JP5153176B2 - 小径マグネット駆動ローラコンベヤ - Google Patents
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Description
ところで、ローラコンベヤを小物搬送に使用する場合、つまりワークが小型で特に全長が短くなった場合、キャリアローラの頂部はワークと点で接触しており、通常4本(移動時最低3本)のキャリアローラでワーク底面を受けるのだが、ワーク両端部とワーク底面の2点とを4本のキャリアローラで支持できないような短いワークだと、ワークは進行方向に搖動してしまい安全に搬送できなくなる。よって、小型ワークを搬送する場合、キャリアローラピッチを小さくすることは非常に重要である。キャリアローラの軸受けは、キャリアローラの径に応じて小外径の軸受けを機側のフレームに組み込むことで対応可能である。
キャリアローラの間隔を詰めると、各ローラの従動側マグネットリングのラインシャフト軸長に沿った間隔が小さくなり、それにより従動側マグネットを非接触駆動する駆動側マグネットリングの中心軸間距離も狭まり、ついにはラインシャフトの全長を隙間なく駆動マグネットリングにより占められ、ラインシャフトを支持する軸受けを組み込めない。よって、キャリアローラピッチが20mmが最小であり、ワークの両端部とワークの両端から全長の1/3距離部分とを4本のキャリアローラで支持する60mmが最小搬送物長さとなる。もう一つ、キャリアローラピッチを小さくすることは、キャリアローラ同士の間隔も狭くなり、隣り合う従動マグネットリングが干渉し合う虞もある。また、マグネット駆動によるローラコンベヤは、その駆動伝達方式の特徴(非接触駆動であり、ある一定反力でキャリアローラを固定しても駆動側に大きな影響がない)から、アキュムレーティングコンベヤに向いているが、さらに小さなワークを搬送するニーズは高い。
請求項2は、前記ラインシャフトは、従動ギヤが嵌装され駆動ユニット出力部に配置されるラインシャフト部の両端にカップリング金具を備え、コンベヤフレーム長手方向に延長設置するラインシャフトと前記駆動ユニット出力部に配置されるラインシャフト部とを連結して延長するラインシャフト組立体を備えることを特徴とする請求項1に記載の小径マグネット駆動ローラコンベヤである。
請求項2は、前記従動マグネットをキャリアローラより小径にして、該従動マグネットをキャリアローラ軸に嵌着したことを特徴とし、請求項3は、前記キャリアローラの軸には、搬送方向両側コンベヤフレームの一方に偏った位置に従動マグネットを嵌着したことを特徴とする請求項1または2に記載の小径マグネット駆動ローラコンベヤである。また、請求項4は、前記キャリアローラの軸に嵌着された従動マグネットが近接する側の搬送方向側面コンベヤフレームの長手方向に、キャリアローラピッチの2倍のピッチでアイドラマグネット支持軸を受ける軸受ホルダを設け、玉軸受を介してアイドラマグネット支持軸を片持ち状態で軸支することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つの項に記載の小径マグネット駆動ローラコンベヤである。
本発明は、非常に小さいワークを搬送できるようにした小径マグネット駆動ローラコンベヤで、キャリアローラ10、10のピッチを小さくするために、キャリアローラ側の従動側マグネットリング(以下単に従動マグネットという)14と駆動ラインシャフト側の駆動側マグネットリング(以下単に駆動マグネットという)12間にアイドラマグネット13を配置し、そのアイドラマグネット13の上部には、対応する従動マグネット2個をその間にアイドラマグネットの頂部が位置するように接近、配置することで2個のキャリアローラ10,10を駆動させ、かつアイドラマグネット13と駆動マグネット12を1対1に対応させアイドラマグネット13を非接触で駆動させることで、ラインシャフト7に配置される駆動マグネット12の中心軸の間隔を、キャリアローラピッチの2倍にし、ラインシャフト7に軸受け乃至駆動機構を組み込めるようにする。このマグネット駆動ローラコンベヤ1は、コンベヤ全体を脚ユニット3,3で支持し、一方の脚ユニット3に駆動ユニット4を設け、フレーム2,2間に多数並列させたキャリアローラ10,10によりワーク搬送面を形成させる。各キャリアローラ軸11(図5に示す)には、図2、3に示すように、キャリアローラ軸11の片側の搬送方向側面コンベヤフレーム側に偏った位置に、キャリアローラ軸両側に分割されたキャリアローラに挟まれ、かつキャリアローラ外径より小径の従動マグネット14,14を嵌装する。
なお、図中、4aは駆動ユニット4の出力軸、5は駆動ギヤ、5aはギヤカバー、6は中間ギヤ、8はラインシャフト7に設けられて中間ギヤ6と噛み合う従動ギヤ、9はラインシャフト7を支持する軸受24を把持する軸受け台、16はフレーム2、2の上部にブラケット18を介して固着したガイドサポート、18はブラケット、20は軸受け押さえ、21はブラケット固定用ボルトある。
従動マグネット14,14はキャリアローラ軸11に対し、図5に示すように、キャリアローラ10径よりも小さい径をなして嵌装されることで、下部の直交位置に配置されるラインシャフト7に嵌装されている駆動側マグネット上部にある、アイドラマグネット13と近接し、かつ非接触の状態で駆動力をアイドラマグネット13から伝達できるように配されている。駆動ギヤ5は、ラインシャフト7の適宜箇所に嵌着した従動ギヤ8に対し、中間ギヤ6を介して回転を伝達する。従動マグネット14の下部はアイドラマグネット13の上部に近接し、従動マグネット14,14が嵌着する2個のキャリアローラ10,10はその回転力を伝達してもらうため、近接してアイドラマグネット13をその下部に配置して、アイドラマグネット13の磁界が近傍の従動マグネット14表面にまで至るようにする。
ラインシャフト7は軸長方向に、多数のカラー17を介して多数の駆動マグネット12、12を被着して駆動マグネット12の設置位置を規定し、順々に送り込むことで組み付ける構成となっている。また、キャリアローラ10群の下部の直交方向(フレーム長手方向)に、多数の駆動マグネット12、12を一定の間隔をあけて嵌装したラインシャフト7を設けるが、ラインシャフト7に配置される駆動マグネット12の中心軸の間隔を、キャリアローラピッチの2倍にし、ラインシャフト7表面に駆動マグネット12間に隙間を生じさせ、その隙間にラインシャフト7自体を支持するため軸受台9に把持される軸受け24や、駆動装置としての従動ギヤ8を嵌装できるようにしてある。
アイドラマグネット13,13は、キャリアローラ10の従動側マグネット14の2個に対し1個を対応させて並置されていて、各駆動マグネット12,12に対し非接触で伝達される回転力をその伝達方向を略90度変換し、上部の従動側マグネット14へ伝達されるように対置させてある。また、図5及び図6に示すように、アイドラマグネット13の軸部13aは、キャリアローラに嵌着された従動マグネットが近接する側の一方の側部コンベヤフレームの長手方向内側に、複数のボルト22を用いて組み付けた軸受サポート28の、隣り合うボルト22間に設けられた孔内部にきつく嵌合された軸受け29により片持ち支持されており、ローラコンベヤとして構造を簡略化している。
上記のように、搬送面を形成するよう多数並列させたキャリアローラ側従動マグネット14とラインシャフト側駆動マグネット12の間にアイドラマグネット13を配置し、各アイドラマグネット13に対応して従動マグネット2個をそれぞれ接近して配置し、アイドラマグネット1個あたり隣接する2個のキャリアローラ10,10を非接触で駆動させることで、ラインシャフト7に配置される駆動マグネット12の中心軸の間隔を、キャリアローラピッチの2倍にできるようにし、ラインシャフト表面にできた駆動マグネットリング12の隙間に、軸受や、ギヤなどの駆動伝達機構を設けることができる。駆動マグネット12と1対1で配置され、駆動マグネット12と略90度回転方向が変換されるアイドラマグネット13により、2つの従動マグネット14をアイドラマグネット13と同方向に駆動するので、ラインシャフト7自体が大径でそれに嵌着する駆動マグネット12が大径/及び幅がキャリアローラピッチと同等でも、駆動マグネットリング12間に隙間が発生し、ラインシャフト軸受け24を余裕を持って設置できる。また、従動側のキャリアローラ軸11に嵌合される従動マグネットリング14は、キャリアローラ外径より小径であり、かつ下部のアイドラマグネット13の広い面から発生する磁界を効率良く受けるので、キャリアローラ10の設置ピッチが小さくなっても隣り合う従動マグネット14の干渉は問題なく、キャリアローラ10の回転駆動が円滑でないなどの問題が起きない。
標準仕様の1例を示すと下記のとおりである。
キャリアローラ幅 36〜100mm
同ローラ 径7.5 ×ピッチ8mm
機長 200〜1500mm
搬送質量 5kg/個、50kg/m、0.5kg/ローラ1本
搬送速度 1.0〜40m/min
モータ インダクションモータ、DCブラシレス
電源 単相100V、230V 3相 200V
3 脚ユニット 4 駆動ユニット
4a 出力軸 5 駆動ギヤ
5a ギヤカバー 6 中間ギヤ
7 ラインシャフト 8 従動ギヤ
9 軸受台 9a 玉軸受
10 キャリアローラ 11 キャリアローラ軸
11a 軸受 12 駆動マグネット
13 アイドラマグネット 13a 軸部
14 従動マグネット 15 アイドラマグネット支持部材
16 ガイドサポート 17 カラー
18 ブラケット 20 軸受押さ
21、22、23 ボルト 24、29 軸受
25 カップリング部 26 両突起
27 キー 28 軸受サポート
30 エンド押さえ
Claims (2)
- キャリアローラに嵌着した従動マグネットとラインシャフトに嵌着した駆動マグネットの間にアイドラマグネットを配置して、非常に小さいワークを搬送できるようにした小径マグネット駆動ローラコンベヤであって、
各従動マグネットは、その外形を前記キャリアローラより小径にされ、かつ搬送方向両側のうち一方の側のコンベヤフレーム側に偏った位置のキャリアローラ軸に搬送面の内側に含まれ且つ搬送物の下面に接触しないよう嵌着され、
前記ラインシャフトの上部には、前記ラインシャフト軸線に略直交するようアイドラマグネット軸を、かつアイドラマグネット軸の上部には、前記従動マグネットを外嵌したキャリアローラ軸を前記アイドラマグネット軸に略平行にそれぞれ配置し、
前記キャリアローラの軸に嵌着された従動マグネットが近接する側の搬送方向側面コンベヤフレームの長手方向に、キャリアローラピッチの2倍のピッチでアイドラマグネット支持軸を受ける軸受ホルダを設け、玉軸受を介してアイドラマグネット支持軸を片持ち状態で軸支し、
各アイドラマグネットに対応して従動マグネット2個をそれぞれ接近、配置し、アイドラマグネット1個あたり隣接する2個のキャリアローラを非接触で駆動させ、前記アイドラマグネットと駆動マグネットを1対1に対応させ前記アイドラマグネットを非接触で駆動させることで、
前記ラインシャフトに配置される駆動マグネットの中心軸の間隔を、キャリアローラピッチの2倍にし、任意の駆動マグネット間のラインシャフトに軸受乃至駆動機構を組み込めるようにした
ことを特徴とする小径マグネット駆動ローラコンベヤ。 - 前記ラインシャフトは、従動ギヤが嵌装され駆動ユニット出力部に配置されるラインシャフト部の両端にカップリング金具を備え、コンベヤフレーム長手方向に延長設置するラインシャフトと前記駆動ユニット出力部に配置されるラインシャフト部とを連結して延長するラインシャフト組立体を備えることを特徴とする請求項1に記載の小径マグネット駆動ローラコンベヤ。
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