JP5144391B2 - クローラ走行装置 - Google Patents
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Description
一般に、クローラ走行装置は、四輪走行装置と比べて不整地で安定走行が可能という利点と、接地面積が大きい分トルクが増大し旋回性能が劣るという欠点がある。一方、四輪走行装置は、クローラ走行装置に比べて接地面積が少ない分だけ少ないトルクで駆動可能なため旋回能力に優れる利点と、不整地での走行が不利という欠点がある。
このため、特許文献1又は2のような整地・不整地に合わせてクローラ走行と四輪走行の何れかに切替える構成では、整地・不整地が混合する状況になった場合に切替える手間が増大するという課題があった。
以下、この発明の実施形態1について図面を参照しながら説明する。図1はこの発明の実施の形態1に示すクローラ走行装置の全体構成図であり、図2は図1の下面図、図3は図1のクローラ走行装置が使用する車輪の斜視図、図4は図1の側面略図である。
前後の車輪2にまたがってクローラ3が巻き掛けられており、車輪2の駆動力により循環回走するようになっている。車輪2の幅方向でクローラ3が巻き掛けられた部分の外側の外周部の周方向に、所定の間隔を空けて突出部2aが形成されており、この突出部2aの外周に突出部2aと噛合して環状ベルト4が装着されている。
また、車輪2の側面には、環状ベルト4の脱落防止用のキャップ2bが設けられている。
なお、図3では突出部2aが車輪2の一部として一体に構成されているが、車輪2と突出部2aとの関係は、車輪2の回転を突出部2aに伝達できれば一体でも別体でも構わない。
環状ベルト4は、その表裏に形成された歯のうちの一方を第1の歯、他方を第2の歯とすれば、第1の歯の歯高を第2の歯の歯高より高くし、且つ、第1の歯と第2の歯それぞれが突出部2aと噛合可能に形成されている。そして、第1の歯を環状ベルト4の外周側にしてベルト外歯4aとして使用している状態から、環状ベルト4を裏返し表裏を逆にして、第1の歯をベルト内歯4bとして使用することも可能なようになっている。
図5は、第1の歯をベルト外歯4aとして車輪2の突出部2aに装着した場合であり、この状態では、環状ベルト4の中心から最外部までの半径R1が、車輪中心からクローラ3の最外部3aまでの半径R2よりも大きくなるように、第1の歯の歯高が決められている。もし表裏逆にして第2の歯をベルト外歯としたときは、上記R1が、上記R2と同一なるように構成されている。
(1)整地では車台1の前後両側の車輪2の各々に装着した環状ベルト4のベルト外歯4a部が接地面10と接触してクローラ3を浮かせるため、環状ベルト4による四輪走行が行える。
(2)不整地でベルト外歯4a部が沈み込む、又は障害物を乗り越える等で、環状ベルト4のベルト外歯4a部では接地面10との対応ができない場合は、クローラ3によってクローラ走行が行える。
このように、クローラ走行と四輪走行との併用を、少ない部品による簡単な構成で実現できる。また、環状ベルト4がクローラ3の外側側面を支持するのでクローラ3の脱輪を防止できる。
図6は、環状ベルト4を上記で説明したように、図5の状態から裏返して突出部2aと噛合させた場合の、クローラ3と環状ベルトとの関係の説明図である。環状ベルトそのものは、図1〜図5で説明した環状ベルト4と同じものであるが、裏返して使用する場合を環状ベルト41として符号をかえて説明する。ベルト外歯41aは第2の歯であり、ベルト内歯41bは第1の歯である。
また、突出部2aが環状ベルト4又は41を支持する場合は、環状ベルトの基礎円部を突出部2aに接触させて支持するようにすれば、環状ベルトに掛かる接地面からの応力を支持できると共に、環状ベルトを突出部2aに取り付ける際のがたつきを防止することができる。
以下、この発明の実施形態2について図面を参照しながら説明する。図7はこの発明の実施の形態2に示すクローラ走行装置の下面図であり、図8は図7の矢示B方向から見た側面略図である。実施の形態1の図1〜図6と同等部分は同一符号で示して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
図7、図8に示すように、後部の車輪2の突出部2aには環状ベルト4の第2の歯をベルト内歯4bとして噛合させ、第1の歯をベルト外歯4aとしている。一方、前部側は環状ベルトを裏返して、車輪2の突出部2aには、環状ベルト41のベルト内歯41b(第1の歯)を噛合させている。
このような状態において、後部側は、環状ベルト4の中心から最外部までの半径R1が、車輪中心からクローラ3の最外部3aまでの半径R2よりも大きくなり、前部側は、上記R1が、上記R2と同一なる。すなわち、後部は実施の形態1の図5と、前部は実施の形態1の図6と同等に構成している。
また、クローラ走行装置の後部の環状ベルト4のベルト外歯4a部が沈み込むような不整地走行では、クローラ3によるクローラ走行が可能となるため、本実施の形態でも、実質的にクローラ走行と四輪走行の併用の形態をとることができる。
なお、前部の環状ベルト41と後部の環状ベルト4を、予め外径の異なる別形状の部品で構成しておけば、部品点数は若干増えるが同様の走行を行えることは言うまでもない。
また、上記の説明では、後部を環状ベルト4、前部を環状ベルト41としたが、状況に応じて前後を入れ替えても構わない。
2の歯を形成した環状ベルトを用いて、前後の車輪の内の一方側は第1の歯が外歯となり、他方側は第2の歯が外歯となるように、環状ベルトを車輪の突出部に装着して上記の構成を実現したので、1つの環状ベルトで四輪走行とクローラ走行の2形態を実現でき、部品点数の更なる削減を図ることができる。
2a 突出部 2b キャップ
2c クローラ取付部 3 クローラ
3a 最外部 4 環状ベルト
4a ベルト外歯(第1の歯) 4b ベルト内歯(第2の歯)
10 接地面 41 環状ベルト
41a ベルト外歯(第2の歯) 41b ベルト内歯(第1の歯)。
Claims (5)
- 車台と、前記車台の前後の両側に設けられた4個の車輪と、前後の前記車輪に巻き掛けられ前記車輪の駆動力により駆動されるクローラとを備えたクローラ走行装置において、前記各車輪には、前記車輪の幅方向外側の外周部の周方向に、所定の間隔を空けて複数の突出部が設けられ、
内側に前記突出部と噛合するベルト内歯が形成され外側に接地面と接するベルト外歯が形成された環状ベルトが前記車輪の前記突出部の周りに装着され、
前記環状ベルトの表裏に形成された歯のうちの一方を第1の歯、他方を第2の歯とするとき、前記第1の歯の歯高を前記第2の歯の歯高より高くし、前記第1の歯及び前記第2の歯がそれぞれ前記突出部と噛合可能に形成され、前記第1の歯を前記ベルト外歯として前記車輪の前記突出部に装着したときは、前記環状ベルトの中心から最外部までの半径R1が前記車輪の中心から前記クローラの最外部までの半径R2よりも大きくなり、前記表裏を逆にして前記第2の歯を前記ベルト外歯としたときは、前記半径R1が前記半径R2と同一になるように構成されていることを特徴とするクローラ走行装置。 - 車台と、前記車台の前後の両側に設けられた4個の車輪と、前後の前記車輪に巻き掛けられ前記車輪の駆動力により駆動されるクローラとを備えたクローラ走行装置において、前記各車輪には、前記車輪の幅方向外側の外周部の周方向に、所定の間隔を空けて複数の突出部が設けられ、
内側に前記突出部と噛合するベルト内歯が形成され外側に接地面と接するベルト外歯が形成された環状ベルトが前記車輪の前記突出部の周りに装着され、
前記環状ベルトの中心から最外部までの半径R1が、前記車輪の中心から前記クローラの最外部までの半径R2と同一に構成されていることを特徴とするクローラ走行装置。 - 請求項2記載のクローラ走行装置において、前記環状ベルトは、表裏に形成された歯のうちの一方を第1の歯、他方を第2の歯とするとき、前記第1の歯の歯高を前記第2の歯の歯高より高くし、前記第1の歯及び前記第2の歯がそれぞれ前記突出部と噛合可能に形成され、前記第1の歯を前記ベルト外歯として前記車輪の前記突出部に装着したときは、前記半径R1が前記半径R2よりも大きくなり、前記表裏を逆にして前記第2の歯を前記ベルト外歯としたときは、前記半径R1が前記半径R2と同一になるように構成されており、
前記第2の歯が前記ベルト外歯となるように前記環状ベルトが前記車輪の前記突出部に装着されていることを特徴とするクローラ走行装置。 - 車台と、前記車台の前後の両側に設けられた4個の車輪と、前後の前記車輪に巻き掛けられ前記車輪の駆動力により駆動されるクローラとを備えたクローラ走行装置において、前記各車輪には、前記車輪の幅方向外側の外周部の周方向に、所定の間隔を空けて複数の突出部が設けられ、
内側に前記突出部と噛合するベルト内歯が形成され外側に接地面と接するベルト外歯が形成された環状ベルトが前記車輪の前記突出部の周りに装着され、
前後の前記車輪の内の一方側は、前記環状ベルトの中心から最外部までの半径R1が、前記車輪の中心から前記クローラの最外部までの半径R2よりも大きく構成され、他方側は、前記半径R1が、前記半径R2と同一に構成されていることを特徴とするクローラ走行装置。 - 請求項4記載のクローラ走行装置において、前記環状ベルトは、表裏に形成された歯のうちの一方を第1の歯、他方を第2の歯とするとき、前記第1の歯の歯高を前記第2の歯の歯高より高くし、前記第1の歯及び前記第2の歯がそれぞれ前記突出部と噛合可能に形成され、前記第1の歯を前記ベルト外歯として前記車輪の前記突出部に装着したときは、前記半径R1が前記半径R2よりも大きくなり、前記表裏を逆にして前記第2の歯を前記ベルト外歯としたときは、前記半径R1が前記半径R2と同一になるように構成されており、
前後の前記車輪の内の前記一方側は前記第1の歯が前記ベルト外歯となり、前記他方側は前記第2の歯が前記ベルト外歯となるように、前記環状ベルトが前記車輪の前記突出部に装着されていることを特徴とするクローラ走行装置。
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