JP4587447B2 - 表示素子 - Google Patents

表示素子 Download PDF

Info

Publication number
JP4587447B2
JP4587447B2 JP2004185789A JP2004185789A JP4587447B2 JP 4587447 B2 JP4587447 B2 JP 4587447B2 JP 2004185789 A JP2004185789 A JP 2004185789A JP 2004185789 A JP2004185789 A JP 2004185789A JP 4587447 B2 JP4587447 B2 JP 4587447B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display element
display
electrode
metal
element according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004185789A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005092183A (ja
Inventor
成伸 平野
拓司 加藤
裕幸 高橋
伊久衞 川島
毅 渋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2004185789A priority Critical patent/JP4587447B2/ja
Publication of JP2005092183A publication Critical patent/JP2005092183A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4587447B2 publication Critical patent/JP4587447B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Description

本発明は,電気化学的な酸化還元反応による電極上への金属の析出及び電極からの金属の溶解を利用した表示素子に関する。
近年,紙に替わる電子媒体として電子ペーパーのような反射型ディスプレイ装置の開発が盛んに行われている。電子ペーパーに要求される特性としては,反射型の表示素子であること,高白反射率・高コントラスト比を有すること,高精細な表示ができること,表示にメモリ効果があること,低電圧で駆動できること,薄くて軽いこと,安価であることなどが挙げられる。
このような特性を満足するものとして,エレクトロクロミック表示素子がある。
このエレクトロクロミック表示素子は,電圧印加によって可逆的な酸化還元反応が起こり,それに伴って発色/消色が起こる現象(エレクトロクロミズム)を利用したものである。このエレクトロクロミック表示素子は,前記した電子ペーパーに要求される特性である,電気的に発色/消色を繰り返す反射型の表示素子であること,メモリ効果があること,低電圧で駆動できること等の特性を有することから電子ペーパーの有力な候補として材料開発からデバイス設計まで広く研究開発されている。
以下,エレクトロクロミック表示素子の従来例について述べる。
非特許文献1には,エレクトロクロミック表示素子の1種である電極表面への銀の析出/溶解を利用したエレクトロデポジション(EDと略す)表示素子が記載されている。
このED表示素子は,透明な作用電極と透明な対向電極とをスペーサーを介して対向させ,このスペーサーによって形成された空間にハロゲン化銀とハロゲン化アンモニウムとを含有する有機溶媒からなる電解質を配置し,両電極間に電圧を印加することにより正極に不透明な銀を析出させて黒色を表示するものである。
この表示装置は,低電圧で駆動できる白黒表示技術であるが,電流駆動型素子であって電界の拡散現象が起こるため表示画像がぼやけしまい,高精細表示をすることが難しいという課題がある。
上記課題を解決するための装置の改良が成されている。
特許文献1には,ED表示素子であって,透明な作用電極と透明な対向電極との間に隔壁部材により互いに実質的に分離された複数の単位セル構造を形成し,これらの単位セル中に,銀塩を含む液体状又はゲル状の電解質溶液を配して,作用電極と前記対向電極との間に所定の電圧を印加した時に,前記作用電極上に銀が析出して,前記作用電極が着色状態に変化し,一方,前記作用電極と前記対極との間に,前記電圧とは逆極性の電圧を印加した時に,前記作用電極上に析出していた銀が前記電解質溶液中に溶解して,前記作用電極が消色状態に復帰するように構成して,前記複数の単位セル構造における前記着色状態と前記消色状態の組み合わせにより,所定の画像を表示するようにしたED型画像表示装置が記載されている。
特許文献2には,単位画素を複数個形成してなるED表示素子において,単位画素に対応するイオンの拡散範囲が,隣接する画素部間で重複することによりシャープな表示ができなくなるという欠点を解消するために,電極の画素部を除く部分を絶縁物によって覆い,イオンの拡散範囲が相互に重複しないようにして,色のにじみや混色のない表示を可能にしたED型画像表示装置が記載されている。
特許文献3には,放射線画像診断システムにおいて,パネルに蓄積された放射線画像情報を,励起光の走査による輝尽発光で検知して光電変換処理を行い画像として再生表示するためのディスプレイ装置において,対向する2枚の平面電極の一方の電極面上に透明導電性膜を外殻として有する微粒子結着層を形成して多孔性電極とし,この電極とITOガラス基板とをスペーサーを介して貼り合わせ,電極とスペーサーとが形成する空間内に銀イオンを有する電解質液を封入し,両電極間に電圧を印加して酸化銀を析出・溶解させて黒色の発色と消色とを繰り返すようにしたED型画像表示装置が記載されている。
上記した特許文献1,2記載のED型画像表示装置においては,画素単位ごとに隔壁を設けるなどの対策を施すことによって,紙と同様な高白反射率,高コントラスト比,高視野角を示す画像を得ている。しかしながら,上記特許文献1,2の装置は,媒体構成が複雑となるためコストが高くなり,また,紙と同程度の非常に高精細な表示(200dpi程度)には対応できない。
特許文献3の装置では,電極を多孔性とすることによりコントラストを向上させているが,微粒子表面に透明導電性膜を外殻として形成する必要があり,プロセス的に複雑であるという課題がある。
更に,上記従来の装置では銀塩溶液を使用しているが,これは高価であり,また,取り扱いが難しいという課題もあった。
特開平11−101994公報 特開2003−21848号公報 特開2002−328401号公報 米国特許第4240717号明細書
本発明は,上述の従来技術の状況および問題に鑑みてなされたものであり,高精細かつ低コスト化が可能なED表示素子を提供することを目的とする。
本発明者等は,表示素子における上記課題について検討を重ねたところ,第1の電極と,該第1の電極に一定の間隔をおいて対向して設けた第2の電極と,両電極間に配置された電解質と,該第1の電極の表面に設けた導電性または半導体性微粒子からなる層とを基本的な構成として有する装置において,対向電極に例えば亜鉛のような金属層を存在させて,表示電極側を負極に,対向電極側を正極に繋いで電圧を印加すると,表示電極の微粒子層のみが黒色に着色し,また,逆電圧を印加すると消色することを見いだした。また,この現象は,対向電極に亜鉛層を存在させる代わりに,電解質中に金属塩を存在させることによっても起こることを見いだした。
本発明者等は上記の着消色現象は,以下のように説明できることが分かった。
すなわち,上記構成の電極間に電圧を印加すると対向電極の亜鉛が電荷を失い,電界質溶液にイオンとして溶出する。溶出した亜鉛イオンは電解質溶液内を表示電極まで泳動し,表示電極で電荷を得て亜鉛として析出して濃灰色を呈する。このとき,表示電極の微粒子層部分は微粒子の表面積効果により実効表面積が非常に大きいため,微粒子層部分で析出する亜鉛の量が微粒子層のない部分より圧倒的に多くなり,微粒子層の部分のみが着色したように見える。逆電界を印加した場合は,表示電極から亜鉛がイオンとして溶出し亜鉛層で析出するため再び白色に戻る。
本発明者等は上記の知見に基づいて本発明を完成させたものである。
そして,本発明の態様は次に記載する通りである。
(1)表示電極と,該表示電極に対して間隔をおいて対向して設けた対向電極と,両電極間に配置された電解質とを備え,該表示電極はその表面に導電性または半導体性微粒子からなる層を有しており,電圧印加により該微粒子表面に電解質中の金属イオンが析出するようにしたことを特徴とする表示素子。
(2)前記導電性または半導体性微粒子からなる層が任意のパターンに形成されていることを特徴とする上記(1)に記載の表示素子。
(3)前記導電性または半導体性微粒子が酸化チタン微粒子であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の表示素子。
(4)前記導電性または半導体性微粒子の平均一次粒径が100nm未満であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の表示素子。
(5)前記電解質が金属塩を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の表示素子。
(6)対向電極の少なくとも表面部分を金属で構成したことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の表示素子。
(7)前記金属が亜鉛を含むことを特徴とする上記(6)記載の表示素子。
(8)前記金属の表面に樹脂と顔料微粒子とからなる反射層を積層したことを特徴とする上記(6)又は(7)記載の表示素子。
(9)前記顔料微粒子の平均粒径が0.1μm以上であることを特徴とする上記(8)記載の表示素子。
(10)前記反射層の主成分が白色微粒子であることを特徴とする上記(8)又は(9)記載の表示素子。
(11)前記電解質が顔料微粒子を含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の表示素子。
(12)対向電極を金属板としたことを特徴とする上記(6)〜(11)のいずれかに記載の表示素子。
(13)対向電極基板の表面に金属層を形成したことを特徴とする上記(6)〜(11)のいずれかに記載の表示素子。
(14)対向電極基板と金属層の間に駆動素子が形成されていることを特徴とする上記(13)に記載の表示素子。
(15)表示電極の基板と導電性または半導体性微粒子からなる層との間,または,表示電極の基板の導電性または半導体性微粒子からなる層を設けていない側の表面にカラーフィルターを設けたことを特徴とする上記(1)〜(14)のいずれかに記載の表示素子。
(16)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の表示素子を用いたことを特徴とする反射型ディスプレイ装置。
以下では,上記(1)〜(16)の発明を「本発明(1)〜(16)」という。
本発明(1)によれば,着色効率が大幅に向上し,応答速度を上げることができる。
本発明(2)によれば,画像がぼやけることを防ぎ,高精細な画像を表示することができる。
本発明(3)によれば,安価な酸化チタン微粒子を用いるので,安価な表示素子を提供することができる。
本発明(4)によれば,表示電極部の透明性を向上させ,高い白反射率の表示素子を提供することができる。
本発明(5)〜(7)によれば,対向電極上の金属層に安価でイオン化傾向が高い亜鉛等の金属を使用することで,安価かつ低消費電力の表示素子を提供することができる。
本発明(8),(9)によれば,高い反射率の表示素子を安価で提供することができる。
本発明(10)によれば,反射層に白色微粒子を用いるので,高い白反射率の表示素子を提供することができる。
本発明(11)によれば,高い反射率をもち,さらに低電圧で駆動できる表示素子を提供することができる。
本発明(12)によれば,対向電極自体を金属板で形成することにより,対向電極を金属イオンの供給源とすることができる。
本発明(13)によれば,対向電極に金属層を設けることにより,この金属層を金属イオンの供給源とすることができる。
本発明(14)によれば,対向電極の基板と金属層の間に駆動素子を形成するので,表示素子をアクティブ駆動することができ,大面積,高精細な表示に対応できる。
本発明(15)によれば,カラー表示を行うことができる。
本発明(16)によれば,高白反射率,高コントラスト比,高視野角を示し,かつ,低電圧で駆動できるディスプレイ装置を提供することができる。
本発明の表示素子は,表示電極と,該表示電極に対して一定の間隔をおいて対向して設けた対向電極と,両電極間に配置された電解質とからなり,該表示電極はその表面に導電性または半導体性微粒子からなる層を有している。
本発明の表示素子は電圧印加による前記微粒子層への電解質中の金属イオンのエレクトロデポジション(ED)現象と逆電圧印加による前記微粒子層からの金属の溶解現象を利用しているが,電解質に金属イオンを存在させる方法としては次の二通りの方法がある。
(A)対向電極を金属板とするか,対向電極の表面に金属層を形成させておき,電圧の印加により該金属板又は金属層から金属イオンを溶出させ,この金属イオンを表示電極の微粒子層に金属として析出させる方法。
(B)電解質に予め金属塩を含有させておき,電圧の印加により表示電極の微粒子層に金属を析出させる方法。
先ず,上記(A)の方法に基づいて,本発明を説明する。
電極について,少なくとも表示電極を透明とすることが必要である。すなわち,対向電極側には金属板又は金属層,更には必要に応じて反射層が存在するため,対向電極側から表示部を見ることはできない。このため,表示電極が透明であることが必要である。対向電極の電極基板は透明であっても不透明であっても良い。
表示電極に用いる透明電極としては,公知の透明基板上に透明電極膜を積層させたものを用いることができる。
透明基板の材料としては,無色又は有色のガラス基板の他,無色又は有色の透明性樹脂を用いることができる。このような樹脂としては,ポリエチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリアミド,ポリアミド,ポリカーボネート,ポリサルフォン,ポリエーテルサルフォン,ポリエーテルエーテルケトン,ポリフェニレンサルファイド,ポリカーボネート,ポリイミド,ポリメチルメタクリレート,ポリスチレン等を挙げることができる。
透明電極膜の材料としては,ITO(In2O3−SnO2),In2O3,SnO2,MgO,ZnO等を挙げることができ,これらは透明基板上にスパッタ法や真空蒸着法等を用いて成膜することが好ましい。
対向電極としては,剛性のある金属板を用いるか,プラスチック,ガラス等の非導電性の透明又は不透明基板の表面に電極膜をスパッタリング法や電着法などで積層した積層体を用いることができる。
対向電極として剛性のある金属板を用いると,これが電極の機能と金属イオンの供給源としての機能とを兼ね備えることとなり,装置の構成が簡単となるため好ましい。
また,積層体からなる電極を用いる場合には,積層体の内側表面に金属イオン溶出源として金属層を形成する。なお,この場合,金属層が電極膜を兼ねても良い。
使用する金属としては,電解質中にイオンとして溶解するものならどのようなものでもよい。特に,亜鉛,銅,鉄,ニッケルなどはイオン化傾向が大きいので適しており,さらに亜鉛は安価でイオン化傾向が大きい金属として本発明の表示素子には有用である。
また,表示電極の微粒子層の金属析出部と金属非析出部とのコントラストを明確にするために,対向電極の表面には金属の色に対してコントラストの強い色(例えば白色)の反射層を設けることが好ましい。
紙の代替として使用する場合,反射層は拡散反射の白色であることが好ましい。このとき,白色微粒子を層状に形成することは有効な手段であり,高い白反射率を得ることができる。このような反射層は金属層の内側に設けることになるので,金属層から溶出したイオンが反射層を通過することができるようにする必要がある。
このような反射層の材料としては,樹脂及び顔料としての微粒子からなるものが好ましい。反射層を樹脂と微粒子とからなる構造とすることにより電解質溶液および亜鉛イオンは透過することができる。
このような反射層は,微粒子を樹脂とともに分散媒に分散させて分散液とし,これを金属板又は金属層の表面に塗布して成膜するという簡便な方法によって作製することができる。
顔料の微粒子として白色のものを用いる場合には,一般的な金属酸化物からなる粒子が適用でき,具体的には酸化チタン,酸化アルミニウム,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化セシウム,酸化イットリウムなどが挙げられる。これらの中でも,特に酸化チタン,アルミナ,酸化亜鉛は安価に入手できることから好ましい。
白色微粒子の粒径は0.1μm以上であることが好ましい。粒径が0.1μm未満である超微粒子体は光が拡散反射せずに透過する現象が起き,白色反射率の低下に繋がる。現在,塗料用途などで多量に使われている酸化チタン粒子は,粒径が0.3μm程度のものであり,これらをそのまま用いることで安価な材料を入手することができる。樹脂は,透明性のものであればどのようなものを用いても構わないが,代表的なものとしては,アクリル系樹脂,塩化ビニル樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリアミド系樹脂,ポリオレフィン系樹脂あるいはウレタン樹脂などが挙げられる。
また,表示電極の微粒子層の金属析出部と金属非析出部とのコントラストを明確にするためのもう1つの方法として,電解液中に顔料微粒子を分散する方法がある。あらかじめ電解液に顔料微粒子を分散しておいてから,表示素子中に注入すればよい。本方法では顔料微粒子を固定するための樹脂は必要ない。そのため素子内の伝導度がよく,低電圧で素子を駆動できる。顔料微粒子としては,前述と同様に一般的な金属酸化物からなる粒子が適用でき,具体的には酸化チタン,酸化アルミニウム,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化セシウム,酸化イットリウムなどが挙げられる。
電解質としては,電圧印加によって金属がイオンとして溶解/析出することができさえすれば例えば溶液状,ゲル状等,どのような形態のものでもよい。例えば溶液状の電解質を用いると金属が溶解しやすいために応答速度,駆動電圧・電流を少なくすることができる。また,ゲル状のものを用いれば電解質が漏洩することがないので信頼性の高い素子を提供することができる。
溶液状の電解質層としては,アセトニトリル,ブチロラクトン,炭酸プロピレンなどの有機溶媒にリチウム塩などを溶解させたものを用いることが一般的である。また,ゲル状の電解質としては,上記溶液系電解質に,さらにポリマーを含有させたり,ゲル化剤を含有させたりして粘稠若しくはゲル状としたもの等を用いることができる。用いるポリマーとしては,例えばポリアクリロニトリル,カルボキシメチルセルロース,ポリ塩化ビニル,ポリエチレンオキサイド,ポリウレタン,ポリアミド,ポリアクリルアミド,ポリアクリレート,ポリメタクリレート,セルロース,ポリエステル,ポリプロピレンオキサイド,ナフィオンなどが挙げられる。またゲル化剤としては,オキシエチレンメタクリレート,オキシエチレンアクリレート,ウレタンアクリレート,アクリルアミド,寒天などが挙げられる。
表示電極の内側表面には,電解質中の金属イオンを析出させるための導電性又は半導体性微粒子の層を設ける。
この微粒子としては一般的な金属酸化物からなる粒子を用いることができ,具体的には,酸化チタン,酸化アルミニウム(アルミナ),酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化セシウム,酸化イットリウム,ITO,アンチモンドープ酸化錫などが挙げられる。これらのいずれを用いても良いが,特に酸化チタンは安価に入手できることから好ましい。
表示素子として利用するためには,微粒子の粒径は平均一次粒径が100nm未満であることが望ましい。この程度の粒径の微粒子は可視光と干渉せず透明な微粒子層を構成することができる。また,微粒子層は画素単位にパターニングすることが望ましい。微粒子層をパターニングすることで高精細な画質を得られる。
微粒子層の作製方法としては,溶媒中に微粒子と微量の樹脂や界面活性剤,分散剤などを混ぜ合わせて分散溶液を調製し,表示電極基板表面にスクリーン印刷法やインクジェット法などでパターンを形成しながら塗布する方法が最も簡便である。塗布した後,表示電極がガラス基板である場合には400〜600℃で数十分焼成し,プラスチック基板である場合には100℃程度で数時間焼成することによって微粒子層を結着することが好ましい。
画素を形成する微粒子層によって高精細な表示を行うために,対向電極にアクティブ駆動素子を設けてアクティブ駆動を行う。アクティブ駆動素子は基板と金属層との間に形成することができる。
本発明の表示素子の1つの構成例を図1に示す。
表示電極1は,透明ガラス基板2,該ガラス基板2の表面に設けた透明電極膜3及び該透明電極膜3の表面の一部に設けた導電性または半導体性微粒子層4から形成されている。一方,対向電極5は,基板6,該基板6の表面に設けられた電極膜7,該電極膜7の表面に設けられた金属層8(図示例では亜鉛層)及び該金属層8の表面に設けられた樹脂と微粒子からなる反射層9とから形成されている。表示電極1と対向電極5とは,スペーサー10を介してセル化されており,内部に電解質11が充填されている。
本構成例の表示素子は,電圧印加しない状態では透明の表示電極を通して対向電極側の白色反射層が見えるので白色であるが,表示電極側を負極に,対向電極側を正極に繋いで電圧印加すると,表示電極の微粒子層の部分に亜鉛が析出して黒色に着色する。次いで,逆電圧を印加すると微粒子層に析出していた亜鉛が溶出し,対向電極の金属層に析出するので,消色し再び白色に戻る。
なお,亜鉛層の上には白色反射層があるが,樹脂と微粒子とから構成された構造であるため電解質溶液および亜鉛イオンはこの反射層を透過することができる。
上記(B)の方法は,電解質に予め金属塩を含有させておき,電圧の印加により表示電極の微粒子層に金属を析出させる方法である。
この場合,電圧の印加により電解質中の金属イオンが表示電極の微粒子層に金属として析出することによって着色し,逆電圧の印加により表示電極に析出した金属が金属イオンとして電解質中に溶出することによって消色する。
表示電極の電極基板及び電極膜を透明とし,表示電極と対向電極の間に反射層を設けて色のコントラストを明確にすることが好ましい。
本発明の表示素子の1つの構成例を図2に示す。
図2の構成例では,樹脂と微粒子からなる反射層9の替わりに電解質11に顔料微粒子12が含有されている。
上記した構成を備えることにより,本発明の表示素子は,紙と同じ程度の高白反射率,高コントラスト比,高視野角を有する白黒表示ができる。
上記背景技術の項で述べたように,金属の析出現象を利用したED表示素子は既に提案されているが,本発明の表示素子は材料・媒体構成が異なり,以下の点で従来のED表示素子の課題を解決している。
本発明の特徴をまとめると次の通りである。
(1)一般に,ED表示素子では,金属イオンが電解質溶液内で拡散してしまうことによって起こる画像のぼやけが問題となるが,本発明の表示素子は,微粒子層部分のみが着色するため,あらかじめ微粒子層を画素単位にパターニングしておけば画像のぼやけを防ぐことができる。例えば,解像度200dpiの場合,1画素あたりのピッチ幅は約130μmであるが,画素の間を数μm程度空ければ画像のぼやけがなくなり,高精細の表示ができる。こうした超微細領域に従来技術におけるように隔壁等を設けることは大変困難であるが,微粒子層をパターニングすることは容易である。
(2)本発明の表示素子は,実効表面積が大きい微粒子層上に金属を析出させるため高効率で着消色できる。従来技術では表示電極の透明電極膜上に金属を析出させているため析出効率が悪く,高濃度の黒色を着色するには時間がかかったが,本発明の表示素子では,短時間で着色し,応答の速い表示ができる。
(3)本発明の表示素子は,使用する金属として銀以外のものを用いることができるため,低コストで作製できる。図1の例のように金属として亜鉛を用いれば銀と比較して大幅に低コストになる。また,本発明の対向電極を金属板とするか金属層を設ける構成を採用すれば,金属塩溶液を使用しないため金属の取り扱いが容易になり,低コスト化や漏洩等が起こった場合の事故の軽減にもつながる。
(4)本発明の表示素子は,アクティブ駆動ができる。A4サイズ程度の画面で高精細な表示をおこなうには,アクティブ駆動素子を用いた制御が必須である。本発明の表示素子においては,表示電極の透明電極膜を基板全面に設けて,対向電極にアクティブ駆動素子を設けることで容易にアクティブ駆動をすることができる。
(5)本発明の表示素子は,カラー表示に対応できる。カラー表示を行うためには,表示電極の内側,または外側にカラーフィルターを設けることが一般的である。この場合,カラーフィルターによって減光されるので,低白反射率や低コントラスト比の白黒表示技術では視認性が著しく低下して表示素子には成りえない。本発明の表示素子は高白反射率,高コントラスト比の白黒表示ができるため,カラーフィルターを用いても視認性は十分あり,カラー表示が可能となる。
(表示電極の作製)
酸化スズ透明電極膜が全面に付いたガラス基板の一部に,平均一次粒径6nmの酸化チタン微粒子(テイカ株式会社,AM−100)の水分散液をスピンコート(回転数750rpm,回転時間30秒)し,450℃で30分間焼成することによって,基板上に約2μm厚の酸化チタン透明膜を有する表示電極を得た。
(対向電極の作製)
白色微粒子として粒径0.3μmの酸化チタン(テイカ株式会社,JR−301)微粒子を用い,樹脂としてポリアクリレートを用い,溶媒としてテトラメチルフランを用いた。テトラメチルフラン10gに対して,ポリエチレンを4g溶解させ,さらに酸化チタン20gを分散させて反射層用の分散液を調製した。
次に,厚さ0.2ミリの亜鉛板に,前記分散液をワイヤーバーによって全面に塗布した。得られた反射層の膜厚は約5μmであり,紙と同様な白色を示した。
(表示素子の組立)
上記で得た表示電極と対向電極とを100μmのスペーサーを介して貼り合わせ,セルを作製した。このセル内に,過塩素酸リチウムを炭酸プロピレンに0.2M溶解させて調製した電解質溶液を封入して表示素子を作製した。
このようにして得た表示素子を図3に示す。
図3に示したものは,図1に示したものと比べると,対向電極5が,亜鉛板12と反射層9とから構成されている点が異なる。
(評価)
電圧を印加しない状態で表示素子の白反射率を測定したところ,約60%と高い値を示した。
表示電極を負極に,対向電極を正極に繋ぎ,3.0Vの電圧を印加したところ,微粒子層のある部分のみが黒色に着色した。ここでセルを分解して表示電極の黒色部分を蛍光X線測定(条件;分子結晶:LIF1,ターゲット:Ph,エネルギー:50kV,角度:5−90°)で分析したところ,2θ=41.7度に亜鉛に帰属されるピークが表れた。従って,この黒色は対向電極の亜鉛が析出することによって着色したものと確認された。
黒色に着色した表示素子に−3.0Vを印加すると消色し,白色になった。この着色,消色現象は繰り返し起こすことができた。
(表示素子の組立)
実施例1と同様に表示電極を作製し,対向電極としての亜鉛板と100μmのスペーサーを介して貼り合わせ,セルを作製した。過塩素酸リチウムを炭酸プロピレンに0.2M溶解させ,さらに白色微粒子として粒径0.3μmの酸化チタン微粒子を50w%分散させた。この分散液をセル中に毛細現象を用いて注入し,表示素子を作製した。
(評価)
電圧を印加しない状態で表示素子の白反射率を測定したところ,約60%と高い値を示した。
表示電極を負極に,対向電極を正極に繋ぎ,1.5Vの電圧を印加したところ,実施例1と同様に表示電極内の粒子層のある部分のみが黒色に着色した。
実施例1において,対向電極の金属板を銅板に換えたことを除いては実施例1と同様にして表示素子を作製した。
実施例1と同様にして,表示電極を負極に,対向電極を正極に繋ぎ,3.0Vの電圧を印加したところ,微粒子層のある部分のみが黒色に着色した。ここでセルを分解して表示電極の黒色部分を蛍光X線測定で分析したところ,2θ=45.0度に銅に帰属されるピークが表れた。従って,この黒色は対向電極の銅が析出することによって着色したものと確認された。
本発明の表示素子は,高コントラスト比,高精細な表示ができ,表示にメモリ効果があり低電圧で駆動でき,薄くて軽く安価であることから,電子ペーパーのような反射型ディスプレイ装置として有用である。
本発明の表示素子の一例を示す図である。 本発明の表示素子の他の例を示す図である。 本発明の表示素子の他の例を示す図である。
符号の説明
1 表示電極
2 透明ガラス基板
3 透明電極膜
4 導電性または半導体性微粒子層
5 対向電極
6 基板
7 電極膜
8 金属層
9 反射層
10 スペーサー
11 電解質
12 顔料微粒子
13 亜鉛板

Claims (16)

  1. 表示電極と,該表示電極に対して間隔をおいて対向して設けた対向電極と,両電極間に配置された電解質とを備え,該表示電極はその表面に導電性または半導体性微粒子からなる層を有しており,電圧印加により該微粒子表面に電解質中の金属イオンが析出するようにしたことを特徴とする表示素子。
  2. 前記導電性または半導体性微粒子からなる層が任意のパターンに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
  3. 前記導電性または半導体性微粒子が酸化チタン微粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示素子。
  4. 前記導電性または半導体性微粒子の平均一次粒径が100nm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示素子。
  5. 前記電解質が金属塩を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示素子。
  6. 対向電極の少なくとも表面部分を金属で構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表示素子。
  7. 前記金属が亜鉛を含むことを特徴とする請求項6記載の表示素子。
  8. 前記金属の表面に樹脂と顔料微粒子とからなる反射層を積層したことを特徴とする請求項6又は7記載の表示素子。
  9. 前記顔料微粒子の平均粒径が0.1μm以上であることを特徴とする請求項8記載の表示素子。
  10. 前記反射層の主成分が白色微粒子であることを特徴とする請求項8又は9記載の表示素子。
  11. 前記電解質が顔料微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の表示素子。
  12. 対向電極を金属板としたことを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の表示素子。
  13. 対向電極基板の表面に金属層を形成したことを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の表示素子。
  14. 対向電極基板と金属層の間に駆動素子が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の表示素子。
  15. 表示電極の基板と導電性または半導体性微粒子からなる層との間,または,表示電極の基板の導電性または半導体性微粒子からなる層を設けていない側の表面にカラーフィルターを設けたことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の表示素子。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の表示素子を用いたことを特徴とする反射型ディスプレイ装置。
JP2004185789A 2003-08-11 2004-06-24 表示素子 Expired - Fee Related JP4587447B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004185789A JP4587447B2 (ja) 2003-08-11 2004-06-24 表示素子

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003291164 2003-08-11
JP2004185789A JP4587447B2 (ja) 2003-08-11 2004-06-24 表示素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005092183A JP2005092183A (ja) 2005-04-07
JP4587447B2 true JP4587447B2 (ja) 2010-11-24

Family

ID=34466810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004185789A Expired - Fee Related JP4587447B2 (ja) 2003-08-11 2004-06-24 表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4587447B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006087815A1 (ja) * 2005-02-21 2006-08-24 Fujitsu Limited エレクトロデポジション表示装置およびその製造方法
JP5003485B2 (ja) * 2005-05-31 2012-08-15 コニカミノルタホールディングス株式会社 表示素子
JP5103730B2 (ja) * 2005-06-03 2012-12-19 富士ゼロックス株式会社 表示方法、並びに、これを用いた表示媒体及び表示素子
JP4726553B2 (ja) * 2005-06-21 2011-07-20 株式会社リコー エレクトロクロミック表示素子
JP2007086188A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Fuji Xerox Co Ltd 表示方法および表示装置
JP5135707B2 (ja) 2006-04-11 2013-02-06 富士ゼロックス株式会社 表示方法及び表示素子
EP2026122B1 (en) * 2006-06-02 2010-01-27 Konica Minolta Holdings, Inc. Display element
JP4923763B2 (ja) 2006-06-09 2012-04-25 富士ゼロックス株式会社 銀三角錐粒子の製造方法、及び銀三角錐粒子
JP2007328278A (ja) 2006-06-09 2007-12-20 Fuji Xerox Co Ltd 表示方法、表示媒体、及び表示素子
JP2008281710A (ja) 2007-05-09 2008-11-20 Fuji Xerox Co Ltd 表示媒体、表示装置および表示方法
US7876490B2 (en) 2008-07-24 2011-01-25 Canon Kabushiki Kaisha Reflection type display apparatus
WO2011118373A1 (ja) * 2010-03-24 2011-09-29 コニカミノルタホールディングス株式会社 電気化学表示素子

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003315844A (ja) * 2002-04-19 2003-11-06 Fuji Photo Film Co Ltd エレクトロクロミックディスプレイ

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003315844A (ja) * 2002-04-19 2003-11-06 Fuji Photo Film Co Ltd エレクトロクロミックディスプレイ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005092183A (ja) 2005-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2372446B1 (en) Electrochromic display apparatus and method of manufacturing the same
JP3951950B2 (ja) 表示装置の駆動方法
JP4587447B2 (ja) 表示素子
EP1475656A1 (en) Electrochemical display element and electrochemical display
EP1347330A1 (en) Electrochromic display device and electrodeposition display device
CN102414610A (zh) 电致变色显示装置
JP2003021848A (ja) 表示素子
JP5135707B2 (ja) 表示方法及び表示素子
JP2019507910A (ja) 電気変色素子
JPWO2002079868A1 (ja) 表示装置及びその駆動方法
JP2007148230A (ja) エレクトロクロミック表示素子
JP4232368B2 (ja) 表示装置及びその駆動方法
JP4569170B2 (ja) 表示素子及び複合電極の形成方法
JP2006208862A (ja) 表示素子及び反射型ディスプレイ装置
JP4433669B2 (ja) エレクトロデポジション型表示装置
JP2002287172A (ja) エレクトロクロミック表示素子及びエレクトロクロミック表示装置
JP4051446B2 (ja) エレクトロクロミック装置
US20050087448A1 (en) Electrochemical display element and electrochemical display
JP4506171B2 (ja) 電気化学調光装置及びその製造方法
JP2006349751A (ja) 電気化学型表示素子および表示装置
JP4992241B2 (ja) 表示素子
JP4497283B2 (ja) 電気化学表示装置およびその製造方法
JP2005283986A (ja) 表示素子及び該表示素子を含む非接触式icカード
JP2005189384A (ja) 電気化学調光装置及びその駆動方法
JP2005091514A (ja) エレクトロクロミック表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100903

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees