JP5155003B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は排尿等があったことを視覚的に知らせる吸収性物品に関する。
吸収性物品を着用したときに、尿や経血等の排泄があり吸収体がこれを吸収保持したことを視覚的に着用者やその保護者等に知らせる機能を有するものが種々提案されている。例えば、使い捨てナプキンの外観を黒色のものにし、その一部において白色の吸収体等が見える状態にしたものが提案されている(特許文献1参照)。これにより、黒色の下着と組み合わせて着用したときにナプキンが目立たず、一方で経血等の排泄があれば吸収体等が変色し、そのことを着用者が視覚的に知ることができる。
上記とは異なり、排尿等による水分と接触すると変色する特定の剤やpH指示薬などをインジケータとして用いたものがある。中でも視覚的な効果に着目したものとして、変色しないキャラクター図柄と変色する図柄とを組み合わせたものが提案されており、子供の排泄訓練に効果があるとされる(特許文献2参照)。また、視認性を高める目的で、吸収体が湿潤状態にあることを視認可能とするインジケータの外側に配されるバックシートの光透過率を所定の範囲にしたものがある(特許文献3参照)。さらに、バックシートの裏面もしくは表面に上記変色性のインジケータと変色しない着色層とを印刷等により設けたものなどが提案されている(特許文献4参照)。
特表2004−520856号公報 特表2003−501209号公報 特表2007−117649号公報 特開2004−337385号公報
上述した可変色のインジケータを用いる吸収性物品においては、通常インジケータが吸収体と接する位置に配置され、その外側にバックシートが配される。したがって、吸収性物品の外側からは、インジケータの色の変化をバックシートを介して見なければならず視認しにくい。さらに、インジケータに用いられる変色する剤等が尿等と接触することにより、にじみが生じたり、色や輪郭がぼやけたりすることもある。また、視認性を重視しインジケータを目立つ色のものにしすぎれば、通常肌にそえて使用する吸収性物品の清潔感を損ないかねない。このように、清潔感のある色で、しかもバックシート越しに透かして見て、場合によってはにじんだようなときにも、視覚的に排尿等があったことを着用者や保護者に的確に知らせることは容易ではない。一方、排尿等を長時間放置すれば単に不快感を与えるだけでなく、例えば乳幼児などにおいては肌荒れやかぶれなどを起こす原因にもなり、できるだけ速やかに正しく排尿等があったことを看者(保護者)が知る必要がある。
また、バックシートに着色印刷してしまうとバックシートに求められる本来の機能に影響することがある。とりわけ、インジケータが配される部分は湿気を帯びるため、高い透湿性があり蒸れを防ぐことが求められる。そのためバックシートに高い透湿性を有するものが開発され好適に採用されてきている。しかしバックシートに着色印刷してしまった場合、バックシート表面は印刷被膜によって繊維の吸湿性が阻害され、場合によっては透湿性を発現するシート内の微細孔の閉塞まで生じ、本来の良好な透湿性を減殺させてしまうことともなる。
本発明は、尿等に含まれる水分との接触によるインジケータの変色を視覚的に認識しやすく、しかも良好な透湿性を有する吸収性物品の提供を目的とする。とくにインジケータの視認性について、着用初期においては目立たずすっきりした外観で、インジケータが変色した後に、これをはっきりと目視認識させ、排尿等があったことを的確に知らせる吸収性物品の提供を目的とする。さらに本発明は、上記の優れた性能を有しながら、煩雑な工程を要さずに効率よくかつ低コストで製造しうる吸収性物品の提供を目的とする。
本発明の上記の課題は、吸収体と該吸収体の外側に配したバックシートとを有し、前記吸収体と前記バックシートとの間に水分との接触によって変色するインジケータを配した吸収性物品であって、前記バックシートは前記吸収体側の透湿シートとその外側の外装シートとを有し、前記透湿シートに含有させた着色剤により、該透湿シートが黄色系に着色されており、前記着色された透湿シートの光透過率が30%以上であり、前記透湿シートにおける透湿度が2.0g/100cm・h以上である吸収性物品により解決された。
本発明の吸収性物品は、尿等に含まれる水分との接触によりインジケータが変色したとき、これを視覚的に認識しやすくする着色した領域を有し、しかも良好な透湿性を示す。また、とくに本発明の吸収性物品のインジケータの視認性について、着用初期においては目立たずすっきりした外観で、インジケータが変色した後には、これをはっきりと目視認識させ、排尿等があったことを的確に知らせることができるという優れた作用効果を奏する。さらに本発明の吸収性物品は、上記の優れ性能を有するものでありながら、煩雑な工程を要さずに効率よくかつ低コストで製造することができる。
本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の吸収性物品の好ましい実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつをおよそ装着したときの形状で模式的に示す斜視図である。本実施形態のおむつ10においては、ウエスト開口部t及び左右一対のレッグ開口部sが設けられており、ウエスト開口部tに着用者の胴周り及び腰周りを通し、レッグ開口部sに腿を通して装着される。ウエスト開口部t近傍にはウエストギャザーをなす弾性部材6が複数配設され、着用者の胴周り及び腰周りを適度に締め付けてフィットするようにされている。また、レッグ開口部sの近傍にもレッグギャザーをなす弾性部材8が複数設けられており、腿を適度に締め付けて良好なフィット性が実現される。
本実施形態のおむつ10においては、サイドシール部4が設けられ、おむつの前身頃側fと後身頃側rとをここで接合している。ただし、本発明においては、サイドシール部4を設けずにファスニングテープにより接合するテープタイプのおむつとしてもよい。また、本実施形態のおむつ10を乳幼児用のおむつとして例示しているが、成人用のおむつであってもよく、その他、ニーズに応じて必要な形態とした吸収性物品とすることができる。
本実施形態のおむつ10を構成する上記の各部材は通常この種の物品に用いられるものを用いればよい。例えばトップシート2としては親水性の不織布や開孔フィルムなどを用いることができる。吸収体3としては、パルプや高吸水性ポリマー等を用いることができる。弾性伸縮部材6,8としては各種エラストマー材料を用いることができる。バックシート1を構成する部材及びその製造方法については後に詳しく説明する。また、上記の各材を組み立てておむつとする方法も特に限定されず、この種の使い捨ておむつに適用される通常の製造方法によればよい。
図2は、図1におけるII−II線断面を拡大して示す断面図である。同図および図1により示したように、本実施形態の使い捨ておむつ10には、バックシート1と吸収体3との間に、水分と接触すると変色するインジケータ13が設けられている。本発明においてインジケータの変色とは、目視によって色(色相、彩度、明度のいずれであってもよい。)の変化が認識しうる程度の変化であればよく、L表色系における色差(ΔEab=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2)が1.5以上であることが好ましい。またb値が減少する方向であることが好ましい。なお本発明において変色とは、水分との接触の前後で色が変化することであり、水分との接触で色が消失すること、及び水分との接触で色が現れることを含む概念である。
[L表色系におけるL値,a値,b値]
本発明においては、インジケータの変色を、L表色系におけるL値,a値,b値を用いて測定するとき、以下のようにして行う。測定は、日本電色工業(株)社製のハンディ型分光色差計NF777(商品名)を用い、照明条件C、視野角条件2°、正面受光条件=0/45°、光束径φ10mmの測定条件で求める。具体的に、測定サンプルがシート状のもの(外装不織布や透湿シート等)の場合には該シート状物をオシッコサインの位置が合うように10枚重ねた状態でその裏側に台紙を5mm以上の厚さとなるように複数枚重ねた状態で反射光を測定し、インジケータの場合には該台紙にインジケータを十分な面積設け、その裏面に台紙を5mm以上の厚さとなるよう複数枚重ねた状態で測定して求めた値をいう。台紙は測定に使用する枚数重ねた状態でL=95以上、a=0±2.0、b=0±4.0のものを使用する。具体的に、台紙としてL=96、a=−1.1、b=3.7のものが挙げられる。
本実施形態においては、バックシート1の透湿シート11の内側にインジケータ13が配されている(図2参照)。ここでインジケータは、例えば粘着成分にpH指示薬(例えばブロモフェノールブルー)等を混合したホットメルト組成物を透湿シート11における吸収体対向面に塗布し、この吸収体対向面上に吸収体3を配置している。このとき吸収体3とインジケータ13との間に台紙等を設けてもよい。また、透湿シート11とインジケータ13との間、透湿シート11と外装シート12との間、外装シート12の外側に他の機能性シート等を設けてもよい。
本実施形態において、インジケータ13はおむつ幅方向の中央部分において、おむつ底部cから前身頃fにかけて直線状に設けられている。そして、おむつ幅方向に3本の細長い線が並列するように設けられている。これによって、排尿が特に集中するおむつ底部(着用者の股下部分)cないし前身頃側(着用者の腹側)fでのインジケータ13の変色が認識できるようにされている。また、インジケータ13を細幅帯状の形態にしておむつ幅方向に複数本(本実施形態では3本)並列させているので、視覚的変化が一層認識しやすい。
本実施形態のおむつでは、透湿シート11の全体が着色されている。外装不織布は通常略白色のものが用いられ、多少この地色の影響をうけるが、不織布で形成された外装シート12を介しておむつを外側から見たときに、バックシート1の色として概ね上記着色された透湿シート11の色にみえるようにされている。
本実施形態のおむつ10においては、透湿シート11が該シートに含有させた着色剤により着色されている。ここで、「シートに含有させた着色剤による着色」とはシート内部に含有させた着色剤の色によりシートの一部もしくは全面が着色されていることをいい、シートの表面上に着色剤を塗布するないし該表面の近傍に多少滲み込ませて着色したものを含まず、例えばシート表面に通常の印刷法により着色したものを含まない。シート材料内部の着色剤による着色の具体例としては、シートの製造段階で顔料等をシートをなす組成物中に含有させて所定のシートに成形する態様が挙げられ、なかでも本発明においては後述するようにフィラーとして用いる炭酸カルシウムとして有色のものを用い、これを着色剤として機能させ着色することが好ましい。
本実施形態のおむつ10においては、上記インジケータ13の色が変色前において黄色であり、水分との接触をうけて青緑色に変色する。これに対し、透湿シートは黄色に着色されている。このように、インジケータ13の変色前の色と、その周辺の透湿シート11ないしはバックシート1とがともに黄色いため、変色前のインジケータ13が目立たず見た目に違和感がなくすっきりした外観とされている。ここで、本発明においては、着色された透湿シート11の色は黄色系であればよい。ここで黄色系とは、Lab表示系におけるL値が90以上であり、a値が±0.5以下であり、b値が0.9以上であることをいう。そして、インジケータ13が水分と接触し青緑色に変わると、黄色を帯びたバックシート1の中にこの青緑色の線が映えるように浮きだし、着用者や保護者(看者)がその色の変化を明確に目視により認識することができる。
[Lab表色系におけるL値,a値,b値]
本発明の透湿シートの測定において、Lab表色系におけるL値,a値,b値は、特に断らない限り、日本電色工業(株)社製の分光色差計SE2000(商品名)を用い、光源の選択を10°/D65にし、反射又は透過の選択を反射光測定として測定を行う。測定サンプルは5mm以上の厚さとなるように複数枚重ねた状態で測定する。
さらに上記の色の変化における視認性について詳しく説明する。上述のように黄色系にされた領域から、その一部に図形(本実施形態においては3本の線)が浮き出してくる変化は、看者の興味をそそりその注目を強く引き出す効果を奏する。すなわち、違和感がなく、目立たないところに、異質なものが出現したかのような多少の驚きを与えることによって、その色の変化を強く印象付けることができる。
ところで、前に述べたように通常の吸収性物品においては、インジケータが少なくともバックシートの内側(看者からみてバックシートの裏側)に配されており、インジケータはこのシートを透かして見ることとなる。そのためインジケータは不可避的にぼやけた色味となり、例えば黄色から青緑色に変色しても、バックシートが白色であればインジケータは白みがかった色変化に留まり看者に与える印象は弱まる。また、場合によりインジケータの初期色が黄色であったか青緑色であったか記憶にないこともあり、結局、果たしてその色が変色前(排尿等の前)のものであるのか、変色後(排尿等の後)のものであるのか判別がつかないことともなる。
これに対し、本実施形態のおむつ10によれば、上述したようなインジケータの色及びその輪郭が浮き出す視覚的作用により、インジケータ13の変色を強く看者に認識させることができる。また、変色があって初めてインジケータ13が浮き出すことから、たとえ保護者等が変色前後の色を失念しても、誤認することなく排尿等があったことを判別することができる。なお、本実施形態においては透湿シート11の全体を着色しているが、例えばインジケータ13に重なる部分の周辺のみを着色してもよい。ただし、後述するように透湿シートをなす樹脂組成物に着色剤を含有させる製造方法を考慮すると、透湿シートの全体が着色されていることが、製造効率及びコストの点で好ましい。
次に、インジケータについて説明する。インジケータは上述のように水分と接触することによって変色するものである。ここに含まれる変色物質としては例えばpH指示薬等が挙げられる。pH指示薬としては、吸収性物品が本実施形態のようにおむつの場合には、尿との接触の前後で色が変化するものを用いることが好ましい。例えばブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、アリザンS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル、レザズリン等、pHが3〜7で変色するものが好ましい。なお、本発明において「水分」というときには、単に水のみからなる液分だけではなく、水に酸、塩基、塩、有機化合物等が溶解した水系組成物を含む。
インジケータ13を所定のシート等に固定化する方法としては、変色物質と粘着性物質とを混合した親水性の組成物として、表面に塗布する方法が簡便かつ確実である。粘着性物質としては、変色物質との相溶性の点から親水性を有するものが好ましい。そのような物質としては例えば、接着剤として機能する親水性のポリマーが挙げられる。親水性のポリマーとしては例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ビニルピロリドンホモポリマー等が挙げられる。これら親水性のポリマーはその数平均分子量が、1000〜50000、特に2000〜20000であることが、確実な固定化を与える点から好ましい。
本実施形態における着色された透湿シート11は上述のようにインジケータ13の変色前の色と同色系にされているが、具体的には着色された前記透湿シート11における着色をLab表色系のb値が0.9以上であり、これを1.0以上にすることが好ましい。このような色相とすることにより、インジケータとして実用的なものの色に対応することができ、また吸収性物品の清潔な外観を維持することができる。
インジケータ13は上述のように透湿シート11を通しておむつ外部から認識されるため、インジケータの視認性を良くするよう透湿シートとして透明度が高いものを用いることが好ましい。このような観点から、着色された透湿シート11の光透過率は30%以上であることが好ましい。
[光透過率]
本発明において光透過率は、(株)日本電色工業製ヘーズメーター、商品名「NDH5000」で、JIS K7361−1に基づき、全光透過率Ttの値を測定する。この測定条件で測定対象とされるシート上の任意の10点を測定し、その平均値をもって本発明における光透過率の値とする。
また、透湿シート11は液不透過性でかつ透湿性に富むものであることが好ましい。透湿度が低いと、着用者の肌に湿り気が出易く、肌によくない。着色された透湿シートの透湿度は、JIS Z0208に準じ、環境温度を30℃で測定し、2.0g/(100cm・hr)以上であることが好ましく、2.5g/(100cm・hr)以上であることがさらに好ましい。
透湿シート11に用いられる素材としては例えば多孔性フィルムが挙げられる。多孔性フィルムは例えば、疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微細な無機フィラー又は該樹脂と相溶性のない有機高分子等とからなる樹脂組成物を溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる。熱可塑性樹脂としては例えばポリオレフィンが挙げられる。ポリオレフィンとしては高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独又は混合して使用することができる。前記樹脂組成物中での熱可塑性樹脂の含有量は、前記のb値、光透過率及び透湿性を全て満たす観点から40質量%以下であることが好ましい。
透湿シートには、透湿性を出すための微細孔を有する多孔性シートが好適に用いられる。しかし、この微細孔は通常光を乱反射させ、透湿シートのb値を下げてしまう。そのため、高い透湿性を得ようとすれば、シートを黄色系に着色しても、その色味を減殺させる方向に作用する。また、上記微細孔を設けることにより、通常透湿シートの光透過率も下がってしまう。このため、透湿シートにおいて高い透湿度と高いb値、光透過率の全てを満足するのは困難である。
これに対し本発明においては上記3つの要求を同時に満足することができ、しかも必要によりフィラーの量を調整することで、透湿性とb値とを一層高め、併せて十分な光透過率を実現することができる。
上記のフィラーとして用いられるものは特に限定されないが、例えば無機充填剤が挙げられ、透湿シートを多孔質にして十分に透湿性を付与しうるものであることが好ましい。無機充填剤としては例えば、炭酸カルシウム、石膏、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、燐酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、カーボンブラック、アルミニウム粉、鉄粉などの粉粒体が挙げられる。これらは一種又は二種以上を併用できる。得られる透湿シートの強度確保や製造時のシート破れの防止の点から、これらの無機充填剤はその平均粒径が0.3〜8μmで最大粒径が20μm以下であることが好ましく、平均粒径が0.5〜5μmで最大粒径が15μm以下であることが更に好ましい。
前述した各種無機充填剤のうち、炭酸カルシウムや硫酸バリウムを用いることが好ましく、特に炭酸カルシウムを用いることが好ましい。炭酸カルシウムを用いるとき、その比表面積が16000〜24000cm/gであることが好ましく、18000〜22000cm/gであることがより好ましい。このようなものを用いることで、透湿性が高く耐水性も高いシート、すなわち緻密な孔が多数開いていて液がにじみにくく、かつ十分な強度のシートを得ることができる。前記樹脂組成物中の無機充填剤は、60質量%以上であることが好ましい。これにより高い透湿性を有する透湿シートとすることができ、シートの耐水性を維持して液がにじみにくいものとすることができ、更には十分な強度や成形性が維持されうる。また、上限は特にないが、透湿性シートの生産性を考慮すると70質量%以下であることが好ましい。
透湿シートとする前記樹脂組成物においては、上記熱可塑性樹脂及びフィラーに加えて、しなやかな風合いや製造時の取り扱い性等を向上させるために、第三成分を添加することができる。
本実施形態のおむつ10においては、上記樹脂組成物中に透湿性を損なわない顔料等を着色剤として混合する、あるいはフィラーとして所望の色味を有するものを着色剤として用いて、透湿シートを所望の色に着色することができる。本実施形態のおむつ10は、上述のように透湿シートのシート材の内部に着色剤を有しこれによりシートを着色したため、透湿シートを製造したのちに別途の印刷工程を設ける必要がなく生産効率が良い。特に、透湿シートに含有させる着色剤を、フィラーとして用いる有色炭酸カルシウムとするときには、従来の透湿シートの製造工程に対し工程数や部材数の追加を要さず、高い生産性がそのまま維持される。このように生産性を維持しコストを低く抑えることは、使い捨て物品が一度使用されると廃棄されるという使用態様を考慮するとき極めて重要なことである。
上述のように透湿シートの着色にフィラーとして所望の色味を有するものを用いるとき、無機充填剤として所望の色のものを用いることが好ましく、さらに所望の色の有色炭酸カルシウムを用いることがより好ましい。所望の色味を有する有色炭酸カルシウムとしては、例えば白石カルシウム(株)社製のソフトン22S(商品名、岡山鉱山産出品)が挙げられる。この有色炭酸カルシウムの色は特に限定されないが、例えば黄色ないし薄青色のものを用いることができ、中でも黄色の有色炭酸カルシウムを用いることが好ましい。黄色の有色炭酸カルシウムについて、具体的に有色炭酸カルシウムを粉末(粒子の集合体)として測定したときのL表色系におけるb値でいうと、1.1以上のものであることが好ましい。このように、有色炭酸カルシウムとして所望の色味を持つものを用いることにより、透湿シートを形成するときのフィラーとしての機能と着色剤としての機能を合わせて満足することができる。
本発明において、無機充填剤のL表色系におけるb値は、特に断らない限り、コニカミノルタセンシング社製CR−400(商品名)を用いて、粉体をケースに充填し平らにした表面に測定器をのせ測定する。またこの時光源はC光源を用いる。
炭酸カルシウムを有色のものとし着色剤としても機能させることにより、別途高価な顔料等の着色剤を用いることなく、また余計な工程の追加も必要とせず、効率よくかつ低コストで所望の色に着色された透湿シートを製造することができる。したがって、使い捨て物品において重要な低コスト化を好適に実現しうる。また、炭酸カルシウムはそもそもフィラーとして透湿シートに用いるものであるため、透湿シートの諸性能や品質への影響を考慮する必要がほぼない点で好ましい。
透湿シート11に含まれる炭酸カルシウムの含有量は、上記のフィラー機能及び着色機能の点から、60質量%以上であることが好ましく、シートの製造性の観点からは70質量%以下であることがより好ましい。透湿シート11の坪量は10〜40g/mであることが好ましい。このような坪量のものとすることでインジケータ13の視覚的変化がおむつ外部から認識しやすくなるとともに、柔軟な感触が得られるので好ましい。
外装シート12としては、インジケータ13が十分に透けて見えるよう光透過率が高く、さらには着用者や保護者に対する良好な肌触りが得られるような柔らかい素材を用いることが好ましい。具体的には上記のような性質を有する不織布を用いることが好ましい。該不織布の坪量は、上記の性質を考慮し5〜45g/mであることが好ましく、10〜40g/mであることがより好ましい。外装シート12の光透過率は、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。外装シート12の透湿度は特に限定されないが、十分な透湿性を有するものであることが好ましい。
外装シート12に用いられる不織布としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルからなる熱可塑性樹脂単独の繊維や、これらの樹脂の2種以上を用いてなる芯鞘型やサイドバイサイド型の構造を有する複合繊維から構成される不織布等が挙げられる。
外装シート12に用いられる不織布としては、その地色の透明度が高いものを用いることが、インジケータの視覚的変化の認識性が高まるので好ましい。ただし外装シート12は、おむつ厚み方向に対するインジケータ13を配した領域との重なり部分及びその周辺の透過率が高ければよい。さらに、外装シート12は、前記透湿シートと同じ黄色系に着色されていてもよい。またインジケータの視覚的変化の認識性を高める等のために外装シート12に図柄や模様を施しても構わない。このことは前記透湿シート11についても同様であり、例えばインジケータの視認性を一層高めたり物品の外観イメージを良化したりするために動物やキャラクター等の模様を描いてもよい。
外装シート12と透湿シート11は一部において接合されていても、全面において接合されていてもよい。バックシート1としたときの強度等を考慮して全面で接合することが好ましく、例えばホットメルト接着剤等によって外装シート12と透湿シート11とを接合することができる。
本発明の吸収性物品は、着用者の身体から排泄ないし浸出する液体等を吸収保持する物品であれば特に限定されず、着用者の肌に接してあるいは接近して用いる物品であることが好ましい。具体的には、そのまま洗浄し再利用を前提としない使い捨ての吸収性物品であることが好ましく、例えば上述した使い捨ておむつのほか、生理用ナプキン、パンティライナー、尿とりパッド等として用いるものであることが好ましい。
本発明について実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。
(実施例)
ポリオレフィン樹脂((株)プライムポリマー社製、UZ2520F[商品名])34.0質量%、脂肪酸(花王(株)社製、ルナックS−40[商品名])0.92質量%、ポリエステル(花王(株)社製、エキセパールTM20−AS[商品名])4.01質量%、炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)社製、ソフトン22S、商品名、岡山鉱山産出品、Lab表色系のb値:1.2)61.07質量%を準備し、これらをヘンシェルミキサーで攪拌後、2軸練機で過熱混合しマスターバッチを製造した。このマスターバッチを用い、インフレーション成形装置でシートを成形した。さらにこのシートを70℃に加熱し、シートの流れ方向に2.3倍の倍率で延伸し延伸後の坪量を20g/mとすることで多孔性シート(試験体1)を作製した。
(比較例1)
上記実施例に対して、上記炭酸カルシウムに代え(株)カルファイン社製ACE25(商品名、Lab表色系のb値:0.2)57.70質量%を用い、上記ポリエステルの量を4.00質量%とし、上記脂肪酸の量を0.90質量%とし、上記ポリオレフィン系樹脂の量を37.4質量%とした以外同様にして多孔性シート(試験体1c)を作製した。
(参考例1)
上記実施例に対して、上記炭酸カルシウムの量を57.70質量%とし、上記ポリエステルの量を4.00質量%とし、上記脂肪酸の量を0.90質量%とし、上記ポリオレフィン系樹脂の量を37.4質量%とし、延伸倍率を2.7倍とした以外同様にして微多孔性シート(試験体1s)を作製した。
(参考例2)
上記実施例に対して、上記炭酸カルシウムの量を57.70質量%とし、上記ポリエステルの量を4.00質量%とし、上記脂肪酸の量を0.90質量%とし、上記ポリオレフィン系樹脂の量を37.4質量%とし、延伸倍率を2.1倍とした以外同様にして微多孔性シート(試験体2s)を作製した。
上記の各多孔性シート試験体の、Lab表色系のb値,L値,a値、光透過率、透湿度を測定した。このとき目視により判断される各試験体の色味を確認した。また各多孔性シート試験体を用いて図1及び図2に示したおむつを作製し、それぞれのおむつのインジケータの変色によるオシッコサインの視認性、おむつの装着快適性を10人のパネルにより試験評価した。結果を下記表1にまとめて示した。
オシッコサインの視認性については、10人のパネルによる目視試験で評価し、以下のように結果を区分した。
判断しやすいと回答した人が全員9,10人の場合 ・・・◎
判断しやすいと回答した人が7,8人の場合 ・・・○
判断しやすいと回答した人が4〜6人の場合 ・・・△
判断しやすいと回答した人が3人以下の場合 ・・・×
おむつの装着快適性については、10人のパネル試験で使用後のあかちゃんのお尻の湿り気からお母さんが判断し、以下のように結果を区分した。
快適なおむつと感じると回答した人が全員9,10人の場合 ・・・◎
快適なおむつと感じると回答した人が7,8人の場合 ・・・○
快適なおむつと感じると回答した人が4〜6人の場合 ・・・△
快適なおむつと感じると回答した人が3人以下の場合 ・・・×
Figure 0005155003
表1に示したように、本発明によれば、おむつにおいて乳児等のおしっこを知らせるインジケータの変色を視認しやすく、しかも高い透湿性により良好な装着性が実現されることが分かる。
図1は、本発明の吸収性物品の好ましい実施形態としてのパンツ型使い捨ておむつを模式的に示す斜視図である。 図2は、図1におけるII−II線断面を拡大して示す断面図である。
符号の説明
1 バックシート
2 トップシート
3 吸収体
4 サイドシール部
6 ウエストギャザー用弾性部材
8 レッグギャザー用弾性部材
10 吸収性物品(パンツ型おむつ)
11 透湿シート
12 外装シート
13 インジケータ

Claims (2)

  1. 吸収体と該吸収体の外側に配したバックシートとを有し、前記吸収体と前記バックシートとの間に水分との接触によって黄色から青緑色に変色するインジケータを配した吸収性物品であって、前記バックシートは前記吸収体側の透湿シートとその外側の外装シートとを有し、
    前記透湿シートは、シート内部に含有された有色炭酸カルシウムにより前記インジケータの変色前の色と同色系の黄色系に着色されており、前記透湿シートに含まれる前記有色炭酸カルシウムの含有率が60質量%以上であり、前記有色炭酸カルシウムが、その粉末としたときにL 表色系のb 値において1.1以上となるものであり、
    前記外装シートの光透過率が30%以上であり、前記着色された透湿シートの光透過率が30%以上であり、前記透湿シートにおける透湿度が2.0g/100cm・h以上である吸収性物品。
  2. 前記透湿シートにおける着色がLab表色系のb値において1.0以上の色でなされた請求項1に記載の吸収性物品。
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