl(図2参照)との間で軸方向に沿って移動可能になる。このとき、プランジャ部材78がプランジャ上限位置PPuにある状態では、図1に示されるように、外周連結筒64の略全体がプランジャ部材78の逃げ溝80内へ挿入され、またプランジャ部材78がプランジャ下限位置PPlにある状態では、図2に示されるように、プランジャ部材78の下面部が下側ケーシング16の底板部へ当接すると共に、プランジャ部材78の逃げ溝80が外周連結筒64から離脱する。
ここで、圧力伝達液室88内に充填された液体は、極端に大きな圧力が加えられない限りは非圧縮性流体としての性質を維持する。このため、圧力伝達液室88の内容積は、プランジャ部材78の軸方向に沿った位置が変化しても、略一定に保たれるが、プランジャ部材78の軸方向に沿った位置が変化すると、圧力伝達液室88における上側液室部90が占める内容積と下側液室部92の内容積との比率が変化する。
すなわち、プランジャ部材78がプランジャ下限位置PPlへ移動すると、下側液室部92の内容積が最大になると共に、上側液室部90の内容積が最小となる。これにより、圧力伝達液室88の液体の圧力がストッパ板50に対して負圧として作用し、この液圧によりストッパ板50がストッパ下限位置SPlへ移動し、ストッパゴム60へ圧接する。またプランジャ部材78がプランジャ上限位置PPuへ移動すると、下側液室部92の内容積が最小になると共に、上側液室部90の内容積が最大となる。これにより、圧力伝達液室88の液体の圧力がストッパ板50に対して正圧として作用し、この液圧によりストッパ板50がストッパ上限位置SPuへ移動する。このとき、ストッパ板50は、液圧と引張り状態になった隔壁ゴム52の復元力とが釣合うことによりストッパ上限位置SPuに保持される。
下側ケーシング16には、その内周面における嵌挿部34の下側に段差部96が形成されており、本体ケーシング14内には、下側ケーシング16の段差部96と上側ケーシング18の下端面との間に挟持されるように円環状の外周連結筒98が挿入されている。プランジャ部材78にも、その外周面上端部に段差部97が形成されており、この段差部97の外周側には円環状の内周連結筒104が嵌挿されている。ストッパ装置10には、プランジャ部材78の上端面外周部にねじにより締結固定される固定板102が設けられており、内周連結筒104は固定板102と段差部96との間に挟持され固定されている。
ストッパ装置10には、外周連結筒98と内周連結筒104とを連結するゴム製の第2ダイヤフラム106が設けられている。この第2ダイヤフラム106は、第1ダイヤフラム70と同様に、大径の外筒部108、この外筒部108の内周側に配置される小径の内筒部110及び、外筒部108の内周面へ延出して内筒部110の外周面に接合される可撓部112が一体的に形成されている。
ここで、外筒部108は外周連結筒98の内周面に加硫接着され、また内筒部110は内周連結筒104の外周面に加硫接着されている。これにより、外周連結筒98と内周連結筒104との間に形成される環状の隙間が第2ダイヤフラム106により閉止される。プランジャ部材78は、図2に示されるように、第1ダイヤフラム70の可撓部76と共に可撓部112が下方へ撓み変形することにより、プランジャ下限位置PPlまで移動可能となり、また図1に示されるように、第1ダイヤフラム70の可撓部76と共に可撓部112が上方へ撓み変形することにより、プランジャ上限位置PPuまで移動可能となる。
図1に示されるように、本体ケーシング14内の下部側には、外周連結筒98、第2ダイヤフラム106、内周連結筒104及びプランジャ部材78により上部側の圧力伝達液室88から区画された可変空気室114が形成される。この可変空気室114は、その内容積がプランジャ部材78の軸方向に沿った位置に応じて変化する。この可変空気室114内には、前述したように、ニップル24及び主配管26を通して下側ケーシング16のねじ穴22に接続された三方電磁弁28を通して大気圧及び負圧の何れかが選択的に供給される。また本体ケーシング14内の上部側には、可撓部112、上側ケーシング18及び仕切部36により区画された開放空気室115が形成される。この開放空気室115は、上側ケーシング18に穿設された連通穴117を通して大気へ連通している。
プランジャ部材78の下面部には、逃げ溝80の外周側に同軸的に座受け溝116が形成されている。また下側ケーシング16の底板中央部には、円形凸状の座受け部118が形成されている。ストッパ装置10には可変空気室114内にコイルスプリング120が配設されており、このコイルスプリング120は、その上端側が座受け溝116内へ挿入されると共に下端部が座受け部118の外周側に嵌挿されて、プランジャ部材78と下側ケーシング16の底板部と間に介装されている。このとき、コイルスプリング120は、プランジャ部材78がプランジャ上限位置PPuにあっても軸方向に沿って所定の予圧縮量PCだけ圧縮されており、これにより、コイルスプリング120は、常にプランジャ部材78をプランジャ上限位置PPu側へ付勢している。
本実施形態に係るストッパ装置10は、図1及び図2に示されるように、マウント装置のマウントステー12が軸方向に沿って所定の位置に達したことを検出する2個の位置センサ122,124及び、これらの位置センサ122,124からの検出信号を受けて三方電磁弁28を制御する制御部126を備えている。
ここで、一方の位置センサ122は、マウントステー12が上方からストッパ下限位置SPlまで下降したタイミングで検出信号DLを制御部126へ出力する。この検出信号DLを受けた制御部126は、これに同期して可変空気室114の連通先が負圧源33から大気空間に切り替わるように三方電磁弁28を制御する。これにより、可変空気室114内には負圧に代わって大気圧が供給される。また他方の位置センサ124は、マウントステー12が下方からストッパ上限位置SPuまで上昇したタイミングで検出信号DUを制御部126へ出力する。この検出信号DUを受けた制御部126は、これに同期して可変空気室114の連通先が大気空間から負圧源33に切り替わるように三方電磁弁28を制御する。これにより、可変空気室114内には大気圧に代わって負圧が供給される。
上記のように構成されたストッパ装置10では、制御部126が三方電磁弁28により可変空気室114内へ大気圧を供給すると、プランジャ部材78がコイルスプリング120の付勢力によりプランジャ上限位置PPuへ付勢されると共に、このコイルスプリング120の付勢力に対応する液圧(正圧)を圧力伝達液室88内に発生させる。このとき、ストッパ板50に外部(マウントステー12)から軸方向に沿った荷重が作用していない状態では、図1に示されるように、ストッパ板50は、圧力伝達液室88内の液圧及び隔壁ゴム52の復元力によりストッパ上限位置SPuに保持される。
またストッパ装置10では、制御部126が三方電磁弁28により可変空気室114内に負圧を供給すると、この負圧によりプランジャ部材78がコイルスプリング120に抗してプランジャ下限位置PPlへ移動すると共に、圧力伝達液室88内の液圧によりストッパ部材がストッパ下限位置SPlへ移動し、このストッパ下限位置SPlに拘束される。
なお、本実施形態に係るストッパ装置10では、位置センサ122,124からの検出信号DL,DUに従って制御部126が三方電磁弁28の開閉状態を制御しているが、例えば、エンジン回転数、車速、燃料噴射量、スロット開度等の各種情報が入力するエンジン制御用のECU(electoronic control unit)により三方電磁弁28の開閉状態を制御するようにしても良い。具体的には、ECUによりマウント装置への入力荷重を推定し、この入力荷重が所定の閾値に達するまでは、可変空気室114に負圧が供給され、入力荷重が所定の閾値を超えると、可変空気室114に大気圧が供給されるように、三方電磁弁28の開閉状態を制御する。
次に、上記のように構成された本実施形態に係るストッパ装置10における作動原理及び、このストッパ装置10と組み合わされて使用されるマウント装置の特性について説明する。
ここで、ストッパ板50の径方向に沿った受圧面積はSa、プランジャ部材78及び第1ダイヤフラム70の径方向に沿った受圧面積はSB、プランジャ部材78及び第2ダイヤフラム106の径方向に沿った受圧面積はSCとされている。このとき、コイルスプリング120のばね定数はKS、予圧縮量PCだけ圧縮されたコイルスプリング120の復元力はFPであるとする。また大気圧と負圧源33により供給される負圧との圧力差はPMであり、マウント装置におけるゴム弾性体(図示省略)の軸方向に沿ったばね定数(静ばね定数)はKRであり、ストッパゴム60の軸方向に沿ったばね定数はKGであるとする。
ストッパ装置10では、上記各部材の受圧面積の関係が、SA>SBかつSC>SBとなっている。これにより、圧力差PMが小さくても、ストッパ板50がストッパ上限位置SPuにある状態で、ストッパ板50に作用する液圧を増大することができるので、ストッパ上限位置SPuにあるストッパ板50により支持可能な入力荷重を十分に大きいものにすることができる。
またストッパ装置10では、可変空気室114内に負圧が供給されている場合には、ストッパ板50からマウントステー12までの軸方向に沿ったクリアランスが最大となる。このとき、ストッパ装置10と組み合わされるマウント装置における荷重−撓み特性は、図3のグラフの実線Aで示されるようなものになる。すなわち、マウントステー12がストッパ下限位置SPlより上側にある状態では、マウント装置のばね定数K1は、そのゴム弾性体のばね定数KRと一致し、マウントステー12がストッパ下限位置SPlへ移動してストッパ板50に接すると、マウント装置のばね定数K3はゴム弾性体のばね定数KRとストッパゴム60のばね定数KGとの和と一致する。
またストッパ装置10では、可変空気室114内に大気圧が供給されている場合には、ストッパ板50からマウントステー12までの軸方向に沿ったクリアランスが最小となる。このとき、ストッパ装置10と組み合わされるマウント装置における荷重−撓み特性は、図3のグラフの破線Bで示されるようなものになる。すなわち、マウントステー12がストッパ上限位置SPuより上側にある状態では、マウント装置のばね定数K1は、そのゴム弾性体のばね定数KRと一致し、マウントステー12がストッパ上限位置SPuへ移動してストッパ板50に接すると、マウントステー12には、ストッパ板50を介してコイルスプリング120の復元力FPに対応する阻止荷重F0が作用する。この結果、マウントステー12は、軸方向に沿った荷重が阻止荷重F0を越えるまでは、ストッパ装置10により実質的に静止状態に維持される。
このとき、阻止荷重F0は、下式(1)により求められる。
F0=FP×SA/SB … (1)
またマウントステー12がストッパ板50に接した状態で、マウントステー12から阻止荷重F0を越えた荷重が入力したときには、マウント装置のばね定数K2は、下式(2)により求められる。
K2=KR+KS×(SA/SB) … (2)
従って、ばね定数K3は、ゴム弾性体のばね定数KRに対してKS×(SA/SB)だけ増加することとなり、この増分は受圧面積比(SA/SB)を変化させることにより調整可能となる。この阻止荷重を越えた荷重が入力するマウント装置のばね定数は、ストッパ板50がストッパゴム60に接するまでK2に維持され、ストッパ板50がストッパゴム60に接すると、ゴム弾性体のばね定数KRとストッパゴム60のばね定数KGとの和であるK3に変化する。
以上説明した本実施形態に係るストッパ装置10では、エンジンの始動開始と略同時に、制御部126が可変空気室114内に負圧が供給されるように三方電磁弁28を制御する。この時点で、エンジンからマウント装置へまだ大荷重が入力していないことから、マウントステー12は、ストッパ上限位置SPuにあるストッパ板50の上方に離間している。
一方、ストッパ装置10では、負圧源33から可変空気室114内へ負圧を供給すると、この負圧の作用によりプランジャ部材78がスプリング部材に抗してプランジャ下限位置PPlへ移動し、このプランジャ下限位置PPlに拘束されると共に、圧力伝達液室88内の液圧(負圧)によりストッパ板50がストッパ上限位置SPuからストッパ下限位置SPlへ移動し、拘束されることにより、ストッパ板50がストッパ上限位置SPuにある場合と比較し、ストッパ板50からマウントステー12までの間隔が増加するので、マウント装置に対して大荷重が入力してマウントステー12がストッパ板50に当接するまでは、ストッパ装置10を経由することなく、マウント装置のみを介してエンジンと車体との間で荷重(振動)が伝達される。
このとき、マウント装置のゴム弾性体のばね定数を十分に小さいものに設定しておけば、ゴム弾性体による振動伝達率を十分に小さいものにできるので、エンジンから車体へ伝達される振動をゴム弾性体の吸振作用により効果的に遮断できる。
上記のように可変空気室114内へ負圧が供給されている状態で、マウント装置への入力荷重が増加し、マウントステー12がストッパ板50と共にストッパ下限位置SPlまで下降すると、制御部126は、位置センサ122からの検出信号DLを受けて可変空気室114の連通先を負圧源33から大気空間に切り替え、可変空気室114内に負圧に代えて大気圧を供給する。これに連動し、ストッパ装置10では、プランジャ部材78がコイルスプリング120の付勢力によりプランジャ上限位置PPuへ付勢されると共に、このコイルスプリング120の付勢力に対応する液圧を圧力伝達液室88内に発生させ、この液圧(正圧)によりストッパ板50をストッパ上限位置SPuへ付勢する。
ストッパ装置10では、ストッパ板50がマウントステー12から荷重を受けていない場合には、プランジャ部材78がプランジャ上限位置PPuへ移動すると共に、圧力伝達液室88内に生じる液圧によりストッパ板50がストッパ上限位置SPuに移動するが、本実施形態における上記の場合には、マウントステー12及びストッパ板50が共にストッパ下限位置SPlまで下降してきているので、ストッパ板50を介してマウントステー12にはコイルスプリング120の阻止荷重F0が作用する。このとき、阻止荷重F0は、ストッパ下限位置SPlまで変形したマウント装置が発生するマウント荷重と等しいか、僅かに小さくなるように設定されている。これにより、マウントステー12及びストッパ板50がストッパ下限位置SPlまで下降したタイミングで、可変空気室114へ負圧に代えて大気圧を供給すれば、ばね定数をK1からK2に切り替えて高いばね定数を得ることができる。
従って、コイルスプリング120のばね定数を入力荷重の大きさに応じて適宜調整すれば、マウントステー12がストッパ板50に当接して、マウントステー12から阻止荷重F0を越える荷重がが入力した場合でも、マウントステー12(エンジン)の軸方向に沿った変位量をばね定数K2に対応する大きさに制御できる。
すなわち、ばね定数K2は、前述した(2)式により求められるが、ゴム弾性体のばね定数KRに対する増加分であるKS×(SA/SB)は、受圧面積比(SA/SB)を変化させることにより調整可能となるので、この増加分を適宜調整することにより、大荷重入力時のマウントステー12(エンジン)の軸方向に沿った変位量を所望の大きさ以下に確実に制限できる。
ストッパ装置10では、マウントステー12からの入力荷重が更に増加してマウントステー12及びストッパ板50がストッパ下限位置SPlまで下降すると、ストッパ板50が圧力伝達液室88内のストッパゴム60に圧接し、ばね定数がK2からK3に増加する。これにより、マウントステー12から過大な荷重が入力した時でも、ストッパ装置10では、マウントステー12(エンジン)に軸方向へ沿った過大な変位が生じることを確実に防止できる。
また、上記したように可変空気室114内へ大気圧が供給開始された後に、マウントステー12から入力荷重が減少し、ストッパ板50がマウントステー12をストッパ上限位置SPuまで押し上げると、制御部126は、位置センサ124からの検出信号DUを受けて可変空気室114の連通先を大気空間から負圧源33に切り替え、可変空気室114内に大気圧に代えて負圧を供給開始する。これにより、ストッパ装置10では、圧力伝達液室88の液圧(負圧)によりストッパ板50がストッパ下限位置SPlへ移動し、拘束されるので、ストッパ板50とマウントステー12の軸方向に沿ったクリアランスを再び最大に戻すことができる。
以上説明したように本実施形態に係るストッパ装置10によれば、マウント装置を介してエンジンから相対的に大きい荷重が車体に入力する際には、制御部126が三方電磁弁28により可変空気室114内への大気圧を供給することにより、ストッパ板50をストッパ上限位置SPuに付勢してストッパステー12との間隔を縮小できると共に、コイルスプリング120を介して入力荷重を支持できるので、大荷重が入力してもコイルスプリング120によりストッパステー12の車体に対する荷重入力方向に沿った相対変位を確実に所定量以下に制限でき、またマウント装置を介してエンジンから相対的に小さい荷重が車体に入力する際には、制御部126が三方電磁弁28により可変空気室114内への負圧を供給することにより、ストッパ板50をストッパ下限位置SPlに拘束してストッパステー12との間隔を増加できるので、マウント装置のみによりエンジンの車体に対する荷重入力方向に沿った相対変位を制限でき、低い振動伝達率を有するマウント装置のゴム弾性体によりエンジンと車体との間の振動伝達を効果的に遮断できる。
なお、本実施形態に係るストッパ装置10は、ストッパ板50を軸方向に沿ってマウント装置におけるマウントステー12に対向するように支持していたが、ストッパ板50をマウントステー12と一体となって軸方向へ移動するエンジンの一部又はエンジンに固定されたエンジンステーに対向させても、マウントステー12に対向する場合と同一の作用効果が得られる。
また図3には、マウント装置のゴム弾性体及びストッパゴム60の荷重−変位特性がリニアなものであるように示されているが、これは説明を簡単にするために模式的に表したものであり、ゴム弾性体及びストッパゴム60の実際の荷重−変位特性はそれぞれ非線形なものになる。
本発明に実施形態に係るストッパ装置の構成を示す側面断面であり、可変空気室内へ大気圧が供給されている状態を示している。 図1に示されるストッパ装置における可変空気室内へ負圧が供給されている状態を示している。 図1に示されるストッパ装置と組み合わされて使用されるマウント装置における荷重−撓み特性を示すグラフである。
符号の説明
10 ストッパ装置
12 マウントステー(第1取付部材)
14 本体ケーシング(本体部)
24 ニップル(空気圧供給手段)
26 主配管(空気圧供給手段)
28 三方電磁弁(空気圧供給手段)
32 負圧配管(空気圧供給手段)
33 負圧源(空気圧供給手段)
52 隔壁ゴム
70 第1ダイヤフラム
78 プランジャ部材
88 圧力伝達液室
106 第2ダイヤフラム
114 可変空気室
120 コイルスプリング
122 位置センサ
124 位置センサ
126 制御部

Claims (3)

  1. 被荷重支持体と荷重支持体とにそれぞれ連結された第1取付部材と第2取付部材との間に弾性体が配設され、該弾性体を介して被荷重支持体を荷重支持体に弾性的にマウントするマウント装置における、第1取付部材の第2取付部材に対する荷重入力方向に沿った相対変位を制限するストッパ装置であって、
    前記荷重支持体に対して固定された本体部と、
    前記本体部に配設され、前記荷重入力方向に沿って前記第1取付部材又は被荷重支持体に対向すると共に、所定のストッパ上限位置とストッパ下限位置との間で移動可能に支持されたストッパ部材と、
    前記ストッパ部材を隔壁の一部として前記本体部内に設けられ、内部に液体が充填された圧力伝達液室と、
    前記圧力伝達液室における隔壁の他の一部を構成して該圧力伝達液室内の液圧を受けると共に、前記荷重入力方向に沿って所定のプランジャ上限位置とプランジャ下限位置との間で移動可能に支持されたプランジャ部材と、
    前記プランジャ部材を介して前記圧力伝達液室に隣接するように前記本体部内に配設され、前記プランジャ部材の前記荷重入力方向に沿った位置に応じて内容積が変化する可変空気室と、
    前記荷重入力方向に沿って伸縮可能とされ、前記プランジャ部材を常に前記プランジャ上限位置側に付勢するスプリング部材と、
    前記可変空気室に大気圧及び負圧の何れかを選択的に供給する空気圧供給手段とを有し、
    前記空気圧供給手段により前記可変空気室へ大気圧を供給すると、前記プランジャ部材が前記スプリング部材により前記プランジャ上限位置へ付勢されると共に、該スプリング部材の付勢力に対応する液圧を前記圧力伝達液室内に発生させ、該液圧により前記ストッパ部材を前記ストッパ上限位置へ付勢し、
    前記空気圧供給手段により前記可変空気室へ負圧を供給すると、該負圧により前記プランジャ部材が前記スプリング部材に抗して前記プランジャ下限位置へ移動すると共に、前記圧力伝達液室内の液圧により前記ストッパ部材がストッパ下限位置へ移動することを特徴とするストッパ装置。
  2. 前記圧力伝達液室内に、前記ストッパ部材が下限位置へ拘束されると、該ストッパ部材と前記圧力伝達液室における前記本体部側の内壁との間に挟持され、前記荷重入力方向に沿った荷重の入力により弾性変形するストッパゴムを配設したことを特徴とする請求項1記載のストッパ装置。
  3. 前記ストッパ部材と前記圧力伝達液室の本体部側の内壁とにそれぞれ固着されて該圧力伝達液室の隔壁の一部を構成すると共に、前記ストッパ上限位置と前記ストッパ下限位置との間で弾性変形可能とされた隔壁ゴムを有することを特徴とする請求項1又は2記載のストッパ装置。
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