本発明の一実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
(モールド金型生産の全体の流れ)
図1は、本発明をモールド部品金型生産に適用した場合の全体の流れを示す図である。
図において、ステップS101で、製品の設計を行い、個々の部品の設計図面を作成する。部品の設計図面には、部品製作に必要な情報、制約情報などが含まれている。部品の設計図面は2D−CADまたは3D−CADで作成され、3D−CADで作成された図面(3D図面)は、形状及び寸法公差などの属性情報からなる。寸法公差は形状(面、稜線、点)と関連付けることができ、寸法公差は成形品の検査指示、金型精度指示などに利用される。
ステップS102において、製品の組立てや成形などの製造性の検討を行い、部品毎の工程図を作成する。部品の工程図には、部品製作に必要な情報に加えて、詳細な検査指示が含まれる。部品の工程図は2D−CADまたは3D−CADで作成される。
ここで、詳細な検査指示の例として、
(1)測定項目(寸法あるいは寸法公差)の番号付け
(2)測定項目に対して測定ポイントや測定方法の指示、などがある。
詳細な検査指示情報はCAD上で寸法公差と関連付けることができる。
ステップS103において、ステップS102で作成した部品の工程図(工程図面、金型仕様書)を基に金型設計を行い、金型図面を作成する。金型図面には金型製作に必要な情報、制約条件が含まれる。金型図面は、2D−CADまたは3D−CADで作成され、3D−CADで作成された金型図面(3D図面)は、形状及び寸法公差などの属性情報からなる。
ステップS104において、ステップS103で作成した金型図面を基に金型の製作工程を検討し、金型工程図を作成する。金型加工工程は、NC加工及び汎用加工からなる。NC加工(数値制御による自動加工)を行う工程に対しては、NCプログラムの作成指示を行う。汎用加工(手動による加工)工程には、汎用加工を行うための指示を行う。
ステップS105において、金型図面を基に、NCプログラムを作成する。
ステップS106において、工作機械などで金型部品を製作する。
ステップS107において、製作された金型部品を、ステップS103で作成した情報に基づき検査する。
ステップS108において、金型部品を組立て、成形する。
ステップS109において、成形されたモールド部品をステップS101、ステップS102で作成した情報に基づき検査し、OKであれば終了する。
ステップS110において、ステップS109の検査の結果に基づき成形品の精度不足の個所の金型を修正する。
(製品の設計)
次に、製品の設計を行い、個々の部品の設計図面の作成について説明する。部品の設計図面は、2D−CAD装置または3D−CAD装置により作成される。
ここで、図2に示す情報処理装置、例えばCAD装置を用いて、部品の設計について説明する。
図2は、CAD装置のブロック図である。図において、201は内部記憶装置、202は外部記憶装置であり、CADデータやCADプログラムを保管するRAM等の半導体記憶装置、磁気記憶装置等からなる。
203はCPU装置であり、CADプログラムの命令に沿って処理を実行する。
204は表示装置であり、CPU装置203の命令に沿って形状などを表示する。
205はCADプログラムに対して指示等を与えるマウス、キーボードなどの入力装置である。
206はCPU装置203の命令に沿って紙図面などを出力するプリンタなどの出力装置である。
207は外部接続装置であり、本CAD装置と外部の装置とを接続し、本装置からのデータを外部装置へ供給したり、外部の装置から本装置を制御したりする。
図3は、図2に示したCAD装置の処理動作を示すフローチャートである。
まず、オペレータが入力装置205により、CADプログラムの起動を指示すると、外部記憶装置202に格納されているCADプログラムが内部記憶装置201に読み込まれ、CADプログラムがCPU装置203上で実行される(ステップS301)。
オペレータが入力装置205により対話的に指示することにより、内部記憶装置201上に形状モデルを生成し、表示装置204上に画像として表示する(ステップS302)。この形状モデルについては、後述する。なお、オペレータが入力装置205によりファイル名などを指定することにより、既に外部記憶装置202上に作成されている形状モデルをCADプログラム上で取り扱えるように、内部記憶装置201に読み込むこともできる。
オペレータが入力装置205により、形状モデルを作成した3次元空間内に、属性配置平面を作成する(ステップS303)。
この属性配置平面の位置が判別しやすいように、フレーム(2重枠、枠内塗りつぶし)などの画像情報として表示装置に表示する。また、属性配置平面の設定情報は形状モデルに関連付けられて内部記憶装置201に保管される。
また、必要に応じて作成した属性配置平面に名称をつけることが望ましい。
オペレータが入力装置205により形状モデルに対して、寸法公差などを属性情報として付加する(ステップS304)。付加された属性情報は、ラベルなどの画像情報として表示装置に表示することができる。付加された属性情報は、形状モデルに関連付けられて内部記憶装置201に保管される。
オペレータが入力装置205により、属性情報を属性配置平面に対して関連付ける。(ステップS305)。
属性情報と属性配置平面の関連情報は、内部記憶装置201に保管される。
オペレータがあらかじめ属性配置平面を指定して、属性配置平面属性配置平面との関連付けを行いながら属性付けを行うようにしても良い。また、オペレータが入力装置205により、属性情報の属性配置平面への関連付けを設定・解除することができる。
次に、オペレータは入力装置205により、属性配置平面を指定することによって属性配置平面、およびその属性配置平面に関連付けられた寸法公差などの属性情報の表示・非表示、あるいは色付けなどの表示制御を行う(ステップS306)。
また、オペレータが入力装置205により属性配置平面を作成する際に、属性配置平面の視点の位置、視線方向、倍率を設定する。この属性配置平面の表示情報を設定し、この属性配置平面を指定することで、設定された視点の位置、視線方向、倍率で形状モデルを表示することが出来る。またこの属性配置平面と属性情報は関連付けられているので、指定された属性配置平面に関係付けられている属性情報を選択的に表示することができる。属性配置平面の表示情報は内部記憶装置に保管される。
オペレータの指示により、属性情報を外部記憶装置202などに保管することができる(ステップS307)。
属性情報に識別子を付加することができ、この識別子を付加して外部記憶装置202に保管することができる。この識別子を利用して他のデータと属性データ関連付ける。
外部記憶装置202上の属性情報に情報を追加したものを内部記憶装置201に読み込んで、属性情報を更新することができる。
オペレータが入力装置205により、形状モデルに属性配置平面の位置情報、属性配置平面の表示情報、および属性情報を付加したCAD属性モデルを外部記憶装置202に保管する(ステップS308)。
ここで、形状モデルとCAD属性モデルについて説明する。
図4は形状モデルの例を示す図であり、図5は形状モデルを構成する各部の関連を示す概念図である。
図4は、形状モデルの代表例として、SolidModelである。図に示すように、SolidModelは部品などの形状をCAD上の3次元空間上に定義する表現方法で、位相情報(Topology)と幾何情報(Geometory)からなる。SolidModelの位相情報は、図5に示すように、内部記憶装置201上で階層的に記憶され、
1つ以上のShellと、
1つShellに対して1つ以上のFaceと、
1つのFaceに対して1つ以上のLoopと、
1つのLoopに対して1つ以上のEdgeと、
1つのEdgeに対して2個のVertexと、からなる。
また、Faceに対して平面や円筒面といったFace形状を表現するSurface情報が内部記憶装置201上で関連付けられて保管される。Edgeに対して直線や円弧といったEdgeの形状を表現するCurve情報が内部記憶装置201上で関連付けられて保管される。Vertlexに対して三次元空間上の座標値を内部記憶装置201上で関連付けられて保管される。
Shell、Face、Loop、Vertexの各位相要素には、夫々属性情報が内部記憶装置201上で関連付けられて保管されている。
ここで、Face情報を例に、内部記憶装置201上での保管方法の一例を説明する。
図6は、内部記憶装置201上でのFace情報の保管方法を示す概念図である。
図に示すように、Face情報はFaceID、Faceを構成するLoopListへのポインタ、Face形状を表すSurfaceデータへのポインタ及び属性情報へのポインタからなる。
LoopListは、Faceを構成する全てのLoopのIDをリスト形式で保管したものである。Surface情報は、SurfaceTypeとSurfaceTypeに応じたSurfaceParameterから構成される。属性情報は、属性タイプ及び属性タイプに応じた属性値から構成される。属性値には、Faceへのポインタや属性が所属する属性配置平面属性配置平面へのポインタなども含まれる。
(3Dモデルへの属性情報の入力と表示)
更に、3Dモデルへの属性情報の入力と属性配置平面属性配置平面の作成方法および属性情報が付加された3Dモデルの表示について、詳細に説明する。
図7〜図11は、3Dモデル、属性情報、および属性配置平面を示す図であり、図12〜図14は3Dモデルに属性配置平面および属性情報を付加するときの処理動作を示すフローチャートである。
図12のステップS121で、図7に示す3Dモデル1を作成し、ステップS122で必要な属性配置平面属性配置平面を設定する。
(属性配置平面)
ここで、属性配置平面は、3Dモデル1、および3Dモデル1に付加された属性情報の表示に関わる要件を規定するものである。
本発明では、属性配置平面を(仮想的な)三次元空間上の一点(以下、視点という)の位置、作成する平面の法線方向(視線方向)で定義し、更に3Dモデル1、および3Dモデル1に付加された属性情報の表示倍率(以下単に倍率)の情報も有するものとする。
ここで視線位置とは、該位置から視線方向の3Dモデル1が見える、すなわち表示される位置を定めるものとする。例えば属性配置平面212は3Dモデル1の正面図の正面201の外形から60mmの位置に設定される。(図7)
ただし、ここで、いわゆる三角法による投影図(正面図、平面図、左右の側面図、下面図、背面図)については、視線位置が3Dモデル1の外部に位置していれば、いずれの位置でも表示内容には関係しない。
また、該視点の位置は、3Dモデル1、および3Dモデル1に付加された属性情報を表示する際に表示装置204の表示中心と一致する点である。
次に、法線方向は該視点位置から、3Dモデル1、および3Dモデル1に付加された属性情報を表示する際の視線方向と一致させる。
また、倍率とは(仮想的な)三次元空間上の3Dモデル形状を表示装置204上で表示する際の拡大する倍率とする。
属性配置平面のパラメータである、視点の位置、視線方向、倍率は随時変更可能とする。
例えば、図7においては、図25に示した平面図の面201aに直交しなおかつ、3Dモデルの外から内部へ向かう向きが視線方向となる属性配置平面211が定められる。視点位置と倍率は、3Dモデル1の形状と付与する属性情報の概ね全てが表示装置204の表示画面に表示できるように定められる。例えば、本実施の形態では倍率は1倍で、視点位置201fは平面図の面201aのほぼ中心に定められる(図7において2点鎖線201dは正面図のおおよその輪郭線を属性配置平面211に投影した状態を示す)。同様に、正面図の面201cに直交する視線方向の属性配置平面212、側面図の面201bに直交する視線方向の属性配置平面213も設定される。
各属性配置平面の位置を明示するために、属性配置平面を四角い2重の枠で表現してある。この属性配置平面の位置を明示する手段として本実施例では枠を用いて表現したがこれに限られるものではなく、形状としては、四角以外の多角形、あるいは円形であっても良い。(属性配置平面211は3Dモデル1の上面201aと平行であり、属性配置平面212は3Dモデル1の正面201bと平行であり、属性配置平面213は3Dモデル1の側面201cと平行の位置関係となる。)
次に、ステップS123で設定された各属性配置平面に関連付けて、属性情報を入力する。図8、図10の(a)、図11の(a)は各々の属性配置平面211、212、213に関連付けて3Dモデルに属性情報を付与した状態を示す図である。図9、図10の(b)、図11の(b)は各々の属性配置平面211、212、213の視点位置から見た3Dモデル1および属性情報である。
属性配置平面に関連付けられた属性情報の大きさ(文字やシンボルの高さ)を、属性配置平面の倍率に応じて変更する。属性情報の大きさ(mm)とは、3Dモデルが存在する仮想的3次元空間における大きさと定義する。(表示装置204において表示された際の大きさではない。)
また、属性配置平面と属性情報の関連付けは、属性情報の入力後でもよい。たとえば図13に示すフローチャートのように、3Dモデルを作成し(ステップS131)、ステップS132にて属性を入力後、ステップS133にて所望の属性配置平面に属性情報を関連付けるものである。また、必要に応じ、属性配置平面に対し関連付けられる属性情報の追加、削除等の修正がなされるものである。
属性情報が別の属性配置平面に関連付けられた場合、変更先の属性配置平面の倍率に応じて属性情報の大きさを変更する。
属性情報の入力は、各々の属性配置平面で定義される視線方向から表示させ二次元的に3Dモデル1を表示させた状態で入力してもよい。該入力はいわゆる2D−CADで二次元図面を作成する工程と何ら変わることなく実現できるものである。また必要に応じ、三次元的に表示させながら入力してもよい。該入力は、三次元的に3Dモデル1を見ながら入力することができるので、より効率的かつミスなく実現できるものである。
次に、3Dモデル1の属性情報を見る場合の説明を行う。図14のステップS141において所望の属性配置平面を選択することで、ステップS142において選択された属性配置平面視点位置、視線方向、および倍率に基づき3Dモデル1の形状と該属性配置平面に関連付けて付与されている属性情報が表示されるものである。例えば属性配置平面211、あるいは属性配置平面212、あるいは属性配置平面213が選択されると、それぞれ図9、あるいは図10の(a)、あるいは図11の(b)が表示される。このとき、属性情報を各属性配置平面の視線方向に正対して配置する。これによって表示画面上では二次元的に極めて容易に分かりやすく見ることができる。
次に、属性配置平面を容易に選択可能とするための例を紹介する。まず、選択可能な3Dモデルの属性配置平面の枠を表示させ、オペレタータが、マウスなどのポインティングデバイス等の入力装置を使用して、属性配置平面を選択する方法が考えられる。(図7)
次に、選択可能な属性配置平面の名称をリスト形式で表示して、その中から選択する方法も考えられる。(不図示)
さらには、属性配置平面の視線方向から見た状態(図9、あるいは図10の(a)、あるいは図11の(b))の画像をサムネイル画像としてアイコン表示して、選択する方法も考えられる。(図27)
(属性情報の他の入力方法)
図11〜図14を用いて説明した上述の属性情報の入力においては、各属性配置平面に属性情報を関連付けたが、関連付ける手段は上記に限定されるものではなく、例えば属性情報をグループ化し、該グループと属性配置平面を関連付けてもよい。
図15、図16に示すフローチャートに基づき、説明する。
あらかじめ入力された属性情報を選択的に、あるいは検索結果に基づきグループ化し、該グループと任意の属性配置平面と関連付けすることで上記と同様の結果および効果が得られる。また、属性情報のグループへの追加、削除等の修正がなされることにより、属性配置平面に関連付けられる属性情報を操作することができる。
即ち、3Dモデルを生成し(ステップS151)、属性情報を入力し(ステップS152)、3Dモデルに対し属性配置平面の視点位置、視線方向、および倍率を設定する(ステップS153)。そして、ステップS152で入力され属性情報をグループ化し、設定した属性配置平面とグループ化した属性情報とを関連付けて設定するものである(ステップS154)。
また、表示を行うときは、図16に示すように、属性配置平面を選択し(ステップS161)、選択された属性配置平面に関連付けられている属性情報を属性配置平面の視点位置、視線方向、および倍率の情報に従って表示装置204で表示する(ステップS162)ものである。
(複数の属性配置平面の設定)
次に、同一の視線方向に対し、複数の属性配置平面を設定する場合について説明する(複数の属性配置平面同士は互いに平行となる)。
図17は、同一の視線方向に対して、複数の属性配置平面を設定する場合の処理動作を示すフローチャートであり、図18の(a)は、同一の視線方向に対して複数の属性配置平面を設定する場合の3Dモデルを示す図である。
図7で示した3Dモデル1において、正面図の投影方向と視線方向が一致するように複数の属性配置平面を設定する場合について説明する。
前述のように3Dモデル1を作成し(ステップS171)、ステップS172において、第1の属性配置平面である属性配置平面212(視点位置、視線方向、倍率)を設定する。この属性配置平面212の視線方向は正面図の平面201bと直交し、倍率は例えば1倍、視点位置は正面図の外形から30mmの位置であり、概ね正面図の面201bの中心である。
そして、ステップS173において、上記属性配置平面212に関連付けて、図10の(a)で示すような属性情報が入力され、属性配置平面212の視線方向から見ると、図10の(b)のように、二次元的に極めて容易に分かりやすく見ることができる。
次に、ステップ174において第2の属性配置平面である、属性配置平面214(視点位置、視線方向、倍率)を設定する。この属性配置平面214の視線方向は正面図の平面201bと平行、倍率は例えば1倍、視点位置は属性配置平面3Dモデルの穴の中心軸を含むように設定する。
なお、属性配置平面214は四角の塗りつぶし形状で表現した。このとき、属性配置平面214から見る3Dモデル1は図19の(b)のように、仮想的平面214でカットされた3Dモデル1の断面形状となる。該属性配置平面214に関連付けて属性情報(例えば図19の(b)の穴の寸法12±0.1)が入力される。また、該属性配置平面214を選択時には、3Dモデル1の断面形状および、この属性配置平面に関連付けられた属性情報を表示する(図19(b))。
また、3Dモデル1を移動、回転等すれば図19の(a)のように三次元的表示ができるように構成される。
つまり、属性配置平面214選択されると、属性配置平面214の視線方向に存在する3Dモデルと同視線方向領域に存在する属性配置平面に関連付けられた属性情報を表示し、反視線方向(図18の(b)参照)領域の3Dモデル形状および属性情報は非表示とする。
本実施の形態によれば、外形形状に係る属性情報だけでなく、同一視線方向の方向の断面形状に係る属性情報を取り扱うことができる。それによって断面形状を見ながら属性情報を入力、表示できるために、属性情報の指示箇所が容易にかつ即座に分かるものである。
また、3Dモデル1の形状が同一に見える属性配置平面を複数有する構成としてもよい。図20に、同一の視線方向を有する属性配置平面215と属性配置平面216示す。この例では属性配置平面215と属性配置平面216は3Dモデル1の平面図に向いている。各々の属性配置平面に属性情報を例えばグループ化し関連付けることで、より見やすい属性情報を実現できる。例えば図21は3Dモデル1の平面図において、外形寸法に関わる属性情報をグループ化したもの。図22は、上記において穴位置および穴形状に関わる属性情報をグループ化したものである。グループ化された属性情報を、それぞれ属性配置平面215、属性配置平面216、に関連付けることになる。このように関係する属性情報をグループ化して属性配置平面に割り当てることにより、関連する属性情報がより見やすくなる。
(属性情報の位置)
3Dモデルと該3Dモデルに付加する属性情報を2次元な図面として極めてわかりやすく表示画面上で表現するため、オペレータは表現したい3Dモデルの部位の複数の属性情報を適宜選択もしくはグループ化して属性配置平面に関連付ける。2次元的な図面の表現方法であれば、属性情報の位置は関連する属性配置平面の視線方向の領域に配置すればよいが、3Dモデルに属性情報を付加し図面とするいわゆる「3D図面」においては、3Dモデルのメリットを十分生かすため工夫が必要となる。
3Dモデルのメリットの一つは、表示画面上で実物に近い形で立体的に表現できるため、モデルを作成するオペレータあるいはそのモデルを用いる次工程のオペレータ(工程設計者、金型設計・製作者、測定者等)にとって、2次元図を扱う際に必要となる2次元から3次元への変換作業(これは主にオペレータの頭の中で行われていた)が省ける点である。この変換作業はオペレータの力量によるところが多く、いきおいこの変換作業において誤変換による誤造や変換時間のロスが発生することがある。
3D図面において、3Dモデルのメリットである立体的に表現できる点を損なわないために、立体表示した際の属性情報の表示(属性情報の位置)に工夫をする必要がある。
その工夫する点について、図28を用いて説明を行う。
図28の(a)は説明に使用する3Dモデル2の斜視図、図28の(b)は3Dモデル2の平面図、図28の(c)は3Dモデル2に工夫しないで属性情報を付加した状態を説明する斜視図、図28の(d)は属性情報の配置を工夫して行った斜視図である。
まず、3Dモデル2に対して、2次元的な平面図を作成するため属性配置平面218の作成および属性情報の入力を行う。この属性配置平面218の視点から表示した状態が図28の(b)である。
該属性情報の入力に関して、図28の(c)の様に複数の属性情報の配置面を互い違いにすると、属性情報が重なりあい属性情報の内容が判別し難くなる。図28の(c)のように属性情報が少なくても見にくいので、より複雑な形状であれば、もはや属性情報は有益な情報ではなくなり、斜視状態では図面として成り立たなくなることは容易に想像できる。
ところが、図28の(d)の様に属性情報を同一平面内に配置することで属性情報どうしが重なり合うことはなく、2次元的な図面の表現(図28の(b))と同等に属性情報の判別は容易にできる。
こうすることで、3Dモデルに属性情報を付加する図面形態(3次元図面)において2次元的な図面の表現だけでなく、3Dモデルのメリットである立体的に3Dモデルを表現しながら、属性情報の判別が容易にできるので、立体図面(3D図面)として利用することが可能となる。
また、属性情報の配置面は属性配置平面と同一面にすることが望ましい。
この例では単純な形状の3Dモデルであったが実際のより複雑な形状を有する3Dモデルを扱う際には、同一視線方向に複数の属性配置平面を設定する必要がある。
そして複数の属性配置平面およびそれに関連付けられている属性情報を同時に表示してから、所望の属性配置平面の選択、もしくは属性情報の選択を行う場合が考えられる。
この際に、属性情報の配置面と属性配置平面の位置が離れていると属性情報と属性配置平面の関連がわかりにくくなるため間違って選択を行うケースが考えられる。それを避けるため視覚的に関連付けをわかりやすくするために、属性情報を属性配置平面は同一面上に配置するのが良い。
さらに、図20を用いて説明を行った同一視線方向の属性配置平面を作成する際には、同一の視線方向の複数の属性配置平面は離して配置するのが良い。この複数の属性配置平面およびそれに関連付けられている属性情報を同時に表示する際、属性配置平面を同一面に作成した場合属性情報の配置面も同一面になるので、視線方向はもとより視線方向をずらして斜めから見ても属性情報同士が重なり見にくくなる。そもそも同一方向からみて属性情報が多いために複数の属性配置平面に分けており、同時に属性情報を表示する際には属性情報が重なってしまうことは避けられない。
視線方向からの見にくいのは救えないとしても、斜視状態で属性情報を判別し易くするために手段として、同一視線方向の属性配置平面は離して配置するのが有効である。
(倍率)
また、属性配置平面の倍率を所望の倍率とすることで、複雑な形状あるいは詳細な形状をより見やすくできる。
図23は、3Dモデル1の一部を拡大して表示した状態を示す図である。例えば、図23(a)のように、3Dモデル1に対し、視線方向を平面図に向け、視点位置を角部近傍とし、倍率を例えば5倍とする属性配置平面217を設定することで、階段状の形状および属性情報が極めて分かりやすく表示できる(図23(b))。
本実施の形態においては、3D−CAD装置を構成するハードウェア、あるいは3D形状モデルの構成方法によらず3D−CAD全般、更には2D−CADに対し有効である。
(倍率と属性情報の大きさ)
属性配置平面に関連付けられた属性情報の大きさ(文字やシンボルの高さ)は、属性配置平面の倍率に応じて変更するものとする(図23(b))。
属性情報の大きさ(mm)とは、3Dモデルが存在する仮想的3次元空間における大きさと定義する(表示装置204において表示された際の大きさではない。)。
例えば、属性配置平面211(倍率1)において属性情報の大きさを3mmとする。属性配置平面217(倍率5)で同じように文字高さを3mmとして表示した例を図23(c)で示す。
属性配置平面217に関連付けられた属性情報は5倍の表示倍率で表示されるのでその大きさは15mmとなる。
図23の(b)、(c)において四角線は表示装置204での表示可能範囲を示す。
属性情報が重ならないように配置すると、3Dモデルと属性情報の位置が離れてしまうので形状とそれに関係する属性情報の関わりがわかりにくく、誤読する可能性も発生する。また表示したい属性情報が多いと全ての属性情報を表示装置204で表示しきれなくなり、表示可能範囲外の属性情報を見るために表示範囲を変更しなくてはならない煩わしさを伴う。
また、縮小して表示したい場合(倍率は1未満)に文字の大きさを変更しないと、縮小図表示状態で属性情報の表示装置204上の表示大きさが小さくなり、属性情報の内容が判別できなくなる。
そこで、属性情報が表示される時のことを考慮して、属性情報の情報の大きさ倍率によって変更するのが望ましい。
そのため、倍率と属性情報の大きさをおおよそ反比例の関係にすると良い。一例として前述の属性配置平面211の倍率を1、属性情報の大きさを3とした時、この属性配置平面217に関係付けられた属性情報の大きさを0.6mmとする。
(属性配置平面の複数選択)
上述の実施例において、属性配置平面に関連付けられた属性情報を表示する場合、選択対象の属性配置平面の数はただ一つとしていたが、本発明の目的を鑑みると、複数の属性配置平面を選択してもなんら問題ない。
ただし、属性配置平面の単一選択を行う場合は、視点の位置、視線方向が唯一つなので、表示装置上での表示方法は一つになるが、複数選択した場合は表示方法が複数になるので工夫をしなければならない。たとえば、複数選択を行った場合、選択された属性配置平面に関連付けられた属性情報をすべて表示し、視点の位置、視線方向についてはどの属性配置平面の設定を採用するか選択できるようにすることが考えられる。
また、属性情報の表示は関連する属性配置平面毎に色を変えるなどして、グループがわかりやすく判別できるように工夫を行う。
(属性配置平面の水平もしくは、鉛直方向の設定)
本発明において、属性配置平面に設定するのは視点の位置、視線方向、倍率のみで、属性配置平面の水平方向あるいは鉛直方向の設定については触れてこなかった。
2次元図面では、図25に示すように各視線方向から見える図(平面図、正面図、側面図)の配置については、ルールを設けている。これは、実物の立体形状を2次元平面に表現するため、各視線方向からの位置関係を理解しやすいようにするための工夫である。
一方、3Dモデルに属性情報を付与して図面とする3D図面形態においては、3Dモデルの外形面に直交する方向から見る2次元的な表現(図9、図10の(b)、図11の(b))はもとより、この状態から3Dモデルの回転させ、斜め方向から見た立体的な表現(図10の(a)、図11の(a))も可能となる。
よって、3D図面の形態においては、平面図、正面図、側面図を表示する際に、属性配置平面の水平方向、あるいは鉛直方向(この水平方向あるいは鉛直方向は表示画面の各方向と一致するとして)については別段定める必要はない。3Dモデルとそれに付与された属性情報が正しく表現できているならば図29に示す(a)、(b)、(c)、(d)、(e)のうちどれも正しい表現であるといえる。さらに、少し3Dモデルを回転させれば、3Dモデルが立体的に表現でき、今見ていた部位が3Dモデル全体のどこにあたるか、また他の視線方向から見た平面図、側面図の場所も容易に理解できるので、属性配置平面の水平方向あるいは、鉛直方向について各視線方向の位置関係を気にせずに表示しても特に問題にはならないからである。
しかし、3Dモデルに属性情報を付与した3D図面形態において、3D図面を扱うすべてのオペレータが3Dモデルを自由に回転させて表示できる環境にあるとは限らない。3D図面に修正を加えることなく、各属性配置平面によって表示される2次元的な画像情報電子データ形式で保存しそれを見ることで用が足りる職場などがあるからである、また旧来の紙図面でないと対応できない職場などもある。
このようなことを想定すると、各視線方向から見た表示は2次元図面のようなルールを適用しなくてはならない。
そこで、属性配置平面を作成する時に、表示装置204で表示される際の水平方向あるいは鉛直方向を設定する必要がある。
図30にその処理のフローチャートを示す。
まず、3Dモデルを作成する(ステップS3001)。
次に、3Dモデルに対して視点の位置、視線方向、倍率を設定し、属性配置平面を作成する(ステップS3002)。
そして、この属性配置平面の水平方向(あるいは鉛直方向)を指定する(ステップS3003)。水平方向(あるいは鉛直方向)を指定するには、(仮想的な)3D空間上に存在する3軸の方向(X,Y,Z)を選択するのでも良いし、3Dモデルの稜線の方向や面の鉛直方向を選択するのでも良い。
属性配置平面の水平方向(あるいは鉛直方向)を指定することによって、該属性配置平面を選択して表示される3Dモデルおよび属性情報の表示位置は一意に決定される。
他の属性配置平面を作成するときは、すでに作成した属性配置平面の視線方向との関係を守りながら水平方向(あるいは鉛直方向)を指定すればよい。
(属性情報の表示方法)
上記実施の形態では、3Dモデルに対して入力された属性情報を選択的に表示する順序として、まず最初に属性配置平面の選択を行い、次に該属性配置平面に関連付けられた属性情報を適宜表示する、この順番で説明を行ったが、この方法に限定されるものではなく、属性情報を選択し、その次に、その属性情報が関連付けられている属性配置平面の視点の位置、視線方向、倍率で、3Dモデルおよび該属性情報を表示する手法も有効である。
図31(属性情報選択から表示)は、この一連の処理動作を示すフローチャートである。
図8の平面図の3Dモデルと属性情報が表示された状態で、穴径φ12±0.2を選択する(ステップ311)。
この属性情報は関連付けられている属性配置平面211に設定されている視点の位置、視線方向、倍率に基づいて、3D図面および、属性配置平面211に関連付けられている属性情報を表示する(ステップ312)。この場合、図9で示す如く正面図が表示される。
これによって、選択された属性情報と3Dモデルとの関係が、2次元的に表示されるので、より認識しやすくなる。
・面選択方式
上記実施の形態では、3Dモデル対して入力された属性情報を選択的に表示する順序として、まず最初に属性配置平面の選択もしくは属性情報の選択を行い、次に該属性配置平面や属性情報に関連付けられた属性配置平面の設定に基づいて、これら属性配置平面に関連付けられた属性情報を適宜表示する方法の説明を行ったが、この方法に限定されるものではなく、3Dモデルの幾何情報(Geometory)を選択し、その幾何情報に関連付けられている属性情報の表示、さらには該属性情報が関連付けられている属性配置平面の視点の位置、視線方向、倍率で、3Dモデルおよび該属性情報を表示する手法も有効である。
図32(属性情報選択から表示)は、この一連の処理動作を示すフローチャートである。
3Dモデルの幾何情報(稜線、面、頂点)を選択する(ステップ321)。
選択した幾何情報に関連付けられている、属性情報を表示する(ステップ322)。
関連付けられている、属性情報が複数存在するならば、それらをすべて表示しても良い。また、属性情報が関連付けられている属性配置平面に属する属性情報のすべてを表示してもよい。
次に、表示した属性情報に関連する属性配置平面の視点の位置、視線方向、倍率(属性配置平面の水平方向)に基づいて3Dモデルおよび属性情報を表示する。この際、複数の属性配置平面が候補となった場合には、オペレータに表示する対象を選択させる。
このように、3Dモデルの幾何形状をキーにして、関連する属性情報の検索および、表示が出来るのでとても使いやすい。
幾何情報選択→関連の属性情報表示(単一)→関連の属性配置平面の表示位置で表示
幾何情報選択→関連の属性情報表示(単一)→関連の属性配置平面の表示位置で表示。属性配置平面に関連付けられているすべての属性情報を表示
幾何情報選択→関連の属性情報表示(複数)→関連の属性配置平面の表示位置で表示(単一属性配置平面)
幾何情報選択→関連の属性情報表示(複数)→関連の属性配置平面の表示位置で表示(単一属性配置平面)。属性配置平面に関連付けられているすべての属性情報を表示
幾何情報選択→関連の属性情報表示(複数)→関連の属性配置平面の表示位置で表示(複数属性配置平面)
幾何情報選択→関連の属性情報表示(複数)→関連の属性配置平面の表示位置で表示(複数属性配置平面)。属性配置平面に関連付けられているすべての属性情報を表示
(表示)
ここで、上述のように作成した属性情報が付加された3Dモデルの表示について述べる。
図2に示した情報処理装置で作成した属性情報が付加された3Dモデルは、作成した装置自身、或いは、外部接続装置を介して作成した3Dモデルのデータを転送することにより、他の同様な情報処理装置を用いて、図1に示した各工程で表示し、利用することができる。
まず、3Dモデルを作成した、製品/ユニット・部品の設計技術者あるいはデザイン設計者であるオペレータ自身が、自ら作成した3Dモデルを、図9、図10の(b)、図11の(b)に示すように表示を行うことで、あたかも二次元の図面を作成するごとく3Dモデルに新たな属性情報を付加することができるものである。また、例えば、形状が複雑な場合に、必要に応じて3Dモデルを3次元表示と二次元的表示とを交互に、或いは、同一画面に表示することにより、効率良くかつ正確に所望の属性情報を入力していくことができる。
また、作成された3Dモデルをチェック/承認する立場にあるオペレータが、作成した3Dモデルを図9、図10の(b)、図11の(b)に示す表示を、同一画面或いは切替えて表示することにより、チェックを行い、チェック済み、OK、NG、保留、要検討などを意味するマーク、記号、或いは色つけなどの属性情報が付加される。必要に応じて、複数の製品/ユニット/部品を比較、参照しながらチェックが行われるのは言うまでもない。
また、作成された3Dモデルの作成者以外の設計技術者あるいはデザイン設計者が、作成された3Dモデルを参照して、他の製品/ユニット/部品を設計する場合に利用することができる。この3Dモデルを参照することにより、容易に作成者の意図、あるいは設計手法を理解できるものである。
また、3Dモデルを製作、製造するに当たり、そのために必要な情報を3Dモデルあるいは属性情報に付与するオペレータが利用することができる。この場合、オペレータは製品/ユニット/部品の製作工程を設定する技術者である。オペレータは、例えば加工工程の種類、使用する工具等の指示、あるいは3Dモデルへ加工上必要な稜線部、角部、隅部等へのコーナR、面取りを付加する。あるいは寸法、寸法公差等に対する測定方法の指示、測定点の3Dモデルへの付加、測定上注意すべき情報等を入力する。これらは、図9、図10の(b)、図11の(b)のように見やすく配置作成された表示を見ながら、また必要に応じ三次元的に形状を確認しながら、効率良く確実に行われる。
また、3Dモデルを製作、製造するに当たり、所望の準備をするために必要な情報を3Dモデルあるいは属性情報から得るオペレータが利用することができる。この場合、オペレータは製作、製造に必要な金型、治工具、各種装置等を設計する設計技術者である。オペレータは3Dモデルを三次元状態で見ながら形状を理解、把握しつつ、必要な属性情報を図9、図10の(b)、図11の(b)のように見やすく配置作成された表示でチェック、抽出していく。それらの属性情報を元に、オペレータは金型、治工具、各種装置等を設計する。例えば、オペレータが金型の設計技術者である場合は、オペレータは3Dモデルおよび属性情報から、金型の構成、構造等を検討しつつ設計する。また、必要に応じ、金型製作上必要な稜線部、角部、隅部等へのコーナR、面取りを付加する。また、金型が樹脂の射出成形用金型の場合には、オペレータは、例えば3Dモデルに成形上必要な抜き勾配等を付加する。
また、製品/ユニット/部品を製作、製造するオペレータが利用することができる。この場合、オペレータは製品/ユニット/部品の加工技術者、組立て技術者である。オペレータは3Dモデルを三次元状態で見ながら加工すべき形状、あるいは組み立てるべき形状を容易に理解、把握しつつ、図9、図10の(b)、図11の(b)のように見やすく配置作成された表示を見て加工、組立てを行う。そして必要に応じ、オペレータは加工部、組立て部の形状等をチェックする。また、加工済み、加工が困難、あるいは加工結果等を属性情報として3Dモデルあるいはすでに付加されている属性情報に付加し、該情報を設計技術者等にフィードバックしてもよい。
また、製作、製造された製品/ユニット/部品を検査、測定、評価するオペレータが利用することができる。この場合、オペレータは製品/ユニット/部品の検査、測定、評価する技術者である。オペレータは、上記の寸法、寸法公差等に対する測定方法、測定点、測定上注意すべき情報を、図9、図10の(b)、図11の(b)のように見やすく配置作成された表示を見ながら、また必要に応じ三次元的に形状を確認しながら、効率良く確実に得て、検査、測定、評価を実行する。そして、オペレータは必要に応じ、検査、測定、評価を属性情報として、3Dモデルに付与することができる。例えば、寸法に対応する測定結果を付与する。また、寸法公差外、キズ等の不具合箇所の属性情報あるいは3Dモデルにマークあるいは記号等を付与する。また、上記チェック結果と同様に、検査、測定、評価済みのマーク、記号、あるいは色付け等がなされてもよい。
また、製品/ユニット/部品の製作、製造に関係する各種の部門、役割のオペレータが利用することができる。この場合、オペレータは例えば、製作、製造コストを分析する担当者、あるいは製品/ユニット/部品自体、関連する各種部品等を発注する担当者、製品/ユニット/部品のマニュアル、梱包材等を作成する担当者、等である。この場合もオペレータは3Dモデルを三次元状態で見ながら製品/ユニット/部品の形状を容易に理解、把握しつつ、図9、図10の(b)、図11の(b)のように見やすく配置作成された表示を見て効率的に各種業務を遂行する。
(検査指示の入力)
次に、検査指示に関して述べる。
出来上がった金型や、部品などを検査するためには、予め、3Dモデルに寸法などを割り当てて表示することは上述した通りである。
ここでは、設定された属性配置平面に対して、検査する位置が明確となる表示となるように属性情報を入力する。
即ち、3Dモデルを構成する、面、線、稜線などに対して、検査する順番、検査位置、検査項目などを入力する。そして、その順番に検査することにより、検査工数を軽減するものである。
まず、検査する項目と位置を入力することにより、全体が入力される。次に、所定の方法により、検査の順番を割り振り、それぞれの項目に順番を割り当てる。そして、実際に検査を行う場合は、順番を指示することにより、属性配置平面が選択され、表示されている属性配置平面において、検査すべき位置の面などが、他と異なった形態(色などが異なる)で表示され、検査位置が明確になる。
そして、指示された検査項目毎に、検査した結果を入力し、再成形が必要か否かが判断されるものである。
以上説明のように本発明の実施の形態によれば、設定された属性配置平面と属性情報により、簡単な操作で見やすい画面を得ることができる。また、視線方向と属性情報の関係も一覧してわかるものである。さらには、あらかじめ寸法値などが入力されていることにより、オペレータによる操作ミスによる誤読が軽減される。
また、視線方向に関連付けられた情報のみを見ることができ、必要とする情報を容易に知ることができる。
また、同一視線方向の大量の属性情報を、複数の属性配置平面に割り当てることにより、見やすい画面を得ることができ、必要な情報を容易に知ることができる。
また、3Dモデルの内部、即ち、断面形状に属性配置平面を設定することにより、属性情報をわかりやすく表示することができる。
また、属性配置平面の表示倍率にしたがって、属性情報の大きさを変更するので、わかりやすくそして、適切に表現できる。
また、属性情報を属性配置平面上に配置することで、3Dモデルを斜めから見た立体的な表現を行っても、属性情報を読み取ることが出来る。
また、属性情報をキーにして、属性配置平面の検索および、該属性配置平面に関連付けられた情報のみを見ることができ、必要とする情報を容易に知ることができる。
また、幾何情報をキーにして、属性情報および属性配置平面の検索さらには、該属性配置平面に関連付けられた情報のみを見ることができ、必要とする情報を容易に知ることができる。