JP5137419B2 - コーティング剤、同組成物を塗布した成型体および光学部材 - Google Patents
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Description
特に、液晶表示パネル、車搭載用メーターパネル、テイルランプ等のバック照明装置に用いられる、光散乱層または集光層としての役割を有するマイクロレンズ構造を設けた光学部材、例えば導光板、拡散板、反射板、偏光板、三次元立体視ディスプレイ用マイクロレンズアレイデバイス等として利用できる光学部材に関するものである。また、固体撮像カメラもしくはイメージセンサーとして用いられる固体撮像素子や液晶素子にも応用が可能な光学部材に関するものである。
一般に、導光板材料としては、高度な全光線透過率が必要であることから、通常アクリル系樹脂(PMMA)が用いられているが、アクリル系樹脂は耐熱性、機械的強度、難燃性に劣ることから、車搭載用のディスプレイ、テイルランプ、ウィンカー等の耐熱性を要求される照明装置には適さない。また近年、パーソナルコンピュータや携帯電話、PDA等の機器の内部で発生する熱が高くなる傾向にあることから、耐熱性、機械的強度、難燃性が良好なポリカーボネート樹脂がアクリル樹脂に代わって使用され始めている。
なお、導光板への光散乱層形成については、従来、円錐ドリル等による切削加工法等や成型体にマイクロレンズやマイクロプリズム等のマイクロ構造を転写する方法等が使用されてきた。切削加工によるマイクロ構造体の形成には高度な技術が必要な上、複雑な工程を経ることから、生産性が高く、量産化がし易い射出成型等による成型加工法を用いた転写法が主流として用いられている。しかしながら、この方法は金型にマイクロ構造(スタンパ)を作製し、射出成型等を用いて樹脂を流し込み、マイクロ構造体を転写するため、サイクルタイムが短くて良い反面、樹脂の流動性が悪いことに起因する転写性の低さという問題がある。転写性を向上させるためには、ポリカーボネート樹脂の分子量を低下させる方法があるが、分子量低下とともに、機械的強度が低下する。また流動性改良のためにポリカーボネート樹脂へ他の材料を添加する方法が提案(特許文献1)されているが、耐熱性の問題や透明性の問題がある。さらに、金型にマイクロ構造を形成するため、簡単にマイクロ構造の修正をするわけにはいかず、最初から金型を作製し直さなければならないという問題がある。上記以外のマイクロレンズ形成法としては、インクジェット等を用いた方法が提案されている(特許文献2)。液晶表示装置に用いられるバックライトの導光板等を製造するに当たり、導光板の基材となるプラスチックの片面または両面に入射光の拡散または散乱を阻止する半球形状の鏡面ドットを形成するもので、上記の射出成型加工等による製造法に比べて、金型を作製する必要がないという利点を有している。しかしながら本方法の場合、基材として用いられるポリカーボネート樹脂等の表面エネルギーが高いため、鏡面ドットを形成するマイクロレンズ形成材料と馴染み易く、形成したマイクロレンズが平坦化するため、輝度低下につながる。
一方、液晶素子や固体撮像素子においては、素子の高密度化が進められているが、素子の高密度化は画素の開口率の低下を招き、素子の光利用率を低下させるため、液晶素子や固体撮像素子の各画素に対応しマイクロレンズを形成し、ブラックマトリックスによって遮光される光を各画素に集光することにより光利用効率を向上させる方法等が提案されている(非特許文献1)。マイクロレンズの作製方法としてスタンパを用いた加工法等が提案されている(特許文献3)。この方法は、凹状のスタンパを作製し、このスタンパを用いて樹脂を凸状に形成することによりマイクロレンズを製造する。これらのマイクロレンズは、液晶素子や固体撮像素子に貼り合わせるか、または液晶素子や固体撮像素子上に直接形成される。しかしながら、スタンパの作製には高度な技術を要することや、レンズ形状を変更したい場合、最初から作り直さなければならないという問題がある上、液晶素子等に張り合わせる場合、接着界面での光の拡散、反射等により、光利用率が低下するという問題がある。
すなわち、本発明は以下(1)〜(12)
(1)一般式(1)
で表される繰り返し単位と、一般式(2)
で表されるシロキサン骨格および/またはフッ素原子を含む骨格を有し、かつ塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート重合体(以下、ポリカーボネート重合体Iと称することがある)および有機溶剤を含むことを特徴とするコーティング剤、
(2)一般式(3)
で表される繰り返し単位とフッ素原子を含む骨格を有し、かつ塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート重合体(以下、ポリカーボネート重合体IIと称することがある)及び有機溶剤を含むことを特徴とするコーティング剤、
(3)フッ素原子を含む骨格として、一般式(4)
(4)フッ素原子を含む骨格として重合体末端が下記一般式(5)〜(10)
のいずれかで表される基を有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載のコーティング剤、
(5)二価のポリオルガノシロキサンフェノール変性物残基が下記一般式(11)
もしくは下記一般式(12)
で表される基である上記(2)〜(4)のいずれかに記載のコーティング剤、
(6)二価のフェノール性水酸基を有する化合物残基が下記一般式(13)
で表される基を含む上記(1)〜(5)のいずれかに記載のコーティング剤、
(7)有機溶剤が非ハロゲン系溶剤から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のコーティング剤、
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載のコーティング剤を基材表面に塗布してコーティング層を形成させてなる成型体、
(9)上記(8)に記載の成型体からなる光学部材、
(10)さらに、レンズ形成材料を塗布してなるマイクロレンズ構造を表面に有する上記(9)に記載の光学部材、
(11)インクジェット印刷技術によりレンズ形成材料を塗布してなる上記(9)に記載の光学部材および、
(12)導光板、偏光板、反射板、拡散板、三次元立体視ディスプレイ用マイクロレンズアレイデバイスのいずれかである上記(11)に記載の光学部材
を提供するものである。
本発明のコーティング剤は以下に示すポリカーボネート重合体Iまたはポリカーボネート重合体IIと有機溶剤を含むことを特徴とする。
ポリカーボネート重合体Iは一般式(1)
で表されるシロキサン骨格および/またはフッ素原子を含む骨格を有している。
一方、ポリカーボネート重合体IIは一般式(3)
で表される繰り返し単位とフッ素原子を含む骨格を有している。
上記一般式(13)において、式中、R12、R13は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換または無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜12のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜12のアリール基、置換または無置換の炭素数7〜13のアリールアルキルもしくはアリールアルケニル基及び置換または無置換の炭素数1〜12のフルオロアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜24の縮合多環式炭化水素を示す。s、tは各々独立に0〜4の整数である。X1は、単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−CR14及び−CR15−(ただし、R14及びR15は各々独立に水素、置換又は無置換の炭素数1〜24のアルキル基、置換または無置換のフェニル基及びトリフルオロメチル基から選ばれる)、置換または無置換の炭素数5〜12のシクロアルキリデン基、2,2−アダマンチル基、1,3−アダマンチル基、置換または無置換の炭素数2〜12のα,ω−アルキレン基、置換または無置換の炭素数13〜25の9,9−フルオレニリデン基、1,8−メンタンジイル基、2,8−メンタンジイル基、置換または無置換の炭素数4〜10のピラジリデン基、置換または無置換の炭素数6〜12のアリーレン基、及び−C(CH3)2−Ph−C(CH3)2−から選ばれるいずれかの基を示す(Phは、フェニレン基を示す)。
前記一般式(13)で表される二価のフェノール性水酸基を有する化合物残基は一般式(13−a)
一般式(13−a)において、R12、R13、s、およびtは一般式(13)における場合と同じである。
このような二価のフェノール性水酸基を有する化合物の具体例を挙げると下記のとおりである。
例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジフェニル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,7−ナフタレンジオール、2,6−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イソブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(2−tert−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1−フェニル−1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン等が挙げられる。
これらの化合物の中で、得られるコーティング剤の特性及び入手の容易さなどの観点から、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ビフェノール、2,7−ナフタレンジオール、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−〔1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)〕ビスフェノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9’−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好ましい。
なお、これらの化合物は1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
一般式(2)で表されるシロキサン骨格の元となる化合物としては、両末端型、片末端型、側鎖型、側鎖両末端型のアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル等があるが、ポリカーボネート樹脂合成時の反応性や入手の容易さなどの観点から両末端型、片末端型、側鎖型、側鎖両末端型のフェノール変性シリコーンオイルが好ましい。
上記の化合物の中で、得られるポリカーボネート樹脂やコーティング剤の特性及び入手の容易さなどの観点から1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、3,3’−ジシクロヘキサンジオール、3,4’−ジシクロヘキサンジオール、4,4’−ジシクロヘキサンジオール、2,2−ビス(3−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−ヒドロキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3−ヒドロキシシクロヘキシル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)スルフィド、ビス(3−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,5−ノルボルナンジオール、2,6−ノルボルナンジオール、1,4−ノルボルナンジオール、2,3−ノルボルナンジオール、トリシクロ(5.2.1.02,6 )デカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール等が好ましい。
一般式(4)中の−Rf1−の元となる化合物としては、HO−Rf1−OH [Rf1は一般式(4)における場合と同じである] で表される含フッ素ジオールが用いられる。該ジオールとしては、フッ素原子が一つ以上導入された炭素数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルカンジオール及びこのアルカンジオールのアルキル鎖にアリール基が導入された化合物を好ましくあげることができる。
このような含フッ素ジオールとしては、2,2−ジフルオロ−1,3−プロパンジオール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオール、1H,1H,6H,6H−パーフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、1H,1H,7H,7H−パーフルオロ−1,7−ヘプタンジオール、1H,1H,8H,8H−パーフルオロ−1,8−オクタンジオール、1H,1H,9H,9H−パーフルオロ−1,9−ノナンジオール、1H,1H,10H,10H−パーフルオロ−1,10−デカンジオール、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−1,11−ウンデカンジオール、1H,1H,12H,12H−パーフルオロ−1,12−ドデカンジオール、2,2,2−トリフルオロ−1,1−エタンジオール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1,1−エタンジオール、1H−パーフルオロ−1,1−ブタンジオール、1H−パーフルオロ−1,1−ペンタンジオール、1H−パーフルオロ−1,1−ヘキサンジオール、1H−パーフルオロ−1,1−ヘプタンジオール、1H−パーフルオロ−1,1−オクタンジオール、1H−パーフルオロ−1,1−ノナンジオール、1H−パーフルオロ−1,1−デカンジオール、1H−パーフルオロ−1,1−ウンデカンジオール、1H−パーフルオロ−1,1−ドデカンジオール、3,3,3−トリフルオロ−1,2−プロパンジオール、1H,1H,2H−パーフルオロ−1,2−ブタンジオール、1H,1H,2H−パーフルオロ−1,2−ペンタンジオール、1H,1H,2H−パーフルオロ−1,2−ヘキサンジオール、1H,1H,2H−パーフルオロ−1,2−ヘプタンジオール、1H,1H,2H−パーフルオロ−1,2−オクタンジオール、1H,1H,2H−パーフルオロ−1,2−ノナンジオール、1H,1H,2H−パーフルオロ−1,2−デカンジオール、1H,1H,2H−パーフルオロ−1,2−ウンデカンジオール、1H,1H,2H−パーフルオロ−1,2−ドデカンジオール、1H,1H,2H−パーフルオロ−1,2−トリデカンジオール、1H,1H,2H−パーフルオロ−1,2−テトラデカンジオール、4,4,4−トリフルオロ−1,2−ブタンジオール、4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−1,2−ペンタンジオール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロ−1,2−ヘキサンジオール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロ−1,2−ヘプタンジオール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロ−1,2−オクタンジオール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロ−1,2−ノナンジオール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロ−1,2−デカンジオール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロ−1,2−ウンデカンジオール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロ−1,2−ドデカンジオール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロ−1,2−トリデカンジオール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロ−1,2−テトラデカンジオール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロ−1,2−ペンタデカンジオール、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロ−1,2−ヘキサデカンジオール、パーフルオロプロパン−2,2−ジオール、パーフルオロブタン−2,2−ジオール、パーフルオロペンタン−3,3−ジオール、パーフルオロデカン−2,2−ジオール、パーフルオロドデカン−2,2−ジオール、パーフルオロテトラデカン−2,2−ジオール、2H,3H−パーフルオロブタン−2,3−ジオール、2H,3H−パーフルオロペンタン−2,3−ジオール、2H,3H−パーフルオロウンデカン−2,3−ジオール、2H,3H−パーフルオロトリデカン−2,3−ジオール、2H,3H−パーフルオロペンタデカン−2,3 10−ジオール、2H,2H,3H,4H,5H,5H−パーフルオロヘキサン−3,4−ジオール、2H,2H,3H,4H,5H,5H−パーフルオロヘプタン−3,4−ジオール、2H,2H,3H,4H,5H,5H−パーフルオロトリデカン−3,4−ジオール、2−パーフルオロメチル−1H,1H−パーフルオロプロパン−1,2−ジオール、2−パーフルオロメチル−1H,1H−パーフルオロデカン−1,2−ジオール、2−パーフルオロメチル−1H,1H−パーフルオロドデカン−1,2−ジオール、2−(1H,1H−パーフルオロエチル)−1H,1H,3H,3H−パーフルオロブタン−1,2−ジオール、2−(1H,1H−パーフルオロエチル)−1H,1H,3H,3H−パーフルオロウンデカン−1,2−ジオール、2−(1H,1H−パーフルオロエチル)−1H,1H,3H,3H−パーフルオロトリデカン−1,2−ジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシパーフルオロ−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシパーフルオロ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシパーフルオロ−2−デシル)ベンゼン等が挙げられる。
上記の化合物の中で得られるコーティング剤の特性及び入手の容易さなどの観点から、1H,1H,8H,8H−パーフルオロ−1,8−オクタンジオール、1H,1H,9H,9H−パーフルオロ−1,9−ノナンジオール、1H,1H,10H,10H−パーフルオロ−1,10−デカンジオール、1H,1H,11H,11H−パーフルオロ−1,11−ウンデカンジオール、1H,1H,12H,12H−パーフルオロ−1,12−ドデカンジオール等が好ましい。
これらの基の元となる化合物は、分子量調整剤としての役割を果たす。この化合物としては、例えば、Rf2−OHで表される一価アルコールを挙げることができる。Rf2は、フッ素原子がひとつ以上導入された炭素数3〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基が好ましい。
で表されるフッ素原子を有する一価のフェノール化合物も好適に用いられる。
その具体例としては、p−(パーフルオロ−n−ノニル)フェノール、p−(パーフルオロ−n−オクチル)フェノール、p−(パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ)フェノール、p−(パーフルオロブチル)フェノール、4−パーフルオロデシル−2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、3−メチル−4−パーフルオロノニルフェノール、p−(2−1H,1H−パーフルオロトリデシルオキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)フェノール、3,5−ビス(パーフルオロヘキシルオキシカルボニル)フェノール、p−1H,1H−パーフルオロオクチルオキシフェノールが挙げられる。
さらに、分子量調整剤としてp−ヒドロキシ安息香酸パーフルオロドデシル、(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロデカン、2H,2H,9H−パーフルオロノナン酸等が挙げられる。
さらに分子量調整剤として、前記一般式(7)で表される基の元となる化合物として、下記一般式R5−Ye−COOH [式中、R5、Yおよびeは一般式(7)の場合と同じである]
で表されるフッ素原子を有する一価のカルボン酸またはそのハロゲン化物も用いることができる。
一価のカルボン酸またはそのハロゲン化物としては、炭素数5〜20のものが好ましい。
その具体例としては、パーフルオロヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロノナン酸、2H,2H−パーフルオロノナン酸、パーフルオロデカン酸、2H,2H,3H,3H−パーフルオロデカン酸、パーフルオロウンデカン酸、パーフルオロドデカン酸、パーフルオロトリデカン酸、パーフルオロテトラデカン酸、パーフルオロペンタデカン酸、パーフルオロヘキサデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸、又はこれらカルボン酸の酸ハロゲン化物等が好適に用いられる。これら一価のカルボン酸またはそのハロゲン化物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記の分子量調整剤の中で入手が容易であるという観点から、p−(パーフルオロ−n−ノニル)フェノール、p−(パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ)フェノール、1−(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロ−n−デカン、p−1H,1H−パーフルオロオクチルオキシフェノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノナノールが好ましく用いられる。
前記一般式(11)において、R7 、R8、R9は各々独立にアルキル基、アルコキシ基、またはアリール基、アリール置換アルケニル基および縮合多環式炭化水素基から選ばれる一価の置換基を示し、R8、R9は水素原子であってもよい。gは0〜4の整数、n1は1〜10の整数、n2は1〜100の整数を示す。n2は、好ましくは1〜50の整数である。
0.2〜2.0、さらに好ましくは、0.3〜1.7である。
たとえば、ポリカーボネート重合体Iの場合は、前記「一般式(1)で表される繰り返し単位」中のA1基を含むジヒドロキシ化合物と末端に反応性基を有する一般式(2)で表されるポリオルガノシロキサンおよび/またはフッ素原子を含む骨格の元となる化合物を適当な溶媒中において、公知の酸受容体および必要に応じて用いられる後記する分子量調整剤存在下に炭酸エステル形成性化合物と反応させればよい。
ポリカーボネート重合体IIの場合は、前記「一般式(3)で表される繰り返し単位」中のA2基を含むジヒドロキシ化合物とフッ素原子を含む骨格の元となる化合物を用いて前記と同様に反応させればよい。
なお、これらの反応において、フッ素原子を含む骨格の元となる化合物が分子量調整剤をかねる場合は新たに分子量調整剤を用いる必要はないが、そうでない場合は分子量調整剤を用いる。
例えば、カーボネート前駆体として、ホスゲン等のジハロゲン化カルボニル又はクロロホーメート等のハロホーメート類を用いる場合、この反応は、適当な溶媒中で、酸受容体(例えば、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属炭酸塩等の塩基性アルカリ金属化合物、あるいはピリジン等の有機塩基等)の存在下で行うことができる。アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸塩としては、各種のものが使用可能であるが、経済的な面から、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が好適に利用される。これらは、通常は水溶液として好適に使用される。上記カーボネート前駆体の使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。また、ホスゲン等のガス状のカーボネート前駆体を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。上記酸受容体の使用割合も、同様に反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、使用するジヒドロキシ化合物の合計モル数(通常、1モルは2当量に相当)に対して2倍当量もしくはこれより若干過剰量の酸受容体を用いることが好ましい。
また、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイト等の酸化防止剤を少量添加してもよい。
反応方式としては、連続法、半連続法、回分法等のいずれも採用可能である。
得られた反応生成物は(粗生成物)は公知の分離・精製法などの各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネート重合体として回収することができる。
本発明においては、ポリカーボネート重合体IまたはIIの還元粘度[ηsp/c]は前記のように、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液での20℃における測定で0.1〜3.0dl/gの範囲である。したがって、還元粘度をこの範囲に設定するには、前記の反応条件の選択、分子量調整剤の使用量などさまざまな方法を採用することができる。
また、場合により、得られたポリカーボネート重合体に適宜物理的処理(混合、分画等)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施して所定の還元粘度[ηsp/c]のポリカーボネート重合体として取得することもできる。
用い得る有機溶媒としては、以下の溶剤が挙げられる。すなわち、本発明におけるポリカーボネート重合体を溶解させるものであれば特に制限は無く、例えばn−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、ゴム揮発油などの脂肪族炭化水素溶剤;ズワゾール(丸善石油化学)、イプゾール(出光興産)などの石油系炭化水素溶剤;ミネラルスピリット、高沸点石油溶剤(インキオイル)、トルエン、アニソール、クロルベンゼン、キシレン、トリメチルベンゼン、ソルベントナフサ、テトラリン、ジペンテンなどの芳香族炭化水素溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、第二ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、2−メチルシクロヘキシルアルコール、トリデシルアルコール(トリデカノール)などのアルコール系溶剤;クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタンなどのハロゲン系炭化水素系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、二塩基酸エステル(DBE)などのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジアセトンアルコール(DAA)、イソホロンなどのケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセルソルブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)などのグリコールエーテル系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルセロソルブアセテート)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルカルビトールアセテート)などのグリコールエーテルエステル系溶剤等が挙げられる。
これらは1種または2種以上混合したものでもよい。
上記の溶剤の中で環境衛生、蒸発性、溶解性、取り扱い性および経済性などの観点から、非ハロゲン系溶剤であるシクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、イソホロン、トルエン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ズワゾール等の石油炭化水素、二塩基酸エステル等が好ましい。
本発明のコーティング剤中のポリカーボネート重合体の濃度は特に限定されず、取り扱いの容易性、コーティング作業の効率性の点から、通常1〜50質量%、好ましくは3〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
上記コーティング剤を調製する方法としては、特に限定されず、ポリカーボネート重合体と前記各種溶剤、必要に応じて添加剤を加えてボールミル、超音波、ペイントシェーカー、レッドデビル、サンドミル、ミキサー、アトライターなどを用いて溶解させる方法が挙げられる。
本発明のコーティング剤が塗布される基材としては、各種のプラスチックフィルムやシート、その他の成型品、特にポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂など特に透明性に優れた基材を用いることが好ましい。
さらに、特開平6−73358号公報及び特開平6−73359号公報に記載のフッ素含有エポキシ系化合物、特開平9−111189にて開示されている特定のビニルスルフィド化合物、メタクリル酸誘導体および該メタクリル酸誘導体とチオール類とのプレポリマーから選択される含イオウ化合物と非含イオウ化合物からなる光学接着剤用組成物、特開平2003−213243にて開示されている分子内に少なくとも一個のオキセタニル基を有する脂環式化合物と活性エネルギー線の照射および/または加熱によりカチオン重合を開始させる化合物を含む光学接着剤用組成物、特開2004−027140及び特開2004−027141に記載の光学接着剤組成物、市販の光学接着剤ではNTTアドバンステクノロジー社製の光学接着剤(エポキシ系:AT7195M、AT3064等)、光路結合用接着剤(アクリレート系:AT3279等)や光導波路形成樹脂なども適用できる。
硬化剤としては、目的に応じて酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤などを併用しても良い。酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、トリアジン変性フェノールノボラック樹脂などが挙げられる。アミン系硬化剤としては、例えばジシアンジアミドや、m−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'―ジアミノジフェニルスルホン、m−キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。これらの硬化剤は2種以上を併用してもよい。
これらの硬化剤の中では、硬化樹脂の透明性などの物性の点から、酸無水物系硬化剤が好適であり、中でも,ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸が最適である。
また、本発明で用いられるレンズ形成材料には、必要に応じて、従来から用いられている、例えば、硬化促進剤、劣化防止剤、変性剤、シランカップリング剤、脱泡剤、無機粉末、溶剤、レべリング剤、離型剤、染料、顔料などの、公知の各種の添加剤を適宜配合してもよい。
上記硬化促進剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、トリス(2,4,6−ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート等のリン化合物、4級アンモニウム塩、有機金属塩類、およびこれらの誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、あるいは、併用してもよい。これら硬化促進剤の中では、3級アミン類、イミダゾール類、リン化合物を用いることが好ましい。
硬化促進剤の含有率は、上記材料に対して、0.01〜8.0質量%であることが好ましく、より好ましくは、0.1〜3.0質量%である。
劣化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、リン系化合物などの、従来から公知の劣化防止剤が挙げられる。
フェノール系化合物としては、イルガノクス1010(Irganox1010、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス1076(Irganox1076、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス1330(Irganox1330、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス3114(Irganox3114、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス3125(Irganox3125、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、イルガノクス3790(Irganox3790、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)BHT、シアノクス1790(Cyanox1790、サイアナミド社、商標)、スミライザーGA−80(SumilizerGA−80、住友化学社、商標)などの市販品を挙げることができる。
アミン系化合物としては、イルガスタブFS042(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)、GENOX EP(クロンプトン社、商標、化合物名;ジアルキル−N−メチルアミンオキサイド)など、さらにはヒンダードアミン系である旭電化社製のADKSTAB LA−52、LA−57、LA−62、LA−63、LA−67、LA−68、LA−77、LA−82、LA−87、LA−94、CSC社製のTinuvin 123、144、440、662、Chimassorb 2020、119、944、Hoechst社製のHostavin N30、Cytec社製の Cyasorb UV−3346、UV−3526、GLC社製のUval 299、Clariant社製の Sanduvor PR−31等を挙げることができる。
有機硫黄系化合物としては、DSTP(ヨシトミ)(吉富社、商標)、DLTP(ヨシトミ)(吉富社、商標)、DLTOIB(吉富社、商標)、DMTP(ヨシトミ)(吉富社、商標)、Seenox 412S(シプロ化成社、商標)、Cyanox 1212(サイアナミド社、商標)などの市販品を挙げることができる。
変性剤としては、例えば、グリコール類、シリコーン類、アルコール類などの、従来から公知の変性剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えば、シラン系、チタネート系などの、従来から公知のシランカップリング剤が挙げられる。脱泡剤としては、例えば、シリコーン系などの、従来から公知の脱泡剤が挙げられる。無機粉末としては、用途に応じて粒径が数nm〜10μmのものが使用でき、例えば、ガラス粉末、シリカ粉末、チタニア、酸化亜鉛、アルミナなどの公知の無機粉末が挙げられる。溶剤としては、エポキシ樹脂が粉末の場合や、コーティングの希釈溶剤として、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤などが使用可能である。
本発明で用いられるエポキシ系化合物を含むエポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ系化合物成分及び硬化剤と各種添加剤を混合してレンズ形成材料とし、成形体にコーティングした後に、加熱硬化させる。硬化温度としては、50〜200℃、好ましくは100〜180℃である。50℃以上とすることにより硬化不良となることがなく、200℃以下とすることにより着色などを生じることが無くなる。硬化時間は使用するエポキシ樹脂、硬化剤、促進剤や開始剤によって異なるが、0.5〜6時間が好ましい。
中でも、マイクロレンズの形状制御や生産性の観点から、インクジェット塗工法およびスクリーン印刷法、スプレー塗工法が好適である。インクジェット印刷技術を利用したインクジェット塗工法がさらに好ましい。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン68.6g、2モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液550ml、塩化メチレン400ml、分子量調整剤であるp−(パーフルオロ−n−ノニル)フェノール0.8g及び触媒として10質量%濃度のトリエチルアミン水溶液3mlを混合して攪拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを340ml/分の割合で30分間吹き込んだ。反応終了後、有機相に塩化メチレン1リットルを加えて希釈し、水、希塩酸、水の順に洗浄した後、メタノール中に投入してポリカーボネート重合体を得た。このようにして得られた「ポリカーボネート重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.82dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(14)からなることが確認された。
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン65.5g、2モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液550ml、塩化メチレン400ml、分子量調整剤であるp−(パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ)フェノール0.9g及び触媒として10質量%濃度のトリエチルアミン水溶液3mlを混合して攪拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを340ml/分の割合で30分間吹き込んだ。反応終了後、有機相に塩化メチレン1リットルを加えて希釈し、水、希塩酸、水の順に洗浄した後、メタノール中に投入してポリカーボネート重合体を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.91dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(15)からなることが確認された。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン90.1g、2モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液550ml、塩化メチレン400ml、分子量調整剤である1−(p−ヒドロキシベンジル)パーフルオロ−n−デカン1.5g及び触媒として10質量%濃度のトリエチルアミン水溶液3mlを混合して攪拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを340ml/分の割合で30分間吹き込んだ。反応終了後、有機相に塩化メチレン1リットルを加えて希釈し、水、希塩酸、水の順に洗浄した後、メタノール中に投入してポリカーボネート重合体を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.51dl/gであった。
このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(16)からなることが確認された。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン68.6g、2モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液550ml、塩化メチレン400ml、分子量調整剤であるp−1H,1H−パーフルオロオクチルオキシフェノール0.8g及び触媒として10質量%濃度のトリエチルアミン水溶液3mlを混合して攪拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを340ml/分の割合で30分間吹き込んだ。反応終了後、有機相に塩化メチレン1リットルを加えて希釈し、水、希塩酸、水の順に洗浄した後、メタノール中に投入してポリカーボネート重合体を得た。このようにして得られたポリカーボネート重合体は、塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.79dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(17)からなることが確認された。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン100gを2モル/リットルの水酸化カリウム水溶液900ミリリットルに溶解した溶液と、塩化メチレン450ミリリットルとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ミリリットル/分の割合で約30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機相に重合度が2〜4であり、 分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を600ミリリットルとした後、4,4’−ビフェノール21gを2N水酸化ナトリウム溶液200ミリリットルに溶解した溶液と混合し、これに分子量調整剤である2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノールの2.8gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7質量%トリエチルアミン水溶液を2ミリリットル加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01モル/リットル塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入し、再沈精製した。このようにして得られたポリカーボネート重合体は塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が1.2dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(18)からなることが確認された。
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン110gを2モル/リットルの水酸化カリウム水溶液900ミリリットルに溶解した溶液と、塩化メチレン450ミリリットルとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ミリリットル/分の割合で約30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機相に重合度が2〜4であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を600ミリリットルとした後、4,4’−ビフェノール21gを2モル/リットル水酸化ナトリウム溶液200ミリリットルに溶解した溶液と混合し、これに分子量調整剤である2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノールの3.8gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7質量%トリエチルアミン水溶液を2ミリリットル加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01モル/リットル塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入し、再沈精製した。このようにして得られたポリカーボネート重合体は塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.6dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(19)からなることが確認された。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン103gを2モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液550ミリリットルに溶解した溶液と、塩化メチレン350ミリリットルとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ミリリットル/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機相に重合度が2〜4であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を600ミリリットルとした後、4,4’−ビフェノール21gを2モル/リットル水酸化ナトリウム溶液200ミリリットルに溶解した溶液と混合し、これに分子量調整剤である2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノナノールの3.5gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7質量%トリエチルアミン水溶液を2ミリリットル加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01モル/リットル塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入し、再沈精製した。このようにして得られたポリカーボネート重合体は塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.8dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(20)からなることが確認された。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン102gを2モル/リットルの水酸化カリウム水溶液550mlに溶解した溶液と、塩化メチレン350mlとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ml/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機層に重合度が2〜5であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を700mlとした後、末端フェノール変性ポリジメチルシロキサン(フェノール当量1600)7gと1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン7g、加え、さらに2モル/リットル水酸化カリウム溶液200ml溶液と混合し、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノールの2.0gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7質量%トリエチルアミン水溶液を2ml加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01モル/リットル塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入し、再沈精製した。このようにして得られたポリカーボネート重合体は塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.52dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(21)からなることが確認された。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタンの95gを2モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液550ミリリットルに溶解した溶液と、塩化メチレン350ミリリットルとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ミリリットル/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機相に重合度が2〜4であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を600ミリリットルとした後、4,4’−ビフェノールの21g及び下記構造式(22)のフェノール変性ポリジメチルシロキサンの1gを2モル/リットル水酸化ナトリウム溶液200ミリリットルに溶解した溶液と混合し、これに分子量調整剤である2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノナノールの3.5gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7質量%トリエチルアミン水溶液を2ミリリットル加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01モル/リットル塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入し、再沈精製した。このようにして得られたポリカーボネート重合体は塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.8dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(23)からなることが確認された。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン 102gを2モル/リットルの水酸化カリウム水溶液550mlに溶解した溶液と、塩化メチレン350mlとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ml/分の割合で30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機層に重合度が2〜4であり、分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を600mlとした後、4,4’−(1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)ビスフェノール15g及び末端フェノール変性ポリジメチルシロキサン(フェノール当量1600)5gを2モル/リットル水酸化カリウム溶液200mlに溶解した溶液と混合し、これに分子量調整剤であるp−tert−ブチルフェノール2.0gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7質量%トリエチルアミン水溶液を2ml加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで、水1.5リットルで2回、0.01モル/リットル塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入し、再沈精製した。このようにして得られたポリカーボネート重合体は塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.6dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(24)からなることが確認された。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン100gを2モル/リットルの水酸化カリウム水溶液900ミリリットルに溶解した溶液と、塩化メチレン450ミリリットルとを混合して撹拌しながら、冷却下、液中にホスゲンガスを950ミリリットル/分の割合で約30分間吹き込んだ。次いで、この反応液を静置分離し、有機相に重合度が2〜4であり、 分子末端にクロロホーメート基を有するオリゴマーの塩化メチレン溶液を得た。得られたオリゴマー溶液に塩化メチレンを加えて全量を600ミリリットルとした後、末端フェノール変性ポリジメチルシロキサン(フェノール当量1600)3.6g及び4,4’−ビフェノール19gを2N水酸化ナトリウム溶液200ミリリットルに溶解した溶液と混合し、これに末端停止剤である2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプタノール(H(CF2 )6 CH2 OH)6.0gを加えた。次いで、この混合液を激しく撹拌しながら、触媒として7%トリエチルアミン水溶液を2ミリリットル加え、25℃において撹拌下で1.5時間反応を行った。反応終了後、反応生成物を塩化メチレン1リットルで希釈し、次いで水1.5リットルで2回、0.01規定塩酸1リットル、水1リットルで2回の順に洗浄し、有機相をメタノール中に投入し、再沈精製した。このようにして得られたポリマーは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.5dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(25)からなることが確認された。
モノマー原料として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン60.2g、末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール0.9gを用いた以外は、合成例5と同様の操作により合成した。このようにして得られたポリマーは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.9dl/gであった。
モノマー原料として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン68.5g、末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノール0.3gを用いた以外は、合成例5と同様の操作により合成した。このようにして得られたポリマーは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.6dl/gであった。
末端停止剤として、p−tert−ブチルフェノール0.9gを用いた以外は、合成例5と同様の操作により合成した。このようにして得られたポリマーは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.8dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(26)からなることが確認された。
末端停止剤として、p−tert−ブチルフェノール1.0gを用いた以外は、合成例7と同様の操作により合成した。このようにして得られたポリマーは塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.7dl/gであった。このポリカーボネート重合体は1H−NMRスペクトル分析より下記の構造式(27)からなることが確認された。
合成例1〜11(合成例1で得られたポリカーボネート重合体を実施例1で、合成例2で得られたポリカーボネート重合体を実施例2で使用。以下、同様)及び比較合成例1〜4で得られたポリカーボネート重合体(いずれもフレーク状)を用い、ポリカーボネート重合体5重量部、シクロヘキサノン溶剤95重量部の割合で混合、攪拌しコーティング剤を作製した。
上記コーティング剤をポリカーボネート樹脂基板(出光興産社製、タフロンA1900を射出成型した基材、100×100×厚み3mm)の片面にアプリケータを用いて塗布し、120℃で6時間乾燥してコーティングされた成型体を得た。外観については、コーティング面に白化が見られるどうかを目視にて判定した。
次に、レンズ形成材料として、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社、商標、化合物名:3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3,’4'−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート)100部、Irgacure 250(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商標)3部からなる光カチオン硬化型材料を調整し、マイクロディスペンサーに充填して、コーティングされた成型体表面に、単位面積当たり100ドット/cm2の割合で滴下した後、UV硬化機(アイグラフィック社製、ECS−301G1)により、紫外線3000mJを照射して硬化させ、マイクロレンズ構造を形成した。
得られた成型体の外観を観察し、密着性、曇り度(透明性)、水に対する接触角、さらにマイクロレンズ構造を形成したコーティングされた成型体のレンズ形状率、輝度の値を第1表に示す。それらの測定方法は下記の通りである。
<還元粘度(ηsp/c)>
各「ポリカーボネート重合体」の濃度が0.5g/dlになるように塩化メチレンに溶解した溶液の20℃における還元粘度(ηsp/c)を、離合社製、自動粘度測定装置VMR−042を用い、自動粘度用ウッベローデ改良型粘度計(RM型)で測定した。
<塗液の保存安定性>
各「コーティング剤」を常温で1日放置した後、塗液がゲル化しているかどうかを目視にて観察し、以下の基準で判定した。
ゲルが全く観察されないもの:○
ゲルが観察されるもの:×
<密着性>
JIS K5400に準じて1mm間隔で縦横11本、計100個の碁盤目を作り、ニチバン製セロテープを接着した後、90度方向に急激に剥がした。被膜が剥離せずに残った桝目の数を「残存桝目数/100」で表わした。
<透明性>
ヘイズメータ(スガ試験機社製、HGM−2DP型)を用いて曇り度を測定した。
<マイクロレンズ形状率>
マイクロレンズを10個選び、その高さをドット径で割り%で表したものである。なお、マイクロレンズの高さはオリンパス光学社製走査型レーザー顕微鏡を用い測定した。
<撥水性>
コーティング成型体表面に超純水を滴下し、エルマゴニオメータ式接触角測定器(エルマ光学社製、G−I型)を用いて接触角を測定した。
<レンズ形状率>
コーティング体表面に形成したマイクロレンズを10個選び、その高さをドット半径で割り、形状率(%)を算出した。なおマイクロレンズの半径及び高さは、走査型レーザー顕微鏡(オリンパス光学社製)を用いて測定した。
<輝度>
コーティング層の上にマイクロレンズを形成した成型体の裏面(マイクロプリズムを形成した側)及び側面を高反射率材料(出光石油化学社製、タフロンHR2500を射出成形)のプレート(厚さ3mm)で覆い、光源側エッジより冷陰極管(ハリソン電機社製、HMBS26E)で照射し、導光板表面を乳白のアクリル板(三菱レイヨン社製、アクリライト432、厚さ2mm)で覆い、導光板の中央部の輝度を測定(ミノルタ社製、LS−110を使用)した。
Claims (9)
- 一般式(1)
で表される繰り返し単位と、一般式(2)
で表されるシロキサン骨格および/または重合体末端に下記一般式(5)〜(10)
のいずれかで表されるフッ素原子を含む基を有し、かつ塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート重合体および有機溶剤を含むコーティング剤を基材表面に塗布してコーティング層を形成させてなる成型体の表面に、レンズ形成材料を塗布してなるマイクロレンズ構造を有する光学部材。 - 一般式(3)
で表される二価のポリオルガノシロキサンフェノール変性物残基の中から選ばれる少なくとも1種の残基を示す]
で表される繰り返し単位と重合体末端に下記一般式(5)〜(10)
のいずれかで表されるフッ素原子を含む基を有し、かつ塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[ηsp/c]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート重合体及び有機溶剤を含むことを特徴とするコーティング剤を基材表面に塗布してコーティング層を形成させてなる成型体の表面に、レンズ形成材料を塗布してなるマイクロレンズ構造を有する光学部材。 - 二価のフェノール性水酸基を有する化合物残基が下記一般式(13)
で表される基を含む請求項1又は2に記載の光学部材。 - 有機溶剤が非ハロゲン系溶剤から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の光学部材。
- インクジェット印刷技術によりレンズ形成材料を塗布してなる請求項1〜4のいずれかに記載の光学部材。
- 導光板、偏光板、反射板、拡散板、三次元立体視ディスプレイ用マイクロレンズアレイデバイスのいずれかである請求項1〜5のいずれかに記載の光学部材。
- 一般式(1)
で表される繰り返し単位と、一般式(2)
で表されるシロキサン骨格および重合体末端に下記一般式(5)〜(10)
のいずれかで表されるフッ素原子を含む基を有し、かつ塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[η sp /c]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート重合体および有機溶剤を含むコーティング剤。 - 一般式(3)
で表される二価のポリオルガノシロキサンフェノール変性物残基を示す]
で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート重合体であって、重合体末端にのみフッ素原子を含む基を有し、該フッ素原子を含む基が下記一般式(5)〜(10)
のいずれかで表され、かつ塩化メチレンを溶媒とする濃度0.5g/dl溶液の20℃における還元粘度[η sp /c]が0.1〜3.0dl/gであるポリカーボネート重合体及び有機溶剤を含むことを特徴とするコーティング剤。 - 有機溶剤が非ハロゲン系溶剤から選ばれる少なくとも1種である請求項7又は8に記載のコーティング剤。
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