JP5140998B2 - ワイドバンドギャップ半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

ワイドバンドギャップ半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、埋込選択成長層を有するワイドバンドギャップ半導体装置およびその製造方法に関する。
ワイドバンドギャップ半導体の一種である炭化珪素(SiC)は、SiとCとが1:1の成分比で結合してなるIII-V族の化合物半導体であって、近年特に注目されている材料である。炭化珪素のようなワイドバンドギャップ半導体は、絶縁破壊電界がシリコンよりも1桁程度高いので、pn接合部やショットキー接合部における空乏層を薄くしても高い逆耐圧を維持することができる。そこで、ワイドバンドギャップ半導体を用いると、デバイスの厚さを薄く、ドーピング濃度を高めることができるため、オン抵抗が低く、高耐圧,低損失のパワーデバイスの実現が期待されている。ワイドバンドギャップ半導体には、炭化珪素の他に、GaN系半導体などの化合物半導体や、ダイヤモンドなどがある。
一方、化合物半導体などを用いたデバイスとして、種々の機能を高める目的で、デバイスの各種要素を基板もしくはエピタキシャル成長層に形成した後、その一部を局所的にエッチングして凹部を形成し、凹部にエピタキシャル成長層(以下、埋込選択成長層という)を形成したものが知られている。埋込選択成長層は、イオン注入法によるドーピングでは、目的とする機能を得るためのドーパント濃度やドーパント濃度分布が得られない場合や、製造コストが過大になる場合などに、しばしば形成されている。
たとえば特許文献1には、III-V族の化合物半導体であるInPを用いた光半導体素子において、InP基板のメサ型のダブルヘテロ構造を形成した後、その側部をエッチングした後、エピタキシャル成長を行なって、埋込選択成長層である電流阻止層を形成することにより、pn接合部における順方向のリーク電流の低減を図ることが開示されている。また、特許文献2には、ワイドバンドギャップ半導体であるGaN系半導体を用いた絶縁ゲート型トランジスタにおいて、プラズマエッチングよりソース・ドレイン形成領域をエッチングした後、エピタキシャル成長を行うことにより、イオン注入が困難なGaN層内に、高濃度のドーパントを含む埋込選択成長層であるソース・ドレイン領域を形成することが開示されている。特許文献3には、III-V族の化合物半導体であるGaAsを用いた電界効果トランジスタにおいて、チャネル形成領域をエッチングして凹部を形成した後、凹部に活性領域の一部又はすべてを埋込選択成長層として再成長させることにより、高耐圧特性や安定動作を実現することが開示されている。
特開平5−13882号公報 特開平11−163334号公報 特開2001−250939号公報
一般に、ワイドバンドギャップ半導体は、原子間結合力が高いために、イオン注入の際、イオン注入エネルギーを変えた多段の注入を行うなど、多大の手間と設備とが必要である。したがって、上記各文献に記載されるような埋込成長層を形成する方法により、製造コストの低減を図ることができる。
ところが、エッチングの際、半導体基板の凹部の底壁や側壁にはダメージ層が形成されている。そして、このダメージ層の存在により、ワイドバンドギャップ半導体の利点である耐圧特性が劣化するという不具合があった。したがって、エッチングの際に生じたダメージ層による半導体装置への悪影響を如何に緩和するかは重要な課題である。なお、ダメージ層は、プラズマを用いたドライエッチングの場合に顕著である。プラズマエッチングは、液体を用いたウェットエッチングや、単なるガスエッチングに比べ、製造コストなどの点で有利であるが、従来は、ダメージ層を除去する手段がないと適用困難とされていた。
本発明の目的は、埋込選択成長層を形成して製造コストの削減を図りつつ、耐圧特性を高く維持しうるワイドバンドギャップ半導体装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明のワイドバンドギャップ半導体装置の製造方法は、エッチングにより、第1導電型の下地半導体層の一部に凹部を形成した後、凹部に第1導電型もしくはイントリンシックの第1の埋込選択成長層をエピタキシャル成長させてから、第2導電型の第2の埋込選択成長層をエピタキシャル成長させる方法である。
この方法により、下地半導体層の第1埋込選択成長層との境界領域にエッチングによるダメージ層が形成されても、ダメージ層を除去することなく、エピタキシャル成長工程を進めるので、製造プロセスの簡素化、迅速化による製造コストの削減を図ることができる。そして、この方法により形成されたワイドバンドギャップ半導体装置において、下地半導体層と第1の埋込選択成長層との境界領域にエッチングダメージ層が存在していても、pn接合部となる第1の埋込選択成長層−第2の埋込選択成長層の境界領域にはエッチングダメージ層がほとんど存在していない。したがって、順方向または逆方向の電界が印加された際に、pn接合部に生じるリーク電流が抑制され、耐圧機能の高い、パワーデバイスに適したワイドバンドギャップ半導体装置が得られることになる。
マスク部材がワイドバンドギャップ半導体の酸化処理によって酸化されるものであるので、犠牲酸化法によって下地半導体層のエッチングダメージ層を除去することが困難な半導体材料を用いた場合にも本発明の効果を発揮することができる点で、実質的な価値が大きい。
上記ワイドバンドギャップ半導体装置の製造方法において、凹部形成とエピタキシャル成長とを共通のマスク部材を用いて行うことにより、製造プロセスを連続的に行うことができる。
エッチングが反応性イオンエッチングにより行われることにより、特に大きなエッチングダメージが生じるが、その場合にも、エッチングダメージをpn接合部から遠ざけることができるので、迅速に工程を進めつつ、耐圧機能の高いパワーデバイスを形成することができる。
本発明のワイドバンドギャップ半導体装置は、第1導電型の下地半導体層によって側面および底面を囲まれた,第1導電型もしくはイントリンシックの第1の埋込選択成長層と、第1の埋込選択成長層によって側面および底面が囲まれた第2導電型の第2の埋込選択成長層とを備えている。
これにより、pn接合部となる第1の埋込選択成長層−第2の埋込選択成長層の境界領域にはエッチングによるダメージ層がほとんど存在していない。したがって、順方向または逆方向の電界が印加された際に、pn接合部に生じるリーク電流が抑制され、耐圧機能の高い、パワーデバイスに適したワイドバンドギャップ半導体装置が得られることになる。
本発明のワイドバンドギャップ半導体装置は、pnダイオード、pinダイオード、ショットキーダイオード、および電界効果トランジスタに適用することができる。
本発明のワイドバンドギャップ半導体装置およびその製造方法により、製造コストを低減しつつ、耐圧性の高い、パワーデバイスに適した半導体装置を得ることができる。
(実施の形態1)
図1(a)〜(f)は、実施の形態1におけるワイドバンドギャップ半導体装置であるpnダイオードDの製造工程を示す断面図である。本実施の形態のpnダイオードDは高い耐圧機能を有するパワーデバイスである。
図1(a)に示す工程で、抵抗率が0.02Ωcm、厚みが400μmで、[ 1 1-2 0 ]方向に約8°オフさせた( 0 0 0 1 )面を主面とするn型の4H−SiC基板10を準備する。そして、in-situドープを伴うCVDエピタキシャル成長法を用いて、4H−SiC基板10の上に、濃度約1×1016cm−3のn型ドーパントを含み、厚みが約10μmのドリフト層11(下地半導体層)をエピタキシャル成長させる。
次に、図1(b)に示す工程で、厚みが約0.5μmのTaC膜を形成した後、リソグラフィー工程により、TaC膜(炭化タンタル膜)をパターニングして、開口部を有するマスク部材M1を形成する。TaC膜に変えて、C膜(カーボン膜)を用いてもよい。
次に、図1(c)に示す工程で、プラズマ発生装置を用いたRIE(Reactive Ion Etching)(反応性イオンエッチング)により、ドリフト層11のうちマスク部材M1の開口部に位置する領域に、深さが約1μmの凹部Rsを形成する。このとき、凹部Rsの側壁および底壁には、エッチングダメージが形成されている。エッチングダメージは、プラズマプロセスによって、下地半導体層の表面に高エネルギーの粒子が衝突するために生じるものであり、チャージングなどのダメージが生じていると推測されている。
次に、図1(d)に示す工程で、マスク部材M1を付けた状態で、in-situドープを伴うCVDエピタキシャル成長法を用いて、凹部Rsの底面および側面の上に、濃度約1×1016cm−3のn型ドーパントを含み、厚みが0.1〜0.2μmの第1の埋込選択成長層であるパッド膜12をエピタキシャル成長させる。その際、例えばHにSiH,CおよびNを添加したガスを用い、温度1500°C〜1600°Cの範囲で選択的エピタキシャル成長を行わせる。
次に、図1(e)に示す工程で、マスク部材M1を付けた状態で、in-situドープを伴うCVDエピタキシャル成長法を用いて、凹部Rsの底面および側面の上に、濃度約5×1018cm−3のp型ドーパントを含み、厚みが約0.5μmの第2の選択成長層であるアノード側領域13をエピタキシャル成長させる。選択的エピタキシャル成長の条件は、in-situドープのガス種が異なるだけで、パッド膜12の成長時とほぼ同じである。
次に、図1(f)に示す工程で、HNO:HF:HOが1:1:1のエッチャントによるウェットエッチングにより、マスク部材M1を除去する。その後、必要に応じて、CMP(化学的機械的研磨)などにより、基板表面の平坦化を行う。マスク部材M1の材質がCのときには、酸素ガスを用いて、アッシングによりマスク部材M1を除去することができる。なお、パッド膜12の上端面からもエピタキシャル成長が行われるのを阻止するために、図1(e)に示す工程では、マスク部材M1を除去して、パッド膜12の上端面を覆うマスク部材を形成し、これを用いて選択エピタキシャル成長を行わせてもよい。ただし、CMPにより、パッド膜12の上端面からの成長部分を除去することが好ましい。
さらに、熱酸化法又はCVD法により、基板上に、厚み約500nmのシリコン酸化膜16を形成し、シリコン酸化膜16のうちアノード側領域13の上方に位置する部分を開口した後、たとえばリフトオフ法などを用いて、アノード側領域13の上に厚み約0.1μmのNi膜からなるアノード電極14を形成する。また、蒸着法,スパッタ法などにより、4H−SiC基板10の裏面上に、厚み約0.1μmのNi膜からなるカソード電極20を形成する。その後、アルゴン雰囲気中での熱処理により、アノード電極14とアノード側領域13との接触状態、およびカソード電極20と4H−SiC基板10との接触状態を、ショットキー接触からオーミック接触へと変化させる。
以上の工程により形成されたpnダイオードDにおいて、第1の埋込選択成長層であるパッド膜12は、第1導電型のドリフト領域の一部として機能する。そして、pn接合部は、第2の埋込選択成長層であるアノード側領域13とパッド膜12との境界領域である。そして、アノード電極14とカソード電極20との間に、順方向の電圧、または逆方の電圧が印加されたときには、pn接合部であるアノード側領域13とパッド膜12との境界領域に最大の電界が生じる。一方、エッチングダメージが存在するドリフト層11の表面領域には大きな電界が生じない。
したがって、エッチングダメージに起因する再結合電流などによるリーク電流の増大を抑制することができる。すなわち、イオン注入法によりアノード側領域13を形成する場合には、ドーズ量や加速エネルギーを変えて多段階のイオン注入を行う必要があり、しかも加速エネルギーとしてMeVオーダーの高エネルギーが必要なので、設備や工程に要するコストが多大になる。また、イオン注入の際にもダメージが生じる。それに対し、本実施の形態のごとく、埋込選択成長層であるパッド膜12およびアノード側領域13を形成することにより、製造コストの低減を図りつつ、エッチングダメージの影響を排除して、高い耐圧特性を発揮することができる。
図5は、本発明のpnダイオード(発明品)と比較用pnダイオード(比較品)との順方向電圧に対するI−V特性を示す図である。本発明のpnダイオードは実施形態1の方法により形成されたものであり、比較用pnダイオードは、RIEエッチングにより形成された凹部に、パッド膜を設けずに、直接アノード側領域の選択的エピタキシャル成長を行なわせたものである。同図に示されるように、本発明のpnダイオードでは、比較用pnダイオードにくらべ、順方向の耐圧が大幅に向上する。また、比較用pnダイオードでは、理想係数n値が2程度まで悪化するが、本発明のpnダイオードでは、理想係数n値を1.0〜1.1まで改善することができる。
図6は、本発明のpnダイオード(発明品)と従来のpnダイオード(従来品)との逆方向電圧に対するI−V特性(リーク電流)を示す図である。同図に示されるように、本発明のpnダイオードでは、比較用pnダイオードにくらべ、逆方向の耐圧も大幅に向上する。
(実施の形態2)
図2(a)〜(f)及び図3(a)〜(e)は、実施の形態2におけるワイドバンドギャップ半導体装置であるMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(電界効果トランジスタ)の製造工程を示す断面図である。図2(a)〜(f)及び図3(a)〜(e)には、MOSFETの2つのトランジスタセルMのみを表示するものとする。
図2(a)に示す工程で、抵抗率が0.02Ωcm、厚みが400μmで、[ 1 1-2 0 ]方向に約8°オフさせた( 0 0 0 1 )面を主面とするn型の4H−SiC基板30を準備する。そして、in-situドープを伴うCVDエピタキシャル成長法を用いて、4H−SiC基板30の上に、濃度約5×1016cm−3のn型ドーパントを含み、厚みが約10μmのドリフト層31(下地半導体層)をエピタキシャル成長させる。
次に、図2(b)に示す工程で、厚みが約0.5μmのTaC膜を形成した後、リソグラフィー工程により、TaC膜(炭化タンタル膜)をパターニングして、開口部を有するマスク部材M2を形成する。TaC膜に変えて、C膜(カーボン膜)を用いてもよい。
次に、図2(c)に示す工程で、プラズマ発生装置を用いたRIE(Reactive Ion Etching)(反応性イオンエッチング)により、ドリフト層31のうちマスク部材M2の開口部に位置する領域に、深さが約1.1μm〜1.2μmの凹部Rsを形成する。このとき、凹部Rsの側壁および底壁には、エッチングダメージが形成されている。プラズマプロセスによって、下地半導体層の表面に高エネルギーの粒子が衝突するために、チャージングなどのダメージが生じていると推測されている。
次に、図2(d)に示す工程で、マスク部材M2を付けた状態で、in-situドープを伴うCVDエピタキシャル成長法を用いて、凹部Rsの底面および側面の上に、濃度約5×1015cm−3のn型ドーパントを含み、厚みが0.1〜0.2μmの第1の埋込選択成長層であるパッド膜32をエピタキシャル成長させる。その際、例えばHにSiH,CおよびNを添加したガスを用い、温度1500°C〜1600°Cの範囲で選択的エピタキシャル成長を行わせる。
次に、図2(e)に示す工程で、マスク部材M2を付けた状態で、in-situドープを伴うCVDエピタキシャル成長法を用いて、凹部Rsの底面および側面の上に、濃度約5×1017cm−3のp型ドーパントを含み、厚みが約1.0μmの第2の埋込選択成長層であるpボディ領域33をエピタキシャル成長させる。選択的エピタキシャル成長の条件は、in-situドープのガス種が異なるだけで、パッド膜32の成長時とほぼ同じである。
次に、図2(f)に示す工程で、HNO:HF:HOが1:1:1のエッチャントによるウェットエッチングにより、マスク部材M2を除去する。その後、必要に応じて、CMP(化学的機械的研磨)などにより、基板表面の平坦化を行う。なお、マスク部材M2の材質がCのときには、酸素ガスを用いて、アッシングによりマスク部材M2を除去することができる。さらに、注入マスク(図示せず)を用いて、選択的イオン注入により、pボディ領域33の表面部の一部に、濃度1×1019cm−3のn型ドーパントを含み、厚み(深さ)が約0.3μmのソース領域34と、濃度5×1019cm−3のp型ドーパントを含み、厚み(深さ)が約0.3μmのpコンタクト領域35とを形成する。
次に、図3(a)に示す工程で、熱酸化法又はCVD法により、基板上に、厚み約50nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜40を形成する。
次に、図3(b)に示す工程で、蒸着法,スパッタ法などにより、4H−SiC基板30の裏面上に、厚み約0.1μmのNi膜からなるドレイン電極43を形成する。
次に、図3(c)に示す工程で、ゲート絶縁膜40のうちソース領域34の上方に位置する部分を開口した後、たとえばリフトオフ法などを用いて、ゲート絶縁膜40を開口した領域の上に厚み約0.1μmのNi膜からなるソース電極41を形成する。
次に、図3(d)に示す工程で、アルゴン雰囲気中,975°C,2分間の条件で熱処理を行うことにより、ソース電極41及びドレイン電極43を構成するNiと下地層((ソース領域33,pコンタクト領域35及び4H−SiC基板30)を構成する炭化珪素との接触状態を、ショットキー接触からオーミック接触へと変化させる。
次に、図3(e)に示す工程で、ゲート絶縁膜40の上にソース電極41とは離間した位置に、Alからなるゲート電極42を形成する。
以上の製造工程により、パワーデバイスとして機能するnチャネル型のMOSFETが形成される。図2(a)〜(f)及び図3(a)〜(e)には2つのトランジスタセルMしか表示されていないが、多数のトランジスタセルMが集合して1つの縦型MOSFETが構成されている。パッド膜32は、ドリフト層31の一部として機能し、pn接合部は、パッド膜32とpボディ領域33との境界領域に形成されている。この縦型MOSFETの各トランジスタセルにおいて、オン時には、ドレイン電極43から供給される電流が、4H−SiC基板30からドリフト層31の最上部まで縦方向に流れた後、pボディ領域33の最上部のチャネル領域を経て、ソース領域34に達することになる。
本実施の形態のMOSFETによると、大電界が生じるpn接合部であるpボディ領域33とパッド膜32との界面領域には、エッチングダメージが存在していないので、選択的エピタキシャル成長法によりpボディ領域33を形成しても、リーク電流の低減を図ることができる。すなわち、実施の形態1と同様に、製造コストの低減を図りつつ、エッチングダメージの影響を排除して、高い耐圧特性を発揮することができる。
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3におけるワイドバンドギャップ半導体装置であるショットキーダイオードの断面図である。本実施の形態においては、製造工程の図示は省略するが、以下の手順でショットキーダイオードが形成される。実施の形態1,2と同様に、4H−SiC基板30の上に、約5×1015cm−3のn型ドーパントを含み、厚みが約10μmのドリフト層51を成長させる。そして、実施の形態1,2と同様に、TaC膜又はC膜からなるマスク部材を用いて、ドリフト層51の一部に深さ0.6μm〜0.7μmの凹部を形成し、凹部の底面および側面上に、濃度約5×1015cm−3のn型ドーパントを含み、厚みが0.1μm〜0.2μmのパッド膜52(第1の埋込選択成長層)を選択的にエピタキシャル成長させる。さらに、パッド膜52の上に、濃度約1×1017cm−3のp型ドーパントを含み、厚み(深さ)が約0.5μmのpガードリング領域53(第2の埋込選択成長層)を形成する。その後、実施の形態1,2と同様に、厚み約500nmのシリコン酸化膜57と、厚み約0.1μmのNi膜からなる裏面電極60と、厚み約0.1μmのNi膜からなるショットキー電極58とを形成する。
本実施の形態のショットキーダイオードにおいても、大電界が生じるpn界面であるpガードリング領域53とパッド膜52との間には、エッチングダメージがほとんど存在していない。したがって、埋込選択成長層であるパッド膜52とガードリング領域53とを設けることにより、実施の形態1,2と同様に、製造コストの低減を図りつつ、エッチングダメージの影響を排除して、高い耐圧特性を発揮することができる。
(他の実施の形態)
本発明のワイドバンドギャップ半導体装置は、実施形態1や実施形態2に挙げたものに限定されるものではなく、発明の効果を発揮するものであれば、各部の構造,寸法,ドーパント濃度などは、いかなるバリエーションも採ることができる。
実施の形態1では、本発明をpnダイオードに適用した例について説明したが、本発明は、pinダイオードにも適用することができる。その場合には、図1(f)に示す構造において、第1の埋込選択成長層であるパッド膜12を、ドーパント濃度が1×1013cm−3以下であるイントリンシックにすればよい。その場合にも、実施の形態1と同様に、製造コストの削減を図りつつ、高耐圧特性を発揮することができる。
実施の形態2では、本発明の炭化珪素半導体装置をMOSFET(MOSFET)に適用した例について説明したが、本発明の炭化珪素半導体装置は、UMOSFETはもちろん、ゲート絶縁膜がシリコン酸化膜とは異なる絶縁膜、たとえば、シリコン窒化膜,シリコン酸窒化膜,その他の各種誘電体膜などである場合、つまり、MISFET一般に適用することができる。また、MISFETやダイオードだけでなく、JFET,IGBT,サイリスタなどにも適用することができる。
本発明におけるワイドバンドギャップ半導体基板の1つである炭化珪素基板は、4H−SiC基板に限定されるものではなく、6H−SiC基板等、4Hポリタイプとは異なるポリタイプのSiC基板や、Si基板など、SiC基板とは異なる材質の基板であってもよい。たとえば、Si基板上にヘテロエピタキシャル成長された3C−SiCドリフト層を用いた炭化珪素半導体装置においても、本発明を適用することにより、製造コストの削減を図りつつ、高い耐圧特性を発揮することができる。
また、本発明のワイドバンドギャップ半導体には、SiCだけでなく、GaN系半導体などの化合物半導体,ダイヤモンドなども含まれる。
本発明のワイドバンドギャップ半導体装置は、パワーデバイスや高周波デバイスとして用いられるMISFET,pnダイオード,pinダイオード,ショットキーダイオード,JFET,IGBT,サイリスタなどに利用することができる。
(a)〜(f)は、実施の形態1におけるpnダイオードの製造工程を示す断面図である。 (a)〜(f)は、実施の形態2におけるMOSFETの製造工程の前半部を示す断面図である。 (a)〜(e)は、実施の形態2におけるMOSFETの製造工程の後半部を示す断面図である。 (a)〜(d)は、実施の形態3におけるショットキーダイオードの断面図である。 実施の形態1のpnダイオード(発明品)と比較品との順方向電圧に対するI−V特性を示す図である。 実施の形態1のpnダイオード(発明品)と比較品との逆方向電圧に対するI−V特性を示す図である。
符号の説明
10 4H−SiC基板
11 ドリフト層(下地半導体層)
12 パッド膜(第1の埋込選択成長層)
13 アノード側領域(第2の埋込選択成長層)
14 アノード電極
16 シリコン酸化膜
20 カソード電極
30 4H−SiC基板
31 ドリフト層(下地半導体層)
32 パッド膜(第1の埋込選択成長層)
33 pボディ領域(第2の埋込選択成長層)
34 ソース領域
35 p+コンタクト領域
40 ゲート絶縁膜
41 ソース電極
42 ゲート電極
43 ドレイン電極
50 4H−SiC基板
51 ドリフト層(下地半導体層)
52 パッド膜(第1の埋込選択成長層)
53 pガードリング領域(第2の埋込選択成長層)
57 シリコン酸化膜
58 ショットキー電極
60 裏面電極

Claims (8)

  1. エッチングにより、ワイドバンドギャップ半導体からなる第1導電型の下地半導体層の一部に凹部を形成する工程(a)と、
    前記凹部に第1導電型もしくはイントリンシックの第1の埋込選択成長層をエピタキシャル成長させる工程(b)と、
    前記工程(b)の後で、前記第1の埋込選択成長層の上に第2導電型の第2の埋込選択成長層をエピタキシャル成長させる工程(c)と、
    含み、前記工程(a)および(b)は、マスク部材を用いて行い、且つ該マスク部材は、前記ワイドバンドギャップ半導体を酸化する処理によって酸化されるものである、ワイドバンドギャップ半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載のワイドバンドギャップ半導体装置の製造方法において、
    前記工程(a)および(b)は、共通のマスク部材を用いて行われる、ワイドバンドギャップ半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のワイドバンドギャップ半導体装置の製造方法において、
    前記工程(a)は、反応性イオンエッチングにより行われる、ワイドバンドギャップ半導体装置の製造方法。
  4. ワイドバンドギャップ半導体からなる第1導電型の下地半導体層と、
    前記下地半導体層によって側面および底面が囲まれた、第1導電型もしくはイントリンシックの第1の埋込選択成長層と、
    前記第1の埋込選択成長層によって側面および底面が囲まれた第2導電型の第2の埋込選択成長層と、を備え、
    前記下地半導体層および第1の埋込選択成長層は、第1導電型のドリフト領域であり、
    前記第2の埋込選択成長層は、第2導電型のアノード側領域であって、
    pnダイオードとして機能する、ワイドバンドギャップ半導体装置。
  5. ワイドバンドギャップ半導体からなる第1導電型の下地半導体層と、
    前記下地半導体層によって側面および底面が囲まれた、第1導電型もしくはイントリンシックの第1の埋込選択成長層と、
    前記第1の埋込選択成長層によって側面および底面が囲まれた第2導電型の第2の埋込選択成長層と、を備え
    前記下地半導体層は、第1導電型のドリフト領域であり、
    前記第1の埋込選択成長層は、イントリンシックのi領域であり、
    前記第2の埋込選択成長層は、第2導電型のアノード側領域であって、
    pinダイオードとして機能する、ワイドバンドギャップ半導体装置。
  6. ワイドバンドギャップ半導体からなる第1導電型の下地半導体層と、
    前記下地半導体層によって側面および底面が囲まれた、第1導電型もしくはイントリンシックの第1の埋込選択成長層と、
    前記第1の埋込選択成長層によって側面および底面が囲まれた第2導電型の第2の埋込選択成長層と、を備え、
    前記下地半導体層および第1の埋込選択成長層は、第1導電型のドリフト領域であり、
    前記第2の埋込選択成長層は、第2導電型のガードリング領域であって、
    ショットキーダイオードとして機能する、ワイドバンドギャップ半導体装置。
  7. ワイドバンドギャップ半導体からなる第1導電型の下地半導体層と、
    前記下地半導体層によって側面および底面が囲まれた、第1導電型もしくはイントリンシックの第1の埋込選択成長層と、
    前記第1の埋込選択成長層によって側面および底面が囲まれた第2導電型の第2の埋込選択成長層と、を備え、
    前記下地半導体層および第1の埋込選択成長層は、第1導電型のドリフト領域であり、
    前記第2の埋込選択成長層は、第2導電型のボディ領域であって、
    前記第2の埋込選択成長層によって底面および側面が囲まれた第1導電型のソース領域と、
    前記ソース領域およびボディ領域に跨るゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、をさらに備え、
    電界効果トランジスタとして機能する、ワイドバンドギャップ半導体装置。
  8. 請求項4〜7のいずれかに記載のワイドバンドギャップ半導体装置において、
    前記下地半導体層は、炭化珪素からなる、ワイドバンドギャップ半導体装置。
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