JP5142459B2 - 機器取付装置、調整冶具、及び調整機構付撮像装置 - Google Patents

Description

本発明は、例えば監視等に使用される撮像装置等の機器が搭載される機器取付装置、調整冶具、及び調整機構付撮像装置に関する。

従来、監視用のカメラを天井や壁等に取付け、カメラの向きを調整する例が提案されている（例えば、特許文献１参照）。該提案は、カメラが取付けられたカメラ取付け台を天井等に固定し、次に、カメラが映し出す映像をモニタで確認し、カメラが所定の領域を撮影できるようにカメラの向きを調整するものである。
特開平５−１９１６８９号公報

しかしながら、上記従来例では、天井等にカメラ取付け台を介して取付けられたカメラの向きを調整する場合、脚立やはしごを使用しなければならないが、モニタを脚立やはしごには載せることはできない。そのため、カメラの向きを調整する調整作業者と、モニタを見ながら調整作業者にカメラの向きを指示する調整指示者の２名が必要であった。また、モニタを見ている調整指示者とカメラの向きを調整する調整作業者が別なので、相互の意思がうまく伝わらず調整に手間取ることもあった。更に、カメラの向きの微調整がしにくいため、高倍率のズームレンズが搭載されたカメラでは、カメラの向きがわずかにずれ、撮影したい場所がなかなか写らないようなこともあった。

本発明の目的は、機器の向きの調整を一人でも容易に行うことができるようにした機器取付装置、調整冶具、及び調整機構付撮像装置を提供することにある。

上述の目的を達成するために、本発明の機器取付装置は、基部に固定される固定部と、前記固定部に対して機器を可動させる可動部とを有する取付け台を備える機器取付装置であって、前記可動部は、前記機器を支持する支持手段と、調整冶具により駆動され、前記調整冶具を装着した場合に前記取付け台に挿入される前記調整冶具の第１の軸の回転に伴って前記支持手段を前記基部の面に略平行な方向と前記基部の面に略垂直な方向とのうち少なくとも何れか一方向に回転させる回転手段と、前記取付け台における前記第１の軸が挿入される面に対して前記調整冶具の第２の軸が挿入されていない場合には前記回転手段による回転をさせないようにし、前記取付け台における前記第１の軸が挿入される面に対する前記第２の軸の挿入に伴って前記回転手段による回転が可能にされるブレーキ手段と、を備えることを特徴とする。

また、本発明の調整冶具は、基部に固定される固定部と、前記固定部に対して機器を可動させる可動部とを有する取付け台に着脱可能な調整冶具であって、通信手段を介した操作に応じて、前記取付け台に対して挿入された状態で前記取付け台の前記可動部を回転させるための第１の軸を有する駆動手段と、前記調整冶具を前記取付け台に装着した場合には前記取付け台に挿入されて前記可動部を回転可能にし、前記調整冶具を前記取付け台から取り外した場合には前記可動部を回転させないようにするための、前記第１の軸と同じ面に配設される第２の軸と、を備えることを特徴とする。

また、本発明の調整機構付撮像装置は、基部に固定される固定部と、前記固定部に対して撮像手段を可動させる可動部とを有する取付け台とを備える調整機構付撮像装置であって、前記可動部は、前記撮像手段を支持する支持手段と、調整冶具により駆動され、前記調整冶具を装着した場合に前記取付け台に挿入される前記調整冶具の第１の軸の回転に伴って前記支持手段を前記基部の面に略平行な方向と前記基部の面に略垂直な方向とのうち少なくとも何れか一方向に回転させる回転手段と、前記取付け台における前記第１の軸が挿入される面に対して前記調整冶具の第２の軸が挿入されていない場合には前記回転手段による回転をさせないようにし、前記取付け台における前記第１の軸が挿入される面に対する前記第２の軸の挿入に伴って前記回転手段による回転が可能にされるブレーキ手段と、を備えることを特徴とする。

本発明によれば、機器が搭載された可動部を有する取付け台に調整冶具を装着し、遠隔操作により調整冶具を介して可動部の向きを変えるため、即ち、機器の向きを変えるため、機器の向きの調整を一人でも容易に行うことが可能となる。

以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。

［第１の実施の形態］
図１（ａ）は、本発明の第１の実施の形態に係る機器取付装置としての取付け台１、調整機構付撮像装置としてのカメラユニット８、調整冶具２の構成を示す正面図、図１（ｂ）は、図１（ａ）の状態を左斜め下から見た斜視図である。

先ず、取付け台１、調整冶具２、カメラユニット８の概要について説明する。

図１において、取付け台１は、カメラユニット８が一体に組み込まれたものであり、上部カバー３、側部カバー４、台座６、シャーシ２６等を備えている。台座６は、取付け台１の固定部分を構成する例えば円盤形状の部材であり、例えば４本のネジ７により天井や壁等の基部に固定される。シャーシ２６は、台座６の下方に配置され台座６に平行な平板部と、台座６に垂直な２つの立板部とから構成されており、後述の軸２７を介して回転自在となっている。シャーシ２６における調整冶具装着側の立板部には、その長手方向両側部に一対の爪１２、一対の爪１３（図４参照）がそれぞれ配設されている。

上部カバー３は、台座６の下方に配置されると共にシャーシ２６に取付けられ、水平方向の回転機構部（かさ歯車２５、シャーシ２６、軸２７を含む機構）の一部を覆っている。側部カバー４は、上部カバー３の側方に配置されると共にシャーシ２６に取付けられ、垂直方向の回転機構部（ギア３６、ギア３９、軸４０、軸４５を含む機構）と水平方向の回転機構部（かさ歯車３０を含む機構）の一部を覆っている。また、側部カバー４には、例えば６箇所の穴４ａ、４ｂ、４ｃ、４ｄ、４ｅ、４ｆが形成されている。

カメラユニット８は、取付け台１に一体に組み込まれており、取付け台１の台座６を介して天井や壁等の基部に設置され、例えば監視対象領域等の所定の空間領域を撮影するものであり、レンズ及びカメラ部（不図示）を内蔵している。カメラユニット８は、不図示の電源ケーブル、イーサネット（登録商標）ケーブル等を介してバッテリから電力の供給を受け、ネットワークへも接続されている。カメラユニット８により撮影した映像は、ネットワークを介して所定場所（例えばモニタ室等）へ送信される。

調整冶具２は、取付け台１に着脱可能で遠隔操作により駆動可能に構成され、カメラユニット８の向きを調整する際に取付け台１に装着されるものであり、カバー５により覆われている。調整冶具２は、カメラユニット８の向きを、取付け台１の台座６が固定される天井や壁等の基部の面に略平行な方向と基部の面に略垂直な方向の二方向に調整することが可能である。

調整冶具２の後述のベースプレート１５の一方の面には、一対の爪１０、一対の爪１１が装着方向に突出した状態で配設されている（図２参照）。調整冶具２を取付け台１に装着した際に、調整冶具２の爪１０、爪１１は、取付け台１の爪１２、爪１３とそれぞれ係合するように構成されている。これにより、調整冶具２は取付け台１に固定される。

次に、調整冶具２の詳細構成について説明する。

図２（ａ）は、調整冶具２のカバー５を外し内部の状態を左斜め下から見た斜視図、図２（ｂ）は、調整冶具２のカバー５を外し内部の状態を右斜め上から見た斜視図である。

図２において、調整冶具２は、電気ユニット１４、ベースプレート１５、パンモータ１６、チルトモータ１７を備えている。ベースプレート１５の一方の面（取付け台１への装着側の面）には、一対の爪１０、一対の爪１１、軸１５ａ、軸１５ｂ、軸１５ｃ、軸１５ｄ、六角軸１６ｂ、六角軸１７ｂが配設されている。ベースプレート１５の他方の面には、電気ユニット１４、パンモータ１６、チルトモータ１７が固定されている。

電気ユニット１４には、バッテリ、モータドライバ、無線送受信部（通信手段）、制御コントローラ部等が内蔵されている。バッテリは、パンモータ１６、チルトモータ１７を駆動する際の電力を供給する。モータドライバは、パンモータ１６、チルトモータ１７を駆動する。無線送受信部は、例えばモニタ室の調整担当者が遠隔操作によりパンモータ１６、チルトモータ１７を離れた場所から駆動する際に、モニタ室との間で無線信号の送受信を行う。制御コントローラ部は、バッテリ、モータドライバ、無線送受信部を統括的に制御する。

パンモータ１６は、取付け台１に装着した調整冶具２を介したカメラユニット１の向きの調整時に、電気ユニット１４の制御コントローラ部の制御下でモータドライバにより駆動され、カメラユニット８を台座６の面に略平行な水平方向（台座６を天井に固定した場合）に回転させる。チルトモータ１７は、取付け台１に装着した調整冶具２を介したカメラユニット１の向きの調整時に、電気ユニット１４の制御コントローラ部の制御下でモータドライバにより駆動され、カメラユニット８を台座６の面に略垂直な垂直方向（台座６を天井に固定した場合）に回転させる。

パンモータ１６、チルトモータ１７は、それぞれ、ギアドモータとして構成されると共に、例えばギア比３０：１のギアヘッドが先端部に一体に設けられている。パンモータ１６のギアヘッドの出力軸１６ａには、六角軸１６ｂが圧入されている。同様に、チルトモータ１７のギアヘッドの出力軸１７ｃには、六角軸１７ｂが圧入されている。

なお、台座６を壁に固定した場合は、パンモータ１６は、カメラユニット８を台座６の面に略平行な方向（壁に略平行な垂直方向）に回転させ、チルトモータ１７は、カメラユニット８を台座６の面に略垂直な方向（壁に略垂直な水平方向）に回転させる。

図３（ａ）は、調整冶具２の爪１０を含む関連箇所を部分的に拡大した斜視図、図３（ｂ）は、爪１０が開いた状態を示す斜視図である。

図３において、調整冶具２は、ソレノイド１８、ジョイント１９、一対のロッド２１、一対のトーションばね２３、一対の軸受２４を備えている。ソレノイド１８は、ベースプレート１５に固定されている。ソレノイド１８の先端部には、ジョイント１９が取付けられており、ジョイント１９は、ソレノイド１８の駆動に応じて図３の上下方向に移動する。ジョイント１９には、軸２０が圧入されている。

ベースプレート１５の幅方向両側に配設された一対の爪１０には、それぞれ軸１０ａと軸１０ｂが一体に設けられている。軸１０ａは、ベースプレート１５に固定された軸受２４に回転自在に挿入されている。各ロッド２１の一端部は、それぞれ軸２０に回転自在に挿入されている。各ロッド２１の他端部は、それぞれ軸１０ｂに回転自在に連結されている。軸１０ａには、トーションばね２３が挿入されている。トーションばね２３は、軸１０ａを回転中心として、一対の爪１０を内側（爪１０が互いに対向する側）に付勢している（図３（ａ）参照）。

一対の爪１０を外側（爪１０が互いに離反する側）に広げると（図３（ｂ）参照）、上記の機構により、ジョイント１９は、ソレノイド１８を駆動したときと同様に図上の上方に上がる。また、逆に、遠隔操作によりソレノイド１８を駆動しても、爪１０は外側に広がる。即ち、取付け台１に装着した調整冶具２は、手動による方法及び遠隔操作による方法の何れの方法でも、取付け台１から外すことが可能である。なお、爪１０と爪１１は同一構造を有しているため、爪１１付近の構成の図示及び説明は省略する。

次に、取付け台１の詳細構成について説明する。

図４は、取付け台１の上部カバー３及び側部カバー４を外した状態を左斜め下から見た斜視図である。図５は、取付け台１の上部カバー３及び側部カバー４を外した状態を右斜め上から見た斜視図である。図６（ａ）は、取付け台１の上部カバー３及び側部カバー４を外した状態を正面から見た正面図、図６（ｂ）は、（ａ）の矢視Ａ−Ａ線に沿う断面図、図６（ｃ）は、取付け台１の上部カバー３及び側部カバー４を外した状態のギア部を下から見た平面図である。

図４乃至図６において、取付け台１は、上述した爪１２、１３、かさ歯車２５、かさ歯車３０、パンブレーキ３２、ギア３６、ギア３９、チルトブレーキ４２を備えている。かさ歯車２５は、台座６に固定されている。軸２７は、かさ歯車２５に回転自由に挿入されると共に、シャーシ２６の平板部に固定されている。軸２７には、Ｅリング２８が圧入されている。Ｅリング２８により、軸２７のスラスト方向の規制を行っている。かさ歯車２５には、かさ歯車３０が噛み合っている。

かさ歯車３０には、軸３０ａが一体に設けられている。軸３０ａは、シャーシ２６に固定された軸受２９に回転自在に挿入されると共に、段付部３０ｃを有する段付軸として構成されており、Ｅリング３１が圧入されている。段付部３０ｃとＥリング３１により、軸３０ａのスラスト方向の規制を行っている。また、軸３０ａには、六角穴３１ｂが形成されている（図４参照）。取付け台１に対する調整冶具２の装着時に、六角穴３１ｂには、調整冶具２に装備された上記パンモータ１６の出力軸１６ａに圧入された六角軸１６ｂが嵌合される。

パンブレーキ３２は、取付け台１の水平方向の回転規制を行うものである。パンブレーキ３２の両端部には、それぞれ軸３２ａが一体に設けられている（図６（ｂ）参照）。各々の軸３２ａには、それぞれ、ばね３３が挿入されると共に、ストッパ３２ｂが一体に設けられている。各々の軸３２ａは、シャーシ２６に固定された軸受３４と軸受３５に挿入されている。各々のばね３３は、ストッパ３２ｂと軸受３４の間で圧縮されているため、パンブレーキ３２は、かさ歯車２５のボス２５ａに圧接している。そのため、この状態ではシャーシ２６は、かさ歯車２５に対して回転することができない。

ギア３６には、軸３６ｂが一体に設けられており、軸３６ｂは、シャーシ２６に固定された軸受３７に回転自在に挿入されている。軸３６ｂは、段付部３６ｃを有する段付軸として構成されており（図６（ａ）参照）、Ｅリング３８が圧入されている。軸３６ｂに圧入されたＥリング３８と軸３６ｂの段付部３６ｃとの間で、ギア３６のスラスト方向の規制を行っている。また、ギア３６の中心部には、六角穴３６ａが形成されている（図４参照）。取付け台１に対する調整冶具２の装着時に、六角穴３６ａには、調整冶具２に装備された上記チルトモータ１７の出力軸１７ｃに圧入された六角軸１７ｂが嵌合される。

ギア３９は、ギア３６と噛み合っている。ギア３９は、カメラユニット８に一体に設けられた軸４０に圧入されており、軸４０は、シャーシ２６に固定された軸受４１に回転自在に挿入されている（図６（ｃ）参照）。カメラユニット８には、軸４０と同軸上に軸４５が設けられている（図５参照）。また、軸４０には、チルトブレーキ４２が挿入されている。チルトブレーキ４２は、爪１２に一体に設けられたコの字形状のガイド部４４にガイドされ、軸４０に沿ってスライドする。更に、軸４０には、ばね４３が挿入されており、チルトブレーキ４２をギア３９に圧接している。そのため、この状態ではギア３９は回転することができない。

次に、調整冶具２を取付け台１へ装着し、カメラユニット８の向きを調整する場合について説明する。

図７（ａ）は、調整冶具を取付け台に装着した状態で各カバーを外した状態を示す正面図、図７（ｂ）は、（ａ）の状態を下から見た場合の一部分を示す平面図である。

図７において、調整冶具２を図１に示すように取付け台１に対向させて該取付け台１に装着すると、調整冶具２の爪１０、１０と取付け台１の爪１２、１２とが係合し、調整冶具２の爪１１、１１と取付け台１の爪１３、１３とが係合する。このとき、取付け台１の側部カバー４の穴４ａ、４ｂ、４ｃ、４ｄに対して、ベースプレート１５の軸１５ａ、１５ｂ、１５ｃ、１５ｄがそれぞれ入り込む。同様に、取付け台１の側部カバー４の穴４ｅ、４ｆに対しても、ベースプレート１５のチルトモータ１７の出力軸１７ｃに圧入された六角軸１７ｂ、パンモータ１６の出力軸１６ａに圧入された六角軸１６ｂがそれぞれ入り込む。

軸１５ａ、１５ｂは、チルトブレーキ４２のガイド部４４の近傍をばね４３に抗して押し下げ（図７（ｂ）参照）、チルトブレーキ４２をギア３９から離す。同様に、軸１５ｃ、１５ｄは、パンブレーキ３２に一体に設けられた軸３２ａをばね３３に抗して押し下げ、パンブレーキ３２をかさ歯車２５のボス２５ａから離す。一方、六角軸１６ｂは、軸３０ａの六角穴３１ｂと嵌合し、六角軸１７ｂは、ギア３６の六角穴３６ａと嵌合する。

上記のように、調整冶具２を取付け台１に装着することにより、チルトブレーキ４２はギア３９から離れ、パンブレーキ３２はボス２５ａから離れる。これに伴い、シャーシ２６は回転可能状態となり、ギア３９は回転可能状態となる。更に、六角軸１６ｂは六角穴３１ｂと嵌合し、六角軸１７ｂは六角穴３６ａと嵌合する。

従って、この状態で、遠隔操作により電気ユニット１４の制御コントローラ部の制御下でパンモータ１６を回転させると、パンモータ１６に連結された六角軸１６ｂが嵌合した軸３０ａを介してかさ歯車３０が回転する。かさ歯車３０と噛み合っているかさ歯車２５は、台座６に固定されているため回転しない。これにより、カメラユニット８を支持するシャーシ２６は、かさ歯車２５に回転自由に挿入された軸２７を回転中心として回転する（台座６を天井に固定した場合は水平方向回転）。

同様に、チルトモータ１７を回転させると、チルトモータ１７に連結された六角軸１７ｂが嵌合したギア３６が回転し、ギア３６に噛み合い且つカメラユニット８の軸４０に圧入されたギア３９も回転する。これにより、カメラユニット８は、軸４０及び軸４５を回転中心として回転する（台座６を天井に固定した場合は垂直方向回転）。

調整冶具２を取付け台１に装着し、調整冶具２によりカメラユニット１の向きを調整した後、調整冶具２を取付け台１から取り外すと、パンブレーキ３２がかさ歯車２５のボス２５ａを圧接し、チルトブレーキ４２がギア３９を圧接する状態に復帰する。これにより、取付け台１のシャーシ２６の向きが固定されるため、カメラユニット８の向きが固定される。

本実施の形態では、調整冶具２の電気ユニット１４に無線送受信部を装備しているため、遠隔操作によりパンモータ１６、チルトモータ１７を離れた場所から駆動することができる。従って、調整担当者は、天井等に取付け台１を介して取付けられたカメラユニット８の向きを、離れた場所からモニタ等を見ながら容易に調整することができる。

また、調整冶具２によりカメラユニット８の向きを調整した後に調整冶具２を取付け台１から取り外す際には、調整冶具２のベースプレート１５の幅方向両側に一対ずつ配設された爪１０、１１をそれぞれ外側に広げる（図３（ｂ）参照）。調整冶具２は、ばね３３、ばね４３により付勢されているので、取付け台１に対する装着が解除され取付け台１から外れる。なお、爪１０、爪１１の動きは、ソレノイド１８の動きと連動しているので、ソレノイド１８を駆動することにより、離れた場所からでも調整冶具２を取付け台１から外すこともできる。

また、取付け台１は、パンブレーキ３２がかさ歯車２５のボス２５ａに、チルトブレーキ４２がギア３９にそれぞれ圧接していないときでも、わずかにフリクションが加わるようにしている。そのため、カメラユニット８等の自重により垂直方向や水平方向にカメラユニット８が回転することはない。

以上説明したように、本実施の形態によれば、カメラユニット８が一体に組み込まれた取付け台１に調整冶具２を装着し、遠隔操作により調整冶具２を介してカメラユニット８の向きの調整を行うため、調整を一人でも行うことが可能となる。また、遠隔操作により調整冶具２を介してカメラユニット８の向きの微調整も容易にできるため、調整を非常に楽に行うことが可能となる。また、撮影したい空間領域を的確に撮影することが可能となる。

［第２の実施の形態］
本発明の第２の実施の形態は、上述した第１の実施の形態に対して、下記の点において相違する。本実施の形態のその他の要素は、上述した第１の実施の形態の対応するものと同一なので、説明を省略する。

上述した第１の実施の形態では、取付け台１にカメラユニット８を一体に組み込み、取付け台１とカメラユニット８とを容易には分離できない構成について説明した。これに対し、本実施の形態では、カメラユニット８をシャーシ２６に固定する代わりに後述の取付け板に着脱可能に構成することで、取付け台１とカメラユニット８とを分離可能とする構成について説明する。

図８（ａ）は、本発明の第２の実施の形態に係る機器取付装置としての取付け台１、調整機構付撮像装置としてのカメラユニット８、調整冶具２を左斜め下から見た斜視図、図８（ｂ）は、取付け台１、カメラユニット８、調整冶具２を左から見た側面図である。

図８において、取付け台１は、上部カバー３、側部カバー４、台座６、取付け板５２を備えている。取付け板５２は、上記図４に示した軸４０に固定されている。取付け板５２の４箇所の隅部にはネジ穴が形成され、カメラユニット８の側面部の対応する４箇所にはネジ穴５１が形成されている。カメラユニット８は、取付け板５２にネジ５０を介して固定される。なお、取付け台１の水平回転機構部及び垂直回転機構部と調整冶具２の構造は上述した第１の実施の形態と同一であり、説明を省略する。

以上説明したように、本実施の形態によれば、カメラユニット８が分離可能に取付けられた取付け台１に調整冶具２を装着し、遠隔操作により調整冶具２を介してカメラユニット８の向きの調整を行うため、調整を一人でも行うことが可能となる。また、遠隔操作により調整冶具２を介してカメラユニット８の向きの微調整も容易にできるため、調整を非常に楽に行うことが可能となる。また、撮影したい空間領域を的確に撮影することが可能となる。更に、取付け台１とカメラユニット８とを取付け板５２を介して分離可能に構成しているため、複数機種のカメラユニットに共通に対応可能な取付け台１を実現することが可能となる。

［他の実施の形態］
上記第１の実施の形態では、カメラユニット８の垂直方向の回転を行うために、シャーシ２６を支持する軸４０をギア３６を介して回転させたが、軸４０を調整冶具２により直接回転させてもよい。同様に、カメラユニット８の水平方向の回転を行うために、かさ歯車２５に回転自由に挿入され且つシャーシ２６に固定されている軸２７をかさ歯車３０を介して回転させたが、軸２７を調整冶具２により直接回転させてもよい。このようにギア部を少なくする構成により、取付け台１の部品点数及びコストの削減を図ることが可能となる。

上記第１の実施の形態では、カメラユニット８の向きを、台座６が固定される天井や壁等の基部の面に略平行な方向と基部の面に略垂直な方向の二方向に調整可能な調整冶具を例に挙げたが、これに限定されるものではない。本発明は、カメラユニット８の向きを、基部の面に略平行な方向と基部の面に略垂直な方向とのうち何れか一方向に調整可能な調整冶具に適用することもできる。

上記第１及び第２の実施の形態では、カメラユニット８を取付け台１を介して天井や壁等に設置すると共に調整冶具２を介してカメラユニット８の向きを調整する場合を例に挙げたが、これに限定されるものではない。本発明は、例えばライト（照明装置）を取付け台１を介して天井や壁等に設置すると共に調整冶具２を介してライトの向きを調整する場合にも適用することができる。

（ａ）は、本発明の第１の実施の形態に係る機器取付装置としての取付け台、調整機構付撮像装置としてのカメラユニット、調整冶具の構成を示す正面図、（ｂ）は、（ａ）の状態を左斜め下から見た斜視図である。 （ａ）は、調整冶具のカバーを外し内部の状態を左斜め下から見た斜視図、（ｂ）は、調整冶具のカバーを外し内部の状態を右斜め上から見た斜視図である。 （ａ）は、調整冶具の爪を含む関連箇所を部分的に拡大した斜視図、（ｂ）は、爪が開いた状態を示す斜視図である。 取付け台の上部カバー及び側部カバーを外した状態を左斜め下から見た斜視図である。 取付け台の上部カバー及び側部カバーを外した状態を右斜め上から見た斜視図である。 （ａ）は、取付け台の上部カバー及び側部カバーを外した状態を正面から見た正面図、（ｂ）は、（ａ）の矢視Ａ−Ａ線に沿う断面図、（ｃ）は、取付け台の上部カバー及び側部カバーを外した状態のギア部を下から見た平面図である。 （ａ）は、調整冶具を取付け台に装着した状態で各カバーを外した状態を示す正面図、（ｂ）は、（ａ）の状態を下から見た場合の一部分を示す平面図である。 （ａ）は、本発明の第２の実施の形態に係る機器取付装置としての取付け台、調整機構付撮像装置としてのカメラユニット、調整冶具を左斜め下から見た斜視図、（ｂ）は、取付け台、カメラユニット、調整冶具を左から見た側面図である。

符号の説明

１ 取付け台
２ 調整冶具
６ 台座（固定部）
８ カメラユニット（機器、撮像装置）
１４ 電気ユニット
１６ パンモータ（駆動手段）
１７ チルトモータ（駆動手段）
２５ かさ歯車
２６ シャーシ（可動部）
２７ 軸
３０ かさ歯車
３２ パンブレーキ
３６ ギア
３９ ギア
４０、４５ 軸
４２ チルトブレーキ
５２ 取付け板（可動部）

Claims (4)

1. 基部に固定される固定部と、前記固定部に対して機器を可動させる可動部とを有する取付け台を備える機器取付装置であって、
   前記可動部は、
   前記機器を支持する支持手段と、
   調整冶具により駆動され、前記調整冶具を装着した場合に前記取付け台に挿入される前記調整冶具の第１の軸の回転に伴って前記支持手段を前記基部の面に略平行な方向と前記基部の面に略垂直な方向とのうち少なくとも何れか一方向に回転させる回転手段と、
   前記取付け台における前記第１の軸が挿入される面に対して前記調整冶具の第２の軸が挿入されていない場合には前記回転手段による回転をさせないようにし、前記取付け台における前記第１の軸が挿入される面に対する前記第２の軸の挿入に伴って前記回転手段による回転が可能にされるブレーキ手段と、
   を備えることを特徴とする機器取付装置。
2. 基部に固定される固定部と、前記固定部に対して機器を可動させる可動部とを有する取付け台に着脱可能な調整冶具であって、
   通信手段を介した操作に応じて、前記取付け台に対して挿入された状態で前記取付け台の前記可動部を回転させるための第１の軸を有する駆動手段と、
   前記調整冶具を前記取付け台に装着した場合には前記取付け台に挿入されて前記可動部を回転可能にし、前記調整冶具を前記取付け台から取り外した場合には前記可動部を回転させないようにするための、前記第１の軸と同じ面に配設される第２の軸と、
   を備えることを特徴とする調整冶具。
3. 前記駆動手段は、前記可動部を前記基部の面に略平行な方向と前記基部の面に略垂直な方向とのうち少なくとも何れか一方向に回転させることを特徴とする請求項２に記載の調整冶具。
4. 基部に固定される固定部と、前記固定部に対して撮像手段を可動させる可動部とを有する取付け台とを備える調整機構付撮像装置であって、
   前記可動部は、
   前記撮像手段を支持する支持手段と、
   調整冶具により駆動され、前記調整冶具を装着した場合に前記取付け台に挿入される前記調整冶具の第１の軸の回転に伴って前記支持手段を前記基部の面に略平行な方向と前記基部の面に略垂直な方向とのうち少なくとも何れか一方向に回転させる回転手段と、
   前記取付け台における前記第１の軸が挿入される面に対して前記調整冶具の第２の軸が挿入されていない場合には前記回転手段による回転をさせないようにし、前記取付け台における前記第１の軸が挿入される面に対する前記第２の軸の挿入に伴って前記回転手段による回転が可能にされるブレーキ手段と、
   を備えることを特徴とする調整機構付撮像装置。

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