JP2006317533A - 光接続部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易かつ少ない構成部品で、光ファイバ、光導波路および発光素子や受光素子等の光学素子等の光学部材の間を高精度で接続することができ、これにより低コストかつ低損失である光接続部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 光ファイバ、光導波路および光学素子のうちから選ばれる同種または異種の2つの光学部材12a,12b間を光学的に接続する光接続部材100である。光接続部材本体101内部に、2つの光学部材間に介在する光硬化材料からなる樹脂層13を備え、かつ、樹脂層内に、2つの光学部材間を光学的に接続する、周囲より高屈折率の光接続部13aが形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は光接続部材およびその製造方法に関し、詳しくは、光ファイバ、光導波路および光学素子のうちのいずれかの組み合わせの間を、高精度に、従って低損失で接続することが可能な光接続部材およびその製造方法に関する。
近年の光通信技術の発達に伴い、光ファイバや光導波路等の間を低損失で接続するための技術が種々検討されてきている。中でも、光ファイバ同士の間を接続するための光ファイバコネクタに関しては、これまでに様々なタイプのものが実用化されており、特に、多芯ファイバ用に用いられるMTコネクタが、最も一般に普及している(例えば、特許文献1、2等に記載)。
一般に、良好な光接続を行うためには、かかるMTコネクタのように、精度良く形成された2つ以上の樹脂部品間をガイドピン等により固定することが必要であり、位置決めピン(ガイドピン)とマイクロレンズアレイとを併用することにより、光導波路と光ファイバーとの間の接続を図る技術も知られている(特許文献3に記載)。また、ガイドピン等を用いない接続技術としては、例えば、特許文献4に、平面基板に、接続端面を研磨した光ファイバーアレイを接着してなる構造とすることで、MTコネクタにおける、光ファイバーの本数増加に伴う位置ずれや挿入損失の増大の問題の解消を図った光ファイバーアレイコネクタが記載されている。
特許第2750966号公報(特許請求の範囲等) 特許第2769752号公報(特許請求の範囲等) 特開2000−304966号公報(特許請求の範囲等) 特開2004−286915号公報(特許請求の範囲等)
しかしながら、ガイドピンやマイクロレンズアレイなどを用いた従来の光接続部材は構造が複雑となることから、高い位置精度を実現するためには、高価な金型と高度の生産技術が要求されることとなる。一方で、接続する光ファイバー等の本数が多くなればなるほど、構成部品点数の増大を招き、位置ズレも大きくなり、挿入損失の増大を招きやすいという問題も有している。従って、従来のような複雑な構造を必要とせず、簡易な部材により、高精度で光接続を図ることのできる技術が求められていた。
そこで本発明の目的は、簡易かつ少ない構成部品で、光ファイバ、光導波路および発光素子や受光素子等の光学素子等の光学部材の間を高精度で接続することができ、低コストかつ低損失である光接続部材およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、接続すべき光学部材の間に樹脂層を設けるとともに、この樹脂層内に所定の光接続部を形成することにより、従来になく低損失で両者間の光結合を行うことが可能となることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、上記課題を解決するために、本発明の光接続部材は、光ファイバ、光導波路および光学素子のうちから選ばれる同種または異種の2つの光学部材間を光学的に接続する光接続部材であって、光接続部材本体内部に、該2つの光学部材間に介在する光硬化材料からなる樹脂層を備え、かつ、該樹脂層内に、該2つの光学部材間を光学的に接続する、周囲より高屈折率の光接続部が形成されていることを特徴とすることを特徴とするものである。この場合、前記光硬化材料には、2種類以上の光重合開始剤、または、近赤外またはそれより長波長の領域に吸収を有する色素を1種類以上、含有させることが好ましい。
また、本発明の他の光接続部材は、光ファイバ、光導波路および光学素子のうちから選ばれる同種または異種の2つの光学部材間を光学的に接続する光接続部材であって、光接続部材本体内部に、該2つの光学部材間に介在する光硬化材料および熱硬化材料からなる樹脂層を備え、かつ、該樹脂層内に、該2つの光学部材間を光学的に接続する、周囲より高屈折率の光接続部が形成されていることを特徴とするものである。この場合、好適には、前記光硬化材料が1種類以上の光重合開始剤を含み、かつ、前記熱硬化材料が1種類以上の熱重合開始剤を含む。また、前記光硬化材料が近赤外またはそれより長波長の領域に吸収を有する色素を1種類以上含むことも好ましい。
本発明の光接続部材は、配線同士の接続、光回路を含む配線板間の接続、および、光回路を含む配線板内の接続のいずれにも、好適に用いることができる。また、前記光学素子は、好適には、発光素子または受光素子である。また、本発明の光接続部材は、前記光接続部材本体が、前記2つの光学部材と夫々一体的に形成された2つの構成要素を含み、かつ、該2つの構成要素が、前記樹脂層を介して連結されているものとすることもできる。
また、本発明の光接続部材の製造方法は、上記光接続部材の製造方法において、前記2つの光学部材間に光硬化材料を介在させ、該光硬化材料に対する部分的な光照射により前記光接続部を硬化形成することを特徴とするものである。好適には、前記光接続部の硬化形成後に、前記光硬化材料全体に対する2次的な光照射により、前記樹脂層全体を硬化させる。
また、本発明の他の光接続部材の製造方法は、上記光接続部材の製造方法において、前記2つの光学部材間に光硬化材料および熱硬化材料の混合物を介在させ、該混合物に対する部分的な光照射により前記光接続部を硬化形成することを特徴とするものである。この場合も、好適には、前記光接続部の硬化形成後に、前記混合物全体に対する熱処理により、前記樹脂層全体を硬化させる。
本発明の製造方法においては、前記部分的な光照射を、前記光学素子が発する光により行うことが好ましく、また、外部光源により発生し、前記光ファイバまたは光導波路を介して伝播する光により行うことも好ましい。より好ましくは、前記部分的な光照射を、前記光学素子が発する光と、外部光源により発生し、前記光ファイバまたは光導波路を介して伝播する光と、により同時に行う。
本発明によれば、上記構成としたことにより、各種光学部材間における光損失を従来になく低減して、光結合特性に優れた光接続部材およびその製造方法を実現することが可能となった。本発明の光接続部材は、簡易かつ少ない構成部品で、光ファイバ、光導波路および発光素子や受光素子等の光学素子等の光学部材の間を高精度で接続することができるため、コスト的にも安価である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1(a)、(b)に、本発明の光接続部材の一例の概略断面図を示す。図示する光接続部材100は、2本の光ファイバケーブル11a、11b内に夫々埋設された配線用光ファイバ12a、12b間を接続する光コネクタ構造を有し、光接続部材本体101内部に、2本の光ファイバ12a、12b間に介在する、光硬化材料、または、光硬化材料および熱硬化材料からなる樹脂層13を備えている。ここで、光ファイバ12bは、光接続部材本体102の片側端面より突出していてもよいが、特に制限されない。また、符号101は、他方の光ファイバケーブル11aを内蔵する光接続部材本体を示す。
本発明の光接続部材100は、この樹脂層13内に、これら2本の光ファイバ12a、12b間を光学的に接続する、周囲より高屈折率の光接続部13aが形成されている点に特徴を有する。樹脂層13内に、その周囲の領域13bより高屈折率の光接続部13aを設けたことで、樹脂層13内に、光接続部13aをコアとする光導波路構造を形成することができ、これにより、2本の光ファイバ12a、12b間で、光の損失を防止しつつ光を伝播させることが可能となった。また、本発明に係る光接続部13aは、後述するように、2本の光ファイバ12a、12b間が互いに光結合するよう自己形成させることができるため、ガイドピンを用いることなく位置決めすることができ、高精度で接続を行うことができる。また、この光の損失をより低減する目的で、光接続部13aとその周囲領13bのそれぞれの屈折率を調整することにより、任意の開口数(NA:numerical aperture)を適宜選択することも可能である。
本発明において、かかる樹脂層13は、上記したように、光硬化材料、または光硬化材料および熱硬化材料からなる。このうち、光硬化材料としては、(a)重クロム酸塩系感光性樹脂、(b)光分解型感光性樹脂、(c)光二量化型感光性樹脂、(d)光重合型感光性樹脂に分類される。
(a)重クロム酸塩系感光性樹脂としては、ゼラチン、グルー、卵白、アラビアゴム、セラミックなどの天然高分子、あるいは、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリアクリルアミドのような合成高分子に、重クロム酸アンモニウムあるいは重クロム酸カリウムを加えたものを挙げることができる。また、(b)光分解型感光性樹脂としては、芳香族ジアゾニウム塩系樹脂、o−キノンジアジド類樹脂、アジド化合物含有樹脂があり、(c)光二量化型感光性樹脂としては、桂皮酸エステル系樹脂が挙げられる。
さらに、(d)光重合型感光性樹脂としては、不飽和二重結合のラジカル重合反応を利用した光ラジカル重合系組成物、二重結合へのチオール基の付加反応を利用した光付加反応系組成物、および、エポキシ基の開環付加反応(カチオン重合)を利用した光カチオン重合系組成物等が挙げられる。光重合型感光性樹脂は、一般に、光重合性官能基を有する反応性ポリマー、光重合性官能基(好ましくは(メタ)アクリロイル基)を有する化合物(モノマーおよびオリゴマー)、光重合開始剤、および、所望により他の添加剤から構成される。
光重合性官能基を有する反応性ポリマーとしては、例えば、アルキルアクリレート(メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等)および/またはアルキルメタクリレート(メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等)から得られる単独重合体または共重合体(即ち、アクリル樹脂)であって、かつ、主鎖または側鎖に光重合性官能基を有するものを挙げることができる。このような重合体は、例えば、1種以上の(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基等の官能基を有する(メタ)アクリレート(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)とを共重合させ、得られた重合体とイソシアナトアルキル(メタ)アクリレートなどの、重合体の官能基と反応しかつ光重合性基を有する化合物と反応させることにより得ることができる。従って、光重合性官能基をウレタン結合を介して有するアクリル樹脂が好ましい。
かかる反応性ポリマーは、光重合性官能基を通常1〜50モル%、特には5〜30モル%含むことが好ましい。この光重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基が好ましく、特にアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。また、この反応性ポリマーのガラス転移温度は、一般に20℃以下であり、数平均分子量は通常5000〜1000000、好ましくは10000〜300000であり、また、重量平均分子量は通常5000〜1000000、好ましくは10000〜300000である。
光重合性官能基を有する化合物の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエトキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジプロポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオール類、前記ポリオール類とコハク酸、マレイン酸、イタコン酸、アジピン酸、水添ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の多塩基酸またはこれらの酸無水物類との反応物であるポリエステルポリオール類、前記ポリオール類とε−カプロラクトンとの反応物であるポリカプロラクトンポリオール類、前記ポリオール類と前記多塩基酸またはこれらの酸無水物類のε−カプロラクトンとの反応物、ポリカーボネートポリオール、ポリマーポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4’−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2’−4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン−1,4−ジメチロールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等)の反応物であるポリウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応物であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー類等を挙げることができる。これら光重合可能な官能基を有する化合物は1種又は2種以上、混合して使用することができる。
光重合開始剤としては、公知のどのような光重合開始剤でも使用することができるが、配合後の貯蔵安定性の良いものが望ましい。このような光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、アシルホスフィンオキサイド系、その他特殊なものとしては、メチルフェニルグリオキシレートなどが使用できる。特に好ましくは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾフェノン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、必要に応じて、4−ジメチルアミノ安息香酸などの安息香酸系または、第3級アミン系などの公知慣用の光重合促進剤の1種または2種以上を任意の割合で混合して使用することができる。また、光重合開始剤のみを1種または2種以上混合して使用することができる。光重合開始剤は、光重合型感光性樹脂中に、通常0.1〜20質量%、特には1〜10質量%含有させることが好ましい。
光重合開始剤のうち、アセトフェノン系重合開始剤としては、上記の他、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等が挙げられ、ベンゾフェノン系重合開始剤としては、上記の他、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。また、アシルホスフィンオキサイド系としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド等の化合物が挙げられる。
上記アセトフェノン系重合開始剤の中でも、特に、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノプロパン−1が好ましい。また、上記ベンゾフェノン系重合開始剤の中でも、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチルが好ましい。
さらに、第3級アミン系の光重合促進剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが使用できる。特に好ましくは、光重合促進剤としては、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。以上のように、光重合開始剤は、通常、上記3成分を組み合わせることにより使用する。
光重合型感光性樹脂における上記反応性ポリマー:光重合可能な官能基を有する化合物:光重合開始剤の質量比は、通常40〜100:0〜60:0.1〜10、特には60〜100:0〜40:1〜10である。
また、カチオン重合系の化合物として、オキセタン環を1個有する重合性モノマーの具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。オキセタン環を2個有する重合性モノマーの具体例としては、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、ビス{〔(1−エチル)3−オキセタニル〕メチル}エーテル、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ベンゼン、1,3−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ベンゼン、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕エタン、1,2−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレンビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ブタン、1,6−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールFビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。オキセタン環を3乃至5個有する重合性モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
また、グリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、例えば、芳香族核を有する多価フェノール類またはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等が挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレンまたはこれらフェノール類のアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールまたはそのアルキレンオキサイド付加体等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル;ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコールまたはこれらグリコールのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリンまたはこれら3価アルコールのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル;ペンタエリスリトールのジ、トリまたはテトラグリシジルエーテル等の多価アルトールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテル;ノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック樹脂;並びにこれら化合物の芳香族核がハロゲン置換された化合物;などが挙げられる。
さらに、脂環式エポキシ化合物としては、例えば、シクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素や過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物等が挙げられる。具体的には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシ化テトラベンジルアルコール、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ラクトン変性エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール、シクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。また、カチオン重合系の化合物としては、スピロオルトカーボネート化合物も使用可能である。
カチオン重合系の光重合開始剤の市販品としては、例えば、ユニオンカーバイド社製のUVI−6950、UVI−6970(ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニルスルフィド]、UVI−6974(ビス[4−ジフェニルスルホニオ]−フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネートとジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートとの混合物)、UVI−6990(UVI6974のヘキサフルオロホスフェイトの塩)、旭電化工業(株)製のアデカオプトマーSP−151、SP−170(ビス[4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)−フェニルスルフィド]、SP−150(SP−170のヘキサフルオロホスフェイト)、チバガイギー社製のIrgacure 261(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1−メチルエチル)ベンゼン]−鉄(1+)−ヘキサフルオロフォスフェート(1−))、日本曹達(株)製のCI−2481、CI−5102、CI−2855、CI−2064CD−1010、サートマー社製のKI85、CD−1011、CD−1012(4−(2−ヒドロキシテトラデカニルオキシ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、みどり化学(株)製のDTS−102、DTS−103、NAT−103、NDS−103((4−ヒドロキシナフチル)−ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、TPS−102(トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェイト)、TPS−103(トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、MDS−103(4−メトキシフェニル−ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、MPI−103(4−メトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、BBI−101(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート)、BBI−102(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート)、BBI−103(ビス(4−tert−フェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、デグサ社製のDegacure K126(ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)−フェニル]スルフィドビスヘキサフルオロホスフェイト)、ローディア社製のロードシルフォトイニシエータ2074等の商品名で入手できるものが挙げられる。これらは、1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合型感光性樹脂中には、さらに、所望に応じ熱可塑性樹脂を添加してもよく、他の添加剤として、例えば、紫外線吸収剤、老化防止剤、染料、加工助剤等を含有していてもよい。
また、熱硬化材料としては、シリコン系材料、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、(メタ)アクリル系樹脂、フッ素化(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素化ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート樹脂、フッ素系樹脂、これら樹脂の重水素化物などが挙げられる。これらの材料は、単品もしくはブレンドして用いてもよく、ブレンドの場合には、ブレンドされる各々の材料の3次元網目構造が相互貫通している構造(IPN構造)をとってもよい。上記材料の成分をブロックとして、共重合体としてもよい。また、熱硬化材料中には、熱重合開始剤(熱硬化剤)として、例えば、有機過酸化物を含有させることができ、かかる有機過酸化物としては、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4’−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、メチルエチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエート、ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ヒドロキシヘプチルパーオキサイド、クロロヘキサノンパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキシオクトエート、サクシニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。有機過酸化物としては、これらのうちの少なくとも1種が単独または混合して用いられ、その添加量は、通常、前記ポリマー100重量部に対し、0.1〜10重量部とする。
ここで、本発明において、樹脂層13を光硬化材料のみから形成する場合には、好適には、かかる光硬化材料中に、異なる波長の光に対応した2種類以上の光重合開始剤を含有させることが好ましい。少なくとも2種類の光重合開始剤を用いて、少なくとも2種類の異なる波長の照射光により硬化を行うことで、光接続部13aとその周囲の領域13bとの間で所望の屈折率差を形成することが可能となる。一方、樹脂層13を光硬化材料および熱硬化材料から形成する場合には、光硬化材料中に1種類以上の光重合開始剤を含有させるとともに、熱硬化材料中に1種類以上の熱重合開始剤を含有させることが好ましく、この場合も同様の効果を得ることができる。
また、光硬化材料中に、近赤外またはそれより長波長の領域、具体的には、およそ760nm以上の波長領域に吸収を有する色素を1種類以上含有させることも好ましい。かかる色素としては、例えば、特定波長の光を吸収して熱を発生する、いわゆる光熱変換色素を用いることができ、加熱により分解して、当該波長における吸収が低下するものを好適に用いることができる。具体的には例えば、波長850nmの光を吸収し、熱を発生して加熱により分解する光熱変換色素として、シアニン系色素、フタロシアニン系色素などが挙げられる。
なお、樹脂層13は、光接続部材本体内部に形成されているため、光接続部13aを有するものであれば、必ずしも全体が硬化されていなくてもよい。
図2および3に夫々、本発明の光接続部材の他の例の概略断面図を示す。図2(a)に示す光接続部材200は、光ファイバケーブル21内に埋設された配線用光ファイバ22と、プリント配線板10内に形成された光導波路24との間を接続するものであり、図2(b)の拡大図に示すように、光接続部材本体201内部に、光ファイバ22と光導波路24との間に介在する光硬化材料(または光硬化材料および熱硬化材料)からなる樹脂層23を備え、かつ、この樹脂層23内に、光ファイバ22と光導波路24との間を光学的に接続する、周囲より高屈折率の光接続部23aが形成されている。この場合も、樹脂層23内に、その周囲の領域23bより高屈折率の光接続部23aを設けたことで、樹脂層23内に、光接続部23aをコアとする光導波路構造を形成することができ、これにより、2つの光学部材としての光ファイバ22と光導波路24との間を、光の損失を防止しつつ光結合させることができる。
ここで、図2中、符号24aおよび24bは光導波路24のコアおよびクラッドを夫々示し、符号40は、面発光型半導体レーザ(VCSEL)41およびフォトダイオード42が実装されたICチップ実装基板を示しており、このICチップ実装基板40は、突起電極51およびはんだボール52を介してプリント配線板10上にフリップチップ実装されている。また、符号53はアンダーフィルを示し、符号202は、光導波路24の端部を内蔵する光接続部材本体を示す。
また、図3に示す光接続部材300は、光ファイバケーブル31内に埋設された配線用光ファイバ32と、プリント配線板10上にはんだボール52を介して実装された光学素子実装基板60上の光学素子34との間を接続するものであり、光接続部材本体301,302内部に、光ファイバ32と光学素子34との間に介在する光硬化材料(または光硬化材料および熱硬化材料)からなる樹脂層33を備える。この場合も、図1、2に示す場合と同様に、樹脂層33内に、周囲領域33bより高屈折率の光接続部33aを設けたことで、2つの光学部材としての光ファイバ32と光学素子34との間を、光の損失を防止しつつ光結合している。なお、図3中、符号70は、プリント配線板10上にはんだボール52を介して実装されたLSIを示している。
本発明の光接続部材は、光ファイバ、光導波路および光学素子のうちから選ばれる同種または異種の2つの光学部材間を光学的に接続するものであり、図1〜3に例示するように、配線(光ファイバ)同士、光回路を含む配線板間(光ファイバ−光導波路間)、および、光回路を含む配線板内(光ファイバ−光学素子間)のいずれの接続にも用いることができる。また、図2,3に示す実装構造は、本発明を適用しうる配線板の一例を示すものであり、本発明は図示する例には何ら制限されるものではない。さらに、本発明においては、光接続部材本体を、接続すべき2つの光学部材と夫々一体的に形成された2つの構成要素を含むものとして、これら2つの構成要素を一般的なプッシュオン構造等とともに樹脂層を介して連結することで、光接続部材を構成させることもできる。この場合、一方の構成要素の不良が生じた場合には、その構成要素のみを交換することで使用可能とすることができ、効率的である。
本発明の光接続部材においては、樹脂層内に、上記のような光接続部を設けた点のみが重要であり、その他の部分の具体的な構造や材料等については特に制限されるものではなく、従来構造と同様に形成することができる。例えば、図1に示す光接続部材100の場合、接続に用いる他方の光ファイバケーブル11b側の接続部材101については、ガイドピンを設けない以外は従来のMTコネクタと同様の構造を適用することができ、最終的にクリップで固定することで(図示せず)、低損失の光接続構造を実現することができる。なお、ガイドピンは必須ではないが、設けても構わない。
また、本発明において光学素子とは、VCSEL41等の発光素子およびPD42等の受光素子の双方を含むものであり、図2に示す例では、光ファイバ22を介して送られてきた信号光は、本発明の光接続部材200を介して光導波路24内に入射し、光導波路24内を伝播して、ミラー50を介してPD42に入力した後、PD42で電気信号に変換されて、ICチップ実装基板40に送られることとなる。また、図3に示す例では、光学素子としてのPD34から出射した信号光は、本発明の光接続部材300を介して光ファイバ32に入射し、光ファイバ32内を伝播することになる。
本発明の光接続部材を製造するに際しては、まず、2つの光学部材間に光硬化材料または光硬化材料および熱硬化材料の混合物が介在するよう、光接続部材本体内部にこれら光硬化材料または光硬化材料および熱硬化材料の混合物を充填して、樹脂層を形成する。その後、この光硬化材料または混合物に対して部分的な光照射を行うことで、光接続部を硬化形成することができる。
この部分的な光照射は、具体的には、以下のような手順で行うことができる。即ち、樹脂層を光硬化成分のみから形成する場合には、光接続部材本体内部に光硬化材料を充填した後、この光硬化材料に対する部分的な光照射により光接続部を硬化形成し、次いで、所望に応じ光硬化材料全体に対する2次的な光照射を行うことで、樹脂層全体を硬化させる。2次的な光照射に用いる光の波長は特に限定されないが、紫外光等を用いる場合は、光接続部材本体が透明であることが好ましい。ここで、樹脂層34全体を硬化させる際には、光照射と併せ、必要に応じ加熱を行ってもよい。また、樹脂層を光硬化成分および熱硬化成分から形成する場合には、光接続部材本体内部に光硬化材料および熱硬化材料の混合物を充填した後、この混合物に対する部分的な光照射により光接続部を硬化形成し、次いで、所望に応じ混合物全体に対し熱処理を行うことで、樹脂層全体を硬化させることができる。
ここで、光接続部を形成するための部分的な光照射は、光学素子が発する光か、または、レーザ等の外部光源により発生し、光ファイバまたは光導波路を介して伝播する光により行うことができる。このような手法を用いることで、光接続部を精確に2つの光学部材間の光路と一致させることができ、両者間の光接続を確実かつ低損失で行うことが可能となる。より好ましくは、光学素子が発する光と、外部光源により発生し、光ファイバまたは光導波路を介して伝播する光とを、同時に用いて光接続部の形成を行う。双方向に伝播する光を併用することで、光路のセルフアライメント効果を得ることができ、より接続信頼性に優れた光接続部材を実現することが可能となる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1:配線用・光ファイバ/光ファイバ間接続の場合)
図1に示す透明な光接続部材本体101内部に、2種類の光重合開始剤を混合した光硬化材料からなるエポキシ系材料を充填して樹脂層13を形成し、レーザ光源から発振され両方の光ファイバを経由して到達する周波数850nmの光を5分間照射することにより、その一部を硬化させて、光接続部13aをコアとする光導波路構造(コア径60μm)を形成した。さらに、樹脂層13全体に周波数450nmの光を10分間照射することにより、樹脂層13全体を硬化させて、光接続部材100を作製した。この光接続部材100における挿入損失は0.2dB以下であり、良好な光結合特性を示すことが確認された。
(実施例2:配線板間・フィルム光導波路/光ファイバ間接続の場合)
図2に示す、配線板内光導波路と光ファイバとを接続するコネクタ部としての光接続部材200を作製した。実施例1の場合と同様に、透明な光接続部材本体201内部に、2種類の光重合開始剤を混合した光硬化材料からなるエポキシ系材料を充填して樹脂層23を形成し、レーザ光源から発振され光ファイバを介して伝搬する周波数850nmの光を5分間照射することにより、その一部を硬化させて、コネクタ部内に光接続部23aをコアとする光導波路構造(コア径60μm)を形成した。さらに、樹脂層23全体に周波数450nmの光を10分間照射することにより、樹脂層23全体を硬化させて、光接続部材200を作製した。この光接続部材200における挿入損失は0.3dBであり、良好な光結合特性を示すことが確認された。
(実施例3:配線板内・光ファイバ/発光素子間接続の場合)
図3に示す、光ファイバと発光素子(VCSEL)とを接続するコネクタ部としての光接続部材300を作製した。光接続部材本体301,302内部に、光硬化材料および熱硬化材料からなるエポキシ系材料を充填して樹脂層33を形成し、レーザ光源から発振され光ファイバを介して伝搬する光、および、発光素子(VCSEL)から発振される光(いずれも周波数850nm)を双方向から5分間照射することにより、その一部を硬化させて、光接続部33aをコアとする光導波路構造(コア径60μm)を形成した。さらに、樹脂層33全体に150℃、30分間の熱処理を行うことにより、樹脂層33全体を硬化させて、光接続部材300を作製した。この光接続部材300における挿入損失は0.2dBであり、良好な光結合特性を示すことが確認された。
(比較例:配線用・光ファイバ/光ファイバ間接続の場合)
図4に示す光接続部材本体401内部に、1種類の光重合開始剤を混合した光硬化材料からなるエポキシ系材料を充填して樹脂層43を形成し、全体に周波数450nmの光を10分間照射することにより硬化させた。この光接続部材400における挿入損失は、0.8dBであった。
本発明の光接続部材の一好適構成例を示す概略断面図である。 本発明の光接続部材の他の好適構成例を示す概略断面図である。 本発明の光接続部材のさらに他の好適構成例を示す概略断面図である。 比較例の光接続部材を示す概略断面図である。
符号の説明
10 プリント配線板
11a,11b,21 光ファイバケーブル
12a,12b,22,32 光ファイバ
13,23,33 樹脂層
13a,23a,33a 光接続部
13b,23b,33b 周囲領域
24 光導波路
34 光学素子
40 ICチップ実装基板
41 面発光型半導体レーザ(VCSEL)
50 ミラー
51 突起電極
52 はんだボール
53 アンダーフィル
60 光学素子実装基板
70 LSI
100,200,300 光接続部材
101,102,201,202,301,302 光接続部材本体

Claims (18)

  1. 光ファイバ、光導波路および光学素子のうちから選ばれる同種または異種の2つの光学部材間を光学的に接続する光接続部材であって、光接続部材本体内部に、該2つの光学部材間に介在する光硬化材料からなる樹脂層を備え、かつ、該樹脂層内に、該2つの光学部材間を光学的に接続する、周囲より高屈折率の光接続部が形成されていることを特徴とする光接続部材。
  2. 前記光硬化材料が2種類以上の光重合開始剤を含む請求項1記載の光接続部材。
  3. 前記光硬化材料が、近赤外またはそれより長波長の領域に吸収を有する色素を1種類以上含む請求項1記載の光接続部材。
  4. 光ファイバ、光導波路および光学素子のうちから選ばれる同種または異種の2つの光学部材間を光学的に接続する光接続部材であって、光接続部材本体内部に、該2つの光学部材間に介在する光硬化材料および熱硬化材料からなる樹脂層を備え、かつ、該樹脂層内に、該2つの光学部材間を光学的に接続する、周囲より高屈折率の光接続部が形成されていることを特徴とする光接続部材。
  5. 前記光硬化材料が1種類以上の光重合開始剤を含み、かつ、前記熱硬化材料が1種類以上の熱重合開始剤を含む請求項4記載の光接続部材。
  6. 前記光硬化材料が、近赤外またはそれより長波長の領域に吸収を有する色素を1種類以上含む請求項4記載の光接続部材。
  7. 配線同士の接続に用いられる請求項1〜6のうちいずれか一項記載の光接続部材。
  8. 光回路を含む配線板間の接続に用いられる請求項1〜6のうちいずれか一項記載の光接続部材。
  9. 光回路を含む配線板内の接続に用いられる請求項1〜6のうちいずれか一項記載の光接続部材。
  10. 前記光学素子が発光素子または受光素子である請求項1〜9のうちいずれか一項記載の光接続部材。
  11. 前記光接続部材本体が、前記2つの光学部材と夫々一体的に形成された2つの構成要素を含み、かつ、該2つの構成要素が、前記樹脂層を介して連結されている請求項1〜10のうちいずれか一項記載の光接続部材。
  12. 請求項1〜3のうちいずれか一項記載の光接続部材の製造方法において、前記2つの光学部材間に光硬化材料を介在させ、該光硬化材料に対する部分的な光照射により前記光接続部を硬化形成することを特徴とする光接続部材の製造方法。
  13. 前記光接続部の硬化形成後に、前記光硬化材料全体に対する2次的な光照射により、前記樹脂層全体を硬化させる請求項12記載の光接続部材の製造方法。
  14. 請求項4〜6のうちいずれか一項記載の光接続部材の製造方法において、前記2つの光学部材間に光硬化材料および熱硬化材料の混合物を介在させ、該混合物に対する部分的な光照射により前記光接続部を硬化形成することを特徴とする光接続部材の製造方法。
  15. 前記光接続部の硬化形成後に、前記混合物全体に対する熱処理により、前記樹脂層全体を硬化させる請求項14記載の光接続部材の製造方法。
  16. 前記部分的な光照射を、前記光学素子が発する光により行う請求項12〜15のうちいずれか一項記載の光接続部材の製造方法。
  17. 前記部分的な光照射を、外部光源により発生し、前記光ファイバまたは光導波路を介して伝播する光により行う請求項12〜15のうちいずれか一項記載の光接続部材の製造方法。
  18. 前記部分的な光照射を、前記光学素子が発する光と、外部光源により発生し、前記光ファイバまたは光導波路を介して伝播する光とにより同時に行う請求項12〜15のうちいずれか一項記載の光接続部材の製造方法。
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