JP5153594B2 - 自動水栓 - Google Patents

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Description

この発明は、人体検知センサによる人体検知に基づいて吐水を自動的に行う自動水栓に関し、詳しくは人体検知センサが使用者の手かざし操作に応じて非接触で人体検知し、人体検知するごとに吐水と止水とを交互に切り換えるセンサであって、且つ吐水の種類を表示する表示部を吐水管に備えた自動水栓に関する。
従来、人体検知センサによる人体検知に基づいて吐水を自動的に行う自動水栓が広く用いられている。
例えば公共トイレ等において、吐水管の先端部に人体検知センサを吐水口からの吐水の方向と同方向に向けて、詳しくは検知方向が吐水の方向と同方向となるように人体検知センサを設け、そして人体検知センサにより差し出された手を検知(人体検知)することで吐水口から自動的に吐水し、また人体検知センサが人体非検知となったところで吐水を自動的に停止する自動水栓が手洗用水栓として広く用いられている。
ところで、近年においては自動水栓が家庭のキッチン用水栓等としても用いられるようになってきており、この場合、人体検知センサの検知方向を吐水口からの吐水の方向と同方向に向け、また人体検知により自動吐水、人体非検知により自動止水させるようにしておくと自動水栓が使い勝手の悪いものとなってしまう。
このような自動水栓をキッチン用水栓として用いたとき、流し台のシンクに向かって炊事作業等をする際、吐水の意図がないにも拘らず作業者の手が人体検知センサの検知エリア内に入ることによって吐水口から吐水されてしまったり、或いは洗い物等をする際に、連続吐水させたいにも拘らず食器や鍋或いは作業者の手が検知エリア外にあることによって吐水が行われなかったり、或いは手等が検知エリア内に入ったり出たりすることで、吐水が行われたり吐水停止してしまったりするといったことが起り得る。
このような場合には人体検知センサの検知方向を吐水口からの吐水の方向とは別方向、つまり吐水方向前方の人体その他の対象物を検知しない方向となした上で、また人体検知するごとに吐水と止水とを交互に行わせるようにしておくことが望ましい。
そのようにしておけば、人体検知センサの検知方向の前方に使用者が手かざしすることで吐水を行わせ且つこれを続行させることができる。また止水をしたいときには、人体検知センサの検知方向の前方に使用者が手かざしすることで吐水停止、即ち止水させることができる。
また自動水栓をキッチン用水栓として用いる場合には、例えば水(冷水)と適温に温調された温水、或いは温水と浄水(水道水を浄化処理した水)等の少なくとも2種類の吐水を吐水可能としておくことが自動水栓の利便性を高めることができて望ましい。
この場合、吐水の種類に応じて第1の人体検知センサと第2の人体検知センサとを吐水管に設けるに際し、吐水管にはそのためのスペースを多く確保することが難しいことから、通常はそれら第1の人体検知センサと第2の人体検知センサとを並べて設けることとなる。
例えばこのような自動水栓は下記特許文献1,特許文献2に開示されている。
ところでこれら人体検知センサは通常は透光性を有するセンサ窓部の下側に隠れた位置にあり、またどの人体検知センサがどの種類の吐水に対応したセンサであるかを表示するため、吐水管にはそのための表示部を各センサに対応した位置に設けておく。
図3(A)は、このような人体検知センサ及び表示部の具体例を示している。
図3(A)において、200は第1の人体検知センサ(ここでは温水を吐水するためのセンサ)、202は第2の人体検知センサ(浄水を吐水するためセンサ)で、それぞれ透光性を有するセンサ窓部204の裏側に設けられている。
206A,206Bは、それぞれ第1の人体検知センサ200に対応した吐水の種類を表示する文字表示部,光表示部(ここではLED)で、それらが第1の表示部206を成している。
一方208A,208Bは、それぞれ第2の人体検知センサ202に対応した吐水の種類を表示する文字表示部,光表示部(ここではLED)で、それらが第2の表示部208を成している。
ここで文字表示部206A,208Aは、それぞれ第1の人体検知センサ200,第2の人体検知センサ202に隣接した上側位置に設けてあり、また光表示部206B,208Bは、それぞれ第1の人体検知センサ200,第2の人体検知センサ202に対しほぼ重なる位置に設けてある。
ところでこのように表示部を配置した場合、水栓の使用者は第1の表示部206又は第2の表示部208、とりわけ光表示部206B又は208Bを目指して第1の人体検知センサ200又は第2の人体検知センサ202を手かざし操作する傾向のあることが本発明者らの調査により判明した。
この場合、使用者が第2の人体検知センサ202を手かざし操作しようとしたとき、第2の表示部208、とりわけ光表示部208Bが第1の人体検知センサ200に比較的近い位置にあるため、その動作の途中で手かざしした手が第1の人体検知センサ200の検知エリア内に入ってしまって第1の人体検知センサ200がこれを誤検知してしまい、使用者が本来浄水を吐水しようとしたにも拘らず、誤って温水が吐水されてしまうといった恐れが生ずる。
この場合、第2の人体検知センサ202を第1の人体検知センサ200から図中上向きに大きく離して設けておくといったことも考えられるが、実際にはそうしたことは困難である。
もともとがセンサ設置のためのスペースを広くとることが難しい吐水管に、そのような広いセンサ設置のためのスペースを確保することが困難であるのに加えて、第2の人体検知センサ202が第1の人体検知センサ200から図中上向きに遠く離れた位置となって、使用者からの距離がより一層遠くなり、手かざし操作の際の操作性が悪化してしまう。
また吐水管が逆U字状のグースネック形状をなしていて、人体検知センサが吐水管に沿って上下に並べて設置してある場合、上側の位置にある第2の人体検知センサ202を更に上方に移行させると、例えばキッチンに昇降可能に設けられている昇降キャビネットを下降させたときに、誤ってこれを検知してしまう恐れが生ずる。
特開2006−144326号公報 特開2004−92023号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、使用者が手かざし操作によって吐水を行おうとしたときに、人体検知センサが手かざしした手を誤検知してしまう恐れのない手かざし式の人体検知センサを備えた自動水栓を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、使用者の手かざし操作に応じて非接触で人体検知し、人体検知するごとに吐水と止水とを交互に切り換える第1及び第2の少なくとも2種の人体検知センサを吐水管に並べて配置するとともに、該第1の人体検知センサに対応した吐水の種類を表示する第1の表示部、及び該第2の人体検知センサに対応した吐水の種類を表示する第2の表示部を該吐水管に設けて成る自動水栓において、前記第1の表示部を、前記第2の人体検知センサから遠い側の、該第2の人体検知センサとは反対側の位置において前記第1の人体検知センサに隣接して配置するとともに、前記第2の表示部を、該第1の人体検知センサから遠い側の、該第1の人体検知センサとは反対側の位置において該第2の人体検知センサに隣接して配置してあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記吐水管が逆U字状のグースネック形状をなしていて、最上位の部位から先端に向かって下がり形状をなす部分に、前記第1の人体検知センサ及び第2の人体検知センサが、該第1の人体検知センサを下に、該第2の人体検知センサを上にして上下に並べて設けてあり、前記第1の表示部が該第1の人体検知センサの下側に、前記第2の表示部が該第2の人体検知センサの上側にそれぞれ配置してあることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項2において、前記第1の表示部における光表示部が前記第1の人体検知センサのセンサ窓部の下端部に、前記第2の表示部における光表示部が前記第2の人体検知センサのセンサ窓部の上端部にそれぞれ配置してあることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記第1の表示部及び第2の表示部の少なくとも一方の光表示部が、止水時には点灯し、吐水時には点滅し且つ吐水温度に応じて発光色を変化させるものとなしてあることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明は、第1の人体検知センサに対応した第1の表示部を、第2の人体検知センサから遠い側の、第2の人体検知センサとは反対側の位置において第1の人体検知センサに隣接して配置するとともに、第2の人体検知センサに対応した第2の表示部を、第1の人体検知センサから遠い側の、第1の人体検知センサとは反対側の位置において第2の人体検知センサに隣接して配置したものである。
かかる本発明の自動水栓にあっては、例えば第2の人体検知センサを手かざし操作しようとして使用者が第2の表示部を目指して手を延ばしたときに、その第2の表示部は、第1の人体検知センサから遠く離れた位置にあるため、第1の人体検知センサが誤ってこれを検知してしまうのを効果的に防止できる。
また同様に、使用者が第1の人体検知センサを手かざし操作しようとして第1の表示部を目指して手を延ばしたときにおいても、第2の人体検知センサがこれを誤って検知するのを効果的に防止することができる。
かかる本発明では、表示部の位置を上記のような位置とすることによって、その表示部の位置の効果によって、人体検知センサによる誤検知を防止するものであるため、第1の人体検知センサと第2の人体検知センサとを吐水管に並べて設ける場合において、それら第1の人体検知センサと第2の人体検知センサとの間隔を特に広げなくても有効に誤検知を防止することができる。
従って誤検知防止のために、2種類の人体検知センサを大きく離して設置することによって、吐水管のセンサ設置のためのスペースが広くとられてしまったり、或いは手かざし操作がし難くなったりする不都合を回避することができる。
また本発明によれば、第1の表示部と第2の表示部とが遠く離れて位置することとなるので、使用者が手かざし操作するに際して、どこに手をかざせば良いか分り易いといった利点も得られる。
本発明においては、第1の人体検知センサと第2の人体検知センサとを、使用者から見た正面視において左右に並べて吐水管に設けておくといったことも可能であるが、吐水管が逆U字状のグースネック形状をなしている場合において、請求項2に従い、吐水管の最上位の部位から先端に向かって下がり形状をなす部分に第1の人体検知センサを下に、また第2の人体検知センサを上にしてそれらを上下に並べて設け、そして第1の表示部を第1の人体検知センサの下側に、第2の表示部を第2の人体検知センサの上側にそれぞれ配置しておくことができる。
吐水管がこのような逆U字状のグースネック形状をなしている場合、吐水管の最上位を超えて更に奥側に離れた後方に第2の人体検知センサを設けるといったことは困難である。そのようにすると第2の人体検知センサ及び第2の表示部の視認性が悪くなり、また操作もしづらくなる。
従って第1の人体検知センサ,第2の人体検知センサ及び対応した表示部を、吐水管の最上位の部位から先端にかけて下がり形状となっている部分に設けるのが好適である。
但しこの場合においても、第2の人体検知センサを第1の人体検知センサから離れてより後方且つ上方に配置すると、第2の人体検知センサの検知方向がより上向きとなり、キッチンに備え付けてある昇降キャビネットを下降させたような場合、第2の人体検知センサがこれを誤検知してしまう恐れが生ずる。
しかるに本発明では第1の人体検知センサと第2の人体検知センサとを大きく離して設置する必要がないため、そのような不具合を有効に回避することができる。
即ち本発明は、このようなグースネック形状の吐水管を有する自動水栓に適用して特に効果の大なるものである。
この請求項2においては、第1の表示部における光表示部を第1の人体検知センサのセンサ窓部の下端部に、また第2の表示部における光表示部を第2の人体検知センサのセンサ窓部の上端部に設けておくことができる(請求項3)。
次に請求項4は、第1の表示部及び第2の表示部の少なくとも一方の光表示部を、止水時には点灯し、吐水時には点滅し且つ吐水温度に応じて発光色を変化させる光表示部を有するものとなしておくことができる。
このようにすれば、単一の光表示部によって吐水の種類と吐水又は止水の状態の表示、更には吐水温度を表示することが可能となる。
次に本発明をキッチン用水栓として好適な自動水栓に適用した場合の実施形態を図面に基づいて以下に詳しく説明する。
図1において、10はカウンタで、このカウンタ10上に起立する状態で水栓本体部12が設けられ、更にこの水栓本体部12から吐水管14が延び出している。
吐水管14は、管軸方向において吐水口16を有する先端側の吐水ヘッド18と、基端側の吐水管本体20との分割構造とされている。
吐水管本体20には、可撓性を有する給水ホース(図示省略)が挿通されてそこに収納され、この給水ホースが吐水ヘッド18に接続されている。
吐水ヘッド18は、この給水ホースとともに吐水管本体20から引出可能とされている。
即ちこの実施形態の自動水栓はホース収納式の自動水栓である。
吐水管本体20には、その上面に第1の人体検知センサとしての温水用センサ26と、第2の人体検知センサとしての浄水用センサ28とが設けられている。
ここで温水用センサ26,浄水用センサ28は何れも光センサから成っている。即ち発光素子から光を発光し、そして人体による反射光を受光素子で受光することで人体検知するようになっている。
これら温水用センサ26及び浄水用センサ28はそれぞれ上方に向けて、詳しくは使用者に向かって斜め前方の上方に向けて設けられている。
即ち、吐水口16からの吐水の方向が下向きであるのに対し、これら温水用センサ26及び浄水用センサ28は、それぞれ検知方向が吐水の方向とは異なった方向とされており、吐水口16からの吐水方向前方の人体やその他の対象物を検知しない向きで設けられている。
ここで温水用センサ26は、その検知方向前方即ち上方に使用者が手かざししたとき、これを検知して吐水口16から水と湯とを所定比率で混合して適温に温度調節した温水を吐水させる。
温水用センサ26は、その後人体非検知となっても温水の吐水を継続させ、そして再び使用者による手かざし操作によって人体検知したとき、吐水口16からの温水の吐水を停止させる。
浄水用センサ28もまた同様で、使用者の手かざし操作によって人体検知すると、そこで吐水口16から浄水を吐水させる。
浄水用センサ28は、その後人体非検知となっても浄水の吐水を継続させ、そして再び使用者が手かざし操作をすることによって人体検知したときに、そこで浄水の吐水を停止させる。
即ち温水用センサ26,浄水用センサ28は、何れも人体検知するごとに吐水と止水とを交互に切り換える手かざし式の交互センサとされている。
上記水栓本体部12は、その内部に設けられた混合弁30と、これを操作するレバーハンドル32とを有している。ここで混合弁30は、水と湯とを所定比率で混合して適温の温水とする。
レバーハンドル32は、左右回動操作によって水と湯との混合比率を調節し、即ち混合水の温度を調節し、また上下回動操作によって温水の吐水流量を調節する。
この実施形態において、給水元管からの水はカウンタ10下の止水栓34を経て給水路36を通じ混合弁30へと供給される。
また給湯元管からの湯が、止水栓38を経て給湯路40を通じ混合弁30へと供給される。
そして混合弁30に供給された水と湯とが、混合弁30で所定比率で混合されて適温の温水とされ、混合弁30から延び出した流出管へと流出せしめられる。
この流出管には、上記の可撓性の給水ホースが接続されており、それら流出管と給水ホースとによって、その内部に流出路42が形成されている。
即ち上記可撓性を有する給水ホースは、カウンタ10の下方に垂れ下がっており、吐水ヘッド18とは反対側の端部が混合弁30から下向きに延び出した流出管に接続されている。
図中42Aは混合弁30側の流出路を、また42Bは給水ホース側の流出路をそれぞれ表している。
カウンタ10の下方には制御ボックス15が配置されており、そしてその制御ボックス15の内部において、流出路42上にこれを開閉する電磁弁44が設けられていて、その電磁弁44の開閉により、吐水口16からの温水の吐水と止水とが行われる。
制御ボックス15の内部にはまた、マイコンを主要素とする制御部46が設けられ、この制御部46に対して電磁弁44が電気的に接続されている。
ここで制御部46は、電磁弁44の作動制御を行う。
この制御部46にはまた、上記の温水用センサ26及び浄水用センサ28が電気的に接続されている。
制御部46は、温水用センサ26による人体検知に基づいて電磁弁44を開閉制御し、吐水口16からの温水の吐水と止水とを制御する。
尚給水路36,給湯路40上には混合弁30側への水,湯の流れのみを許容し、逆方向の流れを阻止する逆止弁48が設けられている。
給水元管からの水はまた、逆止弁48の下流部で給水路36から分岐した浄水路50に取り出され、そして浄水路50上に設けられた浄水器52のフィルタを通過してそこで浄化された上で、浄化後の水(浄水)が、混合弁30をバイパスして流出路42に導かれ、そしてその流出路42を通じて吐水ヘッド18の吐水口16から吐水されるようになっている。
この浄水路50上には、浄水器52への原水の流入側において電磁弁54と定流量弁56とが設けられている。
電磁弁54は制御部46に電気的に接続されており、制御部46による電磁弁54の開閉制御によって、吐水口16からの浄水の吐水と止水とが行われる。
詳しくは、浄水用センサ28による人体検知に基づいて電磁弁54が制御部46により開閉制御されることによって、浄水の吐水と止水とが行われる。
図1に示しているように、吐水管14は逆U字状のグースネック形状をなしており、その最上位の部位から先端の吐水口16に向かって下がり形状をなしている。
そしてその最上位の部位と吐水管本体20の先端との間の中間部分に、上記の温水用センサ26と浄水用センサ28とが設けられている。
詳しくは、吐水管14には平面形状が管軸方向に長い矩形状をなす透光性のセンサ窓部60,62が管軸方向に、即ち使用者から見て上下方向に並べて設けられており、そしてそれらセンサ窓部60,62の裏側の位置に上記の温水用センサ26及び浄水用センサ28が管軸方向に並べて設けられている。
図2(A)及び図3(B)に示すように、吐水管14には温水用センサ26の下側位置、詳しくはセンサ窓部60の下側位置に、温水用センサ26に対応した吐水の種類、即ち温水を表示する文字表示部64Aが温水用センサ26に隣接して設けられている。また温水を表示する光表示部(ここではLED)64Bが、センサ窓部60の下端部に設けられている。
ここで文字表示部64Aと光表示部64Bとは温水を表示するための第1の表示部66を成している。
即ち、第2の人体検知センサとしての浄水用センサ28から遠い側の、浄水用センサ28とは反対側の位置において、第1の人体検知センサとしての温水用センサ26に対応した表示部66が温水用センサ26に隣接してその下側に配置されている。
尚この実施形態では、図1の水栓本体部12のレバーハンドル32の操作によって温水のみならず水又は湯のみの吐水も可能であるため(但し通常は温水)、実際には文字表示部64Aは湯水の文字にて温水を表示している。
吐水管14にはまた、温水用センサ26から遠い側の、温水用センサ26とは反対側の位置において、第2の人体検知センサとしての浄水用センサ28に隣接して浄水を表す文字表示部68Aが設けられている。
更に浄水用センサ28のセンサ窓部62の上端部に、同じく浄水を表す光表示部(ここではLED)68Bが設けられている。
ここで文字表示部68Aと光表示部68Bとは、その全体が浄水を表示する第2の表示部68を成している。
ここで光表示部68Bは、浄水を吐水していないときには点灯保持(ここでは青色に点灯保持)し、一方浄水を吐水しているときには点滅状態となって、現在浄水が吐水されていることを併せて表示する。
一方光表示部64Bは、温水が吐水されていないときには点灯保持(ここではオレンジ色に点灯保持)し、また温水(又は水若しくは湯)が吐水されているときには点滅状態となって、現在温水(又は水若しくは湯)が吐水されていることを表示する。
この実施形態において、光表示部64Bは3色LEDから成っている。詳しくは赤(Red),緑(Green)及び青(Blue)を発色するLEDをユニット化した3色LEDから成っており、無段階で連続的に色変化が可能である。
この実施形態において、3色LEDから成る光表示部64Bは、温水(又は水若しくは湯)を吐水中においては吐水温度に応じて発色を変化させ、その発色に基づいて現在の吐水の温度を表示する。
即ち、図2(B)に示しているように吐水の温度が30℃以下の冷たい水のときには青色を発色し、また吐水の温度が中間の温度、具体的にはここでは38〜42℃のときにはオレンジ色に発色し、更に吐水の温度が高温のとき、具体的には45℃以上の高温のときには赤色に発色し、現在の吐水の温度を表示する。
但し吐水停止状態となったときにはもとのオレンジ色に戻る。
この実施形態の場合、水栓の使用者は浄水を吐水させたいときには、温水用センサ26から遠く離れた浄水を表示する第2の表示部68(特に光表示部68B)を目指して手かざし操作を行う。
このとき、表示部68は温水用センサ26から遠く離れた位置にあるため、使用者が手かざし操作したときに、差し出した手が温水用センサ26の検知エリアに入ってしまうのを有効に防止でき、従って温水用センサ26による誤検知を防止することができる。
また使用者が温水を吐水させたいときには、浄水用センサ28から遠く離れた温水を表示する第1の表示部66(特に光表示部64B)を目指して手かざし操作する。
このときにも表示部66は浄水用センサ28から遠く離れた位置にあるため、その際の手かざし操作によって、浄水用センサ28が差し出された手を誤検知してしまうのを防止することができる。
以上のように本実施形態の自動水栓にあっては、例えば浄水用センサ28を手かざし操作しようとして使用者が第2の表示部68を目指して手を延ばしたときに、温水用センサ26が誤ってこれを検知してしまうのを効果的に防止できる。
また同様に、使用者が温水用センサ26を手かざし操作しようとして第1の表示部66を目指して手を延ばしたときにおいても、浄水用センサ28がこれを誤って検知するのを効果的に防止することができる。
その誤検知防止の効果は、表示部66,68の位置を上記のような位置とすることによって得られるものであり、従って温水用センサ26と浄水用センサ28とを吐水管14に並べて設ける場合において、それら温水用センサ26と浄水用センサ28との間隔を特に広げなくても有効に誤検知防止することができる。
それ故誤検知防止のために、温水用センサ26と浄水用センサ28とを大きく離して設置することによって、吐水管14のセンサ設置のためのスペースが広くとられてしまったり、或いは手かざし操作がし難くなったりする不都合を回避することができる。
更に逆U字状のグースネック形状をなす吐水管に温水用センサ26と浄水用センサ28とを設けるに当って浄水用センサ28を温水用センサ26から離れてより後方且つ上方に配置しなくても良いので、浄水用センサ28の検知方向がより上向きとなって、キッチンに備え付けてある昇降キャビネットを下降させたような場合、浄水用センサ28がこれを誤検知してしまう恐れも無くすことができる。
また表示部66と表示部68とが遠く離れて位置することとなるので、使用者が手かざし操作するに際して、どこに手をかざせば良いか分り易いといった利点も得られる。
更に表示部66における光表示部64Bが、止水時には点灯保持し、吐水時には点滅し且つ吐水温度に応じて発光色を変化させるものとなしてあるため、単一の光表示部64Bにて吐水の種類と吐水又は止水の状態の表示、更には吐水温度の表示を行うことができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態では温水用センサ26を第1の人体検知センサとして、また浄水用センサ28を第2の人体検知センサとして説明したが、場合によって浄水用センサ28を下に、温水用センサ26を上に配置して、下位置の浄水用センサ28を第1の人体検知センサとし、また上位置の温水用センサ26を第2の人体検知センサとなすことも可能である。
またこれに伴って温水を表示する表示部66を上位置に、浄水を表示する表示部68を下位置に配置して、上位置の表示部66を第2の表示部となし、また下位置の表示部68を第1の表示部となすことも可能である。
更に本発明では水(冷水)と温水とを択一的に吐水するようにし、それぞれに応じた人体検知センサを第1の人体検知センサ,第2の人体検知センサとして設けておき、更にそれぞれに応じた表示部を設けておくといったことも可能である。
また本発明では、第3の種類の吐水を行うように自動水栓を構成し、そしてその第3の吐水の種類に応じたセンサを吐水管に設けておくといったことも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態である自動水栓の概略全体図である。 同実施形態の自動水栓の要部を拡大して示す図である。 同実施形態の自動水栓の要部を従来例と比較して示す図である。
符号の説明
14 吐水管
26 温水用センサ(第1の人体検知センサ)
28 浄水用センサ(第2の人体検知センサ)
60 センサ窓部
62 センサ窓部
64B,68B 光表示部
66 表示部(第1の表示部)
68 表示部(第2の表示部)

Claims (4)

  1. 使用者の手かざし操作に応じて非接触で人体検知し、人体検知するごとに吐水と止水とを交互に切り換える第1及び第2の少なくとも2種の人体検知センサを吐水管に並べて配置するとともに、該第1の人体検知センサに対応した吐水の種類を表示する第1の表示部、及び該第2の人体検知センサに対応した吐水の種類を表示する第2の表示部を該吐水管に設けて成る自動水栓において
    前記第1の表示部を、前記第2の人体検知センサから遠い側の、該第2の人体検知センサとは反対側の位置において前記第1の人体検知センサに隣接して配置するとともに、前記第2の表示部を、該第1の人体検知センサから遠い側の、該第1の人体検知センサとは反対側の位置において該第2の人体検知センサに隣接して配置してあることを特徴とする自動水栓。
  2. 請求項1において、前記吐水管が逆U字状のグースネック形状をなしていて、最上位の部位から先端に向かって下がり形状をなす部分に、前記第1の人体検知センサ及び第2の人体検知センサが、該第1の人体検知センサを下に、該第2の人体検知センサを上にして上下に並べて設けてあり、前記第1の表示部が該第1の人体検知センサの下側に、前記第2の表示部が該第2の人体検知センサの上側にそれぞれ配置してあることを特徴とする自動水栓。
  3. 請求項2において、前記第1の表示部における光表示部が前記第1の人体検知センサのセンサ窓部の下端部に、前記第2の表示部における光表示部が前記第2の人体検知センサのセンサ窓部の上端部にそれぞれ配置してあることを特徴とする自動水栓。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記第1の表示部及び第2の表示部の少なくとも一方の光表示部が、止水時には点灯し、吐水時には点滅し且つ吐水温度に応じて発光色を変化させるものとなしてあることを特徴とする自動水栓。
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