JP5134243B2 - 小球形状のフェノチアジン材料とその製造方法 - Google Patents

小球形状のフェノチアジン材料とその製造方法 Download PDF

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Description

[発明の技術的背景]
フェノチアジンはアクリル酸、エステル、モノマーの安定化のような広範な応用における阻害剤、酸化防止剤、連鎖停止剤(short−stopping agent)としてまたはクロロプレンモノマー、スチレンモノマー、他のビニル系モノマーのための安定化剤として、合成潤滑剤および油脂中の、ポリウレタン、ポリエステル、ビニルエステル樹脂のためのポリオール中の酸化防止剤として、医薬品中間体として含有する極めて広範な応用に使用される芳香族アミンを原料とする製品である。
フェナチアジンは典型的には薄片および粉末状で製造され、輝黄色外観(酸化不足を示している)を有する。薄片状はドラム薄片器上に溶融したフェノチアジンをコーティングする事によって製造してもよく、その後にそれを冷却し、薄片、微粉(粉末)の混合物として剥がせる薄い層に結晶化させる。
その製品はその後に物理的分離(分別)工程に運ばれ、そこで微粉(粉末)を薄片から、典型的には分別ふるいの使用によって分離する。薄片化したフェノチアジンをその後に梱包して、取引先に積み出して、その取引先はその固有の加工装置によってこれを運ぶまたは輸送する。分別にもかかわらず、製品は一般的には製造後に微粉を約6%まで含んでいる。更に、薄片は其の後の積み出しおよび処理の間に微粉に壊れる傾向にある。
薄片化したフェノチアジン中の微粉(粉末)の発生と存在が問題を起こす。そのような微粉を含有する薄片化した製品が一様でない粒子径の不足、塊る、埃っぽい、凝集に苦労する。呼吸器、皮膚、目、胃腸刺激剤および皮膚感作体であるフェノチアジンは微細に分割した形態では問題を起こしそうである。薄片化した製品中の微粉も爆発の可能性を増大している。微粉を高濃度(即ち500ミクロンより小さい直径を有する粒子を約6%より多く)に含有する薄片化したフェノチアジンは特に塊る、凝集する傾向にある。
薄片化したフェノチアジンの中の一様でない粒径が製品を塊まらせるおよび/または凝集させる傾向を増大し、自社内及び取引先の設備内両者で容易な流動輸送に抵抗する傾向を増大している。塊まるおよび/または凝集することは瓶、バッグ、台車、保管サイロなどのような容器からフェノチアジンを取り出すこと、輸送することを困難にしている。これが容器内で架橋またはブロックが出来る原因にもなる。微粉は安全問題、健康問題、環境問題も起こす。安全の立場からは、上記のように、微粉は爆発の危険の増加によってならびに従業員の健康の危険の増加、特に皮膚刺激と皮膚感作体などによる危険度の増加による特別重要な意味を有する。
在来の小球化(prilling)技術は溶融素材が穴を通過することを要求し、その後に空中を落下する時にそれが冷却し、小球に固化する。典型的には、小球化塔は80ないし300フィートの高さであり、大量の空気を要する。在来のプリリング技術の欠点は大きな塔と大量の空気を要するという事実を包含している。この事は高い資本コストと顕著な操作費用を要する。追加としては、溶融状態のその製品が反応し、酸化を受け、化学組成と色両者に変化するので、フェノチアジンは現在在来の技術によって小球化出来ない。フェノチアジンの酸化形態は緑色ないし灰色である。この形状は希望した純粋なフェノチアジンとは異なった化学組成を持っている。酸化されてない形状の中の精製したフェノチアジンは輝黄色を有している。
フェノチアジンの融点は184℃であり、したがって、その溶融状態での操作と輸送は困難である。在来の小球化塔の頂上に達するように要求するように、溶融したフェノチアジンを80ないし300フィートにポンプすることは顕著な熱追跡ラインなしには困難である。ライン温度が製品の融点以下に下がれば、その輸送ライン中で速やかに固化し、操作困難の原因になる。
既述に従って、最終フェノチアジン中の微粉の顕著な濃度に付随する問題を低減できるが、なお高品質の素材を製造する製造方法のための技術の需要が存在している。積出し、輸送、貯蔵の間にフェノチアジンが塊まるおよび/または凝集することに付随する問題を低減する技術の需要が存在する。
品質に関しては、いかなる新方法も製品中に99.6%以上のフェノチアジンの工業規模の品質仕様に合致する製品を製造する事が極めて望ましい。しかしながら、色も純度の極めて重要な指標であり、製品の色は淡緑かかった黄色ないし輝黄色であり、特にいかなる灰色または完全な緑色素材を含まない事が極めて望ましく、分析純度が99.6%以上であっても、この素材が逆に下流方向の使用に影響を与えることがある。フェノチアジンの色は伝統的にMunsell Color Chart の使用によって便宜的に評価され、製品の外観がHue Symbol 5Y と Color Spaces 8/4ないし8/12 、8.5/4ないし8.5/12、9/4ないし9/8 (いずれも両端の値を含む)、より特異的にはHue Symbol 5YとColor Sapces8.5/8ないし8.5/12および9/6ないし9/8で定義されたMunsell Color Chartの領域内に収まっている事が極めて好ましい。
[発明の簡単な概要]
本発明は、一般的に球形である複数の小球を含む固体のフェノチアジンまたはその類似物またはその誘導体(これ以降こう記載する)を含む。
以下の記載および請求項においては、フェノチアジンは式(l)(下記参照)の化合物に関し、しかもフェナチアジン製素材は一般的には式(l)のフェノチアジンおよび/または式(ll)(下記参照)のフェノチアジンの類似物または誘導体に関する。
本発明は更にフェノチアジン材料中の微粉(粉末)(fines(powder))の濃度を低下させる方法を含み、その小球は一般的には球形を有するようにフェノチアジン材料を小球形状(prill form)に作成することを含んでいる。本発明はフェノチアジン材料の複数の小球を含む固体のフェノチアジン材料も含んでおり、ここでその小球は一般的に球形であり、その製品は微粉の約6%より多くない(即ち<500μの直径を有する粒子)。
本発明はフェノチアジン材料の溶融液滴を作成するために溶融したフェノチアジン材料を複数の穴を有する少なくとも1個のノズルの中に導入する事を含むフェノチアジン材料の小球を作成し、更に固体の小球を作成するために液滴を冷却し、これらすべてを不活性雰囲気内で行う方法を含んでいる。その方法は特に緑かかかった黄色ないし黄色小球の形態をしたフェノチアジンを作成することに適している。本発明はこの方法によって作成した固体のフェノチアジン材料も含んでいる。
本発明は改良ずみ特性と小球形状をなす微粉(粉末)の低濃度を有するフェノチアジン材料ならびに小球形状にフェノチアジン材料を作成する方法を志向している。本発明は更に製品の品質を維持しながら、フェノチアジン材料中の微粉の濃度を低減するための方法も志向している。本発明の全ての面に関して、フェノチアジン材料はフェノチアジンである事が好ましい。
本発明の第一の面によれば、複数の一般的に球形小球形状で固体のフェノチアジン材料を提供している。フェノチアジンの場合には、小球形状は好ましくは緑かかった黄色ないし黄色、より好ましくはHue Symbol 5Y および Color Spaces 8/4ないし8/12 、8.5/4ないし8.5/12 、9/4ないし9/8(いずれも両端の値を含む)によって定義されたMunsell Color Chartの領域内の色、さらに特異的にはHue Symbol 5Y および Color Spaces 8.5/8ないし8.5/12 、9/6ないし9/8(いずれも両端の値を含む)によって定義された領域内の色である。フェノチアジンの小球形状は輝黄色を有する事が特に好ましく、薄片状のフェノチアジンの色に対応する輝黄色(bright yellow color)が更に特に好ましい。
フェノチアジンの小球製品は好ましくは少なくとも99.6%のフェノチアジンを含む。本発明の別の面によると、溶融したフェノチアジン材料の流動を複数の均等の大きさにした液滴に分割する事を含む小球形状の固体のフェノチアジン材料を作成する、更に小球形状の固体のフェノチアジン材料を作成するために液滴を冷却する方法を提供しており、そのフェノチアジン材料は溶融状態で不活性ガス(好ましくは窒素)雰囲気内で維持されている。小球形状であるフェノチアジン材料が約140℃以下に冷却するまで不活性ガス雰囲気を維持することが好ましい。
[発明の詳細な説明]
本発明の小球は小球を作成するために冷却したフェノチアジン材料の溶融した液滴を作成する複数の穴を有する少なくとも1個のノズルに溶融したフェノチアジン材料を供給する事によって作成しても良い。溶融したフェノチアジン材料は粉末または薄片のようなフェノチアジン材料いかなる有用な形態であっても良い。
フェノチアジンは薄片および粉末両形態で現在市販の固体素材である。その中で使用しているように、フェノチアジン材料はいかなるフェノチアジン類似物または誘導体を含んでいても良く、ただし仮定として、固体状をなし、しかも例えば熱の使用によって、溶融状に作成する事も出来る。
フェノチアジンは199.26の分子量を有し、C12NSの分子式を有する。典型的な市販のフェノチアジンは184℃の融点、371℃の沸点を持っている。かさ密度は薄片製品については約0.85であり、粉末については0.75である。フェノチアジンの化学式は以下の通りである。
Figure 0005134243
フェノチアジン材料はフェノチアジンとその類似物と誘導体を包含し、限定なく、式(II)を有する化合物を含む。
Figure 0005134243
(式中、R、R、Rは同一であっても、異なっていても良く、水素、塩素、フッ素などのようなハロゲン、1ないし26個の炭素原子のアルキル、アルケニル、アルキニルのような分岐鎖のまたは直鎖の、置換したまたは非置換の炭化水素基、置換した若しくは非置換のアリールおよびアラルキル基、またはスルフォニル、カルボキシ、アミン、アルキルアミン、ヒドロキシ、カルボキシ、シリル(silyl)、シロキシ(siloxy)を含むが、これに限定されない官能基、並びに他の類似の誘導体およびそれらの塩のいずれであっても良い。上記の炭化水素、アリール、アラルキル基のための置換基は上記の官能基ならびに酸素、硫黄、珪素、窒素等のような鎖間元素のいずれを含んでも良い。式(II)の中のR,R,Rの最も好ましいのは水素である。式(II)の中では、mとnは好ましくは独立して約1ないし約4である。
小球を作成するためには、溶融状態のフェノチアジン製の素材は式(I)に一致したフェノチアジンおよび/または式(II)に一致したフェナチアジン誘導体または類似物であってもよく、溶融状態のフェナチアジン製素材を受け入れる能力のあるジェットプリラー(jet priller)のノズルチャンバーに供給し、さらに複数の穴を有する小球化ノズルを通過する。
その好ましい態様を含む上記の纏めと発明の詳細な説明を理解することが添付の図面を結合するとその考慮を助ける。本発明を図示する目的で好ましい態様を図面の形で示す。ただし、本発明はその詳細な配置と図面に示した装備に限定するものではない。図面によると、図1はジェットプリラーの図面表示であり、本発明に即したフェノチアジン小球を製造することに適した関連装置である。
フェノチアジンを便利なことには約190℃から約215℃、より好ましくは約205℃から約215℃にFeed Tank(1)内で加圧した不活性ガス貯蔵器(2)から供給した不活性ガス(好ましくは窒素ガス)中で加熱することによって溶融状に転換する。溶融体をその後に不活性ガスの圧力によって調整容器(3)に輸送し、ただしその温度は約195〜200℃に調節されている。溶融したフェナチアジンを窒素雰囲気中にジェットプリラー(6)のノズルチャンバー(5)内に異物質を除くフィルター(4)を経由して運び込むために、不活性ガス(好ましくは窒素)圧力は調整容器(3)内で約1.5ないし3バールまでに維持されている。
小球化ノズル(7)を通過するフェナチアジンの流速を制御するために、ノズルチャンバー(5)内の不活性ガス圧力は好ましくは0と1バール間、より好ましくは0.035から0.80バールまでの定圧に注意深く制御されている。溶融したフェノチアジンをノズルチャンバーに約215℃より高い温度で供給することおよび/またはノズルチャンバー(5)内で約1バールより高い圧力で操作することは溶融したフェノチアジンをより低い制御方法で粉砕する原因になり、その結果より細かい液滴を作成し、結局最終製品においてより微粉になる。
溶融したフェノチアジンが小球化ノズル(7)の穴を通過して小球化塔(8)の頂上に達する時に、制御した方法でノズルチャンバー(5)の壁内の振動膜(9)の作用で約1mmから約2mmの液滴に破壊する。この振動膜は約100から1500Hz、より好ましくは約400から1100Hzの周波数で作動する振動ユニット(10)で振動している。液化した不活性ガス、特に液体窒素の流れを同時に液化した不活性ガス貯蔵器(11)から小球化塔(8)の側面の中に供給し、冷たい不活性ガスの混合物は、液体および気体の形態で、溶融したフェノチアジンの小さい液滴を一般的に球形の小球に速やかに冷却する。冷たい不活性ガス、特に窒素の使用は製品の品質を維持するために、緑がかった黄色ないし黄色に着色した製品に到達するために重要である。本発明によるフェノチアジン小球を作成するために他の不活性冷却ガスを使用しても良いが、窒素が好ましく、その理由は小球を急冷するのに、酸化性の雰囲気とのいかなる接触も防ぐことに、したがって好ましい黄色、特にHue Symbol:5Y Color Space 8/4ないし8/12、8.5/4ないし8.5/12、9/4ないし9/8以内の範囲の色を維持することに有効だからである。
液滴が小球化塔(8)を落下している間に、その液滴を冷たいガス状および液状の不活性ガス(特に窒素)の混合物によって部分的に結晶質の小球に先ず冷却する。小球が小球化塔(8)の付け根に達する時間まえに、これら小球は一般的に約120℃ないし約170℃、より好ましくは約140℃の温度であり、そこから小球はサイクロンの形態を有するスパイラル冷却器(12)の中に通過し、小球がスパイラル冷却器(12)の付け根に到達する前に、結晶化が完了するまで小球が更に冷たい不活性ガス雰囲気の中で冷却する。そこで小球はジェットプリラー(6)から空気の侵入を防ぐエアロック(13)を経て除去され、一方微粉を運ぶ不活性ガスは側面ダクトを通じてスパイラル冷却器(12)経由して通過し、これら微粉はノズルを通過する通過中に偶然に生じたのかもしれない。
フェノチアジン小球の品質はフェノチアジンと不活性ガスの相対流速に敏感である事が見出された。小球化塔(8)とスパイラル冷却器(12)を通過する窒素の流速は好ましくは0.25から0.3kg/(小球化フェノチアジン1kg)である。
スパイラル冷却器を離れた不活性ガスはファン(15)によって微粉を除くサイクロン(14)に引き込まれ、冷却器(16)経由で小球化塔(8)にリサイクルされて、新鮮な液体窒素の供給を補う。
好ましいジェットプリラー(Priller)は市販されており、オランダのWaddinzveenにあるGoudsche Machinefabriek B.V.GMF Gouda会社からモデルJP15として販売されており、小球はそのようなジェットプリラーを使って製造できる。
小球形状のフェノチアジンは多くの用途に有用であって、フェノチアジン粉末が問題になる用途において特に有用である。フェノチアジン小球は本発明に即して多くの広範な用途に使用しても良く、幅広い化学用途のための安定化剤としての用途を含む。その製品をアクリル酸、エステル、モノマーの安定化のような広範囲の用途における阻害剤、酸化防止剤、反応短縮剤に、またはクロロプレンモノマー、スチレンモノマー、その他のビニルモノマーのための安定化剤として使用しても良い。小球製品は合成潤滑剤と油中の酸化防止剤として、ポリウレタンとポリエステルとビニルエステル樹脂のためのポリオールとして有用である。活性の高いレベルによって、フェノチアジンは極めて低い濃度で機能を果たし、他の安定化剤の機能を強化している。強い酸性環境でも、空気または窒素両環境においても十分に機能を果たす。フェノチアジン材料は小球形状で有用な医薬品の中間体である。
本発明の小球化したフェノチアジン材料は好ましくは約6重量%より少ない、好ましくは1重量%より少ない微粉(粉末)を有しており、すなわち約500ミクロンより小さい直径を有している。更に、小球化したフェノチアジン材料は好ましくは約0.5mmから約2.3mm、より好ましくは約1mmないし約2mmの小球製品の最大大きさの測定平均直径を有している。フェノチアジン材料の一般的に球形の小球は本発明に即して大きさの一様性によって顕著に改善した流動特性を有しており、薄片または粉末状の標準的なフェノチアジン材料よりもより一般的に安全に使用できる。
本発明を以下の限定を意味しない実施例に照らしてより詳細にここに記述する。
[実施例1]
モデルとした実験室スケールのプリラーの中の小スケールの試行
1リットルの三口反応フラスコを薄片供給タンクに見せかけるために使用する。そのフラスコは窒素供給管、攪拌のための攪拌器、温度検査器、底の出口付きである。装置を真空に吸引し、窒素雰囲気内で製品を投入する前に3回窒素で空気除去を行った。反応器をその後に窒素中で約200℃での溶融状態に加熱したフェノチアジン薄片で充填した。溶融したフェノチアジンをその後にゆっくり底の出口バルブ(見せ掛けのノズル)を通じて真空ジャケット付きのデュワーフラスコの中の約1リットルの液体窒素(約−192℃)の中に滴下する。輝黄色小球が生成し、選択分析に掛ける。輝黄色小球は全ての製品仕様に合致しており、沈殿を生ぜず、標準的なフェノチアジン薄片に類似の方法と効率で処理する。
[実施例2]
市販のジェットプリラー中の大きなスケール試行
フェノチアジン薄片を供給タンク(1)に供給した。その薄片をその後に溶融し、約200℃3.1バールの圧力で(窒素ガス)調整タンク(3)に運搬した。その製品(3)をその後に窒素圧力中でモデルJP15/1クローズドループのジェットプリラーのノズルチャンバー(5)にそれぞれ約0.5mmの直径を有する100個の穴付きのノズル(7)を有するGMFGouda(6)から供給する。ノズル(7)を通過するフェノチアジン流速はノズルチャンバー内での一定の窒素圧力を維持する事によって制御する。その製品がノズル(7)を通過する時に、ノズルチャンバー(5)の壁の中の振動膜(9)によって1−2mmの液滴に分割され、1005−1007Hzの周波数でストロボスコープの助けによって制御した。
小球は溶融した液滴の液体窒素による急激な冷却によって液滴から固体の小球形態に生成された。溶融した供給体は約200℃(一般的に約194.7から195.5℃に渡っている)であり、液体窒素の温度は約−192℃である。液化した不活性ガス貯蔵器(11)からの液体窒素の流速は小球1kgあたり窒素0.25kgから小球1kgあたり窒素0.30kgに変化した。寒剤としての小球化塔(8)の中の液体窒素ガス雰囲気を落下する間にその製品は小球に固化した。更なる冷却はスパイラル冷却器(12)の中で起こり、その後に製品をエアロック(13)を介してジェットプリラーから放出する。全ての発生した微粉を含む窒素ガスをファン(15)によって微粉を除くサイクロン(14)を通じて引き抜き、その窒素ガスを冷却器(16)を通過する後に小球化塔(8)に戻し再循環する。
試行は緑がかった黄色(Munsell Color Space 5Y/8/6)ないし黄色(Munsell Color Space 5Y/9/6)フェノチアジン小球の製造になって生じ、この小球は全ての標準的な製品仕様に合致し、沈殿を生ぜず、しかも標準的なフェノチアジン薄片に類似した効能を生じた。その小球も改善した操作性と流動性を示した。
得られたその小球は形態としては一般的に球形であって、約1mmの平均直径を有した。その小球も低い安息角(angle of repose)を持ち、極めて狭い粒径分布を示した。1%より低い微粉(粉末)濃度を達成し、その製品は塊まる傾向を示さなかった。その製品も現存する薄片製品より優れた流動、輸送、操作特性を示した。更に、より一様な形態とより小さい平均粒径によって、その小球は薄片製品に比較して強化した溶解時間を示した。標準的な薄片と実施例2の中で製造した小球の特性の比較を以下の表1に示す。
Figure 0005134243
ここに記載した適当な制御と不活性雰囲気、好ましくは液体および気体状の窒素によって作成された雰囲気によって、希望した特性と色を有する小球化フェノチアジンを製造する事が可能である。
既述に基づいて、薄片状および粉末状のフェノチアジン特性に少なくとも比肩できる、しかも殆どの場合より優れた特性を示すフェノチアジンの小球が得られる。有利なことには、小球も実質的に一様な平均直径および狭い粒径分布を示し、さらに極めて低い微粉濃度を含有することを示した。そのような特性は塊まるおよび/または凝集の低下をもたらし、輸送および使用において改善した流動特性を示した。これらの小球を使用する事によって達成できるその他の顕著な利点は環境および作業現場安全性の改善、更に微粉の低濃度から生ずる製造コストの低下を含む。
広い発明の概念から乖離することなく、上記の態様に変化をさせることができる事を当業者は認めるだろう。従って、この発明は特定の開示した態様に限定されないことと理解すべきであるが、添付の請求の範囲で定義した本発明の精神と範囲内での変更をカバーしている事を意図するものである。

Claims (2)

  1. Hue Symbol 5YとColor Spaces 8/6〜8/12、8.5/4〜8.5/12、及び9/4〜9/6(いずれも両端の値を含む)によって定義されたMunsell Color Chartの領域内にある緑がかった黄色ないし黄色を有する複数のフェノチアジン小球であって、
    ノズルチャンバーの穴付きのノズルで分割された液滴のサイズに応じた平均直径を有する前記複数のフェノチアジン小球であり、
    不活性ガス雰囲気下にある前記ノズルチャンバーの穴付きのノズルにおいて溶融フェノチアジン流を前記平均直径をもたらす前記液滴のサイズを有する複数の液滴に分割する工程と、
    頂上が前記ノズルチャンバーの穴付きのノズルに位置しているとともに液体窒素雰囲気下あるいは不活性ガス雰囲気下にある小球化塔において前記複数の液滴を冷却する工程とによって製造されることを特徴とするフェノチアジン固体製品。
  2. Hue Symbol 5YとColor Spaces 8/6〜8/12、8.5/4〜8.5/12、及び9/4〜9/6(いずれも両端の値を含む)によって定義されたMunsell Color Chartの領域内にある緑がかった黄色ないし黄色を有する複数のフェノチアジン小球であって、
    ノズルチャンバーの穴付きのノズルで分割された液滴のサイズに応じた平均直径を有する前記複数のフェノチアジン小球であるフェノチアジン固体製品の製造方法であって、
    不活性ガス雰囲気下にある前記ノズルチャンバーの穴付きのノズルにおいて溶融フェノチアジン流を前記平均直径をもたらす前記液滴のサイズを有する複数の液滴に分割する工程と、
    頂上が前記ノズルチャンバーの穴付きのノズルに位置しているとともに液体窒素雰囲気下あるいは不活性ガス雰囲気下にある小球化塔において前記複数の液滴を冷却して前記フェノチアジン固体製品に形成する工程を有することを特徴とするフェノチアジン固体製品の製造方法。
JP2006351282A 1999-12-03 2006-12-27 小球形状のフェノチアジン材料とその製造方法 Expired - Fee Related JP5134243B2 (ja)

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