以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態にかかる遊技機は、パチンコ遊技機である。
なお、説明の便宜上、本発明の実施形態にかかる遊技機において、「遊技機の前面」とは、遊技機のうち遊技者が遊技を行う側をいうものとし、「遊技機の裏面または後方」とは、遊技機のうち遊技者が遊技を行う側とは反対側をいうものとする。また、遊技機の左側、右側、上側、下側とは、常態において遊技機を前面側(遊技者側)から見た場合における左側、右側、上側、下側をいうものとする。
図1は、本発明の実施形態にかかる遊技機1の構造を示した分解斜視図である。図1に示すように、本発明の実施形態にかかる遊技機1は、外枠101(機枠とも称する)と、機構枠102と、遊技板103と、前面枠104と、ガラス枠105(開閉扉とも称する)とを有する。
外枠101は、略額縁状に形成され、遊技機1の前後方向に所定の奥行きを有する枠体である。外枠101の前面側には、この外枠101に対して開閉可能な機構枠102および前面枠104が設けられる。具体的には、機構枠102および前面枠104は、外枠101の前面側の片側縁(本発明の実施形態においては、遊技機1に向かって左側縁)に軸着されており、前面側に向けて開閉可能に組み付けられる。
機構枠102は、開口部が形成される枠体である。この機構枠102の背面側には、遊技球を貯留するタンク121、タンク121から流下する遊技球の経路となるタンクレール122、遊技球を払い出す払出装置123、電源基板が収納される電源基板ケース124、払出制御基板が収納される払出制御基板ケース125、カードインターフェース接続部126などが設けられる。前面枠104は、開口部が形成される枠体である。この前面枠104の背面側には、遊技板103が着脱可能に取り付けられる。また、この前面枠104の背面側には、遊技球を発射する発射装置(図1においては隠れて見えない)、発射制御基板が収容される発射制御基板ケース141などが配設される。
遊技板103は板状の部材である。遊技板103の前面側には、遊技球が流下可能な遊技領域が設けられる。また、遊技板103の背面側には、音声制御基板と図柄制御基板が収容される音声・図柄制御基板ケース131、サブ制御基板が収容されるサブ制御基板ケース132、主制御基板が収容される主制御基板ケース133などが配設される。そして、この遊技板103は、前面枠104に形成される開口部の背面側に取り付けられる。このような構成により、遊技板103の前面側に設けられる遊技領域は、前面枠104に形成される開口を通じて、前面側に視認可能に露出する。また、遊技板103の背面側に配設される音声・図柄制御基板ケース131、サブ制御基板ケース132、主制御基板ケース133などは、機構枠102に形成される開口部に嵌りこむ。
前面枠104には、この前面枠104に対して開閉可能なガラス枠105が取り付けられる。具体的には、ガラス枠105は、前面枠104の片側縁(本発明の実施形態においては、遊技機1に向かって左側縁)に軸着されており、前面枠104に対して前面側に向けて開閉可能に組み付けられる。このガラス枠105には、ガラス板またはプラスチック板などの透明板151が、遊技板103の前面側に位置するように配設される。このため、透明板151を通じて、本発明の実施形態にかかる遊技機1の前面側から遊技板103を視認可能に構成される。
図2は、本発明の実施形態にかかる遊技機1を前面側からみた平面図である。図2に示すように、本発明の実施形態にかかる遊技機1の最も前面側には、ガラス枠105が配設される。ガラス枠105には、上皿152が一体的に形成される。この上皿152は、遊技板103の遊技領域134に発射するための遊技球を貯留することができる。この上皿152には、貯留されている遊技球を下皿153に流下させるための上皿操作部や、貸出可能な貸し球を払い出すための球貸し操作部などが設けられている。また、ガラス枠105の上部左右両側には、スピーカ154,154が設けられている。
ガラス枠105の下部には、下皿部材155が設けられる。下皿部材155には、下皿153、球抜き操作部156や遊技スイッチ157などが設けられる。下皿153は、払い出された遊技球のうち、上皿152に入りきらない遊技球を貯めることができる。球抜き操作部156は、これを操作することにより、下皿153に貯まった遊技球を遊技機外部(に置かれた遊技球容器など)に流し落とすことができる。遊技スイッチ157は、遊技状況に応じて遊技者が操作することができるスイッチ類である。
また、図1および図2に示すように、ガラス枠105は、その遊技機1に向かって右下の一部が切り欠かれたような形状を有している。そしてこの切り欠かれた部分においては前面枠104が露出しており、この部分には発射ハンドル142が設けられる。発射ハンドル142は、遊技球を発射するためのタッチスイッチなどを備える。
遊技板103は、前面枠104に着脱可能に取り付けられている。遊技板103の周縁には、ガイドレール1341,1342が、略円弧状に形成されている。このガイドレール1341,1342は、発射装置から発射された遊技球をガイドするための部材であり、内側ガイドレール1342と外側ガイドレール1341とからなる。遊技領域134は、遊技板103のガイドレール(内側ガイドレール1342および外側ガイドレール1341)の一部によって囲まれた部分に形成される領域であり、遊技球が流下可能な領域である。
遊技領域134には、その略中央に図柄などを表示する図柄表示装置1343が配設される。この図柄表示装置1343としては、液晶表示パネルが適用できる。
図柄表示装置1343の前面には、センター役物2が配設される。センター役物2は、ベース体(図1においては隠れて見えない。)と、扇子を模した駆動役物(以下、「扇子駆動役物」と称する。本発明の可動ユニットに相当する)と、装飾部材23などを有する。扇子駆動役物(可動ユニット)は、三枚の羽根板部材221a,221b,221c(本発明の可動体に相当する)を有する。そして三枚の羽根板部材221a,221b,221cのうちの二枚(図においては羽根板部材221a,221c)がそれぞれ左右両側に移動することにより、三枚の羽根板部材221a,221b,221cにより扇子が開いた状態を模すことができる。また、三枚の羽根板部材221a,221b,221cがすべて中央に集まることにより(換言すると、三枚の羽根板部材221a,221b,221cがすべて重なることにより)、扇子が閉じた状態を模すことができる。
遊技領域134のセンター役物2以外の部分には、大入賞口1344、始動入賞口1345、その他の入賞口1346、ゲート1347など、各種入賞口が配設される。また、図示しないが、遊技板103の遊技領域134には、複数の釘などが起立するように配設されている。
本発明の実施形態にかかる遊技機1は、発射ハンドル142の操作により、発射装置が遊技球を遊技領域134に発射する。発射された遊技球は、遊技板103の前面の遊技領域134を転動しながら落下する。そして、落下する遊技球が、始動入賞口1345、その他入賞口1346などの入賞口に入ると、所定の賞球遊技球が、遊技球払出口から払い出されるように構成される。
図3は、本発明の実施形態にかかる遊技機1の背面図である。図3に示すように、本発明の実施形態にかかる遊技機1の背面側には、枠用外部端子基板127、図柄制御基板と音声制御基板が収容された音声・図柄制御基板ケース131、主制御基板が収容された主制御基板ケース133、サブ制御基板が収容されたサブ制御基板ケース132、ランプ制御基板、払出装置123、払出制御基板が収容された払出制御基板ケース125、発射装置制御基板が収容された発射制御基板ケース141、電源基板が収容された電源基板ケース124などの各種基板や装置が設けられる。さらに、カードインターフェース接続部126、球寄せ128、タンク121、タンクレール121、払出装置123、発射装置143などが設けられている。
図4と図5は、遊技板103およびセンター役物2の構成を模式的に示した分解斜視図である。それぞれ図4は、遊技機1の前面側から見た図であり、図5は遊技機1の背面側から見た図である。センター役物2は、図4と図5のそれぞれに示すように、ベース体21a、扇子駆動役物22a、装飾部材23などを有する。ベース体21aは主として扇子駆動役物22aや図柄表示装置1343などを取り付けるための枠体状の部材である。すなわち、ベース体21aは、開口した略方形の形状を有する。
扇子駆動役物22aは、扇子を模して造形される役物であり、遊技状況などに応じて、扇子が開いた状態を模したり、閉じた状態を模したりすることができる役物である。装飾部材23は、遊技板103を装飾する機能を有するとともに、扇子駆動役物22aの動力部や係合部を遊技機1の前面側から見えないようにする(隠す)機能を有する。また、この装飾部材23は、扇子駆動役物22aがベース体21aから外れないように、扇子駆動役物22aの移動を規制する機能も有する。
そして図4、図5のそれぞれに示すように、ベース体21aの前面側に扇子駆動役物22aが取り付けられ、扇子駆動役物22aが取り付けられたベース体21aが、遊技板103の背面側に取り付けられて固定される。また、遊技板103の前面側には装飾部材23が取り付けられる。なお、図示しないが、ベース体21aの背面側には、図柄表示装置1343が取り付けられる。遊技板103には開口部が形成されているから、遊技機1(遊技板)の前面側から、遊技板103に形成される開口部とベース体21aに形成される開口部とを通じて、ベース体21aの前面側に取り付けられる扇子駆動役物22aとベース体21aの背面側に取り付けられる図柄表示装置1343とを視認することが可能である。
装飾部材23の背面側には、係合解除規制部231が設けられる(図5参照)。具体的にはこの係合解除規制部231は、装飾部材23の背面側に突出する突起状の部位である。図5においては、係合解除規制部231が略方形の平板状(または立壁状)に形成される構成を示すが、係合解除規制部231の形状は特に限定されるものではない。要は、装飾部材23の背面側から所定の長さだけ突出する構成であればよい。したがってたとえば係合解除規制部231が棒状に形成される構成であっても良い。
図6は、扇子駆動役物22a(本発明にいう可動ユニット)の構成を模式的に示した外観斜視図である。図6(a)は、扇子が閉じた状態を示した図、図6(b)は、扇子が開いた状態を示した図である。図6に示すように、扇子駆動役物22aは、三枚の羽根板部材221a,221b,221c(本発明にいう可動体)と、二個のソレノイド222a,222b(本発明にいう電気的作動装置)と、ハウジング223aと、カバー224とを有する。
三枚の羽根板部材221a,221b,221cは、それぞれ扇状に形成される板部材である。そして三枚の羽根板部材221a,221b,221cのうちの二枚221a,221cには、扇の要(かなめ)に相当する位置の近傍に、磁性体または磁石225が配設される。また、少なくともこれら二枚の羽根板部材221a,221cは、扇の要に相当する位置を中心として、左右に揺動することができる。ソレノイド222a,222bは、通電によって磁界を発生することができる部材である。このソレノイド222a,222bには、従来一般のソレノイドが適用できる。ハウジング223aは、二個のソレノイド222a,222bを収納することができるとともに、三枚の羽根板部材221a,221b,221cの基端部(扇の要に相当する部分およびその近傍。磁性体または磁石225が配設される部分を含む)を収容可能に形成される。すなわち、ハウジング223aは、扇子駆動役物22aの駆動部を収容することができる。カバー224は、板状の部材でありハウジング223aの背面側に装着される。このカバー223には、接続部としてのコネクタ(図略)が実装される。
このような構成を有する扇子駆動役物22aの動作は、次のとおりである。ソレノイド222a,222bに通電していない状態においては、二枚の羽根板部材221a,221cは、それらの自重により略垂直に垂れさがった状態となる。したがって、三枚の羽根板部材221a,221b,221cが略重なった状態となる。この状態は、扇子が閉じた状態を模している。ソレノイド222a,222bに通電すると、ソレノイド222a,222bが発生する磁力によって、二枚の羽根板部材221a,221cに設けられる磁性体または磁石225が、ソレノイド222a,222bに吸着される。この結果、二枚の羽根板部材221a,221cは、扇の要に相当する位置を中心に、所定の角度だけそれぞれ左右に回転する。これにより、扇が開いた状態を模すことができる。このように、ソレノイド222a,222bに通電することにより、扇を閉じた状態から開いた状態に変化させることができる。またソレノイド222a,222bへの通電を停止することにより、扇を開いた状態から閉じた状態に変化させることができる。
図7は、センター役物2からベース体21aと扇子駆動役物22aを抜き出して示した分解斜視図である。図7に示すように、ベース体21aの前面側上部には係合部212が設けられる。また、扇子駆動役物22aにも係合部226が設けられる。
ベース体の係合部212は、ベース体21aから前面側に突出する係止片301aと、係止片301aの先端に形成される係止爪302とからなる。係止片301aは舌片状に形成される部位であり、弾性変形可能に構成される。そして二枚の係止片301aが、左右に所定の間隔をおいて背中合わせに形成される。二枚の係止片301aの間には、接続部としてのコネクタ213が設けられる。
扇子駆動役物22aの係合部226は、係止片受け部303aと、この係止片受け部393aに設けられるガイド部304aとを有する。係止片受け部303aは、ベース体21aの係止片301aと係合可能な部位である。ガイド部304aは、ベース体21aの係止片301aを位置決めして係合位置まで誘導することができる部位である。具体的には図7に示すように、扇子駆動役物22aのハウジング223aの左右両外側に、前後方向に延伸する溝が形成されるとともに、この溝を跨ぐように橋状の部分が形成される。したがって全体として、扇子駆動役物22aのハウジング223aの左右両外側に、前後方向に貫通し、ベース体21aの係止片301aを挿通可能な貫通孔(係止開口)が形成されるという構成を備える。この貫通孔状の部分が、ベース体21aの係止片301aと係合可能な係止片受け部303aであり、溝状の部分が、ベース体21aの係止片301aを位置決めして係合位置まで誘導することができるガイド部304aである。
そして扇子駆動役物22aのハウジング223aの背面側には、カバー224が装着され、このカバー224には、ベース体21aに実装されるコネクタ213に接続可能な接続部としてのコネクタ227が実装される。
このような構成を備えるベース体21aと扇子駆動役物22aとの組み付け構造は、次のとおりである。図8は、ベース体21aに扇子駆動役物22aを取り付ける途中の状態を示した外観斜視図である。また図9は、ベース体21aに扇子駆動役物22aを取り付けた状態を示した外観斜視図である。
図8に示すように、まず、ベース体21aの係止片301aを扇子駆動役物22aのハウジング223aのガイド部304aに係合させる。そうすると、ベース体21aに実装されるコネクタ213と、扇子駆動役物22a(のハウジング223aに装着されるカバー224)に実装されるコネクタ227とが、位置決めされた状態で対向する。
この状態から扇子駆動役物22aのハウジング223aをさらにベース体21aに接近させると、図9に示すように、ベース体21aの係止片301aの先端が、扇子駆動役物22aのハウジング223aに形成される貫通孔(係止開口)を貫通し、扇子駆動役物22aのハウジング223aの前面側に突出する。この状態となると、ベース体21aに実装されるコネクタ213と、扇子駆動役物22a(のハウジング223aに装着されるカバー224)に実装されるコネクタ227とが電気的に接続する。また、ベース体21aの係止片301aの先端に形成される係止爪302が、扇子駆動役物22aのハウジング223aに形成される係止片受け部303aに係止する。この結果、扇子駆動役物22aは、ベース体21aに、脱落困難に固定される。なお、本発明においては、この位置を「係合位置」と称する。
このような構成によれば、扇子駆動役物22aをベース体21aに取り付けると同時に、扇子駆動役物22aのコネクタ227とベース体21aのコネクタ213とが電気的に接続する。このため、扇子駆動役物22aとベース体21aの電気的な接続の作業を省略することができ、遊技機1の組み立て作業の単純化や容易化を図ることができる。一方、扇子駆動役物22aをベース体21aから取り外すには、係止片301aを操作して(弾性変形させて)、係止爪302と係止片受け部303aとの係止を解除すればよい。このように、扇子駆動役物22aをベース体21aから取り外す作業も容易である。
また、ベース体21aの係止片301aが、扇子駆動役物22aのハウジング223aに形成されるガイド部304aと係合することにより、ベース体21aに実装されるコネクタ213と、扇子駆動役物22aに実装されるコネクタ227とが位置決めされた状態で対向する。したがって、コネクタ213,227どうしの位置決め作業が不要となる。また、このような構成によれば、コネクタ213,227どうしが確実に位置決めされるから、コネクタ213,227どうしを電気的に接続する際に、コネクタ213,227に無理な力が加わることを防止または抑制できる。したがって、コネクタ213,227の破損などを防止または抑制することができる。
扇子駆動役物22aがいったんベース体21aに取り付けられると、ベース体21aの係止片301aが扇子駆動役物22aのハウジング223aのガイド部304aと係合するから、扇子駆動役物22aのハウジング223aが、ベース体21aとの離間方向(すなわち、遊技機1を基準として前後方向)以外の方向への移動を規制される。このため、扇子駆動役物22aが、ベース体21aの正しい取り付け位置からずれることを防止できる。したがって、コネクタ213,227の接続の信頼性の確保または向上を図ることができる。
扇子駆動役物22aがベース体21aに取り付けられると、ベース体21aの係止片301aは、扇子駆動役物22aのハウジング223aの貫通孔状の部分(すなわち、係止開口)に挿入された状態にある。このため、係止片301aが外部から視認困難となる。したがって、係合部のメカニズムが外部から(たとえば遊技者から)見え難くなり、遊技機1の見映えの向上を図ることができる。
図10は、扇子駆動役物22aが取り付けられたベース体21aが、遊技板103に取り付けられた状態を、模式的に示した分解斜視図である。図11は、さらに遊技板103に装飾体23が取り付けられた状態を模式的に示した平面図である。図10に示すように、遊技板103には開口部が形成される。そしてこの開口部の背面側に、扇子駆動役物22aが取り付けられたベース体21aが装着される。ベース体21aの背面側には、図柄表示装置1343が取り付けられる。このような構成によれば、遊技板103に形成される開口部を通じて、図柄表示装置1343と、図柄表示装置1343の前面側において可動可能に取り付けられる扇子駆動役物22aの羽根板部材221a,221b,221cが視認可能となる。
そして図11に示すように、遊技板103に装飾部材23が取り付けられると、装飾部材23が、扇子駆動役物22aとベース体21aの係合部の前面側を覆う。このため、遊技機1の前面側からは、扇子駆動役物22aとベース体21aの係合部が視認困難となる。したがって、遊技機1の見映えの向上を図ることができる。
装飾部材23の背面側には、係合解除規制部231(特に図5参照)が形成される。装飾部材23が遊技板103に装着されると、この係合解除規制部231の先端が、扇子駆動役物22aのハウジング223aに前面側から近接するか、または当接する。このため、この係合解除規制部231によって、扇子駆動役物22aが遊技機1の前面側に移動すること(すなわち、ベース体21aとの係合が解除される方向に移動すること)が防止される。
なお、前記実施形態においては、ベース体21aに係止片301aが形成され、扇子駆動役物22a(本発明にいう可動ユニット)のハウジング223aに係止片受け部303aおよびガイド部304aが形成される構成を示したが、反対に、ベース体に係止片受け部およびガイド部が形成され、扇子駆動役物に係止片が形成される構成であっても良い。図12は、ベース体に係止片受け部およびガイド部が形成され、扇子駆動役物に係止片が形成される構成を模式的に示した分解斜視図である。
図12に示すように、扇子駆動役物22bのハウジング223bの左右両側には、係止片301bが形成される。これらの係止片301bは、ハウジング223bから左右両側に延伸し、その先端部が屈曲して背面側に延伸するという構成を備える。したがって全体としてこれらの係止片301bは、略L字形状に形成される。これらの係止片301bは、全体として弾性変形可能に構成される。すなわち少なくとも、係止片301bの先端どうしが近接する方向に弾性変形(内側に向かって弾性変形)することができる。係止片301bの先端(最も背面側)には、係止爪302が形成される。この係止爪302は、係止片301bの先端から左右外側に向かって突起する凸状の部位である。
一方、ベース体21bには係止片受け部303bが形成される。具体的な構成は次のとおりである。ベース体21bの前面側上部に、左右所定の間隔をおいて二枚の立壁211bが形成される。これらの立壁211bは、その略中央部が、左右外側に向かって張り出している。換言すると、これらの立壁211bには、左右外側に向かって窪んでいる溝状の部分が形成される。すなわち全体として、これら二枚の立壁211bは、クランク状に屈曲している。この左右外側に向かって窪んでいる部分は、扇子駆動役物22bのハウジング223bに形成される係止片301bが係合可能に構成される。また、二枚の立壁211bのそれぞれにおいて、左右外側に向かって張り出している(窪んでいる)部分の基端部には、開口部が形成される。この開口部は、扇子駆動役物22bの係止片301bの先端に形成される係止爪302が係止可能に形成される。これらの立壁に形成される溝状の部分および開口部が、係合部の係止片受け部303bである。特に溝状の部分が係止片301bを誘導するガイド部304bとなる。
このような構成を備えるベース体21bと扇子駆動役物22bの組み付け構造は、次のとおりである。まず、扇子駆動役物22bのハウジング223bの係止片301bを、ベース体21bの立壁211bに形成される溝状の部分(すなわちガイド部304b)に係合させる。そうすると、そうすると、ベース体21bに実装されるコネクタ213と、扇子駆動役物22b(のハウジング223bに装着されるカバー224)に実装されるコネクタ227とが、位置決めされた状態で対向する。
図13は、ベース体21bに扇子駆動役物22bが取り付けられた状態を模式的に示した外観斜視図である。前記状態から、扇子駆動役物22bのハウジング223bをさらにベース体21bに接近させると、図13に示すように、扇子駆動役物22bの係止片301bの先端に形成される係止爪302が、ベース体21bの立壁211bに形成される開口部に嵌合する。この位置が「係合位置」である。この結果、扇子駆動役物22bは、ベース体21bに、脱落困難に固定される。この状態となると、ベース体21bに実装されるコネクタ213と、扇子駆動役物22b(のハウジング223bに装着されるカバー224)に実装されるコネクタ227とが電気的に接続する。
このような構成によれば、扇子駆動役物22b(本発明にいう可動ユニット)をベース体21bに取り付けると同時に、扇子駆動役物22bのコネクタ227(本発明にいう接続部)とベース体21bのコネクタ213(本発明にいう接続部)とが電気的に接続する。このため、扇子駆動役物22bとベース体21bの電気的な接続の作業を省略することができ、遊技機1の組み立て作業の単純化や容易化を図ることができる。一方、扇子駆動役物22bをベース体21bから取り外すには、係止片301bを操作して(弾性変形させて)、係止爪302と係止片受け部303bとの係止を解除すればよい。このように、扇子駆動役物22bをベース体21bから取り外す作業も容易である。
扇子駆動役物22bのハウジング223bに形成される係止片301bが、ベース体21bの立壁211bに形成されるガイド部304bに係合すると、ベース体21bに実装されるコネクタ213と、扇子駆動役物22bに実装されるコネクタ227とが位置決めされた状態で対向する。したがって、コネクタどうしの位置決め作業が不要となる。また、このような構成によれば、コネクタ213,227どうしが確実に位置決めされるから、コネクタ213,227どうしを電気的に接続する際に、コネクタ213,227に無理な力が加わることを防止または抑制できる。したがって、コネクタ213,227の破損などを防止または抑制することができる。
扇子駆動役物22bがいったんベース体21bに取り付けられると、図13に示すように、係止片301bがガイド部304bに係合した状態が維持される。このため、扇子駆動役物22bが、扇子駆動役物22bとベース体21bとの離間方向(すなわち、遊技機1を基準として前後方向)以外の方向へ移動することが規制される。したがって扇子駆動役物22bがベース体21bの正しい取り付け位置からずれることを防止できる。この結果、コネクタ213,227の接続の信頼性の確保または向上を図ることができる。
また、扇子駆動役物22bがベース体21bに取り付けられると、扇子駆動役物22bのハウジング223bに形成される係止片301bは、ベース体21bに形成される立壁211bに覆われて、外部から視認困難となる。したがって、係合部の構造が外部から(たとえば遊技者から)見え難くなり、遊技機1(特に扇子駆動役物22bとベース体21bの係合部)の見映えの向上を図ることができる。
ところで、扇子駆動役物とベース体の係合部の見映えを向上する構成としては、次のような構成も挙げられる。図14は、係合部の見映えの向上を図った扇子駆動役物とベース体の構成を模式的に示した分解斜視図である。図15は、前記扇子駆動役物をベース体に取り付けた状態を示した外観斜視図である。
図14に示すように、ベース体21cには係止片301cが形成される。この係止片301cの先端は先細り形状に形成される(すなわち、傾斜面が形成される)。なお、このベース体21cおよびベース体21cに形成される係止片301cの構成は、前記ベース体21aおよびベース体21aに形成される係止片301aの構成と略同じであることから説明は省略する(特に図7および図7に関する説明を参照)。
図14に示すように、扇子駆動役物22cのハウジング223cには、その左右両側近傍に、前後方向に貫通する貫通孔(係止開口)229が形成される。なお、図7に示すハウジング223aとは異なり、このハウジング223cはその左右両側が張り出しておらず、ハウジング223cの左右両面は略平面に形成される。すなわち、このハウジング223cは、前面側または背面側から見て、単純な四辺形の形状を有する。また、ハウジング223cの前面側の面と左右両面の間には、面取りされたような傾斜面228が形成される。そして貫通孔(係止開口)229は、この傾斜面228に形成される。
このような構成のハウジング223cを有する扇子駆動役物22cをベース体21cに取り付けると、次のような構成となる。すなわち、図15に示すように、ベース体21cに形成される係止片301cの先端が、係止開口229を通じてハウジング223cに形成される傾斜面228に達する。そして、係止片301cの先端に形成される係止爪302が、係止開口229の周縁部に係止する(この位置が「係合位置」である)。したがって、扇子駆動役物22cのハウジング223cは、ベース体21cに抜脱困難に固定される。前記のように係止片301cの先端には傾斜面が形成されており、この傾斜面が、ハウジング223cに形成される傾斜面228と略一致する。すなわち、ハウジング223cに形成される傾斜面228と、係止片301cの先端に形成される傾斜面とが一体な面となる。このように、係止片301cは、その先端の傾斜面のみが係止開口229から露出し、かつ、ハウジング223cに形成される傾斜面228と係止片301cの先端に形成される傾斜面とが一体な面となると、係止片301cが外部から視認困難となる。したがって、係止片301cの存在を隠すことができるから、扇子駆動役物22cとベース体21cの係合部の見映えの向上を図ることができる。
前記各実施形態においては、扇子駆動役物をベース体から取り外すためには、係止片の先端に形成される係止爪を直接操作し、この係止爪と係止片受け部との係合を解除する必要がある。次に示す実施形態は、係止爪を直接操作しなくとも、係止爪と係止片受け部との係合を解除できる構成を有するものである。
図16は、係止爪を直接操作しなくとも係止爪と係止片受け部との係合を解除できるハウジング223dの構成を模式的に示した外観斜視図である。図16に示すように、この実施形態においては、扇子駆動役物22dのハウジング223dに係止片301dが形成される。この係止片301dは、ハウジング233dから左右に延出する支持部305と、この支持部305の先端からハウジングの前後両側に延出する板状の本体部306を有する。本体部306の先端(遊技機1を基準として背面側の端部)には、支持部305が形成される側と同じ側に向かって突起する係止爪302が形成される。また、本体部306の基端部(遊技機1を基準として前面側の端部)が、操作部307となる。
すなわち、図16に示すように、操作部307を操作方向に向かって力を加えると、係止片301dの先端の係止爪302は、支持部305を支点として、操作部307の操作方向(力を加えた向き)とは逆方向に移動する。具体的には、図16に示すように、左右両側の係止片301dの操作部307どうしを近付けるように力を加えると(図中の矢印の向きに力を加えると)、係止爪302(すなわち本体部306の先端)は、互いに離れる方向に移動する。このように、操作部307を操作することにより、係止爪302を所定の方向に移動させることができる。
図17は、前記のような係止片301dを有するハウジング233dを有する扇子駆動役物22dと、この扇子駆動役物22dと係合することができるベース体21dの構成を、模式的に示した分解斜視図である。図17に示すように、ベース体21dの前面側上部には、左右に所定の間隔をおいて、前面側に向かって起立する二枚の立壁211dが相対向するように形成される。そして二枚の立壁211dの外側の面(相対向する面とは反対側の面)には、前後方向に延伸する二条の突起214が略平行に形成される。これら二条の突起214に挟まれた部分が、ハウジング223dの係止片301dを誘導するガイド部304dとなる。また、二枚の立壁211dの基端部のうち、二条の突起214に挟まれた部分には、開口部215が形成される。この開口部215は、ハウジング223dの係止片301dの係止爪302が係止可能に構成される。これら二枚の立壁211dの間には、コネクタ213が実装される。
このような構成を有する扇子駆動役物22dとベース体21dの組み付け構造は、次のとおりである。まず、ハウジング223dの係止片301dの先端部を、ガイド部304d(二条の突起214に挟まれた部分)に係合させる。そうすると、ベース体21dに実装されるコネクタ213と、扇子駆動役物22d(のハウジング223dに装着されるカバー224)に実装されるコネクタ227とが、位置決めされた状態で対向する。
そしてこの状態から、扇子駆動役物22dのハウジング223dをさらにベース体21dに接近させると、係止片301dの先端に形成される係止爪302が、立壁211dの基端部に形成される開口部215に嵌りこむ。この位置が係合位置である。ハウジング223dが係合位置にあると、ハウジング223dに実装されるコネクタ227と、ベース体に実装されるコネクタ213とが、位置合わせされた状態で電気的に接続する。ここで、係止片301dの先端に形成される係止爪302が、立壁211dに形成される開口部に嵌りこむようにして係止するから、扇子駆動役物22dのハウジング223dは、ベース体21dに脱落困難に固定される。このような構成によれば、前記実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
図18は、扇子駆動役物22dがベース体21dに取り付けられた状態を、模式的に示した外観斜視図である。前記の通り、扇子駆動役物22dのハウジング223dが係合位置にあると、係止片301dの先端に形成される係止爪302が、ベース体21dの立壁211dに形成される開口部に係止する。このため、扇子駆動役物22d(のハウジング223d)は、ベース体21dに抜脱困難に固定される。ここで、係止片301dの操作部307を前記操作方向に移動させると、係止片301dの係止爪は302、操作方向とは逆向きに移動する。この結果、扇子駆動役物22dのハウジング223dとベース体21dの立壁211dとの係合が解除される。したがって、その状態でハウジング223dが前面側に引っ張られると、扇子駆動役物22dがベース体21dから容易に離脱する。すなわち、係止爪302を直接操作しなくとも、係止爪302と開口部との係止を解除することができる。したがって、扇子駆動役物22dをベース体21dから取り外す操作が容易となる。
前記各実施形態は、係止片がガイド部により誘導されることにより、扇子駆動役物のハウジングに実装されるコネクタ227と、ベース体に実装されるコネクタ213との位置決めが行われる構成を有する。このような構成によれば、コネクタ213,227どうしを位置決めして接続することができるから、コネクタ213,227に無理な力が掛かることを防止して、コネクタ213,227の破損を防止することができる。次に示す実施形態は、コネクタ213,227どうしを接続する際に、さらにコネクタ213,227に無理な力が掛からないようにできる構成を有する。
図19は、前記構成を有する扇子駆動役物22eのうち、コネクタ227の動作にかかわる部分を抜き出して示した分解斜視図であり、背面側から見た図である。図19に示すように、この実施形態にかかる扇子駆動役物22eは、ハウジング223eと、コネクタ支持部材249と、二個で一組の回転体247と、二個で一組のスライド部材244と、コネクタ支持部材249に実装されるコネクタ227と、付勢部材246とを有する。このうち、コネクタ支持部材249と、回転体248と、スライド部材244と、付勢部材246とが、本発明にいう接続補助手段に相当する。
スライド部材244は、略板状に形成される部材である。そしてスライド部材244の基端部には、付勢部材246が当接可能なように、スライド部材244の本体に対して略直角に延出する部位が形成される。したがって、スライド部材244は、上方または下方から見ると、略L字状に形成される。また、このスライド部材244の基端部近傍の上辺と下辺には、上方または下方に向かって延出する舌片状の係合突起245が形成される。
コネクタ支持部材249は、コネクタ227を実装できる部材である。図19に示すように、このコネクタ支持部材249は、上方または下方から見て略「コ」の字状の形状を有する。すなわち、略平板状に形成される部分を有するとともに、この略平板状に形成される部分の左右両辺には、前面側(遊技機1の前後方向を基準とする)に向かって延出する部分が形成される。そして、前面側に向かって延出する部分の上辺と下辺には、それぞれ上方または下方に向かって延出する舌片状の係合突起250が形成される。
回転体247は、略円柱状に形成される部材である。そして回転体247の上下両側には、中心軸248が突出する。
付勢部材246は、スライド部材244を付勢する機能を有する部材である。この付勢部材246には、たとえば圧縮コイルバネなどが好適に適用できる。また、コネクタ支持部材249に実装されるコネクタ227は、ベース体に実装されるコネクタ213と電気的に接続可能な構成を有する。
ハウジング223eは、背面側(遊技機1の前後方向を基準とする)が開口する略箱状の部材である。ハウジング223eの上面と下面には、第一のスリット241、軸孔242、第二のスリット243が形成される。第一のスリット241および第二のスリット243は、ハウジング223eの前後方向に長い長孔状のスリットである。第一のスリット241は、コネクタ支持部材249に形成される係合突起250を挿入可能に形成される。また、第二のスリット243は、スライド部材244の係合突起245を挿入可能に形成される。軸孔242は、回転体247の中心軸248を挿入可能に形成される。
このような部材を有する扇子駆動役物22eの組み付け構造は、次のとおりである。図20は、この実施形態にかかる扇子駆動役物22eの構成を模式的に示した外観斜視図である。なお、この図においては、可動体および可動体を駆動する電気的作動手段を省略してある。
スライド部材244の係合突起245が、ハウジング223eの第二のスリット243に挿入される。このような構成によれば、スライド部材244の基端部がハウジング223eに収納された状態となる。そしてスライド部材244は、ハウジング223eの第二のスリット243の延伸方向に沿って、往復動することができる。具体的には、第二のスリット243は遊技機1を基準としてその前後方向に延伸するから、スライド部材244は、遊技機1の前後方向に往復動することができる。そしてスライド部材244の基端部とハウジング223eとの間には、付勢手段246が介在している。このため、スライド部材244は、付勢部材246の付勢力によって、常態においてはハウジング223eの開口側(すなわち背面側)から突出するように付勢される。
また、コネクタ支持部材249の係合突起250が、ハウジング223eの第一のスリット241に挿入される。このような構成によれば、コネクタ支持部材249は、ハウジング223eの第一のスリット241の延伸方向に沿って、往復動することができる。具体的には、第一のスリット241は遊技機1の前後方向に延伸するから、コネクタ支持部材249は、遊技機1の前後方向に往復動することができる。
回転体247の中心軸248が、ハウジング223eに形成される軸孔242に挿入される。このような構成によれば、回転体247は、ハウジング223eの内部において回転可能に支持される。そしてこの回転体247は、ハウジング223eの内部に収容された状態で、スライド部材244とコネクタ支持部材249の両方に接触する。
このような構成を有する扇子駆動役物22eの動作は次のとおりである。スライド部材244は、付勢部材246の付勢力によって、それらの一端(遊技機1を基準として背面側の先端)が、ハウジング223eの開口部から外部に突出するように付勢される。そして、常態においては(スライド部材244に外力が加わらない状態においては)、付勢部材246の付勢力によって、スライド部材244の先端がハウジング223eから突出している状態に維持される。また、コネクタ支持部材249は、回転体247を介してスライド部材244に連動するから、付勢部材246の付勢力によって、スライド部材244とは反対向きに付勢される。すなわち、ハウジング223eの内部に奥まる向きに付勢される(換言すると、ハウジング223eがベース体に対向した状態において、ベース体に実装されるコネクタ213から離間する向きに付勢される)。
スライド部材244に、ハウジング223eの内部に押し込まれるような力が加わると、付勢部材246の付勢力に抗して、スライド部材244は第二のスリット243の延伸方向に沿って、ハウジング223eの内部に移動する。スライド部材244は回転体247に接触しているから、スライド部材244が移動すると回転体247が回転する。さらに、回転体247はコネクタ支持部材249に接触しているから、回転体247が回転すると、コネクタ支持部材249は、第一のスリット241の延伸方向に沿って、スライド部材244の移動の向きとは反対向きに移動する。
したがって全体として、スライド部材244が付勢部材246の付勢力に抗してハウジング223eの内部に押し込まれると、その運動が回転体247を通じてコネクタ支持部材249に伝達され、コネクタ支持部材249は、ハウジングの内部を移動し、ハウジング223eの開口部から突出する向きに移動する。換言すると、ハウジング223eがベース体に対向した状態において、ベース体に実装されるコネクタ213に接近する向きに移動する。
次に、このような接続補助手段を有する扇子駆動役物22eをベース体に取り付ける際における、接続補助手段の動作について説明する。なお、ベース体に形成される係止片受け部およびガイド部の構成は、図12や図17と略同じ構成が適用できる。したがって説明は省略する。
図20に示すように、扇子駆動役物がベース体に取り付けられる前の状態においては、スライド部材は付勢部材の付勢力によって、ベース体に向けて突出している。一方、接続部が実装されるコネクタ支持部材は、ハウジングの内部に収まっており、付勢部材によって、ベース体に実装される電気的な接続部から離間する向きに付勢される。
そして、扇子駆動役物22eをベース体の前面側に接近させると、まず接続補助手段のうちのスライド部材244の先端が、ベース体に形成されるガイド部に当接し、ガイド部によって、コネクタ支持部材249に実装されるコネクタ227と、ベース体に実装されるコネクタ213とが、位置決めされた状態で対向する。
この状態から、扇子駆動役物22eをベース体にさらに接近させると、ハウジング223eはベース体にさらに接近することができるが、スライド部材244はその先端がベース体のガイド部に当接しているから、これ以上、ベース体に接近することができない。このように、スライド部材244が移動できない状態で、ハウジング223eがさらにベース体に接近する。このため見かけ上は、スライド部材244の先端が、ベース体によって押圧されて、ハウジング223eの内部に押し込まれることになる。
スライド部材244がハウジング223eの内部に押し込まれると、スライド部材244とハウジング223eの相対移動により回転体247が回転する。そして回転体247の回転運動がコネクタ支持部材249に伝達され、コネクタ支持部材249は、ベース体に実装されるコネクタ213に向かって突出する(すなわち、接続方向に移動する)。この結果、突出したコネクタ支持部材249が、ベース体に実装されるコネクタ213に接近し、コネクタ支持部材249に実装されるコネクタ227とベース体に実装されるコネクタ213とが、電気的に接続する。このように、扇子駆動役物22eをベース体に取り付ける際に、まず扇子駆動役物22eのコネクタ227とベース体のコネクタ213とが接続し、次いで扇子駆動役物22eとベース体が係合する(すなわち係合位置に達する)。このため、コネクタ213,227どうしの接続において、コネクタ213,217に無理な外力などが掛かることを防止でき、コネクタ213,217の破損を防止することができる。
前記各実施形態は、係止片と係止片受け部が係合することにより、扇子駆動役物のハウジングがベース体に固定される構成を有する。次に示す実施形態は、前記実施形態に比較して、扇子駆動役物のハウジングとベース体の結合の強度を高めた構成を有する。
図21は、この実施形態にかかる扇子駆動役物22fとベース体21fの構成を、模式的に示した外観斜視図である。扇子駆動役物22fの構成は、図7に示す扇子駆動役物22aと同じ構成が適用できる。したがって説明は省略する(特に図7および図7に関する説明を参照)。ベース体21fの前面側上部には、ベース体21fから前面側に突出する二つの係止片301fが、左右所定の間隔をおいて形成される。係止片301fは舌片状に形成される部位であり、弾性変形可能に構成される。これらの係止片301fの先端には、係止爪302が形成される。また、二つの係止片301fの間には、コネクタ213(図においては隠れて見えない)が実装される。さらにコネクタ213の上方には、係止リブ216が形成される。係止リブ216は係止片301fと同様に舌片状に形成される部位であり、その先端には係止爪217が形成される。
このような構成を有するベース体21fに扇子駆動役物22fが取り付けられると(すなわち、扇子駆動役物22fが係合位置にあると)、係止片301fの係止爪302が、ハウジング223fの係止片受け部303fに係止する。さらに、係止リブ216の係止爪217が、扇子駆動役物22fのハウジング223fの外周(特に前面側の面)に係止する。このため、扇子駆動役物22fとベース体21fの係合をより強固にすることができる。
なお、扇子駆動役物22fをベース体21fから取り外す際には、係止片301fの係止爪302とハウジング223fに形成される係止片受け部303fとの係合を解除するとともに、係止リブ216を弾性変形させて、係止リブ216の係止爪217と扇子駆動役物22fのハウジング223fとの係合を解除する。そして扇子駆動役物22fのハウジング223fを前面側に引き抜く。これにより扇子駆動役物22fはベース体21fから離脱する。このように、係止リブ216は、扇子駆動役物22fをベース体21fから取り外す際には、扇子駆動役物22fのハウジング223fとの係合を容易に解除することができる。
前記各実施形態は、扇子駆動役物をベース体から取り外すには、扇子駆動役物とベース体との係合を解除し、その後、扇子駆動役物をベース体から引き離すという操作が必要となる。次に示す実施形態は、扇子駆動役物とベース体との係合を解除すると、自動的に扇子駆動役物がベース体から離脱する構成を備える。
図22は、この実施形態にかかる扇子駆動役物22gとベース体21gの構成を、模式的に示した分解斜視図である。
図22に示すように、扇子駆動役物22gのハウジング223gの左右両側には、それぞれ弾性部材251と、位置決め手段としての位置決め突起部252が設けられる。弾性部材251は略円弧状に湾曲した部材であり、弾性変形可能に構成される。位置決め突起部252は略方形の板状の部材であり、弾性部材251の先端から背面側に向かって(すなわちベース体21gの側に向かって)延出する。換言すると、扇子駆動役物22gのハウジング223gと、位置決め突起部252とは、弾性部材251によって連結されているという構成を有する。このような構成によれば、弾性部材251が弾性変形することによって、位置決め突起部252が前後方向に伸縮するように移動可能である。また、扇子駆動役物22gの背面側には、コネクタ227が設けられる。
ベース体22gの前面側上部には、左右方向に所定の間隔をおいて、二枚の立壁221gが略平行にかつ前面側に突出するように形成される。これらの二枚の立壁211gの間には、コネクタ213が設けられる。二枚の立壁211gのそれぞれには、扇子駆動役物22gのハウジング223gの位置決め突起部252の先端部を受入可能な(位置決め手段としての)位置決め開口部218が形成される。図22においては、位置決め開口部218が、上下方向に長い長孔状に形成される構成を示す。なお、この実施形態においては、位置決め突起部252が略方形の板状に形成され、位置決め開口部218が位置決め突起部252の先端部を受入可能な長孔状に形成される構成を示したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。たとえば位置決め突起部252が所定の断面形状を有する棒状に形成され、位置決め開口部218が、位置決め突起部252の断面形状と略同じ形状の開口部を有する構成であっても良い。要は、位置決め突起部252が扇子駆動役物22gのハウジング223gから弾性部材251を介して背面側に突出する構成であるとともに、位置決め開口部218が、位置決め突起部252の先端部を受入可能に形成される構成であればよい。
位置決め開口部218の上方には、離間規制手段219が配設される。この離間規制手段219は、長孔が形成される略板状の部材である。そしてネジ(図略)などによって、ベース体21gに形成される立壁211gの上端(前面側)に装着される。この離間規制手段は、ネジなどによって長孔を通じて立壁211gに装着される構成であるため、長孔の延伸方向に沿って上下左右方向に移動することができる。ただし前後方向には実質的に移動することができない。なお、図22においては、離間規制手段219が位置決め開口部218の上方に配設される構成を示したが、たとえば位置決め開口部218の下方に配設される構成であっても良い。
このような構成を有する扇子駆動役物22gとベース体21gの組み付け構造は、次のとおりである。まず、扇子駆動役物22gとベース体21gとを互いに接近させ、扇子駆動役物22gの位置決め突起部252の先端部を、ベース体21gに形成される位置決め開口部218に挿入する。位置決め突起部252が位置決め開口部218に挿入されると、扇子駆動役物22gのハウジング223gのカバー224(図においては隠れて見えない)に実装されるコネクタ227と、ベース体21gに実装されるコネクタ213が、所定の距離を離間した状態で互いに位置決めされて対向する。すなわち、位置決め突起部252が位置決め開口部218に挿入された状態では、扇子駆動役物22gのハウジング223gは、弾性部材251の付勢力によって、ベース体21gから離間した状態に維持される。
この状態から、弾性部材251の付勢力に抗して、ハウジング223gに背面側に向かって力を加えることによって、さらにハウジング223gを背面側(ベース体21gの側)に移動させることができる。ハウジング223gを背面側に移動させると、ハウジング223gのカバー224に実装されるコネクタ227と、ベース体21gに実装されるコネクタ213とが接近し、最終的にはコネクタ213,227どうしが電気的に接続される。なお、この状態でハウジング223gに加えた力を除去すると、弾性部材251の付勢力によって、ハウジング223gに実装されるコネクタ227と、ベース体21gに実装されるコネクタ213との接続が解除され、扇子駆動役物22gのハウジング223gは、ベース体21gから離間した状態に戻る。このように、扇子駆動役物22gのハウジング223gは、常態においては弾性部材251の付勢力によって、ベース体21gから離間する向きに(すなわち、遊技機1の前面側に)付勢される。
図23は、扇子駆動役物22gがベース体21gに取り付けられた状態を模式的に示した外観斜視図である。図23に示すように、ハウジング223gのカバー224に実装されるコネクタ227と、ベース体21gに実装されるコネクタ213とが電気的に接続された状態で、離間規制手段219を、扇子駆動役物22gの離間方向(すなわち、ハウジング223gに加えた力を除去した場合に、ハウジング223gが弾性部材251の付勢力によって移動する方向)に直交する方向(具体的には、ベース体21gに取り付けられたハウジング223gの方向)にスライドさせ、離間規制手段219の少なくとも一部を、ハウジング223gの前面側に係合するように移動させる。
離間規制手段219は、扇子駆動役物22gの離間方向(すなわち、遊技機1を基準として前後方向)に直交する方向(遊技機1を基準として上下左右方向)にはスライドするように移動することができる。しかしながら、この離間規制手段219は前面側からネジなどによって立壁211gに装着されているため、遊技機1を基準として前後方向に移動することは実質的にできない。したがって、離間規制手段219がハウジング223gの前面側に係合すると、ハウジング223gがベース体21gから離間することを規制する。このため、弾性部材251の付勢力に抗して、ハウジング223gのカバー224に実装されるコネクタ227と、ベース体21gに実装されるコネクタ213とが接続される状態が維持される。
扇子駆動役物22gをベース体21gから取り外すには、離間規制手段を扇子駆動役物のハウジングから離れるようにスライドさせればよい。図23に示す状態から、離間規制手段219を扇子駆動役物22gのハウジング223gから離れるようにスライドさせると(たとえば、左右両外側に移動させると)、離間規制手段219と扇子駆動役物22gのハウジング223gとの係合が解除される。そうすると、扇子駆動役物22gのハウジング223gは、弾性部材251の付勢力によって、ベース体21gから離れる方向に移動する。この結果、扇子駆動役物22gのハウジング223gに実装されるコネクタ227と、ベース体21gに実装されるコネクタ213との接続が解除される。このため、扇子駆動役物21gの取り外しに要する手間を削減することができる。