JP5144672B2 - 電力増幅回路ならびにそれを用いた送信機および無線通信機 - Google Patents

電力増幅回路ならびにそれを用いた送信機および無線通信機 Download PDF

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Description

本発明は、無線通信機等において送信信号の増幅等に用いられる電力増幅回路に関するものであり、特に消費電力が小さく包絡線変動を有する信号を高い電力付加効率で増幅することが可能な電力増幅回路ならびにそれを用いた送信機および無線通信機に関するものである。
ワイヤレスネットワーク等の無線通信においては、デジタル変調された信号を用いて通信が行われる場合が多くなっているが、これらの通信に用いられる信号の多くでは信号の振幅方向に情報が載せられているため包絡線変動を有する信号になっている。よって、これらの通信に用いられる無線通信機においては、包絡線変動を有する信号の増幅が必要になる。一方、このような無線通信機においては、通信時間を確保するために消費電力が小さいことが要求され、通信信号を増幅する増幅器にも低消費電力で電力付加効率が高いことが要求される。ところが、前述した包絡線変動を有する信号を電力付加効率が高い非線形増幅器を用いて増幅すると歪みが生じて信号が劣化するという問題があり、包絡線変動を有する信号を高い電力付加効率で増幅するために幾つかの手法が提案されている。
その1つにLINC(Linear Amplification with Nonlinear Component)方式と呼ばれている増幅方式がある。この手法では、包絡線変動を有する信号を2つの定包絡線信号に変換した後に、2つの定包絡線信号をそれぞれ非線形増幅器を用いて増幅し、増幅した2つの定包絡線信号をベクトル加算することによって増幅された包絡線変動を有する信号を生成する。これによって包絡線変動を有する信号を高い電力付加効率で増幅することができる(例えば、特許文献1を参照。)。
特公平6−22302号公報
しかしながら、特許文献1にて提案された従来の電力増幅回路においては、
S(t)=2Acosθ(t)・cos{wt+φ(t)}・・・(1)
で表される包絡線変動を有する入力信号S(t)を、
S1(t)=Acos{wt+φ(t)−θ(t)}・・・(2)
S2(t)=Acos{wt+φ(t)+θ(t)}・・・(3)
で表される定包絡線信号S1(t),S2(t)に分解するために、式(2),(3)で表される演算をその都度行う必要があり、例えば、式(1)〜(3)の関係を予め計算してROM(Read Only Memory)に蓄積したデータを入力信号S(t)の強度が変化する度に読み出すようなことが必要になる。このため、ROMやアナログ/デジタル変換器、デジタル/アナログ変換器等が必要になり、それによって電力増幅回路の消費電力が増大してしまうので、電力増幅回路全体で見ると電力付加効率があまり高くならないという問題があった。また、予め式(1)〜(3)の関係を計算してROM(Read Only Memory)に蓄積しておく必要があるため、変調方式や電源電圧等の条件が異なる送信回路で用いることができず汎用性に欠けるという問題もあった。
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、包絡線変動を有する信号を高い電力付加効率で増幅することが可能で消費電力が小さく汎用性の高い電力増幅回路ならびにそれを用いた送信機および無線通信機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る電力増幅回路は、包絡線変動を有する入力信号を互いに振幅が等しく位相が異なる第1定包絡線信号および第2定包絡線信号に変換してそれぞれ出力する定包絡線信号生成回路と、前記第1定包絡線信号を増幅して第1増幅信号を出力する第1増幅器と、前記第2定包絡線信号を増幅して第2増幅信号を出力する第2増幅器と、前記第1増幅信号および前記第2増幅信号に基づいて、増幅された包絡線変動を有する出力信号を出力する出力加算器と、を含む電力増幅回路であって、前記定包絡線信号生成回路は、包絡線変動を有する前記入力信号から、互いに振幅が等しく前記入力信号と所定の位相関係を有する第1基本信号および第2基本信号と、前記第1基本信号および前記第2基本信号と一定の位相関係を有する変換用基本信号と、を生成する基本信号生成回路と、Y=A−X(X:第1基本信号および第2基本信号の振幅、A:Xよりも大きい任意の一定な振幅)を満足する振幅Yを有し、前記第1基本信号よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号と、前記振幅Yを有し、前記第2基本信号よりもπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号と、を前記変換用基本信号に基づいて生成する変換信号生成回路と、前記第1基本信号および前記第1変換信号をベクトル加算する第1加算器と、前記第2基本信号および前記第2変換信号をベクトル加算する第2加算器と、を含み、前記第1加算器から出力される信号に基づいて前記第1定包絡線信号を出力し、前記第2加算器から出力される信号に基づいて前記第2定包絡線信号を出力することを特徴とする。
また本発明の一態様では、前記基本信号生成回路は、互いに振幅および位相が等しい前記第1基本信号および前記第2基本信号と、前記変換用基本信号と、を前記入力信号から生成する電力分配器を含み、前記第1加算器は前記第1基本信号および前記第1変換信号をベクトル加算することによって前記第1定包絡線信号を生成し、前記第2加算器は前記第2基本信号および前記第2変換信号をベクトル加算することによって前記第2定包絡線信号を生成するようにしてもよい。
また本発明の一態様では、前記変換信号生成回路は、前記第1基本信号よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号と、前記第2基本信号よりもπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号と、を生成するように前記変換用基本信号の位相を変化させる移相回路と、前記第1基本信号および前記第2基本信号の振幅Xに基づいて、前記第1変換信号および前記第2変換信号の振幅YがY=A−Xを満たすように前記変換用基本信号を増幅する変換用基本信号増幅回路と、を含むようにしてもよい。
また本発明の一態様では、前記変換用基本信号増幅回路は、前記第1基本信号および前記第1変換信号をベクトル加算することによって得られる信号と、前記第2基本信号および前記第2変換信号をベクトル加算することによって得られる信号と、の振幅に対応する直流電圧αを有する振幅検出信号を生成する振幅検出信号生成回路と、前記直流電圧αよりも大きい任意の直流電圧βを有する参照用信号および前記振幅検出信号が入力されて、γ=β−αを満たす直流電圧γを有する信号を出力する減算器と、前記減算器から出力される信号に基づく利得制御信号に基づいて、前記第1変換信号および前記第2変換信号の振幅YがY=A−Xを満たすように前記変換用基本信号を増幅する可変利得増幅器と、を含むようにしてもよい。
また本発明の一態様では、前記振幅検出信号生成回路は、前記第1基本信号および前記第1変換信号をベクトル加算することによって得られる信号、または、前記第2基本信号および前記第2変換信号をベクトル加算することによって得られる信号の振幅に対応した振幅を有する2つの同位相信号をミキサに入力し、前記第1基本信号および前記第1変換信号をベクトル加算することによって得られる信号、または、前記第2基本信号および前記第2変換信号をベクトル加算することによって得られる信号の振幅に対応した直流電圧成分を有する、前記ミキサから出力される信号を前記振幅検出信号の生成に利用するようにしてもよい。
また本発明の一態様では、前記入力信号の振幅が所定の振幅よりも小さい場合に、前記変換用基本信号を増幅する場合の利得を増加させる利得増加回路を含むようにしてもよい。
また本発明の一態様では、前記利得増加回路は、前記入力信号の振幅に対応する直流電圧Vaを有する第2の振幅検出信号を生成する第2の振幅検出信号生成回路と、前記直流電圧Vaよりも大きい任意の直流電圧Vbを有する第2の参照用信号および前記第2の振幅検出信号が入力されて、Vc=Vb−Vaを満たす直流電圧Vcを有する信号を出力する第2の減算器と、を含み、前記可変利得増幅器は、前記減算器からの出力信号に基づく信号と、前記第2の減算器からの出力信号に基づく信号と、を加算することによって得られる前記利得制御信号に基づいて、前記第1変換信号および前記第2変換信号の振幅YがY=A−Xを満たすように前記変換用基本信号を増幅するようにしてもよい。
また本発明の一態様では、前記入力信号の振幅に基づいて、前記参照用信号が有する直流電圧βを制御する参照用信号制御回路を含むようにしてもよい。
また本発明の一態様では、前記参照用信号制御回路は、前記入力信号の振幅が小さくなるのに従って前記直流電圧βが大きくなるように、前記直流電圧βを制御するようにしてもよい。
また本発明の一態様では、前記参照用信号制御回路は、前記入力信号の振幅が小さくなるのに従って前記直流電圧βが段階的に小さくなるように、前記直流電圧βを制御するようにしてもよい。
また本発明の一態様では、前記参照用信号制御回路は、前記入力信号の振幅に対応する直流電圧Vaを有する第2の振幅検出信号を生成する第2の振幅検出信号生成回路と、前記直流電圧Vaよりも大きい任意の直流電圧Vbを有する第2の参照用信号および前記第2の振幅検出信号が入力されて、Vc=Vb−Vaを満たす直流電圧Vcを有する信号を出力する第2の減算器と、を含み、前記第2の減算器から出力される信号に基づいて前記直流電圧βを制御するようにしてもよい。
また、本発明に係る電力増幅回路は、包絡線変動を有する入力信号を互いに振幅が等しく位相が異なる第1定包絡線信号および第2定包絡線信号に変換してそれぞれ出力する定包絡線信号生成回路と、前記定包絡線信号生成回路から入力された前記第1定包絡線信号を増幅して第1増幅信号を出力する第1増幅器と、前記定包絡線信号生成回路から入力された前記第2定包絡線信号を増幅して第2増幅信号を出力する第2増幅器と、前記第1増幅器から入力された前記第1増幅信号および前記第2増幅器から入力された前記第2増幅信号をベクトル加算して増幅された包絡線変動を有する出力信号を出力する出力加算器と、を含む電力増幅回路であって、前記定包絡線信号生成回路は、包絡線変動を有する前記入力信号から、互いに振幅および位相が等しい第1分配信号および第2分配信号を生成する電力分配器を含み、前記第1分配信号と、Y=A−X(X:第1基本信号および第2基本信号の振幅、A:Xよりも大きい任意の一定な振幅)を満足する振幅Yを有し、前記第1分配信号および前記第2分配信号よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号と、をベクトル加算してなる前記第1定包絡線信号を出力し、前記第2分配信号と、前記振幅Yを有し、前記第1分配信号および前記第2分配信号よりもπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号と、をベクトル加算してなる前記第2定包絡線信号を出力することを特徴とする。
また、本発明の電力増幅回路は、包絡線変動を有する入力信号を互いに振幅が等しく位相が異なる第1定包絡線信号および第2定包絡線信号に変換してそれぞれ出力する定包絡線信号生成回路と、該定包絡線信号生成回路から入力された前記第1定包絡線信号を増幅して第1増幅信号を出力する第1増幅器と、前記定包絡線信号生成回路から入力された前記第2定包絡線信号を増幅して第2増幅信号を出力する第2増幅器と、前記第1増幅器から入力された前記第1増幅信号および前記第2増幅器から入力された前記第2増幅信号をベクトル加算して増幅された包絡線変動を有する出力信号を出力する出力加算器とを含む電力増幅回路であって、前記定包絡線信号生成回路は、包絡線変動を有する前記入力信号から互いに振幅および位相が等しい第1分配信号および第2分配信号ならびに前記第1分配信号および前記第2分配信号と一定の位相関係を有する変換用分配信号を生成する電力分配器と、前記第1分配信号および前記第2分配信号の振幅をXとし、AをXよりも大きい任意の一定な振幅としたときに、Y=A−Xを満足する振幅Yを有し、前記第1分配信号および前記第2分配信号よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号ならびにπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号を前記変換用分配信号から生成する変換信号生成回路と、前記第1分配信号および前記第1変換信号をベクトル加算することによって前記第1定包絡線信号を生成する第1加算器と、前記第2分配信号および前記第2変換信号をベクトル加算することによって前記第2定包絡線信号を生成する第2加算器とを含むようにしてもよい。
また、本発明の電力増幅回路は、上記構成において、前記変換信号生成回路が、前記第1分配信号および前記第2分配信号よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号ならびに前記第1分配信号および前記第2分配信号よりもπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号を生成するように前記変換用分配信号の位相を変化させる移相回路と、前記第1分配信号および前記第2分配信号の振幅Xに応じて、前記第1変換信号および前記第2変換信号の振幅YがY=A−Xを満たすように前記変換用分配信号を増幅する変換用分配信号増幅回路とを含むようにしてもよい。
さらに、本発明の電力増幅回路は、上記構成において、前記変換用分配信号増幅回路が、前記第1定包絡線信号および前記第2定包絡線信号の振幅に比例する直流電圧αを有する振幅検出信号を生成する振幅検出信号生成回路と、前記直流電圧αよりも大きい任意の直流電圧βを有する参照用信号および前記振幅検出信号が入力されて、γ=β−αを満たす直流電圧γを有する利得制御信号を出力する減算器と、前記利得制御信号に基づいて前記第1変換信号および前記第2変換信号の振幅YがY=A−Xを満たすように前記変換用分配信号を増幅する可変利得増幅器とを含むようにしてもよい。
またさらに、本発明の電力増幅回路は、上記構成において、前記振幅検出信号生成回路が、前記第1定包絡線信号または前記第2定包絡線信号の振幅に比例した振幅を有する2つの同位相信号をミキサに入力し、前記第1定包絡線信号または前記第2定包絡線信号の振幅に比例した直流電圧成分を有するミキサから出力される信号を前記振幅検出信号の生成に利用するようにしてもよい。
本発明の送信機は、送信回路に上記各構成のいずれかの電力増幅回路を介してアンテナが接続されていることを特徴とするものである。
本発明の無線通信機は、送信回路に上記各構成のいずれかの電力増幅回路を介してアンテナが接続されており、該アンテナに受信回路が接続されていることを特徴とするものである。
本発明の電力増幅回路によれば、包絡線変動を有する入力信号を互いに振幅が等しく位相が異なる第1定包絡線信号および第2定包絡線信号に変換してそれぞれ出力する定包絡線信号生成回路と、定包絡線信号生成回路から入力された第1定包絡線信号を増幅して第1増幅信号を出力する第1増幅器と、定包絡線信号生成回路から入力された第2定包絡線信号を増幅して第2増幅信号を出力する第2増幅器と、第1増幅器から入力された第1増幅信号および第2増幅器から入力された第2増幅信号に基づいて、増幅された包絡線変動を有する出力信号を出力する出力加算器とを含む電力増幅回路であることから、第1増幅器および第2増幅器で増幅するのは定包絡線信号であるため、第1増幅器および第2増幅器として電力付加効率の高い非線形増幅器を用いることができるので、包絡線変動を有する信号を高い電力付加効率で増幅することができる。
さらに、定包絡線信号生成回路は、包絡線変動を有する入力信号から、互いに振幅が等しく入力信号と所定の位相関係を有する第1基本信号および第2基本信号と、第1基本信号および第2基本信号と一定の位相関係を有する変換用基本信号と、を生成する基本信号生成回路と、Y=A−X(X:第1基本信号および第2基本信号の振幅、A:Xよりも大きい任意の一定な振幅)を満足する振幅Yを有し、第1基本信号よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号と、振幅Yを有し、第2基本信号よりもπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号と、を変換用基本信号から生成する変換信号生成回路と、第1基本信号および第1変換信号をベクトル加算する第1加算器と、第2基本信号および第2変換信号をベクトル加算する第2加算器と、を含み、第1加算器から出力される信号に基づいて第1定包絡線信号を出力し、第2加算器から出力される信号に基づいて第2定包絡線信号を出力することから、複雑な計算を行なうことなく、単に第1基本信号と第1変換信号とをベクトル加算することおよび第2基本信号と第2変換信号とをベクトル加算することによって、第1定包絡線信号および第2定包絡線信号を生成することができるため、定包絡線信号生成回路を消費電力の小さい単純なアナログ回路で構成することができるので、電力増幅回路全体の消費電力が小さくなり、電力増幅回路全体として電力付加効率を高くすることができる。また、予め計算結果を蓄えておく必要がないので汎用性に優れる電力増幅回路である。
また、本発明の電力増幅回路によれば、変換信号生成回路が、第1基本信号よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号と、第2基本信号よりもπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号と、を生成するように変換用基本信号の位相を変化させる移相回路と、第1基本信号および第2基本信号の振幅Xに応じて、第1変換信号および第2変換信号の振幅YがY=A−Xを満たすように変換用基本信号を増幅する変換用分配信号増幅回路とを含む場合には、変換用基本信号の位相をシフトさせるとともに第1分配信号および第2分配信号の振幅に応じて増幅することによって第1変換信号および第2変換信号を生成することができるため、変換信号生成回路を消費電力の小さい単純なアナログ回路で構成することができるので、小型で消費電力の小さい電力増幅回路を得ることができる。
さらに、本発明の電力増幅回路によれば、変換用基本信号増幅回路が、第1基本信号および第1変換信号をベクトル加算することによって得られる信号と、第2基本信号および第2変換信号をベクトル加算することによって得られる信号と、の振幅に比例する直流電圧αを有する振幅検出信号を生成する振幅検出信号生成回路と、直流電圧αよりも大きい任意の直流電圧βを有する参照用信号および振幅検出信号が入力されて、γ=β−αを満たす直流電圧γを有する信号を出力する減算器と、減算器からの出力信号に基づく利得制御信号に基づいて第1変換信号および第2変換信号の振幅YがY=A−Xを満たすように変換用基本信号を増幅する可変利得増幅器とを含む場合には、第1定包絡線信号および第2定包絡線信号の振幅に比例して増減する直流電圧αに対して逆に増減する信号の直流電圧γの増減に対応して可変利得増幅器による変換用分配信号の増幅量が増減することによって第1変換信号および第2変換信号の振幅Yが増減する。このように、第1定包絡線信号および第2定包絡線信号の振幅の増減に対して第1変換信号および第2変換信号の振幅Yが逆に増減し、これによって第1定包絡線信号および第2定包絡線信号の振幅を以前と逆に増減させる帰還回路が形成されていることから、第1定包絡線信号および第2定包絡線信号の振幅の増減の原因となる第1基本信号および第2基本信号の振幅Xが変化する速度よりもこの帰還回路の応答速度を充分に速くすることにより、第1定包絡線信号および第2定包絡線信号の振幅の変化を抑制して文字通りの定包絡線信号にすることができる。このようにして、第1基本信号および第2基本信号の振幅Xと第1変換信号および第2変換信号の振幅Yとの間において常にY+X=A(一定)という関係が成立するような第1変換信号および第2変換信号を単純なアナログ回路によって生成することができる。このように変換用基本信号増幅回路を消費電力の小さい単純なアナログ回路で構成することができるので、さらに小型で消費電力の小さい電力増幅回路を得ることができる。
またさらに、本発明の電力増幅回路によれば、振幅検出信号生成回路が、第1定包絡線信号または第2定包絡線信号の振幅に比例した振幅を有する2つの同位相信号をミキサに入力し、第1定包絡線信号または第2定包絡線信号の振幅に比例した直流電圧成分を有するミキサから出力される信号を振幅検出信号の生成に利用するときには、第1定包絡線信号または第2定包絡線信号の振幅に比例した振幅を有する2つの同位相信号をミキサに入力することによって、ミキサに入力された2つの同位相信号の2倍の周波数を有する信号およびミキサに入力された2つの同位相信号の振幅に比例した直流電圧を有する信号がミキサから出力されるので、ミキサに入力された2つの同位相信号の振幅に比例した直流電圧を有する信号をそのままあるいは加工して振幅検出信号とすることができる。このように、振幅検出信号生成回路を消費電力の小さい単純なアナログ回路で構成することができるので、さらに小型で消費電力の小さい電力増幅回路を得ることができる。
またさらに、本発明に係る電力増幅回路によれば、入力信号の振幅が比較的小さくなっても、変換用基本信号を増幅する際の利得が不足しないように図ることが可能になる。その結果として、入力信号の振幅が比較的小さくなっても、第1基本信号および第1変換信号をベクトル加算することによって得られる信号や、第2基本信号および第2変換信号をベクトル加算することによって得られる信号が定包絡線信号になるように担保することが可能になる。
またさらに、本発明に係る電力増幅回路によれば、第1定包絡線信号と第2定包絡線信号との間の位相差が大きくなりすぎないように図ることが可能になる。その結果として、出力信号の位相誤差の軽減を図ることが可能になる。
本発明の送信機によれば、送信回路に本発明の電力増幅回路を介してアンテナが接続されていることから、送信回路からの包絡線変動を有する送信信号を消費電力が小さく電力付加効率が高い本発明の電力増幅回路によって増幅することができるので、消費電力が小さく送信時間が長い送信機を得ることができる。
本発明の無線通信機によれば、送信回路に本発明の電力増幅回路を介してアンテナが接続されており、アンテナに受信回路が接続されていることから、送信回路からの包絡線変動を有する送信信号を消費電力が小さく電力付加効率が高い本発明の電力増幅回路によって増幅することができるので、消費電力が小さく通信時間が長い無線通信機を得ることができる。
本発明の電力増幅回路の実施の形態の一例を模式的に示すブロック図である。 本発明の電力増幅回路の実施の形態の一例を模式的に示す回路図である。 本発明の実施形態に係る電力増幅回路における定包絡線信号生成の基本原理を説明するベクトル図である。 本発明の実施形態に係る電力増幅回路における定包絡線信号生成の基本原理を説明するベクトル図である。 本発明の電力増幅回路の実施の形態の他の例を模式的に示す回路図である。 本発明の実施形態に係る電力増幅回路によって解決される課題について説明するための図である。 本発明の実施形態に係る電力増幅回路によって解決される課題について説明するための図である。 本発明の電力増幅回路の実施の形態のさらに他の例を模式的に示す回路図である。 参照用信号制御回路の動作について説明するための図である。 参照用信号制御回路の動作について説明するための図である。 本発明の電力増幅回路の実施の形態のさらに他の例を模式的に示す回路図である。 本発明の電力増幅回路の実施の形態のさらに他の例を模式的に示す回路図である。 参照用信号制御回路の構成の一例について説明するための図である。 参照用信号制御回路の動作について説明するための図である。 本発明の電力増幅回路の実施の形態のさらに他の例を模式的に示す回路図である。 本発明の電力増幅回路を用いた複合増幅回路の実施の形態の一例を模式的に示すブロック図である。 本発明の電力増幅回路を用いた送信機の実施の形態の一例を模式的に示すブロック図である。 本発明の電力増幅回路を用いた無線通信機の実施の形態の一例を模式的に示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態に係る電力増幅回路を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態の第1の例)
図1および図2は本発明の電力増幅回路の実施の形態の一例を示すブロック図および回路図である。図3および図4は本実施形態に係る電力増幅回路の定包絡線信号生成回路において変動包絡線信号を2つの定包絡線信号に変換するメカニズムを説明するための図である。
本実施形態に係る電力増幅回路は、図1に示すように、定包絡線信号生成回路20と、第1増幅器11と、第2増幅器12と、出力加算器13と、を含む。定包絡線信号生成回路20は、包絡線変動を有する入力信号Siを互いに振幅が等しく位相が異なる第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2に変換してそれぞれ出力する。第1増幅器11は、定包絡線信号生成回路20から入力された第1定包絡線信号Sd1を増幅して第1増幅信号Sh1を出力する。第2増幅器12は、定包絡線信号生成回路20から入力された第2定包絡線信号Sd2を増幅して第2増幅信号Sh2を出力する。出力加算器13は、第1増幅器11から入力された第1増幅信号Sh1および第2増幅器12から入力された第2増幅信号Sh2をベクトル加算することによって、増幅された包絡線変動を有する高周波信号である出力信号Soを出力する。
また、本例の電力増幅回路における定包絡線信号生成回路20は、図2に示すように、電力分配器23と、変換信号生成回路30と、第1加算器21と、第2加算器22と、を含む。定包絡線信号生成回路20では、包絡線変動を有する入力信号Siから、互いに振幅が等しく入力信号Siと所定の位相関係を有する第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2と、第1基本信号および第2基本信号と一定の位相関係を有する変換用基本信号Sbと、が生成される。図2に示す定包絡線信号生成回路20では、電力分配器23(基本信号生成回路)によって、包絡線変動を有する入力信号Siから、互いに振幅および位相が等しい第1分配信号および第2分配信号と、第1分配信号および第2分配信号と一定の位相関係を有する変換用分配信号と、が生成される。そして、それらの第1分配信号と第2分配信号と変換用分配信号がそれぞれ第1基本信号Sa1と第2分配信号Sa2と変換用分配信号Sbとして用いられる。変換信号生成回路30は、Y=A−X(X:第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2の振幅、A:Xよりも大きい任意の一定な振幅)を満足する振幅Yを有し、第1基本信号Sa1よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号Sc1と、振幅Yを有し、第2基本信号Sa2よりもπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号Sc2と、を変換用基本信号Sbに基づいて生成する。第1加算器21は第1基本信号Sa1および第1変換信号Sc1をベクトル加算する。第2加算器22は第2基本信号Sa2および第2変換信号Sc2をベクトル加算する。定包絡線信号生成回路20からは、第1加算器21からの出力信号に基づいて、第1定包絡線信号Sd1が出力され、第2加算器22からの出力信号に基づいて、第2定包絡線信号Sd2が出力される。図2に示す定包絡線信号生成回路20では、第1加算器21からの出力信号が第1定包絡線信号Sd1として出力され、第2加算器22からの出力信号が第2定包絡線信号Sd2として出力される。
ここで、本例の電力増幅回路の定包絡線信号生成回路20において、包絡線変動を有する入力信号Siから第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2を生成する基本原理について図3および図4を用いて説明する。図3および図4は、包絡線変動を有する入力信号Si,第1基本信号Sa1,第2基本信号Sa2,第1変換信号Sc1,第2変換信号Sc2,第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2のそれぞれの間の関係をベクトル表示したものである。ここでは説明を容易にするために、第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2の振幅を包絡線変動を有する入力信号Siの振幅の1/2とし、第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2の位相を包絡線変動を有する入力信号Siの位相と等しく設定している。
本例の電力増幅回路における定包絡線信号生成回路20は、図3に示すように、包絡線変動を有する入力信号Siを互いに振幅及び位相が等しい第1分配信号および第2分配信号に分配する。第1分配信号、第2分配信号は入力信号Siと位相が等しく、それぞれ第1基本信号Sa1、第2基本信号Sa2として用いられる。そして、第1基本信号Sa1と、第1基本信号Sa1よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号Sc1と、をベクトル加算することによって第1定包絡線信号Sd1を生成する。また、第2基本信号Sa2と、第2基本信号Sa2よりもπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号Sc2と、をベクトル加算することによって第2定包絡線信号Sd2を生成する。ここで、第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2の振幅をXとし、第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅をYとし、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅をBとすると、これらの間にはX+Y=Bの関係が成立する。
そこで、X+Y=A(A:Xより大きい任意の一定の振幅)の関係が常に成立するように、包絡線変動を有する入力信号Siの振幅の変化によって第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2の振幅Xが変化したときに、それに応じて、第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅YをY=A−Xを満たすように変化させることにより、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅Bを一定の振幅Aとすることができる。これにより、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2は、その名の通り振幅が一定の定包絡線信号になる。
例えば、図4に示すように、包絡線変動を有する入力信号Siの振幅が小さくなることにより第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2の振幅Xが小さくなったときには、それに応じて、第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅YがY=A−Xを満たすように大きくなる。これによって、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅Bを変化させないで一定に保つことができる。
このようにして、本実施形態に係る電力増幅回路における定包絡線信号生成回路20は、包絡線変動を有する入力信号Siを第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の2つの定包絡線信号に変換することができる。なお、このようにして生成した第1定包絡線信号Sd1と第2定包絡線信号Sd2とをベクトル加算すると元の包絡線変動を有する入力信号Siになることは図3および図4からも明らかであり、包絡線変動を有する入力信号Siが第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2からなる2つの定包絡線信号に正確に分解されていることがわかる。実際には、包絡線変動を有する入力信号Siから変換用基本信号Sbも取り出されるため、第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2の振幅Xが、包絡線変動を有する入力信号Siの振幅の1/2よりも小さくなり、その結果として、第1定包絡線信号Sd1と第2定包絡線信号Sd2とをベクトル加算した信号の振幅は、包絡線変動を有する入力信号Siの振幅よりも小さくなるが、それぞれ増幅される信号なので問題にはならない。
さらに、本例の電力増幅回路における変換信号生成回路30は、図2に示すように、移相回路60と、変換用基本信号増幅回路40と、を含む。移相回路60は、第1基本信号Sa1よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号Sc1と、第2基本信号Sa2よりもπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号Sc2と、を生成するように変換用基本信号Sbの位相を変化させる。変換用基本信号増幅回路40は、第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2の振幅Xに応じて、第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅YがY=A−Xを満たすように変換用基本信号Sbを増幅する。
またさらに、本例の電力増幅回路における変換用基本信号増幅回路40は、図2に示すように、振幅検出信号生成回路50と、減算器41と、可変利得増幅器42と、を含む。振幅検出信号生成回路50は、第1加算器21から出力される信号Sd1および第2加算器22から出力される信号Sd2の振幅に対応する直流電圧αを有する振幅検出信号Seを生成する。直流電圧αは信号Sd1,Sd2の振幅の増加に応じて増加し、信号Sd1,Sd2の振幅の減少に応じて減少する。例えば、直流電圧αは信号Sd1および信号Sd2の振幅に比例する。減算器41は、直流電圧αよりも大きい任意の直流電圧βを有する参照用信号Sfおよび振幅検出信号Seが入力されて、γ=β−αを満たす直流電圧γを有する信号を出力する。減算器41から出力される信号に基づいて利得制御信号Sgが生成され、可変利得増幅器42に入力される。可変利得増幅器42は、利得制御信号Sgに基づいて、第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅YがY=A−Xを満たすように変換用基本信号Sbを増幅する。
ここで、第1定包絡線信号Sd1及び第2定包絡線信号Sd2の振幅は参照用信号Sfの直流電圧βの値によって制御することができる。例えば、直流電圧βを大きく設定すると、可変利得増幅器42に入力される利得制御信号Sgが増加し、変換用基本信号Sbを増幅する際の利得が増加するため、第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅が大きくなる。上述したように、第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2の振幅(X)と、第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅(Y)と、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅(B)と、の間にはX+Y=Bの関係が成立するため、第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅が大きくなると、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅も大きくなる。このため、直流電圧βを大きく設定すると、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅を大きくすることができる。同様に、直流電圧βを小さく設定すると、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅を小さくすることができる。
さらにまた、本例の電力増幅回路における振幅検出信号生成回路50では、図2に示すように、第1加算器21から出力される信号Sd1または第2加算器22から出力される信号Sd2の振幅に対応した振幅を有する2つの同位相信号がミキサ51に入力される。ミキサ51からは、第1加算器21から出力される信号Sd1または第2加算器22から出力される信号Sd2の振幅に対応した直流電圧成分を有する信号が出力される。すなわち、ミキサ51からの出力信号が有する直流電圧成分は、信号Sd1または信号Sd2の振幅の増加に応じて増加し、信号Sd1または信号Sd2の振幅の減少に応じて減少する。例えば、ミキサ51からの出力信号が有する直流電圧成分は、信号Sd1または信号Sd2の振幅に比例する。この信号は振幅検出信号Seの生成に利用される。
本例の電力増幅回路において、包絡線変動を有する入力信号Siは電力分配器23によって、互いに振幅および位相が等しい第1分配信号および第2分配信号と、変換用分配信号とに分配され、それぞれ第1基本信号Sa1、第2基本信号Sa2、変換用基本信号Sbとして用いられる。なお、第1基本信号Sa1,第2基本信号Sa2および変換用基本信号Sbの位相は全て包絡線変動を有する入力信号Siの位相と等しくされている。そして、第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2は第1加算器21および第2加算器22にそれぞれ入力される。変換用基本信号Sbは、移相回路60の一部を構成する移相器61によって位相をπ/2進められた後に可変利得増幅器42によって増幅される。その後、変換用基本信号Sbは2分割されて、その一方が第1変換信号Sc1として第1加算器21に入力され、他方が移相回路60の一部を構成する移相器62によって位相をπ進められた後に第2変換信号Sc2として第2加算器22に入力される。
第1加算器21では第1基本信号Sa1と第1変換信号Sc1とがベクトル加算されて第1定包絡線信号Sd1が出力され、第2加算器22では第2基本信号Sa2と第2変換信号Sc2とがベクトル加算されて第2定包絡線信号Sd2が出力される。第1加算器21から出力された第1定包絡線信号Sd1は第1増幅器11に入力されるが、その前に一部が分岐されてさらに2分割されてミキサ51に入力される。ミキサ51からは第1定包絡線信号Sd1の振幅に対応した直流電圧成分を有する信号が出力され、振幅検出信号生成回路50の振幅検出信号生成用加算器52に入力される。同様に、第2加算器22から出力された第2定包絡線信号Sd2は第2増幅器12に入力されるが、その前に一部が分岐されてさらに2分割されてミキサ51に入力される。ミキサ51からは第2定包絡線信号Sd2の振幅に対応した直流電圧成分を有する信号が出力され、振幅検出信号生成回路50の振幅検出信号生成用加算器52に入力される。
振幅検出信号生成用加算器52では、入力された第1定包絡線信号Sd1の振幅に対応した直流電圧成分を有する信号および第2定包絡線信号Sd2の振幅に対応した直流電圧成分を有する信号を加算して振幅検出信号Seとして減算器41に出力する。減算器41では、別途入力された参照用信号Sfから振幅検出信号Seを減算した信号を出力信号としてローパスフィルタ43に出力する。ローパスフィルタ43では第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の周波数の2倍の周波数を含む高周波成分が減衰されて直流電圧成分が殆どを占める出力信号がバッファーアンプ44に入力される。バッファーアンプ44では、入力された信号を増幅した後に利得制御信号Sgとして可変利得増幅器42に出力する。
こうして、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の増減と逆に増減する利得制御信号Sgの直流電圧成分がバイアス電圧として可変利得増幅器42に印可される。このため、可変利得増幅器42の増幅量は第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の増減と逆に増減される。その結果として、変換用基本信号Sbが可変利得増幅器42で増幅されて生成される第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅も第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の増減と逆に増減することになる。このような帰還回路が形成されていることにより、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅は一定に保たれ、それぞれ文字通りの定包絡線信号となる。
また、第1増幅器11は入力された第1定包絡線信号Sd1を増幅して第1増幅信号Sh1として出力加算器13に出力し、第2増幅器12は入力された第2定包絡線信号Sd2を増幅して第2増幅信号Sh2として出力加算器13に出力する。出力加算器13は入力された第1増幅信号Sh1および第2増幅信号Sh2をベクトル加算して、包絡線変動を有する出力信号Soを出力する。
このようにして、本例の電力増幅回路は、入力された包絡線変動を有する入力信号Siを第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2に変換し、それぞれを第1増幅器11および第2増幅器12によって高い電力付加効率で増幅した後に、出力加算器13によって合成することによって、増幅された包絡線変動を有する出力信号Soを出力することができる。
このような構成を有する本例の電力増幅回路によれば、第1増幅器11および第2増幅器12で増幅するのは定包絡線信号であるため、第1増幅器11および第2増幅器12として電力付加効率の高い非線形増幅器を用いることができる。このため、包絡線変動を有する信号を高い電力付加効率で増幅することができる。
また、本例の電力増幅回路によれば、複雑な計算を行なうことなく、単に第1基本信号Sa1と第1変換信号Sc1とをベクトル加算することと、第2基本信号Sa2と第2変換信号Sc2とをベクトル加算することとによって第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2を生成することができる。このため、定包絡線信号生成回路20を消費電力の小さい単純なアナログ回路で構成することができるので、電力増幅回路全体の消費電力が小さくなり、電力増幅回路全体として電力付加効率を高くすることができる。
さらに、本例の電力増幅回路では、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅に比例して増減する直流電圧αに応じて、利得制御信号Sgの直流電圧γが直流電圧αの増減とは逆に増減する。また、利得制御信号Sgの直流電圧γの増減に対応して可変利得増幅器42による変換用基本信号Sbの増幅量が増減することによって、第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅Yが増減する。このように、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の増減に応じて、第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅Yが第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の増減とは逆に増減する。これによって第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅を以前と逆に増減させる帰還回路が形成されている。第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の増減の原因となる第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2の振幅Xが変化する速度よりもこの帰還回路の応答速度を充分に速くすることにより、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の変化を抑制して文字通りの定包絡線信号にすることができる。このようにして、第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2の振幅Xと第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅Yとの間において常にY+X=A(一定)という関係が成立するような第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2を単純なアナログ回路によって生成することができる。
本例の電力増幅回路において、出力加算器13,第1加算器21および第2加算器22等の加算器としては、例えば、イメージ抑圧型ダブルバランスミキサ等を用いることができる。また、減算器41としては、例えば、オペアンプ等を用いることができる。
なお、以上の説明では、第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2を入力信号Siと同じ位相の信号としたが、第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2は入力信号Siと所定の位相関係を有する信号であればよい。例えば、第1基本信号Sa1は入力信号Siと同じ位相の信号とし、第2基本信号Sa2は入力信号Siよりπだけ位相が進められた信号としてもよい。すなわち、入力信号Siから分配された第1分配信号を第1基本信号Sa1とし、入力信号Siから分配された第2分配信号の位相をπだけ進めた信号を第2基本信号Sa2としてもよい。この場合、電力分配器23と、第2分配信号の位相をπだけ進めるための移相器と、が「基本信号生成回路」に相当する。また、この場合、移相器62は省略することができる。さらに、この場合、第2加算器22からの出力信号の位相をπだけ進めた後(すなわち、第2加算器22からの出力信号の位相を第2基本信号Sa2と入力信号Siとの位相関係に基づいて変化させた後)、その信号を第2定包絡線信号Sd2として出力するようにしてもよい。または、第2加算器22から出力される信号をそのままの位相で第2定包絡線信号Sd2として出力し、第2増幅器22による増幅後の信号の位相をπだけ進めるようにしてもよい(すなわち、第2増幅器22による増幅後の信号の位相を第2基本信号Sa2と入力信号Siとの位相関係に基づいて変化させるようにしてもよい)。あるいは、第2加算器22からの出力信号をそのままの位相で第2定包絡線信号Sd2として出力し、かつ、第2増幅器22による増幅後の信号をそのままの位相で出力加算器13に入力し、出力加算器13からの出力信号の位相をπ/2だけ遅らせた後(すなわち、出力加算器13からの出力信号の位相を第2基本信号Sa2と入力信号Siとの位相関係に基づいて変化させた後)、出力信号Soとして出力するようにしてもよい。このようにしても、増幅された包絡線変動を有する出力信号Soを得ることができる。
なお、本実施の形態のように第1基本信号Sa1および第2基本信号Sa2が入力信号Siと同じ位相の信号になっていると、第1加算器21または第2加算器22からの出力信号、第1増幅器11または第2増幅器12による増幅後の信号や、出力加算器13からの出力信号の位相を変化させる必要がなくなるので、好適である。
(実施の形態の第2の例)
図5は本発明の電力増幅回路の実施の形態の他の例を模式的に示す回路図である。なお、第1の例と同様の構成要素については同一の参照符号を付して説明を省略する。
まず、本実施の形態に係る電力増幅回路によって解決される課題について説明する。入力信号Siの振幅が比較的小さい場合、振幅が比較的大きい場合に比べて、Y=A−Xを満足する第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2の振幅(Y)は大きくなるため、変換用基本信号Sbをより増幅しなければならなくなる。このため、入力信号Siの振幅が小さくなると、変換用基本信号Sbを増幅する際の利得が不足することに起因して、Y=A−Xを満足する第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2を生成できなくなる状態になってしまう場合がある。図6および図7はこの状態について説明するための図である。図6および図7に示すように、上記の状態になると、入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて、信号Sd1,Sd2の振幅がそれらの信号Sd1,Sd2の間の位相差を一定の角度に保ったまま小さくなっていく現象が発生する。すなわち、信号Sd1,Sd2が定包絡線信号にならなくなってしまう。
図5に示すように、本実施の形態に係る電力増幅回路は利得増加回路100を含む点で第1の例とは異なる。利得増加回路100はミキサ101(第2の振幅検出信号生成回路)とローパスフィルタ102と減算器103(第2の減算器)と加算器104とを含む。本例の電力増幅回路では入力信号Siから信号Sjも分配される。信号Sjは2分割されてミキサ101に入力される。ミキサ101は信号Sjの振幅に対応した直流電圧Vaを含む信号Sk(第2の振幅検出信号)を出力する。直流電圧Vaは信号Sjの振幅の増加に応じて増加し、信号Sjの振幅の減少に応じて減少する。例えば、直流電圧Vaは信号Sjの振幅に比例する。ローパスフィルタ102では高周波成分が減衰され、直流電圧成分が殆どを占める信号が減算器103に入力される。減算器103には、ローパスフィルタ102によって高周波成分が減衰された信号Skと、所定の直流電圧Vbを有する参照用信号Sm(第2の参照用信号)と、が入力される。減算器103はVc=Vb−Vaを満たす直流電圧Vcを有する信号Snを出力する。Va<Vbである場合(すなわち入力信号Siの振幅が所定の振幅より小さい場合)、信号Snの直流電圧Vcは入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて大きくなる。なお、Va≧Vbである場合(すなわち入力信号Siの振幅が所定の振幅以上である場合)、信号Snの直流電圧Vcは0になる。加算器104には、直流電圧γを有する信号がバッファーアンプ44によって増幅されてなる信号Spと、直流電圧Vcを有する信号Snと、が入力される。加算器104は、信号Sp,Snを加算してなる信号を利得制御信号Sgとして可変利得増幅器42に入力する。
本実施の形態に係る電力増幅回路では、入力信号Siの振幅が所定の振幅より小さい場合(すなわちVa<Vbの場合)、可変利得増幅器42に供給される利得制御電圧がVc(Vc=Vb−Va)だけ増加され、底上げされる。その結果として、変換用基本信号Sbを増幅する際の利得が大きくなる。本実施の形態に係る電力増幅回路によれば、入力信号Siの振幅が比較的小さくなっても、変換用基本信号Sbを増幅する際の利得が不足しないように図ることが可能になる。その結果、上述したような現象が発生し難くなり、入力信号Siの振幅が比較的小さくなっても、信号Sd1,Sd2が定包絡線信号となるように担保することが可能になる。例えば、利得増加回路100が設けられていない状態では、上述したような現象が入力信号Siの振幅がある振幅Xa以下になると発生すると仮定する。この場合、利得増加回路100を設けることによって、入力信号Siの振幅が振幅Xaよりも小さい振幅Xbになると上述の現象が発生するようになり、入力信号Siの振幅がXbになるまで上述の現象が発生しないようになる。なお、本実施の形態に係る電力増幅回路では、上述したような現象が発生する入力信号Siの振幅を、参照用信号Smの直流電圧Vbの値を調整することによって制御できるようになる。例えば、入力信号Siの振幅が所望の振幅になった場合に上述の現象が発生するようにする設定することも可能である。また、参照用信号Smの直流電圧Vbの値を大きな値とすることによって、入力信号Siの振幅が小さくなっても上述の現象が発生しないように設定することも可能である。
(実施の形態の第3の例)
図8は本発明の電力増幅回路の実施の形態の他の例を模式的に示す回路図である。なお、本例においては前述した第1の例と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本例の電力増幅回路は、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の一部が入力されて参照用信号Sfが出力される参照用信号制御回路45を備えている。
本例の電力増幅回路によれば、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の一部をそれぞれ分岐させて参照用信号制御回路45に入力し、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の変動幅を確認した上で参照用信号Sfの直流電圧βを決定することができるようになる。上述のように、第1定包絡線信号Sd1及び第2定包絡線信号Sd2の振幅は入力信号Siの振幅の変化に応じて変化する。また、直流電圧βの値によって第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が制御される。このため、参照用信号制御回路45は入力信号Siの振幅に基づいて第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅を制御する回路ということができる。参照用信号制御回路45を備えることによって、電源電圧や包絡線変動を有する入力信号Siの振幅が大きく異なる複数のシステムにおいても参照用信号Sfの直流電圧βを最適化でき、より汎用性の高い電力増幅回路を得ることができる。
(実施の形態の第3−1の例)
第2の例において解決される課題は、図8に示す電力増幅回路(参照用信号制御回路45)によって解決することもできる。この場合の参照用信号制御回路45は、入力信号Siの振幅が所定の振幅よりも小さい場合、参照用信号Sfの直流電圧βを増加させる。例えば、参照用信号制御回路45は、入力信号Siの振幅が所定の振幅よりも小さい場合において、参照用信号Sfの直流電圧βを入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて徐々に大きくしていく。上述したように、γ=β−αを満たす直流電圧γを有する信号に応じた利得制御信号Sgが可変利得増幅器42に入力される。このため、参照用信号Sfが有する直流電圧βが大きくなると、変換用基本信号Sbを増幅する際の利得が大きくなる。
この場合の参照用信号制御回路45によれば、入力信号Siの振幅が所定の振幅よりも小さい場合、変換用分配信号Sbを増幅する際の利得がより大きくなるように制御される。このため、入力信号Siの振幅が比較的小さくなっても、変換用基本信号Sbを増幅する際の利得が不足しないように図ることが可能になる。その結果として、入力信号Siの振幅が比較的小さくなっても、信号Sd1,Sd2が定包絡線信号となるように担保することが可能になる。
(実施の形態の第3−2の例)
図8に示す電力増幅回路(参照用信号制御回路45)によれば、下記に説明するような課題も解決することができる。第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の間で振幅の差異が生じると、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2をベクトル加算することによって生成される出力信号Soと、入力信号Siと、の間に位相差が生じてしまう。この位相誤差は第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の間の位相差が大きいほど大きくなる。すなわち、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の間の位相差が比較的大きい場合には、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の間の振幅の差異が比較的小さかったとしても、出力信号Soの位相誤差が比較的大きくなってしまう。上述したように、入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の間の位相差は大きくなり、180度に近づいていく。このため、入力信号Siの振幅が比較的小さい場合には出力信号Soの位相誤差が比較的大きくなってしまう。例えば、ダイナミックレンジの大きい変調方式に則った信号の増幅を行う場合には上記の課題を解決する必要がある。
図9および図10は上記の課題を解決するための参照用信号制御回路45の動作について説明するための図である。参照用信号制御回路45は、図9に示すように、入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて参照用信号Sfの直流電圧βが段階的に小さくなるように、参照用信号Sfの直流電圧βを制御する。図9に示す例では、入力信号Siの振幅がX1以上である場合、参照用信号制御回路45は参照用信号Sfの直流電圧βをV1に設定する。また、入力信号Siの振幅がX2以上であってX1未満である場合、参照用信号制御回路45は参照用信号Sfの直流電圧βをV1よりも小さいV2に設定する。この場合の第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅は、入力信号Siの振幅がX1以上である場合よりも小さくなる。また、入力信号Siの振幅がX2未満である場合、参照用信号制御回路45は参照用信号Sfの直流電圧βをV2よりも小さいV3に設定する。この場合の第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅は、入力信号Siの振幅がX2以上である場合よりも小さくなる。このように、この場合の参照用信号制御回路45によれば、入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が段階的に小さくなる。図10に示すように、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が小さくなると(図10におけるSd1a,Sd2a)、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が大きい場合(図10におけるSd1b,Sd2b)に比べて、第1定包絡線信号Sd1と第2定包絡線信号Sd2との間の位相差が小さくなる。したがって、この場合の参照用信号制御回路45によれば、第1定包絡線信号Sd1と第2定包絡線信号Sd2との間の位相差が大きくならないように制御することが可能になり、出力信号Soの位相誤差の軽減を図ることが可能になる。
なお、この場合の参照用信号制御回路45は、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2を増幅する際の動作点が第1増幅器11および第2増幅器12の飽和領域となるように、第1増幅器11および第2増幅器12を制御する。すなわち、参照用信号制御回路45は、参照用信号Sfが有する直流電圧βの変化(言い換えれば、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の変化)に同期して、第1増幅器11および第2増幅器12のゲート電圧や等価ゲート幅を制御する。この場合、例えば、複数の増幅器を並列に接続することによって第1増幅器11を構成する。第2増幅器12も同様に構成する。そして、参照用信号制御回路45は、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の変化に同期して、第1増幅器11および第2増幅器12に含まれる複数の増幅器を選択的にオン/オフすることによって、第1増幅器11および第2増幅器12の等価ゲート幅を制御する。こうすれば、高い電力付加効率での増幅を担保することが可能になる。
ここでは、入力信号Siの振幅に基づいて参照用信号Sfの直流電圧βを制御することによって、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が段階的に小さくなるようにした。しかしながら、変換用基本信号Sbを増幅するためのループ部分の利得を入力信号Siの振幅に基づいて制御することによって、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が段階的に小さくなるようにしてもよい。例えば、第1加算器21、第2加算器22、減算器41、可変利得増幅器42、バッファーアンプ44、ミキサ51のうちの少なくとも一つの利得を入力信号Siの振幅に基づいて制御することによって、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が段階的に小さくなるようにしてもよい。なお、本実施の形態のように、参照用信号Sfの直流電圧βを制御する方法を採用すると、入力信号Siの振幅が小さくなるのに応じて第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が段階的に小さくなるようにすることを比較的簡易に実現できるようになるため、好適である。
(実施の形態の第4の例)
図8に示す参照用信号制御回路45では、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2から分岐された信号に基づいて、入力信号Siの振幅の大きさを検出するようにしたが、入力信号Siから分配された信号に基づいて、入力信号Siの振幅の大きさを検出するようにしてもよい。図11はその場合の電力増幅回路を示す回路図である。なお、図11に示す電力増幅回路(参照用信号制御回路45a)は、第2の例および第3−1の例によって解決される課題と同じ課題を解決するための構成を有している。以下、参照用信号制御回路45aの動作について説明する。なお、第1の例と同様の構成要素については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、この場合の参照用信号制御回路45aはミキサ111(第2の振幅検出信号生成回路)とローパスフィルタ112と減算器113(第2の減算器)と減算器114とカレントミラー回路115とを含む。この場合の電力増幅回路では入力信号Siから信号Sjも分配される。信号Sjは2分割されてミキサ111に入力される。ミキサ111は信号Sjの振幅に対応した直流電圧Vaを有する信号Sk(第2の振幅検出信号)を出力する。すなわち、直流電圧Vaは信号Sjの振幅の増加に応じて増加し、信号Sjの振幅の減少に応じて減少する。例えば、直流電圧Vaは信号Sjの振幅に比例する。ローパスフィルタ112では高周波成分が減衰され、直流電圧成分が殆どを占める信号が出力される。減算器113には、ローパスフィルタ112によって高周波成分が減衰された信号Skと、所定の直流電圧Vbを有する参照用信号Sm(第2の参照用信号)と、が入力される。減算器113はVc=Vb−Vaを満たす直流電圧Vcを有する信号Snを出力する。Va<Vbである場合(すなわち入力信号Siの振幅が所定の振幅より小さい場合)、信号Snの直流電圧Vcは入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて大きくなる。なお、Va≧Vbである場合(すなわち入力信号Siの振幅が所定の振幅以上である場合)、信号Snの直流電圧Vcは0になる。
減算器114には、直流電圧Vcを有する信号Snが減算器113から入力され、直流電圧Vdを有する参照用信号Sqが例えばサンプルホールド回路(図示せず)から入力される。減算器114はVe=Vd−Vcを満たす直流電圧Veを有する信号Srをカレントミラー回路115に出力する。カレントミラー回路115のFET116には、定電流源118に起因する電流iと、直流電圧Veが印加されることに起因する電流Δiと、の和の電流i+Δiが流れる。そして、もう一方のFET117にも電流i+Δiが流れる。そして、Vg=Vf−(i+Δi)*Raを満たす直流電圧Vgを有する信号Stが利得制御信号としてバッファーアンプ44に入力される。なお、バッファーアンプ44は利得可変可能に構成されている。また、β=Vf−(i+Δi)*(Ra+Rb)を満たす直流電圧βを有する参照用信号Sfが減算器41に入力される。
参照用信号制御回路45aでは、入力信号Siの振幅が所定の振幅より小さい場合(すなわちVa<Vbの場合)、カレントミラー回路115に供給される信号Srの直流電圧Veは小さくなり、カレントミラー回路115に流れる電流も小さくなる。その結果、入力信号Siの振幅が所定の振幅より小さい場合(すなわちVa<Vbの場合)、バッファーアンプ44に利得制御信号として供給される信号Stの直流電圧Vgや、減算器41に供給される参照用信号Sfの直流電圧βは大きくなる。このため、可変利得増幅器42に供給される利得制御信号Sgは大きくなり、変換用基本信号Sbを増幅する際の利得が大きくなる。したがって、入力信号Siの振幅が比較的小さくなっても、変換用基本信号Sbを増幅する際の利得が不足しないように図ることが可能になる。その結果として、入力信号Siの振幅が比較的小さくなっても、信号Sd1,Sd2が定包絡線信号となるように担保することが可能になる。なお、参照用信号Smが有する直流電圧Vbや、参照用信号Sqが有する直流電圧Vdを調整することによって、変換用基本信号Sbを増幅する際の利得の底上げを開始するタイミングや、変換用基本信号Sbを増幅する際の利得の増加量を調整することができる。
(実施の形態の第5の例)
図12に示す電力増幅回路も、入力信号Siから分配された信号に基づいて入力信号Siの振幅の大きさを検出する場合の例である。なお、図12に示す電力増幅回路(参照用信号制御回路45b)は、第3−2の例によって解決される課題と同じ課題を解決するための構成を有している。以下、参照用信号制御回路45bの動作について説明する。なお、第1の例と同様の構成要素については同一の参照符号を付して説明を省略する。また、図12に示す電力増幅回路は、第2の例(図5)と同様の利得増加回路100を含んでいる。
図12に示すように、この場合の参照用信号制御回路45bはミキサ101a(第2の振幅検出信号生成回路)とローパスフィルタ102aと減算器103a(第2の減算器)と制御回路120とを含む。下記に説明するように、ミキサ101a、ローパスフィルタ102a及び減算器103aは、利得増加回路100に含まれるミキサ101、ローパスフィルタ102及び減算器103と類似の動作を行う。この場合の電力増幅回路では入力信号Siから信号Suがさらに分配される。信号Suは2分割されてミキサ101aに入力される。ミキサ101aは信号Suの振幅に対応した直流電圧Va’を有する信号Sv(第2の振幅検出信号)を出力する。すなわち、直流電圧Va’は信号Suの振幅の増加に応じて増加し、信号Suの振幅の減少に応じて減少する。例えば、直流電圧Va’は信号Suの振幅に比例する。ローパスフィルタ102aでは高周波成分が減衰され、直流電圧成分が殆どを占める信号が出力される。減算器103aには、ローパスフィルタ102aによって高周波成分が減衰された信号Svと、所定の直流電圧Vb’を有する参照用信号Sw(第2の参照用信号)と、が入力される。減算器103aはVc’=Vb’−Va’を満たす直流電圧Vc’を有する信号Sxを出力する。Va’<Vb’である場合(すなわち入力信号Siの振幅が所定の振幅より小さい場合)、信号Sxの直流電圧Vc’は入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて大きくなる。なお、Va’≧Vb’である場合(すなわち入力信号Siの振幅が所定の振幅以上である場合)、信号Sxの直流電圧Vc’は0になる。減算器103aからの出力信号Sxは制御回路120に入力される。
制御回路120は、減算器103aからの出力信号Sxに基づいて、参照用信号Sfの直流電圧βを制御する。制御回路120は、図9に示すように、入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて参照用信号Sfの直流電圧βが段階的に小さくなるように、参照用信号Sfの直流電圧βを制御する。図13は、参照用信号Sfの直流電圧βを制御するための構成の一例を示す図である。図13に示すように、制御回路120は分圧回路121とサンプルホールド回路122と電圧比較回路123と加算回路126とを含む。分圧回路121は、信号Sxとして入力された直流電圧Vc’を分割し、電圧Vc1(Vc1=2*Vc’/3)と、電圧Vc2(Vc2=Vc’/3)と、を電圧比較回路123に出力する。
電圧比較回路123は第1コンパレータ124と第2コンパレータ125とを含む。第1コンパレータ124は、分圧回路121から出力される電圧Vc1と、サンプルホールド回路122から入力される基準電圧Vrefと、を比較し、その比較結果を示す電圧Vo1を出力する。電圧Vc1が基準電圧Vrefより高い場合、第1コンパレータ124はHレベルの電圧(Vhigh)を出力し、電圧Vc1が基準電圧Vrefより高くない場合、第1コンパレータ124はLレベルの電圧(Vlow)を出力する。ここでは、Hレベルの電圧(Vhigh)を0Vより大きい所定電圧(例えば電源電圧)とし、Lレベルの電圧(Vlow)を0Vとする。第2コンパレータ125は、分圧回路121から出力される電圧Vc2と、サンプルホールド回路122から入力される基準電圧Vrefと、を比較し、その比較結果を示す電圧Vo2を出力する。電圧Vc2が基準電圧Vrefより高い場合、第2コンパレータ125はHレベルの電圧(Vhigh)を出力し、電圧Vc2が基準電圧Vrefより高くない場合、第2コンパレータ125はLレベルの電圧(Vlow)を出力する。
加算回路126には第1コンパレータ124及び第2コンパレータ125からの出力電圧Vo1およびVo2が入力される。なお、図13において加算回路126に含まれる3つの抵抗は同じ抵抗値を有する。このため、加算回路126は、第1コンパレータ124及び第2コンパレータ125からの出力電圧Vo1およびVo2の和をオフセット電圧Voffから減じた電圧を有する信号を出力する。この信号は参照用信号Sfとして減算器41に入力される。すなわち、直流電圧(Voff−(Vo1+Vo2))を有する参照用信号Sfが減算器41に入力される。
図14に示すように、Vc1およびVc2がともに基準電圧Vrefよりも高くない場合(すなわち、第1コンパレータ124および第2コンパレータ125からLレベルの電圧が入力される場合)、参照用信号Sfの直流電圧βはVoffに設定される。また、Vc1が基準電圧Vrefより高く、かつ、Vc2が基準電圧Vrefよりも高くない場合(すなわち、第1コンパレータ124からHレベルの電圧が入力され、かつ、第2コンパレータ125からLレベルの電圧が入力される場合)、参照用信号Sfの直流電圧βは(Voff−Vhigh)に設定される。さらに、Vc1およびVc2がともに基準電圧Vrefよりも高い場合(すなわち、第1コンパレータ124および第2コンパレータ125からHレベルの電圧が入力される場合)、参照用信号Sfの直流電圧βは(Voff−2*Vhigh)に設定される。
例えば、入力信号Siの振幅がX1以上となる場合にVc1およびVc2がともにVref以下となり、入力信号Siの振幅がX2以上X1未満となる場合にVc1がVrefより高く、かつ、Vc2がVref以下となり、入力信号Siの振幅がX2未満となる場合にVc1およびVc2がともにVrefより高くなるように、基準電圧Vref等を設定すれば、図9に示すような動作が実現される。
このように、図13に示す構成によれば、信号Sxとして入力された直流電圧Vc’が大きくなるにつれて(すなわち、入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて)、参照用信号Sfの直流電圧βは段階的に小さくなる。その結果、入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が段階的に小さくなる。
また制御回路120は、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2を増幅する際の動作点が第1増幅器11および第2増幅器12の飽和領域となるように、第1増幅器11および第2増幅器12を、減算器103aからの出力信号Sxに基づいて制御する。すなわち、制御回路120は、参照用信号Sfが有する直流電圧βの変化(言い換えれば、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の変化)に同期して、第1増幅器11および第2増幅器12のゲート電圧や等価ゲート幅を制御する。第1増幅器11および第2増幅器12の等価ゲート幅を制御するための構成は、例えば、下記のような構成によって実現される。すなわち、複数の増幅器を並列に接続することによって第1増幅器11を構成する。第2増幅器12も同様に構成する。そして、制御回路120は、参照用信号Sfが有する直流電圧βの変化(第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅の変化)に同期して、第1増幅器11に含まれる複数の増幅器を選択的にオン/オフすることによって第1増幅器11の等価ゲート幅を制御し、同様に、第2増幅器12に含まれる複数の増幅器を選択的にオン/オフすることによって第2増幅器12の等価ゲート幅を制御する。また、第1増幅器11および第2増幅器12のゲート電圧を制御するための構成は、例えば、参照用信号Sfの直流電圧βを減算器103aからの出力信号Sxに基づいて制御するための構成(図13参照)と同様の構成によって実現される。なお、第1増幅器11および第2増幅器12のゲート電圧を制御するための構成は、第3−2の例の参照用信号制御回路45においても同様の構成を用いることができる。
さらに制御回路120は、参照用信号Smの直流電圧Vbを減算器103aからの出力信号Sxに基づいて制御する。制御回路120は、参照用信号Sfの直流電圧βを段階的に小さくするのに同期して参照用信号Smの直流電圧Vbが段階的に小さくなるように、参照用信号Smの直流電圧Vbを制御する。参照用信号Smの直流電圧Vbを減算器103aからの出力信号Sxに基づいて制御するための構成は、例えば、参照用信号Sfの直流電圧βを減算器103aからの出力信号Sxに基づいて制御するための構成(図13参照)と同様の構成によって実現される。
図12および図13に示す電力増幅回路によれば、下記に説明するような動作が実現される。
例えば、入力信号Siの振幅が所定の振幅X1以上である場合(すなわち、Vc1およびVc2がともにVref以下になる場合)には、参照用信号Sfの直流電圧βを所定の電圧V1に設定する。この場合、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅は所定の振幅B1になる。また、この場合、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅B1に合うように(すなわち、動作点が飽和領域となるように)、第1増幅器11および第2増幅器12のゲート電圧または等価ゲート幅も制御される。また、参照用信号Smの直流電圧Vbは、「入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて、第1加算器21および第2加算器22からの出力信号Sd1,Sd2の振幅が、信号Sd1,Sd2の位相差を一定に保ったままの状態で小さくなっていく」という現象が、入力信号Siの振幅がX1未満となった場合に発生するように設定される。
上記のように設定された状態で入力信号Siの振幅がX1未満になると、入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて、第1加算器21および第2加算器22からの出力信号Sd1,Sd2の振幅が、信号Sd1,Sd2の位相差を一定に保ったままの状態で小さくなっていく。この場合、制御回路120は、信号Sd1,Sd2の振幅が所定の振幅B2(B2<B1)になると、信号Sd1,Sd2の振幅がB2で一定となるように(信号Sd1,Sd2が振幅B2の定包絡線信号となるように)、参照用信号Sfの直流電圧βを所定の電圧V2(V2<V1)に設定する。なお、この場合、信号Sd1,Sd2の振幅がB1からB2へと徐々に変化することになるため、変調信号の連続性が担保される。また、この場合、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅B2に合うように(すなわち、動作点が飽和領域となるように)、第1増幅器11および第2増幅器12のゲート電圧または等価ゲート幅も制御される。また、参照用信号Smの直流電圧Vbは、「入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて、第1加算器21および第2加算器22からの出力信号Sd1,Sd2の振幅が、信号Sd1,Sd2の位相差を一定に保ったままの状態で小さくなっていく」という現象が、入力信号Siの振幅がX2(X2<X1)未満となった場合に発生するように設定される。
上記のように設定された状態で入力信号Siの振幅がX2未満になると、入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて、第1加算器21および第2加算器22からの出力信号Sd1,Sd2の振幅が、信号Sd1,Sd2の位相差を一定に保ったままの状態で小さくなっていく。この場合、制御回路120は、信号Sd1,Sd2の振幅が所定の振幅B3(B3<B2)になると、信号Sd1,Sd2の振幅がB3で一定となるように(信号Sd1,Sd2が振幅B3の定包絡線信号となるように)、参照用信号Sfの直流電圧βを所定の電圧V3(V3<V2)に設定する。なお、この場合、信号Sd1,Sd2の振幅がB2からB3へと徐々に変化することになるため、変調信号の連続性が担保される。また、この場合、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅B3に合うように(すなわち、動作点が飽和領域となるように)、第1増幅器11および第2増幅器12のゲート電圧または等価ゲート幅も制御される。また、参照用信号Smの直流電圧Vbは、「入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて、第1加算器21および第2加算器22からの出力信号Sd1,Sd2の振幅が、信号Sd1,Sd2の位相差を一定に保ったままの状態で小さくなっていく」という現象が、入力信号Siの振幅がX3(X3<X2)未満となった場合に発生するように設定される。
上記のように設定された状態で入力信号Siの振幅がX2以上になると、制御回路120は、信号Sd1,Sd2の振幅が所定の振幅値B2で一定となるように(信号Sd1,Sd2が振幅B2の定包絡線信号となるように)、参照用信号Sfの直流電圧βをV2に更新する。なお、この場合、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅B2に合うように(すなわち、動作点が飽和領域となるように)、第1増幅器11および第2増幅器12のゲート電圧または等価ゲート幅も制御される。また、参照用信号Smの直流電圧Vbは、「入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて、第1加算器21および第2加算器22からの出力信号Sd1,Sd2の振幅が、信号Sd1,Sd2の位相差を一定に保ったままの状態で小さくなっていく」という現象が、入力信号Siの振幅がX2未満となった場合に発生するように設定される。
上記のように設定された状態で入力信号Siの振幅がX1以上になると、制御回路120は、信号Sd1,Sd2の振幅が所定の振幅値B1で一定となるように(信号Sd1,Sd2が振幅B1の定包絡線信号となるように)、参照用信号Sfの直流電圧βをV1に更新する。なお、この場合、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅B1に合うように(すなわち、動作点が飽和領域となるように)、第1増幅器11および第2増幅器12のゲート電圧または等価ゲート幅も制御される。また、参照用信号Smの直流電圧Vbは、「入力信号Siの振幅が小さくなるにつれて、第1加算器21および第2加算器22からの出力信号Sd1,Sd2の振幅が、信号Sd1,Sd2の位相差を一定に保ったままの状態で小さくなっていく」という現象が、入力信号Siの振幅がX1未満となった場合に発生するように設定される。
図12に示す電力増幅回路によれば、第3−2の例と同様、入力信号Siの振幅が小さくなっても、第1定包絡線信号Sd1と第2定包絡線信号Sd2との間の位相差が大きくなりすぎないように制御することが可能になる。すなわち、入力信号Siの振幅が小さくなっても出力信号Soの位相誤差を低く抑えることが可能になる。その結果として、ダイナミックレンジの大きい変調方式に則った信号の増幅も好適に行えるようになる。また、高い電力付加効率での増幅も担保される。
また、図12に示す電力増幅回路においても、第3−2の例と同様、変換用基本信号Sbを増幅するためのループ部分の利得を入力信号Siの振幅に基づいて制御することによって、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が段階的に小さくなるようにしてもよい。例えば、第1加算器21、第2加算器22、減算器41、可変利得増幅器42、バッファーアンプ44、ミキサ51のうちの少なくとも一つの利得を入力信号Siの振幅に基づいて制御することによって、第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が段階的に小さくなるようにしてもよい。なお、本実施の形態のように、参照用信号Sfの直流電圧βを制御する方法を採用すると、入力信号Siの振幅が小さくなるのに応じて第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅が段階的に小さくなるようにすることを比較的簡易に実現できるようになるため、好適である。
また、ここでは、減算器103aからの出力信号Sxに基づいて、参照用信号Sfの直流電圧β、参照用信号Smの直流電圧Vb、第1増幅器11や第2増幅器を制御するようにしたが、例えばミキサ101aからの出力信号Svに基づいて、参照用信号Sfの直流電圧β、参照用信号Smの直流電圧Vb、第1増幅器11や第2増幅器を制御するようにしてもよい。なお例えば、ローパスフィルタ102によって高周波成分が減衰された信号Skが減算器103と減算器103aとに対して分配されるようにしてもよい。この場合、ミキサ101a及びローパスフィルタ102aは省略することができる。
(実施の形態の第6の例)
図15は本発明の電力増幅回路の実施の形態の他の例を模式的に示す回路図である。なお、本例においては前述した第1の例と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本例の電力増幅回路は、第1定包絡線信号Sd1の一部が入力されるミキサ51からの出力信号の一部が第2加算器22のドライブ電流に加算され、第2定包絡線信号Sd2の一部が入力されるミキサ51からの出力信号の一部が第1加算器21のドライブ電流に加算される構成とされている。
本例の電力増幅回路によれば、第1定包絡線信号Sd1の振幅が増加すると第2加算器22からの出力信号の振幅が大きくなり、第2定包絡線信号Sd2の振幅が増加すると第1加算器21からの出力信号の振幅が大きくなる。その結果、第1加算器21および第2加算器22の性能のバラツキ等によって第1定包絡線信号Sd1の振幅と第2定包絡線信号Sd2の振幅との間に差異が生じた場合に、その差異を減少させることができる。
(実施の形態の第7の例)
図16は本発明の電力増幅回路を2つ用いて複合増幅回路を構成した例を模式的に示すブロック図である。
本例の複合増幅回路は、直交信号生成回路90と、2つの電力増幅回路10と、合成回路91と、を備えている。直交信号生成回路90は、包絡線変動を有する入力信号Sを2つの包絡線変動を有する直交信号IおよびQに変換する。電力増幅回路10は本発明の実施形態に係る電力増幅回路であり、包絡線変動を有する直交信号IまたはQをそれぞれ2つの定包絡線信号に変換して増幅した後に再び合成することによって、増幅された包絡線変動を有する直交信号I’またはQ’を出力する。合成回路91は、増幅された包絡線変動を有する直交信号I’およびQ’を合成して包絡線変動を有する出力信号S’を合成する。
本例の複合増幅回路によれば、通信機において多く用いられているIQ信号をそのまま利用して増幅を行うことができる。
(実施の形態の第8の例)
図17は本発明の電力増幅回路を用いて送信機を構成した例を模式的に示すブロック図である。
本発明の送信機は、送信回路95に本発明の電力増幅回路10を介してアンテナ96が接続されている。
本発明の送信機によれば、送信回路からの包絡線変動を有する送信信号を消費電力が小さく電力付加効率が高い本発明の電力増幅回路10によって増幅することができるので、消費電力が小さく送信時間が長い送信機を得ることができる。
(実施の形態の第9の例)
図18は本発明の電力増幅回路を用いて無線通信機を構成した例を模式的に示すブロック図である。
本発明の無線通信機は、送信回路95に本発明の電力増幅回路10を介してアンテナ96が接続されており、アンテナに受信回路97が接続されている。また、アンテナ96と送信回路95および受信回路97との間には送受信を切り替えるスイッチ回路98が挿入されている。
本発明の無線通信機によれば、送信回路からの包絡線変動を有する送信信号を消費電力が小さく電力付加効率が高い本発明の電力増幅回路10によって増幅することができるので、消費電力が小さく通信時間が長い無線通信機を得ることができる。
(変形例)
本発明は前述した実施の形態の第1〜第9の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
例えば、前述した実施の形態の例においては、ローパスフィルタ43およびバッファーアンプ44を用いた例を示したが、これらに代えてオペアンプを使用するようにしても構わない。
また、前述した実施の形態の例においては、変換用分配信号Sbは、移相回路60の一部を構成する移相器61によって位相をπ/2進められた後に可変利得増幅器42によって増幅される。可変利得増幅器42によって増幅された信号は2分割されて、その一方が第1変換信号Sc1として第1加算器21に入力され、他方が移相回路60の一部を構成する移相器62によって位相をπ進められた後に第2変換信号Sc2として第2加算器22に入力されるようにした。しかしながら、例えば、変換用分配信号Sbが移相器によって位相をπ/2進められた後に2分割されるようにしてもよい。そして、その一方が移相器によって位相をπ進められた後に、それぞれが可変利得増幅器によって増幅されることにより第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2が生成されるようにしても構わない。
さらに、前述した実施の形態の例においては、ミキサ51を使用して第1定包絡線信号Sd1および第2定包絡線信号Sd2の振幅を検出したが、ミキサ51の代わりに、例えば、ダイオード検波器を使用しても構わない。
またさらに、前述した実施の形態の例においては、移相回路60として位相をπ/2進める移相器61と位相をπ進める移相器62とを使用したが、例えば、可変利得増幅器42から差動信号を出力するようにすれば位相をπ進める移相器62を省略することができる。また、包絡線変動を有する入力信号Siを第1の電力分配器を用いて第1分配信号Sa1,第2分配信号Sa2に分配した後に、さらに第2および第3の電力分配器によってそれぞれから第1および第2の変換用分配信号を取り出すようにしてもよい。その後、一方は位相をπ/2進ませ、他方は位相をπ/2遅らせて、それぞれを第1および第2の可変利得増幅器によって増幅することによって第1変換信号Sc1および第2変換信号Sc2を生成するようにしても構わない。このような場合には第1〜第3の電力分配器が本発明の実施形態における電力分配器23に相当する。このように、具体的な回路としては種々のバリエーションが可能である。

Claims (8)

  1. 包絡線変動を有する入力信号を互いに振幅が等しく位相が異なる第1定包絡線信号および第2定包絡線信号に変換してそれぞれ出力する定包絡線信号生成回路と、
    前記第1定包絡線信号を増幅して第1増幅信号を出力する第1増幅器と、
    前記第2定包絡線信号を増幅して第2増幅信号を出力する第2増幅器と、
    前記第1増幅信号および前記第2増幅信号に基づいて、増幅された包絡線変動を有する出力信号を出力する出力加算器と、を含む電力増幅回路であって、
    前記定包絡線信号生成回路は、
    包絡線変動を有する前記入力信号から、互いに振幅および位相が等しく前記入力信号と所定の位相関係を有する第1基本信号および第2基本信号と、前記第1基本信号および前記第2基本信号と一定の位相関係を有する変換用基本信号と、を生成する電力分配器を含み、前記第1基本信号および前記第2基本信号と、前記変換用基本信号と、を前記入力信号から生成する基本信号生成回路と、
    =A−X(X:第1基本信号および第2基本信号の振幅、A:Xよりも大きい任意の一定な振幅)を満足する振幅Yを有し、前記第1基本信号よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号と、前記振幅Yを有し、前記第2基本信号よりもπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号と、を前記変換用基本信号に基づいて生成する変換信号生成回路と、
    前記第1基本信号および前記第1変換信号をベクトル加算することによって前記第1定包絡線信号を生成する第1加算器と、
    前記第2基本信号および前記第2変換信号をベクトル加算することによって前記第2定包絡線信号を生成する第2加算器と、を含み、
    前記第1加算器から出力される前記第1定包絡線信号を出力し、前記第2加算器から出力される前記第2定包絡線信号を出力
    前記変換信号生成回路は、
    前記第1基本信号よりもπ/2だけ位相が進んでいる第1変換信号と、前記第2基本信号よりもπ/2だけ位相が遅れている第2変換信号と、を生成するように前記変換用基本信号の位相を変化させる移相回路と、
    前記第1基本信号および前記第2基本信号の振幅Xに基づいて、前記第1変換信号および前記第2変換信号の振幅YがY =A −X を満たすように前記変換用基本信号を増幅する変換用基本信号増幅回路と、を含み、
    前記変換用基本信号増幅回路は、
    前記第1基本信号および前記第1変換信号をベクトル加算することによって得られる信号と、前記第2基本信号および前記第2変換信号をベクトル加算することによって得られる信号と、の振幅に対応する直流電圧αを有する振幅検出信号を生成する振幅検出信号生成回路と、
    前記直流電圧αよりも大きい任意の直流電圧βを有する参照用信号および前記振幅検出信号が入力されて、γ=β−αを満たす直流電圧γを有する信号を出力する減算器と、
    前記減算器から出力される信号に基づく利得制御信号に基づいて、前記第1変換信号および前記第2変換信号の振幅YがY =A −X を満たすように前記変換用基本信号を増幅する可変利得増幅器と、を含む、
    ことを特徴とする電力増幅回路。
  2. 前記入力信号の振幅が所定の振幅よりも小さい場合に、前記変換用基本信号を増幅する場合の利得を増加させる利得増加回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の電力増幅回路。
  3. 前記利得増加回路は、
    前記入力信号の振幅に対応する直流電圧Vaを有する第2の振幅検出信号を生成する第2の振幅検出信号生成回路と、
    前記直流電圧Vaよりも大きい任意の直流電圧Vbを有する第2の参照用信号および前記第2の振幅検出信号が入力されて、Vc=Vb−Vaを満たす直流電圧Vcを有する信号を出力する第2の減算器と、を含み、
    前記可変利得増幅器は、前記減算器からの出力信号に基づく信号と、前記第2の減算器からの出力信号に基づく信号と、を加算することによって得られる前記利得制御信号に基づいて、前記第1変換信号および前記第2変換信号の振幅YがY=A−Xを満たすように前記変換用基本信号を増幅する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の電力増幅回路。
  4. 前記入力信号の振幅に基づいて、前記参照用信号が有する直流電圧βを制御する参照用信号制御回路を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電力増幅回路。
  5. 前記参照用信号制御回路は、前記入力信号の振幅が小さくなるのに従って前記直流電圧βが大きくなるように、前記直流電圧βを制御することを特徴とする請求項4に記載の電力増幅回路。
  6. 前記参照用信号制御回路は、
    前記入力信号の振幅に対応する直流電圧Vaを有する第2の振幅検出信号を生成する第2の振幅検出信号生成回路と、
    前記直流電圧Vaよりも大きい任意の直流電圧Vbを有する第2の参照用信号および前記第2の振幅検出信号が入力されて、Vc=Vb−Vaを満たす直流電圧Vcを有する信号を出力する第2の減算器と、を含み、
    前記第2の減算器から出力される信号に基づいて前記直流電圧βを制御する、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の電力増幅回路。
  7. 送信回路に請求項1乃至6のいずれかに記載の電力増幅回路を介してアンテナが接続されていることを特徴とする送信機。
  8. 送信回路に請求項1乃至6のいずれかに記載の電力増幅回路を介してアンテナが接続されており、該アンテナに受信回路が接続されていることを特徴とする無線通信機。
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