JP5147306B2 - 画像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は記録材上のトナー像を加熱する画像加熱装置に関する。この画像加熱装置としては、記録材上の未定着トナー像を定着する定着装置や記録材に定着されたトナー像を加熱することで画像の光沢度を向上させる光沢向上装置を挙げることができる。また、この画像加熱装置は、電子写真方式を用いた、複写機、プリンタ、FAXもしくはこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置に用いられる。
従来、記録材に形成された未定着トナー像を定着する装置として、ベルトを用いたベルト定着装置が提案されている。
このベルト定着装置は、記録材搬送方向に十分に長い定着ニップを形成することができることから、装置の高速化を図ることができるという点で注目され実用化されている。
このようなベルト定着装置では、ベルトの走行に伴いその走行方向と直交する方向にベルトが寄ってしまう傾向となり、これを対策することが求められる。
例えば、特許文献1では、ベルトの幅方向の位置を検出し、この検出結果に基づいてベルト懸架ローラを傾けることによりベルトを一定範囲内でその幅方向に揺動させている。この寄り規制方式の場合、ベルトの端部が劣化してしまうことは生じないものの、装置が大型化、複雑化する傾向となる。
また、特許文献2では、定着ベルトの幅方向端部にリブを設け、さらに、定着ベルトが寄った際にこのリブと突き当たることでそれ以上の寄り移動を規制する規制部材を設けている。この寄り規制方式の場合、特許文献1の寄り規制方式に比して装置を簡易化することができる。
また、近年、定着ニップを更に長くすることができる方式として、特許文献3に、定着ベルトと加圧ベルトを用いたツインベルト定着装置が提案されている。
このようなツインベルト定着装置においても、やはり、両ベルトが走行に伴い片寄ってしまう傾向となり、これを対策することが求められる。
特開平3−238247号公報 特開平3−25477号公報 特開2004−341346号公報
上述のツインベルト定着装置において、両ベルトの走行に伴う片寄り現象に対して対策を施すことを想定した場合、次の2つが考えられる。
1つは、定着ベルト側も加圧ベルト側も、特許文献1と同様な方式を採用した場合である。この場合、定着ベルトと加圧ベルトのそれぞれに、ベルトの位置検出機構やベルト懸架ローラを変位させる機構を設けることになり、装置の大型化や複雑化は避けられない。
もう1つは、定着ベルト側も加圧ベルト側も、特許文献2と同様な方式を採用した場合である。この場合、定着ベルトと加圧ベルトのそれぞれに、リブを設け、更にリブと突き当たる規制部材をそれぞれ設けることになり、前者ほどではないが、装置が複雑化してしまう傾向となる。
このように、いずれの方式を採用したとしても、装置が大型化したり複雑化してしまい、改善の余地がある。
そこで、本発明の目的は、第1のエンドレスベルトと第2のエンドレスベルトの幅方向への片寄りを簡易な構成で規制することができる画像加熱装置を提供することである。
本発明によれば上記目的を達成することができる。
つまり、本発明は、記録材上のトナー像をその圧接部で加熱する第1のエンドレスベルト及び第2のエンドレスベルトと、この第1のエンドレスベルト及び第2のエンドレスベルトをそれぞれ回転可能に支持する第1のローラ及び第2のローラと、を有する画像加熱装置において、第1のエンドレスベルトと第2のエンドレスベルトの幅方向端部と当接可能に設けられ、第1のエンドレスベルトと第2のエンドレスベルトの走行に伴う設定ゾーンから幅方向外側への移動を規制する規制板を有して、記録材を搬送する方向に直交する幅方向において、前記規制板が、前記第1のエンドレスベルトが前記第1のローラに巻き付く部分と前記第2のエンドレスベルトが前記第2のローラに巻き付く部分とに重なりを持つように配置されることを特徴とするものである。
本発明によれば、第1のエンドレスベルトと第2のエンドレスベルトの幅方向への片寄りを簡易な構成で規制することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。後述の実施例は本発明を適用できる実施形態の一例ではあるものの、本発明は実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において種々の変形が可能である。
本発明に係る画像加熱装置としての定着装置を説明する前に、まず、この定着装置を搭載した画像形成装置の画像形成部について説明する。
(画像形成部)
図2は、電子写真式のフルカラーレーザプリンタである画像形成装置の概略断面図である。
この画像形成装置には、イエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー、ブラックトナーを用いてトナー画像を形成する画像形成部Y、C、M、Kを有しており、これらが垂直方向に並んで設置されている。
各画像形成部Y、C、M、Kは各々共通な構成とされているので、画像形成部Yについて説明を行うことで、画像形成部C、M、Kについての説明を省略する。
画像形成部Yには、像担持体としての電子写真感光体ドラム(以下、ドラムと記す)1が図示矢印方向に回転可能に設けられている。そして、このドラム1の周囲には、帯電器2、現像器3、クリーナ4が設置されている。
画像形成部Yにおいてイエロートナー像は次の手順で形成される。
まず、帯電器2によりドラム1の表面が所定の極性(本例では負極性)に一様に帯電される。このように帯電されたドラム1の表面に、画像データに基づき画像露光光学系5からレーザー光が照射され、静電潜像が形成される。そして、現像器3に充填されたイエロートナーにより静電潜像が可視化される。なお、クリーナ4は、後述する1次転写工程の後、ドラム1上に残留する転写残トナーを除去回収する。
一方、各画像形成部と接するように中間転写ベルト6が設置されており、この中間転写ベルト6は駆動ローラ7、2次転写ローラ対向ローラ14、テンションローラ8の3本のローラに懸架されている。また、中間転写ベルト7の内面には、各画像形成部に対応して、1次転写ローラ9が設置されている。
このように各画像形成部において形成された各色のトナー像は、対応する1次転写ローラへ所定の極性(本例では正極性)の1次転写バイアスを印加することによって、中間転写体6へ順次重ねて1次転写される。
一方、カセット10に収納された用紙等の記録材Sは、給送ローラ11により1枚分離給送されて、搬送路10aを通ってレジストローラ対12に至る。記録材Sは中央基準にて給送される。そして、記録材Sは、レジストローラ対12により所定の制御タイミングで、2次転写ローラ対向ローラ14に懸回されている中間転写ベルト6と2次転写ローラ13との2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、中間転写ベルト6上に形成された4色のトナー像は、2次転写ローラ13に所定の極性(本例では正極性)の2次転写バイアスを印加することで、搬送されてきた記録材Sに一括して2次転写される。
中間転写ベルト6上に残留した転写残トナーはベルトクリーナ15により除去回収される。
トナー像(図1のT)が転写された記録材Sは、搬送路10bを通って定着装置Fに導入され、この定着装置Fによりトナー像が記録材S上に溶融定着される。
定着装置Fによりトナー像が定着された記録材Sは、搬送路10cを通って排出トレイ16に排出される。
(定着装置)
次に、画像加熱装置としての定着装置Fについて図1を用いて説明する。図1は定着装置Fの概略断面図である。ここで、定着装置Fまたはこれを構成している部材について、幅方向とは記録材搬送路面内において、記録材搬送方向に直交する方向に平行な方向である。また、上流もしくは下流とは記録材の搬送方向に関して上流もしくは下流である。
この定着装置Fは、第1のエンドレスベルトとしての定着ベルト20を備えた定着ユニットと、第2のエンドレスベルトとしての加圧ベルト21を備えた加圧ユニットを有するツインベルト定着装置とされている。
(定着ユニット)
定着ユニットは、以下に説明する、定着ベルト20、テンションローラ22、定着ローラ23、定着パッド32、ハロゲンヒータ28、センサTHを有している。
定着ベルト20は基層の上に弾性層、離型層が積層された構造とされている。
この基層の材料としては、耐熱性、耐磨耗性を有する物であれば良く、例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、PES等を用いることができる。基層の厚みとしては1μm以上300μm以下に設定するのが好ましい。なぜならば、基層の厚みが1μmよりも小さいと剛性が低過ぎてしまい耐久性に難があり、300μmを超えると剛性が高過ぎて屈曲性が低下し可撓性回転体として使用するには現実的ではないからである。本例では、基層として、内径40mm、厚さ250μmの薄い円筒フィルム状のポリイミド耐熱樹脂層を用いた。
弾性層の材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることが可能であり、本例では、厚さが750μm、JIS−A硬度が20度、熱伝導率が0.8W/mKであるシリコーンゴムを用いた。弾性層の厚さは、定着時に記録材の凹凸或いはトナー層の凹凸に加熱面が追従できないことによる光沢ムラを予防するために、100μm以上に設定するのが好ましい。また、この弾性層を適度に変形させることによって、定着ベルト20への記録材の巻きつきを防止している。
そして、弾性層の外周には、離型層としてフッ素樹脂層が30μmの厚みで設けられている。本例では、フッ素樹脂としてPFA(4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)を用いた。
定着ベルト20は、第1の支持手段としてのテンションローラ22と定着ローラ23によって回転可能に支持、張架されている。テンションローラ22と定着ローラ23はそれぞれその両端が定着装置の両側板に回転可能に支持されている。
テンションローラ22は、外径が20mmで、内径が18mmである厚さ1mmの鉄製の中空ローラである。このテンションローラ22の内部にはハロゲンヒータ28が設置されている。このハロゲンヒータは、定着ベルト20の温度が所定の定着温度を維持するように、定着ベルトの温度を検出するサーミスタ等のセンサTHの出力に応じて供給電力が制御される構成となっている。
定着ローラ23は、外径が20mmで、径が18mmである鉄合金製の芯金に、弾性層としてのシリコーンゴム層が設けられた高摺動性の弾性ローラである。この定着ローラ23は駆動ローラとして駆動源(モータ)から駆動ギア列を介して駆動力が入力されて、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。この定着ローラ13に上記のように弾性層を設けることで、定着ローラ13に入力された駆動力を定着ベルト20へ良好に伝達することができるとともに、定着ベルト20からの記録材の分離性を確保するための定着ニップ(圧接部)を形成できる。シリコーンゴムの硬度はJIS−A15度、熱伝導率は0.8W/mKである。シリコーンゴム層によって、内部への熱伝導も少なくなるためウォーミングアップタイムの短縮にも効果がある。
定着ベルト20は、定着ローラ23が回転駆動されると、定着ローラ23のシリコーンゴム表面と定着ベルト20の内面との摩擦によって定着ローラ23と共に回転する。
また、すなわち、定着ベルト20の内側には定着パッド32が設置されている。この定着パッド32は、定着ニップを形成するため、定着ベルト20を加圧ベルト21に向けて加圧する構成となっている。この定着パッド32は定着ベルトとの摺動抵抗を抑えるため低摺動シート29が被覆されている。
(加圧ユニット)
加圧ユニットは、定着ユニットとほぼ同様な構成であり、加圧ベルト21、テンションローラ25、加圧ローラ26、加圧パッド33を有している。
加圧ベルト21は、第2の支持手段としてのテンションローラ25と加圧ローラ26によって回転可能に支持、張架されている。テンションローラ25と加圧ローラ26はそれぞれその両端が定着装置の両側板間に回転可能に支持されている。テンションローラ25は、外径が20mmで、径が16mmである鉄合金製の芯金に、熱伝導率を小さくして加圧ベルト21からの熱伝導を少なくするためにシリコーンスポンジ層を設けてある。加圧ローラ26は、外径が20mmで、内径が16mmである厚さ2mmの鉄合金製とされた低摺動性の剛性ローラである。定着ベルト20と加圧ベルト21との間に画像加熱ニップとしての定着ニップを形成するため、加圧ローラ26は、その回転軸の左右両端側が加圧機構により矢印Fの方向に所定の加圧力にて定着ローラ23に向けて加圧されている。
また、加圧ベルト21を定着ベルト20に向けて加圧する加圧パッド33がパッド台34の上に設置されている。この加圧パッド33は加圧ベルトとの摺動抵抗を抑えるため低摺動シート30が被覆されている。本例では、上述したように、記録材搬送方向の長い定着ニップを形成するために定着パッド32と加圧パッド33を用いており、加圧パッド33は加圧機構により矢印Gの方向に所定の加圧力にて定着パッド32に向けて加圧されている。
(定着プロセス)
次に定着プロセスについて説明する。
画像形成開始信号が入力されると、制御回路部はモータを駆動させて定着ベルト20を回転させる。定着ベルト20の周速度は、記録材にループを形成するため画像形成部側から搬送されてくるシートSの搬送速度に比して僅かに遅い周速とされている。このとき、加圧ベルト21は、定着ベルト20に従動して回転する。本例の場合、定着ベルト20の周速は300mm/secとされ、A4サイズのフルカラー画像を1分間に70枚定着することが可能である。
そして、センサTHにより検出された温度情報を基に、制御回路部はハロゲンヒータへの供給電力を制御して、定着ベルト20の温度を所定の定着温度に温調する。
その後、定着ベルト20の温度が所定の定着温度に到達すると、カセットからの記録材の給送が開始され、定着ニップ部に、未定着トナー画像Tを担持した記録材Sが導入される。このとき、記録材Sは未定着トナー画像を担持した面が定着ベルト20と接触するように導入される。そして、記録材Sの未定着トナー画像Tが定着ベルト20の外周面に密着したまま挟持搬送されていくことにより、加熱及び加圧されて、記録材Sの表面に定着される。
また、定着ベルト20内の定着ローラ23がゴム層を有する弾性ローラであり、加圧ベルト21内の加圧ローラ26は鉄合金製の剛性ローラである。従って、定着ベルト20と加圧ベルト21との定着ニップ部出口では定着ローラ23の変形が大きくなっている。その結果、定着ベルト20も大きく変形し、トナー画像を担持した記録材Sは定着ベルト20から自らのこしにより曲率分離される。
(寄り規制板)
定着ベルトと加圧ベルトは走行に伴い設定ゾーンよりも幅方向外側へ寄り移動してしまう傾向にあるが、本例では後述する寄り規制板によりこれに対処している。
なお、この設定ゾーンとは、定着ベルトと加圧ベルトが正常に走行することができる幅方向における領域のことを指す。本例の設定ゾーンは、定着ベルトと加圧ベルトよりも幅方向両外側に設置された寄り規制板間の領域(図3のXで示す領域)となる。
具体的には、図1、3に示すように、本例では、定着ローラ23の回転軸の長手方向両端部に規制部材としての寄り規制板100を設置固定している。つまり、寄り規制板100は定着ローラ23と共に回転する構成となっている。なお、図3は、定着装置Fを上部から見た概略図である。
この2つの寄り規制板100は、定着ベルトと加圧ベルトの幅方向両端部とそれぞれ当接可能に設けられている。つまり、2つの寄り規制板100は、定着ベルトの走行に伴う設定ゾーンから幅方向外側への移動を規制するとともに、加圧ベルトの走行に伴う設定ゾーンから幅方向外側への移動を規制する構成とされている。具体的には、定着ローラ23の回転軸に固定された円板状の寄り規制板100の径を大きくすることで、寄り規制板100が定着ベルトだけでなく下方に位置する加圧ベルトにまで作用するように構成している。
この寄り規制板100の材料としては、耐熱性、耐磨耗性を有する物であれば良く、金属や例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、PES、PFA等の樹脂を用いることができる。また、両ベルトの幅方向端部と摺擦することもあるので、寄り規制板のその接触面はできる限り平滑な面にするのが好ましい。
この寄り規制板100は、定着ベルトの幅方向への寄りが発生した場合、定着ベルトの走行軌跡上のA点からB点に至る間において定着ベルトと当接することで、定着ベルトの過剰な片寄りを防止している。
一方、加圧ベルトの幅方向への寄りが発生した場合も、同様に、寄り規制板100が加圧ベルトの走行軌跡上のC点からD点に至る間において加圧ベルトと当接することで、加圧ベルトの過剰な片寄りも防止している。
このように、本例の寄り規制板100は、定着ベルトと加圧ベルトの両方の過剰な片寄りを防止している。
なお、上述した寄り規制板は、上述のように定着ベルト側に設けるのではなく、加圧ベルト側、即ち、加圧ローラに設ける構成としても構わない。
また、定着ベルトと加圧ベルトが幅方向一端側にのみ片寄るように定着ベルトと加圧ベルトを懸架しているローラ群のアライメントを調整/設定することで、寄り規制板100を幅方向一端側のみに設置する構成としても構わない。
以上説明したように、定着ベルトと加圧ベルトの幅方向への寄りを、1つの共通の寄り規制板によって規制する構成としたため、装置を構成する部品点数を少なくすることができ、安価で簡易な装置構成とすることができる。
次に実施例2について説明する。本例の構成は、寄り規制板の形状や設置位置を除き実施例1と同様な構成であるので、寄り規制板以外の構成に関する説明は省略する。図4は定着装置Fを横から見た概略断面図であり、図5は定着装置Fを上部から見た概略図である。
本例では、図4、5に示すように、寄り規制板100が定着ベルトと加圧ベルトで形成される定着ニップの記録材搬送方向全域に亘って設置されている。この寄り規制板100は、やはり、定着ベルトや加圧ベルトの幅方向両外側に設置されている。具体的には、この寄り規制板100は、定着装置の近傍に位置し画像形成装置本体を構成する両側板に設置固定されている。
ここで、定着ベルトや加圧ベルトには、定着ニップにおいて強く拘束されているためその領域で幅方向外側に向けた最も強い寄り力が作用している。一方、定着ニップ以外の領域では、定着ベルトや加圧ベルトが強く拘束されていないため、定着ニップの領域での寄り力以上の力は作用していない。このような理由から、本例では、定着ニップの領域において定着ベルトや加圧ベルトの片寄りを規制することでこれを効率良く達成することができる。
図6(a)は寄り規制板100が設置されていない領域でのベルトの寄り力が強い場合の、寄り規制板とベルトの幅方向端部の軌跡を表したものである。なお、図6(a)、(b)では、矢印で示すW方向がベルトの走行方向となっており、また、ベルトの幅方向端部のみを注目すべくこの部分だけを抜き出して示している。
このように、寄り力が強いところに寄り規制板を設置しないと、寄り規制板から外れた領域において、ベルト端部は寄り規制板よりも幅方向外側に行ってしまい、ベルト端部の軌跡が図示のように湾曲してしまう。
このような現象が生じると、ベルトの捩れによるストレスによってベルトの耐久性が低下し短寿命となってしまう。また、捩れによってベルト端部と寄り規制板の当たり方が面接触ではなく点接触になってしまい、両者間の摺擦による力が集中して、ベルトの幅方向端部が破損し易くなる。
一方、図6(b)は、本例のように、寄り力が強い領域に寄り規制板を設置した場合の、寄り規制板とベルトの幅方向端部(一部分)の軌跡を表したものである。
このように、ベルトの寄り力が強い領域に寄り規制板が設置されているので、その領域ではベルトの寄りが効率良く規制される。そして、寄り規制板から外れた領域においては、ベルトの寄り力が比較的小さいため、寄り規制板よりも幅方向外側へ行ってしまう量は僅かであり、ベルトの幅方向端部の走行軌跡が湾曲してしまうことがない。
そのため、ベルトの捩れによるストレスも小さくなるため、ベルトの耐久性の低下を防止してベルトを長寿命化することができる。また、ベルトの幅方向端部と寄り規制板の当たり方も面接触傾向となり、両者間での摺擦による力が集中しないため、ベルトの幅方向端部が破損してしまうのを抑制できる。
以上説明したように、本例では、定着ベルトと加圧ベルトに作用する寄り力が最大となる定着ニップの領域において、定着ベルトと加圧ベルトの寄り移動を規制する構成としたため、両ベルトの長寿命化を図ることができる。当然ながら、本例においても、実施例1と同様に、定着ベルトと加圧ベルトに共通の寄り規制板を設けたことで、装置の部品点数を少なくすることができ、装置の安価化、簡易化を図ることができる。
なお、上述した実施例1、2では、定着ベルトと加圧ベルトの基層に樹脂材料を用いているが、例えば、次のような材料を用いても構わない。つまり、定着ベルト、加圧ベルトの基層の材料として、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼、低炭素鋼、銅、アルミニウム等の金属を用いても構わない。具体的には、基層の例として、内径が40mm、厚さが250μmのエンドレス円筒状のニッケル金属層としても良い。このような金属製ベルトは、樹脂製ベルトに比して高強度で耐磨耗性にも優れるため、ベルトの幅方向端部の劣化/破損に強く、実施例1、2のように寄り規制板によってベルトの寄り移動を規制する場合には好都合である。
また、上述した実施例1、2では、画像加熱装置として、記録材上の未定着トナー像を定着する定着装置を例に説明したが、この他の装置にも本発明を同様に適用することが可能である。例えば、定着装置により記録材に定着されたトナー像を加熱することで画像の光沢度を向上させる光沢向上装置にも本発明を同様に適用することが可能である。
実施例1にかかる定着装置の概略断面図である。 画像形成装置概略断面図である。 実施例1にかかる定着装置の上部から見た概略図である。 実施例2にかかる定着装置の概略断面図である。 実施例2にかかる定着装置の上部から見た概略図である。 (a)寄り規制板がベルトの寄り力が最大となる領域から外れた位置に設置された場合のベルト端部の走行軌跡を説明する図、(b)寄り規制板がベルトの寄り力が最大となる領域に設置された場合のベルト端部の走行軌跡を説明する図である。
符号の説明
F 定着装置
S 記録材
20 定着ベルト
21 加圧ベルト
22 テンションローラ
23 定着ローラ
25 テンションローラ
26 加圧ローラ
32 定着パッド
33 加圧パッド
100 寄り規制板

Claims (3)

  1. 記録材上のトナー像をその圧接部で加熱する第1のエンドレスベルト及び第2のエンドレスベルトと、この第1のエンドレスベルト及び第2のエンドレスベルトをそれぞれ回転可能に支持する第1のローラ及び第2のローラと、を有する画像加熱装置において、第1のエンドレスベルトと第2のエンドレスベルトの幅方向端部と当接可能に設けられ、第1のエンドレスベルトと第2のエンドレスベルトの走行に伴う設定ゾーンから幅方向外側への移動を規制する規制板を有して、記録材を搬送する方向に直交する幅方向において、前記規制板が、前記第1のエンドレスベルトが前記第1のローラに巻き付く部分と前記第2のエンドレスベルトが前記第2のローラに巻き付く部分とに重なりを持つように配置されることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 上記規制板が上記圧接部において上記第1のエンドレスベルト及び上記第2のエンドレスベルトと当接可能に構成したことを特徴とする請求項1の画像加熱装置。
  3. 上記第1のエンドレスベルト及び上記第2のエンドレスベルトよりも幅方向両外側に上記規制板をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1又は2の画像加熱装置。
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