JP7028596B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
従来より、体液を速やかに吸収体に透過させるとともに、逆戻りを防止する観点から、表面シートと吸収体との間にセカンドシートを介在させた生理用ナプキン等の吸収性物品が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、表面シート側から裏面シート側に突出する凹部を備え、該凹部に親水処理の施された開孔部が形成されているセカンドシートが記載されている。
これとは別の技術として、本出願人は、吸収体に向かって突出する凹陥部を有し、凹陥部を構成する壁部に貫通する開孔が形成された吸収性物品用の表面シートを提案した(特許文献2参照)。
特開2012-5744号公報 特開2010-94320号公報
特許文献1に記載のセカンドシートは、親水処理が施されているため、該親水処理の施された部分に体液が留まり易く、経血等の体液を吸収した吸収体の色を隠蔽することが難しい。また、特許文献2には、特許文献2に記載の表面シートを、セカンドシートに用いることに関して、何ら記載されていない。
したがって、本発明の課題は、経血等の体液を吸収した吸収体の色を隠蔽できる吸収性物品を提供することに関する。
本発明は、表面シート、吸収体及び裏面シートを備え、該表面シートと該吸収体との間にセカンドシートが配されており、着用者の前後方向に沿う縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品であって、前記セカンドシートは、撥水性であり、複数の凹陥部を有し、該凹陥部は、前記表面シート側に向けられる肌対向面側が凹状となり且つ前記吸収体側に向けられる非肌対向面側が該吸収体に向かって突出して該吸収体に接触しており、前記セカンドシートを貫通する貫通孔を部分的に有する吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品によれば、経血等の体液を吸収した吸収体の色を隠蔽できる。
図1は、本発明の好ましい一実施形態の吸収性物品を模式的に示す断面図である。 図2は、図1に示す吸収性物品の備えるセカンドシートを模式的に示す斜視図である。 図3は、図2に示すセカンドシートを模式的に示す平面図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の一実施形態である吸収性物品10の断面図が示されている。吸収性物品10は、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる前後方向に沿う縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有する縦長の形状をしている。吸収性物品10としては、例えば展開型の使い捨ておむつ、パンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティライナ及び補助パッド等が挙げられる。
吸収性物品10は、図1に示すように、着用者の肌対向面を形成する表面シート1と、非肌対向面を形成する裏面シート2と、両シート1,2間に介在配置された液保持性の吸収体3とを備える。そして、表面シート1と吸収体3との間にセカンドシート4が配されている。本明細書において、「肌対向面」とは、吸収性物品10又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌対向面」とは、吸収性物品101又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。
表面シート1としては、液透過性を有するシート、例えば不織布や穿孔フィルムなどを用いることができる。表面シート1は、その肌対向面側が凹凸形状になっていてもよい。例えば表面シート1の肌対向面側に、散点状に複数の凸部を形成することができる。又は、表面シート1の肌対向面側に、一方向に延びる畝部と溝部とを交互に形成することができる。そのような目的のために、2枚以上の不織布を用いて表面シート1を形成することもできる。
裏面シート2としては、例えば液難透過性のフィルムやスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド積層不織布などを用いることができる。液難透過性のフィルムに、複数の微細孔を設け、該フィルムに水蒸気透過性を付与してもよい。吸収性物品10の肌触り等を一層良好にする目的で、裏面シート2の外面である非肌対向面に不織布等の風合いの良好なシートを積層してもよい。
吸収体3としては、パルプ繊維等の繊維の集合体に吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを、親水性シート、例えば、透水性の薄紙(ティッシュペーパー)や透水性の不織布からなるコアラップシートで被覆して形成されたものを用いることができる。
吸収性物品10は、表面シート1、裏面シート2及び吸収体3に加え、具体的な用途に応じ、肌対向面側の縦方向Xに沿う両側部に、縦方向に沿って延びる防漏カフが配されていてもよい。防漏カフは一般に、基端部と自由端とを備えている。防漏カフは、吸収性物品10の肌対向面側に基端部を有し、肌対向面側から起立している。防漏カフは、液抵抗性ないし撥水性で且つ通気性の素材から構成されている。防漏カフの自由端又はその近傍には、糸ゴム等からなる弾性部材を伸長状態で配してもよい。吸収性物品10の着用状態においてこの弾性部材が収縮することによって、防漏カフが着用者の身体に向けて起立するようになり、表面シート1上に排泄された液が、表面シート1上を伝い吸収性物品10の横方向Y外方へ漏れ出すことが効果的に阻止される。
吸収性物品10は、更に、非肌対向面の表面に粘着剤層を有していてもよい。粘着剤層は、吸収性物品10の着用状態において、吸収性物品10を、下着や別の吸収性物品に固定するために用いられる。
セカンドシート4は、撥水性のシートであり、表面シート1側に向けられる面の全面、即ち肌対向面4Aの全面が撥水性であることが好ましい。本発明における「撥水性」とは、体液の液透過性が低いものであればよい。具体的には、セカンドシート4は、その肌対向面4A上に水滴を載せたときの接触角が、80度以上のシートであることが好ましく、90度以上のシートであることが更に好ましい。セカンドシート4が撥水性のシートであるので、体液をセカンドシート4の内部に保持し難い。それにより、例えば使用後の吸収性物品10を表面シート1側から視たときに、セカンドシート4自体に由来する色(例えば白色)を視認させることができ、セカンドシート4より非肌対向面側に位置する吸収体3に吸収された体液の色を隠蔽することができる。特に、セカンドシート4における表面シート1側に向けられる面の全面が撥水性であれば、一層隠蔽することができる。
セカンドシート4は、図1に示すように、複数の凹陥部5を有している。凹陥部5は、表面シート1側に向けられる肌対向面4A側が凹状となり、且つ吸収体3側に向けられる非肌対向面4B側が吸収体3に向かって突出して吸収体3に接触している。即ち、セカンドシート4は凹陥部5にて吸収体3を構成するコアラップシートと接触している。セカンドシート4と吸収体3とが接触しているとは、セカンドシート4と吸収体3とが直接接触している場合のみならず、セカンドシート4と吸収体3とが接着剤を介して接合されている場合も含む意味である。凹陥部5は、平面視して、矩形状に形成されており、吸収性物品10では、図2及び図3に示すように、縦方向Xに長い長方形状に形成されている。凹陥部5は、セカンドシート4の全体に亘って略均一に分布するように多数形成されている。
凹陥部5を有するセカンドシート4は、シート自体の無荷重下でのシート厚みt(凹陥部5を含むシート全体の厚みではなく、シート自体の厚み)が、0.01mm以上であることが好ましく、0.02mm以上であることが更に好ましく、そして、1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい(図1参照)。
凹陥部5を有するセカンドシート4は、その坪量が、20g/m以上であることが好ましく、25g/m以上であることが更に好ましく、そして、100g/m以下であることが好ましく、75g/m以下であることが更に好ましい。
セカンドシート4は、図1に示すように、各凹陥部5に対応する位置において、肌対向面4Aが凹状を形成しており、表面シート1と接していない状態となっている。セカンドシート4における凹陥部5が形成されていない部位(非凹陥部)は、図2及び図3に示すように、表面シート1に接する頂部41となっている。頂部41は凹陥部5の周囲に略平坦状に形成されている。頂部41は、縦方向Xに沿って連続する帯状に形成されており、また横方向Yに沿って連続する帯状に形成されている。
凹陥部5は、図2及び図3に示すように、略平坦な頂部41から吸収体3に向かって窪んで形成されており、縦方向Xに延びる一対の側壁部5s,5sと、横方向Yに延びる一対の端壁部5e,5eと、一対の側壁部5s,5s及び一対の端壁部5e,5eで周縁が囲まれた底部5bとを有している。底部5bは、凹陥部5を平面視したときの形状に対応しており、平面視して、縦方向Xに長い長方形状に形成されている。セカンドシート4を図3に示すように平面視して、凹陥部5は、縦方向Xに一定の間隔を空けて配されている。このように縦方向Xに配された凹陥部5の群が、横方向Yに一定の間隔を空けて配されている。
凹陥部5の内部に体液を残留し難くする観点から、凹陥部5は、図2に示すように、その深さdが、横方向Yにおける長さ、言い換えれば、底部5bにおける横方向Yの長さよりも小さいことが好ましい。具体的には、凹陥部5は、その深さdが、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることが更に好ましく、そして、5mm以下であることが好ましく、1mm以下であることが更に好ましい。深さdは、最も深い位置での深さである。また、底部5bにおける横方向Yの長さが、0.1mm以上であることが好ましく、0.5mm以上であることが更に好ましく、そして、5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることが更に好ましい。横方向Yの長さは、最も広い位置での長さである。また、底部5bにおける縦方向Xの長さが、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることが更に好ましく、そして、5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることが更に好ましい。縦方向Xの長さは、最も広い位置での長さである。
セカンドシート4によって体液を吸収した吸収体3の色を隠蔽し易くする観点から、吸収体3の肌対向面におけるセカンドシート4と重なる領域の面積に対する、該重なる領域に位置する全凹陥部5の全底部5bの総面積の割合は、10%以上であることが好ましく、20%以上であることが更に好ましく、そして、セカンドシート4の強度維持の観点から80%以下であることが好ましく、70%以下であることが更に好ましい。
セカンドシート4は、図1に示すように、セカンドシート4を貫通する貫通孔5hを部分的に有している。貫通孔5hは、体液の通過孔として機能する。貫通孔5hは、セカンドシート4における平坦状の頂部41に形成されておらず、凹陥部5に形成されており、セカンドシート4を構成するシートに部分的に形成されている。このように、セカンドシート4は、吸収体3に接触するまで突出する凹陥部5と貫通孔5hとを有しているので、吸収性物品10の着用中に体液が排泄されると、表面シート1を介して移行された体液が直接或いは凹陥部5の底部5bを介して貫通孔5hへ流れ込むことにより、吸収体3へ移行され易い。そして、平坦状の頂部41と凹陥部5の底部5bとの間に間隔が空いているセカンドシート4を吸収体3の肌対向面上に配しているので、体液を吸収した吸収体3の色が隠蔽され易く、着用者の不快感を軽減することができる。
貫通孔5hは、凹陥部5を構成する側壁部5s又は端壁部5eに形成されていることが好ましいところ、吸収性物品10では、図1及び図2に示すように、一対の側壁部5s,5sそれぞれに形成されている。貫通孔5hは、吸収性物品10では、側壁部5sにおける底部5b寄りの部分に形成されている。このように、貫通孔5hが側壁部5sに形成されているので、凹陥部5の内部に体液が残留し難く、体液が吸収体3に移行され易く、使用後の吸収性物品10を表面シート1側から視て、体液を吸収した吸収体3の色を隠蔽することができる。特に、貫通孔5hは、セカンドシート4を平面視して、縦方向Xに長い線状に形成されている。その為、セカンドシート4によって、体液を吸収した吸収体3の色を隠蔽し易く、着用者の不快感を軽減することができる。尚、貫通孔5hは、隠蔽性の観点からは、凹陥部5の底部5bには形成されていないことが好ましい。
貫通孔5hは、その形状が特に限定されるものではないが、吸収性物品10では、図2に示すように、側壁部5sにおいて縦方向Xに長い矩形状に形成されている。貫通孔5hの開孔面積は、凹陥部5の内部に体液を残留し難くする観点から、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることが更に好ましく、そして、100mm以下であることが好ましく、3mm以下であることが更に好ましい。貫通孔5hの開孔面積は、無荷重下のセカンドシート4における貫通孔5hを撮影した顕微鏡写真から求めることができる。同様な観点から、1個の凹陥部5において、一対の側壁部5s,5s及び一対の端壁部5e,5eから形成される壁部の総面積に対する全貫通孔5hの総開孔面積の割合は、10%以上であることが好ましく、20%以上であることが更に好ましく、そして、セカンドシート4の強度維持の観点から80%以下であることが好ましく、70%以下であることが更に好ましい。
セカンドシート4は、複数の微細孔を、シートの全面に有している。複数の微細孔はシートの全面にランダムに配されている。セカンドシート4を構成するシートとしては、不織布、多孔性フィルム等が挙げられ、吸収性物品10では、多孔性フィルムが用いられている。セカンドシート4が複数の微細孔を有すると、光の反射が起き易く、光の散乱性が増加する。その為、体液を吸収した吸収体3の色をセカンドシート4で更に隠蔽することができる。
多孔性フィルムで形成されたセカンドシート4において、微細孔は、その開孔径が、光の散乱性を増加させて体液を吸収した吸収体3の色を隠蔽する観点から、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることが更に好ましく、そして、20μm以下であることが好ましく、3μm以下であることが更に好ましい。微細孔の開孔径は、微細孔を撮影した顕微鏡写真から求めることができる。開孔径は微細孔において最も狭い位置での間隔である。
多孔性フィルムとしては、フィルム自身が液を保持しにくく、底部5bもまた、液を保持する事なく、吸収体3の赤みを隠蔽する観点から、フィルム表面が撥水性であり、また、フィルム内部に屈折率の異なる界面を形成することにより光の散乱性を増加させて体液を吸収した吸収体3の色を隠蔽する観点から、ポリオレフィン樹脂から形成され且つ粒状物を含むフィルムであることが好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂、エチレンとプロピレンとのブロック共重合樹脂、又は該ブロック共重合樹脂とポリプロピレン樹脂又はポリエチレン樹脂との混合物等が挙げられる。粒状物としては、炭酸カルシウム、石膏、硫酸バリウム、タルク、クレー、シリカ、酸化チタン、金属粉等の無機物が挙げられる。粒状物は、平均粒径100nm以上5μm以下で且つ最大粒径20μm以下のものである。微細孔を有する多孔性フィルムは、粒状物を含むポリオレフィン樹脂の溶融混練物から成形したシートを、少なくとも一つの方向に延伸することによって形成できる。このように形成された微細孔は一方向に延びており、一方向に延びる微細孔は、吸収性物品10においては、体液を吸収した吸収体3の色を隠蔽する観点から、吸収性物品10の縦方向Xに一致するように配されることが好ましい。
粒状物の平均粒径は、次の方法により測定することができる。
(i)測定対象が吸収性物品10の表面材等に用いられている繊維である場合、吸収性物品にコールドスプレーを吹きかけて接着剤を固化し、表面材等を吸収性物品から丁寧に剥がす。剥がした表面材を赤色標準板(日本電子株式会社製)の上において、交互に隠蔽性の違いがある2領域を目視で確認する。次いで、ピンセットを用いて繊維を3本取り出す。このとき繊維を抜き出す場所は任意だが、エンボス等で融着してフィルム化している領域は除く。また、測定対象が吸収性物品などに複合化されていない繊維である場合や、不織布である場合も任意に3本の繊維をピンセットで取り出す。
(ii)1本の繊維を観察しやすい長さに切り、試料台にカーボンテープ等を用いてセットする。走査型電子顕微鏡で電荷のチャージを防ぐため表面を金やオスミウム等でコーティングする。
(iii)走査型電子顕微鏡(JCM-5100 商品名、日本電子株式会社製)を用いて、印加電圧2.0kV以上、50倍の低倍率で繊維を測定画面の中央部分に移動させる。
(iv)繊維表面の任意の場所で、繊維の中央部分(繊維径の端点と端点を結んだ線分の中心)にピントを合わせ、倍率を増加させる。このとき、観察する倍率は繊維径によるものとし、繊維中のある点において繊維径が画面内に入るように倍率を変える(繊維が細い径の場合は、倍率を増加して観察し、太径の繊維では倍率を低減して観察する。)観察視野は、繊維径が画面に入る視野、おおよそ画面の縦の長さに対し、繊維径が0.8倍~0.9倍となるような視野を選択する。
(v)繊維表面の観察結果を写真撮影する。さらに、写真に定規を用いて、粒状物の径を測定し、その平均値を平均粒径とする。
尚、構成するシートとして不織布が用いられているときの微細孔とは、構成繊維どうしの繊維間を意味する。不織布で形成されたセカンドシート4において、微細孔である繊維間の繊維間距離は、体液を吸収した吸収体3の色を隠蔽する観点から、2μm以上であることが好ましく、4μm以上であることが更に好ましく、そして、10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることが更に好ましい。繊維間距離は、走査型電子顕微鏡(JCM-5100 商品名、日本電子株式会社製)の画像をもとに、交差する繊維の交点から垂線をおろし、その垂線を延長したときに、最初に直行する繊維までの距離とする。
吸収性物品10に用いる、貫通孔5hを凹陥部5に有するセカンドシート4は、例えば、凹陥部5の形状に対応する凸部を周面に備える金属製の凸ロールと、該凸部に対応する位置に該凸部の形状に合致する凹部を周面に備える金属性の凹ロールとを用いて製造することができる。具体的には、不織布、又は多孔性フィルムを、金属製の凸ロールと凹ロールとの間の噛み合い部分に供給することによって、凹陥部5を形成しながら貫通孔5hを形成して、セカンドシート4を製造することができる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されず適宜変更可能である。
例えば、セカンドシート4において凹陥部5を千鳥格子状に配置してもよい。
また、セカンドシート4の配置位置は、吸収体3の肌対向面の全域だけでなく、特定の一部の領域のみ、例えば、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部にのみ配されていてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
実施例1として、図2及び図3に示す構造の多孔性フィルム(太洋製膜股▲分▼有限公司製)製の凹陥部を有するセカンドシートを作製した。実施例1のセカンドシートは、そのシート厚み(凹陥部5を含むシート全体の厚みではなく、シート自体の厚み)が0.03mmであり、その坪量が37g/mであった。実施例1のセカンドシートの凹陥部は、その深さdが0.3mmであり、横方向Yの長さが0.6mmであり、縦方向Xの長さが1.0mmであった。実施例1のセカンドシートの全面積に対する、全凹陥部の全底部の総面積の割合は42%であり、各貫通孔の開孔面積0.96mmであった。また、実施例1のセカンドシートの微細孔は、その開孔径が孔の中に径をとったときに最大となる径の平均値が1.6nm、最小となる径(短軸)の平均値が0.8μmであった。
〔実施例2〕
実施例2として、メルトブローン不織布(三井化学株式会社社製、M6150)製の凹陥部を有するセカンドシートを用いた。シートの坪量は15g/mであった。実施例2のセカンドシートの微細孔である繊維間の繊維間距離は3μmであった。実施例2のセカンドシートにおいて、セカンドシートを構成するシートの種類及び繊維間の繊維間距離以外は、実施例1のセカンドシートと同様であった。
〔比較例1〕
比較例1として、不織布製の凹陥部及び貫通孔を有さないセカンドシートを用いた。このセカンドシートは、ロリエスピードプラススリムガード長時間しっかり昼用25cm(商品名、花王株式会社、2014年製)の表面材の下に配されているセカンドシートを、周囲の糊付けされている部分を、コールドスプレーを使って剥がして用いた。比較例1のセカンドシートの微細孔は、その繊維間距離が40μmであった。比較例1のセカンドシートにおいて、セカンドシートを構成するシートの種類、凹陥部及び貫通孔の有無、並びに繊維間の繊維間距離以外は、実施例1のセカンドシートと同様であった。
〔評価〕
実施例及び比較例のセカンドシートについて、隠蔽率を測定した。その結果を表1に示す。
〔セカンドシートの隠蔽率〕
隠蔽率は、日本電色工業株式会社製の簡易型分光色差計NF333を用いて、次のようにして測定を行った。初めに、付属の標準板(赤色面を測定面とする)について測定した。得られた吸収波長の中でも特に500cm-1を選択し、この際の反射率を記録した(Ra)。次に標準板(赤色板)を外して、試料台に実施例1及び2並びに比較例1のセカンドシートを置き、更に不織布試料裏面(測定面とは逆の面)と標準板(赤色板)の赤色面が向き合うように標準板(赤色板)を置いた。測定は1サンプルについて異なる部位で計5回測定し、500cm-1の反射率の平均値(Rb)を算出した。得られたRa、Rbの値より、赤色隠蔽率を下記式(1)により求めた。
赤色色隠隠蔽率(%)=〔(Rb-Ra)/(100-Ra)〕×100 (式1)
上記の結果得られた値が高い値であるほど、不織布の隠蔽性として高い性能を示し、白色の不織布越しに見た赤みを隠蔽することができる。
次に、実施例1及び2並びに比較例1のセカンドシートを用いて生理用ナプキンを作製した。これらの生理用ナプキンは、表面シート、裏面シート、セカンドシート及び吸収体を備えたものである。表面シート、裏面シート及び吸収体としては、花王株式会社、2014年製の生理用ナプキンである商品名「ロリエスピードプラススリムガード長時間しっかり昼用25cm」から取り出した表面シート、裏面シート及び吸収体を用いた。セカンドシートとしては、取り出したセカンドシートに代えて、それぞれ、実施例1及び2並びに比較例1のセカンドシートを用いた。
〔評価〕
実施例及び比較例のセカンドシートを用いた生理用ナプキンについて、吸液後の吸収体のL値を測定した。その結果を表1に示す。
〔吸液後の吸収体のL値〕
疑似血液として、株式会社日本バイオテスト研究所製の馬脱繊維血液を8.0cP(25℃)に調整したものを用いた。そして疑似血液を、実施例1及び2並びに比較例1のセカンドシートを用いた生理用ナプキンの肌対向面側における長手方向及び幅方向の中央部に注入した。注入は、表面シート側が鉛直上方を向くようにして水平に置き、底部に直径10mmの注入口が付いた円筒付きアクリル板を重ねて、注入口から3g注入した。次いで円筒付きアクリル板を取り除き、60秒間静置した。その後、注入口から3g注入し、34分静置したのち、吸液後の実施例及び比較例のセカンドシートを用いた生理用ナプキンについて、日本電色工業株式会社製の簡易型分光色差計NF333を用いて、上述の疑似血液を投入した表面シートの位置におけるL値を測定した。L値(明度)はその値が大きいほど、色が白に近づき、表面シートから吸液後の吸収体の赤みが見え難いことを示す。
Figure 0007028596000001
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例のセカンドシートは、比較例のセカンドシートに比べて、高い隠蔽率を有することが分かった。また表1に示すように、各実施例のセカンドシートを用いた生理用ナプキンは、比較例のセカンドシートを用いた生理用ナプキンよりもL値が高く、表面シートから吸液後の吸収体の赤みが見え難いことが分かった。よって、各実施例のセカンドシートを用いて生理用ナプキンを作製することで、比較例のセカンドシートを用いた場合に比べて、経血を吸収した吸収体の色を隠蔽し易く、使用後の生理用ナプキンに対する使用者の不快感を軽減できることが期待できる。
10 吸収性物品
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
4 セカンドシート
4A セカンドシートの肌対向面
4B セカンドシートの非肌向面
41 頂部
5 凹陥部
5s 側壁部
5e 端壁部
5b 底部
5h 貫通孔
X 縦方向
Y 横方向

Claims (8)

  1. 表面シート、吸収体及び裏面シートを備え、該表面シートと該吸収体との間にセカンドシートが配されており、着用者の前後方向に沿う縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品であって、
    前記セカンドシートは、撥水性であり、複数の凹陥部を有し、該凹陥部は、前記表面シート側に向けられる肌対向面側が凹状となり且つ前記吸収体側に向けられる非肌対向面側が該吸収体に向かって突出して該吸収体に接触しており、
    前記セカンドシートは、前記凹陥部において表面シートに接触しておらず、且つ、前記セカンドシートを貫通する貫通孔を前記凹陥部に部分的に有し、
    前記凹陥部は、前記縦方向に延びる一対の側壁部と、前記横方向に延びる一対の端壁部と、該一対の側壁部及び該一対の端壁部で囲まれた底部とを有し、
    前記貫通孔が、前記側壁部又は前記端壁部に形成されている、吸収性物品。
  2. 前記貫通孔は、前記セカンドシートを平面視して、線状である請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記凹陥部の深さが、該凹陥部の前記横方向における長さよりも小さい請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記セカンドシートは、前記表面シート側に向けられる面の全面が撥水性である請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記セカンドシートは、その肌対向面上に水滴を載せたときの接触角が80度以上である請求項に記載の吸収性物品。
  6. 前記セカンドシートは、前記貫通孔に加え、複数の微細孔を全面に有している請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記微細孔の開孔径が2μm以下である請求項に記載の吸収性物品。
  8. 前記セカンドシートは、ポリオレフィン樹脂から形成され且つ粒状物を含む請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
JP2017185246A 2017-09-26 2017-09-26 吸収性物品 Active JP7028596B2 (ja)

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