JP6746089B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
定着装置及び画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6746089B2 JP6746089B2 JP2016218615A JP2016218615A JP6746089B2 JP 6746089 B2 JP6746089 B2 JP 6746089B2 JP 2016218615 A JP2016218615 A JP 2016218615A JP 2016218615 A JP2016218615 A JP 2016218615A JP 6746089 B2 JP6746089 B2 JP 6746089B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fixing
- nip
- fixing device
- roller
- nip forming
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Fixing For Electrophotography (AREA)
Description
図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を作像するための4つの作像ユニット2Y,2M,2C,2Kを備えている。そして、それら4つの作像ユニット2Y,2M,2C,2Kを、後述する像担持ベルトとしての中間転写ベルト61に対してその無端移動方向に沿って並べたいわゆるタンデム型の構成になっている。
図2は、定着ローラ熱膨張時における定着装置40を示す概略断面図である。
図2に示すように、定着装置40は、ベルト定着方式であり、定着ベルト43と、定着ベルト43に対向して回転可能に設けられた加圧部材たる加圧ローラ45とを備えている。定着ベルト43は、弾性体のニップ形成回転部材たる定着ローラ41と加熱ローラ42とにより張架されている。定着ローラ41、加熱ローラ42及び加圧ローラ45は、定着装置40の筐体の長手方向に回転可能に軸支されている。
図2に示すように、トナー像が形成された記録シートPが、定着ニップNへ搬送され、記録シートP上の未定着トナー像が定着ニップNで加熱溶融されることによって、未定着トナー像が定着される。その後、記録シートPは、定着ニップ通過後の記録シートPが曲率増大部材48により定着ベルト43から分離され、定着装置40から排出される。定着装置40の出口部には記録シートPが所定のタイミングで通過していることを確認するために、排紙センサを配置している。そして、所定のタイミングで記録シートPが排出されないときは、用紙ジャムが発生したとして、ユーザーに報知するなどのジャム処理モードに移行する。
次に、上記実施形態の一実施例(以下、本実施例を「実施例1」という。)について説明する。
図3は、定着ローラ熱膨張時における実施例1の定着装置を示す概略断面図である。図4は、図3の定着ニップ周辺を示す拡大断面図である。図5の(a)は実施例1の定着装置における曲率増大部材を示す斜視図であり、(b)は定着ローラ軸方向に対し直交する方向の曲率増大部材の断面図である。
図3及び図4に示すように、実施例1の曲率増大部材48は、定着ローラ41の外周面に対し接離する方向として定着ローラ41の径方向(図3及び図4中矢印Cで示す方向)に移動可能に構成されている。具体的には、曲率増大部材48は、図3及び図4中実線で示した冷間時の位置と、図3及び図4中点線で示した熱間時の位置との間で移動する。さらに、曲率増大部材48は、図5(a)、(b)に示すように、定着ベルト43の内周面に接触する当接部48aと、定着ローラ41の外周面と接触する当接部48bとを有している。定着ローラ41が熱膨張すると、その熱膨張に応じて曲率増大部材48が、定着ベルト43による定着ローラ側への押圧力に抗して定着ローラ41の軸方向に対し直交する方向(径方向)の外側へ押される構成となっている。なお、定着ローラ41が熱収縮すると、その熱収縮に応じて曲率増大部材48が、定着ローラ41の軸方向に対し直交する方向の内側へ押される構成にもなっている。なお、曲率増大部材は、定着ローラの回転軸方向両端の外周面に当接する当接部を備える構成でもよい。その構成では、その当接部は定着ベルトによって定着ローラの外周面に押圧されている。定着ローラが熱膨張すると、曲率増大部材の当接部は定着ローラの熱膨張に抗して定着ローラから離れる方向へ押され、曲率増大部材と定着ローラとの隙間が確保される。
次に、上記実施形態の他の実施例(以下、本実施例を「実施例2」という。)について説明する。
図6は、実施例2の定着装置における曲率増大部材を示す断面図である。
図6に示すように、曲率増大部材48には、上述したように、定着ベルトの内周面に接触する当接部48aと定着ローラの外周面に接触する当接部48bとに、摺動部材201がそれぞれ設けられている。この摺動部材201により摩擦力が低減し、駆動トルクが小さくなるとともに、定着ローラや曲率増大部材48の耐久性をそれぞれ向上させることができる。さらに、摺動部材201に潤滑オイルを含浸させてもよい。よって、定着ローラ及び曲率増大部材の寿命が短くなるのを抑制することができる。
次に、上記実施形態のさらに他の実施例(以下、本実施例を「実施例3」という。)について説明する。
図7に示すように、実施例3の曲率増大部材48は、摺動部材201を、当接部48bにおいて定着ローラとの当接領域よりも定着ローラ軸方向両端部のみに設けた構成となっている。この構成により、定着ローラとの摺動部分が定着ローラ軸方向両端部のみとなり、定着ローラとの摺動面積を小さくすることで実施例2に比べて耐久性を高めることが可能となる。さらに、定着ローラの外周面にフッ素樹脂の層を追加することで、より摺動抵抗を下げることが可能となる。よって、定着ローラ、定着ベルト及び曲率増大部材の寿命が短くなるのを抑制することができる。
図8に示すように、定着装置40は、ベルト定着方式であり、定着ベルト43と、定着ベルト43に対向して回転可能に設けられた加圧部材たる加圧ローラ45とを備えている。定着ベルト43は、ニップ形成部材たる弾性体の定着ローラ41と加熱ローラ42とにより張架されている。定着ローラ41、加熱ローラ42及び加圧ローラ45は、定着装置40の筐体の長手方向に回転可能に軸支されている。
次に、上記実施形態の一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
図9は、定着ローラの熱膨張時の変形例1の定着装置の概略断面図である。図10は、図9の定着ニップ周辺を示す拡大断面図である。図11の(a)は変形例1の定着装置における押さえ部材を示す斜視図であり、(b)は定着ローラ軸方向に対し直交する方向の押さえ部材の断面図である。
図9及び図10に示すように、押さえ部材49は、加圧部材たる加圧ローラ45の外周面(表面)に沿った方向(図9及び図10中矢印Dで示す方向)に移動可能に構成されている。具体的には、押さえ部材49は、図9及び図10中実線で示した冷間時の位置と、図9及び図10中点線で示した熱間時の位置との間で移動する。さらに、押さえ部材49は、図11に示すように、定着ベルト43の内周面に接触する当接部49aと、定着ローラ41の外周面に接触する当接部49bとを有している。定着ローラ41が熱膨張すると、その熱膨張に応じて押さえ部材49が、定着ベルト43による定着ローラ側への押圧力に抗して定着ローラ41の軸方向に対し直交する方向(径方向)の外側へ押されながら、加圧ローラ45の周方向(表面)に沿って移動する構成となっている。その構成の一例としては、押さえ部材49は、定着ベルトを加圧ローラ45の表面に押さえ付ける押さえ部と、その押さえ部に連結して加圧ローラの回転軸を支点にして回転自在に支持され、かつ定着ローラの外周面に接触する当接部に連結されたアーム部材とを有する。この構成によれば、定着ローラが熱膨張すると、当接部は定着ローラの熱膨張に抗して定着ローラから離れる方向へ押され、それに応じてアーム部材が回動することで押さえ部材は加圧ローラの外周面を押さえながら、その外周面に沿って移動する。それにより、定着ローラの熱膨張しても、押さえ部材と定着ローラとの隙間は確保される。
次に、上記実施形態の他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
図12は、変形例2の押さえ部材の構成を説明する断面図である。
図12に示すように、変形例2の押さえ部材49は、図11に示す当接部49aと当接部49bとに、摺動部材202をそれぞれ設けている。この摺動部材202により、押さえ部材と定着ローラとの接触面や、定着ベルトの内周面との接触面における摩擦力が低減し、駆動トルクが小さくなるとともに、部材の耐久性を向上させることができる。さらに、摺動部材にオイルを含浸させてもよい。よって、定着ローラ、定着ベルト及び押さえ部材の寿命が短くなるのを抑制することができる。
次に、上記実施形態のさらに他の変形例(以下、本変形例を「変形例3」という。)について説明する。
図13に示すように、変形例3の押さえ部材49は、押さえ部材49と定着ローラとの当接面において、摺動部材202を、押さえ部材49の定着ローラとの対向面における軸方向両端部のみに設けた構成となっている。この構成により、定着ローラと摺動部材202との摺動面が押さえ部材49の軸方向両端部のみとなり、より耐久性を向上させることが可能となる。さらに、定着ローラの定着ベルトとの接触領域よりも軸方向両端側の外周面にフッ素樹脂の層を追加することで、より摺動抵抗を下げることが可能となる。
(態様A)
加熱された回転可能な無端状の定着ベルト43を加圧ローラ45等の加圧部材と定着ローラ41等のニップ形成回転部材とで挟んで圧接して形成した定着ニップで画像を記録媒体に定着させ、曲率増大部材48を定着ニップ通過後の前記定着ベルトの内周面に当接して前記定着ベルトの曲率を大きくした定着装置40において、前記曲率増大部材は、前記ニップ形成回転部材の外周面に対し径方向に移動可能に構成されていることを特徴とするものである。
一般に、定着ニップでは、ニップ通過時の記録媒体に対して加熱と加圧を十分に付与するため、記録媒体搬送方向で所定の幅が必要である。そして、その定着ニップを所定の幅にするには、ニップ形成回転部材の径を比較的大きくしなければならない。ところが、ニップ形成回転部材の径を大きくすると、そのニップ形成回転部材に巻きつけられる定着ベルトの曲率は小さくなり、定着ニップ通過後の記録媒体の定着ベルトに対する分離性が悪くなる。そのため、所定幅の定着ニップを形成するとともに定着ニップ通過後の記録媒体の定着ベルトに対する分離性を高めるには、定着ニップ通過後の定着ベルトの内周面に当接して定着ベルトの曲率を大きくする曲率増大部材をニップ形成回転部材とは別に設ける必要がある。このような曲率増大部材が設けられた構成において、曲率増大部材の曲率増大位置(分離位置)を定着ニップの出口から遠ざけると、定着ニップ通過後の記録媒体は、定着ニップの出口から曲率増大部材の曲率増大位置までの間定着ベルトに付着しているため、過剰に加熱される。その結果、記録媒体の画像部において、写真等の高濃度画像と白紙部との境界で分離性が異なることにより、高濃度画像の外周領域で光沢ムラが生じる。それにより、画像品質が低下してしまう。一方で、記録媒体が過剰に加熱されないように、曲率増大部材の曲率増大位置を定着ニップの出口に近づけると、その曲率増大部材はニップ形成回転部材側に近づく。その結果、定着時加熱された定着ベルトによってニップ形成回転部材があたためられて熱膨張すると、ニップ形成回転部材が曲率増大部材に接触する。それにより、ニップ形成回転部材や曲率増大部材が摩耗し、ニップ形成回転部材及び曲率増大部材の耐久性を低下させてしまう。
そのため、本態様によれば、曲率増大部材が、ニップ形成回転部材の外周面に対し径方向に移動可能なので、ニップ形成回転部材が熱膨張しやすい部材であっても、そのニップ形成回転部材の熱膨張に応じて曲率増大部材をニップ形成回転部材の径方向に移動させることが可能となる。例えば、曲率増大部材に、ニップ形成回転部材の回転軸方向両端部の外周面に当接する当接部を設け、その当接部を定着ベルトによってニップ形成回転部材の外周面に押圧させる。これにより、ニップ形成回転部材が熱膨張すると、曲率増大部材の当接部はニップ形成回転部材の熱膨張によりニップ形成回転部材から離れる方向へ押され、曲率増大部材がニップ形成回転部材の径方向に移動する。それにより、ニップ形成回転部材及び曲率増大部材の摩耗を低減しつつ、曲率増大部材を可能な限り定着ニップの出口に近づけて配置できる。よって、記録媒体が過剰に加熱され、その記録媒体に凹凸が生じたり、光沢ムラが生じたりするのを抑制しつつ、ニップ形成回転部材や曲率増大部材の寿命が短くなるのを抑制することができる。
(態様A)において、前記曲率増大部材は、前記加圧部材とは離間していることを特徴とするものである。
本態様によれば、定着ベルトが定着ニップ以外で加圧部材に接触する事象を抑制できる。よって、定着ベルトや加圧部材の摩耗の促進を抑制でき、定着ベルト及び加圧部材の寿命が短くなるのを抑制することができる。
(態様A)又は(態様B)のいずれかにおいて、前記曲率増大部材は、前記ニップ形成回転部材の熱膨張または熱収縮に応じて移動することを特徴とするものである。
本態様によれば、曲率増大部材は、ニップ形成回転部材が熱膨張すると、例えばその熱膨張に応じて曲率増大部材の両端部がニップ形成回転部材の軸方向に対し直交する方向の外側へ押される構成となっている。その構成により、曲率増大部材は、ニップ形成回転部材の径変化にあわせて、ニップ形成回転部材の径方向に移動することができ、定着時または非定着時のいずれにおいても、定着ニップの出口と曲率増大部材との間の距離はほぼ変わらない。それにより、定着ニップ通過後の記録媒体を狙いの箇所で定着ベルトから分離させることで定着ニップ通過後の記録媒体の過剰加熱を抑制することができる。
(態様A)乃至(態様C)のいずれかにおいて、前記曲率増大部材は、前記ニップ形成回転部材の外周面に圧接されていることを特徴とするものである。
本態様によれば、ニップ形成回転部材の熱膨張に応じて曲率増大部材がニップ形成回転部材の軸方向へ押される。それにより、曲率増大部材は、ニップ形成回転部材の径変化にあわせて、ニップ形成回転部材の径方向に移動することができ、定着時または非定着時のいずれにおいても、定着ニップの出口と曲率増大部材との間の距離はほぼ変わらない。それにより、定着ニップ通過後の記録媒体を狙いの箇所で定着ベルトから分離させることで定着ニップ通過後の記録媒体の過剰加熱を抑制することができる。
(態様D)において、前記曲率増大部材の前記ニップ形成回転部材との接触面には、摺動部材201が設けられていることを特徴とするものである。
本態様によれば、摺動部材により曲率増大部材のニップ形成回転部材との接触面の摩擦力が低減し、ニップ形成回転部材の摩耗の促進を抑制でき、ニップ形成回転部材の寿命が短くなるのを抑制することができる。
(態様D)又は(態様E)において、前記曲率増大部材は、前記ニップ形成回転部材の軸方向両端部に接触し、かつ、前記ニップ形成回転部材の軸方向中央部に対し離間していることを特徴とするものである。
本態様によれば、ニップ形成回転部材の熱膨張に応じて曲率増大部材の両端部がニップ形成回転部材の軸方向に対し直交する方向の外側へ押されるため、ニップ形成回転部材が熱膨張しやすい部材であっても、ニップ形成回転部材と曲率増大部材との接触圧が過剰に高まるのを抑制することができる。よって、曲率増大部材やニップ形成回転部材の摩耗の促進を低減することができ、それらの寿命が短くなるのを抑制することができる。
(態様D)乃至(態様F)のいずれかにおいて、前記曲率増大部材の前記ニップ形成回転部材との接触面は、前記ニップ形成回転部材の表面形状に倣う形状に形成されていることを特徴とするものである。
本態様によれば、曲率増大部材やニップ形成回転部材の摩耗の促進を低減することができる。
加熱された回転可能な無端状の定着ベルト43を加圧ローラ45等の加圧部材と定着ローラ41等のニップ形成回転部材とで挟んで圧接して形成した定着ニップで画像を該記録媒体に定着させる定着装置40において、前記定着ニップの出口よりも前記定着ベルトの移動方向下流側で、前記定着ベルトを前記加圧部材に押さえる押さえ部材49を備え、前記押さえ部材は、前記加圧部材の表面方向に沿って移動可能に移動可能に構成されていることを特徴とするものである。
従来の定着装置において、定着ニップ通過後の記録媒体が定着ニップの出口よりも定着ベルトの移動方向下流側へ搬送されるときに、波打ちが生じる。これは、以下の理由で発生する。すなわち、定着ニップにおいて記録媒体のトナー像の形成された面が、定着ベルトに圧接されながら加熱されることで、トナーが溶融して記録媒体にトナー像が定着される。定着ニップを出た記録媒体は定着ニップで溶融したトナーが定着ベルトに付着した状態で、排紙ローラ対へ搬送される。定着ニップにおいて、記録媒体が加熱されることで、記録媒体に含まれる水分が気化して水蒸気となるが、定着ニップにおいては、高いニップ圧で記録媒体を押さえ付けているため、記録媒体から水蒸気が放出されにくい。しかし、定着ニップの出口よりも定着ベルトの移動方向下流側では、記録媒体には圧がかかっていないため、定着ニップで発生した水蒸気の放出が起こりやすい。水蒸気は、記録媒体の定着ベルト側の面とは反対側の面から主に放出される。水蒸気が放出されることにより、記録媒体の繊維が乾燥して縮み波打ちが発生する。
また、定着ニップの出口よりも定着ベルトの移動方向下流側の領域における温度は、定着ニップでの加熱温度よりも低いため、その領域の飽和水蒸気量は下がる。その結果、定着ニップの出口側で放出された水蒸気のうち上記飽和水蒸気量よりも多い量の水蒸気は液化し、その液化した水分は再び記録媒体に吸収される。自ら放出した水蒸気が再吸収されることで、記録媒体を濡らし繊維が伸びて記録媒体に波打ちが生じてしまう。
このように、定着ニップ通過後の記録媒体では、水蒸気の放出による乾燥や、水蒸気の再吸収による濡れにより、記録媒体の繊維に伸縮が発生し、この間で記録媒体に波打ちが生じるのである。
これに対し、本態様においては、定着ニップ通過後の記録媒体は、押さえ部材により定着ベルトを介して加圧部材に押さえられた状態で、定着ニップの出口よりも定着ベルトの移動方向下流側へ搬送される。これにより、その搬送中、記録媒体からの水蒸気の放出が起こったとしても、記録媒体が押さえ部材により定着ベルトを介して加圧部材に押さえられた状態で水蒸気が放出されることになる。これにより、水蒸気の放出により記録媒体の繊維が縮もうとするが、押さえ部材の押さえ力で記録媒体全面を加圧部材に押さえているので、記録媒体の繊維が縮むことができない。その結果、上記定着ニップ通過後の水蒸気の放出による記録媒体の波打ちが抑制される。
また、定着ニップ通過後で、自ら放出した水蒸気の液化した水分の再吸収が発生して記録媒体の繊維が伸びようとしても、押さえ部材の押さえ力で記録媒体全面を加圧部材に押さえているので、繊維が伸びることができない。その結果、定着ニップ通過後の水蒸気が液化した水分の再吸収による記録媒体の波打ちも抑制される。
これにより、定着ニップ通過後の記録媒体に波打ちが生じるのを抑制することができる。
ところが、本態様によれば、ニップ形成部材が熱膨張しやすい弾性体である場合、定着時ニップ形成部材が熱膨張するため、そのニップ形成部材に接触してその接触圧が過剰に高まる。そのため、非定着時における押さえ部材の押さえ位置を定着ニップの出口から遠ざけた位置に配置すると、定着ニップの出口から押さえ部材の押さえ位置までの距離が大きくなる。その結果、定着ニップ通過後の記録媒体を加圧部材側へ押さえる力の低くなっている領域(以下、低当接圧領域という。)が拡大する。その領域における加圧部材への当接圧は、定着ニップの当接圧よりも低い。このように、定着ベルトの移動方向下流側の当接圧が定着ニップでの圧力よりも低い領域があると、上述したように、記録媒体から水蒸気が放出され、記録媒体と定着ベルトとの間などに気泡が発生する。また、トナー像の中の空気も熱膨張により漏れ出し記録媒体と定着ベルトとの間に気泡が発生する。その結果、記録媒体上のトナー像は定着ニップを出た直後であり、完全に固化しておらず、記録媒体の表面の気泡の移動によりトナー像が乱され、光沢ムラなどの異常画像が生じる。一方で、記録媒体と定着ベルトとの間で気泡が発生しないように、押さえ部材の押さえ位置を定着ニップの出口に近づけると、押さえ部材はニップ形成部材側に近づくため、上記したように、押さえ部材がニップ形成部材に接触するおそれがある。その結果、押さえ部材やニップ形成部材の摩耗が生じ、押さえ部材やニップ形成部材の耐久性を低下させてしまう。
そのため、本態様によれば、押さえ部材が、加圧部材の表面方向に移動可能なので、ニップ形成回転部材が熱膨張しやすい部材であっても、そのニップ形成回転部材の熱膨張に応じて押さえ部材をニップ形成回転部材の外周面から離れた位置に位置させることが可能となる。これにより、ニップ形成部材が熱膨張しやすい部材であっても、ニップ形成部材の熱膨張に応じて押さえ部材が移動することで押さえ部材とニップ形成部材とが接触するのを抑制することができる。よって、異常画像の発生を抑制しつつ、押さえ部材やニップ形成部材の寿命が短くなるのを抑制することができる。
感光体3などの潜像担持体と、潜像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段(帯電装置5、光書込ユニット1、現像装置4などで構成)と、前記トナー像を前記潜像担持体上から記録媒体上に転写する転写手段(一次転写ユニットおよび二次転写ユニットで構成)と、前記記録媒体上に転写されたトナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、前記定着手段として、(態様A)乃至(態様H)のいずれかの定着装置を用いることを特徴とするものである。
本態様によれば、曲率増大部材、押さえ部材やニップ形成回転部材の摩耗を低減することができ、それらの寿命が短くなるのを抑制することができる。
2:作像ユニット
3:感光体
4:現像装置
5:帯電装置
40:定着装置
41:定着ローラ
42:加熱ローラ
43:定着ベルト
44:熱源
45:加圧ローラ
48:曲率増大部材
49:押さえ部材
201:摺動部材
202:摺動部材
N:定着ニップ
P:記録シート
Claims (8)
- 加熱された回転可能な無端状の定着ベルトを加圧部材とニップ形成回転部材とで挟んで圧接して形成した定着ニップで画像を記録媒体に定着させ、曲率増大部材を定着ニップ通過後の前記定着ベルトの内周面に当接して前記定着ベルトの曲率を大きくした定着装置において、
前記曲率増大部材は、前記加圧部材とは離間し、かつ、前記ニップ形成回転部材の外周面に対し径方向に移動可能に構成されていることを特徴とする定着装置。 - 請求項1に記載の定着装置において、
前記曲率増大部材は、前記ニップ形成回転部材の熱膨張または熱収縮に応じて移動することを特徴とする定着装置。 - 請求項1又は2に記載の定着装置において、
前記曲率増大部材は、前記ニップ形成回転部材の外周面に圧接されていることを特徴とする定着装置。 - 請求項3に記載の定着装置において、
前記曲率増大部材の前記ニップ形成回転部材との接触面には、摺動部材が設けられていることを特徴とする定着装置。 - 請求項3又は4に記載の定着装置において、
前記曲率増大部材は、前記ニップ形成回転部材の軸方向両端部に接触し、かつ、前記ニップ形成回転部材の軸方向中央部に対し離間していることを特徴とする定着装置。 - 加熱された回転可能な無端状の定着ベルトを加圧部材とニップ形成回転部材とで挟んで圧接して形成した定着ニップで画像を記録媒体に定着させ、曲率増大部材を定着ニップ通過後の前記定着ベルトの内周面に当接して前記定着ベルトの曲率を大きくした定着装置において、
前記曲率増大部材は、
前記ニップ形成回転部材の外周面に対し径方向に移動可能に構成され、
前記ニップ形成回転部材の外周面に圧接され、
前記ニップ形成回転部材の軸方向両端部に接触し、かつ、前記ニップ形成回転部材の軸方向中央部に対し離間していることを特徴とする定着装置。 - 請求項3乃至6のいずれか1項に記載の定着装置において、
前記曲率増大部材の前記ニップ形成回転部材との接触面は、前記ニップ形成回転部材の表面形状に倣う形状に形成されていることを特徴とする定着装置。 - 潜像担持体と、
潜像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像を前記潜像担持体上から記録媒体上に転写する転写手段と、
前記記録媒体上に転写されたトナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを備えた画像形成装置において、
前記定着手段として、請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016218615A JP6746089B2 (ja) | 2016-11-09 | 2016-11-09 | 定着装置及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016218615A JP6746089B2 (ja) | 2016-11-09 | 2016-11-09 | 定着装置及び画像形成装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018077326A JP2018077326A (ja) | 2018-05-17 |
JP2018077326A5 JP2018077326A5 (ja) | 2019-09-19 |
JP6746089B2 true JP6746089B2 (ja) | 2020-08-26 |
Family
ID=62150329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016218615A Active JP6746089B2 (ja) | 2016-11-09 | 2016-11-09 | 定着装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6746089B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4748885B2 (ja) * | 2001-06-21 | 2011-08-17 | 株式会社リコー | ベルト定着装置および画像形成装置 |
JP2007086530A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Fuji Xerox Co Ltd | 定着装置および画像形成装置 |
JP2007114415A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Fuji Xerox Co Ltd | 定着装置および画像形成装置 |
JP4696846B2 (ja) * | 2005-10-25 | 2011-06-08 | 富士ゼロックス株式会社 | 定着装置 |
JP2007121451A (ja) * | 2005-10-25 | 2007-05-17 | Fuji Xerox Co Ltd | 定着装置および画像形成装置 |
JP5435339B2 (ja) * | 2009-02-05 | 2014-03-05 | 株式会社リコー | 定着装置及び画像形成装置 |
US8331818B2 (en) * | 2009-07-23 | 2012-12-11 | Eastman Kodak Company | Optimized fusing for high speed electrophotography system |
-
2016
- 2016-11-09 JP JP2016218615A patent/JP6746089B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018077326A (ja) | 2018-05-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4695976B2 (ja) | 定着装置、画像形成装置及び画像形成方法 | |
US7711300B2 (en) | Image forming apparatus | |
JP6701563B2 (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP5050591B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5173237B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5875287B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP5429553B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2004252206A (ja) | 定着装置、画像形成装置、および画像形成方法 | |
JP6543988B2 (ja) | カール矯正装置及び画像形成装置 | |
JP2005084484A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP6232715B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP5737532B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP6746089B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP5147306B2 (ja) | 画像加熱装置 | |
JP4701051B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2011145334A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP6299997B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP6102973B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
US11409214B2 (en) | Fixing apparatus and image forming apparatus | |
JP2017223746A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP5058832B2 (ja) | 定着装置、及びこれを備えた画像形成装置 | |
JP7143664B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2018054943A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP2017173777A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
US20120070205A1 (en) | Fixing unit and image forming apparatus |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190806 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190809 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200415 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200424 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200610 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200703 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200715 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200716 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6746089 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |