以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、状態量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、状態量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。例えば、“第1始動口”に対して符号105を割り当てた場合、“第1始動口”を、“第1始動口105”と表記することもあるし、単に“始動口105”と表記することもある。
まず、本発明の実施形態に係る遊技機の基本構成について説明する。図1は、本実施形態に係る遊技機100の正面図である。遊技機100は、パチンコ遊技機であって、遊技盤101と、遊技盤101を保持する遊技機枠113とを含む、図1に示された各構成部材を備える。遊技盤101の下部位置には、遊技球を発射するための発射部が配置されている(発射部の詳細構造は図示せず)。尚、上下左右とは、特に記述無き限り、遊技盤101に正対する遊技者から見た上下左右を指す。
遊技機100において、発射部の駆動により上方に発射された遊技球は、レール102aおよび102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。遊技盤101の前方(遊技者側)において遊技領域103を視認可能に覆うガラス板(不図示)が遊技機枠113のガラス扉枠13(図4参照)に固定されている。また、遊技盤101において、遊技領域103における遊技球の落下経路には、遊技球の落下方向を変化させる風車や、第1始動口105、第2始動口106、電動チューリップ107、ゲート108、大入賞口109および普通入賞口110が設置される。
遊技盤101の略中央部分には、液晶ディスプレイパネル等から成る画像表示部104が配置される。画像表示部104は各種の演出画像を表示する。例えば、画像表示部104は、大当たり抽選の抽選結果を表すための特別図柄に対応して設けられた装飾図柄を表示すると共に、遊技機100が大当たり抽選の抽選結果を示すまでに行う演出に関する画像を表示する。画像表示部104は、普通図柄抽選の抽選結果を表すための図柄(普通装飾図柄)などをも表示して良い。
画像表示部104の下方には、第1始動口105および第2始動口106が設置される。始動口105および106は、遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域を形成する。遊技球が始動口105又は106を通過することによって、即ち始動口105又は106に遊技球が入賞することによって、大当たり抽選を受けるための権利が取得される。また、遊技機100は、始動口105又は106に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば3個)の遊技球を払い出す。払い出される遊技球を賞球とも呼ぶ。
第2始動口106の近傍に、電動チューリップ107が設けられる。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を第2始動口106へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、電動チューリップ107が備えるソレノイドによって行われる。電動チューリップ107が開状態となることを、電動チューリップ107の開放とも言う。電動チューリップ107は、画像表示部104の右側に配置されたゲート108を遊技球が通過したことにより行われる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108も、始動口105および106と同様、遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域を形成する。
第2始動口106の右側には大入賞口109が設けられる。大入賞口109も、電動チューリップ107のように開閉動作が可能となっている。大入賞口109が開放されている状態においてのみ、遊技球は大入賞口109へ入賞することができる。大入賞口109は、通常、閉鎖されており、大当たり抽選にて大当たりに当選した場合に所定条件(例えば、29.5秒経過又は遊技球9個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを所定回数(例えば16回)だけ繰り返す。遊技機100は、大入賞口109に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば10個)の賞球を払い出す。
画像表示部104の側方や下方などには、1以上の普通入賞口110が設置される。遊技機100は、普通入賞口110への入賞を検出した場合には所定個数(例えば8個)の賞球を払い出す。尚、第1始動口105、第2始動口106、ゲート108、大入賞口109、普通入賞口110は、図1に示した位置に限らず遊技領域103内の任意の位置に配置されて良い。遊技領域103の最下部には、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109および普通入賞口110の何れにも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には情報表示部112が設けられている。情報表示部112は、特別図柄表示部、普通図柄表示部、保留表示部、ラウンド数表示部および右打ち表示部を備えている。各表示部はLED(Light Emitting Diode)表示器にて形成することができる。情報表示部112の詳細については省略する。尚、情報表示部112の設置位置は任意に変更することができる。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、遊技機枠113が設けられている。遊技機枠113は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲み、遊技盤101は盤面から遊技者側に突出した形状を有している。遊技機枠113の正面側(図4のガラス扉枠13)には、スピーカ114および演出ライト部115などが組み込まれている。演出ライト部115は複数のランプおよび複数のモータを有しており、各モータの駆動により各ランプによる光の照射方向を上下又は左右方向に変更することができる。
遊技機枠113の右下位置には、操作ハンドル116が配置されている。操作ハンドル116は遊技者側に突出するような形状を有しており、その外周部には発射指示部材117が設けられている。発射指示部材117は、操作ハンドル116により回転可能に支持されている。遊技者は遊技球を発射させる場合、発射指示部材117を時計回りに回転させる。このとき、発射指示部材117を回転させる角度により、遊技者は遊技球の発射強度を調整できるようになっている。また、操作ハンドル116には、遊技者が発射指示部材117を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。発射指示部材117が遊技者によって直接操作されていることを当該センサが検出した場合にのみ、遊技機100は遊技球を発射する。
遊技機枠113において遊技領域103の下方には、演出ボタン118、十字キー119および打球供給皿120などが設けられている。演出ボタン118および十字キー119は、遊技者からの操作を受け付けるための操作受付部を構成している。打球供給皿120は遊技球を収容可能な形状を有しており、収容している遊技球を発射部へ送り出す。
また、遊技盤101上には、演出時に駆動される可動役物130が設けられている。例えば、可動役物130を用いた演出の実行時において、可動役物130は、図1に示した位置から下方へスライドして画像表示部104の前面へ進出し、それ以外のときは図示のように画像表示部104の上部に設けられた収納スペースに退避している。
次に、図2を参照して、遊技機100の背面構成を説明する。図2は、遊技機100の背面構成を示す、遊技機100の背面斜視図である。遊技機100の裏面には、主制御基板301、賞球制御基板302、演出制御基板303、遊技機100内の各基板に電源を供給する電源基板304、および、出力端子基板305等が設けられ、演出制御基板303は基板ケース307および背面カバー309で保護されている。それらの基板(特に演出制御基板303)は複数のプリント基板から形成されていても良い。また、遊技機100の裏面には、電源基板304に電力を供給するための電源プラグ315や、電源スイッチ(不図示)も設けられている。
図3は、本実施形態の遊技機100が備える遊技盤101の斜視図である。図3において、遊技盤101は、合成樹脂製の遊技板21の前面に、可動役物130等の各種役物や画像表示部104(図1参照)、釘等を配置した遊技領域103が形成されている。なお、遊技領域103の詳細な構成は図1に示した通りであるので、図3では記載を省略している。遊技領域103の上側および下側には、遊技板21を延出させて延出部21aが形成されている。また、遊技板21の背面側には、主制御基板301、賞球制御基板302、演出制御基板303、電源基板304、出力端子基板305(いずれも図2参照)、基板ケース307および背面カバー309が取り付けられている。
図4は、本実施形態のパチンコ遊技機が備える遊技機枠113の斜視図である。図4に示すように、遊技機枠113は、外枠11と内枠12とガラス扉枠(前枠に相当)13とを備えている。また、遊技機枠113は、左右方向の一端側(例えば遊技者から見て左側)にヒンジ機構部16を備えており、内枠12およびガラス扉枠13は、それぞれヒンジ機構部16を支点として左右方向の他端側(例えば遊技者から見て右側)が外枠11から離れる方向に回動可能に連結されている。ガラス扉枠13がヒンジ機構部16を支点として扉のように回動することによって、遊技盤101の遊技領域103を含む、外枠11の内側部分を開放することができる。内枠12およびガラス扉枠13の他端側(例えば遊技者から見て右側)には、それらの他端側を外枠11に固定するロック機構(不図示)が設けられている。
外枠11は、金属製であり、遊技機100の外郭部となる枠体である。内枠12は、遊技盤101(図3参照)が取り付けられる合成樹脂製の枠体であり、前方から見て中央が貫通された略長方形の枠形状とされている。遊技盤101は、内枠12に対して前方から取り付けられる。内枠12に取り付けられた遊技盤101は、後述する固定装置40a、40bによって内枠12から外れないように係止される。ガラス扉枠13は、遊技盤面を保護するとともにスピーカ114、演出ライト部115、操作ハンドル116などが配設される枠体である。ガラス扉枠13は、遊技盤101の前面の遊技領域103を視認可能な透視窓として、ガラス板(窓部に相当)15を備えている。
図5は、遊技機枠113を構成する内枠12の正面図であり、図6は、内枠12を背面下方から見た斜視図である。内枠12は、中央に遊技盤101(図3参照)を収容するための収容部12aが形成された矩形状の枠体である。内枠12の背面側の上部には、遊技球を貯留する球タンク5が設けられており、内枠12の左側部には、球タンク5に貯留された遊技球を、払出ユニット(図示せず)を経由して貯留皿(図示せず)の球導入口に導く球通路8、球通路8の途中部分を形成する球通路ユニット10、球通路8の途中部に介装される払出ユニットを着脱可能に取付けるための払出ユニット取付け部20が設けられている。また、内枠12の右下部には、遊技盤101のコネクタを差し込むためのコネクタ接続部30が形成されている。
また、内枠12の左右方向の一端側(例えば遊技者から見て左側)の内壁面には、遊技盤101の延出部21aを挟み込んで支持する挟持部31が上下2箇所に形成されている。図6に示すように、挟持部31は、内枠12に一体形成されたリブ31aと、リブ31aに対向配置される弾性変形可能な金属製の押圧片31bとで構成されている。押圧片31bは、リブ31a側が凸となる断面円弧状をなしており、押圧片31bの円弧面に沿って延出部21aをリブ31aと押圧片31bとの間に円滑に挿入できるようになっている。
また、内枠12の左右方向の一端側(例えば遊技者から見て右側)の上部および下部には、遊技盤101を固定する固定装置40a、40bが付設されている。以下、内枠12の右上部に付設された固定装置40aについて説明するが、内枠12の右下部に付設された固定装置40bについても上下方向の位置関係が異なる以外は全く同様の構成である。
図7および図8は固定装置40aの斜視図であり、図7はクランプ部43のコ字状の開口が斜め前方を向く状態(以下、第1の状態という)を示しており、図8はクランプ部43のコ字状の開口が内枠12の取付面と平行な方向(図8では下方向)を向く状態(以下、第2の状態という)を示している。図9は、固定装置40aの分解斜視図である。図7〜図9を用いて固定装置40aの詳細な構成について説明する。
固定装置40aは、金属板を所定の形状に折り曲げて形成されたベース部41、クランプ部43、レバー部45、リンク部47、これらの各部材を連結する4本の第1連結ピン50a、第2連結ピン50b、第3連結ピン50c、第4連結ピン50d、および板バネ51で構成される。
ベース部41は、内枠12の内壁面(取付面)にビス固定するためのビス穴が形成された底面と、底面の端縁から立設する一対の側面とで構成される断面視コ字状の部材である。ベース部41の側面には第1連結ピン50a(第1揺動軸)を支持する一対の第1軸受穴53a、第2連結ピン50b(第2揺動軸)を支持する一対の第2軸受穴53bが形成されている。側面の端縁中央部には三角形状の切り欠き41aが形成されている。
クランプ部43は、第1クランプ部材43aと、第2クランプ部材43bとで構成される側面視コ字状の部材である。第1クランプ部材43aは、第1連結ピン50aが貫通する一対の第3軸受穴53cが形成された一対のL字状の側面と、この一対の側面を連結する連結面とを有しており、第1連結ピン50aによりベース部41に揺動可能に連結されている。また、第1クランプ部材43aはベース部41の側面の間に挟まれるように連結されており、第1クランプ部材43aの側面の外側がベース部41の側面の内側に沿って摺動する。また、第1クランプ部材43aの側面には、第3連結ピン50c(第3揺動軸)を支持する一対の第4軸受穴53dが形成されている。第1クランプ部材43aには、板バネ51を保持する保持爪55、板バネ51の突出片51aが嵌合する係合溝57、第2クランプ部材43bの側面が係合する係合突起59が形成されている。
第2クランプ部材43bは、第3連結ピン50cが貫通する一対の第5軸受穴53eが形成された一対の側面と、この一対の側面を連結する連結面とを有しており、第3連結ピン50cにより第1クランプ部材43aに揺動可能に連結されている。第2クランプ部材43bの側面は第1クランプ部材43aの側面を挟むように連結されている。また、第2クランプ部材43bの揺動端には連結面を延長して第2ツマミ部61が形成されている。
第1クランプ部材43aから第2クランプ部材43bに亘ってL字状の板バネ51が付設されている。第2クランプ部材43bは、板バネ51の付勢力によって第3連結ピン50cを中心として第1クランプ部材43aに近接する方向に付勢されているが、第1クランプ部材43aの係合突起59に係合することで、第1クランプ部材43aと第2クランプ部材43bとが所定の間隔に保持されている。
レバー部45は、第3連結ピン50cが貫通する一対の第6軸受穴53fが形成された一対の側面と、この側面を連結する連結面とを有しており、第3連結ピン50cによりクランプ部43(第2クランプ部材43b)に揺動可能に連結されている。レバー部45の揺動端には連結面を延長した第1ツマミ部60が形成されており、一対の側面には外側に突出する半球状の第1凸部63が形成されている。また、レバー部45は第2クランプ部材43bの側面の間に挟まれるように連結されており、レバー部45の側面の外側が第2クランプ部材43bの側面の内側に沿って摺動する。レバー部45の側面には、第4連結ピン50d(第4揺動軸)を支持する一対の第7軸受穴53gが形成されている。
リンク部47は、第4連結ピン50dが貫通する一対の第8軸受穴53hと、第2連結ピン50bが貫通する一対の第9軸受穴53iとが形成された一対の側面と、側面を連結する連結面とを有している。リンク部47は、第4連結ピン50dによりレバー部45に揺動可能に連結されるとともに、第2連結ピン50bによりベース部41に揺動可能に連結されている。リンク部47の両側面には、レバー部45に向かって側面間の距離が狭くなるように段差部65が形成されている。
次に、内枠12への遊技盤101の取り付け手順について説明する。先ず、外枠11と内枠12とを固定した後、内枠12の右上方に設けられた固定装置40aのクランプ部43を、第1連結ピン50aを中心に揺動させることにより、図7および図10に示すように、予めクランプ部43のコ字状の開口が斜め前方を向く第1の状態にしておく。
このとき、レバー部45の第1ツマミ部60およびクランプ部43の第2ツマミ部61に指を掛けて互いに接近する方向に力を加えることにより、レバー部45の両側面外側に突出する半球状の第1凸部63が第2クランプ部材43bの側面内側と重なる位置に圧入されて摩擦力が生じ、レバー部45から手を離してもクランプ部43が第1の状態に保持される。また、第2クランプ部材43bの角部70がベース部41の切り欠き41aに当接することで、第1ツマミ部60および第2ツマミ部61に必要以上の力が加えられた場合であってもレバー部45およびクランプ部43が図10の状態を超えて揺動しないようになっている。
なお、ここでは図示しないが、内枠12の右下方に設けられた固定装置40bにおいても同様の操作を行うことにより、固定装置40bのクランプ部43も予め第1の状態に保持しておく。
次に、遊技盤101を持ち上げて、遊技盤101の正面左側から延出する延出部21a(図3参照)を、内枠12の左側の内壁面に形成された2箇所の挟持部31(図5参照)に挟持する。
次いで、遊技盤101を内枠12の正面側から収容部12aに嵌め込んでいくことで、遊技盤101の正面右側から延出する延出部21aを、内枠12の前面側から固定装置40a、40bのクランプ部43に接近させる。図10に示したように、クランプ部43は第1の状態に保持されているため、延出部21aのエッジはクランプ部43の開口に誘導される。
遊技盤101をさらに収容部12aに嵌め込んでいくと、延出部21aがクランプ部43の内側(第1クランプ部材43a)に接触する。その結果、図11に示すように、クランプ部43が延出部21aによって押圧され、クランプ部43は第1連結ピン50aを中心として第1の状態からコ字状の開口が下向きとなる方向(図11の反時計回り方向)に揺動する。一方、クランプ部43に連結されたレバー部45も、第3連結ピン50cを中心としてクランプ部から離間する方向(図11の時計回り方向)に揺動する。さらに、第4連結ピン50dでレバー部45と連結されたリンク部47も、第2連結ピン50bを中心として下方向(図11の反時計回り方向)に揺動する。
そして、図11の状態から遊技盤101が内枠12の収容部12aに完全に嵌め込まれると、図8および図12に示すように、クランプ部43は内枠12の取付面と平行な方向(図12では下方向)を向く第2の状態となる。
このとき、レバー部45の第1ツマミ部60をベース部41側に押圧することにより、リンク部47の両側面がベース部41の両側面間に挿入されていく。そして、リンク部47の両側面が、ベース部41の両側面内側に突出する半球状の第2凸部67と重なる位置まで圧入されたとき摩擦力が生じ、クランプ部43が第2の状態に保持される。また、リンク部47の段差部65がレバー部45の側端縁に当接することで、第1ツマミ部60に必要以上の力が加えられた場合であってもレバー部45およびクランプ部43が図12の状態を超えて揺動しないようになっている。
同様に、内枠12の右下方に設けられた固定装置40bにおいても同様の操作を行うことにより、固定装置40bのクランプ部43も第2の状態に保持しておく。最後に、ガラス扉枠13を内枠12に重ね合わせて固定することにより、遊技機枠113への遊技盤101の取り付け作業が終了する。
本実施形態の構成によれば、遊技機枠113への遊技盤101の取り付け作業時にレバー部45を操作するだけで、予め固定装置40a、40bのクランプ部43を延出部21aの導入が容易な第1の状態に保持しておくことができる。例えば、工場における遊技機枠113への遊技盤101の組み付け作業では、生産ライン上を一定の速度で移動する遊技機枠113に遊技盤101を順次組み付けていく。このとき、遊技機枠113に付設された固定装置40a、40bのクランプ部43を第1の状態としておく。これにより、一人の作業者が重量の重い遊技盤101を両手で抱えた状態で、簡単に遊技盤101の延出部21aをクランプ部43に挟み込むことができる。さらに、クランプ部43を第1の状態に保持する機構を設けたので、遊技機枠113が生産ライン上を移動する際の振動によって、上方に位置する固定装置40aのクランプ部43が第1の状態から下向きに回動するおそれもない。なお、上述した工場での組み付け作業時と同様に、パチンコホールでの遊技盤101の交換作業時における作業者の負担も軽減することができる。
また、クランプ部43を第1の状態に保持する機構(第1保持機構)として、レバー部45の両側面外側に突出する半球状の第1凸部63を形成し、第1凸部63がクランプ部43の側面内側と重なる位置に圧入される際の摩擦力によってクランプ部43が第1の状態に保持されるようにしたので、第1保持機構を簡単な構成とすることができる。
なお、ここではレバー部45の両側面外側に第1凸部63を形成したが、片方の側面にのみ第1凸部63を形成しても良い。また、第1凸部63を、レバー部45に代えてクランプ部43(第2クランプ部材43b)に形成することもできる。この場合、第1凸部63を第2クランプ部材43bの側面内側に突出するように形成し、レバー部45の側面外側との間で摩擦力が発生するようにすれば良い。
一方、遊技盤101の取り付け作業が終了した後にレバー部45を操作するだけで、クランプ部43を第2の状態に保持しておくことができる。これにより、輸送時における振動や衝撃、或いはパチンコホールへの設置後の役物の作動による遊技盤101のガタつきを抑制して遊技盤101の破損を防止することができる。
また、クランプ部43を第2の状態に保持する機構(第2保持機構)として、ベース部41の両側面内側に突出する半球状の第2凸部67を形成し、第2凸部67がリンク部47の側面外側と重なる位置に圧入される際の摩擦力によってクランプ部43が第2の状態に保持されるようにしたので、第2保持機構を簡単な構成とすることができる。
なお、ここではベース部41の両側面内側に第2凸部67を形成したが、片方の側面にのみ第2凸部67を形成しても良い。また、第2凸部67を、ベース部41に代えてリンク部47に形成することもできる。この場合、第2凸部67をリンク部47の側面外側に突出するように形成し、ベース部41の側面内側との間で摩擦力が発生するようにすれば良い。
また、遊技機枠113の一端側に設けられる固定部材40a、40bは、クランプ部43が第1クランプ部材43aと第2クランプ部材43bで構成されており、板バネ51によって第1クランプ部材43aと第2クランプ部材43bが互いに接近する方向に付勢されている。一方、遊技機枠113の他端側に設けられる挟持部31は、リブ31aと押圧片31bとで構成される。従って、延出部21aの厚みが異なる遊技盤101を遊技機枠113に嵌めこむ際も、固定部材40a、40bと挟持部31とを用いて延出部21aを確実に挟持することができる。
また、クランプ部43を第1の状態(図7の状態)に保持する際に、クランプ部43に設けられた第2ツマミ部61を、レバー部45の第1ツマミ部60と併せて操作することで、レバー部45の第1凸部63をクランプ部43の側面内側と重なる位置に容易に圧入することができる。即ち、レバー部45による第1の状態に保持する操作をより円滑に行うことができる。
また、固定装置40a、40bは内枠12の上下2箇所に設けられているため、遊技盤101の上端および下端を強固に保持することができ、輸送時、或いはパチンコホールへの設置後の役物の作動による遊技盤101のガタつきをより効果的に抑制することができる。さらに、内枠12の下方に設けられる固定装置40bは、コネクタ接続部30の近傍に配置されているため、コネクタ接続部30の周辺における遊技盤101のガタつきが抑制され、コネクタとコネクタ接続部30との接続不良を防止することができる。
その他、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態においては、外枠11、内枠12、ガラス扉枠13から成る遊技機枠113を例に挙げて説明したが、例えば外枠11と内枠12とが一体となったような遊技機枠を用いることも可能である。また、上記実施形態では、内枠12の右上方および右下方に固定装置40a、40bを配置したが、遊技盤101の組み付け作業性、および組み付け後の遊技盤101の安定性に支障のない他の場所に配置しても良い。固定装置40a、40bの個数も2個に限らず3個以上であっても良い。
また、上記実施形態では、クランプ部43を第1の状態および第2の状態に保持する第1保持機構、第2保持機構として第1凸部63、第2凸部67を形成したが、レバー部45とクランプ部43、ベース部41とリンク部47との間に摩擦力を発生させる機構であれば、第1凸部63、第2凸部67に限られるものではない。例えば、第2クランプ部材43bの両側面間に挿入されるレバー部45の幅方向寸法を、挿入が進むにつれて徐々に広くなるテーパー形状としておくことで、第1凸部63を形成せずにレバー部45とクランプ部43との間に摩擦力を発生させることができる。
また、上記実施形態では、クランプ部43を第1クランプ部材43aと第2クランプ部材43bで構成し、板バネ51によって第1クランプ部材43aと第2クランプ部材43bが互いに接近する方向に付勢される構成としたが、例えばバネ性(復元性)を有する金属でクランプ部43を一体形成し、延出部21aの厚みが異なる遊技盤101を遊技機枠113に嵌めこむ際にクランプ部43が弾性変形するような構成としても良い。また、クランプ部43の形状も上記実施形態のような側面視コ字状に限定されず、例えば側面視C字状や側面視U字状のように、遊技盤101の延出部21aを挟持可能な形状であれば良い。
また、上記実施形態では、クランプ部43に第2ツマミ部61を設け、レバー部45の第1ツマミ部60と共に第2ツマミ部61を操作することで第1の状態と第2の状態との切り替えを行うようにしたが、第2ツマミ部61は必須の構成要素ではなく、レバー部45の第1ツマミ部60のみを設けた構成も可能である。