以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図21は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。なお、以下の説明における上下左右の方向については、特に基準を示さない限り遊技機本体を前側から見た場合の上下左右をいうものとする。
図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3は左端側の上下一対のヒンジ4を介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。
前枠3の上部側には遊技盤5が例えば前側から着脱自在に装着されると共に、遊技盤5の前側にガラス扉6が、ガラス扉6の下側に隣接して前面開閉板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面開閉板7はヒンジ4と同一側のヒンジ(図示省略)により前枠3に開閉自在に枢支されている。前面開閉板7には、その前側に、発射手段8に供給するための遊技球を貯留する貯留皿9、発射手段8を作動させるための発射ハンドル10等が設けられている。
遊技盤5の前側には、発射手段8により発射された遊技球を案内するガイドレール11が環状に装着されると共に、そのガイドレール11内の遊技領域12には、画像表示手段13を備えたセンターケース14の他、通過ゲート15、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が装着されている。
また、遊技盤5の裏側には、図2に示すように、センターケース14等の遊技部品を後側から覆う裏カバー21と集球ケース22とが上下に配置され、例えば集球ケース22の背面側に主制御基板23が格納された主基板ケース24が、裏カバー21の背面側に演出制御基板25が格納された演出基板ケース26、液晶制御基板27が格納された液晶基板ケース28が夫々着脱自在に装着されている。
集球ケース22は、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等に入賞して遊技盤5の裏側に案内された遊技球を集めて排出口29から回収通路(図示省略)側へと案内するためのもので、図3に示すように上面側と前面側とが開放した略箱形に形成されており、裏カバー21の下側に近接して配置され、遊技盤5の裏側に着脱自在に固定されている。
集球ケース22の背面側には、例えばその略中央に主基板ケース24を着脱自在に装着可能な主基板ケース装着部31が設けられ、また例えばその主基板ケース装着部31の一側には、遊技盤5を前枠3側に装着したときに前枠3側のコネクタ(図示省略)に直接結合される遊技盤側コネクタ32が複数配置されている。
主基板ケース装着部31に装着される主基板ケース24は、全体として扁平な略矩形状であって、図3に示すように、互いに係脱自在の第1ケース体41と第2ケース体42とを備えると共に、その外周側の一辺、例えば左端側に沿って封止手段43が設けられ、また第1ケース体41と第2ケース体42とは、開閉可能な状態で連結部材(連結手段)44により連結されている。
そして、主基板ケース24内の空間は、図4〜図6等に示すように、封止手段43に対応する封止領域24bと、それ以外の基板格納領域24aとに区分されており、その基板格納領域24a内に主制御基板23が格納されている。
主制御基板23は矩形状であって、その一面側には、中央寄りの部分にCPU,ROM,RAM等の電子部品45が配置され、また外縁部近傍には、コネクタ46が装着されると共に位置決め孔47及び固定孔48(図3)が形成されている。
第2ケース体42は、例えば透明な合成樹脂製で、図3〜図7,図9等に示すように、主制御基板23の電子部品装着面23a側に対向する上壁51と、その上壁51の三辺、例えば上下辺及び右辺に沿って主制御基板23の裏面23b側に向けて延設された周壁52〜54とを一体に備え、主制御基板23の裏面23b側に対応する面、及び外周側の残りの一方側、即ち左側の面はその略全面が開放されて開口55,56を形成している。
そして、上壁51の内面側には、例えば左側の開口56から所定距離内側(右周壁54側)の位置に仕切り壁57が右周壁54と略平行に配置されている。この仕切り壁57は、主基板ケース24内の空間を封止領域24bと基板格納領域24aとに仕切るもので、周壁52〜54と仕切り壁57とで取り囲まれた領域が基板格納領域24a、仕切り壁57よりも開口56側の領域が封止領域24bとなっている。なお、仕切り壁57の両端部と周壁52,53との間には夫々隙間57aが形成されている(図15,図16)。
上壁51のうち、基板格納領域24aに対応する基板側上壁51aには、その内部に配置される主制御基板23との間に電子部品45の収容空間を確保できるように外向きに膨出する膨出部61が形成されると共に、例えば周壁52,53,54に沿って膨出部61よりも低い段部62が形成されている。
段部62には、主制御基板23側のコネクタ46が内側から嵌合するコネクタ嵌合孔63が1又は複数設けられており、またそのコネクタ嵌合孔63を避けて、主制御基板23側の位置決め孔47に対応する1又は複数の位置決め突起64が内向きに、主制御基板23側の固定孔48に対応するねじ止め用の固定基部65が外向きに、夫々突設されている。
主制御基板23は、電子部品装着面23aを上壁51側に向けた状態で、位置決め孔47に位置決め突起64を嵌合させるように第2ケース体42の基板格納領域24a内に嵌め込まれ、固定孔48を介して固定基部65にねじ止めすることにより固定される。
上壁51のうち、封止領域24bに対応する封止側上壁51bは、例えば基板側上壁51aとの境界部に沿って基板側上壁51a側の段部62と同じ高さに配置される低壁66と、この低壁66の開口56側に突出状に設けられ且つ低壁66よりも一段高い高壁67とを備え、それら低壁66と高壁67との間はそれら低壁66及び高壁67に略垂直な起立壁68により連結されている。
高壁67の外面側は、連結部材44の一端側を固定するための第2固定ベース部106となっている。この第2固定ベース部106は、高壁67から略垂直に突設される複数のカシメピン(固定手段)107と、高壁67の外縁部に沿ってその全周にわたって配置され且つ外向きに所定高さで突設される囲いリブ108とを備えている。
また、上下の周壁52,53には、封止領域24b側端部、即ち左端部に高壁67と略平行に突出する一対の係合突部58(図3,図9,図11等)が設けられ、また基板格納領域24aに対応する外面側には外向き突出状の係合爪70が、開口55側の縁部に沿って間欠的に複数設けられている。
第1ケース体41は、例えば透明な合成樹脂製で、図3〜図6,図8,図9等に示すように、第2ケース体42側の開口55に対応する底壁71と、第2ケース体42側の開口56に対応して底壁71の一辺、即ち左辺から第2ケース体42側に立設される側壁72と、底壁71の他の三辺、即ち上辺,下辺及び右辺に沿って第2ケース体42側に立設される嵌合壁73,74,75とを一体に備えており、第2ケース体42と向かい合わせに嵌め合わせたとき、底壁71,側壁72が夫々第2ケース体42側の開口55,56を略閉鎖すると共に、嵌合壁73〜75が夫々第2ケース体42側の周壁52〜54の外面側に嵌合するようになっている。
また、底壁71には、第2ケース体42側の上下の周壁52,53の内面側に沿う一対の案内壁76,77が、側壁72の内面側から嵌合壁75側に向けて上下の嵌合壁73,74の内側に平行に配置されている。これら案内壁76,77と嵌合壁73,74との間は、第2ケース体42側の周壁52,53が摺動自在に嵌合する案内溝78,79となっている。
また、上下の嵌合壁73,74には、第2ケース体42側の係合爪70が夫々係脱自在に係合可能な被係合部80が設けられている。この被係合部80は、第2ケース体42側の係合爪70が夫々嵌脱自在に嵌合する複数の切り欠き部81と、案内溝78,79に沿ってこれら切り欠き部81に対して例えば封止領域24bとは反対側(右側)に隣接して設けられ且つ係合爪70が夫々係合する係止部82とで構成されており、係合爪70を夫々切り欠き部81に嵌合させるように第2ケース体42を第1ケース体41に嵌め合わせ(アンロック状態)、第2ケース体42を第1ケース体41に対して封止領域24bとは反対側(右側)に向けて相対的にスライドさせたとき(以下、この方向をスライド方向という)、係合爪70が係止部82に夫々係合して、第1ケース体41と第2ケース体42とが互いに結合状態でロックされる(ロック状態)ようになっている。
これら第1ケース体41側の被係合部80と第2ケース体42側の係合爪70とが、それら第1ケース体41と第2ケース体42とを閉状態でロックするための主ロック手段86を構成している。
側壁72には、案内溝78,79に対応して一対の被係合穴87(図9〜図11等)が形成されており、第1ケース体41と第2ケース体42とをアンロック状態に嵌め合わせる前に、第2ケース体42側の係合突部58を案内溝78,79に沿って被係合穴87に差し込むことにより、係合突部58が被係合穴87に係合して第1,第2ケース体41,42の開方向への移動を規制するようになっている。また、係合突部58と被係合穴87とは主ロック手段86がアンロック状態のときだけでなくロック状態となったときにも係合状態が維持されるようになっている。
これら第1ケース体41側の被係合穴87と第2ケース体42側の係合突部58とが、それら第1ケース体41と第2ケース体42とを閉状態で補助的にロックするための補助ロック手段88を構成している。
なお、第1ケース体41と第2ケース体42とを互いに嵌め合わせたとき、第1ケース体41側の案内壁76,77は第2ケース体42側の仕切り壁57と周壁52,53との間の隙間57aに嵌合する(図15,図16)。
更に、第1ケース体41の外周部、例えば左右両端側には、主基板ケース装着部31に固定するための突設部84,85が外向きに一体形成されている。
封止手段43は、主基板ケース24の封止領域24bに対応して、第2ケース体42側の開口56及び第1ケース体41側の側壁72に沿って例えば一列状に複数(ここでは4組)配置されている。
各封止手段43は、図7,図8,図10,図11,図15,図16等に示すように、第1ケース体41側の被結合部91と、第2ケース体42側の封止部材92及び開封障害部93とで構成されている。被結合部91は、第1ケース体41側の側壁72の内面側に突設された嵌合支持部94上に設けられている。嵌合支持部94は、底壁71に平行な板状で、底壁71との間に所定距離をおいて側壁72から内側、即ち封止領域24b側に張り出すように一体に形成されており、側壁72に沿って複数(ここでは4つ)の被結合部91が設けられている。
各被結合部91は、例えばスライド方向に設けられた1つの挿通スリット95と、この挿通スリット95の両側に平行に配置された一対の逃げ用スリット96と、それら挿通スリット95と逃げ用スリット96との間に形成された一対の弾性係合部97とを備えている。挿通スリット95には、封止部材92側の結合部113に対応してその略中央に拡幅部95aが形成されている。
また、嵌合支持部94の第2ケース体42側の面(以下、表面94aとする)には、各被結合部91に対してその配列方向の両側、即ち逃げ用スリット96の外側に互いに平行な一対の案内板98,98が第2ケース体42の高壁67側に向けて立設されている。また、案内板98,98の対向面側には、封止部材92の側壁72側に沿って規制部99が突設されている。なお、嵌合支持部94と底壁71との間には、それらを接続する補強リブ100が、被結合部91を避けた位置に複数設けられている(図15)。
側壁72の縁部には、第1ケース体41と第2ケース体42とがアンロック状態のときに第2ケース体42側の封止部材92との干渉を避けるための切欠102(図10,図11)が形成されている。また、側壁72の外面側には、図10,図11等に示すように、例えば一端側の被結合部91に対応する位置に、連結部材44の一端側を固定するための第1固定ベース部103が設けられている。この第1固定ベース部103は、側壁72から略垂直に突設される一又は複数、例えば二本のカシメピン(固定手段)104と、このカシメピン104の外側を取り囲むように側壁72から所定高さで突設される囲いリブ105とを備えている。
封止部材92及び開封障害部93は、図7,図10,図11等に示すように、封止領域24bに対応して第2ケース体42側に形成された封止用開口部101内に配置されている。封止用開口部101は、第1ケース体41側の被結合部91に対応して複数(ここでは4つ)設けられており、夫々高壁67から起立壁68、低壁66にわたる開口状に形成されている。
封止部材92は、断面矩形状の軸部111と、この軸部111の一端側に設けられた鍔部112と、軸部111の他端側に設けられた台形状の結合部113と、鍔部112から上側に突出する被押圧部114とを備え、封止用開口部101のうち、高壁67に形成された高壁開口部101a内に配置され、損壊容易な1又は複数の保持部115を介して第2ケース体42に一体成形されており、主基板ケース24を封止する際に被押圧部114が押圧されると、それによって保持部115が損壊して第2ケース体42側から切り離され、第1ケース体41側の被結合部91に離脱不能に結合するようになっている。
鍔部112は、例えば略矩形状に形成されており、高壁開口部101aを略塞ぐように高壁開口部101a内に配置され、スライド方向に対する左右の両縁部112a,112bと、それらの外側に対向する高壁開口部101a側の縁部との間が、例えば夫々二箇所に設けられた保持部115により連結されている。
鍔部112には、スライド方向に対する左右の両縁部112a,112bと、スライド方向のロック状態側(基板格納領域24a側)の縁部112cとに沿って側壁116a,116bと前壁116cとが被結合部91側に向けて突設されている。
側壁116a,116bは、その外面側が被結合部91側の案内板98に、側壁72側の縁部が被結合部91側の規制部99に夫々沿うように形成されており、封止部材92が被結合部91側に押し込まれたとき、側壁116a,116bが案内板98と規制部99とに沿って摺動することにより被結合部91側に案内されるようになっている。なお規制部99は、鍔部112が保持部115により第2ケース体42側に連結されている状態ではその端部が側壁116a,116bに到達しない長さに設けられており(図19等)、第1ケース体41に対して第2ケース体42をスライドさせる際に側壁116a,116bが規制部99と干渉しないようになっている。
軸部111は、鍔部112の中心部から被結合部91側に向けて突設され、例えばスライド方向に対する左右方向に偏平な断面矩形状に形成されており、その幅は被結合部91側の拡幅部95aの内幅と略同じか若干小さく形成されている。
結合部113は、鍔部112が保持部115により第2ケース体42側に連結されている状態ではその先端側が被結合部91に到達せず(図19等)、封止部材92が被結合部91側に押し込まれて第2ケース体42側から切り離され、鍔部112側が嵌合支持部94の表面94aに当接したとき、被結合部91の挿通スリット95を貫通してその裏側に離脱不能に係合するようになっている(図20等)。
被押圧部114は、封止部材92を被結合部91側に向けて押圧する際にその押圧操作を受ける部分であって、鍔部112の中心部から外向き突出状に設けられており、その中央に凹部114aが形成されている。封止部材92を被結合部91側に向けて押圧する際には、この凹部114aにドライバー等の先端部を押し当てることにより容易に押圧操作可能である。
なお、第2固定ベース部106を構成する複数のカシメピン107は、全ての封止部材92に対してその配列方向の両側に夫々配置されるように、封止部材92の配列方向の両端側と、隣接する封止部材92間とに各一本ずつ設けられている。
開封障害部93は、封止用開口部101のうち、起立壁68に形成された起立壁開口部101bから低壁66に形成された低壁開口部101cにかけてその内側に配置され、損壊容易な第1,第2損壊部121,122を介して第2ケース体42に一体成形されており、封止部材92が第2ケース体42側から切り離されて第1ケース体41側に結合したとき、その封止部材92のスライド方向ロック側に当接又は略当接するようになっている。
開封障害部93は、図10,図11,図16等に示すように、例えば封止部材92に対するスライド方向ロック側に立設された支持板123と、この支持板123から封止部材92側に突設された当接部124とを備えている。支持板123は、起立壁開口部101bを略塞ぐように起立壁68と同一平面上に配置され、内側端部が嵌合支持部94の表面94aに当接又は近接しており、その内側端部近傍に当接部124が設けられている。当接部124は、封止部材92が保持部115により第2ケース体42側に連結されている状態では封止部材92から離間しており(図19)、封止部材92が第2ケース体42から切り離されて第1ケース体41側に結合したとき(図20)、その封止部材92の前壁116cの外面側に当接又は近接するようになっている。
第1損壊部121は、図10,図16等に示すように、支持板123の外側端部におけるスライド方向左右両側と封止用開口部101の縁部又はその近傍、例えば高壁67側の囲いリブ108との間を夫々連結するように設けられ、主基板ケース24の外側からニッパー等により容易に損壊可能となっている。
また、第2損壊部122は、図10,図11,図16等に示すように、支持板123の内側端部と、低壁開口部101cの縁部又はその近傍、例えば低壁66及び仕切り壁57との間を、低壁開口部101c内をスライド方向に横切って連結するように設けられ、例えばその外側縁部が低壁66と略面一で、内側縁部が嵌合支持部94の表面94aに当接又は近接する内外方向幅広状に形成されており、主基板ケース24の外側からニッパー等により損壊可能となっている。
なお、この第2損壊部122は、低壁66とその両側に立設された起立壁68及び膨出部61の側壁61aとで構成される内向きの凹入部125内に配置されており、しかも内外方向幅広状に形成されているため、第1損壊部121に比べると損壊操作が若干困難となっている。
以上のように、封止手段43を構成する被結合部91、封止部材92、開封障害部93は全て主基板ケース24の第1ケース体41又は第2ケース体42に一体成形されており、別部品は存在しない。即ち、主基板ケース24の構成部品は第1ケース体41と第2ケース体42の二つだけであるため、例えば封止部材92が別部品となっていた従来の基板ケースに比べて部品点数及び組み立て工数を少なくすることができ、コスト削減が可能である。
連結部材44は、第1ケース体41と第2ケース体42とを開閉可能な状態で接続するためのもので、図12等に示すように、第1ケース体41側の第1固定ベース部103に着脱不能に固定される第1固定部131と、第2ケース体42側の第2固定ベース部106に着脱不能に固定される第2固定部132と、これら第1固定部131と第2固定部132との間を連結する連結帯(連結部)133とを備え、例えば合成樹脂により一体成形されている。
第1固定部131は、第1固定ベース部103側のカシメピン104に対応する例えば二つの固定座141と、これら固定座141を保持すると共に連結帯133の一端側が連結される固定フレーム部142とで構成されている。固定座141は、カシメピン104により第1固定ベース部103側に固定されるもので、例えば略円形に形成されており、第1固定ベース部103に装着されたときの外面側に凹部143が形成され、更にその凹部143内にカシメピン104用の挿通孔144が形成されている。
固定フレーム部142は、例えば全ての固定座141を取り囲むように配置される周壁部145と、各固定座141,141を一体に接続する内壁部146とで構成されている。周壁部145は、例えば第1固定ベース部103側の囲いリブ105の内側に沿う略矩形枠状に形成されており、その内周側の固定座結合部145aにおいて各固定座141,141に、外周側の連結帯結合部145bにおいて連結帯133に夫々一体に結合されている。
また、固定フレーム部142上には例えば楔形の切欠部147が複数形成されている。この切欠部147は、例えば固定フレーム部142の一端面(例えば第1固定ベース部103に対向する側の端面)側から他端面側に向けて所定深さ(例えば厚さ寸法の半分程度)で形成されている。周壁部145上に設けられた複数の切欠部147のうち、固定座結合部145aと連結帯結合部145bとの間に設けられた例えば二つの切欠部147a,147aは、当該連結部材44を第1ケース体41側と第2ケース体42側とに容易に分離可能な易破断部(以下、易破断部147aという)の一例である。
また、第2固定部132は、第2固定ベース部106側のカシメピン107に対応する例えば五つの固定座148と、これら固定座148を保持すると共に連結帯133の一端側が連結される固定フレーム部149とで構成されている。固定座148は、カシメピン107により第2固定ベース部106側に固定されるもので、例えば略円形に形成されており、第2固定ベース部106に装着されたときの外面側に凹部150が形成され、更にその凹部150内にカシメピン107用の挿通孔151が形成されている。
固定フレーム部149は、例えば全ての固定座148を取り囲むように配置される周壁部152と、各固定座148と周壁部152とを一体に連結する封止カバー部153とで構成されている。周壁部152は、例えば第2固定ベース部106側の囲いリブ108の内側に沿って例えば細長矩形枠状に形成されている。
封止カバー部153は、周壁部152の内周側と固定座148の外周側とをそれらの一端側において一体に連結する板状に形成されている。この封止カバー部153には、例えば各固定座148の外周に沿って易破断部154が設けられると共に、各封止部材92の被押圧部114に対応して複数の操作孔155が設けられている。易破断部154は、例えばスリット154aが間欠的に配置されたミシン目状に形成されている。
また、第2固定部132の外周側には、第1損壊部121に対応する位置に、例えば固定フレーム部149の周壁部152から封止カバー部153にわたる損壊用切欠部156が設けられている。
連結帯133は、例えば十分な可撓性を有する平板状で、第1固定部131側の固定フレーム部142と第2固定部132側の固定フレーム部149とを一体に連結しており、第1ケース体41と第2ケース体42とを通常の手順で開閉する際に支障がない範囲でなるべく短く形成されている。この連結帯133には、その長手方向(第1固定部131と第2固定部132とを連結する方向)の1又は複数箇所、例えば第1固定部131及び第2固定部132への各接続部近傍の二箇所に、易破断部157が設けられている。この易破断部157は、例えばスリット157aが間欠的に配置されたミシン目状に形成され、更にそれらの両端部には楔形の切り込み157bが夫々形成されている。
この連結部材44の第1固定部131、第2固定部132は、次のような手順で夫々第1固定ベース部103、第2固定ベース部106に熱カシメにより固定されている。即ち、まず第1,第2固定部131,132を、夫々の固定座141,148の挿通孔144,151にカシメピン104,107を挿通させつつ固定フレーム部142,149の周壁部145,152を囲いリブ105,108の内側に嵌合させることにより第1,第2固定ベース部103,106に装着し(図13(a)→(b))、その後にカシメピン104,107の先端側を所定の熱カシメ具158により熱しつつ押し潰すことにより(図13(b)→(c))、第1,第2固定部131,132は固定座141,148において夫々第1固定ベース部103、第2固定ベース部106に固定される。
これにより、第1ケース体41と第2ケース体42とが分離不能に連結されると共に、第2ケース体42側の封止部材92は、図14〜図16等に示すように、被押圧部114を除く略全体が連結部材44側の第2固定部132により外側から覆われた状態となる。
また、この連結部材44で連結された第1ケース体41と第2ケース体42との結合及び封止は次のような手順で行う。即ち、まず主制御基板23を第2ケース体42の内側に装着し、その第2ケース体42側の一対の係合突部58を第1ケース体41側の案内溝78,79に沿って被係合穴87に内側から差し込んだ後、第2ケース体42側の係合爪70を第1ケース体41側の切り欠き部81に嵌合させてアンロック状態に嵌め合わせる (図17→図18)。
このとき、第2ケース体42側の右周壁54と第1ケース体41側の右嵌合壁75とは離間しており、第2ケース体42側の封止部材92は、例えばその側壁116a,116bの一端側が第1ケース体41側の側壁72の切欠102に嵌合した状態となる。
そして、第2ケース体42と第1ケース体41とを、それらの右周壁54と右嵌合壁75とを近づける方向に相対的にスライドさせて、第2ケース体42側の係合爪70を第1ケース体41側の係止部82に係合させ、第1ケース体41と第2ケース体42とを結合状態でロックする(図18→図19)。これにより、第2ケース体42側の封止部材92は、第1ケース体41側の側壁72から離間して、第1ケース体41側の被結合部91と内外方向に合致した状態となる。また、このように主ロック手段86がロック状態となっても、補助ロック手段88については、係合突部58が被係合穴87に係合した状態が維持されている。
続いて、複数(4組)の封止手段43のうちの1つを用いて主基板ケース24を封止する。即ち、ドライバー等の工具の先端を、第2固定部132の外側から操作孔155を介して封止部材92の被押圧部114の凹部114aに当て、内側、即ち第1ケース体41側に押圧する。これにより、保持部115が損壊してその封止部材92が第2ケース体42から切り離されると共に、その封止部材92の先端側の結合部113が弾性係合部97を両側に押し広げながら挿通スリット95内に嵌合する。このとき、封止部材92は、その周囲に設けられた案内板98,98、規制部99及び当接部124に沿って摺動することにより押圧方向に真っ直ぐに案内される。
そして、封止部材92の鍔部112が嵌合支持部94の表面94aに当接したとき、結合部113が挿通スリット95を貫通して弾性係合部97の裏側に係合し、その封止部材92は第2ケース体42から完全に独立した状態で第1ケース体41側に離脱不能に結合した状態となる(図20)。
このとき、その封止部材92に対応する開封障害部93の当接部124が、その封止部材92のスライド方向ロック側の面、即ち前壁116cの外面側に当接又は近接した状態となる。従って、その状態で、第2ケース体42と第1ケース体41とを開方向、即ちそれらの右周壁54と右嵌合壁75とを離間させる方向に相対的にスライドさせようとしても、第1ケース体41側に結合している封止部材92が、当接部124を介して第2ケース体42の開方向への相対移動を規制するため、そのままでは主基板ケース24を開封することはできない。
また、このように主基板ケース24を封止手段43により封止した状態では、その封止に用いた封止部材92は第2ケース体42から切り離されるため、封止前にその封止部材92が配置されていた高壁開口部101aは大きく開口した状態となるが、図14等に示すように、その高壁開口部101aは連結部材44の第2固定部132により略覆われているため、外部から高壁開口部101aを介して封止部材92の被結合部91への結合を強引に解除する等の不正行為を行うことは困難である。
また、例えば第1ケース体41側の一部を損壊することにより、第2ケース体42及び封止部材92には一切痕跡が残らない状態で主基板ケース24が開封されたとしても、第1ケース体41と第2ケース体42とは連結部材44により連結されているため、この連結部材44を切断等しない限り、損壊した第1ケース体41を第2ケース体42から切り離すことはできない。従って、痕跡を残すことなく、その損壊した第1ケース体41を複製品と取り替えて主基板ケース24を開封前と同じ状態に復元することは不可能であり、そのような不正行為を効果的に防止できる。
更に、連結部材44には、第1固定部131側の固定座141と第2固定部132側の固定座148との間に、当該連結部材44を第1ケース体41側と第2ケース体42側とに容易に分離可能な易破断部147a,154,157が設けられているため、例えば第1ケース体41と第2ケース体42とを無理に引き離そうとすると簡単に破断して痕跡が残ってしまう。しかも、連結部材44は、第1ケース体41と第2ケース体42とを通常の手順で開閉する際に支障がない範囲でなるべく短く形成されているため、この連結部材44を破断させることなく第1ケース体41と第2ケース体42とを強引に開封することは非常に困難であり、不正行為をより効果的に防止できる。
検査等のために主基板ケース24を正規に開封する場合には、封止状態となっている封止手段43の第1,第2損壊部121,122をニッパー等の切断工具を用いて切断し、図21(a)に示すように、開封障害部93を第2ケース体42から切り離して除去する。これにより、起立壁開口部101b及び低壁開口部101cが開放され、第2ケース体42を第1ケース体41に対してアンロック方向にスライドさせる際に封止部材92に規制される部分がなくなるため(図21(b))、主基板ケース24を開封することができる。なお、第1損壊部121を切断する際には、その第1損壊部121に対応して第2固定部132側に設けられた損壊用切欠部156にニッパー等の先端側を差し込むことで第1損壊部121を容易に切断することができる。
以上説明した主基板ケース24が装着される主基板ケース装着部31は、図3〜図6に示すように、集球ケース22の背面側に設けられた装着開口部161と、その装着開口部161の上下両縁側に沿って配置される装着レール162と、主基板ケース24の一端側を支持する第1支持手段163と、主基板ケース24の他端側を支持する第2支持手段164と、主基板ケース24の外側から第1,第2損壊部121,122の少なくとも一部を覆う封止カバー165とを備えている。
装着開口部161は、主基板ケース24に対応する略矩形状に形成され、その上下両縁側に沿って装着レール162が内向き突出状に延設されている。第1支持手段163は、主基板ケース24の一端側、例えば左端側を支持するもので、主基板ケース24側の突設部84が係合可能な凹部により構成されており、突設部84に対応して装着開口部161の左端側に設けられている。第2支持手段164は、主基板ケース24の他端側、例えば右端側を解除可能に支持するもので、主基板ケース24側の突設部85に係合する係合位置と係合しない解除位置とに切り換え可能な締結つまみにより構成されており、突設部85に対応して装着開口部161の右端側に設けられている。
主基板ケース24を主基板ケース装着部31に装着する際には、主基板ケース24の前面側(第1ケース体41の外面側)を装着レール162に沿わせつつ、まず左端側の突設部84を第1支持手段163に嵌合させ、続いて第2支持手段164を解除位置から係合位置に切り換えて突設部85を係止すればよい。
封止カバー165は、主基板ケース装着部31に装着された主基板ケース24の封止領域24b側端部を覆うように主基板ケース装着部31の後側に一体に設けられており、主基板ケース24の封止側上壁51bに沿って主基板ケース装着部31と略平行に配置されるカバー板部166と、主基板ケース24側の上下の周壁52,53及び左端側の側壁72に沿ってカバー板部166の縁部と主基板ケース装着部31とを連結する連結板部167とで主基板ケース24の着脱側、即ち右側が開放する箱形に形成されている。
カバー板部166は、第1,第2損壊部121,122を含む封止手段43の略全体を覆う大きさの矩形板状に形成されている。なお、封止手段43による封止/開封状態が外側から視認可能なように、封止カバー165は少なくともカバー板部166を透明とすることが望ましい。
このように、主基板ケース24を主基板ケース装着部31に装着した状態では第1,第2損壊部121,122が封止カバー165で覆われるため、そのままでは主基板ケース24を開封することはできない。第1,第2損壊部121,122を損壊して主基板ケース24を開封するためには、まず第2支持手段164を解除して主基板ケース24を主基板ケース装着部31から取り外す必要があるため、その分だけ時間を要し、ROMの交換等によるゴト行為を効果的に防止できる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、両端側の第1,第2固定部131,132を第1,第2ケース体41,42に夫々着脱不能に固定することにより、第1ケース体41と第2ケース体42とを開閉可能な状態で連結する連結部材44を備えているため、例えば第1ケース体41側の一部を損壊することにより、第2ケース体42及び封止部材92には一切痕跡が残らない状態で主基板ケース24が開封されたとしても、連結部材44を切断等しない限り、損壊した第1ケース体41を第2ケース体42から切り離すことはできない。従って、痕跡を残すことなく、その損壊した第1ケース体41を複製品と取り替えて主基板ケース24を開封前と同じ状態に復元することは不可能であり、そのような不正行為を効果的に防止できる。
しかも、この連結部材44には、当該連結部材44を第1ケース体41側と第2ケース体42側とに容易に分離可能な易破断部147a,154,157が設けられており、例えば第1ケース体41と第2ケース体42とを無理に引き離そうとすると簡単に破断して痕跡が残ってしまうため、不正行為をより効果的に防止できる。
更に、連結部材44は、第1ケース体41と第2ケース体42とを通常の手順で開閉する際に支障がない範囲でなるべく短く形成されているため、この連結部材44を破断させることなく第1ケース体41と第2ケース体42とを強引に開封することは非常に困難であり、不正行為を更に効果的に防止できる。
また、易破断部を、連結帯133上の他、固定フレーム部142,149上における連結帯133と固定座141,148との間に配置しているため、連結部材44に引張力が加えられた場合だけでなく、第1,第2固定部131,132を第1,第2ケース体41,42から取り外そうとするような局部的な力が加えられた場合にも確実にその痕跡を残すことができる。
また、封止手段43は、第1,第2損壊部121,122を介して第2ケース体42側に一体に形成され且つ第1,第2損壊部121,122を損壊することにより第2ケース体42から除去可能な開封障害部93と、第2ケース体42側に設けられ且つ所定方向に押し込まれたときに第2ケース体42側から切り離されて第1ケース体41側に離脱不能に結合する封止部材92とを備え、この封止部材92が第1ケース体41側に結合したとき、その封止部材92が第1ケース体41に対する開封障害部93の開方向への相対移動を規制して主基板ケース24の開封を阻止するように構成されているため、封止手段43を構成する封止部材92を第2ケース体42に一体で形成することができ、これにより部品点数を最小限に抑え、コストの削減が可能となるという利点がある一方、第2ケース体42及び封止部材92には一切痕跡が残らない状態で第1ケース体41側の一部を損壊して開封することが容易であると考えられ、従って第1ケース体41と第2ケース体42とを連結部材44で連結することは不正を防止する上でより有効である。
また、封止部材92は、保持部115を介して第2ケース体42側に一体に形成されており、連結部材44における第2ケース体42側の第2固定部132は、封止部材92を外側から覆うように第2ケース体42側に固定されており、連結部材44の第2固定部132に、封止部材92の被押圧部114に対応する操作孔155を設けているため、封止前に封止部材92が配置されていた部分にできた開口は第2固定部132により略塞がれ、外部からその開口を介して封止部材92の被結合部91への結合を強引に解除する等の不正行為を防止できる。
また、第2ケース体42側の第2固定部132は、各封止部材92の両側を含む複数箇所で例えば熱カシメにより第2ケース体42に固定されているため、各封止部材92を個々に厳重にカバーすることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、連結部材44は、第1ケース体41と第2ケース体42とに対して損壊以外の方法では取り外すことができない方法で固定すればよく、熱カシメ以外に例えばリベット等により固定してもよい。また、第1ケース体41と第2ケース体42とを、それらに一体に形成された可撓性の連結手段44により互いに連結してもよい。
易破断部は、易破断部154,157のようなミシン目状のもの、易破断部147aのような切欠状のもののほか、板厚をその周辺部分よりも小さくした溝状のもの等でもよい。
本発明を適用可能な基板ケースは、実施形態で示した構成に限定されるものではなく、基板を挟んで互いに嵌め合わせ可能な第1,第2ケース体により構成され、それら第1,第2ケース体を封止手段により封止可能なものであればよい。
また、実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施可能であることは言うまでもない。