手段1 上記バネ片の構成として、板バネで形成してもよい。
板バネであればU形とした金属片の内側に同金属片の内側に切り欠き部位を形成するなどして容易に係止できる。
手段2 同板バネの構成として、コの字型に切り溝を形成しつつ内側の短冊片を斜めに起こした切り起こし爪を形成し、上記金属片の内側部分には、同切り起こし爪の先端にて抜け止めを図れるようにする鋸刃状の切り欠き部位を形成してもよい。
金属片に鋸刃状の切り欠きを形成すれば、挿入方向には板バネの切り起こし爪を撓めるだけで挿入できるが、逆方向には両者が互いに食い込むようになって抜け止めを図れる。
手段3 ここで、上記切り起こし爪の幅と上記金属片の幅については、実質的に同程度の幅とする。切り起こし爪が鋸刃状の切り欠き部位に入り込んでいる場合、金属片の下方から観察したときに、同切り起こし爪の幅の方が狭ければ当該切り起こし爪の先端部分を観察することはできない。従って、下方から異物を挿入して切り起こし爪を寝かせようとしても、上記金属片に妨げられることになる。その意味では、切り起こし爪の方が僅かに幅広であったぐらいでは当該切り起こし爪全体を寝かせるということもできなくなるので、実質的に同等の幅というのは金属片からはみ出た切り起こし爪に対して寝かせ付けることができない程度の幅のものまでを含むといえる。
手段4 上記切り起こし爪は、制御ボックスの内部に対面するように形成する。
切り起こし爪が、制御ボックスの外方に向いているのであれば、その外壁に穴を開けるなどして同切り起こし爪を寝かせるような不正が可能になりやすい。しかし、切り起こし爪が制御ボックスの内部に対面しているのであれば、制御ボックスの内側から穴を開けることは不可能なので、不正を防止できる。
手段5 上記切り起こし爪を形成している板バネの先端側には、上記切り起こし爪を起こしている側に向かって屈曲せしめた折り返し端を形成しても良い。
上述したように切り起こし爪を寝かせてしまえば、金属片を抜けてしまうが、板バネの先端を同方向に折り返しておくことにより、下方から同切り起こし爪に向けて異物を挿入しようとしたときに同折り返し端の先に進むことができず、切り起こし爪に到達できないので不正を防止できる。
手段6 むろん、この折り返し端は単に切り起こし爪への不正を防止するだけに形成するのではなく、当該折り返し端を板バネの挿入穴の奥側に対して係止させることにより、当該板バネを抜き取り不能にさせるようにしても良い。
このようにすれば、引き起こし爪への不正アクセスの防止と板バネの抜き取り防止を兼用することができる。
手段7 上記板バネの上端側を断面略コの字型に形成し、筺体の挿入穴の縁部に係止させるようにしてもよい。
板バネに対する不正は各種のものが考えられるが、板バネを下方から引き抜いてしまうということも行われうる。このような場合の対策として、板バネの上端をコの字形にして係止させておけば、単に下方側に穴を開けたとしても引き抜くことを防止できる。
手段8 上記板バネには、板バネの基部を上記金属片の切り欠き部位の側に向けて弾性支持するための弾性支持爪を形成しても良い。
基部自体が弾性支持されているので金属片を挿入するときに切り起こし爪をつぶしてしまいにくく、抜け止めの信頼性を向上させることになる。
手段9 上記板バネは、幅方向の両側に上記弾性支持爪を形成しつつ、内側に上記切り起こし爪を形成しても良い。
このようにすれば、板バネを安定して弾性支持でき、結果として切り起こし爪が切り欠き部位に対して係止する状態も安定する。
手段10 上記弾性支持爪には、先端側にて上記挿入穴内の平面状の壁面と対面する平面状の部位を形成しても良い。
弾性支持爪の先端部位が平面となって挿入穴の壁面と対面することにより、平面同士が対面する状態で安定した姿勢保持ができ、結果として切り起こし爪が切り欠き部位に対して係止する状態も安定する。
手段11 上記金属片は、U型に折り返した一方を長く、他方を短く形成してもよい。
手段12 上記金属片は、U型に折り返した両端を略等長としつつ、両者の内側に上記切り欠き部位を形成してもよい。
手段13 上記蓋体の挿通穴は、上記金属片を挿通させた状態にて、樹脂を充填して硬化させるようにしても良い。このようにすれば、板バネに対する不正の有無にかかわらず、金属片の引き抜きが困難になり、不正を防止できる。
手段14 金属片の挿入方向と、蓋体と筺体との開閉方向とは、直交することも、平行することも可能である。しかし、両者の方向が直交方向とすることにより、金属片の抜け止めを図るだけで、蓋体と筺体とを開くことをより効果的に防止できる。なぜなら、平行している場合には、U型に折り返した金属片がその折り返し部分で蓋体を押さえつけるようにして開くことを防止するため、開くことを防止するのは、金属片の先端側での板バネの係止力のみで決定されてしまう。従って、引き起こし爪などの各部の耐久力を上げないと不正防止効果を上げられない。しかし、直交する場合には板バネが金属片を保持する力とは関係なくなり、金属片自体の耐久力で開くことを防止できるため、極めて多大な力をかけないと開くことはできないからである。
手段15 上記挿入穴と挿通穴は、複数対を用意しておき、かつ、いずれか一方は、他の部位との間に容易に破損可能な連結部位を形成しても良い。
このようにすれば、封止後に解除する必要が生じたときには同連結部位を破損させて封止を解除し、再度、別の対を利用して封止することができる。
手段16 この連結部位は、当該制御ボックスを正面から見たときに平面上に配置されるようにしても良い。
連結部位を破産させても見にくい場所にあれば不正に気づきにくいが、制御ボックスを正面から見たときに連結部位が平面上に配置されていれば、破損箇所を容易に視認でき、不正を防止できる。
手段17 用途によっては開閉の頻度が異なる場合がある。このような場合に好適な一例として、上記複数個の操作子保持部は、上記連結部位の数が相違する構成としてもよい。
例えば、開閉することは基本的にあり得ないことを前提とするものでは、最初の封止が最も不正に空けられにくくしておくと不正を行いにくくなる。従って、このようなものでは、最初に封止される操作子保持部を連結する連結部位の数を多くしておけばよい。また、検査工程などを経るときに必ず二回は封止を開くというのであれば、三回目の封止に利用する操作子保持部を連結する連結部位の数を多くしておけばよい。なお、この場合の連結部位の数は、封止を解く際に破断を要する数であり、順次、破断していくときに既に破断されている壁材の数を含めないようして数えてもよい。
手段18 複数対を用意するときには普段は係止していない予備の金属片を保持させておくと便利であり、このときに上記筺体の側における上記挿入穴の側方に配置するようにしても良い。
挿入穴の側方に予備の金属片が保持されることにより、金属片の抜け止めを図るバネ片は、U型に折り返した金属片によって両方向からガードされ、かつ、側方を同予備によってガードされる。これにより、不正を行いにくくできる。
手段19 筺体と蓋体とがスライドして装着される場合、上記蓋体は遊技機の制御基板を保持し、保持した状態で上記筺体本体に対してスライドして装着されるとともに、上記蓋体の内側壁面から同制御基板状に配置したICを取り囲むように壁材を延設した構成としてもよい。
従来は、筺体本体に制御基板を配置するときに部品載置面を開口側に向けておき、この筺体本体と蝶番などで連結されている蓋体を回動させて上記開口を塞ぐようにしている。すなわち、ICなどは開口側に面しており、蓋体で開口を塞いだとしても、蓋体内ではICを覆うものはない。このため、隙間などがあれば、外部から巧妙な不正を行うこともあり得る。
これに対して、上記のように構成した発明においては、上記蓋体に遊技機の制御基板を保持させる。このとき、蓋体の内面に対して制御基板における部品載置面を向けて収容するようにし、かつ、載置されたICを取り囲むように蓋体の内周壁面からは壁材を延設している。これにより、ICの側方をすっぽりと覆うことが可能となり、このようにして覆った場合には筺体の隙間からICの下面に異物を差し込むような不正を防止できる。そして、主に部品載置面と反対の面が露出する状態で筺体本体に対してスライドすれば容易に装着される。
手段20 また、制御基板には外部へ導出されるケーブルやコネクタが取り付けられており、このケーブルやコネクタに対応して筺体の側にも開口部が必要である。筺体本体と蓋体とが蝶番で連結されている場合には、開閉時に円弧を描く関係から、ケーブルを取り出す部分の開口がケーブルやコネクタと干渉しないように大きめにせざるを得ないし、制御基板の盤面と密接するような形状とはできなかった。
しかし、上記蓋体で遊技機の制御基板を保持させつつ、保持した状態で上記筺体本体に対してスライドして装着させる場合には、制御基板における部品載置面上のケーブルの取出位置やコネクタの装着位置の周辺部位に対向する上記蓋体の内周壁面から壁材を延設させ、同壁材の先端が制御基板に当接するようにして隙間を生じさせない構成としても良い。
このようにした場合も、部品載置面を蓋体の内面に向けて取り付けるので、ケーブルやコネクタのための開口部でも基板表面に密接するように壁材を延設することができ、これによって外界との間に生じる隙間をできる限り少なくして不正を防止することができる。
手段21 また、上記金属片は所定の色を着色しても良い。
着色する色分けを利用することにより、封止状態を示すようにできる。また、制御基板などを収容する場合は、同制御基板のバージョンを示すようにしても良い。さらに、バージョンのみならず出荷時期を表すようにしても良い。バージョンや出荷時期を着色で示す場合、遊技機の場合であれば古い機種の制御ボックスを利用して不正を図ろうとしても着色の違いによって制御ボックスを交換したことが分かるようになる。
手段22 また、各種の遊技機に適用可能であり、遊技機の一例として、パチンコ機に適用し、筺体封止構造が、同パチンコ機の背面側から視認できる位置に配置する構成とする。
パチンコ機は、営業時間中を含めて頻繁に開いてその背面側が目に触れるものである。このため、同筺体封止構造が背面側から視認できる位置にあることによって不正を防止できる。
パチンコ機のような遊技機では、ゲーム内容に対応する遊技プログラムを記録したICが制御ボックスに収容され、当該ICの内容を書き換える不正が行われる可能性がある。このため、同制御ボックスに本発明の筺体封止構造を適用することにより、不正を未然に防ぐことができる。
手段23 また、上記遊技機はスロットマシンであり、この筺体封止構造を遊技機の制御ボックスに適用する場合、当該制御ボックスは同スロットマシンの内部あるいは背面側に配置され、同スロットマシンを開いたときに同筺体封止構造を容易に視認できる位置に配置した構成とする。
スロットマシンも、営業時間中を含めて頻繁に開いてその背面側が目に触れるものである。このため、同筺体封止構造が背面側から視認できる位置にあることによって不正を防止できる。
手段24 また、上記遊技機はパチロットであり、この筺体封止構造を遊技機の制御ボックスに適用する場合、当該制御ボックスは同パチロットの内部あるいは背面側に配置され、同パチロットを開いたときに同筺体封止構造を容易に視認できる位置に配置した構成とする。
パチロットは、メダルの代わりに一定数のパチンコ球を使用して絵合わせを行うパチンコ機とスロットマシンの両方の特徴を備えた遊技機である。このようなパチロットも、営業時間中を含めて頻繁に開いてその背面側が目に触れるものである。このため、同筺体封止構造が背面側から視認できる位置にあることによって不正を防止できる。
また、手段1にかかる発明によれば、バネ片を板バネで形成するので、小さなスペースに配置することができる。
さらに、手段2にかかる発明によれば、板バネの切り起こし爪と金属片の鋸刃状の切り欠き部位とにより簡易な構成で抜け止めを図ることができる。
さらに、手段3にかかる発明によれば、引き起こし爪を金属片で覆うことができ、引き起こし爪に対する下方からの不正をより有効に防止できる。
さらに、手段4にかかる発明によれば、引き起こし爪の方向を制御ボックスの内部側に向けることによって、外側からの引き起こし爪への不正を防止することができる。
さらに、手段5にかかる発明によれば、板バネの先端を引き起こし爪と同一方向に向けておくことによって同引き起こし爪への不正行為をより有効に防止できる。
さらに、手段6にかかる発明によれば、折り返した板バネの先端で当該板バネの引き抜きを防止できるので、折り返し端をより有効に利用できる。
さらに、手段7にかかる発明によれば、板バネの他端をコの字形にすることにより、板バネの引き抜きを防止でき、不正行為を防止できる。
さらに、手段8にかかる発明によれば、板バネを弾性支持爪で弾性支持することにより、切り起こし爪の変形を防いで抜け止め効果を安定して供給することができる。
さらに、手段9にかかる発明によれば、幅方向の両側に上記弾性支持爪を形成しつつ内側に切り起こし爪を形成することによって、板バネの姿勢を安定させ、抜け止め効果を安定して供給することができる。
さらに、手段10にかかる発明によれば、上記弾性支持爪の姿勢を安定させ、抜け止め効果を安定して供給することができる。
さらに、手段11にかかる発明によれば、簡易な形態の金属片を提供することができる。
さらに、手段12にかかる発明によれば、金属片を略対称にし、方向を問わずに装着できるといったことが可能となる。
さらに、手段13にかかる発明によれば、金属片を樹脂で固めて引き抜きを防止でき、さらなる不正防止に貢献する。
さらに、手段14にかかる発明によれば、金属片の挿入方向を工夫することによって金属片自体の剛性で封止の解除を防止でき、不正を有効に防止できる。
さらに、手段15にかかる発明によれば、容易に破損可能な連結部位を形成しておくことにより、必要に応じて封止の解除を行えるようになる。
さらに、手段16にかかる発明によれば、制御ボックスを正面から見たときに不正を容易に発見できるようになる。
さらに、手段17にかかる発明によれば、連結部位の数が相違させて封止の解除の必要性に対応させ、必要なときの封止解除を容易にすることができる。
さらに、手段18にかかる発明によれば、予備の金属片を側方に配置することによって、ガードをはかり、不正を行いにくくすることができる。
さらに、手段19にかかる発明によれば、遊技機における制御基板上のICに不正を行いにくくなる。
さらに、手段20にかかる発明によれば、遊技機におけるケーブルの引き出し部位からの不正を行いにくくできる。
さらに、手段21にかかる発明によれば、着色することにより、各種の区別を容易にし、不正を防止し易くできる。
さらに、手段22にかかる発明によれば、パチンコ機の遊技領域における背面側から視認でき、営業時間中を含めて頻繁に開かれるので目に触れ易く、早期に発見して不正に基づく損失を最小限とすることができるし、未然に不正を防止できる。
さらに、手段23にかかる発明によれば、スロットマシンの内部に配置されつつ、同スロットマシンを開いたときに視認できるので、早期に発見して不正に基づく損失を最小限とすることができるし、未然に不正を防止できる。
さらに、手段24にかかる発明によれば、パチロットの内部に配置されつつ、同パチロットを開いたときに視認できるので、早期に発見して不正に基づく損失を最小限とすることができるし、未然に不正を防止できる。
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる筺体封止構造を適用した遊技機の制御ボックスを斜視図により示しており、図2は要部を拡大しつつ破断した斜視図により示している。
図において、筺体本体10は略矩形状とした全体形状のうち、相対面する辺にレール状のガイド部11,11を有しており、同様に略矩形形状とした蓋体20における相対面する辺に形成した鍔状部24,24を同ガイド部11,11に沿わせるようにしてスライドして装着できるようになっている。この例では、蓋体20の側が深みのある形状となっており、遊技機に使用する制御基板30をその部品載置面31の側から内面に対面させつつ、同制御基板30を保持するようにしている。
筺体本体10における上記ガイド部11,11の挿入端とは反対側の辺には挿入穴形成部12が五つ連結されて形成され、その外側には金属片40の予備を収容する予備収容部13が二つ形成されている。一方、スライドして装着されてくる蓋体20の側には各挿入穴形成部12を覆蓋して対面する位置に上記金属片40を挿入可能なスリットを有する金属片挿入部21が形成され、この金属片挿入部21は周囲の部材に対して比較的破損し易いようにした樹脂壁22a,22bを介して連結されている。なお、挿入穴形成部12には、板バネ50が収容されている。
図3は筺体封止構造を断面図により示している。金属片40はU型に折り返して二つの足部41a,41bを有する形状となっており、この例では一方の足部41aが長く、他方の足部41bが短く形成されている。長い側の足部41aにおける内側の辺には三つの切り欠き部位41cを形成してあり、各切り欠き部位41cは鋸刃状の突起41dの凹部として形成されている。鋸刃状の突起41dは足部41aを挿入していくときに障害物を乗り越えやすくなる斜面が対面し、足部41aを引き抜こうとするときに障害物に食い込みやすくする方向性となっている。
板バネ50は、短冊状の金属板片を概略L字形に屈曲して形成されている。より詳細には、図13に示すように、長片51の部分の先端51aを短片52の部分とは反対方向に鋭角にして折り返してあり、また、長片51の部分の両サイドにて短片の側から切り起こし弾性支持爪51c,51cを形成すると共に、当該長片51の中央部分には長さ方向に沿って三ヶ所をコの字型に切りつつその内部を起こして切り起こし爪51dを形成してある。
弾性支持爪51cは長片51に対して斜めに起こされているが、その先端部分は再度折り曲げて長片51と平行となるように形成してある。切り起こし爪51dは、長片51の先端側に向かう側が起こされており、図3に示すように、金属片40の足部41aを挿入していくときに、上記鋸刃状の突起41dの挿入を妨げないが、足部41aを引き抜こうとするときには先端が切り欠き部位41c内に入り込んで抜け止めを図るようになっている。
この切り起こし爪51dの幅は、金属片40の足部41aとほぼ同等か、それ以下になるようにする。このようにすると、下方から見たときに切り起こし爪51dは金属片40にカバーされ、外部から異物を挿入して切り起こし爪51dを寝かせるとということが困難になる。
引き起こし爪51dを切り起こす方向については、制御ボックスの内部に向けている。このようにすれば、切り起こし爪51dを寝かせようとするためには制御ボックスの内側から穴を開けなければならず、制御ボックスが開いていて初めて実現できるので、不正行為を防止できることになる。また、先端51aは、図14に示すように、全幅にわたって屈曲させるようにしてもよい。このようにしたときには、切り起こし爪51dを寝かせるために下方から異物を挿入しようとしても、当該先端51aにてカバーされて先へ進むことができず、結局、不正を防止できることになる。
なお、短片52の先端52aは長片51の先端51aと同方向に折り返してある。このように短片52の先端52aを折り返すことにより、後述するように壁材12cの反対面に引っかかり、板バネ50を図3にて下方に引き抜こうとする不正行為に対向することができる。
挿入穴形成部12は上記金属片40の足部41a,41bに対応して二つの挿入穴12a,12bが形成されている。長い方の足部41aに対応する挿入穴12aには上記板バネ50の長片51が挿入されるようになっており、さらに際奥部には長片51の先端51aが入り込んで係止可能な凹部12a1を形成してある。
板バネ50を挿入穴12aに挿入していくとき、先端51aが凹部12a1に入り込んで抜け止めが図られると共に、上記弾性支持爪51cは挿入穴12aの壁面に当接して長片51がやや浮いた状態で支持される。ここで、短片52は挿入穴12a内には入らず、挿入穴12aと挿入穴12bの間に形成される壁材12cに当接し、さらに、短片52における折り返した先端52aが挿入穴12bの側に入り込む。従って、長片51は短片52と接続する根本の側で壁材12cにて移動を規制されつつ、中間の部位では弾性支持爪51cによって上記壁材12cから離れる側に付勢され、先端51aが凹部12a1内にしっかりと入り込んで抜けないように保持されることになる。
筺体本体10の挿入穴形成部12に対応する蓋体20の金属片挿入部21は板状の金属片40を挿入できるようにスリット状の開口21a1を有する平たい筒状の本体部分21aを有しており、この本体部分21aはその長手方向の一端で蓋体20と樹脂壁22aを介してに連結されている。樹脂壁22aは他の部位の壁部よりもやや薄目に形成されており、この部位で比較的容易に破壊できるようになっている。また、本体部分21a同士を横並び方向に連結する樹脂壁22bは全体的には幅広に形成されているが、中央には一端から切り欠き22b1を形成しており、実質的には短い幅でのみ連結されている。従って、この部位で比較的容易に破壊できるようになっている。なお、スリット状の開口21a1内には二股とした金属片40の足部41a,41bがそれぞれ挿入可能な開口を形成するための架橋部21bが形成されている。
五つの挿入穴形成部12を挟むようにその外側には金属片40の予備を収容する予備収容部13が二つ形成されており、それぞれに金属片40を2つずつ、合計4つの予備を入れることができる。予備収容部13は上方に開口を有しており、金属片40を上方から挿入可能である。また、蓋体20の側には、筺体本体10に対してスライドして装着されるときに同予備収容部13の上方を覆蓋する位置に予備収容部用蓋部23が形成されている。
上記構成において、予め上記挿入穴形成部12に対して上記板バネ50を挿入しておく。板バネ50の長片51が挿入穴12aの奥まで挿入された状態では折り返した先端51aが凹部12a1内に入り込み、当該板バネ50が抜け出ることを防止する。また、短片52は壁材12cに当接しつつその折り返した先端52aが反対側の挿入穴12bに入り込むようにして引っかかる。このとき、途中に形成した弾性支持爪51cは当該板バネ50を壁材12cから微少距離だけ浮かせて支持することになる。なお、板バネ50は五つの各挿入穴形成部12内に装着しておき、予備収容部13内にはそれぞれ二つずつの金属片40を挿入しておく。以上で筺体本体10の側の準備は完了する。
蓋体20の側では、遊技機に使用する制御基板30をその部品載置面31の側から内面に対面させ、同制御基板30を蓋体20内部に保持させる。そして、鍔状部24,24を筺体本体10のガイド部11,11に沿わせるようにしてスライドして装着する。蓋体20と筺体本体10とが対応する位置関係になると、上記金属片挿入部21と挿入穴形成部12とが重なり合うことになる。そこで、金属片挿入部21におけるスリット状の開口21a1に金属片40を挿入していくと、両足部41a,41bが架橋部21bを挟み込むようにしてそれぞれ挿入穴形成部12の挿入穴12a,12b内に入っていく。足部41aが挿入穴12a内に進入していくときに、切り起こし爪51dが干渉するが、切り起こし爪51dの起こされている傾斜と足部41aに形成されている鋸刃状の突起41dの傾斜面とが互いに乗り過ごせる方向になっており、足部41aは挿入穴12a内の所定位置まで挿入できる。むろん、挿入後は両者が食い込むように対面するので、抜け止めを図ることができる。そして、板バネ50自体は先端51aにて挿入穴12aの奥の凹部12a1内に入り込んで保持されているため、金属片40が挿入穴形成部12から抜け出ることはできなくなる。
足部41aが挿入穴12a内に挿入されるのに伴って足部41bも挿入穴12b内に挿入され、この状態でU型の金属片40は両足部41a,41bの先端を挿入穴形成部12にて固定される。そして、金属片40の折り返される部分は蓋体20の金属片挿入部21の開口21a1内で架橋部21bを挟み込みつつ止まっているので、蓋体20をスライドさせることもできなくなり、結果として蓋体20と筺体本体10とは封止されることになる。
この後、封止を解除して制御ボックスを開ける必要が生じたときには、樹脂壁22aと樹脂壁22bとを破壊する。U型とした金属片40が挿入されている金属片挿入部21は架橋部21bで挿入穴形成部12の上に押さえつけられているので、蓋体20を筺体本体10からスライドさせると、一度封止された部分の金属片挿入部21だけが筺体本体10上に残ったまま、蓋体20は筺体本体10から離れることができる。
ところで、挿入穴形成部12は横並び方向に対称に形成されており、一見すると各挿入穴形成部12を支持する樹脂壁22a,22bの数は同様であるが、実際の使用時には異なる。例えば、図4に示すように、一番下にある挿入穴形成部12に対する樹脂壁22a,22bを破壊するときには、初めてであるなら○で示すように三つの破損部位となる。しかしながら、下から二つ目の挿入穴形成部12を解除するときには△で示すように破損すべき部位は二ヶ所になる。この差異は、解除のしやすさに影響を与えるので、通常は解除すること自体が殆ど無いのであれば、最初に解除する際に破損すべき樹脂壁22a,22bの数が多いほど不正をしにくくなる。
また、検査の工程を経る前に一度組み付ける必要があるというようなときには必ず一度は解除しなければならないことが明らかである。このため、最初の挿入穴形成部12については樹脂壁22aだけで支持する構成としておき、横並びの間の樹脂壁22bを形成しておかないというようにしても良い。このようにすれば、検査工程の際に一つの樹脂壁22aだけを破損すればよくなるので、解除の手間が低減される。
なお、樹脂壁22a,22bの破損させやすさは、その数だけでなく、厚みによって調整してもよい。
むろん、上述した金属片40や板バネ50、および挿入穴形成部12の形状などは様々に変形可能である。
図5は板バネ50が壁材12cを囲い込むようにして固定させる例を示している。
上述した例では、長片51の先端を折り返して引っかけるようにしているが、この例では、短片52の側を壁材12cよりも長くしておき、これを挿入穴12bの側で壁材12cに沿って折り返し(折り返し部52b)、さらに先端52cを折り返している。このようにすると、折り返し部52bと長片51の弾性支持爪51cとで壁材12cを挟み込むことになるので、板バネ50の姿勢が安定して保持される。また、短片52の先端52cが壁材12cに係止することにより、板バネ50の抜け止めが図られる。
また、図6は板バネ50と金属片40を対称形状にして装着時の作業性を向上させる例を示している。
この板バネ50は短片52を介して二つの長片51,51が形成されている。そして、挿入穴12a,12bのそれぞれの先端に凹部12a1,12b1を形成してあり、各長片51,51の先端51a,51aにて係止する構成となっている。金属片40については、両足部41a,41bを等長で形成し、両方に切り欠き部位41cと鋸刃状の突起41dとが形成されている。このように対称形状で板バネ50と金属片40とを形成してあるので、方向性を誤って装着するということがなくなり、作業性を向上させることができる。
本実施形態では、スライドして脱着される蓋体20の側に制御基板30を保持させる構成としてある。図7は保持状態を断面図により示している。通常、筺体本体に制御基板を保持してあると、蓋体というのは制御基板に対して密着させることができず、どこかに隙間が生じがちである。例えば、ケーブルの引き出し部位に隙間が生じ、この隙間から異物を差し込んで不正を行おうとする可能性がある。
しかしながら、本実施形態では、深みのある形状となっている蓋体20に対して制御基板30をその部品載置面31の側から内面に対面させて収容している。また、蓋体20の内周面から制御基板30上の重要部品であるICソケット32とIC33を取り囲むように遮蔽壁材25を立設させ、同遮蔽壁材25の先端がほぼ制御基板30の表面に当接している。このため、異物にてIC33に到達しうることは不可能となっている。
また、ケーブル34についても、ケーブル34自体は外部に導出させなければならないので制御基板30の表面を外部に露出させなければならない。しかし、開口部位から当該ケーブル34の周囲で制御基板30に当接しうる程度の長さの遮蔽壁材26を形成しておくことにより、隙間が生じない。これにより、異物などを挿入させること自体も不可能になる。
なお、図8はパチンコ機を背面図により示しており、本筺体封止構造を適用した制御ボックスが背面側から視認できるように装着されている。
パチンコ機60の背面側には矩形箱形の制御ボックス70が装着されている。ここで、同制御ボックス70は長片の一辺に形成した蝶番機構にて蓋体と筺体とが開閉可能になっており、両方の短辺には本筺体封止構造が採用されている。すなわち、蓋体の金属片挿入部21と筺体の挿入穴形成部12はそれぞれ蓋体と筺体の短辺にそれぞれ4対ずつ形成されており、封止可能となっている。むろん、必要に応じて開口させることもできる。図に示すように、パチンコ機60の背面側から直に視認できる位置に配設されているため、メンテナンスのためにパチンコ機60を開いたときには容易に視認できる。従って、制御ボックス70内に手を加えるなどのために金属片挿入部21や挿入穴形成部12を破損させれば、次のメンテナンス時にはすぐに見つかってしまう。
また、図9はスロットマシン(パチスロ)80の背面を示している。同スロットマシン80の背面側にも矩形箱形の制御ボックス90が装着されている。ここで、同制御ボックス90は図示しない蝶番機構にて蓋体と筺体とが開閉可能になっており、両方の短辺には本筺体封止構造が採用されている。すなわち、蓋体の金属片挿入部21と筺体の挿入穴形成部12はそれぞれ蓋体と筺体の短辺にそれぞれ4対ずつ形成されており、封止可能であるし、必要に応じて開口させることもできる。
同図に示すように、スロットマシン80の背面側にも制御ボックス90が装着され、メンテナンスのためにスロットマシン80を開いたときには容易に筺体封止構造を視認できる。従って、制御ボックス90内に手を加えるなどのために金属片挿入部21や挿入穴形成部12を破損させれば、次のメンテナンス時にはすぐに見つかってしまう。
図示していないが、パチロットにも同様に適用可能である。パチロットは、メダルの代わりにパチンコ遊技球を利用するものであり、例えば、パチンコ球の5個がメダル1個に相当して遊技を楽しむことができる。
このように、スライドして開閉する筺体本体10と蓋体20とを合体させて制御ボックスを形成するに際し、予め筺体本体10の側の挿入穴形成部12に対して板バネ50を挿入しておき、遊技機の制御基板30を蓋体20内部に保持させてスライドして装着する。蓋体20と筺体本体10とが対応する位置関係になったら、金属片挿入部21と挿入穴形成部12とが重なり合うので、金属片挿入部21の開口21a1に金属片40を挿入していくと、足部41aは挿入穴12a内で板バネ50に係止し、金属片40が挿入穴形成部12から抜け出ることはできなくなる。金属片40の折り返される部分は蓋体20の金属片挿入部21の開口21a1内で架橋部21bを挟み込みつつ止まっているので、蓋体20をスライドさせることもできなくなり、結果として蓋体20と筺体本体10とは封止されることになる。