以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図23は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。なお、以下の説明における上下左右の方向については、特に基準を示さない限り遊技機本体を前側から見た場合の上下左右をいうものとする。
図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3は左端側の上下一対のヒンジ4を介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。
前枠3の上部側には遊技盤5が例えば前側から着脱自在に装着されると共に、遊技盤5の前側にガラス扉6が、ガラス扉6の下側に隣接して前面開閉板7が夫々配置されている。ガラス扉6、前面開閉板7はヒンジ4と同一側のヒンジ(図示省略)により前枠3に開閉自在に枢支されている。前面開閉板7には、その前側に、発射手段8に供給するための遊技球を貯留する貯留皿9、発射手段8を作動させるための発射ハンドル10等が設けられている。
遊技盤5の前側には、発射手段8により発射された遊技球を案内するガイドレール11が環状に装着されると共に、そのガイドレール11内の遊技領域12には、画像表示手段13を備えたセンターケース14の他、通過ゲート15、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が装着されている。
また、遊技盤5の裏側には、図2に示すように、センターケース14等の遊技部品を後側から覆う裏カバー21と集球ケース22とが上下に配置され、例えば集球ケース22の背面側に主制御基板23が格納された主基板ケース24が、裏カバー21の背面側に演出制御基板25が格納された演出基板ケース26、液晶制御基板27が格納された液晶基板ケース28が夫々着脱自在に装着されている。
集球ケース22は、開閉式入賞手段16、大入賞手段17、普通入賞手段18等に入賞して遊技盤5の裏側に案内された遊技球を集めて排出口29から回収通路(図示省略)側へと案内するためのもので、図3に示すように上面側と前面側とが開放した略箱形に形成されており、裏カバー21の下側に近接して配置され、遊技盤5の裏側に着脱自在に固定されている。
集球ケース22の背面側には、例えばその略中央に主基板ケース24を着脱自在に装着可能な主基板ケース装着部31が設けられ、また例えばその主基板ケース装着部31の一側には、遊技盤5を前枠3側に装着したときに前枠3側のコネクタ(図示省略)に直接結合される遊技盤側コネクタ32が複数配置されている。
主基板ケース装着部31に装着される主基板ケース24は、全体として扁平な略矩形状であって、図3に示すように、互いに係脱自在の第1ケース体41と第2ケース体42とを備えると共に、その外周側の一辺、例えば左端側に沿って封止手段43が設けられ、これら第1ケース体41、第2ケース体42、封止手段43を含む全体が透明な合成樹脂により成形されている。
そして、主基板ケース24内の空間は、図4〜図6等に示すように、封止手段43に対応する封止領域24bと、それ以外の基板格納領域24aとに区分されており、その基板格納領域24a内に主制御基板23が格納されている。
主制御基板23は矩形状であって、その一面側には、中央寄りの部分にCPU,ROM,RAM等の電子部品44が配置され、また外縁部近傍には、コネクタ45が装着されると共に位置決め孔46a及び固定孔46bが形成されている。各種電子部品44のうち、例えばROM44aは、主制御基板23の電子部品装着面23a側に固定されたソケット44bに対して抜き差し可能に装着されている。ソケット44bは、そのフレーム部分が合成樹脂によりROM44aに対応する略矩形状に形成されると共に、例えばその外周側に、不正開封検出部47が一体に設けられている。
この不正開封検出部47は、図10,図12,図13等に示すように、主制御基板23に平行に配置される係合部47aと、この係合部47aとソケット44bとを一体に連結する支持脚部47bとで構成されている。支持脚部47bは、主制御基板23に設けられた開口部48を介して主制御基板23の裏面23b側に突出しており、その先端側から主制御基板23の裏面23bに沿って係合部47aが延設されている。なお、係合部47aと支持脚部47bとは共に板状で、例えば係合部47aの方が支持脚部47bよりも薄板状に形成されており、支持脚部47bと係合部47aとの連結部分が、損壊容易な低強度部49を構成している。
第2ケース体42は、図3〜図7,図9等に示すように、主制御基板23の電子部品装着面23a側に対向する上壁51と、その上壁51の三辺、例えば上下辺及び右辺に沿って主制御基板23の裏面23b側に向けて延設された周壁52〜54とを一体に備え、主制御基板23の裏面23b側に対応する面、及び外周側の残りの一方側、即ち左側の面はその略全面が開放されて開口55,56を形成している。
そして、上壁51の内面側には、例えば左側の開口56から所定距離内側(右周壁54側)の位置に仕切り壁57が右周壁54と略平行に配置されている。この仕切り壁57は、主基板ケース24内の空間を封止領域24bと基板格納領域24aとに仕切るもので、周壁52〜54と仕切り壁57とで取り囲まれた領域が基板格納領域24a、仕切り壁57よりも開口56側の領域が封止領域24bとなっている。なお、仕切り壁57の両端部と周壁52,53との間には夫々隙間57aが形成されている(図16,図17)。
上壁51のうち、基板格納領域24aに対応する基板側上壁51aには、その内部に配置される主制御基板23との間に電子部品44の収容空間を確保できるように外向きに膨出する膨出部61が形成されると共に、例えば周壁52,53,54に沿って膨出部61よりも低い段部62が形成されている。
段部62には、主制御基板23側のコネクタ45が内側から嵌合するコネクタ嵌合孔63が1又は複数設けられており、またそのコネクタ嵌合孔63を避けて、主制御基板23側の位置決め孔46aに対応する1又は複数の位置決め突起64が内向きに、主制御基板23側の固定孔46bに対応するねじ止め用の固定基部65が外向きに、夫々突設されている。
主制御基板23は、電子部品装着面23aを上壁51側に向けた状態で、位置決め孔46aに位置決め突起64を嵌合させるように第2ケース体42の基板格納領域24a内に嵌め込まれ、固定孔46bを介して固定基部65にねじ止めすることにより固定される。
また、膨出部61の背面側には、主制御基板23側のROM44aに対応する位置に、ROM44a側に凹入する凹部59が形成されている。この凹部59は、例えばその底壁59aがROM44aと略同じ大きさの矩形状で、その底壁59aとROM44aとの間の隙間がROM44aをソケット44bから抜き取り不可能な程度となる深さに形成されている。
上壁51のうち、封止領域24bに対応する封止側上壁51bは、例えば基板側上壁51aとの境界部に沿って基板側上壁51a側の段部62と同じ高さに配置される低壁66と、この低壁66の開口56側に突出状に設けられ且つ低壁66よりも一段高い高壁67とを備え、それら低壁66と高壁67との間はそれら低壁66及び高壁67に略垂直な起立壁68により連結されている。高壁67の外縁部には、外向きに突出する外周枠69が例えばその全周にわたって一体に設けられている。
また、上下の周壁52,53には、封止領域24b側端部、即ち左端部に高壁67と略平行に突出する一対の係合突部58が設けられ、また基板格納領域24aに対応する外面側には外向き突出状の係合爪70が、開口55側の縁部に沿って間欠的に複数設けられている。
第1ケース体41は、図3〜図6,図8,図9等に示すように、第2ケース体42側の開口55に対応する底壁71と、第2ケース体42側の開口56に対応して底壁71の一辺、即ち左辺から第2ケース体42側に立設される側壁72と、底壁71の他の三辺、即ち上辺,下辺及び右辺に沿って第2ケース体42側に立設される嵌合壁73,74,75とを一体に備えており、第2ケース体42と向かい合わせに嵌め合わせたとき、底壁71,側壁72が夫々第2ケース体42側の開口55,56を略閉鎖すると共に、嵌合壁73〜75が夫々第2ケース体42側の周壁52〜54の外面側に嵌合するようになっている。
また、底壁71には、第2ケース体42側の上下の周壁52,53の内面側に沿う一対の案内壁76,77が、側壁72の内面側から嵌合壁75側に向けて上下の嵌合壁73,74の内側に平行に配置されている。これら案内壁76,77と嵌合壁73,74との間は、第2ケース体42側の周壁52,53が摺動自在に嵌合する案内溝78,79となっている。
また、上下の嵌合壁73,74には、第2ケース体42側の係合爪70が夫々係脱自在に係合可能な被係合部80が設けられている。この被係合部80は、第2ケース体42側の係合爪70が嵌脱自在に嵌合する複数の切り欠き部81と、案内溝78,79に沿ってこれら切り欠き部81に対して例えば封止領域24bとは反対側(右側)に隣接して設けられ且つ係合爪70が夫々係合する係止部82とで構成されており、係合爪70を夫々切り欠き部81に嵌合させるように第2ケース体42を第1ケース体41に嵌め合わせ(アンロック状態)、第2ケース体42を第1ケース体41に対して封止領域24bとは反対側(右側)に向けて相対的にスライドさせたとき(以下、この方向をスライド方向という)、係合爪70が係止部82に夫々係合して、第1ケース体41と第2ケース体42とが互いに結合状態でロックされる(ロック状態)ようになっている。
なお、これら第1ケース体41側の被係合部80と第2ケース体42側の係合爪70とが、それら第1ケース体41と第2ケース体42とを閉状態でロックするための主ロック手段86を構成している。
側壁72には、案内溝78,79に対応して一対の被係合穴87が形成されており、第1ケース体41と第2ケース体42とをアンロック状態に嵌め合わせる前に、第2ケース体42側の係合突部58を案内溝78,79に沿って被係合穴87に差し込むことにより、係合突部58が被係合穴87に係合して第1,第2ケース体41,42の開方向への移動を規制するようになっている。また、係合突部58と被係合穴87とは主ロック手段86がアンロック状態のときだけでなくロック状態となったときにも係合状態が維持されるようになっている。これら第1ケース体41側の被係合穴87と第2ケース体42側の係合突部58とが、それら第1ケース体41と第2ケース体42とを閉状態で補助的にロックするための補助ロック手段88を構成している。
なお、第1ケース体41と第2ケース体42とを互いに嵌め合わせたとき、第1ケース体41側の案内壁76,77は第2ケース体42側の仕切り壁57と周壁52,53との間の隙間57aに嵌合する(図16,図17)。
また、底壁71には、不正開封検出部47に対応する被係合手段89が一体に設けられている。この被係合手段89は、底壁71の内側、即ち主制御基板23側に向けて突出状に設けられており、図10〜図13等に示すように、主制御基板23の裏面23bに沿って配置される例えば略矩形板状の被係合部89aと、この被係合部89aの三辺と底壁71とを一体に連結する背壁部89b及び一対の側壁部89cとを備えている。
そして、主制御基板23側の不正開封検出部47と第1ケース体41側の被係合手段89とは、第1ケース体41と第2ケース体42とがアンロック状態からロック状態に移行するに従って係合部47aと被係合部89aとが互いに接近するように、スライド方向に沿って互いに向かい合わせに配置されており、第1ケース体41と第2ケース体42とがロック状態のときに、係合部47aと被係合部89aとが主制御基板23の板面に略垂直な方向、即ち第1ケース体41と第2ケース体42の嵌脱方向に互いに係合し(図20)、第1ケース体41と第2ケース体42とがアンロック状態のときにその係合が解除される(図19)ように構成されている。
即ち、本実施形態では、不正開封検出部47側の係合部47aはスライド方向の封止手段43側とは反対側に向けて、被係合手段89側の被係合部89aはスライド方向の封止手段43側に向けて、互いに向かい合わせに配置されている。
また、第1ケース体41の外周部、例えば左右両端側には、主基板ケース装着部31に固定するための突設部84,85が外向きに一体形成されている。
封止手段43は、主基板ケース24の封止領域24bに対応して、第2ケース体42側の開口56及び第1ケース体41側の側壁72に沿って例えば一列状に複数(ここでは4組)配置されている。
各封止手段43は、図7,図8,図14〜図17等に示すように、第1ケース体41側の被結合部91と、第2ケース体42側の封止部材92及び開封障害部93とで構成されている。被結合部91は、第1ケース体41側の側壁72の内面側に突設された嵌合支持部94上に設けられている。嵌合支持部94は、底壁71に平行な板状で、底壁71との間に所定距離をおいて側壁72から内側、即ち封止領域24b側に張り出すように一体に形成されており、側壁72に沿って複数(ここでは4つ)の被結合部91が設けられている。
各被結合部91は、例えばスライド方向に平行に設けられた1つの挿通スリット95と、この挿通スリット95の両側に平行に配置された一対の逃げ用スリット96と、それら挿通スリット95と逃げ用スリット96との間に形成された一対の弾性係合部97とを備えている。挿通スリット95には、封止部材92側の結合部113に対応してその略中央に拡幅部95aが形成されている。
また、嵌合支持部94の第2ケース体42側の面(以下、表面94aとする)には、各被結合部91に対してその配列方向の両側、即ち逃げ用スリット96の外側に互いに平行な一対の案内板98,98が第2ケース体42の高壁67側に向けて立設されている。また、案内板98,98の対向面側には、封止部材92の側壁72側に沿って規制部99が突設されている。なお、嵌合支持部94と底壁71との間には、被結合部91を避けた位置に複数の補強リブ100が設けられている(図16)。
封止部材92及び開封障害部93は、封止領域24bに対応して第2ケース体42側に形成された封止用開口部101内に配置されている。封止用開口部101は、第1ケース体41側の被結合部91に対応して複数(ここでは4つ)設けられており、夫々高壁67から起立壁68、低壁66にわたる開口状に形成されている。
封止部材92は、断面矩形状の軸部111と、この軸部111の一端側に設けられた鍔部112と、軸部111の他端側に設けられた台形状の結合部113と、鍔部112から上側に突出する被操作部114とを備え、封止用開口部101のうち、高壁67に形成された高壁開口部101a内に配置され、損壊容易な1又は複数の保持部115を介して第2ケース体42に一体成形されており、主基板ケース24を封止する際には保持部115が損壊されて第2ケース体42から切り離され、第1ケース体41側に押し込まれて被結合部91に離脱不能に結合するようになっている。
鍔部112は、例えば略矩形状に形成されており、高壁開口部101aを略塞ぐように高壁開口部101a内に配置され、スライド方向に対する左右の両縁部112a,112bと、それらに対向する高壁開口部101a側の縁部との間が、損壊容易な1又は複数の保持部115により連結されている。
鍔部112には、スライド方向に対する左右の両縁部112a,112bと、スライド方向のロック状態側(基板格納領域24a側)の縁部112cとに沿って側壁116a,116bと前壁116cとが被結合部91側に向けて突設されている。
側壁116a,116bは、その外面側が被結合部91側の案内板98に、側壁72側の縁部が被結合部91側の規制部99に夫々沿うように形成されており、保持部115を切断して封止部材92を被結合部91側に押し込んだとき、側壁116a,116bが案内板98と規制部99に沿って摺動することにより被結合部91側に案内されるようになっている。なお規制部99は、鍔部112が保持部115により連結されている状態ではその端部が側壁116a,116bに到達しない長さに設けられており(図20等)、第1ケース体41に対して第2ケース体42をスライドさせる際に側壁116a,116bが規制部99に干渉しないようになっている。
軸部111は、鍔部112の中心部から被結合部91側に向けて突設され、例えばスライド方向に対する左右方向に偏平な断面矩形状に形成されており、その幅は被結合部91側の拡幅部95aの内幅と略同じか若干小さく形成されている。
結合部113は、鍔部112が保持部115により連結されている状態ではその先端側が被結合部91に到達せず(図20等)、保持部115が切断されて封止部材92が被結合部91側に押し込まれ、鍔部112側が嵌合支持部94の表面94aに当接したとき、被結合部91の挿通スリット95を貫通してその裏側に離脱不能に係合するようになっている(図21等)。
被操作部114は、封止部材92を被結合部91側に向けて押圧する際の操作を容易にするためのもので、鍔部112の中心部から外向きに突出して設けられ、その中央に凹部114aが形成されている。封止部材92を被結合部91側に向けて押圧する際には、この凹部114aにドライバー等の先端部を押し当てることにより容易に操作可能である。
開封障害部93は、封止用開口部101のうち、起立壁68に形成された起立壁開口部101bから低壁66に形成された低壁開口部101cにかけてその内側に配置され、損壊容易な第1,第2損壊部121,122を介して第2ケース体42に一体成形されており、封止部材92が第1ケース体41側に結合したとき、その封止部材92のスライド方向ロック側に当接又は略当接するようになっている。
開封障害部93は、図15,図17等に示すように、例えば封止部材92に対するスライド方向ロック側に立設された支持板123と、この支持板123から封止部材92側に突設された当接部124とを備えている。支持板123は、起立壁開口部101bを略塞ぐように起立壁68と同一平面上に配置され、内側端部が嵌合支持部94の表面94aに当接又は近接しており、その内側端部近傍に当接部124が設けられている。当接部124は、封止部材92が保持部115により第2ケース体42側に連結されている状態では封止部材92から離間しており(図20)、封止部材92が第2ケース体42から切り離されて第1ケース体41側に結合したとき(図21)、その封止部材92の前壁116cの外面側に当接又は近接するようになっている。
第1損壊部121は、図17等に示すように、支持板123の外側端部におけるスライド方向左右両側と封止用開口部101の縁部又はその近傍、例えば高壁67側の外周枠69との間を夫々連結するように設けられ、主基板ケース24の外側からニッパー等により容易に損壊可能となっている。
また、第2損壊部122は、図14,図15等に示すように、支持板123の内側端部と、低壁開口部101cの縁部又はその近傍、例えば低壁66及び仕切り壁57との間を、低壁開口部101c内をスライド方向に横切って連結するように設けられ、例えばその外側縁部が低壁66と略面一で、内側縁部が嵌合支持部94の表面94aに当接又は近接する内外方向幅広状に形成されており、主基板ケース24の外側からニッパー等により損壊可能となっている。
なお、この第2損壊部122は、低壁66とその両側に立設された起立壁68及び膨出部61の側壁61aとで構成される内向きの凹入部125内に配置されており、しかも内外方向幅広状に形成されているため、第1損壊部121に比べると損壊操作が若干困難となっている。
以上のように、封止手段43を構成する被結合部91、封止部材92、開封障害部93は全て主基板ケース24の第1ケース体41又は第2ケース体42に一体成形されており、別部品は存在しない。即ち、主基板ケース24の構成部品は第1ケース体41と第2ケース体42の二つだけであるため、例えば封止部材92が別部品となっていた従来の基板ケースに比べて部品点数及び組み立て工数を少なくすることができ、コスト削減が可能である。
主制御基板23が装着された第2ケース体42を第1ケース体41に装着して封止する際には、まず第2ケース体42側の一対の係合突部58を第1ケース体41側の案内溝78,79に沿って被係合穴87に内側から差し込んだ後、第2ケース体42側の係合爪70を第1ケース体41側の切り欠き部81に嵌合させてアンロック状態に嵌め合わせる (図18→図19)。このとき、主制御基板23側の係合部47aと第1ケース体41側の被係合部89aとはスライド方向に離間して非係合状態となっている。また、第2ケース体42側の右周壁54と第1ケース体41側の右嵌合壁75とは離間しており、第2ケース体42側の封止部材92は、第1ケース体41側の側壁72の内面側に当接又は近接した状態となる。
そして、第2ケース体42と第1ケース体41とを、それらの右周壁54と右嵌合壁75とを近づける方向に相対的にスライドさせる(図19→図20)。これにより、第2ケース体42側の係合爪70が第1ケース体41側の係止部82に係合し、第1ケース体41と第2ケース体42とが結合状態でロックされると共に、主制御基板23側の係合部47aと第1ケース体41側の被係合部89aとが互いに接近して主制御基板23の板面に略垂直な方向に係合する。また、第2ケース体42側の封止部材92は、第1ケース体41側の側壁72から離間して、第1ケース体41側の被結合部91と内外方向に合致した状態となる。
また、このように主ロック手段86がロック状態となっても、補助ロック手段88については、係合突部58が被係合穴87に係合した状態が維持されている。
続いて、複数(4組)の封止手段43のうちの1つを用いて主基板ケース24を封止する。即ち、まずニッパー等の切断工具を用いて、封止に用いる封止部材92に連結されている全ての保持部115を切断してその封止部材92を第2ケース体42から切り離し、ドライバー等の工具の先端をその封止部材92の被操作部114の凹部114aに当てて、内側、即ち第1ケース体41側に押圧する。
これにより、封止部材92はその先端側の結合部113が弾性係合部97を両側に押し広げながら挿通スリット95内に嵌合する。このとき、封止部材92は、その周囲に設けられた案内板98,98、規制部99及び当接部124に沿って摺動することにより押圧方向に真っ直ぐに案内される。そして、封止部材92の鍔部112が嵌合支持部94の表面94aに当接したとき、結合部113が挿通スリット95を貫通して弾性係合部97の裏側に係合し、その封止部材92は第2ケース体42から完全に独立した状態で第1ケース体41側に離脱不能に結合した状態となる(図21)。
このとき、その封止部材92に対応する開封障害部93の当接部124が、その封止部材92のスライド方向ロック側の面、即ち前壁116cの外面側に当接又は近接した状態となる。従って、その状態で、第2ケース体42と第1ケース体41とを開方向、即ちそれらの右周壁54と右嵌合壁75とを離間させる方向に相対的にスライドさせようとしても、第1ケース体41側に結合している封止部材92と第2ケース体42側の開封障害部93とが干渉するため、そのままでは主基板ケース24を開封することはできない。
検査等のために主基板ケース24を開封する場合には、封止状態となっている封止手段43の第1,第2損壊部121,122をニッパー等の切断工具を用いて切断し、図22(a)に示すように、開封障害部93を第2ケース体42から切り離して除去する。これにより、起立壁開口部101b及び低壁開口部101cが開放され、第1ケース体41側に結合している封止部材92の移動を規制するものがなくなるため(図22(b))、第1ケース体41と第2ケース体42とをアンロック状態まで相対的にスライドさせることができる。このアンロック状態では、第2ケース体42側の係合爪70と第1ケース体41側の係止部82との係合状態が解除され、また主制御基板23側の係合部47aと第1ケース体41側の被係合部89aとの係合状態も解除されるため(図19に示す状態)、第1ケース体41と第2ケース体42とを分離して主基板ケース24を開放することができる。
また、封止手段43による封止を正規に解除することなく、例えば第1ケース体41と第2ケース体42とを変形させる等により係合爪70と係止部82との係合を強引に解除して主基板ケース24を開封した場合には、主制御基板23側の係合部47aと第1ケース体41側の被係合部89aとが互いに係合した状態のままで、第1ケース体41に対して第2ケース体42及び主制御基板23が引き離されるため、図23に示すように、係合部47aは被係合部89aに引っ掛かって低強度部49で損壊する。従って、例えばその後に第1ケース体41と第2ケース体42とを元通りに結合したとしても、係合部47aは損壊したままであるため、この係合部47aの状態を見れば過去に不正開封があったか否かを判断することができる。
主基板ケース装着部31は、図3〜図6に示すように、集球ケース22の背面側に設けられた装着開口部131と、その装着開口部131の上下両縁側に沿って配置される装着レール132と、主基板ケース24の一端側を支持する第1支持手段133と、主基板ケース24の他端側を支持する第2支持手段134と、主基板ケース24の外側から第1,第2損壊部121,122の少なくとも一部を覆う封止カバー135とを備えている。
装着開口部131は、主基板ケース24に対応する略矩形状に形成され、その上下両縁側に沿って装着レール132が内向き突出状に延設されている。
第1支持手段133は、主基板ケース24の一端側、例えば左端側を支持するもので、主基板ケース24側の突設部84が係合可能な凹部により構成されており、突設部84に対応して装着開口部131の左端側に設けられている。
第2支持手段134は、主基板ケース24の他端側、例えば右端側を解除可能に支持するもので、主基板ケース24側の突設部85に係合する係合位置と係合しない解除位置とに切り換え可能な締結つまみにより構成されており、突設部85に対応して装着開口部131の右端側に設けられている。
主基板ケース24を主基板ケース装着部31に装着する際には、主基板ケース24の前面側(第1ケース体41の外面側)を装着レール132に沿わせつつ、まず左端側の突設部84を第1支持手段133に嵌合させ、続いて第2支持手段134を解除位置から係合位置に切り換えて突設部85を係止すればよい。
封止カバー135は、主基板ケース装着部31に装着された主基板ケース24の封止領域24b側端部を覆うように主基板ケース装着部31の後側に一体に設けられており、主基板ケース24の封止側上壁51bに沿って主基板ケース装着部31と略平行に配置されるカバー板部141と、主基板ケース24側の上下の周壁52,53及び左端側の側壁72に沿ってカバー板部141の縁部と主基板ケース装着部31とを連結する連結板部142とで主基板ケース24の着脱側、即ち右側が開放する箱形に形成されている。
カバー板部141は、第1,第2損壊部121,122を含む封止手段43の略全体を覆う大きさの矩形板状に形成されている。なお、封止手段43による封止/開封状態が外側から視認可能なように、封止カバー135は少なくともカバー板部141を透明とすることが望ましい。
このように、主基板ケース24を主基板ケース装着部31に装着した状態では第1,第2損壊部121,122が封止カバー135で覆われるため、そのままでは主基板ケース24を開封することはできない。第1,第2損壊部121,122を損壊して主基板ケース24を開封するためには、まず第2支持手段134を解除して主基板ケース24を主基板ケース装着部31から取り外す必要があるため、その分だけ時間を要し、ROMの交換等によるゴト行為を効果的に防止できる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、主制御基板23側に係合部47aを、第1ケース体41側に係合部47aに対応する被係合部89aを夫々設け、係合部47aは損壊容易な低強度部49を介して主制御基板23側に支持されており、係合部47aと被係合部89aとは、第1,第2ケース体41,42がロック状態のときに第1,第2ケース体41,42の嵌脱方向に互いに係合し、アンロック状態のときにその係合が解除されるように構成されているため、ロック状態からアンロック状態へのスライド移動を経ることなく、即ち正規の開封方法とは異なる開封方法で開封された場合には、係合部47aと被係合部89aとが互いに係合した状態のままで強引に引き離され、係合部47aは低強度部49で損壊する。従って、例えばその後に第1ケース体41と第2ケース体42とを元通りに結合したとしても、係合部47aは損壊したままであるため、この係合部47aの状態を見れば過去に不正開封があったか否かを判断することができ、不正行為が行われた事実を確実に発見することができる。
また、第1,第2ケース体41,42は、アンロック状態とロック状態との間で主制御基板23の板面に沿う方向に相対的にスライド可能であると共に、アンロック状態で主制御基板23の板面に略垂直な方向に嵌脱可能であり、係合部47aと被係合部89aとは、第1,第2ケース体41,42がロック状態のときに主制御基板23の板面に略垂直な方向に係合するように構成されているため、係合部47aと被係合部89aとを主制御基板23の板面に沿って係脱自在にとすることができ、係合部47aをL字型等の簡単な形状に構成できる。
係合部47aは、主制御基板23に装着されたROM44a用のソケット44bに低強度部49を介して一体形成されているため、係合部47aを別部品として新たに主制御基板23に装着する場合と比べてコストを削減できる。
図24及び図25は本発明の第2の実施形態を例示し、第1ケース体41側に係合部47aを備えた不正開封検出部47を、主制御基板23側にその係合部47aに対応する被係合部89aを夫々配置した例を示している。
図24に示すように、不正開封検出部47は、主制御基板23に平行に配置される係合部47aと、この係合部47aと第1ケース体41側の底壁71とを一体に連結する支持脚部47bとで構成されている。支持脚部47bは、主制御基板23に設けられた開口状(又は切欠状)の挿通部151を介して主制御基板23の電子部品装着面23a側に突出しており、その先端側から電子部品装着面23aに沿って係合部47aが延設されている。なお、係合部47aと支持脚部47bとは共に板状で、例えば係合部47aの方が支持脚部47bよりも薄板状に形成されており、支持脚部47bと係合部47aとの連結部分が、損壊容易な低強度部49を構成している。
また、主制御基板23側に設けられた開口部48の縁部が被係合部89aとなっており、第1ケース体41と第2ケース体42とがロック状態のときに(図24に実線で示す)、係合部47aと被係合部89aとが主制御基板23の板面に略垂直な方向、即ち第1ケース体41と第2ケース体42の嵌脱方向に互いに係合し、第1ケース体41と第2ケース体42とがアンロック状態のときに(図24に二点鎖線で示す)、その係合が解除されるように構成されている。
このように、係合部47aを第1ケース体41側に、被係合部89aを主制御基板23側に設けた場合でも、封止手段43による封止を正規に解除することなく、例えば第1ケース体41と第2ケース体42とを変形させる等により係合爪70と係止部82との係合を強引に解除して主基板ケース24を開封した場合には、第1の実施形態の場合と同様、係合部47aは被係合部89aに引っ掛かって低強度部49で損壊する(図25)。従って、例えばその後に第1ケース体41と第2ケース体42とを元通りに結合したとしても、係合部47aは損壊したままであるため、この係合部47aの状態を見れば過去に不正開封があったか否かを判断することができる。
図26〜図28は本発明の第3の実施形態を例示し、係合部47aを備えた不正開封検出部47を主制御基板23に一体に設け、第1ケース体41側にその係合部47aに対応する被係合部89aを備えた被係合手段89を設けた例を示している。
図26及び図27に示すように、主制御基板23には、開口状(又は切欠状)の挿通部151が形成されており、その挿通部151の縁部から挿通部151内に向けて不正開封検出部47の係合部47aが突出状に一体形成されている。係合部47aと挿通部151の縁部との連結部分は、その幅が係合部47aよりも細く絞られた低強度部49となっている。
また、係合部47a上には、主制御基板23上に実装されている遊技制御回路を構成する一部の配線152が低強度部49を介して引き込まれている。この配線152は、例えば遊技制御回路上のエラー処理部に接続されており、これが切断された場合にはエラー処理部によって所定のエラー処理、例えばエラー警告音の出力等が行われるようになっている。
また、不正開封検出部47に対応する被係合手段89は、主制御基板23側の挿通部151を介して電子部品装着面23a側に突出するように、第1ケース体41の底壁71の内側に突設されており、主制御基板23の電子部品装着面23aに沿って配置される例えば略矩形板状の被係合部89aと、この被係合部89aの三辺と底壁71とを一体に連結する背壁部89b及び一対の側壁部89cとを備えている。
そして、主制御基板23側の不正開封検出部47と第1ケース体41側の被係合手段89とは、第1ケース体41と第2ケース体42とがアンロック状態からロック状態に移行するに従って係合部47aと被係合部89aとが互いに接近するように、スライド方向に沿って互いに向かい合わせに配置されており、第1ケース体41と第2ケース体42とがロック状態のときに(図27に実線で示す)、係合部47aと被係合部89aとが主制御基板23の板面に略垂直な方向、即ち第1ケース体41と第2ケース体42の嵌脱方向に互いに係合し、第1ケース体41と第2ケース体42とがアンロック状態のときに(図27に二点鎖線で示す)、その係合が解除されるように構成されている。
封止手段43による封止を正規に解除することなく、例えば第1ケース体41と第2ケース体42とを変形させる等により係合爪70と係止部82との係合を強引に解除して主基板ケース24を開封した場合には、係合部47aは被係合部89aに引っ掛かって低強度部49で損壊し(図28)、係合部47a上に配置されている配線152はこの低強度部49で切断される。従って、例えばその後に第1ケース体41と第2ケース体42とを元通りに結合したとしても、エラー処理部によってエラー警告音の出力等の所定のエラー処理が実行されるため、不正開封があったことを確実に発見することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1の実施形態のように係合部47aを基板23上の装着部品に一体に設ける場合、その装着部品はROM44a用のソケット44b以外の例えばコネクタ等でもよい。また、係合部47aを電子部品とは別の専用部品として基板23上に装着してもよい。
第3の実施形態のように基板23の一部分を係合部47aとする場合、係合部47aが損壊されたときに配線152が切断されるように構成しない場合でも、損壊した係合部47aの状態を見れば過去に不正開封があったか否かを判断することができる。
また、第3の実施形態のように、低強度部49の損壊により配線152が切断されることを条件に実行されるエラー処理は、警告音の出力の他、液晶画面やランプによる警告表示等、どのようなものでもよい。また、低強度部49の損壊により配線152が切断されることにより、例えば主要部への電源供給が絶たれる等により遊技機が正常に動作しないように構成してもよい。
本発明を適用可能な基板ケースは、実施形態で示した構成に限定されるものではなく、
基板23を第2ケース体42の内側に装着した状態でそれら基板23及び第2ケース体42に対して第1ケース体41をアンロック状態とロック状態との間で相対的にスライドさせることにより開閉可能であって、第1,第2ケース体41,42をロック状態で封止可能なものであればよい。
また、実施形態では本発明をパチンコ機に適用した例を示したが、アレンジボール機、スロットマシン等の各種遊技機において同様に実施可能であることは言うまでもない。