JP5135707B2 - 表示方法及び表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、表示方法及び表示素子に関し、特に電子ペーパー等への利用に好適な表示方法及び表示素子に関するものである。
近年の情報化の進展に伴い、情報伝達媒体としての用紙の消費量は増大しつつある。その一方で、紙に替わるメディアとして、いわゆる電子ペーパーと呼ばれる画像の記録・消去が繰り返しでき画像表示媒体が注目されつつある。電子ペーパーを実用化するためには、用紙と同様に持ち運びに適し軽量で嵩張らない(薄い)ことや、書き換えに要するエネルギーが小さいこと、また、繰り返し書き換えを行った場合の劣化が少なく信頼性に優れていることなどが求められる。
さらに電子ペーパーには紙と同等の視認性が望まれるが、従来の技術では下記のような課題があり、その実現が困難であった。
(1)液晶方式:偏光板を利用するため光利用効率が低く、反射率が低下する。
(2)ツイストボール方式:白黒半球状態が完全ではなく、コントラスト、反射率が阻害される。
(3)電気泳動方式:異なる色の粒子の入れ替わりが不完全であることや粒子間からの光漏れ、電極構成のためにコントラスト、反射率ともに阻害される。
一方、上記表示技術の課題に対しては、銀塩溶液のような電解液を利用して、電界印加や光照射により銀などの金属を析出・溶解させて表示する方法(例えば、特許文献1〜4参照)や、フルキド類などの有機系のフォトクロミック材料を利用して表示する方法(例えば、特許文献5〜6参照)などが提案されている。
しかし、上記電解液を用いた方式は白黒表示が基本であり、カラー表示を行うためにはカラーフィルターを用いる必要があり、反射型の表示素子では光の利用効率が約1/3となり暗くなってしまう問題があった。また、前記フォトクロミック材料を用いた方式では、十分な発色濃度が得られないという問題があった。
特開2000−338528号公報 特開2005−92183号公報 特開2004−18549号公報 特開2004−198451号公報 特開2003−131339号公報 特開2003−170627号公報
ところで、本発明者等は既に、表示媒体への利用に適した表示技術として、金属イオンを含む電解質溶液から、電界付与(電圧印加)により金属を析出させ多色表示を行う表示方法を提案している(特願2005−356020参照)。
この技術は、例えば、金属微粒子を析出させ、その析出物の粒径を制御することにより特徴的なプラズモン吸収を発生させ、これをカラー表示に用いているため、前記課題に対応し得るものである。
しかし、金属イオンの多くは、溶液中で錯体を形成して着色しているため、その色によって白色度(白反射率)およびカラーの色純度が損なわれるおそれがあった。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。
すなわち、本発明は、カラーフィルターを用いることなく、高い白反射率とカラー表示とを両立できる表示方法及び表示素子を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1> 電流印加により、少なくとも一方が透光性を有する1対の基板に挟持された金イオン及び/または銅イオンを含む電解液から、前記金イオン及び/または前記銅イオンを含む金属微粒子を前記1対の基板のいずれかの表面に析出させる金属微粒子析出工程を経て画像を表示する表示方法であって、
前記電解液が、前記金イオン及び/または前記銅イオンが錯体を形成する塩を支持電解質として含み、
前記電流印加後における前記電解液中の前記金属微粒子に含まれる前記金イオン及び/または前記銅イオン濃度が0.11mmol/l以下であり、
前記1対の基板の少なくとも一方が、前記電解液と接する側の表面に金属電極を有し、前記電流印加により、一方の基板における金属電極から前記金イオン及び/または前記銅イオンを溶出させ他方の基板表面に金属微粒子を析出させ、
初期において前記金属微粒子を析出させる電流と逆極の電流印加を行い、当該電流印加により前記金イオン及び/または前記銅イオンを溶出させる金属電極表面に、予め電解液中の前記金イオン及び/または前記銅イオンを析出させておくことを特徴とする表示方法である。
> 前記支持電解質が、ハロゲン化化合物及び/またはシアン化化合物である<>に記載の表示方法である。
> 他の刺激を付与することにより、前記電解液中から析出した全ての金属微粒子のうち少なくとも一部の金属微粒子を前記電解液中に溶解させる金属微粒子溶解工程を経て他の画像を表示する<1>に記載の表示方法である。
> 前記金属微粒子がプラズモン発色する<1>に記載の表示方法である。
> 前記電解液が、反射材料を含む<1>に記載の表示方法である。
以上に説明したように、本発明によれば、カラーフィルターを用いることなく、高い白反射率とカラー表示とを両立することが可能な表示方法及び表示素子を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の表示方法は、一の刺激を付与することにより、少なくとも一方が透光性を有する1対の基板に挟持された金属イオンを含む電解液から、該金属イオンを含む金属微粒子を前記1対の基板のいずれかの表面に析出させる金属微粒子析出工程を経て画像を表示する表示方法であって、前記一の刺激の付与後における前記電解液中の前記金属微粒子に含まれる金属イオン濃度を、200mmol/l以下とすることを特徴とする。
また、本発明の表示素子は、前記本発明の表示方法を用いた表示素子である。両者は基本構成を共通とするものであるため、以下併せて説明する。
本発明の表示方法は、電解液中から固体表面に析出した金属微粒子のプラズモン発色を利用して画像を表示するものであるが、電解液中に含まれる金属イオンの多くは、液中で錯体を形成して着色しているため、その色によって白色度およびカラーの色純度が損なわれるおそれがあった。本発明者等は上記問題に対し、前記着色の原因となる電解液中の前記金属微粒子に含まれる金属イオン濃度を、一の刺激付与後において一定以下としても金属微粒子を析出させることが可能な表示方法を見出し、本発明を完成するに到った。
但し、本発明においては、一の刺激とは電流印加であり、金属イオン濃度とは、金イオン及び/または銅イオンを適用し、電解液とは、金イオン及び/または前記銅イオンが錯体を形成する塩を支持電解質として含んだものを適用し、一の刺激の付与後における電解液中の金属微粒子に含まれる金イオン及び/または前記銅イオン濃度は0.11mmol/l以下であるものを適用する。
また、本発明の表示方法とは、具体的には、1対の基板の少なくとも一方が、電解液と接する側の表面に金属電極を有し、電流印加により、一方の基板における金属電極から金イオン及び/または前記銅イオンを溶出させ他方の基板表面に金属微粒子を析出させる表示方法であり、初期において金属微粒子を析出させる電流と逆極の電流印加を行い、電流印加により金イオン及び/または銅イオンを溶出させる金属電極表面に、予め電解液中の金イオン及び/または銅イオンを析出させておく表示方法である。
ここで、前記「一の刺激付与後」とは、金属微粒子を基板表面に析出させるための刺激(一の刺激)により、電解液中から金属微粒子が析出し、表示の状態として安定化したときを意味する。
本発明において、金属微粒子を析出させるための一の刺激(以下、「析出刺激」という場合がある)としては、電解液中の金属イオンに何らかの形でエネルギーを付与できるものであれば特に限定されるものではないが、本発明においては電流(電界方式)、光(光方式)、あるいは、超音波(振動方式)を利用することが好ましく、特に電流を利用することがより好ましい。または、光、電気、超音波等の複数の刺激を与えても良い。
また、本発明の表示方法は、1回限りの表示が可能な表示方法であってもよいが、繰り返し書き換えができる表示方法であることが特に好ましい。すなわち、本発明の表示方法は、他の刺激を付与することにより、電解液中から析出した全ての金属微粒子のうち少なくとも一部を電解液中に溶解させる金属微粒子溶解工程を経て、再度他の画像を表示できることが好ましい。
なお、他の刺激(以下、「溶解刺激」という場合がある)としては、金属微粒子に何らかの形でエネルギーを付与できるものであれば特に限定されるものではないが、本発明においては電流、光、あるいは、必要に応じて更に超音波を利用することができ、特に電流を利用することがより好ましい。
また、析出刺激の種類と、溶解刺激の種類とは異なっていても同一であってもよい。
本発明においては、電界液中に含まれる上記金属イオン濃度を、一の刺激付与後で200mmol/l(ミリモル/リットル)以下とすることにより、特に反射型の表示で背景部の高い白色度、該背景部と画像部(金属微粒子析出部)との高いコントラスト、さらには画像部の高い色純度が得られることが見出された。なお、上記金属イオンは析出する金属微粒子に含まれる金属のイオンであり、必ずしも後述する金属微粒子が析出する基板(以下、「表示基板」という場合がある)と対向する側の基板(以下、「対向基板」という場合がある)に設けられた金属電極を構成する金属と同一である必要はなく、また、電解液中のその他の金属のイオンは含まれない。
電解液中の金属イオン濃度が200mmol/lを超えると、表示における背景部の白色度が低下し、画素部とのコントラストが不足することとなる。また、画素部の発色色によっては色純度が損なわれる。前記金属イオン濃度は150mmol/l以下であることが好ましく、100mmol/l以下であることがより好ましく、0mmol/lであることが最も好ましい。
本発明における金属微粒子に含まれる金属イオンとしては、金属微粒子として析出可能であれば特に制限されないが、金イオン、銅イオン、銀イオンを用いることが好ましく、特にイオンの色が透明でない金イオンや銅イオンの場合に本発明が好適に用いられる。
上記金属イオン濃度は、ケイ光X線(XRF)分析により求めることができる。具体的には、例えば、従来公知のケイ光X線測定器(なお、本条件を確認するためのケイ光X線分析は、公知の装置であるケイ光X線分析装置(島津製作所製:XRF−1800)を用い、検量線を作成した上で、表示後の電解液を少量採取、溶媒で希釈したものをサンプルとし、X線管電圧40kV、フィラメント電流70mA、サンプル量5gの条件で行った。
本発明において、前記のように一の刺激付与後の電解液中の金属イオン濃度を低くして駆動させるためには、電解液が前記金属イオンが錯体を形成する塩を支持電解質として含むことが好ましい。これにより、例えば対向基板側に設けられた金属電極に一の刺激付与した場合でも、一度に多くの金属が溶出することがなくなり、また、溶出した金属イオンは前記支持電解質である塩と錯体を形成して電解液中を泳動して表示基板側で析出されやすくなる。このような挙動の結果として、刺激付与後(表示時)の電解液中の金属イオン濃度はかなり低く抑えられることとなる。上記本発明に用いられる支持電解質については後述する。
以下、本発明の表示方法を、本発明の表示素子の構成に沿って説明する。
図1は本発明の表示素子の一例を示す模式断面図であり、前記電界方式の表示素子について示したものである。図1中、1は表示素子、10は透明基板、11は透明電極、20は基板、21は電極、30は電解液、40はスペーサーを表す。
図1に示す表示素子1は、透明基板10と、これに一定の間隔を置いて対向配置された基板20と、透明基板(表示基板)10および基板(対向基板)20の間に充填された電解液30と、透明基板10の基板平面方向の両端に、1対の基板に所定の間隙を与えるスペーサー40と、透明基板10の電解液30が設けられた側の面に配置された透明電極11と、基板20の電解液30が設けられた側の面に配置された電極21とから構成される。なお、スペーサー40は電解液30の漏れを防ぐためのシール材としての役割を兼ねる。また、基板20が金属である場合、電極21は、場合によっては、不要なこともある。すなわち、基板20が電極21の役割を担う場合である。なお、透明電極11および電極21は不図示の電源に接続されている。
また、画素(あるいは単位領域)毎に析出・溶解が制御できるように透明電極11は、分割された複数の電極からなるものであってもよい。さらに、透明電極11表面は細孔径分布を有する細孔を有していてもよく、上述したように複数の電極からなる場合は、一の電極の細孔の平均細孔径と、他の電極の細孔の平均細孔径とを異なるものとすることにより、RGBに対応した画素を形成することもできる。加えて、透明電極11表面に存在する金属微粒子31が全て溶解した場合に白無地表示とするために、電極21表面の色は白色であってもよい。
なお、図1に示す表示素子1では、説明を容易とするために金属微粒子31は透明電極11表面の平面上に、ほぼ等しい粒径のものが複数位置するように大きく描かれているが、金属微粒子31の実際の析出形態は必ずしも図1に示される析出形態に限定されるものではない。
1対の基板10、20としては、少なくとも一方が透光性を有する基板を用いるのであれば、種々の材料を利用することができる。なお、透光性を有する基板としては公知の透明なプラスチック基板やガラス基板等が利用でき、可視光に対する透過性の高い基板であることが好ましい。
具体的には、ポリエステル、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ナイロン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルロース誘導体等の高分子フイルムや板状基板;石英ガラス、白色ガラス等のガラス基板;金属;金属フイルム;セラミックス;等が使用可能である。特に、1対の基板10、20として屈曲性のあるフイルム基板を用いた場合はフレキシブル性(可とう性、屈曲性)を有する素子となる。この場合、本発明の表示素子を、電子ペーパーや携帯型電子機器等の可撓性が求められる用途に利用することがより容易となる。
電解液30は、金属微粒子31を析出させるための金属イオンと溶媒とを含むものであれば特に限定されないが、必要に応じて種々の材料を用いることができる。ただし、本発明において、上記金属イオンは少なくとも析出刺激付与時に電解液中に存在すればよく、析出刺激付与後は電解液中に存在しなくてもよい。
上記金属イオンとしては、析出刺激の付与により少なくとも還元して金属微粒子を析出させると共に、一旦金属に還元された後に溶解刺激の付与により酸化して電解液中に容易に溶解するものであれば公知のものが利用できるが、本発明においては、金(Au)イオン、銀(Ag)や、銅(Cu)イオンを用いることが好ましく、金イオン、銅イオンを用いることがより好ましい。その他、パラジウム(Pd)イオン、白金(Pt)イオン、ロジウム(Rh)イオン、ルテニウム(Ru)イオン、ニッケル(Ni)イオン、鉄(Fe)イオン、コバルト(Co)イオン、亜鉛(Zn)イオン、鉛(Pb)イオン、クロム(Cr)イオン、スズ(Sn)イオンなども用いることができる。
なお、金属イオンのカウンターイオンとしては、刺激を付与しない限り電解液中で金属イオンがイオン状態で安定に存在できるものであれば特に限定されないが、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ブロムイオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、ホウフッ化イオン等を挙げることができる。また、電解液中の金属イオン濃度は、前記の通りである。
したがって、電解液30に用いる金属化合物としては、金属イオンが金、銀の場合、塩化金酸、塩化金酸ナトリウム、金チオ硫酸ナトリウム、塩化金ナトリウム、亜硫酸金ナトリウム、ハロゲン化銀、硝酸銀、などが好ましく挙げられる。
一方、溶媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、その他の非水溶媒(有機溶媒等)などを1種類または2種類以上を組み合わせて利用でき、その他の添加剤としては、樹脂、界面活性剤、(金属微粒子として析出する)金属イオン以外の電解物質、ポリマー微粒子、金属酸化物等の無機微粒子等が適宜利用できる。電解質を溶解させるため、また、ポリマーを溶解、もしくは、分散させるため、また、界面活性剤等を分散、または、溶解させるために、溶媒が使用される。
前記非水溶媒としては、たとえば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、スルホラン等、シリコーンオイル等の非プロトン性非水溶媒を上げることができる。
前記樹脂としては、ポリエチレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド、ポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミン、ポリエチレンスルフィド、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、等のポリマーを単独、あるいは、複数組み合わせて使用しても良い。溶媒中に溶解、もしくは、分散させることにより、金属イオン、電解質イオンの移動速度の制御、析出金属粒子の安定化に寄与する。添加量は、界面活性剤種、及び、その添加量との関係から調整する。
前記界面活性剤は、析出金属粒子の安定化、及び、析出粒子径の制御に寄与する。添加量を多くすると、粒子径を小さく制御できる。
界面活性剤種としては、カチオン型界面活性剤(アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等)、ノニオン型界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等)、アニオン型界面活性剤(アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルフホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、脂肪酸塩、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、芳香族スルフォン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、β−ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩等)、両性界面活性剤、等をから選択することができる。
有機微粒子としては、各種ポリマー微粒子を用いることができる。たとえば、ウレタン微粒子、ポリメタクリル酸エステル、シリコーンポリマー微粒子、フッ素ポリマー微粒子等を使用できる。これらの粒子は、架橋されているものが、好ましい。これら粒子径としては、0.001〜30μmの範囲、好ましくは、0.001〜10μmの範囲が好ましい。
前記無機微粒子としては、主成分として、酸化アルミニウム、二酸化珪素、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、チタン酸バリウムが含まれる微粒子、等を使用できる。これら粒子径としては、0.001〜30μmの範囲、好ましくは、0.001〜10μmの範囲が好ましい。これらの粒子表面は、溶媒への分散性、溶媒からの保護の目的で、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の表面処理剤で、処理されることが、好ましい。これら微粒子体は、白色顔料として、使用される。すなわち、表示媒体の白を表す。
本発明においては、前述のように電解液中に前記金属イオンが錯体を形成するような支持電解質を含むことが好ましい。ここで、支持電解質とは金属微粒子の析出反応には直接関与せず、金属電極等からの金属の溶出のために必要な塩のことである。
上記支持電解質としては、電解液中でハロゲン化物イオン、シアン化物イオンとなるような塩(ハロゲン化化合物、シアン化化合物)を用いることが、特に前記金、銀及び銅との錯体形成が容易であることから好ましく、具体的にはLiX、NaX及びKX(但し、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、またはCNである。)などが挙げられる。さらには、テトラアルキル4級アンモニウムブロマイドなどのハロゲン化4級アンモニウム塩、などを用いてもよい。
電解液中には、前記ハロゲン化化合物、シアン化化合物に加えて、その他の塩を混在させてもよい。このような塩としては、Li、K、Naの過塩素酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、などが挙げられる。
これらのうち、例えば前記金属イオンとして金イオンを用いる場合には、テトラクロロ金酸またはそのリチウム、ナトリウム,カリウム塩、テトラブロモ金酸またはそのリチウム、ナトリウム、カリウム塩、テトラシアノ金酸またはそのナトリウム,カリウム塩、などを用いることが好ましく、銅イオンを用いる場合には、ハロゲン化銅(塩化銅,臭化銅など)、硫酸銅、などを用いることが好ましく、銀イオンを用いる場合には、ハロゲン化銀(ヨウ化銀,臭化銀など)、硝酸銀、過塩素酸銀、シアン化銀、チオシアン化銀、などを用いることが好ましい。
前記支持電解質の電解液中の濃度は0.001〜2mol/lの範囲とすることが好ましく、0.01〜1mol/lの範囲とすることがより好ましい。
濃度が0.001mol/lに満たないと、析出刺激に対して有効な金属イオン量となる金属の溶出を行うことができない場合がある。また、濃度が2mol/lを超えると、金属の溶出が過剰となり表示時における背景部の高い白色度が得られない場合がある。
本発明の表示素子を反射型として用いる場合、対向基板側に反射層を設けてもよいが、電解液中に反射材料を混入させてもよい。反射材料としては、一般的な金属酸化物からなる粒子が適用でき,具体的には二酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化セシウム、酸化イットリウムなどが挙げられる。これらの中でも、特に二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛は安価に入手できることから好ましい。
上記各成分を含む電解液はゲル状であってもよい。電解液をゲル状とすることにより、表示媒体の一部が破損したような場合でも、電解液が表示媒体外へ流失したり漏れたりすることを防ぐことが容易になる。なお、電解液をゲル状とするには、水溶性樹脂などを利用することができる。
次に、電極について説明する。本発明においては、1対の基板の少なくとも一方が、電解液30と接する側の表面に金属電極を有することが好ましい。
図1における透明電極11は、表示基板側に設けられる表示電極であるが、表面に析出した金属微粒子31を透明基板10側から視認できるように透明であることが必要である。透明電極11の材質としては、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO2、In23、MgO、ZnOなどを用いることが好ましい。
また透明電極11は、後述するように析出する金属微粒子の粒度分布を制御する目的で多孔質電極としてもよい。具体的には、アルミニウムの陽極酸化によって得られる膜や、ゼオライト、多孔質ガラス、活性炭素繊維、ナノポーラスシリコン、ナノポーラス有機樹脂、ナノポーラス酸化チタン、フラーレン、FSM−16メソポーラスシリカ、アルミナ、シリカゲル、ヒドロキシアパタイト、クレイ、モレキュラシーブスなど公知のナノメータースケールの細孔を有する導電性の多孔質体が挙げられる。
例えば、多孔質電極として、酸化チタン粒子を焼結して多孔質化したものを適用する場合、当該酸化チタン粒子の体積平均粒子径は、5〜200nm(好ましくは10〜60nm)であることがよい。
なお、多孔質電極は、後述する公知の導電性材料上に、上記多孔質体を形成した構成であってもよい。
一方、対向電極である電極21としては、金、白金、銀、アルミニウム、銅、クロム、コバルト、パラジウム等の金属や、ITO(Indium Tin Oxide)等の金属酸化物、ポリフェニルビニレン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子等の公知の導電性材料で構成することができる。
電極21に用いる金属は、電解液中に含まれる金属微粒子31に含まれる金属イオンと異なる金属であってもよいが、特に、電解液30と接触する電極21は、電解液30に含まれる金属イオンと同じ金属で構成することがよい。これにより、電極間に電圧を印加して、透明電極11へ金属イオンが析出する場合には電極21から金属イオンが溶出し、透明電極11表面における金属微粒子が溶出する場合には電極21に当該金属イオンが析出する。これにより、繰り返し表示の書き換えを行う場合に、電解液30の金属イオン濃度が一定化され、安定した析出・溶出、即ち安定した調色が行われる。
なお、前述のように金属イオンとしては金イオン、銀イオン、銅イオンが好ましいことから、この場合の電極21の材料としても各々金、銀、銅であることが好ましい。
スペーサー40としては、例えば、樹脂、金属酸化物、ガラスなどで構成することができる。また、スペーサー40は、特に制限はないが、基板間の間隙が、電気絶縁性液体と、透明電極11及び電解液30の配置領域が確保するために十分に均一な間隙が確保されるように配置する。
スペーサー40の形状は安定して間隙を維持できるものであれば特に限定されないが、例えば、球、立方体、柱状のものなどの独立した形状のものが好ましく用いられる。
また、スペーサー40により形成される間隙は、1〜200μm程度の範囲であることが好ましい。
次に、本発明の表示方法による金属微粒子の析出及びそれによる表示等の具体的な工程について説明する。
本発明において金属微粒子の析出は、析出刺激を付与した際に、電解液中の金属イオンが還元され、この還元された金属イオンが1対の基板のいずれかの表面に金属微粒子として析出することにより起こり(金属微粒子析出工程)、金属微粒子の溶解は、溶解刺激を付与した際に金属微粒子中に含まれる金属が酸化され金属イオンとして電解液中に溶解することにより起こる現象である。ここで、析出・溶解は、付与する刺激の種類、強度、極性、波長・周波数等を適宜選択することで制御することができる。例えば、析出刺激および溶解刺激として電流を用いる場合、両者の刺激の極性を異なるものとすることにより析出・溶解を制御することができる。
また、析出刺激は、2種類以上の刺激を組み合わせて略同時に付与することもでき、これは溶解刺激の場合も同様である。このような2種類以上の刺激を組み合わせて略同時に付与する態様としては、金属微粒子の析出/溶解を大まかに制御する主刺激と、主刺激のみでは困難な微妙な制御を行うアシスト刺激とを併用する態様が好ましい。ここで、主刺激としては例えば電流が挙げられ、これと併用されるアシスト刺激としては、光(特にUV光)や、超音波、熱などが挙げられる。
以上の工程を、図1に示す表示素子において電界方式で表示させた場合を例に挙げて説明する。
まず、前記説明した構成の表示素子1では、電界付与手段としての一対の透明電極11及び電極21に定電流(例えば電流密度で0.001〜100mA/cm2、好ましくは0.01〜50mA/cm2)を一定時間(例えば5マイクロ秒〜5秒、好ましくは10マイクロ秒〜1秒)で印加することで、電極間に所定の電界が付与される。この電界により、透明電極11における電解液30との界面に金属イオン(例えば、金イオン、銅イオン)が金属微粒子31として析出する。この粒子状に析出した析出物により、赤やオレンジ(金イオンの場合)、茶色(銀イオンの場合)などのプラズモン吸収による色の表示が行われる。
なお、上記定電流とは逆の電流を一対の透明電極11及び電極21に印加すると、上記電界とは逆の電界が電極間に付与され、この逆の電界により、透明電極11において電解液30との界面に析出した金属微粒子が電解液30へ溶出する。
また、金属微粒子31をプラズモン発色させるためには、金属微粒子31の粒径は、構成する金属の種類にもよるものの1〜100nmの範囲内であることが好ましく、3〜70nmの範囲内であることがより好ましい。粒径がこの範囲外では金属微粒子が析出してもプラズモン発色しなくなり、カラー表示ができなくなる場合がある。このように、本発明では、発色源となる金属微粒子のサイズが数十nm前後であるため、析出させた画素のサイズを小さくすることでき、例えば、300〜600dpi前後の極めて高い解像度の画像表示も可能である。
また、金属微粒子31の存在割合(単位面積あたり)は10〜1000個/μm2の範囲とすることが好ましく、50〜500個/μm2の範囲とすることがより好ましい。
存在割合が10個/μm2に満たないと、画像部を構成する金属微粒子量が不足し十分な画像濃度を得ることができない場合がある。一方、1000個/μm2を超えると、相対的に析出する金属微粒子間の間隔が狭くなり該金属微粒子が凝集しやすくなるため、発色色純度が不良となる場合がある。具体的には、隣接する金属微粒子同士の間隔は30〜340nmの範囲とすることが好ましく、40〜150nmの範囲とすることがより好ましい。
なお、上記金属微粒子31の粒径や存在割合は、析出媒体を原子間力顕微鏡(日立建機ファインテック社製、WA200)を用いて、30万倍程度で観察することにより確認することができる。具体的には、面積250μm2の画像において観察される白金微粒子の粒径と個数を測定し、これを5つの画像において行いそれらを平均して求めた。
一方、プラズモン発色における発色波長は、金属微粒子の粒径に依存し、例えば、金属微粒子がAuからなる場合には、粒径が15nm前後では赤色に、粒径が45nmでは青色に発色する。
このことは、析出した全金属微粒子のうち、実際に特定のカラー発色に寄与できる金属微粒子の割合はわずかであることを意味しており、十分な発色濃度が確保し難くなる。従って、粒径が所定の粒径範囲内の金属微粒子のみを基板表面の特定の領域に選択的に析出させれば、基板表面の所望の位置に特定のカラー色の表示が可能であると考えられる。
上記観点から、本発明においては、前記電解液中から特定の領域に析出させる金属微粒子の粒度分布が、1つ以上の極大ピークを有し、該極大ピークの少なくともいずれかが下式(1)を満たすことが好ましい
Pp(±30)/Pp(T)≦0.5 ・・・ 式(1)
なお、上記式(1)中、Pp(T)は、極大ピークの最大ピーク高さを意味し、Pp(±30)は、前記最大ピーク高さにおける金属微粒子の粒径±30%の粒径におけるピーク高さを表す。
前記特定の領域とは、電極(基板)表面のうち金属微粒子が析出可能な全領域であってもよいが、通常は、金属微粒子が析出可能な全領域内の一部であってもよい。また、特定の領域は、必ずしも画素に対応させる必要はなく、必要に応じて複数の画素を包含するものであってもよいし、一の特定の領域と他の特定の領域との面積や形状も同一であっても異なっていてもよい。
前記式(1)におけるPp(±30)/Pp(T)は、0.4以下であることがより好ましく、0.3以下であることが更に好ましく、単分散に近いほど好ましい。Pp(±30)/Pp(T)が0.5を超える場合には、析出する金属微粒子の粒度分布がブロードになり過ぎるため、発色する色の色調が不鮮明になったり、モノトーン表示しかできなくなってしまう場合がある。
なお、本発明において、特定の領域内の金属微粒子の粒度分布や、平均粒径、また、特定の領域(あるいは単位領域)内の固体表面の細孔径分布や、平均細孔径等の測定は次のように行うことができる。
金属微粒子の平均粒径や粒度分布は、金属微粒子が析出した電極(基板)表面を走査型電子顕微鏡(FE−SEM、日立製、S−5500)や原子間力顕微鏡を用い、倍率を10万倍として撮像した画像を画像解析装置(ニレコ製、ルーゼックスAP)によって、画像解析することにより求めることができる。なお、画像解析に際してサンプリングした金属微粒子数は100個である。平均粒径は、面積から換算した円相当径を用いた。
金属微粒子の粒度分布および平均粒径を前記好ましい範囲に制御する方法としては、大別すると以下の3種類が挙げられ、2種類以上を組み合わせて制御してもよい。
まず、第1の制御方法としては、所定の平均細孔径および細孔径分布を有する細孔が設けられた多孔質電極表面を利用する方法が挙げられる。また、繊維や針状物質の集合体から構成されたような不定形及び/または連続的に繋がったような孔を有する固体表面を利用してもよい。なお、後者の場合には繊維や針状物質の太さ、密度、配向状態等を制御して個々の繊維や針状物質同士の間に形成される隙間の大きさや形状を調整すれば金属微粒子の粒度分布や平均粒径を制御できる。
第2の制御方法としては、析出刺激の付与条件を調整する方法が挙げられる。例えば、析出刺激が超音波である場合は、超音波の周波数や強度を調整することによって、金属微粒子の粒径や粒度分布を制御できる。また、光である場合は、照射する光の波長を調整することによって金属微粒子の粒径や粒度分布を制御できる。
第3の制御方法としては、電解液の組成を調整する方法が挙げられる。本発明に用いられる電解液は、少なくとも基板表面に析出する金属微粒子を構成する金属イオンを含むものであれば特に限定されないが、必要に応じて界面活性剤等の他の成分が含まれていてもよい。それゆえ、電解液の組成としては、析出刺激の種類や付与条件等にも依存するが、電解液中の金属イオンが粒子状に析出しやすい系を選択した上で、所望の粒径および粒度分布が得られるように組成を最適化することで金属微粒子の粒径や粒度分布を制御できる。
なお、本発明においては、電解液中の金属イオン濃度を低くするため、特定の支持電解質を利用して金属の溶出、析出を行っているため、金属微粒子の粒径や粒度分布のコントロールにとっても好ましい表示方法である。
また本発明においては、前記一の刺激(析出刺激)が電流印加であり、初期において前記金属微粒子を析出させる電流と逆極の電流印加を行い、前記一の刺激により金属イオンを溶出させる金属電極(対向電極)表面に、予め電解液中の金属イオンを析出させておくことが好ましい。
これにより、少なくとも初期においては表示の背景部の白色度をより高めることができ、繰り返し書き換えにおいても全体的に電解液中の金属イオン濃度を低くすることができる。また、表示時に析出させる金属微粒子の金属イオンを予め電解液中に一定量含有させておき、表示前の初期において対向電極表面にこれらの金属イオンを析出させ、次いで表示のための溶出を行えば、高価な金属を金属イオンとする場合に対向電極として別の金属の電極を用いて表示素子を構成することができる。
本発明の表示素子においては、白反射率を光学濃度(OD)により評価したとき、表示状体の背景部あるいは未表示状態において、0.4以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましい。この白反射率の測定は、表示素子を標準黒色板上に設置して、電圧を印加しない状態での光学濃度値(OD値)を反射濃度計マクベスRD−918により測定した。
また、画像部と背景部とのコントラストを、着色状態(黒)にある表示素子の反射率(着色反射率)と前記の白反射率との比(着色反射率:白反射率)により評価した場合、1:4以上であることが好ましく、1:10以上であることがより好ましい。
以上、析出(溶解)刺激として電流を用いる場合を例に挙げて説明したが、析出(溶解)刺激として光を用いる場合には、固体表面は光触媒機能を有していることが好ましい。なお、当該光触媒機能とは、電解液中の金属イオンを還元して金属微粒子を析出させる機能、および/または、金属微粒子(を構成する金属)を酸化して溶解させる機能を意味する。この場合、固体表面に光を照射することにより、固体表面で還元反応が起こった場合には金属微粒子が析出し、固体表面で酸化反応が起こった場合には固体表面に析出している金属微粒子が溶解する。
また、析出刺激が超音波である場合には、超音波を印加した際に電解液中にソノケミカルな反応場として高温・高圧のキャビティが形成され、このキャビティのもつエネルギーにより金属イオンが還元されることにより金属微粒子が析出するように攻勢することが好ましい。
本発明の表示素子は、画像の書き込み/書き換え/消去を行う場合に表示素子外部から付与される刺激(以下、「外部刺激」という場合がある)を析出刺激や溶解刺激として利用することもできる。しかしながら、刺激付与源として表示媒体の外部にあるものを利用しなければならないため、任意のタイミングで画像の書き込み/書き換え/消去ことが困難で利便性に欠ける場合がある。それゆえ、本発明の表示素子は、画像表示に利用する析出刺激および溶解刺激のうち、少なくとも一方の刺激を付与する刺激付与手段を備えていてもよい。
また、本発明の表示素子が、繰り返し表示可能であり、かつ、析出刺激および溶解刺激のうち、一方の刺激のみを付与する刺激付与手段しか有さない場合は、他方の刺激としては、表示素子外部から付与される外部刺激を利用することができる。勿論、本発明の表示素子が、繰り返し表示可能であり、かつ、析出刺激および溶解刺激の双方の刺激を付与する刺激付与手段であっても、外部刺激も利用して画像の書き込み/書き換え/消去が行えるものであってもよい。また、刺激付与手段を一切有さない表示媒体では、析出刺激や溶解刺激として外部刺激を利用する。
さらに、本発明の表示素子は刺激付与手段を2種類以上備えていてもよい。この場合、一の刺激付与手段が付与する刺激の種類と、他の刺激付与手段が付与する刺激の種類とは異なるものであってもよい。
画像表示に利用する析出刺激や溶解刺激が電流である場合の刺激付与手段としては、電池、太陽電池などが利用でき、画像表示に利用する析出刺激や溶解刺激が光である場合の刺激付与手段としては、LED等の各種光源が利用でき、画像表示に利用する析出刺激や溶解刺激が超音波である場合にはピエゾ素子等が利用できる。
また、外部刺激が電流である場合にはコンセントなどの外部電源が利用できる。但し、この場合、表示媒体側は、外部電源が利用できるように電極や、外部電源と接続できる端子等を備えている必要がある。
外部刺激が光である場合には、原理的にはあらゆる種類の光源が利用できる。しかしながら、一般的な照明環境下での利用を考慮した場合、本発明の表示媒体は、室内照明や日光に曝されても、自発的な画像表示の書き換え・消去が容易に起こらないものであることが好ましく、特定の光源;例えば、レーザーのように特定の波長の光を発する光源や、室内照明や日光よりも照度が強い光源などに曝した場合にのみ書き込み・書き換え・消去が可能であることが好ましい。
以上説明した本発明の表示方法(表示素子)では、従来の電解液を用いた表示方式ようにカラーフィルターを用いることなくカラー表示が可能であるだけでなく、高い白反射率を維持し高コントラストの表示を安定して行うことができる。そのため、カラーフィルターを用いた場合の弊害である表示鮮明度の低下やコントラストの低下も抑制できる。
以下、参考例により本発明を具体的に説明する。
参考例1>
(表示素子の作製)
図1に示すような構成を有する表示素子を以下の手順で作製した。
まず、片面に表示電極である透明電極11としてITO膜(膜厚:200nm)が設けられた透明な無アルカリガラス基板10(厚み1mm、10cm×10cm)を準備した。なお、表示電極部の面積は0.25cm2とした。
一方、DMSO(ジメチルスルホキシド)に対して、支持電解質としてテトラブチルアンモニウムブロマイドを0.5mol/l、過塩素酸リチウムを0.1mol/lとなるように各々溶解し、この溶液100質量部に対して酸化チタンを120質量部添加し、撹拌して電解液30とした。
次に、前記透明電極11を設けた透明基板10の電極配設側に100μm厚のスペーサーを配置し、対向電極である電極21として金電極をスパッタリングで形成(厚み:100nm)した無アルカリガラス基板20(厚み1mm、10cm×10cm)を電極同士が向かい合うように重ね合わせて積層体を得た。続いて、この積層体端面の全周を一部を除いて紫外線硬化性樹脂(スリーボンド社製、3121)によりシールした後、紫外線を照射して硬化させた。
次いで、積層体端面のシールがされていない部分(電解液注入口)から電解液30を積層体内に充填した後、上記の紫外線硬化性樹脂により電解液注入口をシールして紫外線を照射して硬化させ、表示素子を作製した。このときの素子を表示基板側から見たところ白色であり、白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.15(OD)であった。
(表示素子の評価)
次に、この表示素子の対向電極であるAu電極側をプラス、表示電極であるITO電極側をマイナスとして、電極間に定電流電圧1V、電流密度0.1mA/cm2の直流電流を流したところ、表示電極部分が赤色に着色した。また、過剰に電流を流したところ表示電極部分は黒色となった。続いて、極性を逆にして電流を流したところ赤色が完全に消色した。この着色、消色操作を105回繰り返し、その後ITO電極をマイナスにして表示電極部分を赤色に着色させた。
この赤色の吸収を分光光度計U−4000(日立製)により測定したところ、吸収ピークは約520nm、ピーク半値幅は55nmであり色純度は良好であった。また、背景部の白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.15(OD)であった。
次に、上記表示状態の表示素子の前記電解液注入口を破壊して、中から電解液を一部取り出した。これをケイ光X線分析装置(島津製作所製、XRF−1800)を用いて、X線管電圧40kV、フィラメント電流70mAの条件で分析を行ったところ、金の濃度は0.08mmol/lであることがわかった。なお、該濃度はこの測定に先立って作成した検量線より求めたものである。
さらに、十分赤色に発色した状態の表示素子を分解し、表示電極部分の表面を原子間力顕微鏡により観察、測定したところ、ITO電極表面に金の金属微粒子が析出しており、金属微粒子の平均粒径は10nm、存在割合は430個/μm2であり、Pp(±30)/Pp(T)を求めたところ約0.42であることが確認された。
参考例2>
(表示素子の作製)
参考例1の表示素子の作製において、対向電極である電極21として金の代わりに銅を用い、電解液30の支持電解質としてテトラブチルアンモニウムブロマイド、過塩素酸リチウムの代わりに臭化ナトリウム0.6mol/lを用いた以外は、同様にして表示素子を作製した。
このときの素子を表示基板側から見たところ白色であり、白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.15(OD)であった。
(表示素子の評価)
参考例1の表示素子の評価と同様にして評価を行った。初期の表示電極部分の着色は同様に赤色であり、また、過剰に電流を流したところ表示電極部分は黒色となった。
その後、同様に105回着色、消色を繰り返した後も、表示電極部分は初期と同様な赤色を示した。
この赤色の吸収を分光光度計U−4000(日立製)により測定したところ、吸収ピークは約565nm、ピーク半値幅は60nmであり色純度は良好であった。また、背景部の白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.15(OD)であった。
次に、上記表示状態の表示素子の前記電解液注入口を破壊して、中から電解液を一部取り出した。これをケイ光X線分析装置(島津製作所製:XRF−1800)を用いて、X線管電圧40kV、フィラメント電流70mAの条件で分析を行ったところ、銅の濃度は 0.11mmol/lであることがわかった。なお、該濃度はこの測定に先立って作成した検量線より求めたものである。
さらに、十分赤色に発色した状態の表示素子を分解し、表示電極部分の表面を原子間力顕微鏡により観察、測定したところ、ITO電極表面に銅の金属微粒子が析出しており、金属微粒子の平均粒径は30nm、存在割合は510個/μm2であり、Pp(±30)/Pp(T)を求めたところ約0.39であることが確認された。
<参考例3>
(表示素子の作製)
DMSO(ジメチルスルホキシド)に対して、塩化金酸を0.5mmol/lとなるように溶解し、この溶液100質量部に対して酸化チタンを120質量部添加し、撹拌して電解液とした。参考例1の表示素子の作製において、電解液30として上記電解液を用いた以外は、同様にして表示素子を作製した。
このときの素子を表示基板側から見たところ黄色味を帯びており、白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.39(OD)であったが,粒子を析出させる電流と逆極の電流を印加し,電解質溶液中の金イオンを溶出させる金属電極側に析出させ,白反射率を測定したところ,0.15であった。
(表示素子の評価)
次に、この表示素子の対向電極であるAu電極側をプラス、表示電極であるITO電極側をマイナスとして、電極間に定電流電圧1V、電流密度0.1mA/cm2の直流電流を流したところ、表示電極部分が赤色に着色した。また、過剰に電流を流したところ表示電極部分は黒色となった。続いて、極性を逆にして電流を流したところ赤色が完全に消色した。この着色、消色操作を105回繰り返し、その後ITO電極をマイナスにして表示電極部分を赤色に着色させた。
この赤色の吸収を分光光度計U−4000(日立製)により測定したところ、吸収ピークは約520nm、ピーク半値幅は55nmであり色純度は良好であった。また、背景部の白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.15(OD)であった。
次に、上記表示状態の表示素子の前記電解液注入口を破壊して、中から電解液を一部取り出した。これをケイ光X線分析装置(島津製作所製、XRF−1800)を用いて、X線管電圧40kV、フィラメント電流70mA、の条件で分析を行ったところ、金の濃度は0.08mmol/lであることがわかった。
さらに、十分赤色に発色した状態の表示素子を分解し、表示電極部分の表面を原子間力顕微鏡により観察、測定したところ、ITO電極表面に銅の金属微粒子が析出しており、金属微粒子の平均粒径は43nm、存在割合は467個/μm2であり、Pp(±30)/Pp(T)を求めたところ約0.36であることが確認された。
参考例4>
(表示素子の作製)
図1に示すような構成を有する表示媒体を以下の手順で作製した。
まず、片面に表示電極である透明電極11としてITO膜(膜厚:200nm)が設けられた透明な無アルカリガラス基板10(厚み1mm、10cm×10cm)を準備した。なお、表示電極部の面積は0.25cm2とした。
一方、DMSO(ジメチルスルホキシド)に対して、支持電解質としてテトラブチルアンモニウムブロマイドを0.5mol/l、シアン化ナトリウムを0.1mol/lとなるように各々溶解し、この溶液100質量部に対して酸化チタンを120質量部添加し、撹拌して電解液30とした。
次に、前記透明電極11を設けた透明基板10の電極配設側に100μm厚のスペーサーを配置し、対向電極である電極21として金電極をスパッタリングで形成(厚み:100nm)した無アルカリガラス基板20(厚み1mm、10cm×10cm)を電極同士が向かい合うように重ね合わせて積層体を得た。続いて、この積層体端面の全周を一部を除いて紫外線硬化性樹脂(スリーボンド社製、3121)によりシールした後、紫外線を照射して硬化させた。
次いで、積層体端面のシールがされていない部分(電解液注入口)から電解液30を積層体内に充填した後、上記の紫外線硬化性樹脂により電解液注入口をシールして紫外線を照射して硬化させ、表示素子を作製した。このときの素子を表示基板側から見たところ白色であり、白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.15(OD)であった。
(表示素子の評価)
次に、この表示素子の対向電極であるAu電極側をプラス、表示電極であるITO電極側をマイナスとして、電極間に定電流電圧1V、電流密度0.1mA/cm2の直流電流を流したところ、表示電極部分が赤色に着色した。また、過剰に電流を流したところ表示電極部分は黒色となった。続いて、極性を逆にして電流を流したところ赤色が完全に消色した。この着色、消色操作を105回繰り返し、その後ITO電極をマイナスにして表示電極部分を赤色に着色させた。
この赤色の吸収を分光光度計U−4000(日立製)により測定したところ、吸収ピークは約520nm、ピーク半値幅は55nmであり色純度は良好であった。また、背景部の白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.15(OD)であった.
次に、上記表示状態の表示素子の前記電解液注入口を破壊して、中から電解液を一部取り出した。これをケイ光X線分析装置(島津製作所製、XRF−1800)を用いて、X線管電圧40kV、フィラメント電流70mAの条件で分析を行ったところ、金の濃度は0.08mmol/lであることがわかった。なお、該濃度はこの測定に先立って作成した検量線より求めたものである。
さらに、十分赤色に発色した状態の表示素子を分解し、表示電極部分の表面を原子間力顕微鏡により観察、測定したところ、ITO電極表面に金の金属微粒子が析出しており、金属微粒子の平均粒径は10nm、存在割合は503個/μm2であり、Pp(±30)/Pp(T)を求めたところ約0.42であることが確認された。
<比較例1>
(表示素子の作製)
DMSO(ジメチルスルホキシド)に対して、塩化金酸を0.5mol/lとなるように溶解し、この溶液100質量部に対して酸化チタンを120質量部添加し、撹拌して電解液とした。参考例1の表示素子の作製において、電解液30として上記電解液を用いた以外は、同様にして表示素子を作製した。
このときの素子を表示基板側から見たところ黄色味を帯びており、白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.39(OD)であった。
(表示素子の評価)
参考例1の表示素子の評価と同様にして評価を行った。初期の表示電極部分の着色は黒味がかった赤色であった。
その後、同様に105回着色、消色を繰り返した後も、表示電極部分は初期と同様な赤色を示した。
この赤色の吸収を分光光度計U−4000(日立製)により測定したところ、吸収ピークは約520nm、ピーク半値幅は100nmであり赤色の色純度としては好ましいものではなかった。また、背景部の白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.42(OD)であった。
次に、上記表示状態の表示素子の前記電解液注入口を破壊して、中から電解液を一部取り出した。これをケイ光X線分析装置(島津製作所製:XRF−1800)を用いて、X線管電圧40kV、フィラメント電流70mAの条件で分析を行ったところ、金の濃度は 250mmol/lであることがわかった。
さらに、十分に発色した状態の表示素子を分解し、表示電極部分の表面を原子間力顕微鏡により観察、測定したところ、ITO電極表面に金の金属微粒子が析出しており、金属微粒子の平均粒径は10nmであり、Pp(±30)/Pp(T)を求めたところ約0.39であることが確認された。
<比較例2>
(表示素子の作製)
DMSO(ジメチルスルホキシド)に対して、臭化銅を0.5mol/l、臭化ナトリウムを0.6mol/lとなるように溶解し、この溶液100質量部に対して酸化チタンを120質量部添加し、撹拌して電解液とした。参考例1の表示素子の作製において、電解液30として上記電解液を用いた以外は、同様にして表示素子を作製した。
このときの素子を表示基板側から見たところ白濁した青紫味を帯びており、白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.40であった。
(表示素子の評価)
参考例1の表示素子の評価と同様にして評価を行った。初期の表示電極部分の着色は灰色であった。
その後、同様に105回着色、消色を繰り返した後も、表示電極部分は初期と同様な灰色を示した。この灰色は所望とする赤色とは異なっており、明らかに電解液の色と混色しているものであった。また、背景部の白反射率を反射濃度計(マクベスRD−918)により測定したところ、0.43であった。
次に、上記表示状態の表示素子の前記電解液注入口を破壊して、中から電解液を一部取り出した。これをケイ光X線分析装置(島津製作所製:XRF−1800)を用いて、X線管電圧40kV、フィラメント電流70mAの条件で分析を行ったところ、銅の濃度は 300mmol/lであることがわかった。
さらに、十分に発色した状態の表示素子を分解し、表示電極部分の表面を原子間力顕微鏡により観察、測定したところ、ITO電極表面に銅の金属微粒子が析出しており、金属微粒子の平均粒径は30nmであり、Pp(±30)/Pp(T)を求めたところ約0.41であることが確認された。
以上の評価結果のように、電解液中の金属イオン濃度を本発明における範囲とした参考例の表示素子では、背景部の白反射率が高く画像部とのコントラストに優れ、また色純度も良好であることがわかった。
本発明の表示素子の一例を示す模式断面図である。
符号の説明
1 表示素子
10 透明基板
11 透明電極
20 基板
21 電極
30 電解液
31 金属微粒子
40 スペーサー

Claims (5)

  1. 電流印加により、少なくとも一方が透光性を有する1対の基板に挟持された金イオン及び/または銅イオンを含む電解液から、前記金イオン及び/または前記銅イオンを含む金属微粒子を前記1対の基板のいずれかの表面に析出させる金属微粒子析出工程を経て画像を表示する表示方法であって、
    前記電解液が、前記金イオン及び/または前記銅イオンが錯体を形成する塩を支持電解質として含み、
    前記電流印加後における前記電解液中の前記金属微粒子に含まれる前記金イオン及び/または前記銅イオン濃度が0.11mmol/l以下であり、
    前記1対の基板の少なくとも一方が、前記電解液と接する側の表面に金属電極を有し、前記電流印加により、一方の基板における金属電極から前記金イオン及び/または前記銅イオンを溶出させ他方の基板表面に金属微粒子を析出させ、
    初期において前記金属微粒子を析出させる電流と逆極の電流印加を行い、当該電流印加により前記金イオン及び/または前記銅イオンを溶出させる金属電極表面に、予め電解液中の前記金イオン及び/または前記銅イオンを析出させておくことを特徴とする表示方法。
  2. 前記支持電解質が、ハロゲン化化合物及び/またはシアン化化合物であることを特徴とする請求項1に記載の表示方法。
  3. 他の刺激を付与することにより、前記電解液中から析出した全ての金属微粒子のうち少なくとも一部の金属微粒子を前記電解液中に溶解させる金属微粒子溶解工程を経て他の画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の表示方法。
  4. 前記金属微粒子がプラズモン発色することを特徴とする請求項1に記載の表示方法。
  5. 前記電解液が、反射材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示方法。
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