JP6035646B2 - 自動水栓 - Google Patents
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Description
下記特許文献1に、この種の自動水栓の一例が開示されている。
この自動水栓は、キッチン用の自動水栓としても好適なものである。
詳しくは、この自動水栓をキッチン用の自動水栓として用いた場合、上向きに設けた検知センサに手をかざして吐水開始させた後、検知エリアから手を外して水作業を続行することができ、そして水作業を終えた後、再び検知センサに手をかざすことで止水を行わせることができ、キッチンでの水作業等が行い易い。
但しこの自動水栓では、検知センサが吐水管に上向きに(交互センサとして)設けてあるため、使用者が人体の一部を無意識に検知センサにかざしてしまい易い問題がある。
またシンクの上方に設置してある電動式の昇降棚を下降させたときに、吐水管の検知センサが昇降棚を検知してしまい、意図せず吐水口から水を吐水させてしまったりすることが生じ得る。
このような問題に対して、特許文献1に開示の方法では解決することができない。
特許文献1に開示の方法は、吐水開始後に検知センサの検知距離を短く切り替えるものであり、止水状態の下で検知センサによる誤検知によって、意図せず吐水を行ってしまう問題を解決できない。
尚、検知センサによる誤検知を防ぐために検知センサの検知距離を常時短くしておくことも考えられるが、この場合、検知センサの直近まで手かざし操作しなければならなくなり、操作性が悪化してしまう。
しかしながらこの特許文献2に開示のものは止水を目的としたものであって、状態変更センサが誤検知をしたときに現在の吐水状態を維持するものでなく、止水検知エリアに物が置かれたときに意図せず止水してしまう問題がある等の点で本発明と異なる。
尚本発明において、吐水状態の変更には吐水から止水若しくはその逆への変更,吐水流量の変更,吐水温度の変更,原水から浄水若しくはその逆への変更等の水質の変更等が含まれる。
また状態変更センサが吐水の流量調節を行わせる流調センサである場合、或いは吐水の温度調節を行わせる温調センサである場合において、現在の流量調節状態或いは温度調節状態が状態変更してしまうのを禁止する。
また本発明によれば、状態変更センサの検知距離を常時短くしておくといったことが必要ないので、水栓を操作する際の良好な操作性を確保することができる。
例えばセンサとして2次元のエリアイメージセンサを用い、ある特定の画素領域部分を状態変更センサとして構成し、また他の別の特定の画素領域部分を状態維持センサとして構成するようにしても良い。
また第2検知エリアは、第1検知エリアに対して吐水管の管軸方向視で重複(オーバーラップ)する状態に設定しておくことができる。
また場合によって第2検知エリアは、全体を1つの連続した一体のエリアとしておく場合の他、これを複数のスポット状のエリアの集合から成るものとしておくこともできる。
本発明では、上記状態変更センサとして、吐水の流量変更を行わせる流調センサ、吐水の温度変更を行わせる温調センサを設けておくことができる。
また、かかる状態変更センサとして、止水から吐水に若しくはその逆に吐水状態を変更させる吐止水センサを設けておくことができる。
この場合において、吐止水センサは、対象検知するごとに止水から吐水に若しくはその逆に吐水状態を変更させる交互センサとしておくことができる。
そして上記の状態維持センサを、吐止水センサによる対象検知に拘らず、かかる状態維持センサによる対象検知に基づいて止水から吐水への吐水状態の変更を禁止するセンサとなしておくことができる。
このようにしておけば、例えば対面式キッチンでシンクの前に立った使用者がカウンタに向けて手を伸ばしたとき、特に吐水管に対して手を斜め向きで伸ばしたときにこれを検知し易く、状態変更センサの誤検知による水栓の誤動作をより有効に防ぐことが可能となる。
これらの場合において、状態変更センサ及び状態維持センサを吐水管の上面に、また第1検知エリア及び第2検知エリアを吐水管の上面から上向きに設け、そして第2検知エリアを、平面視において第1検知エリアを中心として湾曲した形状のエリアとしておくことができる。
このようにしておけば、吐水管に対して斜めに傾いた状態で腕をカウンタ等に向けて伸ばしたときに、第2検知エリアでこれをより検知し易い。
このようにすれば、吐水管の傾きに応じて第2検知エリアの位置を適正に調整できるので、例えば使用者が上記カウンタに向けて腕を伸ばしたときに、第2検知エリアで状態維持センサがこれをより検知し易く、従って水栓の誤動作を更に有効に防ぐことができる。
この場合、平面視における吐水管の向き(傾き角)を検出する傾き角検出センサを設けておき、その傾き角検出センサにより検出される吐水管の向き(傾き角)に応じて、第2検知エリアの位置を変更するようになしておくことができる。
例えば吐水口から吐水を行っている際に昇降棚が降りて来て、第2検知エリアで状態維持センサがこれを検知し且つ検知を継続すると、止水を行いたくてもこれをできなくなってしまう。
或いは状態維持センサが何等かの原因で不具合を生じた場合や、状態維持センサに水滴が付着して状態維持センサが検知状態を続けてしまった場合にも、吐水口から水が出っ放しとなってしまうことが生じ得る。このようなことは当然望ましくない。
このようにすれば、状態変更センサが例えば上記の昇降棚等を検知し続けることによって実質的に状態変更センサの操作が不能になることを防ぎ、状態変更センサの操作による吐水状態の変更を支障なく行うことが可能となる。
図1及び図2において、10は対面式キッチンの調理台12に備えられたシンク(水槽)であり、14はシンク10の奥側に設けられた、皿等の各種物品を載せることのできるカウンタである。
16は、調理台12におけるシンク10周りの天面18から起立する状態に設けられた自動水栓20の吐水管で、シンク10に向けて吐水する吐水口22を先端に有している。
吐水管16は、天面18から直立する下部24と、逆U字状のグースネック形状をなす上部26とを有している。
この実施形態において、上部26は下部24に対して回転可能とされている。
この例の対面式キッチンにおいては、図8に示しているようにシンク10の上方に電動式で昇降する昇降棚25が設けられている。
給水路27,給湯路28上には、それぞれ吐水口22からの吐水状態制御を行う制御弁32,34が設けられている。
これら制御弁32,34は、弁部36と弁部36の弁体を駆動する電動式のモータ(ここではステッピングモータ)38とを有している。
これら制御弁32,34は制御部40に電気的に接続されており、各制御弁32,34が制御部40にて作動制御されるようになっている。
この傾き角検出センサ42は、下部24の上端部に周方向に所定間隔で設けられた複数の検出部44と、上部26の下端部に設けられた被検出部46とを有している。
検出部44は、遮光部52が投光部48と受光部50との間に入り込んで投光部48から受光部50への光を遮光することで被検知部46を検知する。
尚、被検知部46として磁石を用い、検知部44としてホールICを用いても良い。
尚この傾き角検出センサ42は上記制御部40に電気的に接続されており、傾き角検出センサ42による検出結果が制御部40へと入力される。制御部40はその検出結果に基づいて、つまり上部26の傾き角に応じて、後述の第2検知エリア62を移動制御する。
この実施形態では、図4に示すように検知センサ54として、多数の画素60を2次元に配置して成るエリアイメージセンサが用いられている。
そしてその特定の画素領域部分にて、人体等の対象を検知するごとに吐水と止水とを交互に行わせる吐止水センサ(状態変更センサ)56が構成されている。また他の別の特定の画素領域部分にて、現在の吐水状態を維持させる、具体的には止水状態で人体等の対象を検知したときには止水状態を維持させ、また吐水状態で人体等の対象を検知したときには吐水状態を維持させる状態維持センサ58が構成されている。
尚この例のエリアイメージセンサは光センサであって、投光部から投光レンズを通して投光され、そして人体等の対象からの反射光を受光レンズを通して各画素60にて受光し、その受光量に基づいて人体等の対象を検知する。
この例において、第1検知エリア61と第2検知エリア62とは吐水管16、詳しくは上部26の上面から上向きに設けられている。
また第1検知エリア61,第2検知エリア62は、それぞれの中心を通る軸線が、吐水管16における上部26の管軸方向の軸線を通る垂直面上に位置するように配置されている。
更にここでは第1検知エリア61が吐水管16の前側(使用者側の前側)に、また第2検知エリア62が第1検知エリア61に対して吐水管16の奥側に配置されている。
これら第1検知エリア61及び第2検知エリア62は、それぞれが前方斜め上向きに設けられているが、第1検知エリア61に対して第2検知エリア62は水平方向に対する傾き角が大きく、また第1検知エリア61よりも上向きに高い位置まで延びている。
尚第1検知エリア61は、その軸線と直交する投影面への投影形状が円形状をなしており、また第2検知エリア62は、その軸線と直交する投影面への投影形状が第1検知エリア61側に凹となる湾曲形状をなしている。
図5の(A),(B)及び図6の(C)に示す何れの状態においても、第1検知エリア61と第2検知エリア62とは吐水管16の管軸方向視で重複している。
そして(A)に示しているように、吐水管16が、シンク10に正対した使用者K側から見てシンク10の中央に、且つ平面視非傾斜状態で真直ぐに前後方向に向いた状態で、吐水管16の管軸と直交方向における第2検知エリア62の寸法(長さ)W2が、第1検知エリア61の寸法(長さ)W1よりも大きく、第2検知エリア62は、管軸と直交方向において第1検知エリア61に対し拡がりを持っている。
また図5(A)に示す状態において、第2検知エリア62の図中右側の端と左側の端とは、それぞれ第1検知エリア61の図中右側の端と左側の端に対してそれぞれ寸法a,寸法bだけ大きく軸直角方向に延び出している。尚ここでaとbとは同寸法である。
また第2検知エリア62は、第1検知エリア61を中心として第1検知エリア61側を凹とする湾曲形状をなしている。
この例では、このときには第2検知エリア62が吐水管16の管軸と直交方向に移動せしめられる。詳しくは、第2検知エリア62が、第1検知エリア61周りに図中右方向に吐水管16に対し移動せしめられ、その位置が調整される。
つまり第2検知エリア62の右端側の吐水管16からの延び出し量(吐水管16からの延び出し量)が大きくなり、また左端側の吐水管16からの延び出し量が小さくなるように、第2検知エリア62の位置が変化する。
尚図5(B)に示す状態において、シンク10を基準として見たとき、第1検知エリア61と第2検知エリア62との位置関係は、図5(A)に示す状態と同じ状態となる。第2検知エリア62の移動方向及び移動量がそのように定められている。
このときには、第2検知エリア62が吐水管16に対し図中左方向に移動し、結果として図6(C)に示す状態の下においても、シンク10を基準として第1検知エリア61と第2検知エリア62との位置関係が、図5(A)及び(B)に示す状態と同じ位置関係となる。
尚このような第2検知エリア62の移動方向と移動量は、図3に示す傾き角検出センサ42による傾き角の検出に基づいて、制御部40により自動的に決定される。
このときは、上部26の傾き角に応じて制御部40により第2検知エリア62の移動方向及び移動量が制御される。
その結果、吐水管16の平面視における傾き角の如何に拘らず、シンク10に正対した使用者K側から見た前後方向視で、第2検知エリア62の中心(平面視の中心)が第1検知エリア61の中心の後側に位置した状態となる。
本実施形態では、使用者Kが第1検知エリア61に掛かるように手かざし操作すると、吐止水センサ56がこれを検知し、その検知信号に基づいて吐水口22から吐水を開始する。
この吐止水センサ56は、手をかざすごとに吐水と止水とを交互に行わせる交互センサであるため、その後使用者Kが手を引いて第1検知エリア61から外しても、そのまま吐水が継続される。
そして再び使用者Kが第1検知エリア61に手を入れて吐止水センサ56を操作すると、ここにおいて吐水口22からの吐水が停止する。即ち止水する。
但し通常はこのとき状態維持センサ58もまた、伸び出した腕を、吐止水センサ56とともに検知するため、その検知により吐水状態の変更が禁止され、吐止水センサ56による検知にも拘らず、現在の吐水状態が維持される。
図7(A)に示しているように、当初の止水の状態の下で使用者Kが手を差し出したとき、吐止水センサ56だけがこれを検知し、状態維持センサ58が非検知である場合には吐水が行われ、また腕を伸ばすことによりこのとき同時に状態維持センサ58もまた検知状態になると、止水の状態がそのまま維持される。
そして状態維持センサ58非検知の下において、次に吐止水センサ56が手等を検知すると、止水から吐水の状態に状態変更が行われる。
図示のように、ここでは吐止水センサ56が下降した昇降棚25を検知した場合であっても、このときには状態維持センサ58が第2検知エリア62で昇降棚25を検知することで、当初の吐水状態を維持する。
即ち、例えば当初止水の状態であれば、昇降棚25の下降によっても止水から吐水の状態へと状態変更することはない。
この場合において、状態維持センサ58が昇降棚25を長く検知し続けると、吐水口22から吐水しっ放しとなってしまい、このとき吐止水センサ56に対する手かざし操作によっても止水できなくなってしまう。
ここにおいて状態維持センサ58によるロック状態が解除される。
そこでここでは第2検知エリア62を短くするのと併せて、第1検知エリア61の長さもまた短く変更する。即ち吐止水センサ56による検知距離を短く変更する。
このようにすることで、その後吐止水センサ56に手かざし操作することで支障なく止水を行うことができる。
この実施形態では、そのような場合であっても吐止水センサ56の検知による吐水状態の変更を禁止し、ロックする。
図示のように、ここではt1で状態維持センサ58だけが昇降棚25を検知しており、吐止水センサ56は非検知である。この場合においても、状態維持センサ58がその後も検知状態である限り、t2で吐止水センサとしての吐止水センサ56が使用者の手かざし操作等を検知したとしても、止水から吐水に(又はその逆に)状態変更を行わない。
また併せて第1検知エリア61も同時に短く変更される。
従ってその後t5で吐止水センサ56が手かざし操作されたときには、その時点で吐水から止水に状態変更される。
但しこの場合においても、第1検知エリア61の長さを短くした上で、吐止水センサ56の手かざし操作によって吐水と止水との間で状態変更するようになしても良い。
このような場合には、第2検知エリア62の検知距離を短くしたとしても、上記のような不具合を有効に防ぐことが難しい。
またこのような場合には、特に第1検知エリア61を短くしなくても、第1検知エリア61の長さを維持した状態のまま、吐止水センサ56の手かざし操作によって吐止水を状態変更することが可能となる。
この場合には、第1検知エリア61及び第2検知エリア62が、吐水管16の側方向きに向きを揃えて延びた状態となる。
尚この場合においても、第2検知エリア62を第1検知エリア61周りに湾曲した形状としておくことが望ましい。
またこのように吐水管16の側面に検知センサ54を設ける場合においては、これを右側面と左側面との両方とに設けておくことが望ましい。
このようにすれば、右利きの人であっても左利きの人であっても、また右手操作であっても左手操作であっても、容易に吐止水センサ56を手かざし操作することができる。
尚この場合、他に設けた別途の吐止水センサ或いはその他の吐止水手段によって吐止水を行うようにすることができる。
またこれらの流調センサや温調センサは、吐水管16の上面に設けておく場合の他、吐水管16の側面に設けておくこともできる。
16 吐水管
20 自動水栓
22 吐水口
32,34 制御弁
54 検知センサ
56 吐止水センサ(状態変更センサ)
58 状態維持センサ
61 第1検知エリア
62 第2検知エリア
Claims (7)
- (a)先端の吐水口から水槽に向けて吐水を行う吐水管と、(b)該吐水管に設けられ、非接触で人体その他の対象を検知する検知センサと、(c)該検知センサからの検知信号に基づいて吐水状態制御を行う電動式の制御弁と、を有する自動水栓において、
前記検知センサを、対象検知により現在の吐水状態を変更させる状態変更センサと、対象検知により現在の吐水状態を維持させる状態維持センサと、を含んで構成し、
前記状態変更センサの検知エリアである第1検知エリアを前記吐水管の前側に、
前記状態維持センサの検知エリアである第2検知エリアを該第1検知エリアに対して該吐水管の奥側に設定し、
該状態維持センサが該第2検知エリアで対象検知した状態である限り、その後前記状態変更センサが対象検知しても吐水状態の変更を行わないように成してあるか、
又は前記状態変更センサが対象検知しても、このとき同時に前記状態維持センサが対象検知状態になると、吐水状態の変更を行わないように成してあることを特徴とする自動水栓。
- 請求項1において、前記第2検知エリアは、前記第1検知エリアの、前記吐水管の管軸と直交方向の端よりも該直交方向に長く延びたエリアを有していることを特徴とする自動水栓。
- 請求項2において、前記第2検知エリアは、前記管軸と直交方向の全体の長さが、前記第1検知エリアの長さよりも長いことを特徴とする自動水栓。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記第2検知エリアは、前記吐水管の管軸と直交方向に位置が変更可能であり、該変更により、該第2検知エリアの該直交方向の一端側の該吐水管からの延び出し量が大きく、他端側の延び出し量が小さく変化するものとなしてあることを特徴とする自動水栓。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記状態維持センサが前記第2検知エリアで設定時間を超えて検知状態を継続したときに、該状態維持センサによる該第2検知エリアでの対象検知を無効とし、該第2検知エリアでの該状態維持センサによる対象検知に拘らず、前記状態変更センサによる対象検知に基づいて吐水状態の変更を可能とすることを特徴とする自動水栓。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記状態維持センサが前記第2検知エリアで設定時間を超えて検知状態を継続したときに、該状態維持センサが非検知状態となるまで該状態維持センサの検知距離である前記第2検知エリアの前記吐水管からの長さを該吐水管側に短く変更することを特徴とする自動水栓。
- 請求項5,6の何れかにおいて、前記状態維持センサが前記第2検知エリアで設定時間を超えて検知状態を継続したときに、前記状態変更センサの検知距離である前記第1検知エリアの前記吐水管からの長さを該吐水管側に短くする変更を併せて行うことを特徴とする自動水栓。
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