JP4428508B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
従来、この種の筺体封止構造として、図10と図11に示すものが知られている。
同図において、樹脂製の蓋体1と筺体本体2とからなる筺体が制御ボックスである。制御ボックスにおける開口縁部には四ヶ所に筺体封止構造が形成されている。筺体封止構造は蓋体1の側の突出片1aと、筺体本体2の側のナット保持部2aとから構成されている。
同図において、蓋体5の側の突出片5aと筺体本体6の側の突出片6aとが対面し、バネ片7を利用して封止する。バネ片7は蓋体5の突出片5aに形成したスリット5a1から挿入できるように略板状に形成され、上端縁部を丸めて支持部7aを形成していると共に、下方の中間部には挿入方向と反対の側に起こされる切り起こし爪7bを形成している。一方、筺体本体6の突出片6aには上記スリット5a1に対応してスリット6a1が形成されており、バネ片7は蓋体5のスリット5a1を介して挿入されると、そのまま筺体本体6のスリット6a1へと挿入されてくる。スリット5a1の奥は開口幅が狭くなっており、上記支持部7aが引っかかり、そのまま下方へと抜け出てしまうことはない。一方、スリット6a1の側には上記切り起こし爪7bの挿入を妨げないものの、引き抜きを防止するように当該スリット6a1の貫通方向と直交する小室6a2を形成してある。従って、上記バネ片7を挿入すれば、上記引き起こし爪7bが同小室6a2内に入り込み、以後、挿入方向と逆方向へ引き抜くことを防止する。
本発明は、上記例示した課題等にかんがみてなされたもので、不正を施しにくくすることが可能な筺体封止構造を採用した遊技機の提供を目的とする。
制御部品を搭載した制御基板と、
筺体と蓋体とを有し、前記筺体および前記蓋体が所定のスライド方向に相対的にスライド移動されることで組み付けられる制御ボックスとを備えた遊技機において、
前記筺体には第1挿入部を有する第1封印手段が、前記蓋体には第2挿入部を有する第2封印手段が、設けられ、
前記制御ボックスが組み付けられた場合に、前記第1挿入部と前記第2挿入部が前記所定のスライド方向に対し交差する方向に連通する連通部が形成されるものであり、
前記連通部に挿入される第1係合手段と、該第1係合手段と係合して当該第1係合手段の抜けを防止する第2係合手段とを有し、前記制御ボックスの前記筺体および前記蓋体の相対的なスライド移動による開放を阻止するスライド開放阻止手段を備え、
前記蓋体には、前記第1係合手段と前記第2係合手段との間に位置する部位が設けられていることを特徴とする。
また、前記制御基板は、前記蓋体に保持されることとしてもよい。
上記バネ片の構成として、板バネで形成してもよい。
板バネであればU形とした金属片の内側に同金属片の内側に切り欠き部位を形成するなどして容易に係止できる。
手段2
同板バネの構成として、コの字型に切り溝を形成しつつ内側の短冊片を斜めに起こした切り起こし爪を形成し、上記金属片の内側部分には、同切り起こし爪の先端にて抜け止めを図れるようにする鋸刃状の切り欠き部位を形成してもよい。
手段3
ここで、上記切り起こし爪の幅と上記金属片の幅については、実質的に同程度の幅とする。切り起こし爪が鋸刃状の切り欠き部位に入り込んでいる場合、金属片の下方から観察したときに、同切り起こし爪の幅の方が狭ければ当該切り起こし爪の先端部分を観察することはできない。従って、下方から異物を挿入して切り起こし爪を寝かせようとしても、上記金属片に妨げられることになる。その意味では、切り起こし爪の方が僅かに幅広であったぐらいでは当該切り起こし爪全体を寝かせるということもできなくなるので、実質的に同等の幅というのは金属片からはみ出た切り起こし爪に対して寝かせ付けることができない程度の幅のものまでを含むといえる。
上記切り起こし爪は、制御ボックスの内部に対面するように形成する。
切り起こし爪が、制御ボックスの外方に向いているのであれば、その外壁に穴を開けるなどして同切り起こし爪を寝かせるような不正が可能になりやすい。しかし、切り起こし爪が制御ボックスの内部に対面しているのであれば、制御ボックスの内側から穴を開けることは不可能なので、不正を防止できる。
手段5
上記切り起こし爪を形成している板バネの先端側には、上記切り起こし爪を起こしている側に向かって屈曲せしめた折り返し端を形成しても良い。
手段6
むろん、この折り返し端は単に切り起こし爪への不正を防止するだけに形成するのではなく、当該折り返し端を板バネの挿入穴の奥側に対して係止させることにより、当該板バネを抜き取り不能にさせるようにしても良い。
手段7
上記板バネの上端側を断面略コの字型に形成し、筺体の挿入穴の縁部に係止させるようにしてもよい。
板バネに対する不正は各種のものが考えられるが、板バネを下方から引き抜いてしまうということも行われうる。このような場合の対策として、板バネの上端をコの字形にして係止させておけば、単に下方側に穴を開けたとしても引き抜くことを防止できる。
上記板バネには、板バネの基部を上記金属片の切り欠き部位の側に向けて弾性支持するための弾性支持爪を形成しても良い。
基部自体が弾性支持されているので金属片を挿入するときに切り起こし爪をつぶしてしまいにくく、抜け止めの信頼性を向上させることになる。
手段9
上記板バネは、幅方向の両側に上記弾性支持爪を形成しつつ、内側に上記切り起こし爪を形成しても良い。
手段10
上記弾性支持爪には、先端側にて上記挿入穴内の平面状の壁面と対面する平面状の部位を形成しても良い。
弾性支持爪の先端部位が平面となって挿入穴の壁面と対面することにより、平面同士が対面する状態で安定した姿勢保持ができ、結果として切り起こし爪が切り欠き部位に対して係止する状態も安定する。
上記金属片は、U型に折り返した一方を長く、他方を短く形成してもよい。
手段12
上記金属片は、U型に折り返した両端を略等長としつつ、両者の内側に上記切り欠き部位を形成してもよい
手段13
上記蓋体の挿通穴は、上記金属片を挿通させた状態にて、樹脂を充填して硬化させるようにしても良い。このようにすれば、板バネに対する不正の有無にかかわらず、金属片の引き抜きが困難になり、不正を防止できる。
金属片の挿入方向と、蓋体と筺体との開閉方向とは、直交することも、平行することも可能である。しかし、両者の方向が直交方向とすることにより、金属片の抜け止めを図るだけで、蓋体と筺体とを開くことをより効果的に防止できる。なぜなら、平行している場合には、U型に折り返した金属片がその折り返し部分で蓋体を押さえつけるようにして開くことを防止するため、開くことを防止するのは、金属片の先端側での板バネの係止力のみで決定されてしまう。従って、引き起こし爪などの各部の耐久力を上げないと不正防止効果を上げられない。しかし、直交する場合には板バネが金属片を保持する力とは関係なくなり、金属片自体の耐久力で開くことを防止できるため、極めて多大な力をかけないと開くことはできないからである。
上記挿入穴と挿通穴は、複数対を用意しておき、かつ、いずれか一方は、他の部位との間に容易に破損可能な連結部位を形成しても良い。
このようにすれば、封止後に解除する必要が生じたときには同連結部位を破損させて封止を解除し、再度、別の対を利用して封止することができる。
手段16
この連結部位は、当該制御ボックスを正面から見たときに平面上に配置されるようにしても良い。
手段17
用途によっては開閉の頻度が異なる場合がある。このような場合に好適な一例として、上記複数個の操作子保持部は、上記連結部位の数が相違する構成としてもよい。
例えば、開閉することは基本的にあり得ないことを前提とするものでは、最初の封止が最も不正に空けられにくくしておくと不正を行いにくくなる。従って、このようなものでは、最初に封止される操作子保持部を連結する連結部位の数を多くしておけばよい。また、検査工程などを経るときに必ず二回は封止を開くというのであれば、三回目の封止に利用する操作子保持部を連結する連結部位の数を多くしておけばよい。なお、この場合の連結部位の数は、封止を解く際に破断を要する数であり、順次、破断していくときに既に破断されている壁材の数を含めないようして数えてもよい。
複数対を用意するときには普段は係止していない予備の金属片を保持させておくと便利であり、このときに上記筺体の側における上記挿入穴の側方に配置するようにしても良い。
挿入穴の側方に予備の金属片が保持されることにより、金属片の抜け止めを図るバネ片は、U型に折り返した金属片によって両方向からガードされ、かつ、側方を同予備によってガードされる。これにより、不正を行いにくくできる。
筺体と蓋体とがスライドして装着される場合、上記蓋体は遊技機の制御基板を保持し、保持した状態で上記筺体本体に対してスライドして装着されるとともに、上記蓋体の内側壁面から同制御基板状に配置したICを取り囲むように壁材を延設した構成としてもよい。
従来は、筺体本体に制御基板を配置するときに部品載置面を開口側に向けておき、この筺体本体と蝶番などで連結されている蓋体を回動させて上記開口を塞ぐようにしている。すなわち、ICなどは開口側に面しており、蓋体で開口を塞いだとしても、蓋体内ではICを覆うものはない。このため、隙間などがあれば、外部から巧妙な不正を行うこともあり得る。
また、制御基板には外部へ導出されるケーブルやコネクタが取り付けられており、このケーブルやコネクタに対応して筺体の側にも開口部が必要である。筺体本体と蓋体とが蝶番で連結されている場合には、開閉時に円弧を描く関係から、ケーブルを取り出す部分の開口がケーブルやコネクタと干渉しないように大きめにせざるを得ないし、制御基板の盤面と密接するような形状とはできなかった。
このようにした場合も、部品載置面を蓋体の内面に向けて取り付けるので、ケーブルやコネクタのための開口部でも基板表面に密接するように壁材を延設することができ、これによって外界との間に生じる隙間をできる限り少なくして不正を防止することができる。
また、上記金属片は所定の色を着色しても良い。
着色する色分けを利用することにより、封止状態を示すようにできる。また、制御基板などを収容する場合は、同制御基板のバージョンを示すようにしても良い。さらに、バージョンのみならず出荷時期を表すようにしても良い。バージョンや出荷時期を着色で示す場合、遊技機の場合であれば古い機種の制御ボックスを利用して不正を図ろうとしても着色の違いによって制御ボックスを交換したことが分かるようになる。
また、各種の遊技機に適用可能であり、遊技機の一例として、パチンコ機に適用し、筺体封止構造が、同パチンコ機の背面側から視認できる位置に配置する構成とする。
パチンコ機は、営業時間中を含めて頻繁に開いてその背面側が目に触れるものである。このため、同筺体封止構造が背面側から視認できる位置にあることによって不正を防止できる。
パチンコ機のような遊技機では、ゲーム内容に対応する遊技プログラムを記録したICが制御ボックスに収容され、当該ICの内容を書き換える不正が行われる可能性がある。このため、同制御ボックスに本発明の筺体封止構造を適用することにより、不正を未然に防ぐことができる。
また、上記遊技機はスロットマシンであり、この筺体封止構造を遊技機の制御ボックスに適用する場合、当該制御ボックスは同スロットマシンの内部あるいは背面側に配置され、同スロットマシンを開いたときに同筺体封止構造を容易に視認できる位置に配置した構成とする。
スロットマシンも、営業時間中を含めて頻繁に開いてその背面側が目に触れるものである。このため、同筺体封止構造が背面側から視認できる位置にあることによって不正を防止できる。
また、上記遊技機はパチロットであり、この筺体封止構造を遊技機の制御ボックスに適用する場合、当該制御ボックスは同パチロットの内部あるいは背面側に配置され、同パチロットを開いたときに同筺体封止構造を容易に視認できる位置に配置した構成とする。
パチロットは、メダルの代わりに一定数のパチンコ球を使用して絵合わせを行うパチンコ機とスロットマシンの両方の特徴を備えた遊技機である。このようなパチロットも、営業時間中を含めて頻繁に開いてその背面側が目に触れるものである。このため、同筺体封止構造が背面側から視認できる位置にあることによって不正を防止できる。
さらに、手段2にかかる発明によれば、板バネの切り起こし爪と金属片の鋸刃状の切り欠き部位とにより簡易な構成で抜け止めを図ることができる。
さらに、手段4にかかる発明によれば、引き起こし爪の方向を制御ボックスの内部側に向けることによって、外側からの引き起こし爪への不正を防止することができる。
さらに、手段5にかかる発明によれば、板バネの先端を引き起こし爪と同一方向に向けておくことによって同引き起こし爪への不正行為をより有効に防止できる。
さらに、手段7にかかる発明によれば、板バネの他端をコの字形にすることにより、板バネの引き抜きを防止でき、不正行為を防止できる。
さらに、手段8にかかる発明によれば、板バネを弾性支持爪で弾性支持することにより、切り起こし爪の変形を防いで抜け止め効果を安定して供給することができる。
さらに、手段10にかかる発明によれば、上記弾性支持爪の姿勢を安定させ、抜け止め効果を安定して供給することができる。
さらに、手段11にかかる発明によれば、簡易な形態の金属片を提供することができる。
さらに、手段13にかかる発明によれば、金属片を樹脂で固めて引き抜きを防止でき、さらなる不正防止に貢献する。
さらに、手段14にかかる発明によれば、金属片の挿入方向を工夫することによって金属片自体の剛性で封止の解除を防止でき、不正を有効に防止できる。
さらに、手段16にかかる発明によれば、制御ボックスを正面から見たときに不正を容易に発見できるようになる。
さらに、手段17にかかる発明によれば、連結部位の数が相違させて封止の解除の必要性に対応させ、必要なときの封止解除を容易にすることができる。
さらに、手段19にかかる発明によれば、遊技機における制御基板上のICに不正を行いにくくなる。
さらに、手段20にかかる発明によれば、遊技機におけるケーブルの引き出し部位からの不正を行いにくくできる。
さらに、手段21にかかる発明によれば、着色することにより、各種の区別を容易にし、不正を防止し易くできる。
さらに、手段23にかかる発明によれば、スロットマシンの内部に配置されつつ、同スロットマシンを開いたときに視認できるので、早期に発見して不正に基づく損失を最小限とすることができるし、未然に不正を防止できる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる筺体封止構造を適用した遊技機の制御ボックスを斜視図により示しており、図2は要部を拡大しつつ破断した斜視図により示している。
引き起こし爪51dを切り起こす方向については、制御ボックスの内部に向けている。このようにすれば、切り起こし爪51dを寝かせようとするためには制御ボックスの内側から穴を開けなければならず、制御ボックスが開いていて初めて実現できるので、不正行為を防止できることになる。また、先端51aは、図14に示すように、全幅にわたって屈曲させるようにしてもよい。このようにしたときには、切り起こし爪51dを寝かせるために下方から異物を挿入しようとしても、当該先端51aにてカバーされて先へ進むことができず、結局、不正を防止できることになる。
挿入穴形成部12は上記金属片40の足部41a,41bに対応して二つの挿入穴12a,12bが形成されている。長い方の足部41aに対応する挿入穴12aには上記板バネ50の長片51が挿入されるようになっており、さらに際奥部には長片51の先端51aが入り込んで係止可能な凹部12a1を形成してある。
むろん、上述した金属片40や板バネ50、および挿入穴形成部12の形状などは様々に変形可能である。
図5は板バネ50が壁材12cを囲い込むようにして固定させる例を示している。
上述した例では、長片51の先端を折り返して引っかけるようにしているが、この例では、短片52の側を壁材12cよりも長くしておき、これを挿入穴12bの側で壁材12cに沿って折り返し(折り返し部52b)、さらに先端52cを折り返している。このようにすると、折り返し部52bと長片51の弾性支持爪51cとで壁材12cを挟み込むことになるので、板バネ50の姿勢が安定して保持される。また、短片52の先端52cが壁材12cに係止することにより、板バネ50の抜け止めが図られる。
この板バネ50は短片52を介して二つの長片51,51が形成されている。そして、挿入穴12a,12bのそれぞれの先端に凹部12a1,12b1を形成してあり、各長片51,51の先端51a,51aにて係止する構成となっている。金属片40については、両足部41a,41bを等長で形成し、両方に切り欠き部位41cと鋸刃状の突起41dとが形成されている。このように対称形状で板バネ50と金属片40とを形成してあるので、方向性を誤って装着するということがなくなり、作業性を向上させることができる。
なお、図8はパチンコ機を背面図により示しており、本筺体封止構造を適用した制御ボックスが背面側から視認できるように装着されている。
図示していないが、パチロットにも同様に適用可能である。パチロットは、メダルの代わりにパチンコ遊技球を利用するものであり、例えば、パチンコ球の5個がメダル1個に相当して遊技を楽しむことができる。
12…挿入穴形成部
12a,12b…挿入穴
12c…壁材
13…予備収容部
20…蓋体
21…金属片挿入部
21a…本体部分
21a1…開口
21b…架橋部
22a,22b…樹脂壁
23…予備収容部用蓋部
25,26…遮蔽壁材
30…制御基板
31…部品載置面
32…ICソケット
34…ケーブル
40…金属片
41a,41b…足部
50…板バネ
51…長片
51c…弾性支持爪
51d…切り起こし爪
52…短片
60…パチンコ機
70…制御ボックス
80…スロットマシン
90…制御ボックス
Claims (3)
- 制御部品を搭載した制御基板と、
筺体と蓋体とを有し、前記筺体および前記蓋体が所定のスライド方向に相対的にスライド移動されることで組み付けられる制御ボックスとを備えた遊技機において、
前記筺体には第1挿入部を有する第1封印手段が、前記蓋体には第2挿入部を有する第2封印手段が、設けられ、
前記制御ボックスが組み付けられた場合に、前記第1挿入部と前記第2挿入部が前記所定のスライド方向に対し交差する方向に連通する連通部が形成されるものであり、
前記連通部に挿入される第1係合手段と、該第1係合手段と係合して当該第1係合手段の抜けを防止する第2係合手段とを有し、前記制御ボックスの前記筺体および前記蓋体の相対的なスライド移動による開放を阻止するスライド開放阻止手段を備え、
前記蓋体には、前記第1係合手段と前記第2係合手段との間に位置する部位が設けられている
ことを特徴とする遊技機。 - 前記制御ボックスは、前記蓋体の内面に前記制御基板の部品搭載面が対面する状態で前記制御基板を収容する
ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 前記制御基板は、前記蓋体に保持される
ことを特徴とする請求項2記載の遊技機。
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