JP5136328B2 - 半導体メモリ、半導体メモリの動作方法およびシステム - Google Patents

半導体メモリ、半導体メモリの動作方法およびシステム Download PDF

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Description

本発明は、半導体メモリおよび半導体メモリが搭載されたシステムに関する。
フラッシュメモリ等の半導体メモリは、電源電圧より高い電圧を用いてメモリセルのプログラム(書き込み)および消去を実施する。このため、メモリセル内のデータを保持するためのメモリトランジスタの耐圧は、通常のトランジスタの耐圧に比べて高い。高耐圧のトランジスタは、ゲート絶縁膜が厚いため、閾値電圧が高く、動作速度が遅い。メモリセルの動作速度を速くするために、高耐圧のメモリトランジスタと通常の耐圧の選択トランジスタを直列に配置したメモリセルが提案されている(例えば、特許文献1−2参照)。
この種の半導体メモリでは、メモリトランジスタは共通のソース線に接続され、選択トランジスタはビット線に接続されている。プログラムするメモリセルのメモリトランジスタのゲートおよび選択トランジスタのゲートは、高レベルに設定される。プログラムするメモリセルに接続されたソース線は高レベルに設定され、ビット線は低レベルに設定される。そして、プログラムするメモリセルのメモリトランジスタのチャネル領域に電流が流れることでホットエレクトロンが発生する。ホットエレクトロンは、メモリトランジスタのフローティングゲート等にトラップされ、メモリセルがプログラムされる。
プログラムするメモリセルとともにソース線に接続された他のメモリセルでは、高レベルのソース線によりメモリトランジスタのチャネル領域に電流が流れるおそれがある。他のメモリセルのチャネルに電流が流れることを防止するために、プログラム動作に使用されないビット線は、高レベルに設定される。例えば、ビット線の高レベルは、各ビット線に接続された定電流回路とスイッチ回路を用いて設定される。
特開2005−346819号公報 特開2004−199837号公報
しかしながら、ビット線毎にスイッチ回路のオン/オフを制御するためには、スイッチ回路毎に制御信号を配線する必要がある。また、アドレス信号をデコードするデコード回路が必要である。この結果、メモリセルアレイの回路規模およびメモリセルアレイの周囲の回路規模が増加し、半導体メモリのチップサイズが増加するという問題がある。さらに、ビット線に定電流回路やスイッチ回路を接続することで、ビット線の負荷が大きくなり、メモリセルの動作速度が遅くなるという問題がある。
本発明の目的は、プログラムされないメモリセルのビット線の電圧を、簡易な回路で設定することである。特に、メモリセルの動作速度を遅くすることなく、プログラムされないメモリセルのビット線の電圧を、簡易な回路で設定することである。
本発明の一形態では、複数のメモリセルの各々は、電子を蓄積するメモリトランジスタと、メモリトランジスタに接続された選択トランジスタとを有している。メモリセルのプログラム動作において、第1ドライバ回路は、メモリトランジスタのゲートに共通に接続された制御ゲート線と、選択トランジスタのゲートに共通に接続された選択ゲート線とをそれぞれ高レベルに設定する。第2ドライバは、メモリセルに共通に接続されたソース線を第1高レベルに設定し、制御ゲート線および選択ゲート線が高レベルに設定されている間に、ソース線を第1高レベルより高い第2高レベルに設定する。第3ドライバは、ソース線が第1高レベルに設定された後に、プログラムするメモリセルに接続されたビット線を低レベルに設定する。
ソース線の第1高レベルは、メモリトランジスタおよび選択トランジスタを介してビット線に伝達される。すなわち、ソース線の第1高レベルによりビット線をプリチャージできる。プログラムするメモリセルに接続されたビット線が低レベルに設定された後に、他のビット線はプリチャージされた電圧に保持される。したがって、メモリセルのプログラム時に、プログラムされない他のメモリセルのメモリトランジスタを介してソース線からビット線に電流が流れることを抑制できる。
この結果、プログラムされないメモリセルに保持されているデータが破壊されることを、簡易な回路で防止できる。すなわち、プログラムされないメモリセルのビット線の電圧を、簡易な回路で設定できる。さらに、ビット線に余分な負荷を接続することなく、プログラムされない他のメモリセルに接続されたビット線をプリチャージできるため、メモリセルの動作速度が遅くなることを防止できる。
以下、図面を用いて実施形態を説明する。図中、太線で示した信号線は、複数本を示す。また、太線が接続されているブロックの一部は、複数の回路を有する。信号が伝達される信号線には、信号名と同じ符号を使用する。先頭に”/”の付く信号は、負論理を示している。図中の二重の四角印は、外部端子を示している。外部端子は、例えば、半導体チップ上のパッド、あるいは半導体チップが収納されるパッケージのリードである。外部端子を介して供給される信号には、端子名と同じ符号を使用する。
図1は、一実施形態における半導体メモリMEMを示している。例えば、半導体メモリMEMは、NORタイプのフラッシュメモリである。半導体メモリMEMは、クロックに同期して動作してもよく、クロックに非同期で動作してもよい。半導体メモリMEMは、システムLSI等に搭載されるメモリマクロ(IP)として設計されてもよく、パッケージに封入された半導体記憶装置として設計されてもよい。
半導体メモリMEMは、例えば、シリコン基板上にCMOSプロセスを使用して形成される。半導体メモリMEMは、データ入出力バッファ10、コマンドバッファ12、コマンドレジスタ14、アドレスバッファ16、電圧生成回路18、ウエルスイッチ20およびメモリコア22を有している。
データ入出力バッファ10は、データバスDBを介してメモリコア22から出力される読み出しデータをデータ端子DQに出力する。データ入出力バッファ10は、データ端子DQに供給される書き込みデータを、データバスDBを介してメモリコア22に出力する。特に限定されないが、データ端子DQのビット数は、例えば16ビットである。
コマンドバッファ12は、メモリコア22を動作するためのコマンド信号CMDを受け、受けたコマンド信号CMDをコマンドレジスタ14に出力する。例えば、コマンド信号CMDは、チップイネーブル信号/CE、アウトプットイネーブル信号/OEおよびライトイネーブル信号/WEである。コマンドレジスタ14は、コマンドバッファ12からのコマンド信号CMDと、データ信号DB、アドレス信号RAD、CADの少なくとも1ビットに応じて、メモリコア22を動作するための制御信号(タイミング信号)をメモリコア22に出力する。
制御信号は、読み出し信号RD、プログラム信号PGMおよび消去信号ERSを含む。メモリセルMCに保持されているデータを読み出す読み出し動作が読み出しコマンドに応じて実行されるとき、読み出し信号RDが出力される。メモリセルMCに論理0をプログラムするプログラム動作(書き込み動作)がプログラムコマンドに応じて実行されるとき、プログラム信号PGMが出力される。メモリセルMCを論理1の状態に消去する消去動作が消去コマンドに応じて実行されるとき、消去信号ERSが出力される。
アドレスバッファ16は、アドレス端子で受けるアドレス信号ADの上位ビットをロウアドレス信号RADとして出力し、アドレス信号ADの下位ビットをカラムアドレス信号CADとして出力する。ロウアドレス信号RADおよびカラムアドレス信号CADにより、アクセスされるメモリセルMCが選択される。具体的には、ロウアドレス信号RADは、制御ゲート線CG、選択ゲート線SGおよびソース線SLを選択するために使用される。カラムアドレス信号CADは、ビット線BLを選択するために使用される。
電圧生成回路18は、電源端子に供給される電源電圧VCC(例えば、1.8V)および接地電圧GND(0V)に基づいて、複数種の内部電圧を生成する。内部電圧は、ビット線電圧VBL(例えば、1V)、読み出し電圧VRD(例えば、3V)、ソース電圧VSL(例えば、6V)、高電圧VH(例えば、9V)、高電圧VPP(例えば、11V)および負電圧VM(例えば、−9V)を含む。例えば、電源電圧VCCより高い電圧は、昇圧回路により生成され、電源電圧VCCより低い電圧は、抵抗分割により生成される。電源電圧VCCおよび接地電圧GNDは他の回路にも供給される。
ウエルスイッチ20は、消去動作時に高レベルの消去信号ERSを受けているときに、メモリセルアレイARYのp型ウエル領域PWELを高電圧VH(9V)に設定し、低レベルの消去信号ERSを受けているときに、p型ウエル領域PWELを接地電圧に設定する。p型ウエル領域PWELは、後述するメモリトランジスタMTおよび選択トランジスタSTのチャネル領域(基板領域)である。
メモリコア22は、ワードデコーダWDEC、カラムデコーダCDEC、ソースドライバSLDRV、制御ゲートドライバCGDRV、選択ゲートドライバSGDRV、センスアンプSA、ビットドライバBLDRV、カラムスイッチCSWおよびメモリセルアレイARYを有している。
ワードデコーダWDECは、制御ゲート線CG、選択ゲート線SGおよびソース線SLを選択するためのデコード信号をロウアドレス信号RADに応じて生成する。カラムデコーダCDECは、ビット線BLを選択するためのデコード信号をカラムアドレス信号CADに応じて生成する。
ソースドライバSLDRVは、ワードデコーダWDECからのデコード信号に応じてソース線SLのいずれかを選択する。制御ゲートドライバCGDRVは、ワードデコーダWDECからのデコード信号に応じて制御ゲート線CGのいずれかを選択する。選択ゲートドライバSGDRVは、ワードデコーダWDECからのデコード信号に応じて選択ゲート線SGのいずれかを選択する。
センスアンプSAは、読み出し動作時に、ビット線BLを介してメモリセルMCから読み出されるデータ信号を増幅し、読み出しデータ信号DOUTとして出力する。具体的には、センスアンプSAは、ビット線BLを流れる電流に応じて、データ信号の論理を判定する。
ビットドライバBLDRVは、読み出し動作時およびプログラム動作時に、ビット線BLを所定の電圧に設定する。カラムスイッチCSWは、読み出し動作時およびプログラム動作時に、カラムデコーダCDECからのデコード信号に応じて、ビットドライバBLDRVをアクセスするメモリセルMCに接続されたビット線BLに接続する。
メモリセルアレイARYは、マトリックス状に配置される複数のメモリセルMCを有している。制御ゲート線CG、ソース線SLおよび選択ゲート線SGは、図の横方向に並ぶメモリセルMCの列に共通に接続されている。ビット線BLは、図の縦方向に並ぶメモリセルMCの列に共通に接続されている。各メモリセルMCは、ソース線SLとビット線BLとの間に直列に配置されたメモリトランジスタMTおよび選択トランジスタSTを有している。
メモリトランジスタMTは、nMOSトランジスタの構造を有しており、電子を蓄積するフローティングゲートと、制御ゲート線CGに接続された制御ゲートとを有している。なお、メモリトランジスタMTは、電子が所定の場所に蓄積されるトラップゲートを用いて形成されてもよい。選択トランジスタSTは、ゲートが選択ゲート線SGに接続されたnMOSトランジスタである。
例えば、選択トランジスタSTは、耐圧が2VのCMOSプロセスを用いて形成されている。選択トランジスタSTは、ゲート絶縁膜が薄く、高速に動作する。例えば、メモリトランジスタMTは、耐圧が12VのCMOSプロセスを用いて形成されている。メモリトランジスタMTは、ゲート絶縁膜が厚く、選択トランジスタSTより動作速度が遅い。
図2は、図1に示したワードデコーダWDECおよびソースドライバSLDRVの例を示している。この例では、ロウアドレス信号RADが3ビット(RAD0−2)の例を示している。なお、実際の半導体メモリMEMでは、ロウアドレス信号RADは、例えば、8ビットである。このとき、ワードデコーダWDECは、256個のロウデコード信号R0−255を生成する。
ワードデコーダWDECは、ロウアドレス信号RAD0−2またはロウアドレス信号RAD0−2の反転信号を受けるAND回路を有している。例えば、ロウアドレス信号RAD0−2が”000”のとき、ロウデコード信号R0が高レベルに変化する。ロウアドレス信号RAD0−2が”010”のとき、ロウデコード信号R2が高レベルに変化する。
ソースドライバSLDRVは、ソース電圧供給回路SLVおよび複数のサブソースドライバSSLDRVを有している。なお、ソース電圧供給回路SLVは、ソースドライバSLDRVの外側に形成してもよい。
ソース電圧供給回路SLVは、nMOSトランジスタN01、pMOSトランジスタP01およびインバータLI1を有している。nMOSトランジスタN01は、ソース電圧線VSLとメインソース線MSLとの間に配置されている。pMOSトランジスタP01は、電源線VCCとメインソース線MSLとの間に配置されている。インバータLI1の出力は、トランジスタN01、P01のゲートに接続されている。例えば、トランジスタN01、P01およびインバータLI1は、耐圧が12VのCMOSプロセスを用いて形成されている。
インバータLI1は、高レベル(VCC)を受けたときに低レベル(GND)を出力し、低レベル(GND)を受けたときに高電圧VPPを出力するレベル変換機能を有している。ソース電圧供給回路SLVは、プログラム信号PGM1が低レベルのときに(プログラム動作が実行されないとき)、メインソース線MSLを電源線VCCに接続する。ソース電圧供給回路SLVは、プログラム信号PGM1が高レベルのときに(プログラム動作が実行されるとき)、メインソース線MSLを高電圧線VPPに接続する。例えば、プログラム信号PGM1は、図1に示したプログラム信号PGMに対して所定時間遅れて生成される。例えば、プログラム信号PGM1は、図1に示したコマンドレジスタ14により生成される。なお、プログラム信号PGM1は、図2に示したソースドライバSLDRVにより生成されてもよい。このとき、例えば、ソースドライバSLDRVは、プログラム信号PGMを受けてから所定時間後にプログラム信号PGM1を出力する遅延回路を有している。
サブソースドライバSSLDRVは、ソース線SL(SL0−7)毎に形成されている。サブソースドライバSSLDRVは、互いに同じ回路のため、ソース線SL0に接続されたサブソースドライバSSLDRVのみを説明する。サブソースドライバSSLDRVは、メインソース線MSLと接地線GNDとの間にソース線SL0の接続ノードを介して直列に配置されたnMOSトランジスタN02、N03と、レベル変換機能を有するAND回路と、NORゲートとを有している。AND回路は、NANDゲートとインバータLI2とを有している。
トランジスタN02のゲートは、AND回路の出力に接続されている。AND回路は、プログラム信号PGM、消去信号ERSおよびロウデコード信号R0を受けている。トランジスタN03のゲートは、NORゲートを介してプログラム信号PGMの反転信号または消去信号ERSの反転信号を受けている。例えば、トランジスタN02、N03およびインバータLI2は、耐圧が12VのCMOSプロセスを用いて形成されている。サブソースドライバSSLDRVのその他の回路は、耐圧が2VのCMOSプロセスを用いて形成されている。
サブソースドライバSSLDRVは、プログラム信号PGMおよび消去信号ERSが共に低レベルのときに、ソース線SL0を接地線GNDに接続する。サブソースドライバSSLDRVは、プログラム信号PGMが高レベルかつロウデコード信号R0が高レベルのときに、ソース線SL0をメインソース線MSLに接続する。サブソースドライバSSLDRVは、プログラム信号PGMが高レベルかつロウデコード信号R0が低レベルのときに、ソース線SL0をフローティング状態に設定する。サブソースドライバSSLDRVは、消去信号ERSが高レベルのときに、ソース線SLをフローティング状態に設定する。ソース線SLに供給される電圧は、図8に示す。
図3は、図1に示した制御ゲートドライバCGDRVの例を示している。制御ゲートドライバCGDRVは、制御電圧供給回路CGVおよび複数のサブ制御ゲートドライバSCGDRVを有している。なお、制御電圧供給回路CGVは、制御ゲートドライバCGDRVの外側に形成してもよい。
制御電圧供給回路CGVは、nMOSトランジスタN04、N05、N06、pMOSトランジスタP02およびインバータLI3、LI4を有している。インバータLI3、LI4は、図2に示したインバータLI1と同様にレベル変換機能を有している。トランジスタN04、N05、N06は、読み出し電圧線VRDとメイン制御ゲート線MCGとの間に直列に配置されている。トランジスタP02は、高電圧線VHとノードND1との間に配置されている。ノードND1は、トランジスタN04、N05の接続ノードである。インバータLI3は、入力で受けたプログラム信号PGMの論理を反転し、トランジスタP02、N04のゲートに出力する。インバータLI4は、入力で受けた消去信号ERSの論理を反転し、トランジスタN05のゲートに出力する。トランジスタN06のゲートは、消去信号ERSを受けている。例えば、トランジスタP02、N04、N05、N06およびインバータLI3、LI4は、耐圧が12VのCMOSプロセスを用いて形成されている。
制御電圧供給回路CGVは、高レベルのプログラム信号PGMと低レベルの消去信号ERSを受けたとき(プログラム動作時)、メイン制御ゲート線MCGを高電圧線VHに接続する。制御電圧供給回路CGVは、高レベルの消去信号ERSを受けたとき(消去動作時)、プログラム信号PGMのレベルに拘わらず、メイン制御ゲート線MCGを接地線に接続する。読み出し動作時に、プログラム信号PGMおよび消去信号ERSは、共に低レベルに設定される。このとき、トランジスタN04、N05はオンし、トランジスタP02、N06はオフし、メイン制御ゲート線MCGは、読み出し線VRDに接続される。
サブ制御ゲートドライバSCGDRVは、制御ゲート線CG(CG0−7)毎に形成されている。この例では、図2に示した3ビットのロウアドレス信号RAD0−2に対応して7本の制御ゲート線CG0−7を記載している。ロウアドレス信号RADが8ビットのとき、サブ制御ゲートドライバSCGDRVは、256個の制御ゲート信号CG0−255を生成する。サブ制御ゲートドライバSCGDRVは、互いに同じ回路のため、制御ゲート線CG0に接続されたサブ制御ゲートドライバSCGDRVのみを説明する。
サブ制御ゲートドライバSCGDRVは、pMOSトランジスタP03、nMOSトランジスタN07、AND回路、OR回路およびインバータLI5を有している。pMOSトランジスタP03およびnMOSトランジスタN07は、メイン制御ゲート線MCGと負電圧スイッチ回路VMSWとの間に制御ゲート線CG0の接続ノードを介して直列に配置されている。例えば、トランジスタP03、N07およびインバータLI5は、耐圧が12VのCMOSプロセスを用いて形成されている。サブ制御ゲートドライバSCGDRVのその他の回路は、耐圧が2VのCMOSプロセスを用いて形成されている。
トランジスタP03のゲートは、インバータLI5を介してOR回路の出力に接続されている。インバータLI5は、図2に示したインバータLI1と同様にレベル変換機能を有している。OR回路は、読み出し信号RDと、プログラム信号PGMおよびロウデコード信号R00のAND論理とを受けている。トランジスタN07のゲートは、OR回路内のNORゲートの出力を受けている。
負電圧スイッチ回路VMSWは、消去信号ERSが高レベルのときに(消去動作が実行されるとき)、トランジスタN07のソースを負電圧線VM(−9V)に接続する。負電圧スイッチ回路VMSWは、消去信号ERSが低レベルのときに(消去動作が実行されていないとき)、トランジスタN07のソースを接地線に接続する。
サブ制御ゲートドライバSCGDRVは、読み出し信号RDが高レベルのときに、制御ゲート線CG0を読み出し電圧VRD(3V)に設定する。サブ制御ゲートドライバSCGDRVは、プログラム信号PGMが高レベルかつロウデコード信号R0が高レベルのときに、制御ゲート線CG0を高電圧VH(9V)に設定する。サブ制御ゲートドライバSCGDRVは、消去信号ERSが高レベルのときに、制御ゲート線CG0を負電圧VM(−9V)に設定する。サブ制御ゲートドライバSCGDRVは、読み出し信号RD、プログラム信号PGMおよび消去信号ERSが全て低レベルのときに、制御ゲート線CG0を接地電圧に設定する。制御ゲート線CGに供給される電圧は、図8に示す。
図4は、図1に示した選択ゲートドライバSGDRVの例を示している。選択ゲートドライバSGDRVは、複数のサブ選択ゲートドライバSSGDRVを有している。サブ選択ゲートドライバSSGDRVは、選択ゲート線SG(SG0−7)毎に形成されている。この例では、図2に示した3ビットのロウアドレス信号RAD0−2に対応して7本の選択ゲート線SG0−7を記載している。ロウアドレス信号RADが8ビットのとき、サブ選択ゲートドライバSSGDRVは、256個の選択ゲート信号SG0−255を生成する。サブ選択ゲートドライバSSGDRVは、互いに同じ回路のため、選択ゲート線SG0に接続されたサブ選択ゲートドライバSSGDRVのみを説明する。
サブ選択ゲートドライバSSGDRVは、pMOSトランジスタP04、nMOSトランジスタN08、N09およびNANDゲートを有している。pMOSトランジスタP04およびnMOSトランジスタN08、N09は、電源線VCCと接地線GNDとの間に選択ゲート線SG0の接続ノードを介して直列に配置されている。選択ゲート線SG0の接続ノードは、トランジスタP04、N08のドレインノードである。例えば、サブ選択ゲートドライバSSGDRVは、耐圧が2VのCMOSプロセスを用いて形成されている。
トランジスタP04、N08のゲートは、NANDゲートの出力に接続されている。NANDゲートは、読み出し信号RDおよびプログラム信号PGMのOR論理と、ロウデコード信号R0とを受けている。トランジスタN09のゲートは、消去信号ERSの反転信号を受けている。
サブ選択ゲートドライバSSGDRVは、読み出し信号RDが高レベルかつロウデコード信号R0が高レベルで、消去信号ERSが低レベルのときに、選択ゲート線SG0を電源電圧VCC(1.8V)に設定する。サブ選択ゲートドライバSSGDRVは、プログラム信号PGMが高レベルかつロウデコード信号R0が高レベルのときにも、選択ゲート線SG0を電源電圧VCC(1.8V)に設定する。サブ選択ゲートドライバSSGDRVは、読み出し信号RD、プログラム信号PGMおよび消去信号ERSが低レベルのとき、選択ゲート線SG0を接地電圧GND(0V)に設定する。サブ選択ゲートドライバSSGDRVは、読み出し信号RDおよびプログラム信号PGMが低レベルで、消去信号ERSが高レベルのときに、選択ゲート線SG0をフローティング状態に設定する。選択ゲート線SGに供給される電圧は、図8に示す。
図5は、図1に示したカラムデコーダCDEC、ビットドライバBLDRVおよびカラムスイッチCSWの例を示している。例えば、図5は、1つのデータ端子DQに対応する回路ブロックを示している。実際には、データ端子DQ毎に図5の回路が形成される。この例では、カラムアドレス信号CADが3ビット(CAD0−2)で、ビット線BLが7ビット(BL0−7)の例を示している。カラムデコーダCDECは、カラムアドレス信号CAD0−2の論理レベルを反転するインバータを有している。なお、実際の半導体メモリMEMでは、カラムアドレス信号CADは、例えば、6ビットであり、ビット線BLの数は64本である。
ビットドライバBLDRVは、pMOSトランジスタP05およびnMOSトランジスタN10を有している。pMOSトランジスタP05は、読み出し信号RDが高レベルときにビット線電圧VBL(1V)をグローバルビット線GBLに供給する。nMOSトランジスタN10は、プログラム電圧PGM1が高レベルのときに、接地電圧GND(0V)をグローバルビット線GBLに供給する。
カラムスイッチCSWは、グローバルビット線GBLからビット線BL0−7に向けて分岐する分岐線上に配置された複数のnMOSトランジスタを有している。nMOSトランジスタのゲートは、カラムアドレス信号CAD0−2またはカラムアドレス信号CADの反転信号を受けている。そして、グローバルビット線GBLは、カラムアドレス信号CAD0−2に応じて、ビット線BL0−7のいずれかに接続される。
図6は、図1に示した半導体メモリMEMが搭載されるシステムSYSの例を示している。システムSYS(ユーザシステム)は、例えば、携帯機器等のマイクロコンピュータシステムの少なくとも一部を構成する。なお、後述する実施形態においても、半導体メモリMEMは、図6と同じシステムSYSに搭載される。システムSYSは、シリコン基板上に複数のマクロが集積されたシステムオンチップSoCを有している。あるいは、システムSYSは、パッケージ基板上に複数のチップが積層されたマルチチップパッケージMCPを有している。あるいは、システムSYSは、リードフレーム等のパッケージ基板上に複数のチップが搭載されたシステムインパッケージSiPを有している。さらに、システムSYSは、チップオンチップCoCあるいはパッケージオンパッケージPoPの形態で構成されてもよい。
例えば、SoPは、CPU(コントローラ)、図1に示した半導体メモリMEM、ROM、RAMおよび周辺回路I/Oを有している。CPU、半導体メモリMEM、ROM、RAMおよび周辺回路I/Oは、システムバスSBUSにより互いに接続されている。CPUは、半導体メモリMEM、ROM、RAMおよび周辺回路I/Oをアクセスするとともにシステム全体の動作を制御する。半導体メモリMEMは、CPUからのアクセス要求に応じて、読み出し動作、プログラム動作および消去動作を実行する。なお、システムSYSの最小構成は、CPUと半導体メモリMEMである。
図7は、図1に示した半導体メモリMEMの動作を説明するためのメモリセルアレイARYの例を示している。メモリセルアレイARYは、マトリックス状の16個メモリセルMC(MC00−03、MC10−13、MC20−23、MC30−33)を有するとする。制御ゲート線CG0−3、選択ゲート線SG0−3およびソース線SL0−3は、図の横方向に並ぶメモリセルMCの列にそれぞれ共通に接続される。制御ゲート線CG0−3、選択ゲート線SG0−3およびソース線SL0−3は、2ビットのロウアドレス信号RAD0−1により選択される。ビット線BL0−3は、図の縦方向に並ぶメモリセルMCの列にそれぞれ共通に接続される。ビット線BL0−3は、2ビットのカラムアドレス信号CAD0−1により選択される。
図8は、図1に示した半導体メモリMEMが動作するときの電圧を示している。ここでは、説明を簡単にするために、図7に示したメモリセルアレイARYの動作を示す。読み出し動作RDおよびプログラム動作PGMでは、図7に太い破線枠で示したメモリセルMC12がアクセスされる。消去動作ERSでは、例えば、全てのメモリセルMC内のデータが論理1に消去される。
読み出し動作RDでは、全ての制御ゲート線CG0−3が読み出し電圧VRD(3V)に設定される。データを読み出すメモリセルMC12に接続された選択ゲート線SG1は、電源電圧VCC(1.8V)に設定される。データを読み出すメモリセルMC12に接続されたソース線SL1は、接地電圧GND(0V)に設定される。データを読み出すメモリセルMC12に接続されたビット線BL2は、ビット線電圧VBL(1V)に設定される。
データを読み出すメモリセルMC12に接続されていない選択ゲート線SG0、2−3およびソース線SL0、2−3は、接地電圧GNDに設定される。データを読み出すメモリセルMC12に接続されていないビット線BL0−1、3は、フローティング状態OPENに設定される。メモリトランジスタMTおよび選択トランジスタSTのチャネル領域であるp型ウエル領域PWELは、接地電圧GNDに設定される。
プログラム動作PGMでは、データをプログラムする読み出すメモリセルMC12に接続された制御ゲート線CG1が高電圧VH(9V)に設定される。データをプログラムするメモリセルMC12に接続された選択ゲート線SG1は、電源電圧VCCに設定される。データをプログラムするメモリセルMC12に接続されたソース線SL1は、電源電圧VCCに設定された後にソース電圧VSL(6V)に設定される。データをプログラムするメモリセルMC12に接続されたビット線BL2は、電源電圧VCCに対して選択トランジスタSTの閾値電圧Vthだけ低い電圧VCC−Vthに設定され、この後、接地電圧GNDに設定される。
データをプログラムするメモリセルMC12に接続されていない制御ゲート線CG0、2−3およびソース線SL0、2−3は、接地電圧GNDに設定される。データをプログラムするメモリセルMC12に接続されていない選択ゲート線SG0、2−3は、接地電圧GNDに設定される。データをプログラムするメモリセルMC12に接続されていないビット線BL0−1、3は、電圧VCC−Vthに設定される。この実施形態では、ビット線BL0−1、3の電圧VCC−Vthを、特別のプリチャージ回路等を設けることなく設定できる。ウエル領域PWELは、接地電圧GNDに設定される。
消去動作ERSでは、全ての制御ゲート線CG0−3は負電圧VMに設定され、全ての選択ゲート線SG0−3、ソース線SL0−3およびビット線BL0−3は、フローティング状態OPENに設定される。ウエル領域PWELは、高電圧VH(9V)に設定される。これにより、フローティングゲートにトラップされている電子がウエル領域PWEL(チャネル)に放出され、メモリセルMCの閾値電圧が下がる。すなわち、メモリセルMCに保持されたデータが論理1に書き換えられる。
なお、消去動作ERSを全てのメモリセルMCではなく、メモリセルMCの一部の領域(セクタとも称する)で実行するとき、所定数の制御ゲート線CG毎にウエル領域PWELを分割する。そして、消去動作ERSを実行するセクタに配線された制御ゲート線CGのみ負電圧VMが印加され、消去動作ERSを実行するセクタ内のウエル領域PWELのみに高電圧VHが印加される。
図9は、図1に示した半導体メモリMEMの読み出し動作の例を示している。読み出し動作は、図6に示したCPUが読み出しコマンドREADおよびアドレス信号AD(RAD、CAD)を半導体メモリMEMに供給することで実行される。この例では、ロウアドレス信号RADは、図7に示した制御ゲート線CG1、選択ゲート線SG1およびソース線SL1を示し、カラムアドレスCADは、ビット線BL2を示す。これにより、図7および図8に示したように、メモリセルMC12に保持されているデータが読み出される。
図1に示したコマンドレジスタ14は、読み出しコマンドREADに応答して、読み出し信号RDを高レベルに設定する(図9(a))。選択ゲートドライバSGDRVは、読み出し信号RDおよびワードデコーダWDECからのロウデコード信号に応じて、選択ゲート線SG1を高レベル(1.8V)に設定し、選択ゲート線SG0、2−3を低レベルLに保持する(図9(b、c))。制御ゲートドライバCGDRVは、読み出し信号RDに応じて、全ての制御ゲート線CG0−3(3V)を高レベルに設定する(図9(d、e))。制御ゲート線CG0−3の駆動に、ロウアドレス信号RADのデコードが不要なため、制御ゲート線CG0−3は、選択ゲート線SG1に比べて早く高レベルに変化する。
ソースドライバSLDRVは、ソース線SL0−3を低レベルLに保持する(図9(f))。ビットドライバBLDRVは、読み出し信号RDおよびカラムデコーダCDECからのカラムデコード信号に応じて、ビット線BL2を高レベル(1V)に設定し、ビット線BL0−1、3を低レベルLに保持する(図9(g、h))。
メモリセルMC12のメモリトランジスタMTの閾値電圧が低いとき(消去状態)、メモリトランジスタMTは、制御ゲート線CG1の高レベルによりオンする。選択トランジスタSTは、選択ゲート線SG1の高レベルによりオンする。このため、メモリセルMC12を介してビット線BL2からソース線SL1に電流が流れる。一方、メモリセルMC12のメモリトランジスタMTの閾値電圧が高いとき(プログラム状態)、メモリトランジスタMTはオンされない。このため、ビット線BL2からソース線SL1に電流は流れない。
図5に示したカラムスイッチCSWは、カラムアドレス信号CADに応じてビット線BL2をグローバルビット線GBLに接続する。図1に示したセンスアンプSAは、グローバルビット線GBLに流れる電流の値に応じて、メモリセルMC12に保持されているデータの論理を判定する。センスアンプSAは、判定した論理値(論理1または論理0)をデータバスDBに出力する(図9(i))。データ入出力バッファ10は、データバスDBから供給されるデータを読み出しデータDOUTとしてデータ端子DQに出力する(図9(j))。
ロウアドレス信号RADをデコードすることなく、制御ゲート線CG0−3を駆動できるため、動作速度が遅いメモリトランジスタMTに高レベルの制御ゲート信号CG0−3を迅速に供給できる。読み出し動作を実行するメモリセルMCは、動作速度が速い選択トランジスタSTにより選択される。これにより、ビット線BL2からソース線SL1にメモリセル電流が流れ始めるタイミングを早くでき、読み出しデータDOUTを早く出力できる。すなわち、読み出し動作時間を短縮できる。
図10は、図9に示した読み出し動作時のメモリセルアレイARYの状態を示している。上述したように、高レベルの制御ゲート線CG1、選択ゲート線SG1およびビット線BL2によりメモリセルMC12が選択される。そして、メモリセルMC12に流れるメモリセル電流(図の太い矢印)の量に応じて、メモリセルMC12に保持されているデータの論理が判定される。
図11は、図1に示した半導体メモリMEMのプログラム動作の例を示している。プログラム動作は、図6に示したCPUがプログラムコマンドPROG、アドレス信号AD(RAD、CAD)および書き込みデータDQ(論理0のDIN)を半導体メモリMEMに供給することで実行される。この例では、ロウアドレス信号RADは、図7に示した制御ゲート線CG1、選択ゲート線SG1およびソース線SL1を示し、カラムアドレスCADは、ビット線BL2を示す。これにより、図7および図8に示したように、メモリセルMC12がプログラムされる。
図1に示したコマンドレジスタ14は、プログラムコマンドPROGに応答して、プログラム信号PGMを高レベルに設定する(図11(a))。選択ゲートドライバSGDRVは、プログラム信号PGMおよびワードデコーダWDECからのロウデコード信号に応じて、選択ゲート線SG1を高レベル(1.8V)に設定し、選択ゲート線SG0、2−3を低レベルLに保持する(図11(b、c))。制御ゲートドライバCGDRVは、プログラム信号PGMおよびワードデコーダWDECからのロウデコード信号に応じて、制御ゲート線CG1を高レベル(9V)に設定し、制御ゲート線CG0、2−3を低レベルLに保持する(図11(d、e))。制御ゲート線CG1が接続されるメモリトランジスタMTは、耐圧を高くするためにゲート絶縁膜が厚く、負荷容量が大きい。このため、制御ゲート線CG1の電圧は、選択ゲート線SG1の電圧に比べて緩やかに上昇する。
ソースドライバSLDRVは、プログラム信号PGMおよびワードデコーダWDECからのロウデコード信号に応じて、ソース線SL1を高レベル(VCC=1.8V)に設定する(図11(f))。高レベルの選択ゲート線SG1および高レベルの制御ゲート線CG1により、メモリセルMC10−13の選択トランジスタSTおよびメモリトランジスタMTはオンする。これにより、全てのビット線BL0−3は、ソース線SL1の電圧に対して、選択トランジスタSTの閾値電圧Vth(例えば、0.3V)だけ低い電圧(1.8V−Vth)にプリチャージされる(図11(g、h))。ビット線BL0−3に示した破線は、フローティング状態を示している。ソース線SL1の高レベルを、選択ゲート線SG1の高レベルと同じ電源電圧VCCにすることで、電圧生成回路18が生成する内部電圧の種類を少なくできる。この結果、半導体メモリMEMの回路規模を小さくできる。プログラム信号PGMが高レベルに変化してから所定時間後に(例えば、10ns後)、プログラム信号PGM1が高レベルに変化する(図11(i))。
図5に示したカラムスイッチCSWは、カラムアドレス信号CADに応じてビット線BL2をグローバルビット線GBLに接続する。プログラム信号PGM1の高レベルの変化により、グローバルビット線GBLが低レベル(0V)に設定され、プログラムされるメモリセルMCに接続されたビット線BL2が低レベル(0V)に設定される(図11(j))。他のビット線BL0−1、3は、グローバルビット線GBLに接続されていないため、1.8V−Vthに保持される(図11(k))。プログラム信号PGM1の高レベルの変化により、ソース線SL1が高レベル(6V)に設定される(図11(l))。これにより、ソース線SL1からビット線BL1に電流が流れ、メモリセルMC12のメモリトランジスタMTのチャネル領域にホットエレクトロンが発生する。ホットエレクトロンは、制御ゲート線CG1の高レベルにより、メモリセルMC12のメモリトランジスタMTのフローティングゲートに注入され、蓄積される。そして、メモリセルMC12のメモリトランジスタMTの閾値電圧が上昇する。
ソース線SL1が高レベル(6V)に設定されているとき、プログラム動作に関与しないビット線BL0−1、3は、1.8V−Vthに保持されている。メモリセルMC10−11、13の選択トランジスタSTのゲートには、1.8Vの選択ゲート信号SG1が供給されている。このため、メモリセルMC10−11、13の選択トランジスタSTはオンしない。メモリセルMC10−11、13のメモリトランジスタMTのチャネル領域に電流は流れない。したがって、プログラムされるメモリセルMC12と同じ制御ゲート線CG1に接続されたメモリセルMC10−11、13(プログラムされないメモリセル)のメモリトランジスタMTの閾値電圧が上昇することを防止できる。すなわち、プログラム動作時に、プログラムに関与しないメモリセルMCの電気的特性が変化するディスターブを防止できる。
なお、ソース線SL1に電源電圧VCC(1.8V)を供給する期間は、ビット線BL0−3を電圧VCC−Vthにプリチャージするために必要な期間である。この条件が満足できれば、ソース線SL1を電源電圧に設定するタイミングは、制御ゲート信号CG1および選択ゲート信号SG1の立ち上がりエッジより前でもよく、後でもよい。但し、ソース線SL1を電源電圧に設定するタイミングを、制御ゲート信号CG1および選択ゲート信号SG1の立ち上がりエッジに合わせることで、制御信号の数を少なくできる。この結果、半導体メモリMEMの回路規模を小さくできる。
図12は、図11に示したプログラム動作時のメモリセルアレイARYの状態を示している。上述したように、高レベルのビット線BL2と高レベルの選択ゲート線SG1によりメモリセルMC12が選択される。そして、メモリセルMC12を介して流れる電流(図の太い矢印)により、メモリセルMC12のメモリトランジスタMTのチャネル領域にホットキャリアが発生し、メモリセルMC12に論理0がプログラムされる。
以上、この実施形態では、プログラム動作において、制御ゲート線CG1および選択ゲート線SG1が高レベルに設定されている間に、ソース線SL1をソース電圧VSL(6V)に設定する前に、一時的にソース電圧VSLより低い電圧に設定する。例えば、ソース電圧VSLより低い電圧は、選択ゲート線SG1の高レベルと同じ電源電圧VCC(1.8V)である。これにより、特別の回路を設けることなく、プログラムされないメモリセルMCに接続されているビット線BL0−1、3をプリチャージできる。プログラムされないメモリセルMCのメモリトランジスタMTに電流が流れることを防止できるため、プログラムされないメモリセルに保持されているデータが破壊されることを防止できる。ビット線BL0−3に余分な負荷を接続することなく、プログラムされないメモリセルMCに接続されたビット線BL0−1、3をプリチャージできるため、メモリセルMCの動作速度が遅くなることを防止できる。
図13は、別の実施形態の半導体メモリMEMにおけるカラムデコーダCDEC、ビットドライバBLDRVおよびカラムスイッチCSWの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。例えば、半導体メモリMEMは、NORタイプのフラッシュメモリである。半導体メモリMEMは、クロックに同期して動作してもよく、クロックに非同期で動作してもよい。半導体メモリMEMは、カラムデコーダCDECおよびカラムスイッチCSWが図5に示した回路と相違している。その他の構成は、図1から図5と同じである。例えば、図13は、1つのデータ端子DQに対応する回路ブロックを示している。この例では、カラムアドレス信号CADが3ビット(CAD0−2)で、ビット線BLが7ビット(BL0−7)の例を示している。
カラムデコーダCDECは、カラムアドレス信号CAD0−2またはカラムアドレス信号CAD0−2の反転信号を受けるAND回路を有している。AND回路は、カラムアドレス信号CAD0−2に応じてカラムデコード信号C0−C7のいずれかを高レベルに設定する。なお、実際の半導体メモリMEMでは、カラムアドレス信号CADは、例えば、6ビットである。カラムデコーダCDECは、64本のカラムデコード信号C0−C63を出力する。
カラムスイッチCSWは、ビット線BL0−7とグローバルビット線GBLとの間にそれぞれ配置された複数のnMOSトランジスタを有している。nMOSトランジスタのゲートは、カラムデコード信号C0−C7を受けている。そして、グローバルビット線GBLは、カラムアドレス信号CAD0−2に応じて、ビット線BL0−7のいずれかに接続される。以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
図14は、別の実施形態における半導体メモリMEMの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。例えば、半導体メモリMEMは、NORタイプのフラッシュメモリである。半導体メモリMEMは、クロックに同期して動作してもよく、クロックに非同期で動作してもよい。この実施形態の半導体メモリMEMは、図1に示したメモリコア22の代わりにメモリコア22Aを有している。メモリコア22Aは、図1に示したメモリコア22にプリチャージ回路PREを追加している。半導体メモリMEMのその他の構成は、図1から図5と同じである。
図15は、図14に示したカラムデコーダCDEC、ビットドライバBLDRV、カラムスイッチCSWおよびプリチャージ回路PREの例を示している。例えば、図15は、1つのデータ端子DQに対応する回路ブロックを示している。カラムデコーダCDEC、ビットドライバBLDRVおよびカラムスイッチCSWは、図5と同じである。
プリチャージ回路PREは、電源線VCCとビット線BL0−7の間にそれぞれ配置されたpMOSトランジスタ(プリチャージトランジスタ)を有している。プリチャージトランジスタのゲートは、共通のプリチャージ信号PCCを受けている。プリチャージ信号PCCは、プログラムコマンドPROGに応答して所定の期間、低レベルに活性化される。プログラムコマンドPROGが低レベルに活性化されている間、プリチャージトランジスタがオンし、ビット線BL0−7はプリチャージ電圧VCCに設定される。プリチャージ信号PCCは、コマンドレジスタ14により生成されてもよく、プログラムコマンドPROGに応答してプリチャージ回路PRE内で生成されてもよい。
図16は、図14に示した半導体メモリMEMのプログラム動作の例を示している。図11と同じ動作については、詳細な説明を省略する。この例では、図7および図8に示したように、メモリセルMC12が論理0にプログラムされる。プリチャージ信号PCCは、ソース線SL1が電源電圧VCC(1.8V)に設定される前に低レベルに活性化される(図16(a))。プリチャージ信号PCCが低レベルの期間、図15に示したプリチャージトランジスタがオンし、全てのビット線BL0−7は、電源電圧VCC(1.8V;プリチャージ電圧)にプリチャージされる(図16(b))。ビット線BLをプリチャージ電圧に設定することで、プログラムされないメモリセルMCの選択トランジスタSTがオンすることを防止できる。これにより、メモリトランジスタMTのチャネル領域に電流が流れることを防止できる。プログラムされないメモリセルMCの選択トランジスタSTがオンしないために、プリチャージ電圧は、選択ゲート線SG1の高レベル(1.8V)から選択トランジスタSTの閾値電圧Vth(例えば、0.3V)を引いた値以上であればよい。
この例では、プリチャージ信号PCCは、選択ゲート線SG1および制御ゲート線CG1が高レベルに変化する前に高レベルに非活性化される。しかし、図中に破線で示したように、プリチャージ信号PCCは、選択ゲート線SG1および制御ゲート線CG1が高レベルに変化した後、ソース線SL1がソース電圧VSL(6V)に設定される前に非活性化してもよい(図16(c))。その他の動作は、ビット線BL0−7のプリチャージ電圧が1.8Vであることを除き、図11と同じである。
以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、図15に示したプリチャージトランジスタは、ソース線SL1がソース電圧VSL(6V)に設定する前に一時的に活性化される共通のプリチャージ信号PCCにより、同時にオンする。これにより、アドレス信号をデコードすることなく、プログラムされないメモリセルMCに接続されたビット線BLをプリチャージできる。すなわち、プログラムされないメモリセルMCに接続されたビット線BLを、簡易な回路でプリチャージできる。
図17は、別の実施形態における半導体メモリMEMのプログラム動作の例を示している。この例では、ソース線SL1は、選択ゲート線SG1および制御ゲート線CG1が高レベルに変化する前に電源電圧VCC(1.8V)に設定される(図17(a))。例えば、半導体メモリMEMは、プログラム信号PGMより僅かに早く生成されるプログラム信号PGM0に応答してソース線SL1を電源電圧VCCに設定する。プログラム信号PGM0は、コマンドレジスタ14により生成される。図2に示したサブソースドライバSSLDRVは、プログラム信号PGMの代わりにプログラム信号PGM0を受ける。半導体メモリMEMのその他の構成は、図14と同じである。すなわち、半導体メモリMEMは、NORタイプのフラッシュメモリである。半導体メモリMEMは、クロックに同期して動作してもよく、クロックに非同期で動作してもよい。
この実施形態では、ソース線SL1が低レベルの期間に、選択ゲート線SG1および制御ゲート線CG1が高レベルに変化することを確実に防止できる。したがって、プリチャージ回路PREによりプリチャージされたビット線BLの電荷が、低レベルのソース線SL1に抜けることを防止できる。すなわち、プログラムされないメモリセルMCのメモリトランジスタMTのチャネル領域に電流が流れることを防止できる。この結果、プログラムされないメモリセルに保持されているデータが破壊されることを防止できる。以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
図18は、別の実施形態の半導体メモリMEMにおけるカラムデコーダCDEC、ビットドライバBLDRVおよびカラムスイッチCSWの例を示している。上述した実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。例えば、半導体メモリMEMは、NORタイプのフラッシュメモリである。半導体メモリMEMは、クロックに同期して動作してもよく、クロックに非同期で動作してもよい。半導体メモリMEMは、図5に示したカラムデコーダCDECおよびカラムスイッチCSWの代わりに、図13に示したカラムデコーダCDECおよびカラムスイッチCSWを有している。また、半導体メモリMEMは、図15に示したプリチャージ信号PREを有している。その他の構成は、図1から図5と同じである。例えば、図17は、1つのデータ端子DQに対応する回路ブロックを示している。この例では、カラムアドレス信号CADが3ビット(CAD0−2)で、ビット線BLが7ビット(BL0−7)の例を示している。以上、この実施形態においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
一実施形態における半導体メモリを示している。 図1に示したワードデコーダおよびソースドライバの例を示している。 図1に示した制御ゲートドライバの例を示している。 図1に示した選択ゲートドライバの例を示している。 図1に示したカラムデコーダ、ビットドライバおよびカラムスイッチの例を示している。 図1に示した半導体メモリが搭載されるシステムの例を示している。 図1に示した半導体メモリの動作を説明するためのメモリセルアレイの例を示している。 図1に示した半導体メモリが動作するときの電圧を示している。 図1に示した半導体メモリの読み出し動作の例を示している。 図9に示した読み出し動作時のメモリセルアレイの状態を示している。 図1に示した半導体メモリのプログラム動作の例を示している。 図11に示したプログラム動作時のメモリセルアレイの状態を示している。 別の実施形態の半導体メモリにおけるカラムデコーダ、ビットドライバおよびカラムスイッチの例を示している。 図14に示した半導体メモリのプログラム動作の例を示している。 図14に示したカラムデコーダ、ビットドライバ、カラムスイッチおよびプリチャージ回路の例を示している。 図14に示した半導体メモリのプログラム動作の例を示している。 別の実施形態における半導体メモリのプログラム動作の例を示している。 別の実施形態の半導体メモリにおけるカラムデコーダ、ビットドライバおよびカラムスイッチの例を示している。
符号の説明
10‥データ入出力バッファ;12‥コマンドバッファ;14‥コマンドレジスタ;16‥アドレスバッファ;18‥電圧生成回路;20‥ウエルスイッチ;22、22A‥メモリコア;ARY‥メモリセルアレイ;BL‥ビット線;BLDRV‥ビットドライバ;CDEC‥カラムデコーダ;CG‥制御ゲート線;CGDRV‥制御ゲートドライバ;CGV‥制御電圧供給回路;CSW‥カラムスイッチ;MC‥メモリセル;MEM‥半導体メモリ;MT‥メモリトランジスタ;PRE‥プリチャージ回路;SA‥センスアンプ;SCGDRV‥サブ制御ゲートドライバ;SG‥選択ゲート線;SGDRV‥選択ゲートドライバ;SL‥ソース線;SLDRV‥ソースドライバ;SLV‥ソース電圧供給回路;SSGDRV‥サブ選択ゲートドライバ;SSLDRV‥サブソースドライバ;ST‥選択トランジスタ;SYS‥システム;WDEC‥ワードデコーダ

Claims (8)

  1. 電子を蓄積するメモリトランジスタと、前記メモリトランジスタに接続された選択トランジスタとを有する複数のメモリセルと、
    前記メモリトランジスタのゲートに共通に接続された制御ゲート線と、
    前記選択トランジスタのゲートに共通に接続された選択ゲート線と、
    前記メモリセルに共通に接続されたソース線と、
    前記メモリセルにそれぞれ接続されたビット線と、
    前記メモリセルのプログラム動作において、前記制御ゲート線および前記選択ゲート線をそれぞれ高レベルに設定する第1ドライバ回路と、
    前記プログラム動作において、前記ソース線を第1高レベルに設定し、前記制御ゲート線および前記選択ゲート線が高レベルに設定されている間に、前記ソース線を前記第1高レベルより高い第2高レベルに設定する第2ドライバと、
    前記ソース線が第1高レベルに設定された後に、プログラムするメモリセルに接続された前記ビット線を低レベルに設定する第3ドライバと
    を備えていることを特徴とする半導体メモリ。
  2. 請求項1記載の半導体メモリにおいて、
    前記ビット線をプリチャージ電圧に設定するために、前記ビット線とプリチャージ電圧線との間に配置され、共通のプリチャージ信号の活性化中にオンするプリチャージ回路と、
    前記ソース線が第1高レベルに設定される前に、前記共通のプリチャージ信号を活性化するプリチャージ制御回路と
    を備えていることを特徴とする半導体メモリ。
  3. 請求項2記載の半導体メモリにおいて、
    前記プリチャージ電圧は、前記選択ゲート線の高レベルから前記選択トランジスタの閾値電圧を引いた値以上であることを特徴とする半導体メモリ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の半導体メモリにおいて、
    前記第3ドライバと前記ビット線との間に配置され、アドレス信号に応じて、前記第3ドライバを前記ビット線のいずれかに接続するカラムスイッチを備えていることを特徴とする半導体メモリ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の半導体メモリにおいて、
    前記第1高レベルは、前記選択ゲート線の高レベルと同じ値であることを特徴とする半導体メモリ。
  6. 電子を蓄積するメモリトランジスタと、前記メモリトランジスタに接続された選択トランジスタとを有する複数のメモリセルと、前記メモリトランジスタのゲートに共通に接続された制御ゲート線と、前記選択トランジスタのゲートに共通に接続された選択ゲート線と、前記メモリセルに共通に接続されたソース線と、前記メモリセルにそれぞれ接続されたビット線とを備えた半導体メモリの動作方法であって、
    前記メモリセルのプログラム動作において、
    前記制御ゲート線および前記選択ゲート線をそれぞれ高レベルに設定し、
    前記ソース線を第1高レベルに設定し、前記制御ゲート線および前記選択ゲート線が高レベルに設定されている間に、前記ソース線を前記第1高レベルより高い第2高レベルに設定し、
    前記ソース線が第1高レベルに設定された後に、プログラムするメモリセルに接続された前記ビット線を低レベルに設定することを特徴とする半導体メモリの動作方法。
  7. 請求項6記載の半導体メモリの動作方法において、
    前記ビット線をプリチャージ電圧に設定するために、前記ビット線とプリチャージ電圧線との間に配置されたプリチャージ回路を、少なくとも前記ソース線が第1高レベルに設定される前にオンすることを特徴とする半導体メモリの動作方法。
  8. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の半導体メモリと、
    前記半導体メモリをアクセスするコントローラと
    を備えたことを特徴とするシステム。
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