JP5149455B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクが貯留されたインク貯留部とインクを吐出するプリンタヘッドとを繋ぐインク供給路に介装されてプリンタヘッドに供給されるインクの圧力を調圧するインクジェットプリンタ用の調圧弁に関する。
大型のポスターやのぼり等を製作するために用いられる工業用のインクジェットプリンタは、単位時間当たりのインク消費量が極めて多いため、容量の大きなインク貯留部(インクタンク等)を装置本体側に設け、このインク貯留部とキャリッジに設けられたプリンタヘッドとの間を樹脂製チューブ等により接続してインクを供給するように構成される。この際、プリンタヘッドへのインク供給圧力は、プリンタヘッドによるインクの吐出作用を阻害することなくインクの漏出を防止するため、ノズルにおいてインク液面がメニスカスを形成する所定の微負圧となるように設定することが求められる。そのための手段として、インク貯留部におけるインクの液面高さがノズルの高さよりも幾分低くなるように構成した水頭方式と、インク貯留部とプリンタヘッドとを繋ぐインク供給路の経路途上に調圧弁を設け、調圧弁よりもプリンタヘッド側の圧力が微負圧になるように構成した調圧弁方式とが知られている。
調圧弁方式において用いられる調圧弁は、基体となるケース部材の一側面側に設けられてプリンタヘッドに接続される負圧発生部と、仕切壁を挟むケース部材の他側面側に設けられてインク貯留部に接続される封止弁とを主要な要素として構成される。負圧発生部は、ケース部材の一側面側に設けられた第1凹部および第1凹部を覆う可撓部材により形成されてプリンタヘッドに繋がる負圧室と、可撓部材に固着された受圧部材と、受圧部材を負圧室の外方に付勢する受圧付勢手段とからなり、封止弁は、ケース部材の他側面側に第1凹部と同軸上に設けられた第2凹部および第2凹部を覆う遮蔽部材により形成されてインク貯留部に繋がる圧力室と、この圧力室に設けられて負圧室と連通する開口を介して受圧部材と係脱し開口を開閉する弁体と、弁体を閉弁方向に付勢する弁付勢手段とから構成される(例えば、特許文献1を参照)。
このような調圧弁では、受圧付勢手段により付勢された受圧部材が可撓部材を外方に張り出して負圧室の容積を拡大させるように作用し、これにより負圧室につながるプリンタヘッドからインクが吸い上げられて微負圧が生じるようになっている。プリンタヘッドからインクが吐出されて負圧室内のインクが消費され負圧が増大すると、大気圧との差圧により可撓部材が負圧室の内方に撓んで付勢力に抗して受圧部材を移動させ、受圧部材が弁体を押圧して封止弁を開弁させる。そのため圧力室のインクが開口を通って負圧室に供給され、これらの作用によってインクの消費に応じた量のインクが負圧室に供給され、かつ調圧弁の出口圧力、すなわちプリンタヘッド側のインク供給路の圧力が所定の微負圧に維持されるようになっている。
特開2007−76373号公報
上記のようなインクジェットプリンタ用の調圧弁には、プリンタヘッドによるインクの吐出作用を阻害することなく、ノズルからのインクの漏出を防止する機能が求められることから、インク貯留部から導かれるインクの圧力を−0.5〜−4kPa程度の狭い圧力範囲の所定負圧(以下、「ヘッド供給圧」という)に調圧して、プリンタヘッドに供給することが求められる。そして、このヘッド供給圧とインク供給との関係は、大気圧との差圧が作用する可撓部材の受圧面積、受圧付勢手段の付勢力、インク貯留部に貯留されたインクの液圧が作用する弁体の受圧面積、弁付勢手段の付勢力を主要な因子として規定される。
ところが、ばねに代表される受圧付勢手段や弁付勢手段が発生する付勢力は、各付勢手段の個体差や組みつけ状態によってばらつきがあり、付勢力を低下させた付勢手段を安定的に構成(製造)することは極めて難しい。このような場合に、ヘッド供給圧が前記範囲を超えてさらに低圧(例えば−5kPa)になると、ノズルにおいてメニスカスが破壊されて吐出不能になったり、インクに溶存する微細な空気が負圧室内で気泡となってヘッド供給圧が変動しインク吐出が不安定化したりするおそれが生じる。そのため、受圧付勢手段や弁付勢手段が発生する付勢力のばらつきやインク貯留部に貯留されたインクの液圧変動に対する許容範囲(マージン)を大きく取ろうとすれば、可撓部材の受圧面積を拡大せざるを得ず、調圧弁が大型化するという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、調圧弁を大型化することなく、より高いヘッド供給圧でも安定的にインク供給が可能なインクジェットプリンタ用の調圧弁を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、インクが貯留されたインク貯留部とインクを吐出するプリンタヘッドとを繋ぐインク供給路に介装されて前記プリンタヘッドに供給されるインクの圧力を調整するインクジェットプリンタ用の調圧弁であって、基体となるケース部材は、第1凹部および前記第1凹部を覆う可撓部材により形成されて前記プリンタヘッドに繋がると共に当該プリンタヘッドに負圧を付与する負圧室と、第2凹部および前記第2凹部を覆う遮蔽部材により形成されて前記インク貯留部に繋がる圧力室とを備え、前記ケース部材には、一側面側および他側面側の間に仕切壁が設けられると共に、該仕切壁に対して前記一側面側に前記負圧室および前記圧力室が並設され、前記仕切壁は、前記負圧室および前記圧力室それぞれの底部を構成し、該仕切壁を貫通して前記負圧室の底部に開口形成される第1開口と、該仕切壁を貫通して前記圧力室の底部に開口形成される第2開口とが、貫通方向を同じくして設けられており、さらに、前記ケース部材には、前記仕切壁に対して前記他側面側に、前記負圧室に形成された第1開口および前記圧力室に形成された第2開口をインクが流通可能に連通した連絡流路室が設けられ、前記連絡流路室内には、一端が前記可撓部材に固着された受圧部材と前記第1開口を介して係脱する第1係合部と、他端が前記第2開口を開閉する弁体と該第2開口を介して係脱する第2係合部と、前記第1係合部および前記第2係合部の間に配設された揺動支点とを有する作動杆が設けられており、前記受圧部材が前記負圧室の容積の減少に伴って移動されたときに、前記第1係合部が前記受圧部材に押圧されて前記作動杆が揺動し前記第2係合部が前記弁体を開弁方向に移動させるように構成され、前記アーム部における、前記揺動支点と前記第1係合部とを結ぶ前記第1アーム部の長さを、前記揺動支点と前記第2係合部とを結ぶ第2アーム部の長さよりも大きく設定されてインクジェットプリンタ用の調圧弁が構成される。
なお、本発明において、前記作動杆は、前記第1アーム部の長さLaと前記第2アーム部の長さLbとの比がLa:Lb=1.2:1〜3:1であるように構成することが好ましい。
本発明によれば、調圧弁を大型化することなく、付勢手段のばらつきやインクの液圧変動に対する許容範囲(マージン)を大きくとることができ、より高いヘッド供給圧でも安定的にインク供給が可能なインクジェットプリンタ用の調圧弁を提供することができる。
本発明に係る調圧弁の主要構造を示す代表断面図(図5中のI−I矢視の断面図)である。 本発明の適用例として示すインクジェットプリンタの正面図である。 インク供給路の概略図である。 ケース部材の側面を覆うフィルムを取り外した状態で内部構造を示す一側面側の斜視図である。 ケース部材の側面を覆うフィルムを取り外した状態で内部構造を示す他側面側の斜視図である。 ケース部材の構成を示す一側面側の斜視図である。 ケース部材の構成を示す他側面側の斜視図である。 図1と同様の断面図であり、受圧部材が負圧室の外方に張り出された状態(a)と、負圧室の内方に引き込まれた状態(b)とを示す説明図である。 連携機構を構成する作動杆の斜視図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る調圧弁を適用したインクジェットプリンタの一例として、印刷対象面に沿った直交二軸のうち、一軸を印刷媒体移動、他の一軸をプリンタヘッド移動とした構成形態のインクジェットプリンタ(以下、プリンタ装置と称する)Pを図2に示しており、この図を参照してプリンタ装置の概要構成について説明する。なお、この概要説明では、図2の配置姿勢に基づき上下左右を規定し、紙面直行の手前側を前方、裏面側を後方と称して説明する。
プリンタ装置Pは、全体として矩形箱状をなし描画機能を果たすボディ部1と、このボディ部1を支持する左右の脚部2a,2bからなる支持脚2とを備えて構成される。ボディ部1は、下ボディ部12と、この下ボディ部12の右側に設けられた右ボディ部13および左側に設けられた左ボディ部14と、下ボディ部12の上方に離間して平行に延び左右ボディ部14,13を繋ぐ上ボディ部15などからなり、これらのボディ部12,13,14,15に囲まれて印刷媒体Mを前後に挿通させる横長窓状のメディア挿通部11が形成される。
メディア挿通部の下側に位置する下ボディ部12の上面には、左右に延びてプラテン12aが設けられるとともに、このプラテン12aに上部周面が露出して円筒状のメディア送りローラが設けられており(不図示)、プラテン12a上に印刷媒体Mが載置され、上ボディ部15の下面側に設けられたピンチローラ15aに押さえつけられた状態で、メディア送りローラを回転させることにより印刷媒体Mが前後方向に搬送されるように構成される。
上ボディ部15の内部には、いずれも詳細図示を省略するが、メディア挿通部11の上方に位置して左右に延びるガイドレールが取り付けられ、このガイドレールに嵌合するスライドブロックを介してキャリッジが左右に移動自在に設けられる。キャリッジには、複数のノズル列を有するプリンタヘッドがプラテン12aと対向して取り付けられるとともに、上ボディ部15および左右ボディ部にキャリッジを移動させるキャリッジ移動機構が設けられており、プラテン12aに支持された印刷媒体Mの上方をプリンタヘッドが左右往復移動されるように構成される。
右ボディ部13には、前面側に操作スイッチ類や表示装置類が設けられ、右ボディ部と隣接する下部ボディ部12に、インク交換時の吸引作動やプリンタヘッドの洗浄等を行うメンテナンスステーションが設けられている。左ボディ部14の上部には、複数の受容スロットを有する箱状のカートリッジ取付部16が設けられており、このカートリッジ取付部16の各受容スロットに、インク貯留部であるカートリッジ式のインクタンク18が前面側から着脱可能になっている。図3にインク供給路の概略図を示すように、各受容スロット16aの奥部には、インクタンク18側のインク供給口と嵌脱自在な接続部19が設けられており、受容スロット16aにインクタンク18が装着されたときに、接続部19がインクタンク18と接続してタンク内部に貯留されたインクがプリンタ装置に受け入れられる。接続部19には、柔軟性を有する樹脂製のインクチューブ21が接続されて左ボディ部14および上ボディ部15内を延び、キャリッジ30に設けられたプリンタヘッド35に繋がるインク供給路20が形成される。
ここで、プリンタ装置Pでは、カートリッジ取付部16が左ボディ部14の上部に設けられてインクタンク18に貯留されたインクの液面がキャリッジ30に設けられたプリンタヘッド35のノズル面35aよりも高い位置に配設される。すなわち、インクチューブ21の下流端には、インクタンク18の液面との高さの差(水頭)に応じた加圧力が作用する。インクタンク18がプリンタヘッド35より低い位置に装着されるものであっても、インクタンクを加圧してインクを圧送するような形態のプリンタにおいて同様である。
プリンタ装置Pでは、プリンタヘッド35へのインクの供給圧力を微負圧にするため、インクタンク18とプリンタヘッド35とを繋ぐインク供給路20に、インクの圧力を調整する調圧弁(加圧ダンパとも称される)100が設けられている。本実施形態においては、キャリッジ30に調圧弁100を設け、この調圧弁100の入力ポート101にインクチューブ21を介してインクタンク18が接続され、調圧弁100の出力ポート102にヘッド供給ライン22を介してプリンタヘッド35が接続される。
図1および図4〜図7に、調圧弁100の構成例を示す。ここで、図1は調圧弁100の主要構造を示す代表断面図(図5に付記したI−I矢視の断面図)、図4および図5は、ケース部材の側面を覆うフィルムを取り外した状態で内部構造を示す一側面側の斜視図および他側面側の斜視図、図6および図7はケース部材の構成を示す一側面側の斜視図および他側面側の斜視図である。なお、以降では、説明の便宜上、各図中に付記した矢印F,R,Uの指す方向をそれぞれ前方、右方、上方として説明する。なお、調圧弁100の配設姿勢は、上下方向を除いて適宜設定することができる。
調圧弁100は、この調圧弁100の基体となるケース部材110と、このケース部材110に設けられてプリンタヘッド35に接続される負圧発生部130と、ケース部材110に設けられてインクタンク18に接続される封止弁150と、負圧発生部130と封止弁150とを連携させる連携機構170とを備えて構成される。
ケース部材110は、右左からの側面視における外形形状が、上下および前後の外周壁111(上外周壁111U,下外周壁111D,前外周壁111F,後外周壁111R)に囲まれた横長の長方形で、厚さが薄い矩形箱状をなし、厚さ方向の中間部で仕切壁112により仕切られた表裏(左右)二層の構成になっている。
調圧弁100は、この二層構成を利用して、それぞれ負圧発生部130、封止弁150、および連携機構170からなる調圧弁のユニットを二組設けた構成としている。この二組の調圧弁のユニットについて、一方に符号Aを付して第1調圧ユニット100A、他方に符号Bを付して第2調圧ユニット100Bと表記し、各調圧ユニットの構成部を識別する際には、例えば、第1調圧ユニット100Aの負圧発生部を130A、第2調圧ユニット100Bの負圧発生部を130Bのように、対応する符号Aまたは符号Bを付して表記する。
仕切壁112を挟むケース部材の右側面側(一側面側)には、前方上部に第1調圧ユニット100Aの負圧発生部130A、その下側に第1調圧ユニットの封止弁150Aが設けられ、これらと隣接する前後中間部には第2調圧ユニット100Bの連携機構170B、後部には第2調圧ユニット100Bのフィルタ室192Bが設けられている。
一方、仕切壁112を挟むケース部材の左側面側(他側面側)には、後方上部に第2調圧ユニット100Bの負圧発生部130B、その下側に第2調圧ユニット100Bの封止弁150Bが設けられ、これらと隣接する前後中間部には第1調圧ユニット100Aの連携機構170A、前方には第1調圧ユニット100Aのフィルタ室192Aが設けられている。
負圧発生部130(130A,130B)は、ケース部材110に区画された第1凹部131およびこの第1凹部131を覆うフィルム134により形成されてプリンタヘッド35に繋がる負圧室135、フィルム134に固着された受圧部材140、および受圧部材140を負圧室135の外方に付勢する受圧付勢バネ145などから構成される。
ケース部材110には、仕切壁112に外周壁と同一高さで立設された略円形の囲壁113により区画されて大径の第1凹部131が形成されるとともに、囲壁113の下端から下方に平行に延びる一対の通路壁114により形成されて第1凹部131に繋がるインク導出路132、および下外周壁111Dに突出成型された出力ポート102を貫通してインク導出路132に繋がるインク導出口133が形成されている(図1を参照)。そして、ケース部材110の側面にフィルム134が溶着されると、第1凹部131とその開口面を覆うフィルム134とにより負圧室135が形成され、この負圧室135と出力ポート102とを繋ぐインク導出路132が形成される。そして、出力ポート102に接続されるヘッド供給ライン22を介して、負圧室135がプリンタヘッド35に接続される。
例えば、ケース部材110の右側面側(図4を参照)に第1調圧ユニット100Aにおける負圧発生部130Aの負圧室135が形成され、この負圧室135が、右側面側のインク導出路132、第1調圧ユニット100Aの出力ポート102Aを貫通するインク導出口133、および出力ポート102Aに接続されるヘッド供給ライン22を介して、プリンタヘッド35の第1のノズル列(不図示)に接続される。同様に、ケース部材110の左側面側(図5を参照)に第2調圧ユニット100Bにおける負圧発生部130Aの負圧室135が形成され、この負圧室135が、左側面側のインク導出路132、第2調圧ユニット100Bの出力ポート102Bを貫通するインク導出口133、および出力ポート102Bに接続されるヘッド供給ライン22を介して、プリンタヘッド35の第2のノズル列(不図示)に接続される。なお、第1調圧ユニット100Aの負圧室135と、第2調圧ユニット100Bの負圧室135が、それぞれ異なるプリンタヘッドに接続されるように構成してもよい。
受圧部材140は、全体として、第1凹部131の直径よりも幾分小径の薄い円盤状に形成される。受圧部材140の裏面側の中心部には、棒状の受圧伝達部141が突出成型されるとともに、その外周側に受圧付勢バネ145の外周側を保持する円環状のバネ支持部142が形成されており、受圧付勢バネ145の位置ずれが防止されるようになっている。フィルム134は液密性および遮気性を有する薄肉の透明フィルム材(例えばポリプロピレンとポリエチレンとの積層フィルム)を用いて構成される。受圧部材140は溶着等の固着手段によりフィルム134に一体的に接合される。
一方、受圧部材140と対向する第1凹部131の中心には、受圧伝達部141の直径よりも大径の第1開口136が仕切壁112を貫通して開口形成されるとともに、この第1開口136を囲んで第1凹部側に複数の短円弧状突起(実施形態では等角度ピッチで形成した3ヶ所の短円弧状突起)からなるバネ支持部137が形成されており、受圧付勢バネ145の内周側を保持して受圧付勢バネ145の位置ずれが防止されるようになっている。受圧付勢バネ145は、圧縮コイルスプリングを用いた構成を例示しており、仕切壁112側のバネ支持部137と受圧部材140側のバネ支持部142との間に張り渡されて受圧部材140を負圧室135の外方に付勢し、フィルム134がケース部材110から側方に張り出すように押圧する。受圧付勢バネ145は板バネやねじりバネ等の他の付勢手段を用いて構成してもよい。
負圧発生部140は、仕切壁112側のバネ支持部137に受圧付勢バネ145を掛止し、その上方から受圧部材140が一体接合されたフィルム134を第1凹部131に覆いかぶせ、受圧伝達部141が第1凹部131の中心に位置するように位置決めした状態で、囲壁113および通路壁114の端面にフィルム134を溶着することにより形成される。このとき、受圧付勢バネ145により押圧されたフィルム134が外方に撓んでケース部材110の側端面から所定寸法(例えば1mm程度)外側に張り出した状態になり、受圧部材140を受圧付勢バネ145の付勢力に抗して負圧室135の内方に押圧したときに、フィルム134が内方に撓んでケース部材110の側端面から所定寸法(例えば1mm程度)内側に窪んだ状態になるように、すなわち負圧室135の形成領域において、フィルム134が負圧室135の内外方向(図4〜7における左右方向)に可撓性を有するような状態に張設される(図8を参照)。なお、フィルム134の溶着は、以降説明する封止弁150、および連携機構170の組み付け後に行われる。
負圧発生部130が形成されると、受圧部材140が負圧室135の中央に位置し、受圧伝達部141が第1開口136と同一軸上に位置して、軸方向(左右方向)に変位可能に配設される。受圧部材140は受圧付勢バネ145により負圧室135の外方に付勢されており、外力が作用しない開放状態では、フィルム134がケース部材110の外方に膨らんだ状態で配設される。負圧発生部130の下側に封止弁150が設けられている。
封止弁150(150A,150B)は、ケース部材110に囲壁115により区画された第2凹部151およびこの第2凹部151を覆うフィルム134により形成されてインクタンク18に繋がる圧力室155、圧力室155に設けられた第2開口156を開閉する弁体160、弁体160を閉弁方向に付勢する弁付勢バネ165などを備えて構成される。
第2凹部151は、第1凹部131の下側に位置して仕切壁112に立設された略円形の囲壁115により区画され、第1凹部131よりも小径の円筒状に形成される。第2凹部151の側部には、囲壁115と繋がって水平に伸びる通路壁116により、一端が第2凹部151とダルマ穴状に繋がる第3導入路152cが形成される。第3導入152cは、仕切壁112を貫通して開口形成された連絡口154b(154b1,154b2)を介してケース部材110の他面側に設けられたフィルタ室192に繋がり、このフィルタ室192の側部に形成された第2導入路152b、第2導入路152bの上部に仕切壁112を貫通して開口形成された連絡口154a(154a1,154a2)を介してケース部材の一面側に設けられた第1導入路152a、および上外周壁111Uに突出成型された入力ポート101を貫通して第1導入路152aに連通するインク導入口153に繋がっている。
ケース部材110の両側面にフィルム134が溶着されると、第2凹部151と第2凹部を覆うフィルム134とにより圧力室155が形成され、この圧力室155と入力ポート101のインク導入口153との間を繋ぐ第1,第2,第3導入路152a,152b,152cからなるインク導入路152が形成される。そして、入力ポート102に接続されるインクチューブ21を介して、圧力室155がインクタンク18に接続される。
この構成を、ケース部材110の右側面側に封止弁150Aが設けられる第1調圧ユニット100Aについて具体的に説明すると、圧力室155から前方に延びる第3導入路152cは、この第3導入路152cの前端側に設けられた連絡口154b1を通ってケース部材110の左側面側に設けられたフィルタ室192Aに繋がり、このフィルタ室192Aの側方を通って上外周壁111Uと平行に後方に伸びる第2導入路152b、第2導入路152bの後端部に形成された連絡口154a1を通ってケース部材の右側面上部に設けられた第1導入路152a、上外周壁111Uに突出成型された第1調圧ユニット100Aの入力ポート101Aを貫通するインク導入口153、および入力ポート101Aに接続されるインクチューブ21を介して、カートリッジ取付部16に装着された第1のインクタンク18に接続される。
ケース部材110の左側面側に封止弁150Bが設けられる第2調圧ユニット100Bについても同様であり、圧力室155が、連絡口154b2,154a2により接続される第3,第2,第1導入路152c,152b,152aからなるインク導入路152、第3導入路152cと第2導入路152bとの間に設けられたフィルタ室192B、上外周壁111Uに突出成型された第2調圧ユニット100Bの入力ポート101Bを貫通するインク導入口153、および入力ポート101Bに接続されるインクチューブ21を介して、カートリッジ取付部16に装着された第2のインクタンクに接続される。なお、第2のインクタンクは、一般的には第1のインクタンクと同色のインクを貯留するインクタンクが接続されるが、第1調圧ユニット100Aと第2調圧ユニット100Bとは完全に独立して構成されるため、異なる色彩のインクを貯留するインクタンクに接続して用いることも可能である。
前述したように、圧力室155は、小径の略円筒状に形成されており、この圧力室155の底部に仕切壁112を貫通する第2開口156が開口形成されている(図1を参照)。圧力室155の底部には、中心に第2開口156と略同一径の開口が形成されたゴム弾性を有する円盤状のダンパ封止部材157が弁座として設けられる。圧力室155には、このダンパ封止部材157の外周縁部を固定する円筒状のリテーナリング158が設けられており、ダンパ封止部材157の浮き上がりを防止するとともに、次述する弁体160の外周を支持して、弁体160が滑らかに摺動し得るようになっている。リテーナリング158には、第3導入路152cとの整合位置(水平方向位置)に、このリングの周面を貫通する切り欠き部が形成されており(不図示)、第3導入路152cに導入されたインクが切り欠き部を通って抵抗なく圧力室155に導入されるようになっている。
リテーナリング158の円筒内に、弁体160が収容され、この弁体160を仕切壁112に向けて付勢する弁体付勢バネ165がセットされた状態で、第2凹部151の開口端側を塞ぐエンドキャップ168が圧入固定され、封止弁150が構成される。弁体160は、外径がリテーナリング158の内径よりも幾分小径の薄い円盤状の弁板部161と、弁板部161の中心に突設された第2開口156よりも小径の突起部162とを有し、弁板部161の背面側には弁体付勢バネ165の外周を保持する複数の短円弧状突起からなるバネ支持部163が形成されている。エンドキャップ168の内面側にも弁体付勢バネ165の外周を保持する凹溝上のバネ支持部が形成されている。
弁体付勢バネ165は、圧縮コイルスプリングを用いた構成を例示しており、弁体160側のバネ支持部163とエンドキャップ168側のバネ支持部との間に挟持されて弁体160を常時圧力室155の底部に向けて付勢し、弁体160をダンパ封止部材157に密接させる。このため、弁体160に外力が作用しない状態においては、弁体付勢バネ165の付勢力により弁板部161がダンパ封止部材157に押接されて第2開口156が封止され、圧力室155との連通が遮断された閉弁状態に保持される。一方、弁体付勢バネ165の付勢力に抗して弁体160が移動された場合には、弁板部161がダンパ封止部材157から離間し、第2開口156が開放されて圧力室155と連通する。この場合、圧力室155に位置するインクは第2開口156を通り、仕切壁112を挟んだ他側面側に流出する。この仕切壁112を挟んだ他側面側に、連携機構170が設けられている。
連携機構170(170A,170B)は、ケース部材110に囲壁117により区画された凹溝171およびこの凹溝171を覆うフィルム134により形成され、負圧室135に連通する第1開口136と圧力室155に連通する第2開口156とを結ぶ連絡流路室175と、アーム部の一端に受圧部材140と係脱する第1係合部181、他端に弁体160と係脱する第2係合部182、第1係合部181と第2係合部182との間に揺動支点183を有し、連絡流路室175内に揺動自在に配設された作動杆180とから構成される。
上記のように連携機構170は、圧力室155および負圧室135と仕切壁112を挟んだ反対側の側面に設けられる。すなわち、本実施形態に示す調圧弁100では、第1調圧ユニット100Aの連携機構170Aがケース部材110の左側面側、第2調圧ユニット100Bの連携機構170Bがケース部材110の右側面側に設けられる。連携機構が収容される凹溝171は、仕切壁112から外周壁111と同一高さで立設された囲壁117により区画され、周囲と離隔された縦長溝状に形成される。凹溝171の上端は負圧室135に繋がる第1開口136に合わせて形成され、凹溝171の下端は圧力室155に繋がる第2開口156に合わせて形成されて、これらの開口部136,156を連絡するようになっている。このため、凹溝171を覆って囲壁117の端面にフィルム134を溶着することにより、第1開口136と第2開口156とを結びインクが流通可能な連絡流路室175が形成される。
第1開口136と第2開口156の間に、前後の囲壁117が連絡流路室175の外方に張り出されてコの字状に対向する受け部118,118が形成されており、この受け部118に作動杆180の搖動支点183が支持される。図9に作動杆180の斜視図を示すように、作動杆180は、図9に示す姿勢において、上下に延びるアーム部185と、このアーム部の上端部および下端部にそれぞれアーム部185の延びる方向と直交して前方に突出成型された短円柱状の第1係合部181および第2係合部182と、これらの第1、第2係合部の間にアーム部185の延びる方向および第1、第2係合部の突出方向と直交して左右に突出成型された短円柱状の搖動支点183,183から構成される。
搖動支点183は、アーム部185における第2係合部寄りに形成されており、搖動支点183と第1係合部181とを結ぶ第1アーム部185aの長さLaが、揺動支点183と第2係合部182とを結ぶ第2アーム部185bの長さLbよりも大きく設定されている。具体的には、本実施形態において、第1アーム部185aの長さLaを第2アーム部185bの長さLbの2倍、すなわち、La:Lb=2:1に設定している。作動杆180を搖動自在に支持する受け部118も、第1アーム部185aと第2アーム部185bの長さの比に合わせて形成されており、作動杆180を凹溝171に挿入して搖動支点183,183を受け部118,118に支持させ、搖動支点183,183を覆うようにダンパリンク押さえ187を装着固定することにより、作動杆180が凹溝171内に上下搖動自在に装着支持される。このとき、作動杆の第1係合部181が第1開口136と位置整合して受圧部材140の受圧伝達部141と係脱可能に配設され、作動杆の第2係合部182が第2開口156と位置整合して弁体160の突起部162と係脱可能に配設される。
そして、フィルタ室192(192A,192B)にフィルタ195を装着し、囲壁117を含む外周壁111(111U,111D,111F,111R)全体を覆って各壁面の端面にフィルム134を溶着することにより、第1開口136と第2開口156とを結ぶ連絡流路室175が形成されて連携機構170(170A,170B)が構成されるとともに、既述した負圧発生部130(130A,130B)、封止弁150(150A,150B)が構成され、調圧ユニット100A,100Bからなる調圧弁100が構成される。
次に、このように構成される調圧弁100の作用について、調圧ユニット100Aを例として説明する。調圧ユニット100Aの入力ポート101Aには、インクチューブ21を介してインクタンク18が接続され、出力ポート102Aにヘッド供給ライン22を介してプリンタヘッド35が接続される。図8(a)(b)に、図1と同様の断面視において、受圧部材140が負圧室135の外方に張り出された状態(a)と、負圧室135の内方に引き込まれた状態(b)とを示す。
インクタンク18からインクチューブ21を介して入力ポート101Aに供給されたインクは、この入力ポート101Aに形成されたインク導入口153からケース内に導入され、第1導入路152aから連絡口154a1および第2導入路152bを通ってフィルタ室192Aに入り、フィルタ195により濾過されたインクが連絡口154b1および第3導入路153cを通って封止弁150Aの圧力室155に導入される。初期のインク充填時には、ノズル面からのインク吸引動作により負圧室135が負圧とされて封止弁150Aが開弁され、圧力室155のインクが第2開口156を通って連絡流路室175を流れ、この連絡流路室上端の第1開口136を通って負圧室135に流入する。負圧室135に流入したインクはインク導出路132を流下し、出力ポート102Aに形成されたインク導出口133からヘッド供給ライン22を通ってプリンタヘッド35に供給される。
このようにしてインクタンク18からプリンタヘッド35までのインク供給路20がインクで充満され、インク吸引動作が停止すると、プリンタヘッド35のノズル面35aが大気圧となり負圧室135の内圧が上昇する。すると、受圧付勢バネ145の付勢力を受ける受圧部材140がフィルム134を撓ませながら負圧室135の外方に移動し、受圧伝達部141が第1係合部181から離隔する方向に移動する。そのため、第2係合部182および弁体160を介して弁付勢バネ165の付勢力を受ける作動杆180が、図1において時計回りに搖動し、弁板部161がダンパ封止部材157に密接して封止弁150Aが閉弁される(図8(a)を参照)。
封止弁150Aが閉弁すると、インク供給路20は弁体160の配設位置で遮断され、弁体160よりも下流側の流路に位置するインクは、毛細管現象により流路内に閉じ込められた状態になる。ここで、受圧部材140は受圧付勢バネ145により負圧室135の外方に付勢されており、フィルム134は負圧室135の容積を拡大させる方向(張り出し方向)に押圧されている。そのため、弁体160よりも下流側の流路に位置するインクには、負圧室135に吸い込まれるような負圧が作用する。従って、プリンタヘッド35にインクタンク18との水頭差に基づく圧力が作用するようなことはなく、受圧付勢バネ145の付勢力に応じた微負圧が作用し、ノズル面においてメニスカスが形成される。
一方、プリンタ装置Pにおいて描画が開始され、プリンタヘッド35のノズルからインクが吐出されると、負圧室135に貯留されたインクが吐出に応じて消費され、これに伴って負圧室135の圧力が徐々に低下する。このとき、フィルム134を介して大気圧を受ける受圧部材140には、大気圧と負圧室の内圧との差圧および受圧面積に応じた圧力が作用し、この圧力と受圧付勢バネ145の付勢力とが釣り合う位置に受圧部材140が配設される。そのため、受圧部材140は、インクの消費とともに負圧室135の内方に移動し、受圧伝達部141が作動杆の第1係合部181と係合して作動杆180を図1における反時計回りに搖動させ、突起部162と係合する第2係合部182が弁体160を押圧する。
この弁体160への押圧力が増大して弁付勢バネ165による弁体閉止力(開弁閾値)を超えると、弁体160が弁付勢バネ165の付勢力に抗して開弁方向に移動されて弁板部161がダンパ封止部材157から離隔し、封止弁150Aが開弁される(図8(b)を参照)。
ここで、調圧弁100においては、受圧部材140に作用する圧力が、連携機構170の作動杆180を介して弁体160に伝達されるように構成され、この作動杆180の搖動支点183をはさむ受圧部材140側の第1アーム部185aの長さLaが、弁体160側の第2アーム部185bの長さLbよりも大きく設定されている。そのため、受圧部材140から作動杆180に伝達された力が、いわゆる「てこの原理」により、第1アーム部185aの長さLaと第2アーム部185bの長さLbの比La:Lbに応じて拡大され、La:Lb=2:1とした場合には、受圧部材140から作動杆180に作用する力が2倍に拡大されて弁体160に伝達される。
このため、弁付勢バネ165のばらつきや封止弁150を構成する各部材の寸法精度・組み立て精度等に基づく付勢力のばらつき、ダンパ封止部材157の変形や損耗、弁体160とダンパ封止部材157との張り付き、インクタンク18側のインクの液面変化や加圧力変化に基づく圧力室155の内圧変化、などに起因した開弁閾値の変動に対して、負圧室の受圧面積を拡大した場合のような調圧弁の大型化を伴うことなく、略一定の負圧範囲で封止弁150を開閉させることができ、上記のような変動に対する許容範囲(マージン)を大きくとることができる。また、負圧室135の圧力が作動杆180により拡大される構成のため、負圧室135の圧力を従来の所定負圧よりも高く(大気圧に近く)設定することが可能となり、メニスカスの破壊を生じさせない高いヘッド供給圧で安定的にインク供給が可能な調圧弁を提供することができる。
上記のようにして封止弁150Aが開弁状態になると、圧力室155と連絡流路室175とが第2開口156を介して連通され、圧力室155に位置するインクが第2開口156、連絡流路室175および第1開口136を通って負圧室135に流入する。これにより負圧室135の内圧が上昇して受圧付勢バネ145の付勢力により受圧部材140がフィルム134を張り出させながら移動し、弁付勢バネ165の付勢力により作動杆180を搖動させながら弁体160が閉弁方向に移動する。そして、弁体160の弁板部161がダンパ封止部材157に密着して封止弁150Aが閉弁され、インク供給路20の遮断により弁体160よりも下流側の流路が微負圧状態に保持される。
従って、弁体160よりも下流のプリンタヘッド側の流路は、常にインクの吐出に好適な微負圧の状態に保持され、かつプリンタヘッド35から吐出されたインクの消費に応じて負圧室135に逐次インクが供給される。この作用は、第2調圧ユニット100Bについても同様である。
このように構成された調圧弁100は、各調圧ユニットにおける負圧発生部130および封止弁150がケース部材110の一側面側に設けられ、連携機構170が仕切壁112を挟んでケース部材110の他側面側に設けられている。このような構成によれば、単一のケース部材110の表裏を有効に活用して連携機構170を設けた調圧弁を構成することができ、ケース部材を多層構成化したり金型を複雑化したりすることなく、簡明な構成で、連携機構170による倍力機能を備えた調圧弁を提供することができる。
また、第1調圧ユニット100Aと第2調圧ユニット100Bとを、仕切壁112を挟んでケース部材110の一側面側と他側面側とに表裏逆向きの配置関係、すなわち、仕切壁112を挟んで背中合わせに設けている。このため、調圧弁の配置スペースを半減してスペースが限られるキャリッジ上に余裕をもって配設できるとともに、キャリッジの移動質量を低減することができ、これにより小型の駆動系で高速移動可能なプリンタ装置を構成することが可能になる。さらに、既に説明した各図から明らかなように、第1の負圧発生部130Aの負圧室135と、第2の負圧発生部130Bの負圧室135とを、仕切壁112を挟むケース部材110の表裏に一部重なるように重複領域を設けて形成している。これにより、インクジェットプリンタ用の調圧弁の特性上最も大きな面積を占める負圧室135の形成領域を重複領域の長さ分削減することができ、独立した2ユニットからなる調圧弁をさらに小型化してコンパクトな調圧弁を提供することができる。
なお、以上説明した実施形態では、封止弁150として、ダンパ封止部材157と弁体160とを別体に形成した構成を例示したが、弁体160にダンパ封止部材157を接着あるいは溶着等により接合し、あるいはモールド等の手段によりこれらを一体的に形成してもよい。また、作動杆180における第1アーム部185aの長さLaと第2アーム部185bの長さLbをLa:Lb=2:1とした構成を例示したが、La>Lbであればその長さの比に応じた拡大効果が得られる。一方、この比率を大きくすれば受圧部材140の移動量に対する弁体160の移動量がその逆数に比例して小さくなる。このため、上記長さの比はLa:Lb=1.2:1〜3:1程度の範囲で設定することが好適である。
また、実施形態では、インクタンク18と調圧弁100との高さの差(水頭)を利用してインクタンク18に貯留されたインクを供給する構成を例示したが、例えば可撓性のインクパックを外周側から空圧やバネにより加圧して調圧弁100に供給するような加圧方式の構成においても同様に適用し同様の効果を得ることができる。なお、キャリッジの移動形態は一軸移動に限らず他の移動形態であってもよい。
P インクジェットプリンタ
18 インクタンク(インク貯留部)
20 インク供給路
35 プリンタヘッド
100 調圧弁
100A 第1調圧ユニット
100B 第2調圧ユニット
110 ケース部材
112 仕切壁
130 負圧発生部
(130A:第1調圧ユニットの負圧発生部、130B:第2調圧ユニットの負圧発生部)
131 第1凹部
134 フィルム(可撓部材、遮蔽部材)
135 負圧室
136 第1開口
140 受圧部材
145 受圧付勢バネ(受圧付勢手段)
150 封止弁
(150A:第1調圧ユニットの封止弁、150B:第2調圧ユニットの封止弁)
151 第2凹部
155 圧力室
156 第2開口
160 弁体
165 弁付勢バネ(弁付勢手段)
170 連携機構
(170A:第1調圧ユニットの連携機構、170B:第2調圧ユニットの連携機構)
171 凹溝
175 連絡流路室
180 作動杆
181 第1係合部
182 第2係合部
183 揺動支点
185 アーム部
185a 第1アーム部(長さLa)
185b 第2アーム部(長さLb)

Claims (2)

  1. インクが貯留されたインク貯留部とインクを吐出するプリンタヘッドとを繋ぐインク供給路に介装されて前記プリンタヘッドに供給されるインクの圧力を調整するインクジェットプリンタ用の調圧弁であって、
    基体となるケース部材は、第1凹部および前記第1凹部を覆う可撓部材により形成されて前記プリンタヘッドに繋がると共に当該プリンタヘッドに負圧を付与する負圧室と、第2凹部および前記第2凹部を覆う遮蔽部材により形成されて前記インク貯留部に繋がる圧力室とを備え、
    前記ケース部材には、一側面側および他側面側の間に仕切壁が設けられると共に、該仕切壁に対して前記一側面側に前記負圧室および前記圧力室が並設され、
    前記仕切壁は、前記負圧室および前記圧力室それぞれの底部を構成し、該仕切壁を貫通して前記負圧室の底部に開口形成される第1開口と、該仕切壁を貫通して前記圧力室の底部に開口形成される第2開口とが、貫通方向を同じくして設けられており、
    さらに、前記ケース部材には、前記仕切壁に対して前記他側面側に、前記負圧室に形成された第1開口および前記圧力室に形成された第2開口をインクが流通可能に連通した連絡流路室が設けられ、
    前記連絡流路室内には、一端が前記可撓部材に固着された受圧部材と前記第1開口を介して係脱する第1係合部と、他端が前記第2開口を開閉する弁体と該第2開口を介して係脱する第2係合部と、前記第1係合部および前記第2係合部の間に配設された揺動支点とを有する作動杆が設けられており、
    前記受圧部材が前記負圧室の容積の減少に伴って移動されたときに、前記第1係合部が前記受圧部材に押圧されて前記作動杆が揺動し前記第2係合部が前記弁体を開弁方向に移動させるように構成され、
    前記アーム部における、前記揺動支点と前記第1係合部とを結ぶ前記第1アーム部の長さを、前記揺動支点と前記第2係合部とを結ぶ第2アーム部の長さよりも大きく設定したことを特徴とするインクジェットプリンタ用の調圧弁。
  2. 前記作動杆は、前記第1アーム部の長さLaと前記第2アーム部の長さLbとの比がLa:Lb=1.2:1〜3:1であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ用の調圧弁。
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