JP4534436B2 - 表示素子、表示装置及びこれらの製造方法 - Google Patents

表示素子、表示装置及びこれらの製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電気化学的な還元若しくは酸化によって画像情報の表示を行う電気化学表示装置等として好適な表示素子、表示装置及びこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ネットワークの普及につれ、これまで印刷物の形状で配布されていた文書類が、いわゆる電子書類として配信されるようになってきた。さらに、書類や雑誌なども、いわゆる電子出版の形で提供される場合が多くなりつつある。
【0003】
これらの情報を閲覧するために一般に行われているのは、コンピュータのCRT(Cathode Ray Tube)又は液晶ディスプレイの画像に表示させて読むことである。しかし、これらの発光型ディスプレイを見る作業は、人間工学的理由から、生理的に読む人に疲労を生じさせ易く、長時間の読書には適さないことが指摘されている。また、利用できる場所がコンピュータの設置場所に限られるという難点もある。
【0004】
最近、小型コンピュータの普及に伴って携帯型のディスプレイが開発されている。これを用いれば、利用場所の問題は多少緩和されるが、内蔵電池の容量と消費電力との関係で、数時間以上継続して利用することはできない。また、ディスプレイが発光型であると、長時間の作業に適さないことに変わりはない。
【0005】
また、近年、反射型の液晶ディスプレイも開発されている。これを用いれば、発光型ディスプレイに起因する上記の難点が生じることはなく、しかも、低消費電力で長時間駆動が可能になると予想される。しかし、無表示(白色表示)状態における反射率は30%にすぎないので、紙上に印刷された物に比べて著しく視認性が悪い。このため、利用者に疲労を生じさせ易く、長時間の利用に適さない。
【0006】
これらの問題を解決するために、最近、いわゆるペーパーライクディスプレイ、或いは電子ペーパーと呼ばれるものが開発されつつある。例えば、電気化学的な作用による変色で情報を表示する電気化学表示装置(ECD:Electric Chromic Display、又はEDD:Electro-Deposition Device)は、コントラストが高く、すでに調光ガラスや時計用ディスプレイに実用化されている(例えば、後述の特許文献1又は特許文献2を参照。)。
【0007】
特許文献1又は特許文献2に係る電気化学表示装置によれば、電気化学的な酸化還元反応によって色の変化を行う材料として金属イオンを用い、これを溶解する材料として白く着色された高分子電解質を用い、マトリクス駆動が可能であり、コントラスト及び黒色濃度を高くすることができ、電圧特性にも優れている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−258327号広報(7〜12頁、図3、4及び8〜12)
【特許文献2】
特開2003−5224号広報(4頁6欄37行目〜8頁14欄29行目、図1〜4)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に係る電気化学表示装置のような、電気化学的な還元若しくは酸化によって析出、溶解又は変色する着色用物質を含有する高分子電解質が電極間に挟持された表示素子は、電極の表面形状により、その表示特性は大きく変化する。
【0010】
電極を形成する基板としてガラス基板を使用した場合、一般に、基板上に導電膜からなる電極を形成し、200〜300℃に加熱して導電膜を結晶化することにより、その表面上に凹凸を形成することができる。これにより、比抵抗を下げることができ、電気化学的な還元若しくは酸化反応による表示特性が良好な表示装置を作製することができる。この場合、基板と導電膜との密着性もほとんど問題にならない。
【0011】
これに対し、ポリマーフィルム等の可撓性を有する基板を使用した場合、ポリマーフィルム等は耐熱性が低いため、上記したガラス基板を用いた場合のような加熱処理は不可能である。このため、電極は無加熱で形成するが、電極に用いられる導電膜は非結晶状態、いわゆる、アモルファスになり、電極の表面粗さは平坦になる。従って、上記したガラス基板を用いた場合に比べ、電気化学的な還元若しくは酸化反応による表示特性が悪化する。また、ポリマーフィルム等の基板と、電極としての導電膜との密着性が悪いのも事実であり、このためクラックが起きる等の問題を有する。
【0012】
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、耐熱性の低い基板を用いても表示特性が良好でありかつ基板と電極との密着性が良好な表示素子、表示装置及びこれらの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、電気化学的な還元又は酸化とこれに伴う析出又は溶解とによって発色又は消色する発色材料を含有する電解質層が、第1極と第2極との間に挟持されている表示素子において、耐熱性の低い支持体上に作用極としての前記第1極が密着層を介して設けられ、前記作用極の表面粗さが制御されていることを特徴とする、表示素子に係るものである。
【0014】
また、電気化学的な還元又は酸化とこれに伴う析出又は溶解とによって発色又は消色する発色材料を含有する電解質層が、第1極と第2極との間に挟持されている表示素子によって画素部が構成されている表示装置において、耐熱性の低い支持体上に作用極としての前記第1極が密着層を介して設けられ、前記作用極の表面粗さが制御されていることを特徴とする、表示装置に係るものである。
【0015】
さらに、耐熱性の低い支持体上に密着層を形成する工程と、前記密着層上に第1極としての作用極を形成する工程と、前記作用極に対向して第2極を配置する工程と、電気化学的な還元又は酸化とこれに伴う析出又は溶解とによって発色又は消色する発色材料を含有する電解質層を前記作用極と前記第2極との間に挟持する工程とを有する、表示素子又は表示装置の製造方法に係るものである。
【0016】
本発明によれば、耐熱性の低い前記支持体上に作用極としての前記第1極が前記密着層を介して設けられ、前記作用極の表面粗さが制御されるので、耐熱性の低い前記支持体を用い、非加熱で前記作用極を形成しても、電気化学的な還元若しくは酸化反応による表示特性、特に析出特性の向上を図ることができ、例えば可撓性を有する表示素子又は表示装置を実現することができる。
【0017】
また、前記密着層を介して前記支持体上に前記作用極が設けられるので、前記支持体としてポリマーフィルム等を用いても、前記支持体と前記作用極との密着性は良好であり、優れた耐久性を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記密着層の表面状態に追随して前記作用極の前記表面粗さが制御されていることが望ましい。これにより、特に前記作用極の表面粗さを制御するために別の工程を設けなくても、前記密着層及び前記作用極の形成のみで、優れた析出特性を実現することができると共に、前記支持体と前記作用極との密着性を向上することができる。
【0019】
前記密着層はシリコン、チタン、クロム及びニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種によって形成されていることが好ましく、真空蒸着又はスパッタにより形成することができる。
【0020】
また、前記密着層の厚さが1〜5nmであることが好ましく、より好ましくは1〜2nmである。前記密着層の厚さが5nmを超える場合、前記作用極に黄色く色が付いてしまうため、電気化学表示装置等を構成する表示素子又は表示装置としては不適当である。また、1nm未満の場合、前記密着層の厚さが薄すぎるために、前記密着層による前記支持体と前記作用極との密着性が低下し易くなる。
【0021】
前記支持体は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエーテルサルホン(PES)等の透明樹脂フィルムからなることが好ましい。前記支持体として耐熱性が低く、可撓性を有する前記透明樹脂フィルム等を用いた場合でも、本発明は、前記支持体上に前記作用極が前記密着層を介して設けられ、前記作用極の表面粗さが制御されているので、析出特性が良好であり、かつ可撓性を有する表示素子又は表示装置を実現することができる。
【0022】
前記作用極は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In23、SnO2及びZnOからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる透明電極であることが好ましい。また、前記作用極は、真空蒸着又はスパッタにより形成することができる。一般的に、前記透明樹脂フィルム等の前記支持体とITO等の前記作用極との密着性は悪いが、本発明は、前記支持体上に前記作用極が前記密着層を介して設けられているので、前記支持体と前記作用極との密着性は良好であり、耐久性に優れている。
【0023】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を図面の参照下に詳しく説明する。この表示装置は、エレクトロデポジション型表示素子の構造を有する本発明に基づく表示素子を複数個、面状に配列してなる構造を有する。
【0024】
実施の形態1
図1及び図3に示す表示装置1は、密着層2、駆動素子である薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)3、及びTFT3によって制御される前記第1極である透明画素電極4(前記作用極)からなる表示画素5と、金属イオン(着色用物質としての電解質)、高分子固体電解質及び白色化剤等を含有した高分子固体電解質層6と、透明画素電極4に対向する前記第2極として各画素に共通に設けられた共通電極7とで構成され、表示画素5の複数個が面状に配列されたアクティブマトリクス駆動の平面型ディスプレイとして構成されている。
【0025】
この表示装置1は、密着層2及び透明画素電極4と、TFT3との組み合わせによって1画素を構成し、これらの画素5が前記支持体としての透明支持体8上に例えばドット(又はマトリクス)状に配列されている。
【0026】
密着層2は、シリコン、チタン、クロム及びニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種によって形成されていることが好ましく、真空蒸着又はスパッタにより形成することができる。
【0027】
また、密着層2の厚さが1〜5nmであることが好ましく、より好ましくは1〜2nmである。密着層2の厚さが5nmを超える場合、透明画素電極4に黄色く色が付いてしまうため、電気化学表示装置等を構成する表示装置としては不適当である。また、1nm未満の場合、密着層2の厚さが薄すぎるために、密着層2による透明支持体8と透明画素電極4との密着性が低下し易くなる。
【0028】
透明支持体8は、透明樹脂フィルムからなることが好ましい。具体的には、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のエステル類、ポリアミド、ポリカーボネート(PC)、酢酸セルロース等のセルロースエステル類、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン−コヘキサフルオロプロピレン等のフッ素ポリマー類、ポリオキシメチレン等のポリエーテル類、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー等のポリオレフィン類、及びポリイミド−アミドやポリエーテルイミド等のポリイミド類、又はシクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエーテルサルホン(PES)等が挙げられる。
【0029】
これらの合成樹脂を前記支持体として用いる場合には、容易に曲がらないような剛性基板状にすることも可能であるが、可撓性を持ったフィルム状の構造体とすることも可能である。
【0030】
透明画素電極4は、略矩形若しくは正方形パターンに形成された透明導電性膜からなり、図1及び図3に示すように、透明支持体8上に密着層2を介して設けられ、また各画素5間が分離されており、その一部には画素5毎のTFT3が配設されている。この透明画素電極4の厚みは、所望とする表示装置1の大きさによるが、例えば100nm程度が挙げられる。
【0031】
また、図2に密着層2上に形成された透明画素電極(ITO)8の表面のAFM像を比較して示すように、本発明によれば、密着層2の表面状態に追随して透明画素電極4の表面粗さを制御することができる。これにより、特に透明画素電極4の表面粗さを制御するために別の工程を設けなくても、密着層2及び透明画素電極4の形成のみで、優れた析出特性を実現することができると共に、透明支持体8と透明画素電極4との密着性を向上することができる。
【0032】
透明画素電極4としては、透明で導電性のあるものであればいずれも使用できるが、In23とSnO2の混合物、いわゆるITO膜やSnO2又はIn23をコーティングした膜等を用いることが好ましい。これらITO膜やSnO2又はIn23をコーティングした膜にSnやSbをドーピングしたものでもよく、MgOやZnO等を用いることも可能である。透明画素電極4は、真空蒸着又はスパッタにより形成することができる。
【0033】
各画素5に形成されたTFT3は、図示しない配線によって選択され、対応する透明画素電極4の駆動を制御する。TFT3は画素5間のクロストークを防止するのに極めて有効である。TFT3は、例えば透明画素電極4の一角を占めるように形成されるが、透明画素電極4がTFT3と積層方向で重なる構造であってもよい。
【0034】
TFT3には、具体的には、ゲート線とデータ線が接続され、各ゲート線に各TFT3のゲート電極が接続され、各データ線には各TFT3のソース及びドレインの一方が接続され、そのソース及びドレインの他方は透明画素電極4に電気的に接続される(図示省略)。なお、TFT3以外の駆動素子は、平面型ディスプレイに用いられているマトリクス駆動回路であり、基板上に形成できるものであればよい。
【0035】
透明画素電極4と対向する側には、前記第2極としての共通電極7が形成されている。この共通電極7は、電気化学的に安定な金属であれば何でもよいが、好ましくは銀、白金、クロム、アルミニウム、コバルト、パラジウム等によって形成されるのが好ましく、支持体9上に良導体としてスパッタ法や真空蒸着法等で成膜することができる。
【0036】
なお、主反応に用いる金属を予め或いは随時十分に補うことができれば、カーボンを共通電極7として使用可能である。この場合、カーボンを電極上に担持させる方法としては、樹脂を用いてインク化し、基板面に印刷する方法がある。カーボンを使用することで、電極の低価格化を図ることができる。
【0037】
支持体9の材質は、必ずしも透明である必要はなく、共通電極7や高分子固体電解質層6を確実に保持できる基板やフィルム等を用いることができる。このような材料としては、石英ガラス板、白板ガラス板等のガラス基板、セラミックス基板、紙基板、木材基板等などを用いることが可能であるが、これに限定されず、合成樹脂基板を使用可能であり、これには、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のエステル類、ポリアミド、ポリカーボネート、酢酸セルロース等のセルロースエステル類、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン−コヘキサフルオロプロピレン等のフッ素ポリマー類、ポリオキシメチレン等のポリエーテル類、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー等のポリオレフィン類、及びポリイミド−アミドやポリエーテルイミド等のポリイミド類を例として挙げることができる。
【0038】
これら合成樹脂類を支持体9として用いる場合には、容易に曲がらないような剛性基板状にすることも可能であるが、可撓性を持ったフィルム状の構造体とすることも可能である。また、共通電極7に十分な剛性がある場合には、支持体9を設けなくともよい。
【0039】
高分子固体電解質層6は、電気化学的な還元又は酸化とこれに伴う析出又は溶解とによって発色又は消色する前記発色材料、高分子材料、溶剤、及び高分子固体電解質層6を白色に着色させる着色材料を含有している。
【0040】
前記発色材料としては、金属イオンが用いられている。前記金属イオンは、電気化学的な析出又は溶解によって発色又は消色し、これにより表示を行うことができる。
【0041】
前記金属イオンとしては、特に限定されるものではないが、例えばビスマス、銅、銀、鉄、クロム、ニッケル、カドミウムの各イオン又はそれらの組み合わせからなるイオンを用いることができ、特に好ましい金属イオンは、ビスマス、銀である。ビスマス、銀が好適である理由は、可逆的な反応を容易に進めることができ、析出時の変色度が高いためである。
【0042】
例えば、前記発色材料が銀イオン(Ag+)である場合、書き込み時には、銀イオンは、次の反応式
Ag++e-→Ag
で還元され、図1に示すように、透明画素電極4上に銀(Ag)の微粒子からなる黒色の析出物10を形成する。消色時には、析出した銀10が逆反応で酸化され、無色の銀イオン(Ag+)に変化して再び溶解する。
【0043】
前記マトリクス(母材)高分子材料としては、骨格ユニットがそれぞれ−(C−C−O)n−、−(C−C−N)n−、若しくは−(C−C−S)n−で表されるポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンスルフィドが挙げられる。これらを主鎖構造として、枝分があってもよい。また、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンクロライト、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリビニルブチラール等も好ましい。
【0044】
前記高分子材料は、開始剤との組み合わせで架橋されていてもよく、架橋方法は光架橋でも熱架橋でもよい。また、前記開始剤とモノマーを含有させたものを光又は熱で重合することで前記マトリクス(母材)高分子材料とすることもできる。
【0045】
高分子固体電解質層6を形成する際には、前記マトリクス高分子材料に所要の溶剤を加えるのが好ましい。好ましい前記溶剤としては、マトリクスポリマーが親水性の場合には、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール及びこれらの混合物等が好ましく、疎水性の場合には、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、スルフォラン、ジメトキシエタン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルフオキシド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン、ニトロメタン、ピリジン、ジピリジル及びこれらの混合物が好ましい。
【0046】
高分子固体電解質層6は前記マトリクス高分子材料に支持電解質を溶解して形成されるが、その電解質としては、リチウム塩、例えばLiCl、LiBr、LiI、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiCF3SO3等、カリウム塩、例えばKCl、KI、KBr等、ナトリウム塩、例えばNaCl、NaI、NaBr、或いはテトラアルキルアンモニウム塩、例えばほうフッ化テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、ほうフッ化テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハライド等を挙げることができる。上述の4級アンモニウム塩のアルキル鎖長は不揃いでもよい。
【0047】
高分子固体電解質層6には、コントラストを向上させるために着色材料が添加される。上記のように、金属イオンの発色が黒色の場合には、背景色としては白色の隠蔽性の高い材料が添加される。このような材料として、例えば、白色布、白色紙、着色用の白色粒子が用いられ、例えば着色用の白色粒子としては二酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等からなる群より選ばれた少なくとも1種を使用することができる。また、着色のための色素を用いることもできる。
【0048】
この着色剤の混合割合としては、無機粒子による場合、約1〜50重量%が好ましく、より好ましくは約1〜10重量%であり、更に好ましくは約5〜10重量%である。二酸化チタン等の無機の白色粒子は、高分子材料への溶解性がなくて分散するだけであるために、混合する割合が増えると無機粒子が凝集してしまい、光学濃度が不均一になり易くなる。また、無機粒子はイオン導電性が無いため、混合割合の増加は高分子固体電解質の導電性の低下を招き易い。
【0049】
また、高分子固体電解質層6は必要に応じて単独又は複数の添加剤を使用してもよい。前記添加剤は、前記金属イオンの析出を制御するものであり、前記添加剤の種類は目的を達成するものであればいずれも使用することができる。
【0050】
さらに、高分子固体電解質層6がゲル化されていることが好ましく、これにより、前記着色材料の分散安定性を一層向上することができる。前記ゲル化の方法としては、UV照射や加熱によって前記高分子固体電解質中の前記樹脂を硬化させる方法、物理的に流動性を低下させる方法等、一般的に用いられている手法のいずれも適用可能である。
【0051】
高分子固体電解質層6の膜厚は、5μm〜200μmであることが好ましく、より好ましくは5μm〜150μmであり、更に好ましくは10μm〜150μmである。膜厚が薄いほうが電極間の抵抗が小さくなるので発色、消色時間の短縮や消費電力の低下につながり好ましい。しかしながら5μm未満になると、機械的強度が低下して、ピンホールや亀裂が生じ易いので好ましくない。
【0052】
この表示装置1には、密着層2、透明画素電極4及びTFT3を有する透明支持体8と、高分子固体電解質層6と、共通電極7を有する支持体9とを保持するために、図1に示すように、封着部材11が周囲に取り付けられている。
【0053】
上述の構造によれば、本実施の形態のエレクトロデポジション型表示装置1は、TFT3を用いてアクティブマトリクス駆動が可能であり、高分子固体電解質層6に含有された金属イオンを利用してコントラスト及び黒色濃度を高くすることができる。但し、TFT3を用いないパッシブマトリクス駆動も可能である(以下の例でも、同様)。
【0054】
また、本実施の形態によれば、耐熱性が低くかつ可撓性を有する透明支持体8上に前記作用極としての透明画素電極4が密着層2を介して設けられ、密着層2の表面状態に追随して透明画素電極4の表面粗さが制御されるので、非加熱で透明画素電極4を形成しても、析出特性が良好であり、また可撓性を有する表示装置1を作製することができる。
【0055】
また、密着層2を介して透明支持体8上に透明画素電極4が設けられるので、透明支持体8としてポリマーフィルム等を用いても、透明支持体8と透明画素電極4との密着性は良好であり、耐久性に優れている。
【0056】
実施の形態2
本実施の形態は、上記した実施の形態1の表示装置1を製造する方法であり、耐熱性の低い透明支持体8上に密着層2を形成する工程と、密着層2上に前記作用極としての透明画素電極4を形成する工程と、透明画素電極4に対向して前記第2極としての共通電極7を配置する工程と、電気化学的な還元又は酸化とこれに伴う析出又は溶解とにより発色又は消色する前記発色材料を含有する高分子固体電解質層6を透明画素電極4と共通電極7との間に挟持する工程とを有する。
【0057】
図4及び図5は、本発明に基づく表示装置1の製造方法の一例を工程順に示す概略断面図である。
【0058】
まず、図4(a)に示すように、前記透明樹脂フィルムからなる透明支持体8上に、密着層2を形成する。具体的には、透明支持体8上にマスク(図示省略)を設けた後、密着層2を真空蒸着又はスパッタ等で成膜することにより、図示するように、後述する画素毎にパターン形成することができる。密着層2を形成した後は、所定の方法で前記マスクを除去すればよい。なお、密着層2は画素毎に形成され、各画素は透明支持体8上にマトリクス状に配列されている。
【0059】
次に、図4(b)に示すように、透明支持体8上に、画素毎にTFT3をパターン形成する。TFT3は公知の半導体製造技術を用いて形成することができる。そして、TFT3を形成した後、透明支持体8上にマスク(図示省略)を設け、密着層2上にITO等からなる透明画素電極4を、真空蒸着又はスパッタリングによって画素毎にパターン形成する。ここで、図示省略したが、TFT3のドレイン電極はITO等からなる透明画素電極4に接続する。透明画素電極4を形成した後は、所定の方法で前記マスクを除去すればよい。
【0060】
次に、図4(c)に示すように、密着層2、透明画素電極4及びTFT3からなる表示画素5を含む透明支持体8上に高分子固体電解質層6を形成する。高分子固体電解質層6の形成工程においては、まず、高分子固体電解質層6のマトリクス(母材)用高分子となる合成樹脂と電解質を構成する例えばリチウム塩などの材料と共に、塩化ビスマス等の金属イオンの生成剤が混合され、更に着色剤として白色粒子が分散されて調製される。この高分子固体電解質材料を塗布して高分子固体電解質層6を形成することができる。なお、前記塗布方法としては、ドクターブレード、バーコーター、スクリーン印刷、その他の公知の方法を用いることができる。
【0061】
これと平行して、ポリエチレンテレフタレートフィルム等からなる支持体9上に、図4(d)に示すように、所要の膜厚のパラジウム膜等からなる共通電極7を形成する。この支持体9上の共通電極7は、共通電極7側が未硬化の高分子固体電解質層6に圧着され、図5(e)に示すように、貼り合わされる。この貼り合わせ後、減圧乾燥させてゲル化した高分子固体電解質層6を支持体9と透明支持体8の間に形成する。そして、貼り合せの端部に、図5(f)に示すように、封着部材11を取り付け、本発明に基づく表示装置1を作製することができる。
【0062】
本実施の形態においては、図示省略したが高分子固体電解質層6の調製段階で、電解質と共に金属イオンが導入される。したがって、比較的に簡単な工程で、高分子固体電解質層6と前記発色材料が組み合わされることになり、容易に製造することができる。
【0063】
また、高分子固体電解質層6の作製方法は、透明支持体8上に前記高分子固体電解質材料を塗布し、共通電極7付きの支持体9を貼り合わせるものであるが、例えば分散液を両電極間に減圧注入した後の硬化により作製することもできる。
【0064】
本実施の形態によれば、耐熱性が低くかつ可撓性を有する透明支持体8上に前記作用極としての透明画素電極4を密着層2を介して設け、密着層2の表面状態に追随して透明画素電極4の表面粗さを制御することができるので、非加熱で透明画素電極4を形成しても、析出特性が良好であり、また可撓性を有する表示装置1を実現することができる。
【0065】
また、密着層2を介して透明支持体8上に透明画素電極4が設けられるので、透明支持体8としてポリマーフィルム等を用いても、透明支持体8と透明画素電極4との密着性は良好であり、耐久性に優れている。
【0066】
実施の形態3
本実施の形態による表示装置は、第3の電極として、前記透明画素電極及び前記共通電極とは独立した電位検知電極12、13が形成される例である。これら電位検知電極12、13は、前記支持体上の前記透明画素電極又は前記共通電極と同一の面内に電気的に絶縁された部材として配設されてなり、前記支持体上の前記透明画素電極又は前記共通電極の電位を検知するのに用いられる。
【0067】
図6は、前記透明画素電極側の平面図である。透明支持体14上には、画素毎に透明画素電極15と駆動素子としてのTFT16が形成されており、各画素はマトリクス状に配されている。透明画素電極15の電位を検知するための電位検知電極12は、各画素の間のスペースに略十字状のパターンで形成されており、その端部(図中黒丸でしめす。)は厚さ約1000nmの銀又はアルミニウム電極となっている。端部をつなぐ線の部分は幅約1μm程度の銀又はアルミニウム線状配線部とされる。この電位検知電極12は透明画素電極15と同一の面内に電気的に絶縁された部材として形成されることから、透明画素電極15の電位を正確にモニターすることができる。従って、透明画素電極15で生じている反応を検知できる。電位検知電極12の材質としては、反応に全く関与せず、媒質中への自然溶出がない安定した金属材料を選ぶことが好ましく、銀、白金、クロム、アルミニウム、コバルト、パラジウム等を選ぶことができる。
【0068】
図7は、前記共通電極側の平面図である。支持体17上には共通電極18が形成されているが、逆π字状のパターンで、電位検知電極13が形成されている。この電位検知電極13は共通電極18と同一の面内に電気的に絶縁された部材として形成されることから、共通電極18の電位を正確にモニターすることができる。従って、共通電極18で生じている反応を検知できる。電位検知電極13の材質としては、反応に全く関与しない媒質中への自然溶出がない安定した金属材料を選ぶことが好ましく、銀、白金、クロム、アルミニウム、コバルト、パラジウム等を選ぶことができる。また、電位検知電極13は共通電極18と同一の面内に同一の材料で形成できるため、電位検知電極13と共通電極18の間をパターンニングすることで容易に形成可能である。
【0069】
図8は電位検知電極19を備えた表示装置の回路図である。TFT20と透明画素電極21からなる画素22がマトリクス状に配されており、容量の対向電極側が共通電極23となる。各画素22を選択するためのデータ線駆動回路24a、24bとゲート線駆動回路25が設けられており、それぞれ所定のデータ線26とゲート線27が信号制御部28からの信号によって選択される。信号制御部28からは電位検知電極19が接続するように構成されていて、電位検知電極19からの信号によって画素22部分の電位をモニターすることができる。すなわち、電位検知電極19の材質としては、反応に全く関与せず、媒質中への自然溶出がない安定した金属材料が選択され、電気化学主反応の進み具合を正確にモニターすることができる。この電位検知電極19を用いたモニターから、十分な析出や電気化学反応が行われたところでそれ以上の反応を止めることができる。
【0070】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0071】
まず、前記透明支持体としての日本ゼオン社製の商品名ZEONORフィルム(シクロオレフィンポリマーからなるフィルム)(例えば、厚さ200μm、大きさ300mm×200mm)上に、前記密着層としてのシリコン(Si)をスパッタリングにより厚さ1nmに形成し、次いで、上記に作製した前記密着層上に、前記作用極(前記透明画素電極)としてのITOをスパッタリングにより厚さ100nmに形成した。そして、これらをウエットエッチングにより、ストライプ状にパターン化した。
【0072】
次に、着色用物質である金属イオン(電解質)として、AgIを50mmol使用し、また支持電解質として、NaIを100mmol使用し、これらをDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解させ、更に平均分子量が40万の未架橋のポリエチレンオキサイドを1重量%添加して均一な原料溶液を作製した。この溶液には、着色剤である平均粒径0.5μmのTiO2を0.2重量部添加し、ホモジナイザー等を用いてこれを均一に分散した。そして、上記に作製した前記密着層及び前記作用極を有する前記透明支持体上に、この溶液をキャスト法によって厚み100μmに塗布した。
【0073】
一方、前記支持体としての日本ゼオン社製の商品名ZEONORフィルム(例えば、厚さ200μm、大きさ300mm×200mm)上に、前記共通電極としての厚さ300nmのパラジウム膜をスパッタリングにより成膜し、更にこのパラジウム膜をストライプパターンに形成した。
【0074】
上記に作製した前記共通電極を有する前記支持体と、前記密着層及び前記作用極を有する前記透明支持体とで、前記溶液を挟持し、この状態で約80度で数分以上加熱処理し、前記溶液を加熱架橋重合した。
【0075】
以上のようにして、本発明に基づく表示素子を作製した。この表示素子について、以下に示すように、ITOからなる前記透明画素電極の表面平坦度、また析出特性の評価を行った。
【0076】
前記透明画素電極の表面平坦度の評価
図2(a)は、上記に得られた本発明に基づく表示素子のITOからなる前記透明画素電極の表面のAFM像である。この場合、Rrmsは0.74nm、Raは0.48nm、Rmaxは11nmであった。また、図2(b)は、前記密着層であるSi層を設けなかったこと以外は上記と同様にして作製した表示素子における、前記透明画素電極の表面のAFM像である。この場合、Rrmsは0.62nm、Raは0.41nm、Rmaxは7.8nmであった。
【0077】
図2より明らかなように、前記密着層であるSi層を設けることにより、前記透明画素電極の表面が、前記密着層の表面状態に追随して制御され、表面粗さが大きくなっていることがわかる。
【0078】
析出特性の評価
図9は、上記に得られた本発明に基づく表示素子について光学濃度(OD)値を測定した結果を、前記密着層であるSi層を設けなかった場合と比較して示すグラフである。
【0079】
具体的には、2Vの低電圧駆動(ここでは、パッシブマトリクス駆動)とし、横軸の時間に対するセル反射光の光学濃度値(即ち、金属イオンの電析量)をLogスケールで表している。この光学濃度値は、
−log(I/I0)(但し、Iは透過光強度、I0は入射光強度である。)
である。例えば、光学濃度値が1の場合は、透過率10%、反射率90%の状態を示し、また、光学濃度値が0.6の場合は、透過率25%、反射率75%の状態を示す。
【0080】
図9より明らかなように、光学濃度(OD)値が0.6(即ち、透過率25%、反射率が75%に達する)となる析出時間を比較すると、Si層を設けなかった場合は約0.12sであったのに対し、Si層を有する場合は約0.1sとなり、本発明に基づく表示素子は応答特性の向上がみられた。
【0081】
従って、本発明に基づく表示素子は、耐熱性の低い前記透明支持体上に前記透明画素電極としてのITOが前記密着層(Si)を介して設けられ、前記密着層の表面状態に追随してITOの表面粗さが制御されたので、非加熱でITOを形成しても、析出特性は良好であり、また可撓性を有する表示素子(又は表示装置)を作製することができた。
【0082】
以上、本発明を実施の形態及び実施例について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
【0083】
例えば、各電極を含むセル構成部分の材質、形状等を種々変更してよい。変色材料は、金属イオンに限ることなく、他の公知の材料を使用することができ、析出物や変色物の色も黒以外であってよい。
【0084】
また、本発明に係る表示素子は、表示装置として構成されるのは勿論のこと、反射又は透過光量の調節等の調光機能を生かして、光シャッターや光通信機器等に応用可能である。
【0085】
また、本発明に係る表示装置は、表示領域が単一のものでも複数の画素領域に分割されたものでもよく、表示する情報が文字や記号であっても画像であってもよい。また、表示色も、モノカラー、マルチカラー及びフルカラーのいずれでもよく、例えば、トリオ画素の各画素をセルとして分離したものであってもよい。
【0086】
また、前記支持体上に前記密着層を設け、この密着層上に前記作用極を形成した後、サンドブラスト等の方法によって前記作用極の表面粗さを制御しても良い。
【0087】
また、電極の形状は、上記の実施の形態に記載したようなドット状であってもよいが、例えば実施例に記載したようなストライプ状の電極を用いてもよい。
【0088】
さらに、本発明の表示素子又は表示装置に使用するマトリクス駆動においては、TFTを使用するアクティブマトリクス駆動だけでなく、TFTを使用しないパッシブマトリクス駆動を使用してもよい。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性の低い前記支持体上に作用極としての前記第1極が前記密着層を介して設けられ、前記作用極の表面粗さが制御されるので、耐熱性の低い前記支持体を用い、非加熱で前記作用極を形成しても、電気化学的な還元若しくは酸化反応による表示特性、特に析出特性の向上を図ることができ、例えば可撓性を有する表示素子又は表示装置を実現することができる。
【0090】
また、前記密着層を介して前記支持体上に前記作用極が設けられるので、前記支持体としてポリマーフィルム等を用いても、前記支持体と前記作用極との密着性は良好であり、優れた耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による表示装置の一例の概略断面図である。
【図2】本発明の実施例による前記作用極としての前記透明画素電極の表面状態のAFM像である。
【図3】本発明の実施の形態による表示装置の一例の概略斜視図である。
【図4】同、表示装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図5】同、表示装置の製造方法を工程順に示す概略断面図である。
【図6】同、表示装置の他の例の透明画素電極側の概略平面図である。
【図7】同、表示装置の他の例の共通電極側の概略平面図である。
【図8】同、表示装置の等価回路図である。
【図9】本発明の実施例における本発明に基づく表示装置の時間と光学濃度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…表示装置、2…密着層、3、16、20…薄膜トランジスタ(TFT)、4、15、21…透明画素電極、5、22…表示画素、
6…高分子固体電解質層、7、18、23…共通電極、8、14…透明支持体、9、17…支持体、10…析出物、11…封着部材、
12、13、19…電位検知電極、24a、24b…データ線駆動回路、
25…ゲート線駆動回路、26…データ線、27…ゲート線、28…信号制御部

Claims (10)

  1. 電気化学的な還元又は酸化とこれに伴う析出又は溶解とによって発色又は消色する発色材料を含有する電解質層が、第1極と第2極との間に挟持されている表示素子において、透明樹脂フィルムからなる支持体上に、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In 2 3 、SnO 2 及びZnOからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる透明電極によって形成された作用極としての前記第1極が、シリコンからなる密着層を介して設けられ、前記作用極の表面粗さが制御されていることを特徴とする、表示素子。
  2. 電気化学的な還元又は酸化とこれに伴う析出又は溶解とによって発色又は消色する発色材料を含有する電解質層が、第1極と第2極との間に挟持されている表示素子によって画素部が構成されている表示装置において、透明樹脂フィルムからなる支持体上に、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In 2 3 、SnO 2 及びZnOからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる透明電極によって形成された作用極としての前記第1極が、シリコンからなる密着層を介して設けられ、前記作用極の表面粗さが制御されていることを特徴とする、表示装置。
  3. 前記密着層の表面状態に追随して前記作用極の前記表面粗さが制御されている、請求項1又は2に記載した表示素子又は表示装置。
  4. 前記密着層の厚さが1〜5nmである、請求項1又は2に記載した表示素子又は表示装置。
  5. 請求項1に記載した表示素子を製造する方法であって、前記支持体上に前記密着層を形成する工程と、前記密着層上に第1極としての前記作用極を形成する工程と、前記作用極に対向して第2極を配置する工程と、電気化学的な還元又は酸化とこれに伴う析出又は溶解とによって発色又は消色する発色材料を含有する電解質層を前記作用極と前記第2極との間に挟持する工程とを有する、表示素子の製造方法。
  6. 請求項2に記載した表示装置を製造する方法であって、前記支持体上に前記密着層を形成する工程と、前記密着層上に第1極としての前記作用極を形成する工程と、前記作用極に対向して第2極を配置する工程と、電気化学的な還元又は酸化とこれに伴う析出又は溶解とによって発色又は消色する発色材料を含有する電解質層を前記作用極と前記第2極との間に挟持する工程とを有する、表示装置の製造方法。
  7. 前記密着層の表面状態に追随して前記作用極の前記表面粗さを制御する、請求項又はに記載した表示素子又は表示装置の製造方法。
  8. 前記密着層を1〜5nmの厚さに形成する、請求項又はに記載した表示素子又は表示装置の製造方法。
  9. 前記作用極を真空蒸着又はスパッタにより形成する、請求項又はに記載した表示素子又は表示装置の製造方法。
  10. 前記密着層を真空蒸着又はスパッタにより形成する、請求項又はに記載した表示素子又は表示装置の製造方法。
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