JP2004292801A - 光導波路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 共役二重結合を有していない脂環基及び2個以上の架橋性基を有する化合物(A)の分子量に基づいて、該脂環基を構成する炭素の原子量の合計が30〜80重量%であることを特徴とする光導波路形成用化合物(A)である。
【選択図】 図1
Description
光導波路を使用したデバイスの特長は、基本的には1本1本の光ファイバを加工して作る光ファイバ部品と比較して、精密に設計された導波回路を基に高機能をコンパクトに実現できること、量産が可能であること、多種類の光導波路を1つのチップに集積可能であること等にある。マルチメディアの急速な立ち上がりによって、高度なコンピュータ通信ばかりでなくオフィスや家庭にも光による高速信号の配信の気運が高まる中、低コストの光部品としてマルチモード光導波路部品が注目され始めている。マルチモード光導波路はシングルモード光導波路に比べ量産に適していることと接続等の取り扱いが格段に容易なことに利点がある。
(1)耐熱性の向上と複屈折の低減が両立できない。
光導波路用有機透明樹脂として提案されているフッ化ポリイミド等の耐熱性に優れた樹脂は、ベンゼン環等の芳香環を多く含むため、薄膜を形成した場合、薄膜内でベンゼン環等の芳香環が配向して複屈折を発現する。このため、当該材料を用いて作製された光導波路は偏波依存性を有することとなり、入射光の強度が一定であったとしても偏波面の変動によりその出力特性が変動してしまい、実際に光導波路として用いる場合には極端に用途が限られてしまうという問題があった(例えば、上記非特許文献2)。また、光導波路の耐熱性と低複屈折を両立する方法として、不斉スピロビインダン環を導入し、芳香環の配向を低減する方法が提案されているが、芳香環の配向を十分に打ち消すことができないため、導波路材料として使用するには、まだ不十分であった(例えば、上記特許文献1)。
吸湿により、有機透明材料の屈折率が変化する(例えば、上記非特許文献3)。
(3)硬化収縮による信頼性の低下
架橋性基を導入した硬化樹脂の場合、硬化前後の体積変化が大きいときは内部歪みが残り、残留応力が生じる。その結果、テルコーディア規格に規定される熱衝撃試験等を実施した場合、クラックが発生する等の信頼性に関する問題を生じた(例えば、上記特許文献2、3参照)。
(4)コア・クラッド界面の粗さに起因する伝搬損失の悪化
耐溶剤性が悪い樹脂の場合、下部クラッド、コア、上部クラッドを順次作り込んでいくプロセスにおいて、樹脂への溶解性が同一あるいは類似した溶剤を使用した塗布法を使うために、下層の表面が上層塗布溶液に溶解あるいは膨潤されて界面が不均一になる場合(例えば、特許文献1参照)やエッチングによってコアを形成する場合、コア・クラッド界面の粗さが大きいため、伝搬損失が悪化する(例えば、上記非特許文献4)。
(5)金型を用いた光導波路作製法は離型性に難がある
表面粗さの小さい金型を用いて成形すると、コア・クラッド界面の表面粗さが小さい低伝搬損失の光導波路を形成できるが、脱型工程が必須のため、金型の繰り返し使用で、樹脂が金型に詰まり、所望の形状のコア・クラッドを形成できないという問題があり、従来から離型性を高める量産性の向上が図られているが(例えば、上記特許文献4〜6)十分とはいえなかった。
すなわち、本発明は、下記の第1発明および第2発明からなる。
第1発明:共役二重結合を有していない脂環基及び2個以上の架橋性基を有する化合物(A)の分子量に基づいて、該脂環基を構成する炭素の原子量の合計が30〜80重量%であることを特徴とする光導波路形成用化合物(A)、該化合物からなる光導波路形成用組成物、該組成物の硬化物からなる光導波路用樹脂および該樹脂からなる光導波路。
第2発明:硬化性樹脂の硬化物からなり、ガラス転移温度が150℃以上、硬化体積収縮率が7%以下、吸水率が0.5%以下、かつ複屈折が1×10-4以下であることを特徴とする光導波路。
(1)耐熱性が高く、複屈折が低い。
(2)低吸湿性である。
(3)低硬化収縮性である。
(4)コア−クラッド界面の平滑性に優れる。
(5)金型を用いた作製法でも量産性が高い。
(6)伝搬損失が小さく信頼性が高い。
第1発明の、共役二重結合を有していない脂環基及び2個以上の架橋性基を有する化合物(A)の分子量に基づいて、該脂環基を構成する炭素の原子量の合計が30〜80重量%である光導波路形成用化合物(A)としては、分子中に共役二重結合を有していない脂環基(B)及び2個以上の架橋性基(C)を含有し、上記の脂環基を構成する炭素の量を満たすものなら特に限定はないが、該(B)には、単環式化合物、多環式化合物、縮合環式化合物、有橋環式化合物およびスピラン環式化合物から選ばれる脂環基を有する化合物から2個以上の水素原子を除いた脂環基が含まれる。
これらのうち好ましいのは該脂環基を有する化合物から2〜4個の水素原子を除いた脂環基である。2個以上であると(A)中の架橋性基を2個以上導入することができるので好ましい。なお、ここで脂環基を構成する炭素の原子量の合計とは、脂環基を構成する炭素(環外の炭素は含まない)の数と炭素の原子量12との積値のことであり、30〜80重量%とはこの積値を化合物(A)の分子量に対する百分率(単位は重量%)で示したものである。
(A)は共役二重結合を有していない脂環基及び2個以上の架橋性基を有する化合物であって、共役二重結合を有するものでは分子分極が大きいため、大きな複屈折を生じ、光学特性が悪くなる。
化合物(A)の製造法には、種々の方法があり、特に限定はない。例えば脂環基を有する化合物をスタート原料として直接架橋性基を導入することも可能であるが、水酸基、カルボキシル基、不飽和基等の官能基を2個以上有する上記の脂環基を有する化合物を原料として、不飽和基、エポキシ基、オキセタン基、水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基、β−ケトエステル基、ハロゲン基及びその他の不安定な環状基等の群から選ばれる2個以上の官能基を有する化合物と反応させることにより製造するのが好ましい。一例を挙げると、例えば、2個の水酸基を有するトリシクロデカンジメタノール1モルと、不飽和基とカルボキシル基を有するメタクリル酸2モルを反応させることにより、1個の脂環基と2個の架橋性基を有する化合物が得られる。同様に、上記のトリシクロデカンジメタノール1モルと、エポキシ基とハロゲン基を有するエピクロルヒドリン2モルとのエーテル化反応で得られる化合物、あるいは2個のイソシアネート基を有する化合物2モルとのウレタン化反応で得られる化合物等が挙げられる。
また、化合物(A)は縮合していない独立した上記脂環基を2個以上有することが好ましい。より好ましくは2個〜6個又はそれ以上であり、特に好ましくは3〜6個である。独立した上記脂環基が2個以上であると硬化物のTgが高くなり、得られる光導波路の耐熱性が優れる。また、上記脂環基を有する化合物の内で好ましいものは縮合環式化合物及び有橋環式化合物であり、より好ましいものは有橋環式化合物である。縮合もしくは有橋脂環構造を有すると、得られる光導波路の耐熱性が優れる。これらのうちとくに好ましいのは、縮合もしくは有橋脂環構造を有する脂環基を構成する炭素の数の合計が13個又はそれ以上である化合物で、最も好ましいのは該炭素の数の合計が30個またはそれ以上である化合物である。該炭素の数が13個以上であると光導波路の耐熱性が良好となる。
また、架橋性基(C)は(A)中に2個以上含まれていることが必要である。好ましくは3個〜6個又はそれ以上である。2個未満であると得られる硬化物からなる光導波路用樹脂のTgが低くなり、得られる光導波路の耐熱性が不良となる。
不飽和基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロキシ基、プロペニル基、α−オレフィン基等の活性エネルギー線硬化性及び/又は熱重合性を有するものが挙げられる。エポキシ基としてはグリシジル基、及び下記(1)〜(3)式で示される基等が挙げられる。オキセタン基としては(4)式で示される基が挙げられる。β−ケトエステル基としては、(5)式で示される基が挙げられる。
また、(A)の分子量は、光導波路の加工性の観点から好ましい下限は分子量100、さらに好ましくは300、好ましい上限は数平均分子量[以下Mnと略記、測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]5,000、さらに好ましくはMn3,000である。
(A)の架橋性基の種類によって、反応機構が異なり、触媒や重合開始剤等の組み合わせも異なるが、以下(A)が有する架橋性基の場合に分けて硬化条件を説明する。
ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロキシ基、プロペニル基、α−オレフィン基等は活性エネルギー線硬化性を有するが、加熱によっても硬化性を有する。不飽和基を2個以上有する化合物(A)は2種以上用いてもよい。また、必要により(A)とは異なる他の不飽和モノマーを混合して用いてもよい。
このような他の不飽和モノマーとしては、炭化水素[C3〜40、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレンおよびジビニルベンゼン]、(メタ)アクリレート[C3〜40、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレート、トリメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート]、アリル化合物[C3〜40、例えばジアリルフタレートおよびトリアリルシアヌレート]等が挙げられる。
他の不飽和モノマーの合計配合割合は、光導波路形成用組成物全体の重量に基づいて通常60%以下、好ましくは0〜40%である。
(a1)油溶性パーオキサイド系重合開始剤:
アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシビバレート、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、−ブチルパーオキシラウレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジt−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド等;
(a2)水溶性パーオキサイド系重合開始剤:過酸化水素、過酢酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等;
(b1)油溶性アゾ系重合開始剤:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略記)、1,1’−アゾビスシクロヘキサン1−カーボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2
,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等;
(b2)水溶性アゾ系重合開始剤:アゾビスアミジノプロパン塩、アゾビスシアノバレリックアシッド(塩)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等;
(c1)油溶性レドックス系重合開始剤
油溶性過酸化物(脂肪酸ヒドロペルオキシド、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル等)と、油溶性還元剤[第3アミン、ナフテン酸塩、メルカプタン類、有機金属化合物(トリエチルアルミニウム、トリエチルホウ素、ジエチル亜鉛等)等]とを併用;
水溶性過酸化物(過硫酸塩、過酸化水素、アルコールヒドロペルオキシド等)と、水溶性の無機もしくは有機還元剤(2価鉄塩、亜硫酸水素ナトリウム、アルコール、ポリアミン等)とを併用;
アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、キサントン、1,1−ジメトキシジオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン系化合物、ジエチルチオキサントン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4、トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。
ラジカル系重合開始剤の使用量は、(A)の重量に基づいて好ましくは0.01〜30%、さらに好ましくは0.1〜15%である。
(e)のうち、塩を形成する場合の金属は、特に限定されるものではないが、アルカリ金属以外のもので、2価又は3価の金属が好ましい。これらのうちさらに好ましいのはCo、Ni、Cu、およびとくに好ましいのはMg、Zn、Ca、Sr、Ba、Al、最も好ましいのはMg、Zn、Alである。過ハロゲン酸(塩)のハロゲンとしては塩素、臭素、沃素が挙げられ、これらのうち塩素が好ましい。従って、(e)としては、2価もしくは3価の金属の過塩素酸塩が好ましく、Mg、Zn及びAlから選ばれる金属の過塩素酸塩がさらに好ましい。また、(e)に2価もしくは3価の金属アルコラート(アルミニウムトリエトキシド等)を併用してもよい。
(e)の使用量は、化合物(A)の重量に基づいて通常0.01〜30%、好ましくは0.1〜15%である。
(f)の使用量は、化合物(A)の重量に基づいて通常0.01〜30%、好ましくは0.1〜15%である。
オニウム塩(g1)としては、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、フェロセン等を挙げることができる。
ヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウム
テトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
また、上記イオン系重合開始剤(e)、(f)および(g)はそれぞれ単独、それぞれの2種類以上の併用、または(e)、(f)および(g)の間で併用することができ、併用の場合のイオン系重合開始剤としての使用量は、化合物(A)の重量に基づいて、通常0.05〜25%、硬化性および硬化物の性能の観点から好ましくは1〜20%である。
加熱して硬化させる場合は好ましくは50〜200℃、より好ましくは60〜150℃で好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは1〜5時間で行われる。
エポキシ基、オキセタン基は、カルボキシル基、アミノ基等と反応するため、これらの架橋性基を2個以上有する化合物と反応させて架橋できる。
熱硬化の場合、これらの架橋性基をもつ後述の(A)と反応させるのが好ましいが、カルボキシル基、アミノ基等を有する通常エポキシ樹脂等の硬化剤として使用されるものを用いてもよい。
該硬化剤としては、脂肪族アミン(C2〜30、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンおよびキシリレンジアミン);脂環式アミン(C3〜30、例えば4,4’−ジアミノビスシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミンおよび水添キシリレンジアミン);芳香族アミン(C6〜30、例えばアニリン、ジメチルアニリン、ジアミノジフェニルメタンおよびフェニレンジアミン);およびカルボン酸(C2〜30、例えばフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸およびテトラヒドロフタル酸)とその無水物等が挙げられる。
硬化条件として、(A)および上記の成分を混合して、塗布又は注型し、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃で数時間反応させ、さらに数時間〜10日間30℃で養生することにより、硬化物が得られる。
カルボキシル基、イソシアネート基等と反応するため、これらの架橋性基を2個以上有する化合物と反応させて架橋できる。これらの架橋性基をもつ(A)と反応させるのが好ましい。
カルボキシル基を2個以上有する化合物としてはポリカルボン酸及びその誘導体(酸ハライド、酸無水物、低級アルキルエステル等)が挙げられ、例えば
(イ)ポリカルボン酸としてはC4〜30、2価〜8価又はそれ以上の飽和カルボン酸等が挙げられる。
(1)飽和カルボン酸
イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ポリカルボン酸
(2)重合性不飽和基を有するポリカルボン酸
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等の重合性不飽和基を有するポリカルボン酸
等が挙げられる。
(ロ)ポリカルボン酸のハロゲン化物としては上記ポリカルボン酸の酸塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物が挙げられ、例えばマレイン酸塩化物、イタコン酸塩化物、フマル酸臭化物、シトラコン酸塩化物等が挙げられる。
(ニ)ポリカルボン酸のエステルとしては、上記ポリカルボン酸の低級アルキル(C1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル等)が挙げられる。
(イ)C(NCO基中のCを除く)6〜20の芳香族ポリイソシアネート
1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネート(PAPI)等
エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)等
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H−MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート(HTDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び/又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等
(ニ)C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート
m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等
ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等;変性物の例としては、例えばポリイソシアネートのポリオール(下記低分子及び/又は高分子ポリオール)アダクト体[NCO/OHの当量比は好ましくは1.01〜10/1、さらに好ましくは1.1〜5/1であり、例えばトリメチロールプロパン1モルと前記のジイソシアネート3モルのアダクト体、ペンタエリスリトールと前記のジイソシアネート4モルのアダクト体等
Mnが好ましくは1,000〜4,500、さらに好ましくは1,500〜4,000であり、1分子中にNCO基を好ましくは平均1.5個以上、さらに好ましくは1.5〜5個含有し、後述する低分子ポリオールや高分子ポリオールと上記のポリイソシアネートとのウレタン化反応により製造されるNCO末端ウレタンプレポリマー
(ト)ジイソシアネート重合体
上記ポリイソシアネートのイソシアヌレート(三量体、五量体)、前記のジイソシアネートのビウレット(三量体、五量体)等
等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいものは、TDI、MDI、XDIおよびTMXDIであり、特に好ましいのはTDI及びMDIである。
イソシアネート基と反応させる場合には、必要により、分子量62〜Mn400の低分子量ポリオール(ウレタン硬化剤)、ウレタン化促進触媒等を混合して反応させるのが好ましい。
活性水素原子と反応するため水酸基、アミノ基等の活性水素原子を2個以上有する架橋性基を有する化合物と反応させて架橋できる。これらの架橋性基をもつ(A)と反応させるのが好ましい。
水酸基を2個以上有する化合物には、Mnが400を超え12,000以下である高分子ポリオールおよび分子量62〜Mn400の低分子量ポリオールが含まれる。
高分子ポリオールとしては、高分子ジオール、例えば、Mn600〜4,000のジオール〔例えば2価アルコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等]のアルキレンオキサイド(以下AOと略記)(C2〜4)付加物];高分子ポリ(3価またはそれ以上)オール(Mn1,000〜4,500)[グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール、ペンタエリスリト―ル、ジグリセリン、α−メチルグルコシド、ソルビト―ル、キシリット、マンニット、ジペンタエリスリト−ル、グルコ−ス、フルクト−ス、ショ糖などの4〜8価の多価アルコール、ピロガロ―ル、カテコール、ヒドロキノンなどの多価フェノ―ル、ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのビスフェノ―ル類等のAO(C2〜4)付加物、ポリブタジエンポリオール、ひまし油系ポリオール、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体、ポリビニルアルコール類などの多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール等];
ポリカルボン酸[C3〜30、例えばコハク酸、アジピン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸;アクリル酸の(共)重合物等のポリカルボン酸重合体(官能基数2〜100)等]のAO(C2〜4)付加物(分子量150〜Mn4,500);
硬化方法は、上記の水酸基を有する(A)とイソシアネート基との反応の場合と同じでよい。
活性水素原子を2個以上有するアミンとしては上記アミンとして例示したもののうち、活性水素原子を2個以上有するアミン(例えば1級モノアミンおよびポリアミン)と同じものが使用できる。
硬化方法は特に限定されないが、アミノ基とイソシアネート基との反応は水酸基より低温で可能である。アミノ基の活性水素とイソシアネート基の当量比を、好ましくは1:0.7〜0.7:1、より好ましくは1:0.9〜0.9:1として、(A)と架橋性基もしくは活性水素原子を2個以上有する化合物を混合して、塗布/注型した後、室温〜100℃、より好ましくは30〜80℃の温度で反応させて硬化させることができる。反応の終点は、イソシアネート含量、水酸基価もしくはアミン価で確認できるが、塗膜/成形物の硬さ、耐溶剤性等によっても判断できる。
水酸基、エポキシ基等と反応するため、これらの架橋性基を2個以上有する化合物と反応させて架橋できる。これらの架橋性基をもつ(A)と反応させるのが好ましい。
水酸基を2個以上有する化合物としては上記のものと同じものが使用できる。カルボキシル基と水酸基との反応はエステル化反応であり、上記と同様な反応条件でよい。
(イ)グリシジルエーテル
(i)2価フェノールのジグリシジルエーテル:2価フェノール(C6〜30)のジグリシジルエーテル、例えばフェノールジグリシジルエーテル(カテコール−、レゾルシノール−およびハイドロキノンジグリシジルエーテル等)、ビスフェノールジグリシジルエーテル[ビスフェノールF、−A、−B、−ADおよび−Sジグリシジルエーテル、ハロゲン化ジグリシジルエーテル(テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル等)等]、ビフェニルジグリシジルエーテル(ジヒドロキシビフェニル−およびオクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル等)、その他の多環フェノールジグリシジルエーテル(ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル等);
多価フェノール(C6〜Mn3,000の3価〜6価またはそれ以上)のポリグリシジルエーテル、例えばピロガロールトリグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、p−グリシジルフェニルジメチルトリールビスフェノールAグリシジルエーテル、トリスメチル−t−ブチル−ブチルヒドロキシメタントリグリシジルエーテル、4,4’−オキシビス(1,4−フェニルエチル)テトラクレゾールグリシジルエーテル、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、リモネンフェノールノボラック樹脂(Mn400〜3,000)のグリシジルエーテル、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド又はホルムアルデヒドとの縮合反応によって得られるポリフェノール(Mn400〜3,000)のポリグリシジルエーテル、及びレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られるポリフェノール(Mn400〜3,000)のポリグリシジルエーテル等;
ジオール(分子量62〜Mn3,000)の、ジグリシジルエーテル、例えばアルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(Mn150〜3,000)ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール(Mn180〜3,000)ジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mn200〜3,000)ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのAO[エチレンオキサイド(以下EOと略記)又はプロピレンオキサイド(以下POと略記)]1〜20モル付加物のジグリシジルエーテル等;
(iv)3価〜6価又はそれ以上の脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル:
多価(3価〜6価又はそれ以上)アルコール(分子量92〜Mn3,000)のポリグリシジルエーテル、例えばグリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、ポリ(n=2〜5)グリセロールポリグリシジルエーテル等
芳香族ポリカルボン酸(C6〜20又はそれ以上で、2価〜6価又はそれ以上)または脂肪族もしくは脂環式ポリカルボン酸(C4〜20又はそれ以上で、2価〜6価又はそれ以上)のポリグリシジルエステル等:
(i)芳香族ポリカルボン酸のグリシジルエステルとしては、例えばフタル酸類のグリシジルエステル(オルト−、イソ−およびテレフタル酸ジグリシジルエステル等)、トリメリット酸トリグリシジルエステル等;
(ii)脂肪族もしくは脂環式ポリカルボン酸のグリシジルエステルとしては、上記フェノールのグリシジルエステルの芳香核水添加物、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体(重合度は例えば2〜10)、トリカルバリル酸トリグリシジルエステル等
芳香族アミン(C6〜20又はそれ以上で、2〜10個又はそれ以上の活性水素原子をもつ)のグリシジルアミン及び(芳香)脂肪族、脂環式若しくは複素環式アミン(C2〜20又はそれ以上で、2〜10個又はそれ以上の活性水素原子をもつ)のグリシジルアミン等
(i)芳香族アミンのグリシジルアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジエチルジフェニルメタン、N,N,O−トリグリシジルアミノフェノール等;
(ii)(芳香)脂肪族アミンのグリシジルアミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等;
(iii)脂環式アミンのグリシジルアミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミンの水添化合物等;複素環式アミンのグリシジルアミンとしてはトリスグリシジルメラミン等;
C6〜50又はそれ以上で、2価〜6価又はそれ以上の脂肪族エポキシド、例えばエポキシ当量130〜1,000のエポキシ化ポリブタジエン(分子量170〜Mn3,000)、エポキシ化大豆油(分子量170〜Mn3,000)等
(ホ)脂環式エポキシド
C6〜50又はそれ以上で、分子量98〜Mn3,000、エポキシ基の数2〜4又はそれ以上の脂環式エポキシド、例えばビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、及びビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン、前記フェノール類のエポキシ化合物の核水添化物等
これらのうちで好ましいのは、2価フェノール(C6〜30)のジグリシジルエーテル、3〜6価又はそれ以上の多価フェノール(C6〜50)のポリグリシジルエーテルであり、特に好ましいのは2価フェノール(C6〜30)のジグリシジルエーテルである。
硬化方法は前記のカルボキシル基とエポキシ基との反応の場合と同じでよい。すなわち、エポキシ樹脂硬化剤、硬化促進剤等を混合して、塗布/注型し、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃で数時間反応させ、さらに数時間〜10日養生することにより、塗膜/成形物の硬化物が得られる。
イソシアネート基、エポキシ基等と反応するため、これらの架橋性基を2個以上有する化合物と反応させて架橋できる。これらの架橋性基をもつ(A)と反応させるのが好ましい。
イソシアネート基を2個以上有する化合物としては上記のものと同じものが使用できる。イソシアネート基とアミノ基との反応は上記と同様な反応条件でよい。
エポキシ基を2個以上有する化合物としては上記のものと同じものが使用できる。アミノ基とエポキシ基との反応も上記と同じでよい。
不飽和基、エポキシ基等と反応するので、これらの架橋性基を2個以上有する化合物と反応させて架橋できる。これらの架橋性基をもつ(A)と反応させるのが好ましい。
不飽和基を2個以上有する化合物としては上記のものと同じものが使用できる。
反応条件としては、熱硬化の場合、メルカプト基を2個以上有する化合物と不飽和基を含有する化合物を混合し、加熱することで硬化できる。硬化条件としては、90℃以上の温度で数時間、より好ましくは110℃〜150℃で数時間反応させる方法が挙げられる。
活性エネルギー線硬化の場合は、メルカプト基を2個以上有する化合物と不飽和基を含有する化合物、ベンゾフェノン等の水素引き抜き型の光重合開始剤(使用量は該硬化させる化合物の合計重量に基づいて通常0.01〜30%)を混合し、上記不飽和基の反応条件と同様の条件で硬化できる。
メルカプト基と不飽和基の当量比は好ましくは1:0.7〜0.7:1、より好ましくは1:0.9〜0.9:1で(A)と不飽和基を含有する化合物を混合して、塗布/注型した後、上記の条件で硬化させることができる。
エポキシ基を2個以上有する化合物としては上記のものと同じものが使用できる。
反応条件も上記の水酸基とエポキシ基との反応条件と同じでよい。
アミノ基、イソシアネート基等と反応するので、これらの架橋性基を2個以上有する化合物と反応させて架橋できる。
アミノ基を2個以上有する化合物としては上記のものと同じものが使用できる。
反応条件も上記のアミノ基とエポキシ基との反応の場合と同じでよい。
イソシアネート基を2個以上有する化合物としては上記のものと同じものが使用できる。反応条件も上記の水酸基とイソシアネート基との反応の場合と同じでよい。
カルボキシル基、フェノキシ基、メルカプト基、ヒドロシル基等の活性水素原子を有する官能基と反応するため、これらの架橋性基を2個以上有する化合物と反応させて架橋できる。その他の環状基を2つ以上有する化合物としては、特開平7−188397に例示される6−エチルトリシクロ[2,2,1,02,6]ヘプタン−3−オールのメタクリル酸エステルからなるポリマーが挙げられる。
配合量は活性水素と環状基の当量比は好ましくは1:0.7〜0.7:1、より好ましくは1:0.9〜0.9:1である。反応条件としては、触媒を混合し、90℃以上の温度で数時間、より好ましくは110℃〜150℃で数時間反応させる方法が挙げられる。 使用する触媒としては、金属アセチルアセトネート(アルミニウムアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネート等)、有機金属化合物(2−エチルヘキサン酸亜鉛、酢酸パラジウム、ジブチル錫ジラウレート等が有効であり、触媒の使用量は、組成物の全重量に基づいて通常3%以下、好ましくは0.1〜1.0%である。
該組成物を用いて光導波路を作製する方法には、コアをエッチングで形成する方法と金型を使用してエッチングを伴わずにコアの形成を行う方法が含まれる。金型を使用する場合は、組成物の硬化物からなる光導波路用樹脂の優れた離型性を得ることを目的に組成物
に界面活性剤(D)を含有させることが好ましい。
第1発明における界面活性剤(D)には、フッ素含有ノニオン界面活性剤、シリコン含有ノニオン界面活性剤、その他のノニオン界面活性剤(上記のフッ素含有およびシリコン含有ノニオン界面活性剤を除く)、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤が含まれる。
フッ素化アルキル基は、金型に対する継続的な離型性を発現させるためには、アルキル基のCが4以上のものが好ましく、6以上がさらに好ましい。Cが4以上のものを用いた場合には、金型サイズ、形状、押圧条件等の成形される条件、用いる活性エネルギー線硬化性組成物、基材、目的とする離型性のレベル等にもよるが、繰り返し使用した場合に十分な離型性が得られる。
一方、他の組成物成分との相溶性の観点からは、アルキル基のCが8以下のものが好ましい。Cが8以下であると、他の組成物成分との相溶性が良好であることから、光導波路の力学強度、透光性の観点からも好ましい。
これらの親水基は、間接的に継続的な金型離型性を付与する役割と、フッ素含有ノニオン界面活性剤を該化合物(A)中に相溶させる役割があると推定できる。
ここで、間接的に継続的な金型離型性を付与する役割とは、以下のように考えられる。光導波路を製造する金型の材質は、金属、ガラス等の親水性材料である場合がほとんどであるため、親水基はこの金型界面に優先的に吸着する。フッ素含有界面活性剤は、同一分子中にフッ素化アルキル基と親水基を含有しているので、親水基が金型界面へ配向することにより、フッ素化アルキル基を効率良く金型界面に移行させることになり、優れた離型性を発現すると推定できる。フッ素含有界面活性剤中から親水基が欠落すると、目的とする離型性を得るために必要なフッ素化アルキル基を、金型界面に移行させることが困難になるばかりでなく、フッ素含有界面活性剤と組成物中の他の成分との相溶性を低下させるために、目的とする光導波路の力学強度、伝搬損失の性能低下に繋がることになる。
Rf 1−(X1)a−(CmH2mO)k−Z (I)
式中、Rf 1はC1〜20の直鎖状もしくは分岐状の、主鎖に酸素原子を含んでいてもよいフッ素化アルキル基を表し、X1は2価の連結基を表し、aは0又は1、mは1〜4の整数、kは1〜100の整数であり、ZはH又はC1〜6のアルキル基を表す。RfのCは4〜8が好ましく、6〜8がより好ましい。
2価の連結基X1としては具体的には、−(CH2)n−、−CH2C(OH)H(CH2)n−、−(CH2)nN(R)SO2−、−(CH2)nN(R)CO−、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C (CF3)2−、−CH(CF3)−、−C(CH3)(CF3)−
等が挙げられる。但し、ここにおいてnは1〜10の整数であり、RはHまたはC1〜6のアルキル基を表す。
C6F13SO2N(C3H7)(CH2CH2O)3H、C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)10CH3、
C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)10C4H9、C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)10H、C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)20H、C4F9SO2N(CH3)(CH2CH2O)5H、C6F13SO2N(C3H7)(CH2CH2O)15COCH2CH2COONa、C8F17SO2NH(CH2CH2O)10[CH(CH3)CH2O]20(CH2CH2O)10H、C8F17SO2NHCH2CH2O[CH(CH3)CH2O]20H
C8F17(CH2CH2O)20H、C8F17(CH2CH2O)5H、C12F25(CH2CH2O)8CH3、C8F17CH2CH2(CH2CH2O)20H、
C8F17CH2CH2(CH2CH2O)20CH3、C8F17(CH2CH2O)30CH3、C8F17(CH2CH2O)5COCH2CH2COOK
CH2=CRC(=O)O−(X1)a−Rf 2 (II)
[式中、Rf 2はC1〜20の直鎖状もしくは分岐状の主鎖に酸素原子を含んでいてもよいパーフルオロアルキル基または部分フッ素化アルキル基、R、X1およびaは前記と同じである。]
上記フッ素化(メタ)アクリレートの具体例として以下の如きものが挙げられる。
CH2=CHCOOCH2CH2C8F17、CH2=C(CH3)COOCH2CH2C8F17、CH2=CHCOOCH2CH2C12F25、CH2=C(CH3)COOCH2CH2C12F25、CH2=CHCOOCH2CH2C10F21、CH2=CHCOOCH2CH2C6F13、CH2=C(CH3)COOCH2CH2C6F13、CH2=CHCOOCH2CH2C4F9、CH2=C(CH3)COOCH2CH2C20F41、CH2=C(CH3)COOCH2CH2C4F9、CH2=C(CH3)COO(CH2)6C10F21、CH2=CHCOOCH2CF3、CH2=CHCOOCH2C8F17、CH2=C(CH3)COOCH2C20F41、CH2=C(CH3)COOCH2CF(CF3)2、CH2=C(CH3)COOCH2CFHCF3、CH2=CHCOOCH2(CH2)6CF(CF3)2、CH2=C(CH3)COOCHCF2CFHCF3、CH2=C(CH3)COOCH(C2H5)C10F21、CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)2H、CH2=CHCOOCH2(CF2)4H、CH2=C(CH3)COO(CF2)4H、CH2=CHCOOCH2(CF2)6H、CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)6H、CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)8H、CH2=CHCOOCH2(CF2)12H、CH2=CHCOOCH2(CF2)14H、CH2=CHCOOCH2(CF2)18H、CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)7H、CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)7H、CH2=C(CH3)COOC(CH3)2(CF2)6H、CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)(CH2)4C18F37、CH2=CHCOOCH2CH2N(C3H7)SO2C8F17
、CH2=C(CH3)COOCH2CH2N(CH3)SO2C6F13、CH2=C(Cl)COO(CH2)6NHSO2C12F25、CH2=CHCOOCH2CH2N(C2H5)COC7F15、CH2=CHCOO(CH2)8N(CH3)COC12F25、CH2=CHCOO(CH2)2(CF2)8CF(CF3)2
また、フッ素化(メタ)アクリレートは、1種類のみであってもよいし、構造が異なる2種類以上の化合物を同時に用いても構わない。
(メタ)アクリル酸のC1〜18のヒドロキシアルキルエステル、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル、例えばグリシジル(メタ)アクリレート;また、側鎖にEO、PO等の繰り返し単位、即ちポリオキシアルキレン(重合度は好ましくは3〜100)を含有するモノマーが挙げられ、具体的商品名の例としては、NKエステルM−20G、−40G、−90G、−230Gおよび−450G、AM−90G、−1G、−2G、−3G、−4G、−9G、−14G、−23Gおよび−9PG、A−200、−400および−600、APG−400および−700[以上は新中村化学工業(株)製]、ブレンマーPE−90、−200および−350、PME−100、−400および−4000、PP−1000および−500、70FEP−350B、55PET−800、50POEP−800B、NKH−5050、PDE−50、−100、−200および−600、AP−400、AE−350、ADE−400[以上は日本油脂(株)製]等である。
シリコン鎖含有(メタ)アクリレートとは、ポリシロキサン鎖の片末端あるいは両末端に2価の連結基を介して、(メタ)アクリロイル基が連結されたものであり、その具体例には、下記一般式(III)で表わされる化合物が挙げられる。
R13Si(R11)(R12)-O-Si(R11)(R12)-O-Si(R9)(R10)-(X2)p-C(R8)=CH2 (III)
[式中、R8はH、Cl、F、CH3を示し、R9、R10はC1〜20のアルキル基、フェニル基、もしくは R15Si(R14)(R15)-O-Si(R14)(R15)-O-(式中、R14、R15、R16はC1〜20のアルキル基又はフェニル基を示す)で表される官能基、R11、R12、R13はC1〜20のアルキル基又はフェニル基を示し、X2は-CH2CH(OH)CH2OCO-、-(CH2)rNHCH2CH(OH)CH20CO-、-(CH2)rOCO-、-(CH2)r-O-(CH2)qOCO-、-OCH2CH(OH)CH2OCO-、-(CH2)rC(CF3)2OCO-から選ばれる2価の連結基、pは0または1、q、rは2〜6の整数を示す。]
(Me)3SiOSi(Me)2CH2OCOC(Me)=CH2、(Me)3SiOSi(Ph)2CH2OCOC(Me)=CH2、
(Me)3SiOSi(Me)(Ph)CH2OCOC(Me)=CH2、(Me)3Si[OSi(Me)2]3CH2OCOC(Me)=CH2、
(Me)3SiOSi(Me)2CH2CH(OH)CH2OCOC(Me)=CH2、
(Me)3SiOSi(Me)2-(CH2)3NHCH2CH(OH)CH2OCOC(Me)=CH2、
(Me)3SiOSi(Me)2-(CH2)2C(CF3)2OCOC(Me)=CH2、
[(Me)3SiO]2Si(Me)-(CH2)3OCOC(Me)=CH2、
[(Me)3SiOSi(Me)2O]2Si(Me)-(CH2)3OCOC(Me)=CH2、
[(Me)3SiO][MeSi(Ph)2 O]Si(Ph)-(CH2)3OCOC(Me)=CH2、
[(Me)3SiO]2Si(Me)-(CH2)2C(CF3)2O-COC(Me)=CH2、
[(Me)3SiO]3Si-(CH2)3OCOC(Me)=CH2、
[(Me)3SiO][MeSi(Ph)2 O]2Si-(CH2)3O-COC(Me)=CH2、
[(Me)3SiO]3Si-(CH2)2C(CF3)2OCOC(Me)=CH2、
(但し、上記においてMe、Phはそれぞれメチル基、フェニル基を表わす。)
シリコーン鎖含有エチレン性不飽和モノマーを導入する場合、その導入量は特に制限されないが、共重合体中0.1〜50重量%が好ましく、0.5〜20重量%がより好ましく、1〜10重量%が特に好ましい。
また、共重合体の分子量は、重合方法、重合開始剤等によってもコントロールすることが可能であるが、必要に応じて業界公知の連鎖移動剤(ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノ−ル、エチルチオグリコ−ル酸、オクチルチオグリコ−ル酸等)を使用できる。また、紫外線のような光を利用する場合にも業界公知公用の前記の光重合開始剤を用いることができる。また、必要に応じて公知公用の前記の増感剤(アミン化合物、リン化合物等)を添加することにより、重合を迅速化することも可能である。電子線又は放射線によって重合体を得る場合には、重合開始剤は添加してもしなくてもよい。
上記重合開始剤、連鎖移動剤の片末端は、生成した重合体の分子鎖末端に位置することになるので、重合開始剤、連鎖移動剤の選択により、積極的に分子鎖末端に各種官能基を導入することや、導入された官能基を利用してブロック、グラフト共重合体等を得ることも可能である。
ポリマー型界面活性剤としては、上記のシリコン鎖含有エチレン性不飽和モノマー(但し、フッ素化アルキル基を含有するものを除く)と(β)を必須構成単位とする重合体である前記の他のモノマー(γ)(但し、フッ素化アルキル基を含有するものを除く)を加えたものであってもよい。これらの共重合比は前記のフッ素含有ポリマー型界面活性剤においてフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和モノマー(α)を除いたものの共重合比と同様が好ましく、重合法、分子量等も同様のものが好ましい。
ポリエーテル変性オルガノポリシロキサンとして好ましいのは、Mwが300〜30,000、さらに好ましくは500〜10,000のポリエーテル変性オルガノポリシロキサンであり、特に好ましいのはポリジメチルシロキサン等のオルガノポリシロキサンの側鎖又は両末端の少なくとも一つがポリオキシアルキレン基であるポリエーテル基が付加したものである。ポリエーテル基としてはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基および/またはポリオキシブチレン基が挙げられる。好ましいのはポリオキシエチレン鎖含有のポリオキシアルキレン基、さらに好ましいのはポリオキシアルキレン基を構成するAOのうちのEOが20モル%以上、特に好ましくは50モル%以上のものである。
このようなものとしては、例えば下記一般式(IV)で表されるポリエーテル変性オルガノポリシロキサンが挙げられる。
C8F17SO2N(C3H7)CH2CH2OPO(OH)2、C8F17CH2CH2OCOCH2CH2COOKおよびC6F13OPO(OH)2]等が挙げられる。
該組成物については、後述の光導波路を形成する際の塗装又は注型時の膜厚の調整の観点から、25℃における粘度の好ましい下限は5mPa・s、さらに好ましくは10mPa・s、特に好ましくは50mPa・s、膜に気泡が残留しにくく、脱泡も容易で取り扱い易いとの観点から好ましい上限は10,000mPa・s、さらに好ましくは5,000mPa・s、特に好ましくは2,500mPa・sである。温度条件等以外に組成物を低粘度化する方法には、反応性希釈剤または有機溶媒等の不活性溶剤を添加する方法が含まれる。不活性溶媒を使用する場合は硬化物に溶媒が残存してコアやクラッドが経時的に変形するおそれがあるのに対して、反応系に組み込まれる反応性希釈剤の場合はそのような問題がないことから、反応性希釈剤を用いて組成物の粘度を上記範囲とするのが好ましい。
屈折率が異なる2種類の光導波路用樹脂を光導波路のコアとクラッドに使用した場合、該樹脂の吸水率が0.5%以下であると、長期にわたる使用においてコアとクラッドの屈折率の差が変化せず、コア部分での光の閉じ込め効果が低下しないため好ましい。
第2発明は、硬化性樹脂の硬化物からなり、ガラス転移温度が150℃以上、硬化体積収縮率が7%以下、吸水率が0.5%以下、かつ複屈折が1×10-4以下であることを特徴とする光導波路である。
第2発明におけるガラス転移点温度が150℃以上、硬化体積収縮率が7%以下、吸水率が0.5%以下であって、かつ複屈折が1×10-4以下の硬化物は、本特性を満たすものであれば特に限定はない。
後述の方法で測定される硬化物のTgは150℃以上、好ましくは180〜400℃、さらに好ましくは200〜400℃である。
後述の方法で測定される硬化物の硬化体積収縮率は7%以下、好ましくは5.5%以下、さらに好ましくは5.0%以下、特に好ましくは4.0%以下である。
後述の方法で測定される硬化物の吸水率は0.5%以下、好ましくは0.3%以下である。
後述の方法で測定される硬化物の複屈折は1×10-4以下、好ましくは5×10-5以下、さらに好ましくは1×10-5以下、最も好ましくは1×10-6以下である。
本発明の光導波路の作製は公知の方法で行うことができる。光導波路を作製する場合の一例を挙げる。
まず、光導波路に要求される導波モード条件に応じて光導波路を構成するコアおよびクラッドの屈折率を設定し、該屈折率を有するコアおよびクラッドを得るために屈折率の異なる2種の(A)からなるコア形成用組成物およびクラッド形成用組成物をそれぞれ準備する必要がある。金型を用いた光導波路の作製の場合は、上記界面活性剤(D)をコアおよび/またはクラッド形成用組成物に加えることが好ましく、(D)の添加は、コアおよび/またはクラッド形成用組成物の比屈折率を調整する前であればいつ添加してもよい。
通常コア形成用組成物はクラッド形成用組成物より比屈折率が高く設定される。
屈折率向上性モノマーには、例えば芳香族モノマー(ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノールフルオレンジグリジジルエーテルアクリル酸付加物等)および芳香族モノマーの一部がハロゲン(Cl、Br等)化されたモノマー(例えば、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリジジルエーテルアクリル酸付加物)が含まれ、屈折率低減性モノマーには、例えば非芳香族モノマー[メチルメタクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート等]および非芳香環の一部がハロゲン(F等)化されたモノマー[ビスフェノールF(EO変性)ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヘキサフルオロ2−ヒドロキシ−2−プロピル)シクロヘキサンジグクリシジルエーテル(メタ)アクリル酸変性物、オクタフルオロペンチルアクリレート等]が含まれる。
このようにして、(A)をベースに、コアおよびクラッドの比屈折率調整を行った後、図1に模式的に示されるような埋め込みチャネル型の光導波路を作製するには、以下のような手順によるのが一般的である。なお、図1は、光導波路の断面構造の概略を含む模式図である。
クラッド形成用組成物をガラス基板にスピンコーティング法で塗布し、活性エネルギー線又は熱により硬化させ下部クラッドとする。次いで、この上にコア形成用組成物をスピンコーティング法等により塗布してコアを形成させる。本発明の光導波路の大きな特徴の1つは、成膜毎に膜を硬化させることでコア形成用組成物とクラッド形成用組成物が混ざり合うインターミキシングが完全に抑えられることにある。
溶媒の種類の選択と溶液濃度の調整により、薄膜の形成工程に対応した適当な粘性を得ることができる。
次に、エッチングマスク越しにコア層を反応性イオンエッチング(以下、RIEと略記)することにより所望の導波路パターンを形成させることができる。また本発明の組成物は、活性エネルギー線の照射により硬化させる場合、マスクを通して光を直接照射し、照射していない部分を溶媒で溶解除去することにより導波路パターンを形成させることもできる。最後に上部クラッド形成用組成物をスピンコーティング法で塗布し硬化させる。光導波路は、以上説明したRIEのようなドライエッチングや溶媒等の現像液を使用したウェットエッチングによる方法で作製できる。
金型法を用いて光導波路を作製する場合、組成物が有機溶媒等の不活性溶媒で希釈されていると、脱溶媒が困難であるため、組成物は無溶媒が好ましい。具体的な作製方法を以下に示す。
本発明で用いられる組成物は、無溶媒であっても低粘度であり、従来の光硬化性樹脂に比べ金型への注型性が良好であるため、金型法で起こりやすい金型表面への樹脂の配向が防止することができ、複屈折を起こしにくいという長所がある。
コアとクラッドの界面の平滑性が高い光導波路を得るとの観点から、光導波路の作製方法としては、コアとクラッド形成用組成物として(A)、さらに好ましくは(A)と(D)からなる組成物を用いて、エッチングを伴わずにコアの形成が可能な金型を用いる作製方法が好ましく、コアとクラッド形成用組成物として(A)、さらに好ましくは(A)と(D)からなる組成物を用いて、シンクロトロン放射光を用いて作製したLIGA金型又は単結晶ダイヤモンド工具と超精密CNT旋盤による超精密切削加工法(以下、SPDTと略記)を用いて作製した金型を用いる作製方法がより好ましい。これらのLIGA金型またはSPDT加工された金型は表面平滑性が非常に高いため、コアとクラッドの界面の表面粗さが0.15mμ以下の光導波路の作製には好ましく、(A)、特に(A)と(D)からなる組成物とともに使用すると、金型の繰り返し使用に耐える優れた離型性が得られることから量産性に優れ、低伝搬損失で信頼性の高い光導波路を作製することができる。
[試験サンプル作製方法]
ガラス転移温度、吸水率、屈折率、複屈折及び硬化体積収縮率は、実施例及び比較例記載の各処方で作成したコア形成用組成物とクラッド形成用組成物を厚さ1mmのシリコンゴム製スペーサーを間に挟んだガラス板の間に注入し、高圧水銀灯照射(8,000mJ/cm2、以下同じ。)して作成した硬化物からなる光導波路用樹脂を用いて測定した。また伝搬損失は、上記コア形成用組成物とクラッド形成用組成物を用い、金型法によって作製したマルチモード光導波路を用いて評価した。マルチモード光導波路の作製は、以下の方法に従って行った。
平滑なガラス基板上にクラッド形成用組成物をスピンコーティング法にて塗布し、厚さ60μmの厚膜を塗布した。ここにシンクロトロン放射光を用いて作製した凸状LIGA金型(凸部の高さ40μm、幅40μm、長さ6cm、表面粗さ10nm)を、圧力をかけながら押し当て、ガラス基板の裏面より高圧水銀灯照射した。その後、LIGA金型を押し当てたまま、110℃で15分加熱して完全に硬化させ、凹状の下部クラッド(凹部の深さ40μm、幅40μm、長さ6cm)を作製した。
次にこの凹部に、コア形成用組成物を注入し、再び高圧水銀灯照射で光硬化させることにより、深さ40mμのコアを形成させる。コア部は光硬化させた後、この上にクラッド形成用組成物を厚さ20μmでスピンコーティング塗布し、これを高圧水銀灯照射と熱(200℃、1時間)で完全に硬化させ、上部クラッド膜とする。この結果、埋め込みチャネル構造のマルチモード光導波路が得られた。
1.粘度
東京計器社製BL型粘度計(B8L型)を用いて、25℃で測定した。単位はmPa・s。
2.Tg
コア及びクラッド形成用組成物の硬化物からなる光導波路用樹脂(10×30×2mm)を動的粘弾性測定(DMA)[UBM(株)製 Reogel−E4000]により、窒素雰囲気下において、10℃/分の昇温速度で測定した。
3.吸水率
コア及びクラッド形成用組成物の硬化物からなる光導波路用樹脂(10×30×2mm)をJIS K7209‐2000に準じて、23℃の蒸留水に24時間浸漬し、その前後における重量を測定することにより求めた。
4.屈折率及び複屈折
プリズムカップリング法を用いて、コア及びクラッド形成用組成物をテンパックスガラス上にスピンコーティング塗布して硬化させた膜厚5μmの硬化膜からなる光導波路用樹脂の屈折率及び複屈折測定した[測定装置:オーケーラボ(株)製 REF−100F]。複屈折は下式により算出した。
複屈折=TM−TE
(TE:フィルム面と平行な方向の偏波での屈折率、TM:フィルム面と垂直な方向の偏波での屈折率)
測定は、850nmの波長のレーザーを用いて行った。
5.硬化体積収縮率
硬化前の樹脂組成物の密度(D1)とその硬化物からなる光導波路用樹脂(10×30×2mm)の密度(D2)を測定し、下記式より算出した。
硬化体積収縮率(%)=[1−(D1/D2)]×100
6.コアとクラッドの界面の表面粗さ
各実施例に記載の方法で作成した下部クラッドを、原子間力顕微鏡[(株)島津製作所製SPM−9500J3]を用いて、クラッドの側面の表面粗さ(Ra)を測定し、コアとクラッドの界面の表面粗さとした。
7.伝搬損失
パワーメーターに接続した導波路調芯装置[神津精機(株)製 WA−1000]を用いて、ダイシングソーで切り出した長さの異なる光導波路の伝搬損失をカットバック法により測定した。測定は850nmの波長のレーザーを用いて行った。
8.湿熱試験
湿熱試験は、各実施例で作製した埋め込みチャネル型光導波路を75℃、90%RHの雰囲気下で5,156時間静置する条件で実施した。湿熱試験における光導波路の評価は、湿熱試験前後での光導波路の伝搬損失を上記記載の方法で測定することで行った。
9.離型性評価
上記金型を用いる光導波路作製方法において、活性エネルギー線硬化、脱型の操作を繰り返し行い、金型内の樹脂詰まり、離型性不十分等の理由により、操作が繰り返し行えなくなるまでの回数を記録した。また、1,000回目まで脱型できたものについては、1,000回脱型した後の金型内の樹脂の残存状況を光学顕微鏡にて観察した。金型内の状態は、○:樹脂の残存がない、×:樹脂が残存するの2段階で評価した。
<脂環式化合物(ア)の合成>
撹拌器、温度計、冷却管、窒素導入管を備えたガラス製容器に1,2,3−プロパントリカルボン酸17.6g、ジシクロペンタジエンジメタノール58.8g、トルエン300g、ハイドロキノン100mgを入れ、空気を吹き込みながら、撹拌、還流させた。生成水を随時取り除きながら、3時間後、酸価が所定量(0.2KOHmg/g以下。以下においては数値のみを示す。)まで下がったのを確認した後、アクリル酸を28.1g加えた。さらにエステル化反応を継続し、反応開始6時間後から、20mmHgまで減圧にして還流させながら反応を継続し、酸価が所定量(13.0以下)まで下がったのを確認した後、飽和水酸化ナトリウム水溶液で中和した。有機層を回収後、飽和食塩水で3回洗浄し、有機層を再度回収した。有機層に硫酸ナトリウムを加え一晩静置後、脱溶媒しさらにろ過により塩を取り除くことで、目的のアクリレート変性脂環式化合物(ア)を得た。
<脂環式化合物(イ)の合成>
Parrの装置(水添装置)で用いる還元容器の内部を窒素で置換し、該容器に5%Rh−Al2O3触媒40gを直接量りとった。95%エタノール50mlを注意深く加えて触媒を湿らせた後、ビスフェノールフルオレン[商品名:BPFL、新日鐵化学(株)製、以下同じ。]350.42g、エタノール500mlおよび酢酸12mlを加えた。
該還元容器を、Parrの装置に接続し、55〜60psiの水素圧下で振とうした。12時間後に理論量の水素が吸収されたのを確認後、触媒を吸引ろ過し、エタノール50mlで2回洗った。ろ過液を減圧下で濃縮して油状物質395.5gを得た。これをベンゼンに溶かし、10%水酸化ナトリウム水溶液で3回、その後水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮してビスフェノールフルオレンの水添化物(イ−1)318.9gを得た。
次に、(イ−1)300.0g、アクリル酸138.2g、トルエン440.0g、ハイドロキノン100mg、p−トルエンスルホン酸10gを実施例1と同様の別のガラス容器に加え、窒素を吹き込みながら、撹拌、還流させた。生成水を随時取り除きながら、3時間後、20mmHgまで減圧にして、還流させながら反応を継続させ、酸価が所定量(22.0以下)まで下がったのを確認した後は、実施例1と同様に操作を行い、目的のエポキシ変性脂環式化合物(イ)を得た。
<脂環式化合物(ウ)の合成>
撹拌器、温度計、冷却管、窒素導入管を備えたガラス製容器に脂環式化合物であるテルペンビシクロヘキサノール[商品名:HYP、安原ケミカル(株)製]336g、エピクロルヒドリン500g及びトリエチルベンジルアンモニウムクロライド10gを仕込み、還流下50%水酸化ナトリウム水溶液を160g滴下し、留出水を系外に除去しながら3時間反応させた。次に水300gを添加し、静置後有機層を分別した後pHが5になるように酢酸でpH調整し、その後、水300gで2回洗浄した。濃縮して、残存する水分とエピクロルヒドリンを除去し、目的のエポキシ変性脂環式化合物(ウ)を得た。
<脂環式化合物(エ)の合成>
撹拌器、温度計、冷却管、窒素導入管を備えたガラス製容器に脱水した脂環式化合物であるエチリデンノルボルネン[商品名:EBH、サン・ペトロケミカル(株)製]180g、1,2,3−プロパントリカルボン酸88g、トルエン300g、ハイドロキノン1.5gを加え、撹拌しながら、20〜25℃でトリフロロボロンエーテラートを6g加え、同温度で3時間撹拌した。反応物を氷水中に加え、有機層を0.5%炭酸ナトリウム水溶液200gで3回洗浄した。フェノチアジン3gを加え、減圧蒸留し、95〜110℃/5mmHgの留分210gを得た。この留分は、NMR分析の結果、1,2,3−プロパントリカルボン酸に(1モル)エチリデンノルボルネン(3モル)付加した反応生成物(エ−1)であった。
次に、(エ−1)180gをトルエン180gに溶解し、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル[商品名:CHMVE、BASF(株)製]185.8g、アルミニウムアセトアセテート3gを加え、120℃で還流させた。6時間後、実施例1と同様に操作を行い、目的のビニルエーテル変性脂環式化合物(エ)を得た。
<ウレタンアクリレート(オ)の合成>
水添ポリブタジエンジオール[商品名:BI−1000、日本曹達(株)製]1,500gとイソホロンジイソシアネート444.6gを仕込み、120℃で3時間撹拌混合した。その後、60℃まで冷却しアクリル酸ヒドロキシエチル243.6g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1g及びジブチルチンジラウレートを0.2g仕込んだ後、85℃に温調しながら反応させた。さらに5時間後、IR(赤外線スペクトル分析)でイソシアネート基に由来するピークがないことを確認して、ウレタンアクリレート(オ)を得た。
<高屈折率モノマー(カ)の合成>
ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル[商品名:BPHE、新日鐵化学(株)製]438.5g、アクリル酸187.2g、p−トルエンスルホン酸10g、トルエン600g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、及びハイドロキノン0.1gを仕込み、100〜115℃で還流させながら理論脱水量を得るまで脱水エステル化反応を行った。その後、反応液をアルカリ中和し、10%食塩水500gで3回洗浄を行った。洗浄後トルエンを除去し、高屈折率モノマー(カ)を得た。
<高屈折率モノマー(キ)の合成>
BPFL350.42g、エピクロルヒドリン500g及びトリエチルベンジルアンモニウムクロライド10gを仕込み、40℃で還流下、50%水酸化ナトリウム水溶液を160g滴下し、留出水を系外に除去しながら3時間反応させた。次に水300gを添加し、静置後有機層を分別した後pHが5になるように酢酸でpH調整し、その後、水300gで2回洗浄した。濃縮して、残存する水分とエピクロルヒドリンを除去し、目的のエポキシ変性高屈折率モノマー(キ)を得た。
<フッ素含有ノニオン界面活性剤(ク)の合成>
撹拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラス製容器に2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート[商品名:FAAC、日本メクトロン(株)製]16部、ポリエチレンオキシド鎖含有メタクリレート[商品名:M−230G、新中村化学工業(株)製、Mw1,068、以下M−230Gと略記]71部、イソボルニルアクリレート(以下、IBXAと略記)8部、2−ヒドロキシルエチルメタアクリレート(以下、2−HEMAと略記)5部、そしてメチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略記)233部を仕込み、窒素ガス通気中、還流下に、重合開始剤としてAIBN 1部と、分子量調整剤としてラウリルメルカプタン5部を添加した後、85℃にて8時間反応させた。反応物は3,000部のヘキサン中に投入し、ポリマー分を再沈殿、乾燥させることにより取り出した。得られた重合体を(ク)とする。(ク)のGPCにより測定したポリスチレン換算のMwは4,300であった。
<コア形成用組成物の作成>
1リットルのガラス製容器に(ア)52.5gとトリシクロデカンメタアクリレート[商品名:FANCRYL FA−513M、日立化成(株)製、以下TCDMと略記。]22.5g、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテルのジアクリレート(カ)25g及び光重合開始剤の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名:イルガキュア184、チバスペシャリティーケミカルス(株)製、以下I−184と略記。]5gを配合し、ディスパーザーで撹拌(50〜60℃で30分)した後、ポアサイズ0.5μm径のフィルタでろ過して、本発明の光導波路のコア形成用組成物(A−1)を得た。
1リットルのガラス製容器に(ア)75gとTCDM 25g及びI−184 3gを配合し、ディスパーザーで撹拌(50〜60℃で30分)した後、ポアサイズ0.5μm径のフィルタでろ過して、本発明の光導波路のクラッド形成用組成物(B−1)を得た。
ガラス転移温度、吸水率、屈折率、複屈折及び硬化体積収縮率は、(A−1)と(B−1)を厚さ1mmのシリコンゴム製スペーサーを間に挟んだガラス板の間に注入し、高圧水銀灯で照射(8,000mJ/cm2 )して作成した硬化物からなる光導波路用樹脂を用いて測定した。
また、伝搬損失は、(A−1)と(B−1)を用い、金型法によって作製したマルチモード光導波路を用いて評価した。マルチモード光導波路の作製は、以下の方法に従って行った。
平滑なガラス基板上に(B−1)をスピンコーティングし、厚さ60μmの厚膜を塗布した。ここにシンクロトロン放射光を用いて作製した凸状LIGA金型(凸部の高さ40μm、幅40μm、長さ6cm、表面粗さ10nm)を、圧力をかけながら押し当て、ガラス基板の裏面より高圧水銀灯照射(8000mJ/cm2 )した。その後、LIGA金型を押し当てたまま、110℃で15分加熱して完全に硬化させ、凹状の下部クラッド(凹部の深さ40μm、幅40μm、長さ6cm)を作製した。
次にこの凹部に、(A−1)を注入し、再び高圧水銀灯で光硬化させることによりコアを形成した。コア部は光硬化させた後、この上に(B−1)を厚さ20μmでスピンコーティングした。これを紫外線と熱で完全に硬化させ、上部クラッド膜とした。この結果、コア用樹脂とクラッド用樹脂が混合せず、その界面が平滑なクラッド埋め込みチャネル構造のマルチモード光導波路が得られた。
表2に従い実施例1と同様の操作で配合を行い、コア形成用組成物(A−2)とクラッド形成用組成物(B−2)を得た。また、これらの組成物から作製した光導波路等の評価について、実施例5と同様に行った。
<コア形成用組成物(A−3)の作成>
1リットルのガラス製容器に脂環式エポキシ化合物である、3,4−エポキシシクロへキシルメチル−3,4−エポキシシクロへキサンカルボキシレート[商品名:サイラキュア UVR−6110、ダウケミカル(株)製、以下UVR−6110と略記。]49.8gとトリメチロールプロパンEO(3モル)変性トリアクリレート[商品名:ネオマー TA−401、三洋化成工業(株)製、以下TA−401と略記。]33.2g、(カ)17g、I−184 2.5g及び光カチオン重合開始剤の、アリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート[商品名:UVI−6990、ダウケミカル(株)製、以下UVI−6990と略記。]2.5gを配合し、ディスパーザーで撹拌(50〜60℃で30分)した後、ポアサイズ0.5μm径のフィルタでろ過して、本発明の光導波路のコア形成用組成物(A−3)を得た。
1リットルのガラス製容器にUVR−6110 60.0g、TA−401 40g、I−184 2.5g及びUVI−6990 2.5gを配合し、ディスパーザーで撹拌(50〜60℃で30分)した後、ポアサイズ0.5μm径のフィルタでろ過して、本発明の光導波路のクラッド形成用組成物(B−3)を得た。
ガラス転移温度、吸水率、屈折率、複屈折及び硬化体積収縮率は、(A−3)と(B−3)を厚さ1mmのシリコンゴム製スペーサーを間に挟んだガラス板の間に注入し、高圧水銀灯で照射(8000mJ/cm2)した後、180℃で1時間加熱して作成した硬化物からなる光導波路用樹脂を用いて測定した。
また伝搬損失は、(A−3)と(B−3)を用い、金型法によって作製したマルチモード光導波路を用いて評価した。マルチモード光導波路の作製は、以下の方法に従って行った。
平滑なガラス基板上に(B−3)をスピンコーティングし、厚さ60μmの厚膜を塗布した。ここにシンクロトロン放射光を用いて作製した凸状LIGA金型(凸部の高さ40μm、幅40μm、長さ6cm、表面粗さ10nm)を、圧力をかけながら押し当て、ガラス基板の裏面より高圧水銀灯照射(8,000mJ/cm2)した。その後、LIGA金型を押し当てたまま、180℃で1時間加熱して完全に硬化させ、凹状の下部クラッド(凹部の深さ40μm、幅40μm、長さ6cm)を作製した。
次にこの凹部に、(A−3)を注入し、再び高圧水銀灯で光硬化(8,000mJ/cm2)および加熱(180℃、1時間)することによりコアを形成させた。コア部は硬化させた後、この上に(B−3)を厚さ20μmでスピンコーティングした。これを紫外線と熱で上記と同様の条件で完全に硬化させ、上部クラッド膜とした。この結果、埋め込みチャネル構造のマルチモード光導波路が得られた。
表2に従い実施例7と同様の操作で配合を行い、コア形成用組成物(A−4)とクラッド形成用組成物(B−4)を得た。これらの組成物から作製した光導波路等の評価について、実施例5と同様に行った。
<コア形成用組成物(A−5)の作成>
1リットルのガラス製容器に実施例3の脂環式化合物である(ウ)56.0gと3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸(以下、3−MeHHPAと略記。)17.0g、ビスフェノキシエタノールフルオレンのエポキシ化合物(キ)27.0gを配合し、ディスパーザーで撹拌(50〜60℃で30分)した後、ポアサイズ0.5μm径のフィルタでろ過して、本発明の光導波路のコア形成用組成物(A−5)を得た。
1リットルのガラス製容器に実施例3の脂環式化合物である(ウ)72.5gと3−MeHHPA27.5gを配合し、ディスパーザーで撹拌(50〜60℃で30分)した後、ポアサイズ0.5μm径のフィルタでろ過して、本発明の光導波路のクラッド形成用組成物(B−5)を得た。
ガラス転移温度、吸水率、屈折率、複屈折及び硬化体積収縮率は、(A−5)と(B−5)を厚さ1mmのシリコンゴム製スペーサーを間に挟んだガラス板の間に注入し、180℃、1時間加熱して作成した硬化物からなる光導波路用樹脂を用いて測定した。
また、伝搬損失は、(A−5)と(B−5)を用い、金型法によって作製したマルチモード光導波路を用いて評価した。マルチモード光導波路の作製は、以下の方法に従って行った。
平滑なガラス基板上に(B−5)をスピンコーティングし、厚さ60μmの厚膜を塗布した。ここにシンクロトロン放射光を用いて作製した凸状LIGA金型(凸部の高さ40μm、幅40μm、長さ6cm、表面粗さ10nm)を、圧力をかけながら押し当て、180℃で1時間加熱して完全に硬化させ、凹状の下部クラッド(凹部の深さ40μm、幅40μm、長さ6cm)を作製した。
次にこの凹部に、(A−5)を注入し、180℃で1時間加熱して熱硬化させることによりコアを形成した。コア部は光硬化させた後、この上に(B−5)を厚さ20μmでスピンコーティングした。これを180℃で1時間加熱して完全に硬化させ、上部クラッド膜とした。この結果、埋め込みチャネル構造のマルチモード光導波路が得られた。
表2に従い実施例5と同様の操作で配合を行い、コア形成用組成物(A−6)、(A−7)とクラッド形成用組成物(B−6)、(B−7)を得た。また、これらの組成物から作製した光導波路等の評価についても、実施例5と同様に行った。
実施例5〜9、比較例1〜2の結果は表2に示す。
<コア形成用組成物(A−1)の作成>
表3に従い、上記実施例5と同一の(A−1)を得た。
<クラッド形成用組成物(B−8)の作成>
1リットルのガラス製容器に実施例1の脂環式化合物である(ア)75部とTCDM 25部、I−184 3部及びフッ素含有ノニオン界面活性剤(ク)0.0015部配合し、ディスパーザーで撹拌し(50〜60℃で30分)、ポアサイズ0.5μm径のフィルタでろ過して、クラッドに使用するクラッド形成用組成物(B−8)を得た。
(B−1)を(B−8)に代えた以外は実施例5と同様に行い埋め込みチャネル構造のマルチモード光導波路を得た。得られた光導波路について、表3に従って性能評価した。実施例11〜14、比較例3〜4
<コア形成用組成物の作成>
表3に従い、実施例6〜9および比較例1〜2と同一の(A−2)〜(A−5)および(A−6)〜(A−7)を得た。
<クラッド形成用組成物と光導波路の作成>
表3に従い、実施例6〜9および比較例1〜2と同様に行いクラッド形成用組成物(B−9)〜(B−12)および(B−6)〜(B−7)を得た。さらにそれぞれの埋め込みチャネル構造のマルチモード光導波路を得た。これらの光導波路について表3に従って性能評価した。
実施例10〜14、比較例3〜4の結果は表3に示す。
2. クラッド
Claims (24)
- 共役二重結合を有していない脂環基及び2個以上の架橋性基を有する化合物(A)の分子量に基づいて、該脂環基を構成する炭素の原子量の合計が30〜80重量%であることを特徴とする光導波路形成用化合物(A)。
- 脂環基が2個以上の独立した脂環基である請求項1記載の化合物。
- 脂環基が縮合脂環構造もしくは有橋脂環構造を有するものである請求項1または2記載の化合物。
- 脂環基を構成する炭素数の合計が13個以上である請求項1〜3の何れか記載の化合物。
- 架橋性基が不飽和基、エポキシ基、オキセタン基、水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基及びβ−ケトエステル基からなる群から選ばれるものである請求項1〜4の何れか記載の化合物。
- 架橋性基が活性エネルギー線硬化性基である請求項1〜5の何れか記載の化合物。
- 請求項1〜6の何れか記載の化合物を含有してなる光導波路形成用組成物。
- さらに、界面活性剤(D)を含有してなる請求項7記載の組成物。
- (D)がフッ素含有ノニオン界面活性剤及び/又はシリコン含有ノニオン界面活性剤である請求項8記載の組成物。
- (D)が、一般式(I)で表される化合物及び/又はフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和モノマー(α)及び親水基含有エチレン性不飽和モノマー(β)を必須構成単位とする共重合体である請求項8又は9記載の組成物。
Rf 1−(X1)a−(CmH2mO)k−Z (I)
(式中、Rf 1は炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状の、主鎖に酸素原子を含んでいてもよいフッ素化アルキル基、X1は2価の連結基、aは0又は1、mは1〜4の整数、kは1〜100の整数、ZはH又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。) - (D)が、脂環基を有し、(α)及び(β)を必須構成単位とする共重合体である請求項10記載の組成物。
- コア形成用組成物(a)とクラッド形成用組成物(b)との組み合わせからなり、(a)および(b)が請求項1〜7のいずれか記載の化合物(A)を含有し、(a)が屈折率向上性モノマーを含有し、(b)が屈折率向上性モノマーを含有しないか、または屈折率低減性モノマーを含有することを特徴とする請求項7〜11の何れか記載の組成物。
- 25℃における粘度が5〜10,000mPaである請求項7〜12の何れか記載の組成物。
- 請求項7〜13のいずれか記載の組成物の硬化物からなる光導波路用樹脂。
- ガラス転移温度が150℃以上である請求項14記載の樹脂。
- 硬化体積収縮率が7%以下である請求項14または15記載の樹脂。
- 吸水率が0.5%以下である請求項14〜16の何れか記載の樹脂。
- 複屈折が1×10-4 以下である請求項14〜17の何れか記載の樹脂。
- 請求項14〜18の何れか記載の樹脂からなる光導波路。
- コアとクラッドの界面の表面粗さが0.15μm以下である請求項19記載の光導波路。
- 硬化性樹脂の硬化物からなり、ガラス転移温度が150℃以上、硬化体積収縮率が7%以下、吸水率が0.5%以下、かつ複屈折が1×10-4以下であることを特徴とする光導波路。
- 75℃×90%RH下、5,156時間の湿熱試験の試験前後の伝搬損失の差が0.2dB/cm以下である請求項19〜21の何れか記載の光導波路。
- 請求項19〜22の何れか記載の光導波路を用いたデバイス、光集積回路または光プリント配線板。
- 請求項7〜13の何れか記載の組成物を金型を用いて成形加工することを特徴とする光導波路の製造方法。
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