JP2010165407A - 光ディスク用紫外線硬化型組成物および光ディスク - Google Patents

光ディスク用紫外線硬化型組成物および光ディスク Download PDF

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Abstract

【課題】 指紋が付着しづらい性能を有する光ディスクの最外層を形成可能な紫外線硬化型組成物及び光ディスクを提供する。
【解決手段】
アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基を含有するフッ素含有(メタ)アクリレートと、アルキレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレート化合物とを共重合した、重量平均分子量が2,000〜100,000のフッ素含有アクリル共重合体を使用することにより、当該フッ素系アクリル共重合体が紫外線硬化型組成物中に好適に相溶して塗膜の表面ないしその近傍に好適に偏在し、優れた耐指紋付着性を実現できる。
【選択図】 図1

Description

高密度記録可能な光ディスクとして主流となっているDVD(Digital Versatile Disc)は厚さ0.6mmの2枚の基板を接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVDにおいては高密度化を達成するため、CD(Compact Disc)に比べ短波長の650nmのレーザーを用い、光学系も高開口数化している。
しかし、HDTV(high definition television)に対応した高画質の映像等を記録または再生する為には更なる高密度化が必要となる。DVDの次世代に位置する更なる高密度記録の方法及びその光ディスクの検討が行われており、DVDよりも更に短波長のブルーレーザー及び高開口数の光学系を用いる新しい光ディスク構造による高密度記録方式が提案されている。
当該光ディスクはポリカーボネート等のプラスチックで形成される透明又は不透明の基板上に記録層を形成し、次いで記録層上に約100μmの光透過層を積層してなり、該光透過層を通して記録光又は再生光が、あるいはその両方が入射する構造の光ディスクである。この光ディスクの光透過層には、生産性の観点から、紫外線硬化型組成物を使用することがもっぱら研究されている。
これら光ディスクは長期に安定した記録再生特性を保持する必要がある。このため、光透過層には形状安定性に優れるものが望まれ、また最外層として使用する場合には傷が付きにくく、指紋等が付着した際にも付着しづらく拭き取り易い表面性状が求められる。光ディスクの最外層として使用される組成物としては、例えば、シリカ等の無機粒子や、シラン化合物などを含有させることで、表面の滑り性を向上させた組成物が開示されている(例えば特許文献1、2参照)。しかし、無機微粒子やシラン化合物を含有する組成物を厚膜の光透過層として、光ディスクの最外層に使用すると相溶性が悪く濁りが生じる場合があった。
指紋等の汚れが付着しにくい紫外線硬化型樹脂組成物として、シラン化合物を含有する紫外線硬化型組成物が開示されている(例えば特許文献3参照)。当該紫外線硬化型組成物は、指紋の付着を好適に防止できるものであるが、この紫外線硬化型組成物を記録型ブルーレイディスクであるBD−RやBD−REの光透過層の表面に使用し、指紋を付着させた後に記録再生を行うと、指紋の液滴サイズが大きいために十分に良好な信号特性が得られない場合があった。
特開2005−216352 特開2006−219657 特開2007−046049
本発明が解決しようとする課題は、指紋が付着しづらく、好適な相溶性を有する光ディスクの最外層を形成可能な紫外線硬化型組成物、及び光ディスクを提供することにある。
本発明の紫外線硬化型組成物は、特定のフッ素化アクリル共重合体を微量使用することにより、好適に相溶して塗膜の表面ないしその近傍に好適に偏在し、優れた耐指紋付着性を実現できる。
すなわち本発明は、光ディスクの最外層に使用する紫外線硬化型組成物であって、
式(1)
Figure 2010165407
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜20のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20のパーフルオロアルキル基を表し、Aは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を表す。)
で表される化合物と、式(2)
Figure 2010165407
(式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは2〜30の整数を表す。)
又は式(3)
Figure 2010165407
(式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは2〜20の整数を表す。)
で表される化合物とを共重合したフッ素含有アクリル共重合体を含有し、前記フッ素含有アクリル共重合体の重量平均分子量が2,000〜100,000である光ディスク用紫外線硬化型組成物を提供するものである。
本発明の光ディスク用紫外線硬化型組成物は、相溶性に優れ、耐指紋付着性を有する光ディスクの最外層を形成可能な紫外線硬化型組成物、及び、耐指紋付着性を有する光ディスクを提供することができる。
[フッ素化アクリル共重合体]
本発明に使用するフッ素含有アクリル共重合体は、式(1)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレートと、式(2)で表されるエチレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレート又は式(3)で表されるプロピレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレートとを共重合させたアクリル共重合体である。
式(1)
Figure 2010165407
(式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜20のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20のパーフルオロアルキル基を表し、Aは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を表す。)
式(2)
Figure 2010165407
(式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは2〜30の整数を表す。)
式(3)
Figure 2010165407
(式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは2〜20の整数を表す。)
上記式(1)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレートは、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基を含有する(メタ)アクリレートである。
上記式(1)フッ素化含有(メタ)アクリレートの中でも、式(1)中のRが水素原子であり、Rが炭素原子数4〜20のパーフルオロアルキル基であるフッ素含有(メタ)アクリレートが好ましく、Rが炭素原子数6〜14のパーフルオロアルキル基であるフッ素含有(メタ)アクリレートが特に好ましい。
上記式(2)で表されるエチレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレートとしては、mが4〜30であることが好ましく、9〜25であることが特に好ましい。また、上記式(3)で表されるプロピレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレートとしては、nが3〜20であることが好ましく、4〜10であることが特に好ましい。
本発明で用いるフッ素化アクリル共重合体は式(1)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレートと、式(2)で表されるエチレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレート又は式(3)で表されるプロピレンオキサイド基を有する(メタ)アクリレートとを重合して得られる。この重合体はいわゆる重合型フッ素系界面活性剤と称されるものである。フッ素化アクリル共重合体中のこれらアクリレートの質量比としては、後述する紫外線硬化型組成物との相溶性に優れる必要があるため、(1)/(2)又は(1)/(3)で表される質量比で、25/75〜40/60であることが望ましい。当該比率が上記下限以上であると、十分な耐指紋付着性の効果に優れる。また、上記下限以下とすることで、紫外線硬化型組成物との相溶性が特に良好となる。
また、フッ素化アクリル共重合体の重量平均分子量は2,000〜100,000であることが望ましく、2,000〜20,000であることがさらに望ましく、特に望ましくは3,000〜10,000である。
(光硬化性化合物)
本発明に使用する光硬化性化合物としては、不飽和ポリエステル型、アクリル型、チオール・エン型、エポキシ型など各種の光硬化性化合物を使用でき、光情報記録媒体の表面保護層用として使用する場合には、硬度や弾性率、接着する基板との接着性、塗布時の粘度等を考慮して適宜選択すればよい。
なかでも、光情報記録媒体用途としては、透明で耐侯性の良好な、アクリル型の光硬化性化合物を使用することが好ましい。このようなアクリル型の光硬化性化合物としては、例えば、下記の重合性モノマーおよび重合性オリゴマーが使用できる。
単官能(メタ)アクリレートの例としては、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、等の脂肪族(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の芳香族(メタ)アクリレートが挙げられる。また、脂環式のモノマーとして、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタンアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等も使用できる。また、アクリロイルモルフォリン、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルエーテルモノマー等も使用できる。
2官能(メタ)アクリレートの例としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、脂環式の2官能(メタ)アクリレートとして、ノルボルナンジメタノールジアクリレート、ノルボルナンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等も使用できる。
これら単官能及び2官能(メタ)アクリレートは、塗付時の粘度の調整や、架橋密度の調整等のために適宜使用でき、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートは、積層する基板としてポリカーボネートを使用する際に良好な接着性を付与できるため好ましく、特にテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく使用できる。
また、脂環式構造を有するものは、剛直な環構造を有することにより、得られる硬化物に高温での高い弾性率と高いガラス転移温度を与えることができる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たテトラオールのテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等を使用できる。
これら3官能以上の(メタ)アクリレートは、硬化物に高い弾性率を付与することができる。中でもトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートは、硬化後に特に高い弾性率を与えることができるので特に好ましく使用できる。
また、上記(メタ)アクリレート以外に、剛直な構造を有するエポキシ(メタ)アクリレートを含有することも好ましい。エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物と(メタ)アクリル酸との反応により合成されるフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらビスフェノール型のエポキシ(メタ)アクリレートは、得られる硬化物に高い弾性率、高い硬度を付与できる。なかでも、ビスフェノールA型のエポキシ(メタ)アクリレートを好ましく使用できる。
更に、重合性のオリゴマーも適宜使用でき、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート等を併用しても良い。
本発明の紫外線硬化型組成物においては、ビスフェノール型のエポキシアクリレートを含有することが好ましく、更に、3官能(メタ)アクリレート、1官能及び/又は2官能(メタ)アクリレートを併用することで、硬度や弾性率、接着する基板との接着性、塗布時の粘度等を好適に調整できる。各々の含有量は、必要とされる特性に応じて適宜調整すればよいが、紫外線硬化型組成物中にエポキシ(メタ)アクリレートを1〜30質量%含有することが好ましく、5〜15質量%含有することが好ましい。エポキシ(メタ)アクリレートを当該範囲で含有することにより、得られる硬化物に高い硬度を付与できると共に、塗付する際の粘度も好適に調整できる。また、3官能(メタ)アクリレートの含有量としては、2〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることが更に好ましい。更に、1官能及び/又は2官能(メタ)アクリレートの含有量としては、5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることが更に好ましい。1〜3官能の(メタ)アクリレートの比率は、使用する(メタ)アクリレートの種類に応じて適宜調整する必要があるが、上記範囲内にて調整することで、塗付時の粘度や、硬化後の架橋密度を好適な範囲とすることができ、硬化物に高い硬度を付与できると共に硬化物の反りを低減できる。
(重合開始剤)
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には光重合開始剤を必要に応じ使用することができる。光重合開始剤としては、公知慣用のものがいずれも使用できるが、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明で使用する光重合開始剤として好適である。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等の分子開裂型や、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等の水素引き抜き型の光重合開始剤を使用することができる。
当該光重合開始剤としては、適用する光情報記録媒体において情報の読取や書込を行う光の波長を吸収しないものが好ましく、例えば、ブルーレーザーディスクに適用する場合には、400nm近傍の光吸収の少ないものを好ましく使用できる。
(添加剤)
また、紫外線硬化型樹脂組成物に添加する任意成分としては、次のようなものが有り、本発明の効果を損わない範囲内で使用可能である。例えば、光重合開始剤に対する増感剤として、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等があり、更に前述光重合性化合物と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、これらは、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れ、かつ紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
また、硬化物の硬度を上げるため、シリカ粒子等の無機成分を含有してもよいが、無機粒子を分散させる溶媒を使用しなくてもよく、また、無機粒子による光散乱等の問題が生じないため、無機粒子を含有しないことが好ましい。
(粘度)
本発明の紫外線硬化型組成物は、製造工程上の利点が大きいことから、塗付により膜形成できる粘度、特にスピンコーターにより好適に膜形成できる粘度とすることが好ましい。当該粘度は、形成する膜厚により適宜調整すれば良いが、光情報記録媒体の薄い表面保護層として形成する場合には、20〜150mPa・sの範囲とすることが好ましい。
[光情報記録媒体]
本発明の光情報記録媒体は、少なくとも一つの表面に表面保護層が設けられた光情報記録媒体であって、表面保護層として上記した紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる層を有するものである。
(表面保護層)
本発明の光情報記録媒体が表面に有する表面保護層は、上記紫外線硬化型組成物の硬化膜からなるため、良好に光を透過できると共に、優れた防汚性や汚れの払拭性を有し、また、長期間経過後や、高温高湿環境下で放置された際にも安定した防汚性を発現することができる。このため、本発明の光情報記録媒体は、光情報記録媒体表面の光散乱が生じにくく、光による情報の読取や書込を良好に行うことができる。この最表面保護層は1〜10ミクロンが好ましく、2〜5ミクロンが特に好ましい。2〜5ミクロンの膜厚にすることで、反り変化量を少なくすることができる。
また、表面保護層としては、傷つきを低減するため高い硬度を有することが好ましく、表面鉛筆硬度で2H以上であることが好ましく、4H以上であると更に好ましい。
表面保護層の弾性率としては、25℃における弾性率が1000〜4000MPaの範囲であることが好ましく、1500〜3000の範囲であることが更に好ましい。弾性率が上記範囲のものは、弾性率が低い場合、膜が軟らかくなり、逆に弾性率が高いものは、膜が脆くなり好ましくない。
[光ディスク]
本発明の光ディスクは、最外層として、上記紫外線硬化型組成物を使用することにより、傷が付きにくく、また好適な耐指紋付着性を実現できる。上記紫外線硬化型組成物は、基板上に、少なくとも光反射層と光透過層とが形成され、ブルーレーザーにより記録再生が可能な光ディスクにおいて、最外層が前記光透過層である場合に、当該光透過層として好適に使用できる。
本発明の光ディスクにおける光透過層は、レーザー光の発振波長が370〜430nmであるブルーレーザーを効率良く透過することが好ましく、100μmの厚さにおいて405nmの光の透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
本発明の光ディスクにおける光透過層の厚みは70〜110μmであることが好ましい。光透過層の厚みは、通常、約100μmに設定されるが、厚みは光透過率や信号の読み取り及び記録に大きく影響を及ぼすため、十分な管理が必要である。光透過層は、上記の表面保護層単層で形成されていても、複数層が積層されていてもよい。
光反射層としては、レーザー光を反射し、記録・再生が可能な光ディスクを形成できるものであればよく、例えば、金、銅、アルミニウムなどの金属又はその合金、シリコンなどの無機化合物を使用できる。なかでも、400nm近傍の光の反射率が高いことから銀又は銀を主成分とする合金を使用することが好ましい。光反射層の厚さは、10〜60nm程度の厚さとすることが好ましい。
基板としては、ディスク形状の円形樹脂基板を使用でき、当該樹脂としてはポリカーボネートを好ましく使用できる。光ディスクが再生専用の場合には、基板上に情報記録を担うピットが光反射層と積層される表面に形成される。
また、書込可能な光ディスクの場合には、光反射層と光透過層との間に情報記録層が設けられる。情報記録層としては、情報の記録・再生が可能であればよく、相変化型記録層、光磁気記録層、あるいは有機色素型記録層のいずれであってもよい。
情報記録層が相変化型記録層である場合には、当該情報記録層は通常、誘電体層と相変化膜から構成される。誘電体層は、相変化層に発生する熱を緩衝する機能、ディスクの反射率を調整する機能を求められ、ZnSとSiOの混合組成が用いられる。相変化膜は、膜の相変化により非晶状態と結晶状態で反射率差を生じるものであり、Ge−Sb−Te系、Sb−Te系、Ag−In−Sb−Te系合金を用いることができる。
本願発明の光ディスクは、情報記録部位が二つ以上形成されていても良い。例えば、再生専用光ディスクの場合には、ピットを有する基板上に、第一の光反射層、第一の光透過層が積層され、当該第一の光透過層上又は他の層を積層し、当該層上に第二の光反射層、第二の光透過層を形成してもよい。この場合には第一の光透過層やこれに積層する他の層上にピットが形成される。また、記録・再生可能な光ディスクの場合は、基板上に、情報記録層、光反射層及び光透過層が積層された構成を有するものであるが、当該光透過層上に更に、第二の光反射層、第二の情報記録層、第二の光透過層を形成して二層の情報記録層を有する構成、あるいは、同様に層を積層して三層以上の情報記録層を有する構成としてもよい。複数層を積層する場合には、各層の層厚さの和が上記の厚さになるように適宜調整すればよい。
本発明の光ディスクには、再生専用のディスクと、記録・再生可能なディスクがある。再生専用のディスクは、1枚の円形樹脂基板を射出成形する際に、情報記録層であるピットを設け、次いで該情報記録層上に光反射層を形成し、更に、該光反射層上に紫外線硬化型組成物をスピンコート法等により塗布した後、紫外線照射により硬化させて光透過層を形成することにより製造することができる。また、記録・再生可能なディスクは、1枚の円形樹脂基板上に光反射層を形成し、次いで相変化膜、又は光磁気記録膜等の情報記録層を設け、更に、該光反射層上に紫外線硬化型組成物をスピンコート法等により塗布した後、紫外線照射により硬化させて光透過層を形成することにより製造することができる。
光反射層上に塗布した紫外線硬化型組成物を紫外線照射することにより硬化させる場合、例えばメタルハライドランプ、高圧水銀灯などを用いた連続光照射方式で行うこともできるし、USP5904795記載の閃光照射方式で行うこともできる。効率よく硬化出来る点で閃光照射方式がより好ましい。
紫外線を照射する場合、積算光量は0.05〜1J/cmとなるようにコントロールするのが好ましい。積算光量は0.05〜0.8J/cmであることがより好ましく、0.05〜0.6J/cmであることが特に好ましい。本発明の光ディスクに使用する紫外線硬化型組成物は、積算光量が少量であっても、十分に硬化し、光ディスク端面や表面のタックが発生せず、更に光ディスクの反りや歪みが発生しない。
[実施態様]
以下、本発明の光ディスクの具体例として、単層型光ディスク及び二層型光ディスクの具体的構成の一例を以下に示す。
本発明の光ディスクのうち、単層型光ディスクの好ましい実施態様としては、例えば、図1に示したように、基板1上に、光反射層2と、光透過層3とが積層され、光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の記録又は再生を行う構成が例示できる。図中の凹凸は、記録トラック(グルーブ)を模式的に表したものである。光透過層3は、本発明の紫外線硬化型組成物の硬化物を含んだ積層体からなる層であり、その厚さは100±10μmの範囲である。基板1の厚さは1.1mm程度、光反射膜は銀等の薄膜である。
多層型光ディスクの好ましい実施態様としては、例えば、図2に示したように、基板1上に、光反射層5と、光透過層6とが積層され、さらにその上に、光反射層2と、光透過層3とが積層され、光透過層3側からブルーレーザーを入射して情報の記録又は再生を行う二層型光ディスクの構成が例示できる。光透過層3及び光透過層6は、紫外線硬化型組成物の硬化物からなる層であり、少なくともいずれかの層が本発明の紫外線硬化型組成物からなる層である。層の厚さとしては、光透過層3の厚さと光透過層6の厚さの和が100±10μmの範囲である。基板1の厚さは1.1mm程度、光反射膜は銀等の薄膜である。
当該構成の二層型光ディスクにおいては、記録トラック(グルーブ)が、光透過層6の表面にも形成されるため、光透過層6は、接着性に優れる紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる層の上に、記録トラックを好適に形成できる紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる層を積層した複層で形成されていてもよい。
図1に示す光ディスクの製造方法を以下に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形することによって、記録トラック(グルーブ)と呼ばれるレーザー光をトラッキングするための案内溝を有する基板1を作製する。次に基板1の記録トラック側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより光反射層2を成膜する。この上に紫外線硬化型組成物からなる光透過層を形成した後、本発明の紫外線硬化型組成物を塗布し、ディスクの片面または両面から紫外線を照射して、紫外線硬化型組成物を硬化させ、光透過層3を形成し、図1の光ディスクを作製する。
図2に示す光ディスクの製造方法を以下に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形にすることによって、記録トラック(グルーブ)と呼ばれるレーザー光をトラッキングするための案内溝を有する基板1を作製する。次に、基板1の記録トラック側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより光反射層6を成膜する。
この上に、本発明の紫外線硬化型組成物又は任意の紫外線硬化型組成物の光透過層5を形成するが、その際に型を用いて表面に記録トラック(グルーブ)を転写する。記録トラック(グルーブ)を転写する工程は次の通りである。基板1に形成された光反射層6上に紫外線硬化型組成物を塗布し、その上に記録トラック(グルーブ)を形成するための型と貼り合わせ、この貼り合わせたディスクの片面または両面から紫外線を照射して、紫外線硬化型組成物を硬化させる。その後、型を剥離して、光透過層5の記録トラック(グルーブ)を有する側の表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着することにより光反射層2を成膜し、この上に、紫外線硬化型組成物を塗付した後、紫外線照射により硬化させ、光透過層3を形成することで、図2の光ディスクを作製できる。また、光反射層に相変化型記録層を用いる場合でも上記と同様の方法により光ディスクを作成することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下実施例中の「部」は「質量部」を表す。
(合成例1)
〔フッ素化アクリル共重合体A1の合成〕
還流菅を備えた四つ口フラスコにメチルイソブチルケトン(MIBK)100質量部を仕込み、窒素雰囲気下110℃に加熱した。そこへ、パーフルオロオクチルエチルアクリレート30質量部及びエチレンオキシド部位の平均繰り返し単位数が23のメトキシポリ(エチレンオキシド)のモノメタクリレート70質量部をMIBK133.3質量部に溶解したモノマー溶液と重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート7.5質量部を2時間かけて滴下した。その後、窒素雰囲気下で12時間重合反応を行い、引き続き脱溶剤することにより、フッ素含有アクリル共重合体A1を得た。この共重合体をゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、「GPC」という。)により分析した結果、重量平均分子量は、4,600であった。
[重量平均分子量の測定方法]
GPCによる重量平均分子量は、下記の条件により測定した標準ポリスチレン換算の値である。
装置:東ソー株式会社製「HLC8220システム」
分離カラム:東ソー株式会社製「TSKgelSuperH−RC」を2本、東ソー株式会社製「TSKgelGMHHR−N」を4本使用。
カラム温度:40℃
移動層:和光純薬工業株式会社製テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
試料濃度:0.1質量%
試料注入量:100マイクロリットル
検出器:示差屈折計
(合成例2)
〔フッ素化アクリル共重合体A2の合成〕
還流菅を備えた四つ口フラスコにMIBK100質量部を仕込み、窒素雰囲気下110℃に加熱した。そこへ、パーフルオロオクチルエチルアクリレート35質量部及びエチレンオキシド部位の平均繰り返し単位数が23のメトキシポリ(エチレンオキシド)のモノメタクリレート65質量部をMIBK133.3質量部に溶解したモノマー溶液と重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート7.5質量部を2時間かけて滴下した。その後、窒素雰囲気下で12時間重合反応を行い、引き続き脱溶剤することにより、フッ素含有アクリル共重合体A2を得た。この共重合体をGPCにより分析した結果、重量平均分子量は、4,600であった。
(合成例3)
〔フッ素化アクリル共重合体A3の合成〕
還流菅を備えた四つ口フラスコにMIBK100質量部を仕込み、窒素雰囲気下110℃に加熱した。そこへ、パーフルオロオクチルエチルアクリレート30質量部及びプロピレンオキシド部位の平均繰り返し単位数が5のヒドロキシポリ(プロピレンオキシド)のモノメタクリレート70質量部をMIBK133.3質量部に溶解したモノマー溶液と重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート7.5質量部を2時間かけて滴下した。その後、窒素雰囲気下で12時間重合反応を行い、引き続き脱溶剤することにより、フッ素含有アクリル共重合体A3を得た。この共重合体をGPCにより分析した結果、重量平均分子量は、3,500であった。
(合成例4)
〔フッ素化アクリル共重合体A4の合成〕
還流菅を備えた四つ口フラスコにMIBK100質量部を仕込み、窒素雰囲気下110℃に加熱した。そこへ、パーフルオロオクチルエチルアクリレート50質量部及びプロピレンオキシド部位の平均繰り返し単位数が5のヒドロキシポリ(プロピレンオキシド)のモノメタクリレート50質量部をMIBK133.3質量部に溶解したモノマー溶液と重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート7.5質量部を2時間かけて滴下した。その後、窒素雰囲気下で12時間重合反応を行い、引き続き脱溶剤することにより、フッ素含有アクリル共重合体A4を得た。この共重合体をGPCにより分析した結果、重量平均分子量は、7,200であった。
(合成例5)
〔フッ素化アクリル共重合体A5の合成〕
還流菅を備えた四つ口フラスコに、パーフルオロオクチルエチルアクリレート60質量部及びステアリルアクリレート40質量部をMIBK233.3質量部に溶解した混合溶液を仕込み、窒素雰囲気下80℃まで加熱した。そこへ2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0質量部、ドデシルメルカプタン2.0重量部を加え、窒素雰囲気下、80℃で9時間重合反応を行い、引き続き脱溶剤することにより、フッ素含有アクリル共重合体A5を得た。この共重合体をGPCにより分析した結果、重量平均分子量は、4,700であった。
下記表1に示した配合(表中の組成の数値は質量部を表す)により調整した各組成物を60℃で3時間加熱、溶解して、実施例1〜10及び比較例1〜4の紫外線硬化型組成物を調製した。得られた組成物について、下記の評価を行い、得られた結果を同表に示した。
<信号評価用光ディスクの作成条件>
直径120mm、厚さ1.1mmのポリカーボネート基板を準備し、(株)コベルコ科研製銀合金ターゲットGBD05(銀を主成分とするビスマスとの合金)を20〜40nmの膜厚でスパッタした。得られた基板の銀合金反射膜上に、DIC株式会社製ダイキュアクリアEX−8802をオリジン電気(株)製の塗布実験機を使用し膜厚が硬化後に97±2μmとなるように塗布した。ウシオ電機(株)製クセノンフラッシュ照射装置(型式:FUV−201WJ02)を使用し、仮硬化2ショット(充電電圧3420V)、本硬化10ショット(充電電圧3420V)の条件で紫外線を照射、硬化させた。
上記硬化物の上に表1の各組成物をオリジン電気(株)製の塗布実験機を使用し膜厚が硬化後に約3μmとなるように塗布した。ウシオ電機(株)製クセノンフラッシュ照射装置(型式:FUV−201WJ02)を使用し、本硬化10ショット(充電電圧3420V)の条件で紫外線を照射、硬化させ、試験用サンプルディスクを得た。
<人工指紋液の調製>
希釈剤メトキシプロパノール10部に対し、トリオレイン1部を添加し、更にJIS Z8901に定められた試験用粉体1第11種の関東ローム0.4部を加えて撹拌し、人工指紋液を調製した。
<疑似指紋パターン転写用原版の作製>
人工指紋液を撹拌しながら約1ml採取し、ポリカーボネート製基板(直径120mm、厚さ1.2mm)上にスピンコート法により塗布した。この基板を60℃で3分間加熱し、メトキシプロパノールを除去し、疑似指紋パターン転写用原版を得た。
<疑似指紋パターンの転写>
No.9のシリコーンゴム栓の小さい方の端面(直径24mm)を研磨紙(日本研紙製CC 150−Cw)で一様に研磨したものを疑似指紋転写材として用いた。疑似指紋転写材端面を上記原版に荷重116Nで10秒間押し当てて、人工指紋液成分を転写材の前記端面に移行させた。紫外線硬化型樹脂組成物を形成させたディスク表面の中心から半径方向37mm付近のところに、人工指紋液成分が付着された転写材の前記端面を荷重116Nで10秒間押し当てて人工指紋液成分を転写させた。
<液滴サイズの測定>
人工指紋成分を転写させた各ディスクサンプルを、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−200を用い、1000倍の倍率で液滴サイズを測定した。
液滴サイズは画面中で液滴が大きいもの10個の直径を測定し、その平均を算出した。
Figure 2010165407
Figure 2010165407
表中の記号は以下の通りである。
V−5530:ビスフェノールA型エポキシアクリレート DIC(株)社製
PH−6019:ウレタンアクリレート コグニスジャパン(株)社製
EB−1290:ウレタンアクリレート ダイセルサイテック(株)社製
SR−494: EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート サートマージャパン(株)社製
TMPTA: トリメチロールプロパントリアクリレート
EO−TMPTA: EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
HDDA: 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
DPGDA: ジプロピレングリコールジアクリレート
Irg.184: 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン チバジャパン(株)社製
Tegorad 2200N: 反応性ポリシロキサン エボニック デグサ ジャパン(株)社製
実施例1〜10では、紫外線硬化型組成物の相溶性に優れており、人工指紋液の液滴サイズも15ミクロン以下と小さく、良好であった。このレベルでは、記録型ブルーレイディスクであるBD−RやBD−REの光透過層に使用し指紋を付着させた後に記録再生を行っても、十分に良好な信号特性が得られた。
また比較例1と比較例2では相溶性に優れているものの、人工指紋の液滴サイズが15ミクロン以上と大きくなった。
比較例3と比較例4では相溶性が悪くなることが確認された。
本発明の単層型光ディスクの一例を示す図である。 本発明の二層型光ディスクの一例を示す図である。
1 基板
2 光反射層
3 紫外線硬化型組成物の光透過層
5 光反射層
6 紫外線硬化型組成物の光透過層

Claims (6)

  1. 光ディスクの最外層に使用する紫外線硬化型組成物であって、
    式(1)
    Figure 2010165407
    (式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜20のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20のパーフルオロアルキル基を表し、Aは、炭素原子数1〜3のアルキレン基を表す。)
    で表される化合物と、式(2)
    Figure 2010165407
    (式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは2〜30の整数を表す。)
    又は式(3)
    Figure 2010165407
    (式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは2〜20の整数を表す。)
    で表される化合物とを共重合したフッ素含有アクリル共重合体を含有し、前記フッ素含有アクリル共重合体の重量平均分子量が2,000〜100,000である光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  2. 前記フッ素含有アクリル共重合体中の式(1)で表される化合物と式(2)又は式(3)で表される化合物との共重合比が、(1)/(2)又は(1)/(3)で表される質量比で、25/75〜40/60である請求項1に記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  3. 前記フッ素含有アクリル共重合体を紫外線硬化性化合物の総量に対し0.1〜3質量%含有する請求項1又は2に記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  4. 多官能(メタ)アクリレートモノマーを紫外線硬化性化合物の総量に対し30〜70質量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  5. 前記光ディスクがブルーレーザーを入射して情報の記録又は再生を行う光ディスクである請求項1〜4のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物。
  6. 基板上に、光反射層及び光透過層が順に積層され、最外層にハードコート層を有し、前記ハードコート層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクであって、前記ハードコート層が、請求項1〜5のいずれかに記載の光ディスク用紫外線硬化型組成物の硬化物からなることを特徴とする光ディスク。
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