JP2004117955A - マイクロ樹脂レンズの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】屈折率を制御でき、高い光透過率と高い寸法安定性を有するマイクロ樹脂レンズの製造方法を提供する。
【解決手段】無溶剤で、硬化後の屈折率を1.31〜1.67の範囲で制御でき、硬化収縮率が10%以下であり、粘度が200cps(0.2Ps・s)以下であり、硬化後の透明性が0.6〜1.6ミクロン波長帯において5dB(デシベル)/cm以下となるように調整した液体状の樹脂組成物を、インクジェット方式のインクジェットヘッド2の微小ノズルまたはディスペンサ方式のシリンジの微小ノズルから供給量を制御して基板上に射出または吐出させることにより、基板上に微小量の液体状の樹脂組成物よりなる球面化物を形成した後、硬化させて作製するマイクロ樹脂レンズの製造方法とする。
【選択図】図1
【解決手段】無溶剤で、硬化後の屈折率を1.31〜1.67の範囲で制御でき、硬化収縮率が10%以下であり、粘度が200cps(0.2Ps・s)以下であり、硬化後の透明性が0.6〜1.6ミクロン波長帯において5dB(デシベル)/cm以下となるように調整した液体状の樹脂組成物を、インクジェット方式のインクジェットヘッド2の微小ノズルまたはディスペンサ方式のシリンジの微小ノズルから供給量を制御して基板上に射出または吐出させることにより、基板上に微小量の液体状の樹脂組成物よりなる球面化物を形成した後、硬化させて作製するマイクロ樹脂レンズの製造方法とする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信分野に好適に用いられるマイクロ樹脂レンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
直径数mm以下のマイクロレンズ、およびそれを格子状に配置したマイクロレンズアレイは、光通信分野におけるレーザダイオードと光ファイバ間の光結合系や、プリンタやコピー機などのイメージング装置、CDやDVDにおける光ピックアップ機構などに使用されている。
従来、マイクロレンズはガラスの機械加工、もしくは化学的な工法によって作製されてきたが、近年、低コスト化の要望から、樹脂材料を用いたプラスチックレンズによって置き換わりつつある。光インタコネクション分野におけるマイクロレンズアレイの中には、マルチモード光ビームの結合系も含まれており、必ずしも非球面化は必須の条件ではなくなってきたことも、プラスチック化を促進する一つの要因であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのマイクロレンズアレイは、いずれも作製工程上、レンズアレイを作製するための基材(基板)が不可欠であり、一般的にはガラスや石英を基材として提供される。この基材は、レンズアレイを高精度に配置するための支持材であると共に、アライメントマーカーを同時に組込んでおくことで、光ファイバアレイやレーザダイオードアレイなどの光部品とのアライメントにも利用される。すなわち、レンズ機能のみに着眼するならば、この基材はレンズ特性に大きな影響を与えるものではない。そして、この高精度なアセンブリ工程が、モジュール実装コストの増加を招いており、マイクロレンズアレイの導入を難しくしていた。
【0004】
そこで、新しいマイクロレンズ作製方法として、インクジェット方式を用いた作製方法が提案されている(特願平10−358936号;特開2000−180605号公報)。これは、液状樹脂をターゲット部分に微小量だけ滴下し、表面張力によって形成される球面形状を利用するものである。ターゲットとして、半導体レーザや光ファイバ、光導波路、パッケージリッド(ウィンドウ)などを自在に選ぶことができるため、従来不可欠であったレンズ部品と光部品とのアライメント工程を簡素化でき、実装コストを下げることができるという特徴を持っている。
【0005】
しかしながら、インクジェット方式において使用できる樹脂材料としては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂が提案されているに過きず、具体的な分子組成を明示した樹脂材料の提示はなかった。
【0006】
本発明の目的は、屈折率を制御でき、高い光透過率と高い寸法安定性を有するマイクロ樹脂レンズの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構成とするものである。すなわち、
請求項1に記載のように、無溶剤で、硬化後の屈折率を1.31〜1.67の範囲で制御でき、硬化収縮率が10%以下であり、粘度が200cps(センチポアズ):0.2Ps・s以下であり、硬化後の透明性が0.6〜1.6ミクロン波長帯において5dB(デシベル)/cm以下となるように調整した液体状の樹脂組成物を、微小ノズルから供給量を制御して基板上に射出または吐出させることにより、該基板上で微小量の上記樹脂組成物よりなる球面化物を形成した後、硬化させて作製するマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載のように、請求項1において、上記液体状の樹脂組成物は、ビニルエーテル系樹脂、脂環型エポキシ系樹脂、線状脂肪族エポキシ系樹脂、フッ素化エポキシ系樹脂、ブロム化エポキシ系樹脂、イオウ含有エポキシ系樹脂、またはオキセタン類の内の少なくとも1種を必須成分として含む紫外線硬化樹脂組成物からなり、該樹脂組成物を紫外線硬化させるマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0009】
また、請求項3に記載のように、請求項1において、上記液体状の樹脂組成物は、アクリル系樹脂を必須成分として含む紫外線硬化樹脂組成物もしくは熱硬化樹脂組成物からなり、該樹脂組成物を紫外線硬化もしくは熱硬化させるマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0010】
また、請求項4に記載のように、請求項2において、上記液体状の紫外線硬化樹脂組成物に加える他の構成成分として、エポキシ樹脂またはその変性物、希釈剤、硬化剤、重合開始剤、またはシランカップリング剤の内の少なくとも1種を含むマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0011】
また、請求項5に記載のように、請求項3において、上記液体状の紫外線硬化樹脂組成物に加える他の構成成分として、アクリル樹脂またはその変性物、希釈剤、硬化剤、重合開始剤、またはシランカップリング剤の内の少なくとも1種を含むマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0012】
また、請求項6に記載のように、請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、使用する基板の表面に撥水性の物質をコーティングして上記基板の表面撥水性を調整することによりマイクロレンズのFナンバーを制御するマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0013】
また、請求項7に記載のように、請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、上記液体状の樹脂組成物をインクジェットヘッドに充填し、微小ノズルから滴下量を制御して基板上に射出して微小量の液体状の樹脂を球面化させ、硬化して作製するマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0014】
また、請求項8に記載のように、請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、上記液体状の樹脂組成物をシリンジ内に充填し、該シリンジの先端に取り付けたニードルから基板上に押出し吐出して、微小量の液体状の樹脂を球面化させ、硬化して作製するマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0015】
本発明を概説すれば、屈折率を制御でき、高い光透過率と高い寸法安定性を有する液体状の樹脂組成物を用い、インクジェット方式あるいはディスペンサ方式などの方法により、マイクロ樹脂レンズを製造する方法に関する発明であって、屈折率を1.31〜1.67の範囲で制御でき、かつ無溶剤で、ビニルエーテル系樹脂、脂環型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、イオウ含有エポキシ樹脂、オキセタン類またはアクリル樹脂のいずれかを必須成分とする樹脂組成物を用い、これを、基板上に射出または吐出して、微小量の液体が基板上で球面化される現象を利用し、硬化させて所望の特性、機能を有するマイクロ樹脂レンズを製造する方法である。
【0016】
また、基板(基材)に射出した際の接触角を制御し、さらに紫外線照射あるいは熱による硬化時の体積収縮率を低く抑えることが可能であるため、インクジェット方式によって、簡便に球面レンズを形成することができる。また、樹脂の屈折率を制御することも可能であるために、接触角の調整手法と合わせて、さまざまなレンズ特性を有するマイクロレンズを実現できる。さらに、いずれの樹脂も可視波長域から赤外波長域に至るまで、高い透過率を有し、高いガラス転移温度を有しているために、使用波長、使用環境や形成工程に対する制約が少なく、マイクロ樹脂レンズの形成方法として広く適用されるマイクロ樹脂レンズの製造方法である。
【0017】
本発明における紫外線硬化樹脂の他の構成要素として、従来のエポキシ樹脂、またはその変性物あるいはアクリル樹脂またはその変性物のほか、希釈剤、硬化(重合開始)剤、カリング剤等を含んでもよい。ビニルエーテル系樹脂や脂肪族エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、イオウ含有エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂は単独で用いても良いし、混合物として用いてもよい。所定の屈折率の紫外線硬化樹脂を得るためには、混合物を用いる方が好適である。混合物として用いる場合、相分離等することなく好適に混合できることが重要である。
【0018】
本発明の樹脂組成物のうち、ビニルエーテル系樹脂としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、14−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等がある。
【0019】
本発明の樹脂組成物のうち、フッ素を分子内に含まない脂肪族環状エポキシ化合物として使用されるエポキシ化合物の例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エ一テル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサンなどが挙げられる。
【0020】
本発明の樹脂組成物のうち、フッ素化エポキシ樹脂としては、下記の(化1)式および(化2)式で示される構造のエポキシ樹脂が挙げられる。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
ビスフェノール型エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールGジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、ビスフェノールCジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0023】
ブロム化エポキシ樹脂の例としては、ジブロモメチルフェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ブロモメチルフェニルグリシジルエーテル、ブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモメタクレシジルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0024】
本発明の樹脂組成物のうち、イオウ含有エポキシ樹脂の例としては、ビス4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニルサルファイドなどが挙げられる。
【0025】
本発明の樹脂組成物のうち、アクリル系樹脂としては、アクリレート化合物と混合して炭素−炭素2重結合を分子内に少なくとも1個有する反応性オリゴマーまたはプレポリマーとして知られる公知の化合物を用いることも可能である。このような化合物としては、
(1)多塩基性カルボン酸と多価アルコールおよびエチレン性不飽和モノカルボン酸との縮合オリゴメリゼーションによって得られるエチレン性不飽和ポリエステル類、
(2)多価エポキシ化合物にエチレン性不飽和モノカルボン酸を付加して得られる化合物類、
(3)ポリエーテルポリオールのエチレン性不飽和モノカルボン酸エステル類、
(4)多価イソシアネート化合物にエチレン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステルを付加して得られるエチレン性不飽和ポリウレタン類、ジアリルフタレートプレポリマー、ジアリルイソフタレートプレポリマー、ジアリルテレフタレートイソポリマーなどを挙げることができる。
【0026】
上記(1)の具体例としては、無水マレイン酸、プロピレングリコール、および(メタ)アクリル酸との縮合オリゴマリゼーションによって得られるオリゴエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0027】
上記(2)の具体例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加したエポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAエポキシドに(メタ)アクリル酸を付加したエポキシ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0028】
上記(3)の具体例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0029】
上記(4)の具体例としては、エチレングリコールに過剰のジイソシアネートを反応させて得られる両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0030】
本発明のマイクロレンズに用いる反応性オリゴマーの高分子化は、成分中に含まれる反応基間の光による反応によって重合することで行われる。反応を効率よく十分に起こさせるためには光重合開始剤を添加することが望ましい。光重合開始剤としては一般に光重合開始剤として用いられているものであればよく、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾイルイソブチルエーテル、2−クロロチオキサントン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。
【0031】
反応性希釈剤としては、スチレン、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、ブチレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ジシクロベンチニルアクリレート変性物、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
【0032】
また、フッ素化アクリル樹脂としては、化学式CH2=CHCOO−CH2(CF2)nCH2−OCOCH=CH2(ここで、nは1以上の正数)で示されるアクリレート樹脂や、フッ素を含有するエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ブタジエンアクリレート等の各種アクリレート樹脂またはその変性物である。
【0033】
また、イオウ含有アクリル樹脂としては、ビス4−メタクロキシチオフェニルサルファイドがある。また、イオウ含有ビニル樹脂としては、ビス4−ビニルチオフェニルサルファイドがある。
【0034】
本発明の樹脂組成物のうち、オキセタン類としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、1,4−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン、ジ(1−エチル(3−オキセタニル))メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルメチル)オキセタンがある。
【0035】
上記に挙げた脂肪族環状エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂以外に副成分として種々のエポキシ樹脂を加えることができる。加える樹脂は、エポキシ基を持っていればどのような樹脂でもよいが、例えば、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ポリ−1,4−(2,3−エポキシブタン)−co−1,2−(3,4−エポキシ)−co−1,4−ブタジエンジオール、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールペンタ(オキシエチレン)グリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ラウリルアルコールペンタデカ(オキシエチレン)グリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルフタルイミド、セチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、p−オクチルフェニルグリシジルエーテル、p−フェニルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルベンゾエート、グリシジルアセテート、グリシジルブチレート、スピログリコールジグリシジルエーテル、1,3−ビス−〔1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル〕ベンゼン、4,4′−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)オクタフルオロビフェニル、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−パラアミノフェノール、トリグリシジル−メタアミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトリブロムアニリン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラフルオロプロピルグリシジルエーテル、オタタフルオロペンチルグリシジルエーテル、ドデカフルオロオクチルジグリシジルエーテル、スチレンオキシド、リモネンジエポキシド、リモネンモノオキシド、α−ピネンエポキシド、β−ピネンエポキシドなどのエポキシ化合物が挙げられる。
【0036】
本発明における紫外線硬化樹脂の光重合開始剤としては、紫外線によりエポキシ基と反応するものであれば何でもよいが、例えば、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ジアゾニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族スルフオニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ヨードニウム塩、芳香族ヨードシル塩、芳香族スルホキソニウム塩、メタロセン化合物などが挙げられる。
【0037】
さらに、本発明の紫外線硬化樹脂に基板やコア材との接着性を良くするためにシランカップリング剤を加えることができる。シランカップリング剤の例としては、γ一アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス〔β−(アミノエチル)〕−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロリド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアヌルプロピルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を挙げ、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0039】
〈実施の形態1〉
表1は、樹脂材料Aおよび樹脂材料Bの主要特性〔粘度cps(センチポアズ):1cps=0.001Ps・s、屈折率、接触角、ガラス転移温度Tg、硬化収縮率%〕と、レンズ化した際のレンズFナンバー等を示す。
【0040】
【表1】
表2は、実施の形態1(樹脂材料A)、実施の形態2(樹脂材料B)、を比較例1〜4と対比して、材料特性〔粘度cps、硬化収縮率%、屈折率、透明性、ガラス転移温度Tg、レンズ形成(制御性)、レンズ性能(寸法安定性)、(透明性)、(耐はんだリフロー性)等〕を示す。
【0041】
【表2】
【0042】
ビニルエーテル系樹脂(1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル)および脂環型エポキシ樹脂(ビニルシクロヘキサンジオキサイド)およびスルフォニウム塩系光重合開始剤からなる紫外線硬化樹脂(粘度=6cps(0.006Ps・s)「表1参照」、硬化後屈折率=1.513、Tg(ガラス転移温度)>250℃、硬化収縮率=約6%:これを樹脂Aとする)をインクジェットヘッドに充填し、ピエゾ駆動方式にて微小量の液滴を射出することができる。図1に、セイコーエプソン社製インクジェットプリンタMJ−930Cの構成の概要を示す。なお、図1において、1はインクジェットプリンタ、2はインクジェットヘッド、3はZ−ステージ、4はレンズ用液状樹脂、10は基板(基材)、11は台を示す。
【0043】
上記インクジェットプリンタ1を用いて、1pl(ピコリットル)以上の液滴を基板上に射出すると、液滴は基板上で、ある接触角を保つ。この液滴に対して、100mW/cm2、5分の紫外線照射を行うことにより固体化させることができる。実験を行ったところ、シリコンウエハを基板とした場合、接触角は11°(度)であった。また、硬化後の形状はその外形の9割以上の領域において球面と近似でき、球面レンズと仮定した時のFナンバーは、屈折率1.513を代入して5.1と算出される。このようにして作製されるレンズは、液滴の一回当りの射出量を増やすか、もしくは同一箇所に複数回、射出を繰り返すことによって、容易にレンズの直径を大きくすることができる。しかも、射出量に関わらず接触角はほぼ一定に保たれるため、レンズのFナンバーもレンズサイズに関わらず同一の値を取ることができる。すなわち、樹脂材料と基板材料の組合せを適切に選ぶことによって、所望のFナンバーを有するマイクロ樹脂レンズ(以下、単にマイクロレンズとも言う)を実現することができる。
【0044】
また、このようなマイクロレンズ作製手法においては、紫外線硬化によって表面に皺が発生したり、中央部が凹んだドーナツ型になったりする事態は、レンズの球面形状、特に曲率半径がマイクロレンズの特性を決定するために好ましくなく、実験によれば、10%以上の硬化収縮率を有する樹脂材料を用いてレンズ化した場合、表面に収縮による皺が発生し、また、所望の曲率を得ることは難しかった(比較例2)。したがって、使用する樹脂材料には、硬化収縮率を10%以下にすることが求められる。上記樹脂Aを用いて微小液滴を射出し、紫外線硬化させた後の樹脂表面は皺やクラックのない滑らかなマイクロレンズが得られ、レンズの形状変化はほとんど見られなかった。
【0045】
また、マイクロレンズには、使用する波長の光に対して高い透過率を有することが求められる。上記表2に示した比較例3(ジシクロ型エポキシ/脂環型エポキシ稀釈材/スルフォニウム塩系光重合開始剤)は、粘度、屈折率、硬化収縮率、ガラス転移温度の点において優れた特性を実現するが、0.6〜1.6ミクロン帯の光に対して10dB(デシベル)/cmもの透過損失を生じる。このような高い光損失は、伝搬すべき光信号の強度を弱めてしまうためにシステム設計上好ましくない。
【0046】
また、ガラス転移温度が高いことも求められる。比較例4に示す樹脂材料(3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン/ビスフェノールF型エポキシ/スルフォニウム塩系光重合開始剤)は80℃程度のガラス転移温度を有するが、これを用いて、260℃10秒間の、はんだ浴試験を行ったところ、黄色化し、透過率が激減した。また、ガラス転移温度より高い使用環境温度である場合、樹脂が軟化し、球面形状が崩れてしまう。これは、すなわちレンズ特性が劣化することを意味しており、本発明で対象とするようなマイクロレンズヘの応用を考えた場合、致命的な問題となる。上記樹脂Aのガラス転移温度は、完全硬化時には250℃以上ときわめて高い。したがって、半導体レーザと光ファイバ間の光結合系をはじめとするモジュール内実装においても十分適用できる。さらに、プリント基板への、はんだリフロー搭載プロセスにも十分な耐熱性を有している。
【0047】
上記表1に樹脂Aと樹脂Bの主要特性およびレンズ化した際のレンズFナンバーを示す。なお、図1にはインクジェット方式によるマイクロレンズの作製工程を示しており、樹脂Aを用いてインクジェット方式によって面発光レーザの発光部上にマイクロレンズを直接形成したところ、上記表1の樹脂Aに示す特性、および表2の実施の形態1に示す、ガラス転移温度が高く、レンズ形成制御性が良く、寸法安定性、透明性、耐はんだリフロー性の良い所望の特性を有するマイクロレンズを作製することができた。
【0048】
しかし、ピエゾ駆動型のインクジェットヘッドを利用する場合、高粘度の樹脂を射出することは困難である。ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート828)および脂環型エポキシ樹脂(ビニルシクロヘキサンジオキサイド)およびスルフォニウム塩系光重合開始剤からなる紫外線硬化樹脂では、上記ヘッドが目詰まりするため、安定した射出が得られない。実験を行ったところ、インクジェットヘッドで射出できる樹脂粘度の範囲は、約200cps(0.2Ps・s)以下であった。また、市販のインクジェットプリンタに用いられているヘッドを用いるのであれば、樹脂粘度を10cps(0.01Ps・s)以下の範囲内にすることが望ましいことを確認している。
【0049】
〈実施の形態2〉
実施の形態1に記載した材料(樹脂A)よりも高い粘度を有する樹脂Bを用いれば、基板との接触角を大きくでき、よりFナンバーの小さいマイクロレンズを実現できると考えられる。そこで、脂環型エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキサンジオキサイド)、およびスルフォニウム塩系光重合開始剤からなる紫外線硬化樹脂(粘度=120cps(0.12Ps・s)、硬化後屈折率=1.51、ガラス転移温度Tg=218℃、硬化収縮率=約5%;これを樹脂Bとする)を用いてマイクロレンズを形成した。測定した接触角、およびレンズFナンバーを表1に併記する。この樹脂Bを用いると、接触角は26.9°(度)と測定され、レンズFナンバーは2.1と算出され、樹脂Aを用いたマイクロレンズと比較して確かにFナンバーの小さい特性を実現できることを確認した。
【0050】
樹脂Bも樹脂Aと同様に、200℃以上のガラス転移温度を有しているため耐熱性に優れ、また硬化収縮率も数%以下と小さいため、紫外線照射前後における形状変化はほとんど見られなかった。
【0051】
また、上記樹脂Aおよび樹脂Bは、基板の表面撥水性を制御することによっても、異なる特性のFナンバーを実現できる。例えば、シリコンウエハ上に撥水性の高い樹脂をコーティングした場合、樹脂AによるマイクロレンズのFナンバーは2.0であり、樹脂Bを用いたマイクロレンズでは1.0であった。
【0052】
なお、上記説明において、微小量の液体がもつ表面張力を利用したマイクロ樹脂レンズの形成手法として、インクジェット方式を挙げたが、本発明の樹脂は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、ディスペンサを用いて、同様に微小量の液体を吐出することができるが、このディスペンサ方式により上記本発明の樹脂材料Bを用いてマイクロレンズの形成を行っても良好な性能および機能を有するマイクロ樹脂レンズが実現できることを実験的に確認している。
【0053】
図2は、ディスペンサ方式によるマイクロレンズの作製手法を示す模式図である。図2に示すように、シリンジ5内に充填した液状の紫外線硬化樹脂を、シリンジ5の先端に取り付けたニードルから押し出す構造になっている。エアーまたはボールネジ等を用いた押出し手段8により液状の樹脂組成物をを押出す方式であるため、図1に示すインクジェット方式と比べて、高い粘度の樹脂を吐出することも可能である。実験によれば10000cps(10Ps・s)以上の粘度を有する樹脂の吐出も可能であることを実験的に確認している。
【0054】
このディスペンサ方式を用いて、上記表1に示す樹脂材料Bを使用してマイクロ樹脂レンズを面発光レーザの発光部中心の上方に形成したところ、上記表1の樹脂Bに示す特性、および表2の実施の形態2に示す、ガラス転移温度が高く、レンズ形成制御性が良く、寸法安定性、透明性、耐はんだリフロー性の良い所望の特性を有するマイクロ樹脂レンズを作製することができた。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明はビニルエーテル型樹脂ないしは脂肪族型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、イオウ含有エポキシ樹脂、あるいはアクリル樹脂、あるいはオキセタン類をべースとして、粘度と屈折率の制御が可能で、高い光透過率と優れた耐熱性を有する紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂よりなる所望の性能および機能を持つマイクロ樹脂レンズを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で例示したインクジェット方式によるマイクロ樹脂レンズ作製方法を示す説明図。
【図2】本発明の実施の形態で例示したディスペンサ方式によるマイクロ樹脂レンズ作製方法を示す説明図。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ
2…インクジェットヘッド
3…Z−ステージ
4…レンズ用液状樹脂
5…シリンジ
6…ニードル
7…レンズ用液状樹脂(高粘度液状樹脂)
8…押出し手段
9…Z−ステージ
10…基板
11…台
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信分野に好適に用いられるマイクロ樹脂レンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
直径数mm以下のマイクロレンズ、およびそれを格子状に配置したマイクロレンズアレイは、光通信分野におけるレーザダイオードと光ファイバ間の光結合系や、プリンタやコピー機などのイメージング装置、CDやDVDにおける光ピックアップ機構などに使用されている。
従来、マイクロレンズはガラスの機械加工、もしくは化学的な工法によって作製されてきたが、近年、低コスト化の要望から、樹脂材料を用いたプラスチックレンズによって置き換わりつつある。光インタコネクション分野におけるマイクロレンズアレイの中には、マルチモード光ビームの結合系も含まれており、必ずしも非球面化は必須の条件ではなくなってきたことも、プラスチック化を促進する一つの要因であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのマイクロレンズアレイは、いずれも作製工程上、レンズアレイを作製するための基材(基板)が不可欠であり、一般的にはガラスや石英を基材として提供される。この基材は、レンズアレイを高精度に配置するための支持材であると共に、アライメントマーカーを同時に組込んでおくことで、光ファイバアレイやレーザダイオードアレイなどの光部品とのアライメントにも利用される。すなわち、レンズ機能のみに着眼するならば、この基材はレンズ特性に大きな影響を与えるものではない。そして、この高精度なアセンブリ工程が、モジュール実装コストの増加を招いており、マイクロレンズアレイの導入を難しくしていた。
【0004】
そこで、新しいマイクロレンズ作製方法として、インクジェット方式を用いた作製方法が提案されている(特願平10−358936号;特開2000−180605号公報)。これは、液状樹脂をターゲット部分に微小量だけ滴下し、表面張力によって形成される球面形状を利用するものである。ターゲットとして、半導体レーザや光ファイバ、光導波路、パッケージリッド(ウィンドウ)などを自在に選ぶことができるため、従来不可欠であったレンズ部品と光部品とのアライメント工程を簡素化でき、実装コストを下げることができるという特徴を持っている。
【0005】
しかしながら、インクジェット方式において使用できる樹脂材料としては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂が提案されているに過きず、具体的な分子組成を明示した樹脂材料の提示はなかった。
【0006】
本発明の目的は、屈折率を制御でき、高い光透過率と高い寸法安定性を有するマイクロ樹脂レンズの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構成とするものである。すなわち、
請求項1に記載のように、無溶剤で、硬化後の屈折率を1.31〜1.67の範囲で制御でき、硬化収縮率が10%以下であり、粘度が200cps(センチポアズ):0.2Ps・s以下であり、硬化後の透明性が0.6〜1.6ミクロン波長帯において5dB(デシベル)/cm以下となるように調整した液体状の樹脂組成物を、微小ノズルから供給量を制御して基板上に射出または吐出させることにより、該基板上で微小量の上記樹脂組成物よりなる球面化物を形成した後、硬化させて作製するマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載のように、請求項1において、上記液体状の樹脂組成物は、ビニルエーテル系樹脂、脂環型エポキシ系樹脂、線状脂肪族エポキシ系樹脂、フッ素化エポキシ系樹脂、ブロム化エポキシ系樹脂、イオウ含有エポキシ系樹脂、またはオキセタン類の内の少なくとも1種を必須成分として含む紫外線硬化樹脂組成物からなり、該樹脂組成物を紫外線硬化させるマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0009】
また、請求項3に記載のように、請求項1において、上記液体状の樹脂組成物は、アクリル系樹脂を必須成分として含む紫外線硬化樹脂組成物もしくは熱硬化樹脂組成物からなり、該樹脂組成物を紫外線硬化もしくは熱硬化させるマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0010】
また、請求項4に記載のように、請求項2において、上記液体状の紫外線硬化樹脂組成物に加える他の構成成分として、エポキシ樹脂またはその変性物、希釈剤、硬化剤、重合開始剤、またはシランカップリング剤の内の少なくとも1種を含むマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0011】
また、請求項5に記載のように、請求項3において、上記液体状の紫外線硬化樹脂組成物に加える他の構成成分として、アクリル樹脂またはその変性物、希釈剤、硬化剤、重合開始剤、またはシランカップリング剤の内の少なくとも1種を含むマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0012】
また、請求項6に記載のように、請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、使用する基板の表面に撥水性の物質をコーティングして上記基板の表面撥水性を調整することによりマイクロレンズのFナンバーを制御するマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0013】
また、請求項7に記載のように、請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、上記液体状の樹脂組成物をインクジェットヘッドに充填し、微小ノズルから滴下量を制御して基板上に射出して微小量の液体状の樹脂を球面化させ、硬化して作製するマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0014】
また、請求項8に記載のように、請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、上記液体状の樹脂組成物をシリンジ内に充填し、該シリンジの先端に取り付けたニードルから基板上に押出し吐出して、微小量の液体状の樹脂を球面化させ、硬化して作製するマイクロ樹脂レンズの製造方法とするものである。
【0015】
本発明を概説すれば、屈折率を制御でき、高い光透過率と高い寸法安定性を有する液体状の樹脂組成物を用い、インクジェット方式あるいはディスペンサ方式などの方法により、マイクロ樹脂レンズを製造する方法に関する発明であって、屈折率を1.31〜1.67の範囲で制御でき、かつ無溶剤で、ビニルエーテル系樹脂、脂環型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、イオウ含有エポキシ樹脂、オキセタン類またはアクリル樹脂のいずれかを必須成分とする樹脂組成物を用い、これを、基板上に射出または吐出して、微小量の液体が基板上で球面化される現象を利用し、硬化させて所望の特性、機能を有するマイクロ樹脂レンズを製造する方法である。
【0016】
また、基板(基材)に射出した際の接触角を制御し、さらに紫外線照射あるいは熱による硬化時の体積収縮率を低く抑えることが可能であるため、インクジェット方式によって、簡便に球面レンズを形成することができる。また、樹脂の屈折率を制御することも可能であるために、接触角の調整手法と合わせて、さまざまなレンズ特性を有するマイクロレンズを実現できる。さらに、いずれの樹脂も可視波長域から赤外波長域に至るまで、高い透過率を有し、高いガラス転移温度を有しているために、使用波長、使用環境や形成工程に対する制約が少なく、マイクロ樹脂レンズの形成方法として広く適用されるマイクロ樹脂レンズの製造方法である。
【0017】
本発明における紫外線硬化樹脂の他の構成要素として、従来のエポキシ樹脂、またはその変性物あるいはアクリル樹脂またはその変性物のほか、希釈剤、硬化(重合開始)剤、カリング剤等を含んでもよい。ビニルエーテル系樹脂や脂肪族エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、イオウ含有エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂は単独で用いても良いし、混合物として用いてもよい。所定の屈折率の紫外線硬化樹脂を得るためには、混合物を用いる方が好適である。混合物として用いる場合、相分離等することなく好適に混合できることが重要である。
【0018】
本発明の樹脂組成物のうち、ビニルエーテル系樹脂としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、14−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等がある。
【0019】
本発明の樹脂組成物のうち、フッ素を分子内に含まない脂肪族環状エポキシ化合物として使用されるエポキシ化合物の例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、アリルシクロヘキセンジオキシド、3,4−エポキシ−4−メチルシクロヘキシル−2−プロピレンオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エ一テル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ジエチルシロキサンなどが挙げられる。
【0020】
本発明の樹脂組成物のうち、フッ素化エポキシ樹脂としては、下記の(化1)式および(化2)式で示される構造のエポキシ樹脂が挙げられる。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
ビスフェノール型エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールGジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、ビスフェノールCジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0023】
ブロム化エポキシ樹脂の例としては、ジブロモメチルフェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ブロモメチルフェニルグリシジルエーテル、ブロモフェニルグリシジルエーテル、ジブロモメタクレシジルグリシジルエーテル、ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0024】
本発明の樹脂組成物のうち、イオウ含有エポキシ樹脂の例としては、ビス4−(2,3−エポキシプロピルチオ)フェニルサルファイドなどが挙げられる。
【0025】
本発明の樹脂組成物のうち、アクリル系樹脂としては、アクリレート化合物と混合して炭素−炭素2重結合を分子内に少なくとも1個有する反応性オリゴマーまたはプレポリマーとして知られる公知の化合物を用いることも可能である。このような化合物としては、
(1)多塩基性カルボン酸と多価アルコールおよびエチレン性不飽和モノカルボン酸との縮合オリゴメリゼーションによって得られるエチレン性不飽和ポリエステル類、
(2)多価エポキシ化合物にエチレン性不飽和モノカルボン酸を付加して得られる化合物類、
(3)ポリエーテルポリオールのエチレン性不飽和モノカルボン酸エステル類、
(4)多価イソシアネート化合物にエチレン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステルを付加して得られるエチレン性不飽和ポリウレタン類、ジアリルフタレートプレポリマー、ジアリルイソフタレートプレポリマー、ジアリルテレフタレートイソポリマーなどを挙げることができる。
【0026】
上記(1)の具体例としては、無水マレイン酸、プロピレングリコール、および(メタ)アクリル酸との縮合オリゴマリゼーションによって得られるオリゴエステル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0027】
上記(2)の具体例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加したエポキシ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAエポキシドに(メタ)アクリル酸を付加したエポキシ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0028】
上記(3)の具体例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
【0029】
上記(4)の具体例としては、エチレングリコールに過剰のジイソシアネートを反応させて得られる両末端にイソシアネート基を有するポリウレタンに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0030】
本発明のマイクロレンズに用いる反応性オリゴマーの高分子化は、成分中に含まれる反応基間の光による反応によって重合することで行われる。反応を効率よく十分に起こさせるためには光重合開始剤を添加することが望ましい。光重合開始剤としては一般に光重合開始剤として用いられているものであればよく、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾイルイソブチルエーテル、2−クロロチオキサントン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。
【0031】
反応性希釈剤としては、スチレン、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、ブチレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ジシクロベンチニルアクリレート変性物、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
【0032】
また、フッ素化アクリル樹脂としては、化学式CH2=CHCOO−CH2(CF2)nCH2−OCOCH=CH2(ここで、nは1以上の正数)で示されるアクリレート樹脂や、フッ素を含有するエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ブタジエンアクリレート等の各種アクリレート樹脂またはその変性物である。
【0033】
また、イオウ含有アクリル樹脂としては、ビス4−メタクロキシチオフェニルサルファイドがある。また、イオウ含有ビニル樹脂としては、ビス4−ビニルチオフェニルサルファイドがある。
【0034】
本発明の樹脂組成物のうち、オキセタン類としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、1,4−ビス((3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ)メチル)ベンゼン、ジ(1−エチル(3−オキセタニル))メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルメチル)オキセタンがある。
【0035】
上記に挙げた脂肪族環状エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂以外に副成分として種々のエポキシ樹脂を加えることができる。加える樹脂は、エポキシ基を持っていればどのような樹脂でもよいが、例えば、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、ポリ−1,4−(2,3−エポキシブタン)−co−1,2−(3,4−エポキシ)−co−1,4−ブタジエンジオール、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールペンタ(オキシエチレン)グリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ラウリルアルコールペンタデカ(オキシエチレン)グリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルフタルイミド、セチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、p−オクチルフェニルグリシジルエーテル、p−フェニルフェニルグリシジルエーテル、グリシジルベンゾエート、グリシジルアセテート、グリシジルブチレート、スピログリコールジグリシジルエーテル、1,3−ビス−〔1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル〕ベンゼン、4,4′−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)オクタフルオロビフェニル、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−パラアミノフェノール、トリグリシジル−メタアミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトリブロムアニリン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラフルオロプロピルグリシジルエーテル、オタタフルオロペンチルグリシジルエーテル、ドデカフルオロオクチルジグリシジルエーテル、スチレンオキシド、リモネンジエポキシド、リモネンモノオキシド、α−ピネンエポキシド、β−ピネンエポキシドなどのエポキシ化合物が挙げられる。
【0036】
本発明における紫外線硬化樹脂の光重合開始剤としては、紫外線によりエポキシ基と反応するものであれば何でもよいが、例えば、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ジアゾニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族スルフオニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等の芳香族ヨードニウム塩、芳香族ヨードシル塩、芳香族スルホキソニウム塩、メタロセン化合物などが挙げられる。
【0037】
さらに、本発明の紫外線硬化樹脂に基板やコア材との接着性を良くするためにシランカップリング剤を加えることができる。シランカップリング剤の例としては、γ一アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス〔β−(アミノエチル)〕−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロリド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアヌルプロピルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を挙げ、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0039】
〈実施の形態1〉
表1は、樹脂材料Aおよび樹脂材料Bの主要特性〔粘度cps(センチポアズ):1cps=0.001Ps・s、屈折率、接触角、ガラス転移温度Tg、硬化収縮率%〕と、レンズ化した際のレンズFナンバー等を示す。
【0040】
【表1】
表2は、実施の形態1(樹脂材料A)、実施の形態2(樹脂材料B)、を比較例1〜4と対比して、材料特性〔粘度cps、硬化収縮率%、屈折率、透明性、ガラス転移温度Tg、レンズ形成(制御性)、レンズ性能(寸法安定性)、(透明性)、(耐はんだリフロー性)等〕を示す。
【0041】
【表2】
【0042】
ビニルエーテル系樹脂(1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル)および脂環型エポキシ樹脂(ビニルシクロヘキサンジオキサイド)およびスルフォニウム塩系光重合開始剤からなる紫外線硬化樹脂(粘度=6cps(0.006Ps・s)「表1参照」、硬化後屈折率=1.513、Tg(ガラス転移温度)>250℃、硬化収縮率=約6%:これを樹脂Aとする)をインクジェットヘッドに充填し、ピエゾ駆動方式にて微小量の液滴を射出することができる。図1に、セイコーエプソン社製インクジェットプリンタMJ−930Cの構成の概要を示す。なお、図1において、1はインクジェットプリンタ、2はインクジェットヘッド、3はZ−ステージ、4はレンズ用液状樹脂、10は基板(基材)、11は台を示す。
【0043】
上記インクジェットプリンタ1を用いて、1pl(ピコリットル)以上の液滴を基板上に射出すると、液滴は基板上で、ある接触角を保つ。この液滴に対して、100mW/cm2、5分の紫外線照射を行うことにより固体化させることができる。実験を行ったところ、シリコンウエハを基板とした場合、接触角は11°(度)であった。また、硬化後の形状はその外形の9割以上の領域において球面と近似でき、球面レンズと仮定した時のFナンバーは、屈折率1.513を代入して5.1と算出される。このようにして作製されるレンズは、液滴の一回当りの射出量を増やすか、もしくは同一箇所に複数回、射出を繰り返すことによって、容易にレンズの直径を大きくすることができる。しかも、射出量に関わらず接触角はほぼ一定に保たれるため、レンズのFナンバーもレンズサイズに関わらず同一の値を取ることができる。すなわち、樹脂材料と基板材料の組合せを適切に選ぶことによって、所望のFナンバーを有するマイクロ樹脂レンズ(以下、単にマイクロレンズとも言う)を実現することができる。
【0044】
また、このようなマイクロレンズ作製手法においては、紫外線硬化によって表面に皺が発生したり、中央部が凹んだドーナツ型になったりする事態は、レンズの球面形状、特に曲率半径がマイクロレンズの特性を決定するために好ましくなく、実験によれば、10%以上の硬化収縮率を有する樹脂材料を用いてレンズ化した場合、表面に収縮による皺が発生し、また、所望の曲率を得ることは難しかった(比較例2)。したがって、使用する樹脂材料には、硬化収縮率を10%以下にすることが求められる。上記樹脂Aを用いて微小液滴を射出し、紫外線硬化させた後の樹脂表面は皺やクラックのない滑らかなマイクロレンズが得られ、レンズの形状変化はほとんど見られなかった。
【0045】
また、マイクロレンズには、使用する波長の光に対して高い透過率を有することが求められる。上記表2に示した比較例3(ジシクロ型エポキシ/脂環型エポキシ稀釈材/スルフォニウム塩系光重合開始剤)は、粘度、屈折率、硬化収縮率、ガラス転移温度の点において優れた特性を実現するが、0.6〜1.6ミクロン帯の光に対して10dB(デシベル)/cmもの透過損失を生じる。このような高い光損失は、伝搬すべき光信号の強度を弱めてしまうためにシステム設計上好ましくない。
【0046】
また、ガラス転移温度が高いことも求められる。比較例4に示す樹脂材料(3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン/ビスフェノールF型エポキシ/スルフォニウム塩系光重合開始剤)は80℃程度のガラス転移温度を有するが、これを用いて、260℃10秒間の、はんだ浴試験を行ったところ、黄色化し、透過率が激減した。また、ガラス転移温度より高い使用環境温度である場合、樹脂が軟化し、球面形状が崩れてしまう。これは、すなわちレンズ特性が劣化することを意味しており、本発明で対象とするようなマイクロレンズヘの応用を考えた場合、致命的な問題となる。上記樹脂Aのガラス転移温度は、完全硬化時には250℃以上ときわめて高い。したがって、半導体レーザと光ファイバ間の光結合系をはじめとするモジュール内実装においても十分適用できる。さらに、プリント基板への、はんだリフロー搭載プロセスにも十分な耐熱性を有している。
【0047】
上記表1に樹脂Aと樹脂Bの主要特性およびレンズ化した際のレンズFナンバーを示す。なお、図1にはインクジェット方式によるマイクロレンズの作製工程を示しており、樹脂Aを用いてインクジェット方式によって面発光レーザの発光部上にマイクロレンズを直接形成したところ、上記表1の樹脂Aに示す特性、および表2の実施の形態1に示す、ガラス転移温度が高く、レンズ形成制御性が良く、寸法安定性、透明性、耐はんだリフロー性の良い所望の特性を有するマイクロレンズを作製することができた。
【0048】
しかし、ピエゾ駆動型のインクジェットヘッドを利用する場合、高粘度の樹脂を射出することは困難である。ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート828)および脂環型エポキシ樹脂(ビニルシクロヘキサンジオキサイド)およびスルフォニウム塩系光重合開始剤からなる紫外線硬化樹脂では、上記ヘッドが目詰まりするため、安定した射出が得られない。実験を行ったところ、インクジェットヘッドで射出できる樹脂粘度の範囲は、約200cps(0.2Ps・s)以下であった。また、市販のインクジェットプリンタに用いられているヘッドを用いるのであれば、樹脂粘度を10cps(0.01Ps・s)以下の範囲内にすることが望ましいことを確認している。
【0049】
〈実施の形態2〉
実施の形態1に記載した材料(樹脂A)よりも高い粘度を有する樹脂Bを用いれば、基板との接触角を大きくでき、よりFナンバーの小さいマイクロレンズを実現できると考えられる。そこで、脂環型エポキシ樹脂(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキサンジオキサイド)、およびスルフォニウム塩系光重合開始剤からなる紫外線硬化樹脂(粘度=120cps(0.12Ps・s)、硬化後屈折率=1.51、ガラス転移温度Tg=218℃、硬化収縮率=約5%;これを樹脂Bとする)を用いてマイクロレンズを形成した。測定した接触角、およびレンズFナンバーを表1に併記する。この樹脂Bを用いると、接触角は26.9°(度)と測定され、レンズFナンバーは2.1と算出され、樹脂Aを用いたマイクロレンズと比較して確かにFナンバーの小さい特性を実現できることを確認した。
【0050】
樹脂Bも樹脂Aと同様に、200℃以上のガラス転移温度を有しているため耐熱性に優れ、また硬化収縮率も数%以下と小さいため、紫外線照射前後における形状変化はほとんど見られなかった。
【0051】
また、上記樹脂Aおよび樹脂Bは、基板の表面撥水性を制御することによっても、異なる特性のFナンバーを実現できる。例えば、シリコンウエハ上に撥水性の高い樹脂をコーティングした場合、樹脂AによるマイクロレンズのFナンバーは2.0であり、樹脂Bを用いたマイクロレンズでは1.0であった。
【0052】
なお、上記説明において、微小量の液体がもつ表面張力を利用したマイクロ樹脂レンズの形成手法として、インクジェット方式を挙げたが、本発明の樹脂は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、ディスペンサを用いて、同様に微小量の液体を吐出することができるが、このディスペンサ方式により上記本発明の樹脂材料Bを用いてマイクロレンズの形成を行っても良好な性能および機能を有するマイクロ樹脂レンズが実現できることを実験的に確認している。
【0053】
図2は、ディスペンサ方式によるマイクロレンズの作製手法を示す模式図である。図2に示すように、シリンジ5内に充填した液状の紫外線硬化樹脂を、シリンジ5の先端に取り付けたニードルから押し出す構造になっている。エアーまたはボールネジ等を用いた押出し手段8により液状の樹脂組成物をを押出す方式であるため、図1に示すインクジェット方式と比べて、高い粘度の樹脂を吐出することも可能である。実験によれば10000cps(10Ps・s)以上の粘度を有する樹脂の吐出も可能であることを実験的に確認している。
【0054】
このディスペンサ方式を用いて、上記表1に示す樹脂材料Bを使用してマイクロ樹脂レンズを面発光レーザの発光部中心の上方に形成したところ、上記表1の樹脂Bに示す特性、および表2の実施の形態2に示す、ガラス転移温度が高く、レンズ形成制御性が良く、寸法安定性、透明性、耐はんだリフロー性の良い所望の特性を有するマイクロ樹脂レンズを作製することができた。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明はビニルエーテル型樹脂ないしは脂肪族型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フッ素化エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、イオウ含有エポキシ樹脂、あるいはアクリル樹脂、あるいはオキセタン類をべースとして、粘度と屈折率の制御が可能で、高い光透過率と優れた耐熱性を有する紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂よりなる所望の性能および機能を持つマイクロ樹脂レンズを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で例示したインクジェット方式によるマイクロ樹脂レンズ作製方法を示す説明図。
【図2】本発明の実施の形態で例示したディスペンサ方式によるマイクロ樹脂レンズ作製方法を示す説明図。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ
2…インクジェットヘッド
3…Z−ステージ
4…レンズ用液状樹脂
5…シリンジ
6…ニードル
7…レンズ用液状樹脂(高粘度液状樹脂)
8…押出し手段
9…Z−ステージ
10…基板
11…台
Claims (8)
- 無溶剤で、硬化後の屈折率を1.31〜1.67の範囲で制御でき、硬化収縮率が10%以下であり、粘度が200cps(0.2Ps・s)以下であり、硬化後の透明性が0.6〜1.6ミクロン波長帯において5dB(デシベル)/cm以下となるように調整した液体状の樹脂組成物を、微小ノズルから供給量を制御して基板上に射出または吐出させることにより、該基板上で微小量の上記樹脂組成物よりなる球面化物を形成した後、硬化させて作製することを特徴とするマイクロ樹脂レンズの製造方法。
- 請求項1において、上記液体状の樹脂組成物は、ビニルエーテル系樹脂、脂環型エポキシ系樹脂、線状脂肪族エポキシ系樹脂、フッ素化エポキシ系樹脂、ブロム化エポキシ系樹脂、イオウ含有エポキシ系樹脂、またはオキセタン類の内の少なくとも1種を必須成分として含む紫外線硬化樹脂組成物からなり、該樹脂組成物を紫外線硬化させることを特徴とするマイクロ樹脂レンズの製造方法。
- 請求項1において、上記液体状の樹脂組成物は、アクリル系樹脂を必須成分として含む紫外線硬化樹脂組成物もしくは熱硬化樹脂組成物からなり、該樹脂組成物を紫外線硬化もしくは熱硬化させることを特徴とするマイクロ樹脂レンズの製造方法。
- 請求項2において、上記液体状の紫外線硬化樹脂組成物に加える他の構成成分として、エポキシ樹脂またはその変性物、希釈剤、硬化剤、重合開始剤、またはシランカップリング剤の内の少なくとも1種を含むことを特徴とするマイクロ樹脂レンズの製造方法。
- 請求項3において、上記液体状の紫外線硬化樹脂組成物に加える他の構成成分として、アクリル樹脂またはその変性物、希釈剤、硬化剤、重合開始剤、またはシランカップリング剤の内の少なくとも1種を含むことを特徴とするマイクロ樹脂レンズの製造方法。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、使用する基板の表面に撥水性の物質をコーティングして上記基板の表面撥水性を調整することによりマイクロレンズのFナンバーを制御することを特徴とするマイクロ樹脂レンズの製造方法。
- 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、上記液体状の樹脂組成物をインクジェットヘッドに充填し、微小ノズルから滴下量を制御して基板上に射出して微小量の液体状の樹脂を球面化させ、硬化して作製することを特徴とするマイクロ樹脂レンズの製造方法。
- 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、上記液体状の樹脂組成物をシリンジ内に充填し、該シリンジの先端に取り付けたニードルから基板上に押出し吐出して、微小量の液体状の樹脂を球面化させ、硬化して作製することを特徴とするマイクロ樹脂レンズの製造方法。
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