JP3706274B2 - 遊技用回路装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に用いられる回路基板を備えた遊技用回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、パチンコ遊技機には、その動作を制御するCPU及び記憶素子であるROM、RAM等の電子回路を配置形成した遊技制御基板が設けられている。この遊技制御基板は、回路を外部から保護すると共に遊技機の裏面側に取り付けるため、基板ボックス内に収容されている。この基板ボックスは、底部材と蓋部材とを重ねて構成されている。
【0003】
上記ROMには、遊技制御のためのプログラムが格納されているので、ROMの交換やROM内のプログラムの書換えにより通常の遊技とは異なる遊技を行うようにする不正がなされることがある。この不正を防止するには、基板ボックスを開放が困難な構造にすることが考えられる。
【0004】
一方、遊技店に設置された遊技機に対して、公的機関により不正がなされた基板かどうかの検査、具体的にはROMの内容の検査が行われるが、このとき、ボックスが開放不可もしくは開放し難い構造であると、基板ボックス内の回路基板を検査するのに支障をきたすことになる。このような検査のため、或いは回路基板の修理のために基板ボックスを破壊してしまうと、基板ボックスは再使用できなくなってしまう。
【0005】
上記のような問題を解決するために、基板ボックスの底部材と蓋部材との重なり部分に封印シールを貼ることが行われているが、巧妙な不正行為者は、偽の封印シールを使用して不正を行うことがあった。
【0006】
そこで、回路基板の不正な開放を防止し、検査又は修理の際には開放可能で、検査又は修理が終われば不正な開放を防止する構造に戻すことができる基板ボックスが提案されている。その一例が、特開平9−225092号公報に開示されている。これは、少なくとも底部部材(底部材)と表部部材(蓋部材)とからなるボックス体の内部に、電子部品を搭載した制御回路基盤を収納してなる制御回路装置において、ボックス体の底部部材と表部部材とを組み付けた際に互いに重なる重合部を形成すると共に、この重合部の複数箇所に、ボックス体の不正な開放を防止するための不正開放防止用結合を可能とする不正開放防止用結合部を形成し、これら複数箇所の不正開放防止用結合部のうちのいずれかを予備として、不正開放防止用結合を行っていない状態に残すことを特徴とするものである。そして、不正開放防止用結合部を結合した後にボックス体を開放した場合には、不正開放防止用結合部にボックス体を開放した痕跡が残る構造となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、底部材と蓋部材とを組み付けた際に互いに重なる重合部に、ボックス体の不正な開放を防止するための不正開放防止用結合部を形成し、ボックス体を開放した場合には不正開放防止用結合部に開放の痕跡が残るようにしても、すなわち底部材及び蓋部材に開放の痕跡が残るようにしても、新たな底部材及び蓋部材を用意して、これに不正な処理を行った回路基板を収容すれば不正行為の痕跡が残らないので、不正行為の事実の発見は困難となる。
【0008】
本発明は、以上の状況に鑑み、不正行為がされた場合、その事実が回路基板自体に痕跡として残るようにした遊技用回路装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、遊技機に設けられる回路基板と、回路基板を覆うカバーとを備えた遊技用回路装置において、回路基板とカバーとの重なり部分に複数の固定可能部を形成し、回路基板をカバーで覆うときは、固定可能部を固定し、回路基板とカバーとを引き離すときは、固定した固定可能部を除去することを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の態様は、カバーは、回路基板の上面を覆う上部カバー及び回路基板の下面を覆う下部カバーから成り、固定可能部は、回路基板と上部カバー又は下部カバーとの重なり部分に形成されることを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の態様は、カバーは、回路基板の上面を覆う上部カバー及び回路基板の下面を覆う下部カバーから成り、固定可能部は、回路基板と上部カバー及び下部カバーとの重なり部分に形成されることを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の態様は、回路基板は、回路基板に固着した固着部を含むことを特徴とする。
【0013】
【作用及び効果】
本発明によれば、回路基板とカバーとの重なり部分に複数の固定可能部を形成する。そして、回路基板を覆うときは、固定可能部を固定し、回路基板とカバーとを引き離すときは、固定した固定可能部を除去する。このため、固定可能部を一旦固定した後、回路基板とカバーとを引き離すには、固定した固定可能部を除去しなくてはならない。この固定可能部は、回路基板とカバーとの重なり部分に形成されているので、固定した固定可能部を除去すると、回路基板及びカバーの当該固定可能部を形成している部分が除去されることとなり、回路基板とカバーとを引き離した痕跡がカバーのみならず、回路基板にも残る。
【0014】
つまり、回路基板に不正処理がされた場合、カバー及び回路基板にその痕跡が残るので、不正処理の事実を容易に発見できる。また、回路基板の不正な処理のために回路基板とカバーとが引き離された後、その痕跡を残さないようにするには、新たな回路基板及びカバーを用意せざるを得なくなり、あえてそれ程の不正をすることは考え難いので、回路基板の不正な処理を防止できる。
【0015】
本発明の具体的態様によれば、回路基板と上部カバー又は下部カバーとの重なり部分に複数の固定可能部を形成することができる。他に、回路基板と上部カバー及び下部カバーとの重なり部分に複数の固定可能部を形成することができる。また、回路基板に固着した固着部とカバーとの重なり部分に複数の固定可能部を形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0017】
〔第1実施例〕
図1は、本発明による回路装置を用いるパチンコ遊技機1の背面図である。この背面には、電源部2、払出球を貯めている払出球タンク3、入賞球に応じた球を払い出すための球排出装置4、遊技球を発射するための打球発射制御装置5、後述する複数の固定可能部81を有し遊技機1の遊技動作を制御する遊技用回路装置6、遊技機1の前面の図示しない遊技盤面に設けられた可変表示装置、入賞装置、入賞球センサ、ランプ、LED等の電気設備との中継のための盤面中継端子盤7、及びカードユニット8が設けられている。この他に、図示しない払出球センサ、払出個数検知スイッチ、ソレノイド等の電気機器が備えられている。
【0018】
図2は遊技用回路装置6の平面図、図3は分解斜視図である。以下、図2及び図3を用いて遊技用回路装置6の構成を説明する。
【0019】
遊技用回路装置6は、遊技制御基板41、上部カバー21及び下部カバー61で構成されている。
【0020】
上部カバー21の形状は、合成樹脂製の底面が開放した箱状である。この上部カバー21の上面には、遊技制御基板41が発生した熱を外部へ放出するための放熱用開口23、後述する検査履歴表示部25及び開閉方法指示部26が設けられている。上部カバー21の側面には、遊技制御基板41に備えられたコネクタ部42のためのコネクタ用開口22が設けられている。上部カバー21の内面には、下方に延びた爪部24aを有して遊技制御基板41と係合する係止垂下片24、予備のワンウェイネジ47を保持するための予備ネジ保持部27、及び予備の封印シール29を保持するための予備シール保持部28が設けられている。
【0021】
遊技制御基板41は、CPU,ROM等の電子回路9、通信のためのコネクタ部42、ネジ用開口43、基板突出穴46が設けられた複数の基板突出部45、及び上部カバー21に設けられた係止垂下片24を係止するための係止口48を備えている。各基板突出部45には、識別のための識別番号が付されている。
【0022】
下部カバー61は、遊技制御基板41をビス44で止めるためのボス62、遊技機1に止めるための取付けボス63、上記の基板突出穴46を介してワンウェイネジ47を止めるための止着穴66を有する複数の下部突出部65、及び遊技用制御基板41の下面中央に接触して遊技制御基板41を支持する基盤支持部67を備えている。
【0023】
なお、基板突出部45及び下部突出部65には、後述のように固定した固定可能部81の除去を容易にするため、破線状の切り目(いわゆるミシン目)49及び68が互いに重なり合うように設けられている(図3では、下部突出部65のミシン目68のみを示す)。
【0024】
上部カバー21から下部カバー61にかけて、封印シール29が貼られている。
【0025】
図4は、図2に示す遊技用回路装置6のIV−IV線断面図である。図示のとおり、遊技制御基板41に設けられた基板突出部45と、下部カバー61に設けられた下部突出部65とで、固定可能部81が形成される。この固定可能部81は、ワンウェイネジ47を基板突出穴46に通して止着穴66にねじ込むことにより、固定される。この固定された固定可能部81を取り除かなければ、下部カバー61を遊技制御基板41から引き離すことはできない。
【0026】
上部カバー21に設けられた係止垂下片24は、前述のように外側に突出する爪部24aを備えている。上部カバー21を上方から遊技制御基板41に装着するとき、係止垂下片24は、弾性変形しながら下方に移動する。そして、爪部24aが係止口48の下方に出たとき、上部カバー21は、遊技制御基板41と係合した状態となる。この係合した状態を開放するには、爪部24aを係止口48の下方に移動した状態で、上部カバー21を上方に移動しなければならない。このため、一旦、遊技制御基板41に上部カバー21及び下部カバー61を装着した後は、固定された固定可能部81を取り除かなければ、遊技制御基板41を上部カバー21から引き離すことはできない。
【0027】
ここで、固定可能部81を形成している基板突出部45と下部突出部65にそれぞれ設けられた基板ミシン目49と下部ミシン目68は、互いに重なっている。このため、検査等の際に、固定可能部81に対して上方又は下方に力を加えれば、上下に重なったミシン目のところで基板突出部45と下部突出部65が折れるので、固定した固定可能部81を容易に除去することができる。なお、このようなミシン目49及び68は、必ずしも設ける必要はない。その場合、固定可能部81をニッパー等で切断すればよい。
【0028】
また、本実施例では、固定可能部81をワンウェイネジ47で固定しているが、リベットや熱溶着などで固定するようにしてもよい。
【0029】
本実施例において、10箇所形成される固定可能部81のうち、図2に示すように、2ヶ所固定した後、検査等により固定した固定可能部81を除去した場合、再度遊技制御基板41を封印するには、残りの固定可能部81を固定して、上部カバー21を遊技制御基板41に装着すればよい。このため、検査等の後でも、不正な開放を防止することができる。
【0030】
図5は、上部カバー21の内面のワンウェイネジ47及びワンウェイネジ47を保持するための予備ネジ保持部27が設けられた部分の正面図である。検査等により固定した固定可能部81を除去して遊技制御基板41を開放した後、予備のワンウェイネジ47を用いて残りの固定可能部81のいずれかを固定することにより、容易に遊技制御基板41を封印することができる。
【0031】
図6は、上部カバー21の内面に設けられた予備の封印シール29及び封印シール29を保持するための予備シール保持部28の正面図を示している。検査等により、封印シール29を剥がして遊技制御基板41を開放した後、予備の封印シール29を用いて容易に遊技制御基板41を封印することができる。
【0032】
図7は、上部カバー21に設けられた検査履歴表示部25の正面図を示す。この検査履歴表示部25には、図2において各基板突出部45に付された識別番号が記載されている。この識別番号を示す数字の下方には、それぞれ検査日付及び印を表示するための空欄が設けられている。
【0033】
検査等により、いずれかの固定可能部81を除去したとき、当該除去された固定可能部81を構成する基板突出部45に付された識別番号に対応する検査履歴表示部25の空欄部分に日付及び印の書き込みを行う。
【0034】
図1に示したように、固定可能部81は、遊技店の係員が遊技機1の保守点検等のために遊技機1を開いたとき、視認可能な位置にある。このため、検査履歴表示部25の記載と各固定可能部81とを比較することにより、容易に不正な遊技制御基板41の開放が成されたかどうかを判断できる。
【0035】
図8は、上部カバー21に設けられた開閉方法指示部26の正面図である。図示された遊技制御基板41の開封手順及び封印手順に従うことにより、容易に遊技制御基板41の検査等を行うことができる。
【0036】
〔第2実施例〕
図9は、遊技用回路装置11の分解斜視図である。上部カバー91の形状は、合成樹脂製の底面が開放した箱状である。この上部カバー91の上面には、遊技制御基板92が発生した熱を外部へ放出するための放熱用開口23、検査履歴表示部25及び開閉方法指示部26が設けられている。上部カバー91の側面には、遊技制御基板92に設けたコネクタ部42が入るコネクタ用開口22と、上部突出穴32を備えた上部突出部31とが設けられている。
【0037】
この実施例では、後述のように固定した固定可能部82の除去を容易にするための切り目として、上部突出部31、基板突出部45及び下部突出部65にそれぞれ上部ミシン目51、基板ミシン目49及び下部ミシン目68が設けられている(図9では、上部ミシン目1及び下部ミシン目68を示す)。
【0038】
遊技制御基板92は、各種電子回路9、通信のためのコネクタ部42、ネジ用開口43及び基板突出穴46が設けられた複数の基板突出部45を備えている。各基板突出部45には、識別のための識別番号が付されている。
【0039】
図10は、遊技用回路装置11の断面図である。図示のように、上部カバー91に設けられた上部突出部31、遊技制御基板92に設けられた基板突出部45及び下部カバー61に設けられた下部突出部65により、固定可能部82が形成される。この固定可能部82は、ワンウェイネジ47を上部突出穴32及び基板突出穴46を通して止着穴66にねじ込むことによって固定される。この固定された固定可能部82を取り除かなければ、上部カバー91及び下部カバー61を遊技制御基板92から引き離すことはできない。
【0040】
図10に示すように、固定可能部82が形成されたとき、基板ミシン目49、上部ミシン目51及び下部ミシン目68は、互いに重なる。このため、固定可能部82に対して上方又は下方に力を加えれば、上下に重なったミシン目のところで上部突出部31、基板突出部45及び下部突出部65が折れるので、固定した固定可能部82を容易に除去することができる。
【0041】
検査等のためにいずれかの固定可能部82を除去したとき、当該除去された固定可能部82を構成する基板突出部45に付された識別番号に対応する検査履歴表示部25の空欄部分に日付及び印の書き込みを行っておくことにより、不正行為を容易に発見することができる。なお、不正行為により基板突出部45の除去があったかどうかを、遊技店の係員が遊技機1の保守点検等のために遊技機1を開いたときに視認できるようにするために、上部カバー91は、透明であることが望ましい。また、識別番号は、各上部突出部31に付するようにしてもよい。
【0042】
次に、図11(A)及び(B)を参照して、遊技制御基板92に対して不正を行おうとする者が、遊技制御基板92を封印しているワンウェイネジ47に触れることができないようにするための上部突出部31の別の態様である上部突出部33及び封印キャップ36について説明する。
【0043】
図11(A)は、上部突出部31の別の態様である上部突出部33を示す斜視図である。この上部突出部33は、埋め込み穴34を備えている。この埋め込み穴34には、後述する封印キャップ36の突起38を掛止めするための溝35が設けられている。また、埋め込み穴34の下方には、ワンウェイネジ47を止着穴66へねじ込むための上部突出穴32が設けられている。
【0044】
図11(B)は、封印キャップ36の斜視図である。封印キャップ36は、埋め込み穴34を塞ぐための、すなわちワンウェイネジ47の頭部を隠すためのキャップ37と、突起38と、キャップ37及び突起38を繋ぐ脚39とが設けられている。
【0045】
封印キャップ36を埋め込み穴34の上方から挿入すると、脚39は、弾性変形しながら下方に移動する。そして、突起38が溝35に係合し、ワンウェイネジ47に触れられない状態となる。
【0046】
〔第3実施例〕
図12は遊技用回路装置12の平面図、図13は遊技用回路装置12の分解斜視図である。以下、図12及び図13を用いて遊技用回路装置12の構成を説明する。
【0047】
遊技用回路装置12は、遊技制御基板111、上部カバー101及び下部カバー121で構成されている。
【0048】
上部カバー101の形状は、合成樹脂製の底面が開放した箱状である。この上部カバー101には、遊技制御基板111が発生した熱を外部へ放出するための放熱用開口23、遊技制御基板111に備えられたコネクタ部42のためのコネクタ用開口22、検査履歴表示部25、開閉方法指示部26、複数の凹部102及び各凹部102を囲むように上部ミシン目103が設けられている。各凹部102の横には、識別のための識別番号が付されている。
【0049】
遊技制御基板111は、各種電子回路9、通信のためのコネクタ部42、ネジ用開口43、ワンウェイネジ47を止めるための固着ボス112及び各固着ボス112を囲むように基板ミシン目113を備えている。
【0050】
下部カバー121は、遊技制御基板111をビス44で止めるためのボス62、遊技機1に止めるための取付けボス63、外筒122及び遊技制御基板111の下面中央に接触して遊技制御基板111を支持する基盤支持部67及び後述の下部ミシン目123(図14)を備えている。
【0051】
図14は、図12に示す遊技用回路装置12のXIV−XIV線断面図である。ここで、固定可能部は、凹部102と遊技制御基板111に取り付けられた固着ボス112とによって形成されている。この固定可能部は、ワンウェイネジ47が凹部102を介して固着ボス112にねじ込まれて固定される。この固定された固定可能部を取り除かなければ、上部カバー101を遊技制御基板111から引き離すことはできない。
【0052】
前述のように、上部カバー101の上面には各凹部102を囲むように上部ミシン目103が設けられ、遊技制御基板111には各固着ボス112を囲むように基板ミシン目113が設けられている。
【0053】
下部カバー121には、各外筒122の内側に沿って下部ミシン目123が設けられている。
【0054】
固定された固定可能部を除去するには、ワンウェイネジ47の頭にポンチ等で下方へ力を加える。すると、凹部102が上部ミシン目103を境に上部カバー101から外れ、遊技制御基板111から基板ミシン目113に囲まれた遊技制御基板111の一部及び固着ボス112が外れる。
【0055】
次に、固着ボス112の底部が下部ミシン目123に囲まれた部分に当たり、当該部分が下部カバー121から外れて開口が形成される。上記の凹部102、ワンウェイネジ47、固着ボス112及び基板ミシン目113に囲まれた遊技制御基板111の一部は、この開口を通って遊技用回路装置12から除去される。すなわち、固定可能部が除去される。外筒122は、上記の除去されるものが遊技用回路装置12内に残らないようにするために設けられている。
【0056】
検査等のために、いずれかの固定可能部を除去したとき、当該除去された固定可能部を構成する凹部102の識別番号に対応する検査履歴表示部25の空欄部分に日付及び印の書き込みを行っておくことにより、不正行為を容易に発見することができる。なお、遊技店の係員が遊技機1の保守点検等のために遊技機1を開いたときに、不正行為により遊技制御基板111の一部が除去されているか、すなわち基板ミシン目113に囲まれた部分が除去されているかどうかを、容易に視認できるようにするために、上部カバー101は、透明であることが望ましい。なお、遊技制御基板111の検査等を行った後、固定されていない固定可能部を固定して再び遊技制御基板111を封印することができる。
【0057】
本実施例において、予備ネジ、予備ネジ保持部、予備の封印シール及び予備シール保持部を設けるようにしてもよい。また、外筒を上部カバー101に凹部102を囲むように設けるようにしてもよい。他に、凹部102に溝を設けて封印キャップ36でワンウェイネジ47に接触できないようにしてもよい。
【0058】
〔第4実施例〕
図15は、遊技用回路装置13の分解斜視図である。この遊技用回路装置13は、遊技制御基板151、上部カバー141及び下部カバー161で構成されている。
【0059】
上部カバー141は、第3の実施例の上部カバー101の凹部102を長凹部142に置き換えた構成となっている。各長凹部142を囲むように、上部ミシン目143が設けられている。
【0060】
遊技制御基板151は、各種電子回路9、通信のためのコネクタ部42、ネジ用開口43、ワンウェイネジ47を通すための固定穴152及び各固定穴152を囲むように基板ミシン目153を備えている。
【0061】
下部カバー161は、遊技制御基板151をビス44で止めるためのボス62、取付けボス63、ワンウェイネジ47をねじ込むための内ボス162、外筒122、遊技制御基板151の下面中央に接触して遊技制御基板151を支持する基盤支持部67及び後述の下部ミシン目163(図16)を備えている。
【0062】
図16は、遊技用回路装置13の断面図である。前述のように、上部カバー141の上面には、各長凹部142を囲むように上部ミシン目143が設けられ、遊技制御基板151には、各固定穴152を囲むように基板ミシン目153が設けられている。下部カバー161には、各外筒122と内ボス162との間に、外筒122及び内ボス162に沿うように下部ミシン目163が設けられている。
【0063】
固定可能部は、上部カバー141の長凹部142と、遊技制御基板151の基板ミシン目153に囲まれた部分と、下部カバー161の内ボス162とによって形成されている。内ボス162の内周周辺の上面は長凹部142の底面と接触している。遊技制御基板151の基板ミシン目153に囲まれた部分の上面は長凹部142の底面と接触し、下面は内ボス162の外周周辺の上面と接触している。
【0064】
固定された固定可能部を除去するには、ワンウェイネジ47の頭に、ポンチ等で下方へ力を加える。すると、長凹部142が上部ミシン目143を境に上部カバー141から外れ、基板ミシン目153に囲まれた遊技制御基板151の一部が遊技制御基板151から外れ、内ボス162が下部ミシン目163を境に下部カバー161から外れる。そして、長凹部142、ワンウェイネジ47、基板ミシン目153に囲まれた遊技制御基板151の一部及び内ボス162が遊技用回路装置13から除去される。
【0065】
遊技店の係員が遊技機1の保守点検等のために遊技機1を開いたときに、不正行為により遊技制御基板11の一部が除去されているか、すなわち基板ミシン目153に囲まれた部分が除去されているかどうかを、容易に視認できるようにするために、上部カバー141は、透明であることが望ましい。なお、遊技制御基板151の検査等を行った後、固定されていない固定可能部を固定して再び遊技制御基板151を封印することができる。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の遊技機の背面を示す図。
【図2】第1実施例の遊技用回路装置の平面図。
【図3】第1実施例の遊技用回路装置の分解斜視図。
【図4】図2のIV−IV線断面図。
【図5】第1実施例の予備ネジ保持部が設けられた部分の正面図。
【図6】第1実施例の予備シール保持部の正面図。
【図7】第1実施例の検査履歴表示部の正面図。
【図8】第1実施例の開閉方法指示部の正面図。
【図9】第2実施例の遊技用回路装置の分解斜視図。
【図10】第2実施例の遊技用回路装置の断面図。
【図11】第実施例の別の態様の上部突出部及び封印キャップの斜視図。
【図12】第3実施例の遊技用回路装置の平面図。
【図13】第3実施例の遊技用回路装置の分解斜視図。
【図14】図12のXIV−XIV線断面図。
【図15】第4実施例の遊技用回路装置の分解斜視図。
【図16】第4実施例の遊技用回路装置の断面図。
【符号の説明】
1…遊技機、2…電源部、3…払出球タンク、4…球排出装置、5…打球発射制御装置、6…遊技用回路装置、7…盤面中継端子盤、8…カードユニット、11、12、13…遊技用回路装置、21…上部カバー、22…コネクタ用開口、23…放熱用開口、24…係止垂下片、25…検査履歴表示部、26…開閉方法指示部、27…予備ネジ保持部、28…予備シール保持部、29…封印シール、31、33…上部突出部、36…封印キャップ、41…遊技制御基板、42…コネクタ部、45…基板突出部、46…基板突出穴、47…ワンウェイネジ、48…係止口、61…下部カバー、65…下部突出部、66…止着穴、91、101…上部カバー、102…凹部、111…遊技制御基板、112…固着ボス、121…下部カバー、122…外筒、141…上部カバー、142…長凹部、151…遊技制御基板、152…固定穴、161…下部カバー、162…内ボス。

Claims (4)

  1. 遊技機に設けられる回路基板と、該回路基板を覆うカバーとを備えた遊技用回路装置において、
    前記回路基板と前記カバーとの重なり部分に複数の固定可能部を形成し、
    前記回路基板を前記カバーで覆うときは、前記固定可能部を固定し、
    前記回路基板と前記カバーとを引き離すときは、固定した前記固定可能部を除去することを特徴とする遊技用回路装置。
  2. 請求項1記載の遊技用回路装置において、前記カバーは、前記回路基板の上面を覆う上部カバー及び前記回路基板の下面を覆う下部カバーから成り、前記固定可能部は、前記回路基板と前記上部カバー又は前記下部カバーとの重なり部分に形成されることを特徴とする遊技用回路装置。
  3. 請求項1記載の遊技用回路装置において、前記カバーは、前記回路基板の上面を覆う上部カバー及び前記回路基板の下面を覆う下部カバーから成り、前記固定可能部は、前記回路基板と前記上部カバー及び前記下部カバーとの重なり部分に形成されることを特徴とする遊技用回路装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか記載の遊技用回路装置において、前記回路基板は、該回路基板に固着した固着部を含むことを特徴とする遊技用回路装置。
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