JP5135839B2 - プロピレンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エタノールおよび/またはエチレンを、触媒の存在下、反応器中で接触させてプロピレンを製造する方法に関する。
本発明はまた、製造されたプロピレンを用いてポリプロピレンを製造する方法に関する。
プロピレンを製造する方法としては、従来からナフサのスチームクラッキングや減圧軽油の流動接触分解が一般的に実施されており、近年では、エチレンと2−ブテンを原料としたメタセシス反応や、メタノールおよび/またはジメチルエーテルを原料としたMTOプロセスも注目を浴びている(特許文献1)。
一方、環境負荷の小さいポリマーとして、植物由来の原料を用いたものが最近注目され、いくつかのポリマーは市場にも出ているが、汎用樹脂であるポリプロピレンは主に原油を原料としたプロピレンから製造されている。プロピレンを植物由来の原料(バイオエタノール)を用いて製造することができれば環境負荷低減の効果は非常に大きいことが予想される。
米国特許第4148835号
特許文献1の請求項には、原料として炭素数1〜4のアルコールを使用するとの記載があり、原料はメタノールに限定されていないが、その実施例で具体的に開示されているアルコールはメタノールのみであり、エタノールを原料とした実施例は記載されていない。
本発明者らがMTO用の触媒として一般的に知られているアルミノシリケートであるZSM−5やシリコアルミノホスフェートであるSAPO−34を触媒として用い、エタノールを原料とした転化反応を実施したところ、原料のエタノールが直ちに脱水されてしまいエチレンを生成することが判明した。そして、一旦、エチレンが生成してしまうと、その後の反応は非常に遅く、プロピレンの収率が非常に低いことが分かった。これに対して、メタノールを原料とした場合は、メタノールからエチレン等のオレフィンが生成し、生成したエチレンと原料のメタノールが反応しプロピレンを効率よく生成することが可能であり、これは上記特許文献1で検証されている。
前述の如く、プロピレンを植物由来の原料(バイオエタノール)を用いて製造することができれば、環境負荷低減の効果は非常に大きいことが予想されるが、従来、エタノールを原料としてプロピレンを製造する方法は、十分に検討されておらず、エタノールを原料として高収率でプロピレンを製造する方法の確立が望まれていた。
本発明は、エタノールおよび/またはエチレンから高収率でプロピレンを得る方法を提供することを課題とする。本発明はまた、この方法で製造されたプロピレンからポリプロピレンを製造する方法を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の物性を有する触媒を使用することにより、エタノールおよび/またはエチレンから非常に高い収率でプロピレンを製造することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の第1の要旨は、エタノールおよび/またはエチレンを、反応器中で触媒と接触させてプロピレンを製造する方法において、前記触媒が、0.5nm未満、かつ8員環または9員環の細孔径を有するアルミノシリケートを触媒活性成分として含有することを特徴とするプロピレンの製造方法、に存する。
本発明の第の要旨は、上記方法において、アルミノシリケートの構造がCHAであることを特徴とするプロピレンの製造方法、に存する。
本発明の第の要旨は、上記方法において、アルミノシリケートのSiO/Alモル比が5以上であることを特徴とするプロピレンの製造方法、に存する。
本発明の第の要旨は、上記方法において、流動床反応器と再生器を備えた設備にて、触媒を連続的に再生しながらプロピレンの製造を行うことを特徴とするプロピレンの製造方法、に存する。
本発明の第の要旨は、上記方法において、エタノールおよび/またはエチレンの転化率(エタノールおよび/またはエチレンから、エタノールとエチレン以外の化合物への転化率)が20%以上80%以下となるような条件で反応を行うことを特徴とするプロピレンの製造方法、に存する。
本発明の第の要旨は、上記方法において、反応器出口ガス中に含まれるエチレンの少なくとも一部を反応器にリサイクルすることを特徴とするプロピレンの製造方法、に存する。
本発明の第の要旨は、上記のプロピレンの製造方法で製造されたプロピレンを原料としてポリプロピレンを製造することを特徴とするポリプロピレンの製造方法、に存する。
本発明によれば、エタノールおよび/またはエチレンから高収率でプロピレンを製造することができる。
従って、本発明によれば、汎用樹脂であるポリプロピレンを、植物由来の原料であるバイオエタノールを用いて製造したプロピレンから製造することにより、環境負荷の低減を図ることができる。
以下に、本発明を実施するための代表的な態様を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の態様に限定されるものではない。
[触媒]
<触媒活性成分>
まず、本発明で用いる触媒について説明する。
本発明で用いる触媒は、細孔径が0.5nm未満のアルミノシリケートを触媒活性成分とするものである。ここで言う細孔径とは、International Zeolite Association(IZA)が定める結晶学的なチャネル直径(Crystallographic free diameter of the channels)を示し、ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORKTYPES FIFTH RIVISED EDITION 2001(ELSEVIER)に記載されている。しかして、細孔径が0.5nm未満とは、細孔(チャネル)の形状が真円形の場合は、その直径が0.5nm未満であることをさすが、細孔の形状が楕円形の場合は、短径が0.5nm未満であることを意味する。
アルミノシリケートの細孔径が0.5nm以上であると、プロピレン以外の副生成物(ブテン、ペンテン等)が多くなるという不都合が生じ、エタノールおよび/またはエチレンから高収率でプロピレンを製造することはできない。細孔径が0.5nm未満のアルミノシリケートを用いることにより、エタノールおよび/またはエチレンから高収率でプロピレンを製造することができることの作用機構の詳細は明らかではないが、強い酸点の発現によりエタノールやエチレンを活性化することができ、また、小さい細孔径によりプロピレンを選択的に生成させることができることによると考えられる。即ち、径0.5nm未満のように小さい細孔であると、目的物であるプロピレンはこの細孔から出てくることができるが、副生成物であるブテンやペンテン等は、分子が大きすぎるために細孔内にとどまったままになっていることが推定される。このようなメカニズムでプロピレンの選択率が改善されると考えられる。
なお、アルミノシリケートの細孔径の下限については特に制限はない。
このようなアルミノシリケートの構造としては通常、8員環または9員環を含むものが好ましく、8員環のみで構成されているものがより好ましい。
8員環のみで構成されているアルミノシリケートとしては、International Zeolite Association(IZA)が規定するコードで表すと、例えば、AFX、CAS,CHA、DDR、ERI、ESV、GIS、GOO、ITE、JBW、KFI、LEV、LTA、MER、MON、MTF、PAU、PHI、RHO、RTE、RTH、等が挙げられる。これらの構造を有するアルミノシリケートは公知の情報に基づき合成することが可能であり、例えばUS4544538AにはCHA構造(IZAが定める結晶学的なチャネル直径が0.38nm)を有するアルミノシリケートの合成法が開示されている。
その中でも、フレームワーク密度が18.0T/nm以下であるアルミノシリケートが好ましく、さらに好ましくは、AFX、CHA、DDR、ERI、LEV、RHOを例示することができる。もっとも好ましくはCHAである。
ここでフレームワーク密度(単位:T/nm)とは、ゼオライトの単位体積(1nm)当たりに存在するT原子(ゼオライトの骨格を構成する原子のうち、酸素以外の原子)の個数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まるものである。
触媒活性成分としてのアルミノシリケートのSiO/Alモル比は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10以上である。SiO/Alモル比が低すぎると触媒の耐久性が低下するため好ましくない。SiO/Alのモル比の上限は通常1000以下である。SiO/Alのモル比がこれより高すぎると触媒活性が低下してしまうため好ましくない。上記モル比は、蛍光X線や化学分析法などの常法により求めることができる。
上記触媒活性成分は、そのまま触媒として反応に用いても良いし、反応に不活性な物質やバインダーを用いて、造粒・成型して、或いはこれらを混合して反応に用いても良い。該反応に不活性な物質やバインダーとしては、アルミナまたはアルミナゾル、シリカ、シリカゲル、石英、およびそれらの混合物等が挙げられる。
なお、上記した触媒活性成分の組成は、これらの反応に不活性な物質やバインダー等を含まない触媒活性成分のみの組成である。しかして、本発明に係る触媒とは、これらの反応に不活性な物質やバインダー等を含む場合は、前述の触媒活性成分とこれらの反応に不活性な物質やバインダー等とを合わせて触媒と称し、これらの反応に不活性な物質やバインダー等を含まない場合は、触媒活性成分のみで触媒と称す。
触媒の粒径は合成時の条件により異なるが、通常、平均粒径として0.01μm〜500μmである。触媒の粒径が大き過ぎると、触媒活性を示す表面積が小さくなり、小さ過ぎると取り扱い性が劣るものとなり、いずれの場合も好ましくない。この平均粒径は、SEM観察等により求めることができる。
<触媒の調製方法>
本発明で用いる触媒の調製方法は特に限定されず、一般的に水熱合成と呼ばれる公知の方法により調製することが可能である。また、水熱合成後にイオン交換、脱アルミニウム処理、含浸や担持などの修飾により組成を変えることも可能である。
本発明で使用する触媒は、反応に供する際に、上記物性、更には組成を有しているものであれば良く、いずれの方法によって調製されたものであっても良い。
[反応原料]
次に、本発明で反応原料とするエタノール、エチレン等について説明する。
<エタノール>
反応の原料に用いるエタノールとしては、特に限定されるものではない。例えば、エチレンの水和反応により製造されるもの、合成ガスから製造されるもの、植物由来の多糖類を原料として発酵により製造されるもの等の、公知の各種方法により得られるものを任意に用いることができ、このとき各製造方法に起因する化合物(特に水)が任意に混合した状態のものをそのまま用いても良いし、精製したエタノールを用いても良い。
<エチレン>
反応の原料に用いるエチレンとしては、特に限定されるものではない。例えば、石油供給原料から接触分解法または蒸気分解法等により製造されるもの、石炭のガス化により得られる水素/CO混合ガスを原料としてFT(フィッシャートロプシュ)合成を行うことにより得られるもの、エタンの脱水素法または酸化脱水素法により得られるもの、プロピレンのメタセシス反応およびホモロゲーション反応により得られるもの、MTO反応によって得られるもの、エタノールの脱水反応によって得られるもの等の公知に各種方法により得られるものを任意に用いることができ、このとき各製造方法に起因するエチレン以外の化合物が任意に混合した状態のものをそのまま用いても良いし、精製したエチレンを用いても良い。
また、本発明の方法によりプロピレンを製造する際、反応器出口ガス中に含まれるエチレンをリサイクルして用いても良い。
<その他の原料>
本発明において、反応原料中には、上記エタノールやエチレンの他に、炭素数4以上のオレフィンが存在していても良い。炭素数4以上のオレフィンとしては特に限定されないが、例えば、本発明の方法によりプロピレンを製造する際、反応器出口ガス中に含まれるオレフィンをリサイクルして用いても良い。炭素数4以上のオレフィンの一部はプロピレンに変換されるため、このように反応器出口ガス中のオレフィンをリサイクルすることにより、プロピレンの一貫収率を向上させることができる。
また、エタノール以外の含酸素化合物が存在しても良い。エタノール以外の含酸素化合物としては、例えばメタノールやジメチルエーテルが挙げられる。
[反応操作・条件]
以下に、前述の触媒および反応原料を用いる本発明のプロピレン製造反応の操作・条件について説明する。
(1)反応方法
(反応器)
本発明において、用いる反応器の形態に特に制限はないが、通常連続式の固定床反応器や流動床反応器が選ばれる。好ましくは流動床反応器である。
なお、流動床反応器に前述の触媒を充填する際、触媒層の温度分布を小さく抑えるために、石英砂、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ等の反応に不活性な粒状物を、触媒と混合して充填しても良い。この場合、石英砂等の反応に不活性な粒状物の使用量は特に制限はない。なお、この粒状物は、触媒との均一混合性の面から、触媒と同程度の粒径であることが好ましい。
反応器には、反応に伴う発熱を分散させることを目的に、反応基質(反応原料)を分割して供給しても良い。
流動床反応器を選択する場合、反応器に対して触媒の再生器を付設し、反応器から抜き出した触媒を連続的に再生器に送り、再生器において再生された触媒を連続的に反応器に戻しながら反応を行うことが好ましい。
ここで、触媒の再生器としては、反応器から導入された触媒を、酸素を含有した窒素ガスや水蒸気などで処理することにより再生するものが挙げられる。
(基質濃度)
反応器に供給する全供給成分中のエタノールおよび/またはエチレンの濃度(即ち、基質濃度)に関して特に制限はないが、エタノールとエチレンの和は全供給成分中、90モル%以下が好ましい。さらに好ましくは5モル%以上70モル%以下である。この基質濃度が高すぎると芳香族化合物やパラフィン類の生成が顕著になり、プロピレンの収率が低下する傾向がある。基質濃度が低すぎると、反応速度が遅くなるため、多量の触媒が必要となり、反応器が大きくなりすぎる傾向がある。
従って、このような基質濃度となるように、必要に応じて以下に記載する希釈剤でエタノールおよび/またはエチレンを希釈することが好ましい。
(希釈剤)
反応器内には、エタノールおよび/またはエチレンの他に、ヘリウム、アルゴン、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水、パラフィン類、メタン等の炭化水素類、芳香族化合物類、および、それらの混合物など、反応に不活性な気体を存在させることができるが、この中でも水(水蒸気)が共存しているのが好ましい。
このような希釈剤としては、反応原料に含まれている不純物をそのまま使用しても良いし、別途調製した希釈剤を反応原料と混合して用いても良い。
また、希釈剤は反応器に入れる前に反応原料と混合しても良いし、反応原料とは別に反応器に供給しても良い。
(2)反応条件
(空間速度)
ここで言う空間速度とは、触媒(触媒活性成分)の重量当たりの反応原料であるエタノールおよび/またはエチレンの流量であり、ここで触媒の重量とは触媒の造粒・成型に使用する不活性成分やバインダーを含まない触媒活性成分の重量である。また、流量はエタノールおよび/またはエチレンの合計(即ち、エタノールとエチレンを用いる場合はその合計)の流量(重量/時間)である。
空間速度は、0.01Hr−1から500Hr−1の間が好ましく、0.1Hr−1から100Hr−1の間がさらに好ましい。空間速度が高すぎると反応器出口ガス中のエチレンが多くなり、プロピレン収率が低くなるため好ましくない。また、空間速度が低すぎると、パラフィン類等の好ましくない副生成物が生成し、プロピレン収率が低下するため好ましくない。
(反応温度)
反応温度の下限としては、通常約200℃以上、好ましくは300℃以上であり、反応温度の上限としては、通常700℃以下、好ましくは600℃以下である。反応温度が低すぎると、反応速度が低く、未反応原料が多く残る傾向となり、さらにプロピレンの収率も低下する。一方で反応温度が高すぎるとプロピレンの収率が著しく低下する。
(反応圧力)
反応圧力の上限は通常2MPa(絶対圧、以下同様)以下好ましくは1MPa以下であり、より好ましくは0.7MPa以下である。また、反応圧力の下限は特に制限されないが、通常1kPa以上、好ましくは50kPa以上である。反応圧力が高すぎるとパラフィン類等の好ましくない副生成物の生成量が増え、プロピレンの収率が低下する傾向がある。反応圧力が低すぎると反応速度が遅くなる傾向がある。
(転化率)
本発明においては、エタノールおよび/またはエチレンの転化率(エタノールおよび/またはエチレンから、エタノールとエチレン以外の化合物への転化率)が20%以上80%以下となるような条件で反応を行うことが好ましい。より好ましくは、上限が70%以下である。
この転化率が20%未満では、未反応のエタノールまたはエチレンが多く、プロピレン収率が低いため好ましくない。一方、80%を超えると、パラフィン類等の望ましくない副生成物が増え、プロピレン収率が低下するため好ましくない。
流動床反応器で反応を行う場合には、触媒の反応器内の滞留時間と再生器内での滞留時間を調整することにより、好ましい転化率で運転することができる。
(3)反応生成物
反応器出口ガス(反応器流出物)としては、反応生成物であるプロピレン、エチレン、副生成物および希釈剤を含む混合ガスが得られる。該混合ガス中のプロピレン濃度は通常1〜95重量%、好ましくは2〜80重量%である。
反応条件によってはこの混合ガス中にはエタノールが含まれるが、反応器出口ガス中にエタノールを全く含まないような反応条件で反応を行うことが好ましい。それにより、反応生成物と未反応原料との分離が容易になる。
この混合ガス中には通常エチレンが含まれるが、この混合ガス中のエチレンはその少なくとも一部を反応器にリサイクルして反応原料として再利用することが好ましい。
なお、副生成物としては炭素数が4以上のオレフィン類、パラフィン類、芳香族化合物および水が挙げられる。
(4)生成物の分離
反応器出口ガス物としての、反応生成物であるプロピレン、エチレン、副生成物および希釈剤を含む混合ガスは、公知の分離・精製設備に導入し、それぞれの成分に応じて回収、精製、リサイクル、排出の処理を行えば良い。
プロピレン以外の成分(オレフィン、パラフィン等)の一部または全て、特にエチレンは、上記分離・精製された後に反応原料と混合するか、または直接反応器に供給することでリサイクルするのが好ましい。また、副生成物のうち、反応に不活性な成分は希釈剤として再利用することができる。
[ポリプロピレンの製造]
本発明のポリプロピレンの製造方法は、上述の本発明のプロピレンの製造方法により製造されたプロピレンを用いてポリプロピレンを製造する方法である。
このポリプロピレンの製造方法は特に限定されず、常法に従ってプロピレン重合用触媒の存在下にプロピレンを重合反応させれば良い。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
CHA構造を有するプロトン型のアルミノシリケートであり、SiO/Al=36(モル比)のものを触媒として用い、エタノールを原料として本発明に従って、プロピレンの製造を行った。このアルミノシリケートは細孔径が短径、長径共に0.38nmのものである。
反応には、常圧固定床流通反応装置を用い、内径6mmの石英製反応管に、上記触媒100mgと石英砂400mgの混合物を充填した。エタノールおよび窒素を、エタノールの空間速度が0.3Hr−1で、エタノール10体積%と窒素90体積%となるように蒸発器を通して反応器に供給し、400℃、0.1MPaで反応を行った。反応開始後3.5時間後にガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。
表1に反応結果を示した。
なお、エタノールは反応器に入ると直ちに脱水されてエチレンとなることから、転化率はエタノール・エチレン転化率とし、((供給したエタノールのモル数−反応器出口のエチレンのモル数)/供給したエタノールのモル数)として計算した。また、各生成物の選択率は反応器出口ガス中のエチレンを除いた成分の炭素モル%として計算し、プロピレン収率はエタノール・エチレン転化率とプロピレン選択率の積として計算した。
表1に示したように、転化率は51.6%、プロピレン選択率は81.3%と、いずれも非常に高く、プロピレン収率として41.9%という結果が得られた。従って、本実施例において、更に、反応器出口ガス中のエチレンをリサイクルすれば、プロピレンの一貫収率としては80%以上が可能であることが分かる。
<実施例2>
エタノールの空間速度を0.6Hr−1、エタノール濃度を30体積%、窒素を70体積%に変更した以外は、実施例1と同様の触媒ならびに反応条件で反応を行った。反応開始後4.5時間後にガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。
表2に反応結果を示した。
表2に示したように、転化率は65.1%、プロピレン選択率は63.0%と、いずれも非常に高く、プロピレン収率として41.1%という結果が得られた。
<実施例3>
原料のエタノールをエチレンに変更し、エチレン濃度を30体積%、窒素濃度を70体積%とし、エチレンの空間速度を0.4Hr−1に変更した以外は、実施例1と同様の触媒ならびに反応条件で反応を行った。反応開始後3.3時間後にガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。表2に反応結果を示した。
表2に示したように、転化率は73.7%、プロピレン選択率は54.6%と、いずれも非常に高く、プロピレン収率として40.3%という結果が得られた。
<実施例4>
触媒として、LEV構造を有するプロトン型のアルミノシリケートであり、SiO/Al=30(モル比)、細孔として、短径0.36nm,長径0.48nmの細孔を有するものを使用した以外のものを触媒として用いた以外は、実施例3と同様の反応条件で反応を行った。反応開始後1.0時間後にガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。表2に反応結果を示した。
表2に示したように、転化率は71.2%、プロピレン選択率は57.4%と、いずれも非常に高く、プロピレン収率として40.9%という結果が得られた。
<比較例1>
触媒として、MFI構造を有するプロトン型のアルミノシリケート(H−ZSM5)であり、SiO/Al=311(モル比)、細孔として、短径0.51nm,長径0.55nmの細孔と、短径0.53nm,長径0.56nmの細孔を有するものを使用した以外は実施例1と同様の反応条件で反応を行った。反応開始後2.0時間後にガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。表1に反応結果を示した。
表1より明らかなように、転化率34.4%、プロピレン選択率32.2%、プロピレン収率11.1%であり、十分な収率が得られなかった。
<比較例2>
触媒として、米国特許4440871号明細書に従って合成したCHA構造を有するプロトン型のシリコアルミノホスフェート(SAPO−34)を使用した以外は実施例1と同様の反応条件で反応を行った。反応開始後3.3時間後にガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。表1に反応結果を示した。なお、このシリコアルミノホスフェートは短径、長径が共に0.38nmの細孔を有するものである。
表1より明らかなように、転化率5.7%、プロピレン選択率88.5%、プロピレン収率5.0%であり、十分な収率が得られなかった。
<比較例3>
触媒として、FAU構造を有するプロトン型のアルミノシリケートであり、SiO/Al=7(モル比)、短径、長径共に0.74nmの細孔径を有するものを使用した以外は実施例3と同様の反応条件で反応を行った。反応開始後5.7時間後にガスクロマトグラフィーで生成物の分析を行った。表2に反応結果を示した。
表2より明らかなように、転化率14.6%、プロピレン選択率10.5%、プロピレン収率1.5%であり、十分な収率が得られなかった。
Figure 0005135839
Figure 0005135839

Claims (7)

  1. エタノールおよび/またはエチレンを、反応器中で触媒と接触させてプロピレンを製造する方法において、前記触媒が、0.5nm未満、かつ8員環または9員環の細孔径を有するアルミノシリケートを触媒活性成分として含有することを特徴とするプロピレンの製造方法。
  2. アルミノシリケートの構造がCHAである請求項に記載のプロピレンの製造方法。
  3. アルミノシリケートのSiO/Alモル比が5以上である請求項1または2に記載のプロピレンの製造方法。
  4. 流動床反応器と再生器を備えた設備にて、触媒を連続的に再生しながらプロピレンの製造を行う請求項1ないしのいずれかに記載のプロピレンの製造方法。
  5. エタノールおよび/またはエチレンの転化率(エタノールおよび/またはエチレンから、エタノールとエチレン以外の化合物への転化率)が20%以上80%以下となるような条件で反応を行う請求項1ないしのいずれかに記載のプロピレンの製造方法。
  6. 反応器出口ガス中に含まれるエチレンの少なくとも一部を反応器にリサイクルする請求項1ないしのいずれかに記載のプロピレンの製造方法。
  7. 請求項1ないしのいずれかに記載の方法で製造されたプロピレンを原料としてポリプロピレンを製造することを特徴とするポリプロピレンの製造方法。
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