JP5149660B2 - エクストルージョン塗布装置及び塗膜付きウエブの製造方法 - Google Patents

エクストルージョン塗布装置及び塗膜付きウエブの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エクストルージョン塗布装置に係り、特に高速かつ薄層で、しかも安定塗布が可能なエクストルージョン塗布装置に関する。
エクストルージョン塗布装置は、スロットダイ内のポケット部に供給した塗布液を、該ポケット部で塗布幅方向(ウエブ幅方向と同じ)に広流し、ポケット部に連通する狭隘な間隙を有するスロット(「スリット」ともいう)先端から塗布液を吐出する。一方、塗布液が塗布されるウエブは、バックアップローラに巻き掛けられて走行すると共に、スロットダイ先端とウエブとの間のリップクリアランスにスロット先端から吐出された塗布液のビード(塗布液溜まり)を形成し、このビードを介してウエブに塗布液を塗布する。また、ウエブに塗布される塗布液の塗布幅は、スロットの幅方向(ウエブ幅方向と同じ)の両端部に挿入されたスペーサ同士の距離によって規制される。
かかるエクストルージョン塗布装置による安定塗布において、安定したビードが形成されるか否かが非常に重要になる。特に、近年は、生産性の向上から、塗布ラインを高速化(ウエブの走行速度が高速化)し、且つ塗布される塗布液の薄膜化が要求されている。このような塗布の高速化、及び薄膜化を行うと、ビード幅方向(ウエブ幅方向と同じ)の両端部からビードが切れてビードが破壊することが多く、ビード幅方向の両端部におけるビード状態を如何に安定化させるかが重要になる。ビード幅方向端部におけるビードが安定化しないと、塗布された塗布膜の幅方向に膜厚分布が生じる。
ビードを安定化する一つの方法として、例えば特許文献1に開示されるように、ビードのウエブ走行方向上流側を引っ張るように減圧することが行われている。
また、塗布幅方向におけるスロットダイの間隙分布や、塗布幅方向におけるリップクリアランス分布を高精度に改善することにより、薄膜塗布の幅方向における膜厚の均一性を向上させるようにした発明は数多くある。
しかし、スロットダイにおいて、低粘度(例えば10mPa・s以下)の塗布液をリップクリアランスを例えば300μm以下に設定して薄膜塗布を行う場合、リップクリアランスの毛管現象が顕著になる。この結果、塗布端部の塗布液は、より外側(ウエブ端方向)に向けて濡れ広がろうとする濡れ広がり現象が発生する。この濡れ広がり現象は、特に薄膜塗布の場合、塗布された塗布膜の塗布幅方向における厚み分布に大きな影響を及ぼす。その結果、最終的に得られた製品の幅方向における性能不均一や、製品有効幅の得率低下が引き起こされる。
特許文献2では、スロットダイの塗布幅を可変するスペーサの形状を変更することで、この濡れ広がりを抑制することを提案している。
特開2001−300394号公報 特開2001−170542号公報
しかしながら、特許文献1のようにビードを減圧するだけでは、ビード幅方向両端部におけるビード状態を充分に安定化することはできない。
また、特許文献2のように、単にスペーサの形状を変更するだけでは、塗布端部における塗布液の濡れ広がりを抑制し、塗布膜幅方向での膜厚分布を改善することはできない。
即ち、濡れ広がりはスロットダイ先端とバックアップロールに支持されたウエブとの間に形成されるリップクリアランスでのメニスカスの毛管現象が、ウエブ走行方向の力より上回ることで発生する。そして、この毛管現象は、塗布液の液粘度が高い場合やリップクリアランスが大きい場合には顕在化しにくいが、液粘度が低く、リップクリアランスが狭い薄膜塗布において顕在化される。したがって、より薄膜化された塗布においては、スロットダイのリップクリアランスはより小さくなり、毛管現象の力は一層大きくなり、スペーサの形状を変更するだけで濡れ広がりを充分に防ぐことは困難になる。
また、薄膜化時のようにリップクリアランスが小さい場合はウエブの厚みや形状の変動(下塗り層の厚みムラ、下塗り層によるカール、支持体自体の耳ベコ、搬送によるベコ)の影響を特に受けやすく、塗布幅方向端部のリップクリアランスは変動する。このことからも、単にスペーサの形状を変更しただけでは、ビード幅方向の両端部に形成されるピン(ビードのメニスカス状態)を安定に保持することができない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ビード幅方向の両端部のビード状態を安定化することができるので、塗布の高速化や薄膜化に対してもビード幅方向の両端部からビードが切れて破壊しにくくなるエクストルージョン塗布装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、バックアップローラに巻き掛けられて連続走行するウエブと、塗布液をスロットから吐出するスロットダイ先端との間のリップクリアランスに前記吐出した塗布液を架橋させてビードを形成し、該ビードを介して塗布液を前記ウエブに塗布すると共に、前記スロットの幅方向両端部に塗布幅規制のためのスペーサが挿入されたエクストルージョン塗布装置において、前記スペーサの少なくとも先端部を可撓性部材で形成すると共に、前記先端部を前記スロット先端から突出させて前記ウエブ面に当接させた状態で塗布することを特徴とするエクストルージョン塗布装置を提供する。
本発明によれば、塗布幅規制のためにスロット両端部に挿入するスペーサであって、その少なくとも先端部が可撓性部材で形成されたスペーサを、スロット先端から突出させて、バックアップローラに巻き掛けられて連続走行するウエブ面に当接させるようにしたので、塗布開始時及び塗布中におけるビード幅方向の両端部のビード状態を安定化することができる。即ち、スペーサの形状は、スロットの間隙距離と同等の厚みを持ちつつ、なお且つバックアップローラに支持されたウエブ面に当接するために、リップクリアランスと同等の突出長さを有することが必要とされる。ここで、スペーサの先端部をウエブ面に当接させるとは、スペーサが真っ直ぐな状態で、その先端がスペーサに当接することに限らず、スペーサの突出長さがリップクリアランスCよりも大きく、バックアップローラの回転方向に折曲した状態でスペーサ先端部の面がウエブ面に当接することも含む。
これにより、ビード幅方向の両端部からビードが切れて破壊しにくくなるので、高速塗布や薄膜塗布であっても安定塗布を行うことができる。
請求項2は請求項1において、前記スペーサの先端部には、前記ウエブ面に当接しない少なくとも1つの溝を有することを特徴とする。
スペーサの先端部に、ウエブ面に当接しない少なくとも1つの溝を有するので、塗布端部において濡れ広がろうとする塗布液は、溝で濡れ広がりが停止し、それ以上の濡れ広がりが進まない。これにより、濡れ広がりに起因するビード幅方向端部の不安定化を防止できる。
請求項3は請求項1又は2において、前記スペーサの先端部に、前記ウエブの走行方向に沿った張り出し部を有することを特徴とする。
請求項3のように、スペーサの先端部に、ウエブの走行方向に沿った張り出し部を設けることにより、ビード幅方向の両端部のビード状態を一層安定化することができる。なお、張り出し部に、ウエブ面に当接しない少なくとも1つの溝を有するようにすれば、更に好ましい。
請求項4は請求項1〜3の何れか記載において、前記ビードのウエブ走行方向上流側を減圧する減圧ボックスを備えたことを特徴とする。
請求項4は、スペーサのウエブへの当接と、減圧ボックスとの両方を備えたものであり、ビード幅方向の両端部のビード状態を一層安定化することができる。
請求項5は請求項1〜4の何れかに記載において、本発明の効果を特に発揮する高速塗布の程度を示したものである。
請求項6は請求項1〜5の何れかの記載において、前記ウエブに塗布される塗布液の液粘度は10mPa・s以下であると共に、前記リップクリアランスCは300μm以下であることを特徴とする。
請求項6は、本発明の効果が特に発揮される塗布液の液粘度と、リップクリアランスCの大きさとを規定したものである。なお、本発明におけるスペーサの作用として、塗布端部における塗布液の濡れ広がり抑制という観点から、液粘度やリップクリアランスCは小さいほど本発明の効果が発揮できると考察できることから、特に下限は規定していない。しかし、敢えて下限を規定するならば、液粘度0.5mPa・sにおいて本発明が適用できることは確認している。また、リップクリアランスCが130μmにおいて本発明が適用できることは確認している。
以上説明したように、本発明のエクストルージョン塗布装置によれば、ビード幅方向の両端部のビード状態を安定化することができるので、塗布の高速化や薄膜化に対してもビード幅方向の両端部からビードが切れて破壊しにくくなる。これにより、塗布の高速化や薄膜化に対しても安定塗布を行うことができる。
以下、添付図面に従って、本発明に係るエクストルージョン塗布装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明のエクストルージョン塗布装置10を上から見た平面図であり、図2は側面断面図である。
これらの図に示すように、スロットダイ12は、ヘッド内部にポケット部14と、該ポケット部14に連通する狭隘なスロット16が形成されると共に、スロット16先端の塗布液吐出口がヘッド先端の略平坦なエッジ面18に開口される。スロットの間隙Dとしては、0.05mm〜0.5mmの範囲が好ましい(図2参照)。
一方、バックアップローラ20がスロットダイ12のエッジ面18に対向して近接配置され、塗布液Lが塗布されるウエブ22がバックアップローラ20に巻き掛け支持されて矢印方向に連続走行する。ダイ先端のエッジ面18とバックアップローラ20との間のリップクリアランスCは、通常、30μm〜300μmの範囲で設定され、塗布厚み、塗布速度、塗布液Lの物性(粘度等)等によって適宜設定される。これにより、スロット16から吐出した塗布液Lは、エッジ面18とウエブ22との間に架橋してビードL1(塗布液溜まり、図2参照)を形成し、このビードL1を介して塗布液Lがウエブ22に塗布される。なお、エンジ面18及びエンジ面18の角部の形状を図3では、湾曲させたR形状で図示してあるが、図2のようにエッジ面18を平面形状に、角部を丸みのないシャープな形状に形成してもよい。以下に示す図4〜図10についても同様である。
また、ウエブ22に塗布される塗布液Lの塗布幅Aは、図1に示すように、スロット16の幅方向(ウエブ幅方向と同じ)の両端部に挿入された一対のスペーサ24同士の間隔(距離)によって規制される。このスペーサ24は、スロット16の先端から突出しており、バックアップローラ20に巻き掛けられたウエブ22の面に当接される。
スペーサ24の材料としては、少なくとも先端部24Aが可撓性材料であることが必要である。具体的には、ゴム、テフロン(登録商標)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の材質のように溶剤で変性しにくく、且つある程度の湾曲状態に可撓する性質を有するものであればどのようなものでもよい。また、ゴムを使用した場合には、ウエブ22との接触に対する滑り性、耐磨耗性の向上を図るように、ウレタンコーティング、テフロン(登録商標)コーティング、シリコンコーティング等のコーティングを行うことが好ましい。また、ゴム材料へ、テフロン(登録商標)、モリブデン、オイル等を混練することで、滑り性、耐磨耗性の向上を図ったものを使用することもできる。
このスペーサ24の形状及び突出長さについては、次のような態様を好ましく採用することができる。
図3は、矩形板状のスペーサ24の場合である。図4及び図5は、矩形板状のスペーサ24とリップクリアランスCとの関係を示したもので、図4は、スペーサ24がスロット先端から突出する突出長さd(図3参照)が同じ場合である。また、図5は、リップクリアランスCに対して、スペーサ24がスロット先端から突出する突出長さdが長く、バックアップローラ20の回転方向に折れ曲がる形で、スペーサ24がウエブ面に当接している場合である。図5の場合には、折れ曲がった先端部厚みがリップクリアランスCと同じになることが好ましい。
図6は、矩形板状のスペーサ24の先端部外側を三角形状に切り取って、スペーサ24の先端とウエブ22との接触面積を小さくした場合である。図7は、スペーサ24先端部に、ウエブ22の走行方向に沿った張り出し部24Aを形成してL字状のスペーサ24としたものである。この場合、張り出し部24Aはウエブ22の走行方向下流側に張り出していることが好ましい。図8は、スペーサ24の先端部に、ウエブ22の走行方向に沿ったT字状の張り出し部24Aを設けたスペーサ24である。これら図7及び図8の張り出し部24Aの厚みは、図9のように、リップクリアランスCと同等になることが好ましい。更に図10は、図3のスペーサ24の先端部下面側(ウエブ走行方向の上流側)にテーパを形成したものである。
また、図11(A)は、矩形状の一般的なスペーサスであり、W1はスペーサ幅である。図11(B)は、図11(A)よりも幅の大きな矩形状のスペーサ24先端面の塗布内側(スロット幅方向の中央部側)にV字状の溝24Cを形成したものである。W2は塗布内側のスペーサ端から溝24Cまでの距離、W3は溝24Cの幅(溝上端の幅)、W4は溝24Cから塗布外側のスペーサ端までの距離を示す。したがって、W2+W3+W4が、スペーサ全幅のW1となる。
また、図11(C)は、矩形状のスペーサ24先端面の塗布内側(スロット幅方向の中央部側)にV字状の溝24Cを形成したものである。W2、W3、W4は、図11(B)と同様である。これにより、塗布端部において濡れ広がろうとする塗布液は、溝24Cで濡れ広がりが停止し、それ以上の濡れ広がりが進まない。これにより、濡れ広がりに起因するビード幅方向端部の不安定化を防止できる。なお、図11では、V字状の溝24Cと凹状の溝24Cの例で説明したが、溝であれば特に形状は問わない。また、図11では、矩形板状のスペーサ24の先端面24Bに溝を形成したが、図7、図8のように張り出し図24Bを有するスペーサの先端面24Bに溝を形成してもよい。
また、図2に示すように、ビードL1の下方には減圧ボックス26が設けられ、ビードL1のウエブ走行方向上流側を減圧する。減圧ボックス26は、箱状に形成され、箱の上面がウエブ幅方向に長尺状に開放される。そして、スロットダイ12のリップ片面12Aとバックアップローラ20に支持されたウエブ22の面とで密閉空間28を形成する。減圧ボックス26は、図示しない真空装置に連結される配管30が接続され、真空装置を駆動することにより、密閉空間28を減圧する。減圧度としては、0.01〜2.0kPaの範囲が好ましい。 なお、図示しないが、減圧ボックス26と真空装置との間にバッファータンク(図示せず)を設けて、密閉空間28内の減圧度が変動しないようにすることが好ましい。
次に、上記の如く構成されたエクストルージョン塗布装置10の作用について説明する。
スロットダイ12内のポケット部14に供給された塗布液Lは、該ポケット部14で塗布幅方向(ウエブ幅方向と同じ)に拡流し、一対のスペーサ24によって塗布幅規制されたスロット16を上昇してスロット先端から吐出される。これにより、スロットダイ12のエッジ面18とウエブ22との間のリップクリアランスCに塗布液Lが架橋し、ビードL1(塗布液溜まり)が形成される。
かかる塗布において、ビード幅方向(ウエブ幅方向と同じ)の両端部からビードL1が切れてビードL1が破壊することがある。特に、薄膜塗布のように、スロット16から吐出する塗布液Lの吐出量が少ない場合にビードL1が崩壊し易い。例えば、低粘度(10mPa・s以下)の塗布液をリップクリアランスを例えば300μm以下の薄膜で高速塗布を行う場合には、塗布端部における塗布液の濡れ広がりが大きくなり、ビード幅方向両端部におけるビードが安定化しにくい。これにより、塗布膜の幅方向における膜厚分布が発生する。
そこで、本発明では、スペーサ24をスロット16の先端から突出させてウエブ22の面に当接させるようにした。これにより、ビード幅方向の両端部がスペーサ24に接触することで安定して保持されると共に、塗布端部における塗布液の濡れ広がりが抑制される。この結果、ビード幅方向の両端部におけるビード状態が安定化するので、塗布の高速化や薄膜化に対してもビード幅方向の両端部からビードが切れて破壊しにくくなる。したがって、塗布の高速化や薄膜化に対しても安定塗布を行うことができる。この場合、スペーサ24先端面にV字状やの凹状の溝24Cを形成すれば、塗布液の濡れ広がりを一層抑制できる。
更に、本発明の別の態様としては、スペーサ24の先端部に、ウエブ22の走行方向に沿った張り出し部24Bを設け、L字状やT字状のスペーサ24とすることで、ビード幅方向の両端部におけるビード状態を更に安定化することができる。
なお、本実施の形態では、スペーサ24の先端部形状の好ましい態様を示したが、これに限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない形状は全て含まれる。
次に、本発明のエクストルージョン塗布装置の実施例を説明する。
実施例の試験は、可撓性部材で作成したスペーサ24の先端部をスロット先端から突出させてウエブ面に当接させた。
[実施例で使用したスペーサ]
実施例1…図11(A)の矩形状のスペーサ24で、スペーサ24の幅W1が2mmのもの。表図12〜14の項目「形状」で「1」が該当する。
実施例2…図11(A)の矩形状のスペーサ24で、スペーサ24の幅W1が1mmのもの。表図12〜14の項目「形状」で「2」が該当する。
実施例3…図11(C)に示すように先端面24Bに凹状の溝24Cを有するスペーサ24で、塗布内側から溝までの幅W2が2mm、溝幅W3が3mm、溝から塗布外側までの幅W4が5mmのもの。表図12〜14の項目「形状」で「3」が該当する。
実施例4…図11(B)に示すように先端面24BにV状の溝を有するスペーサ24で、塗布内側から溝までの幅W2が2mm、溝幅(上端の幅)W3が3mm、溝から塗布外側までの幅W4が5mmのもの。表図12〜14の項目「形状」で「4」が該当する。
実施例5…図11(C)に示すように先端面24Bに凹状の溝24Cを有するスペーサ24で、塗布内側から溝までの幅W2が2mm、溝幅W3が3mm、溝から塗布外側までの幅W4が95mmのもの。表図12〜14の項目「形状」で「5」が該当する。
実施例6…図11(B)に示すように先端面24BにV状の溝を有するスペーサ24で、塗布内側から溝までの幅W2が2mm、溝幅(上端の幅)W3が3mm、溝から塗布外側までの幅W4が95mmのもの。表図12〜14の項目「形状」で「6」が該当する。
[塗布液]
塗布液は反射防止膜用の塗布液を使用した。この塗布液の屈折率は1.42であり、熱架橋性含フッ素ポリマーの6重量%のメチルエチルケトン溶液(JN−7228、JSR(株)製)93gに、MEK−ST(平均粒径10nm〜20nm、固形分濃度30重量%のSiO2 ゾルのメチルエチルケトン分散物、日産化学(株)製)8g、メチルエチルケトン94g及びシクロヘキサノン6gを添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタ(PPE−01)で濾過して、低屈折率層用の塗布液を調製した。
塗布液は、粘度が0.5mPa・sで、表面張力が23dynのものを基本的に使用し、粘度や表面張力の影響を調べる試験では、次のようにして粘度や表面張力を変更した。即ち、塗布液の粘度を変更する際はメチルエチルケトンとシクロヘキサノンの比率を変更するか、もしくはモノマー系の増粘剤を後から添加して調整した。
スペーサ24をスロットの両端に挿入して塗布幅を1300、1480、1500mmの3水準に設定した。
なお、比較例としては、スペーサを従来のように、スペーサの先端面がスロット先端と面一になるようにした。
(試験1)
試験1では、塗布量、塗布液の液粘度、塗布速度、リップクリアランス(表図12〜14には「リップCL」と表示)、減圧ボックスの減圧値、の塗布条件を変更した。なお、実施例では、スペーサ24のスロット先端からの突出長さdを1000μmとして、リップクリアランスCよりも大きくし、スペーサ24の先端部がバックアップローラ20の回転方向に折れ曲がる形でウエブ面に当接するようにした(図5参照)。
比較例としては、図11(A)に示すW1が2mmの矩形状スペーサ24を従来のように、スペーサ24がスロット先端と面一になるようにした。即ち、スロット先端からスペーサ先端部が突出しない。
そして、上記の設定した規定塗布幅に対する塗布液の濡れ広がり長さを測定した。また、得られた塗布膜の幅方向における反射率分布を測定することで、塗布膜幅方向の膜厚分布を評価した。反射率分布は、反射率の(最大値−最小値)/平均値を用いて算出した。
試験1の結果を表図12に示した。
その結果、比較例1〜4は、塗布端部における塗布液の濡れ広がりが6mm〜15mmと大きく、その結果、塗布膜幅方向の膜厚分布が5.7%〜9.5%と大きくなり、光学フィルムを製造する際の目標値である膜厚分布1%以下を達成できなかった(×の評価)。
これに対して、実施例1〜28は、塗布端部における塗布液の濡れ広がりが1mm〜2mmと非常に小さく、その結果、塗布膜幅方向の膜厚分布が0.5%〜1.0%と非常に小さくなり、目標の膜厚分布1%以下を達成できた(○の評価)。
(試験2)
試験2では、実施例1で使用した「形状1」のスペーサ24を使用し、スペーサ24の突出長さdを変更した以外は、実施例3の塗布条件をベースとして試験し、濡れ広がりの長さ、及び塗布膜の膜厚分布を調べた。その結果を表図13に示す。
表図13から分かるように、スペーサの突出長さdがマイナス50μmであり、スロット先端からスロット内に没入している比較例5の場合、塗布液の濡れ広がりがスペーサ24を乗り越えて形成されてしまい、濡れ広がりを抑制することは困難であった。スペーサ24の先端とスロット16の先端とが面一の比較例6の場合も同様であった。
その結果、比較例5は、塗布液の濡れ広がりが10mmと大きく、塗布膜の膜厚分布は7%と大きく×の評価であった。また、比較6は、塗布液の濡れ広がりが7mmと大きく、塗布膜の膜厚分布は6%と大きく×の評価であった。
また、比較例7のように、スペーサの突出長さdが50μmであり、スペーサ24の先端がウエブ面に当接していない場合、換言すると、スペーサ24の先端部厚みが50μmでリップクリアランスCの130μmよりも小さい場合には、塗布液の濡れ広がりが4mmと充分小さくできなかった。その結果、塗布膜の膜厚分布は3%と大きく△の評価であった。このように、スペーサ24の先端がウエブ面に当接しない条件下で行った比較例5〜7では、目標の膜厚分布である1%以下を達成することはできなかった。
これに対して、スペーサの突出長さdがリップクリアランスCよりも大きく、スペーサがバックアップローラ20の回転方向に折れ曲がった形でウエブ面に当接する実施例29〜32の場合には、塗布液の濡れ広がりが1mmと充分小さくでき、膜厚分布も0.50〜0.55mmと目標の1%以下を達成できた。なお、実施例29〜32での折れ曲がり部の厚みは全てリップクリアランスCと同じ130μmであった。
(試験3)
試験3は、実施例1で使用した「形状1」のスペーサを使用し、主として、リップクリアランスCを130μmから320μmまで大きくした場合、及び塗布液の液粘度を0.5mPa・sから12mPa・sまで大きくした場合の塗布液の濡れ広がりや膜厚分布への影響を調べた。
その結果を表図14に示す。
表図14から分かるように、実施例の33〜43は、リップクリアランスCを130μmから320μmまで変更しても、また液粘度を0.5mPa・sから12mPa・sまで変更しても、塗布液の濡れ広がりは1mmと小さかった。その結果、塗布膜の膜厚分布も0.5%〜0.7%となり、目標を達成できた。
また、スペーサ24の先端がウエブ面に当接しておらず、液粘度が0.5mPa・sと小さい比較例7であっても、リップクリアランスCが320μmで300μm以上の厚塗り塗布条件であれば濡れ広がりや膜厚分布は合格の○評価であった。
また、スペーサ24がウエブ面に当接しておらず、リップクリアランスCが300μmである比較例8であっても、塗布液の液粘度が12mPa・sで10mPa・s以上の場合には、濡れ広がりや膜厚分布は合格の○評価であった。
即ち、リップクリアランスCが300μmより大きい場合は、スペーサ24の先端がウエブ面に当接していなくても濡れ広がりや膜厚分布において本発明と差異は無かった。これは、リップクリアランスCが広いことで、毛管現象が起こりにくいのが原因と考えられる。また、塗布液の液粘度が10mPa・sを超える場合にも同様な結果であり、スペーサ24の先端がウエブ面に当接していなくても濡れ広がりや膜厚分布において本発明と差異は無かった。
このことから、本発明のエクストルージョン塗布装置は、塗布液の低液粘度から高液粘度まで、及びリップクリアランスCの小さい薄膜塗布から厚塗り塗布まで幅広く対応することができる。そして、本発明は、特に、リップクリアランスCが300μm以下の薄膜塗布や液粘度が10mPa・s以下の低粘度塗布液において一層の効果を発揮することが分かる。
本発明のエクストルージョン塗布装置を上から見た平面図 本発明のエクストルージョン塗布装置の側面断面図 スロットから突出するスペーサを示す部分広大図 スペーサの突出状態の一態様を示す斜視図 スペーサの突出状態の別態様を示す斜視図 スペーサの形状の別態様を示す斜視図 スペーサの形状において張り出し部を有する態様を示す斜視図 スペーサの形状において張り出し部を有する別態様を示す斜視図 折曲部を有するスペーサの厚みとリップクリアランスとの関係を示す説明図 スペーサの先端部下面にテーパを形成した説明図 スペーサの先端部における各種態様を説明する説明図 実施例の試験1を説明する表図 実施例の試験2を説明する表図 実施例の試験3を説明する表図
符号の説明
10…エクストルージョン塗布装置、12…スロットダイ、14…ポケット部、16…スロット、18…スロットダイ先端のエッジ面、20…バックアップローラ、22…ウエブ、24…スペーサ、26…減圧ボックス、L…塗布液、L1…ビード

Claims (7)

  1. バックアップローラに巻き掛けられて連続走行するウエブと、塗布液をスロットから吐出するスロットダイ先端との間のリップクリアランスに前記吐出した塗布液を架橋させてビードを形成し、該ビードを介して塗布液を前記ウエブに塗布すると共に、前記スロットの幅方向両端部に塗布幅規制のためのスペーサが挿入されたエクストルージョン塗布装置において、
    前記スペーサの少なくとも先端部を可撓性部材で形成すると共に、前記先端部を前記スロット先端から突出させて前記ウエブ面に当接させた状態で塗布することを特徴とするエクストルージョン塗布装置。
  2. 前記スペーサの先端部には、前記ウエブ面に当接しない少なくとも1つの溝を有することを特徴とする請求項1のエクストルージョン塗布装置。
  3. 前記スペーサの先端部に、前記ウエブの走行方向に沿った張り出し部を有することを特徴とする請求項1又は2のエクストルージョン塗布装置。
  4. 前記ビードのウエブ走行方向上流側を減圧する減圧ボックスを備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエクストルージョン塗布装置。
  5. 前記塗布の速度は、5m/分以上、100m/分以下であることを請求項1〜4の何れかに記載のエクストルージョン塗布装置。
  6. 前記ウエブに塗布される塗布液の液粘度は10mPa・s以下であると共に、前記リップクリアランスCは300μm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のエクストルージョン塗布装置。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のエクストルージョン塗布装置を用いてウエブに塗布液を塗布する工程を含むことを特徴とする塗膜付きウエブの製造方法。
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