JP5146163B2 - 搬送走行車システム - Google Patents
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Description
次に、トラバーサ構造について説明する。トラバーサ構造は、二本の相互に平行に設けられた平行部分同士間で搬送走行車を移らせるための構造である。トラバーサ構造は、平行部分同士間に延びるトラバーサ軌道と、その上を移動可能なトラバーサ台車とを備えている。
本発明の課題は、周回軌道において搬送走行車がショートカット可能な搬送走行車システムを提供することにある。
このシステムでは、搬送走行車がショートカットする際には、搬送走行車は可動軌道によって平行部分同士間を移動する。可動軌道による移動後に、搬送走行車は、前後方向を切り替えた状態で周回軌道を走行する。
このシステムでは、一対の可動軌道は通常時には軌道上のそれぞれの位置にある。搬送走行車がショートカットする際には、第1可動軌道が搬送走行車を載せた状態で第2可動軌道の位置に移動して、第2可動軌道が退避軌道に退避する。これにより、搬送走行車が周回走行している際には可動軌道が移動する必要がないので、効率よく搬送走行車を走行させることができる。
このシステムでは、可動軌道が搬送走行車を平行部分同士間で移動させることで、搬送走行車のみならず荷物の走行方向に対する前後向きが反転される。
このシステムでは、搬送走行車が可動軌道によって平行部分同士間で移動しても、駆動部の制御を同じように行うことができる。
このシステムでは、搬送走行車が可動軌道によって平行部分同士間で移動しても、駆動部の制御を同じように行うことができる。
図1に本発明の一実施形態としての搬送走行車システム1を示す。搬送走行車システム1は、例えば工場などにおいて、自動での物品搬送作業を行うため、所定の走行経路を、物品を移載可能に構成された無人の搬送走行車が走行するシステムである。具体的には、搬送走行車システム1は、複数の搬送走行車5が周回軌道3上を一方向(図の反時計回り方向)に走行することで荷物を複数のステーション12間で搬送するためのシステムである。なお、図1は説明の便宜のために簡略化を図っている模式図である。
周回軌道3の周囲には、前述のステーション12が配置されている。
次に、図2及び図3を用いて、本発明に係る搬送走行車5の構成について説明する。図2は本発明に係る搬送走行車5の平面図であり、図3は搬送走行車5の正面図である。
搬送走行車5は、平面視略正方形状の板状部材を車体31として有しており、車体31上に例えばチェーンコンベア等により構成される移載装置33を有している。この移載装置33上にパレットPを介して物品Eが載置され、物品Eが搬送走行車5により所定の走行経路上を移載される。なお、図3においては移載装置33の図示を省略している。
搬送走行車5は、一対の駆動輪35(第1駆動輪35A、第2駆動輪35B)を備えている。一対の駆動輪35は、図2から明らかなように、対角上に点対称となるように配置されている。具体的には、第1駆動輪35Aは、走行方向に対して車体31の右側前方に配置され、外側固定レール11上に載っている。第2駆動輪35Bは、走行方向に対して車体31の左側後方に配置され、内側固定レール13上に載っている。
走行用モータ47に対してはロータリエンコーダ49(図5)が設けられており、ロータリエンコーダ49により、各走行用モータ47の回転数が検出され、この検出信号に基づいて走行制御部77(後述)で第1駆動輪35Aの速度及び位置(走行距離)が算出される。
以上のような構成により、給電線51を介して供給される電力により第1駆動輪ユニット37Aの走行用モータ47が駆動され、第1駆動輪35Aが駆動されることにより、車体31が第2駆動輪35Bと、キャスター車輪39A、39Bに支持された状態で、搬送走行車5が周回軌道3を走行する。
各トラバーサ構造15は、同一のトラバーサ軌道17上を移動可能な第1トラバーサ台車19Aおよび第2トラバーサ台車19Bを有している。ここでは、図1に示すように、第1軌道位置Aに停止しているものを第1トラバーサ台車19Aとして、第2軌道位置Bにあるものを第2トラバーサ台車19Bとする。この構成において、第1トラバーサ台車19Aは、第1軌道位置Aと第2軌道位置Bとの間を移動可能である。また、第2トラバーサ台車19Bは、第2軌道位置Bと退避軌道23との間で移動可能である。このように2台のトラバーサ台車19A、19Bを用いているため、搬送走行車5が周回走行している際にはトラバーサ台車が移動する必要がないので、効率よく搬送走行車5を走行させることができる。
第1トラバーサ台車19Aは、車両本体22と、車輪24と、一対の移動レール25を有している。車輪24は、トラバーサ軌道17上を走行可能になっている。車両本体22は、車輪24を駆動するためのモータ(図示せず)を内部に有している。一対の移動レール25は、車両本体22の上面に設けられ、固定レール11、13に連続する位置に配置されている。搬送走行車5は、第1トラバーサ台車19Aの移動レール25上を通常走行可能であるし、さらに移動レール25上に停止することもできる。
なお、第1トラバーサ台車19Aにおいても、給電構造は設けられており、この給電構造は第1トラバーサ台車19Aがいずれの軌道位置に配置されても第1トラバーサ台車19Aが通常走行可能になるように構成されていることが好ましい。
続いて、本発明に係る搬送走行車5の制御構成について図5を用いて説明する。図5は本発明に係る搬送走行車5の制御部71と、トラバーサ制御部73と、メインコントローラ75とを示している。制御部71は、走行制御部77と、設定切替制御部79とを有している。なお、制御部71は、搬送走行車5において車体31の下面側などに設けられる制御盤内に格納されている。
トラバーサ制御部73は、トラバーサ台車19の走行を制御するための制御部であり、第1トラバーサ台車19Aと第2トラバーサ台車19Bとに接続されている。
図6のフローチャートを用いて、搬送走行車5のショートカット動作について説明する。具体的には、トラバーサ構造15を用いて、搬送走行車5を図1の第1軌道位置Aから第2軌道位置Bに移動させる動作である。
ステップS1では、ショートカット動作を行うか否かが判断される。ショートカット動作を行う場合はステップS2に移行して、走行制御部77が、搬送走行車5を第1軌道位置Aにある第1トラバーサ台車19A上に停止させる。
ステップS3では、トラバーサ制御部73が、搬送走行車5を載せた状態で、第1トラバーサ台車19Aを第1軌道位置Aから第2軌道位置B側に移動させる。
ステップS5では、設定切替制御部79が、走行用モータ47等の前後設定を切り換える。この結果、例えば、第1駆動輪ユニット37Aから第2駆動輪ユニット37Bに設定が切り換えられ、以後は第2駆動輪ユニット37Bを用いて搬送走行車5が走行可能となる。ここでは、第1駆動輪ユニット37Aと第2駆動輪ユニット37Bが点対称に設けられているので、搬送走行車5がトラバーサ台車19によって一対の直線軌道7間で移動しても、駆動輪ユニットの制御を同じように行うことができる。
また、第1送信機63A及び第1受信機65Aが機能を停止して、代わりに第2送信機63Bおよび第2受信機65Bが機能を開始する。このように、搬送走行車5は、トラバーサ構造15によって一対の直線軌道7間を移動させられた場合に、前後方向を切り替えた状態で走行可能である。
ステップS7では、トラバーサ制御部73が、第1トラバーサ台車19Aを第2軌道位置Bから第1軌道位置Aに戻す。ステップS8では、トラバーサ制御部73が、第2トラバーサ台車19Bを退避軌道23から第2軌道位置Bに戻す。これにより、トラバース動作が終了する。
本実施形態のさらなる効果としては、搬送走行車5の順序を入れ替えたり、荷物Eを搭載している場合は荷物Eの前後向きを逆転したりできる。後者の場合は、ターンテーブルを設ける必要が無くなる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
前記実施形態ではトラバーサ軌道17は一対の直線軌道7に対して直角に延びているが、これに限定されない。例えば、トラバーサ軌道は直線部に対して斜めに延びていても良い。
また、第1軌道位置Aの外側に退避軌道を設けて、第1トラバーサ台車19Aを退避軌道に退避させる構造にしても良い。この場合は、搬送走行車5を第2軌道位置Bから第1軌道位置Aまでトラバーサ構造15を用いて移動させることができる。この場合、搬送走行車5は走行方向後側に移動するためショートカットにならないが、搬送走行車の順序を入れ替えたり、荷物Eを搭載している場合は荷物Eの前後向きを逆転したりできる。
本実施形態の搬送走行車5は、床面14上に敷設される周回軌道3に沿って走行する構成であるが、これに限定するものではなく、例えば、天井に配設されるレールに沿って走行する天井走行車など、所定の走行経路に沿って走行する搬送走行車であればよい。
前記実施形態では、各種制御部は機能ブロックで表現したが、これらはCPUやメモリからなるコンピュータにこれら機能を実行させるためのソフトウェアプログラムとして実現されても良い。
3 周回軌道
5 搬送走行車
7 直線軌道
9 曲線軌道
11 外側固定レール
13 内側固定レール
14 床面
15 トラバーサ構造
17 トラバーサ軌道
19 トラバーサ台車
19A 第1トラバーサ台車
19B 第2トラバーサ台車
21 連絡軌道
22 車両本体
23 待避軌道
24 車輪
25 移動レール
31 車体
33 移載装置
35A 第1駆動輪
35B 第2駆動輪
37A 第1駆動輪ユニット
37B 第2駆動輪ユニット
39A 第1キャスター車輪
39B 第2キャスター車輪
41 ブラケット
41a フランジ
43 ガイドローラ
45 支持軸
47 走行用モータ
49 ロータリエンコーダ
51 給電線
61 受電部
63A 第1送信機
63B 第2送信機
65A 第1受信機
65B 第2受信機
71 制御部
73 トラバーサ制御部
75 メインコントローラ
77 走行制御部
79 設定切替制御部
Claims (4)
- 搬送走行車と、
互いに平行に延びる第1側の軌道と第2側の軌道を有しており、前記第1側の軌道及び前記第2側の軌道は、軌道が平行に配置された第1の一対の平行部分及び第2の一対の平行部分を有しており、前記搬送走行車が走行するための周回軌道と、
前記第1の一対の平行部分にそれぞれ設けられ、前記搬送走行車が停止した状態で前記第1の一対の平行部分同士間で移動可能な第1の一対の可動軌道と、
前記第2の一対の平行部分にそれぞれ設けられ、前記搬送走行車が停止した状態で前記第2の一対の平行部分同士間で移動可能な第2の一対の可動軌道と、
前記第1の一対の平行部分間に延び、前記第1の一対の可動軌道が移動するための第1トラバーサ軌道と、
前記第2の一対の平行部分間に延び、前記第2の一対の可動軌道が移動するための第2トラバーサ軌道と、
を備え、
前記搬送走行車は、前記第1の可動軌道又は前記第2の可動軌道によって前記第1又は第2の平行部分同士間を移動させられた場合に、前後方向を切り替えた状態で走行可能であり、
前記第1トラバーサ軌道の前記第1側の軌道側の端部に連続しており、前記第1可動軌道が前記第1側の軌道から外側に退避するための第1退避軌道と、
前記第2トラバーサ軌道の前記第2側の軌道側の端部に連続しており、前記第2可動軌道が前記第2側の軌道から外側に退避するための第2退避軌道と、
を備えている、搬送走行車システム。 - 前記搬送走行車は、前後の方向性を有する荷物を搬送可能であり、
前記搬送走行車を前記平行部分同士間で移動させるのに前記可動軌道を用いることで、前記荷物の走行方向に対する前後向きを反転する、請求項1に記載の搬送走行車システム。 - 前記搬送走行車は、少なくとも一部の駆動機構が点対称となるように配置されており、
前記周回軌道の軌道は二本のレールからなる、請求項1又は2に記載の搬送走行車システム。 - 前記搬送走行車は、前記軌道を走行する駆動輪と、前記駆動輪を駆動するモータと、前記軌道に当接するガイドローラとを含む駆動部を二組有しており、
前記二組の駆動部は点対称に設けられている、請求項3に記載の搬送走行車システム。
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