JP2003033640A - スラリー溶融液の滴下造粒方法及びこれを用いた尿素系複合肥料造粒物の製造方法 - Google Patents
スラリー溶融液の滴下造粒方法及びこれを用いた尿素系複合肥料造粒物の製造方法Info
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Abstract
度が高く粉立ちの少ない粒子の製造に必要な溶融造粒法
において、ノズルの詰まり、摩耗といったトラブルを回
避し、生産性が良く、かつ落下高さを節約して製造する
方法、さらにこの造粒方法を用いた尿素系複合肥料造粒
物の製造方法を提供する。 【解決の手段】50〜500℃で固体を溶融して得た第
1成分の溶融液と50〜500℃では溶融しない第2成
分の粉体を含む混合物のスラリー液滴を滴下冷却固化す
ることを特徴とするスラリー溶融液の滴下造粒方法及び
これを用いた尿素系複合肥料造粒物の製造方法を用い
る。
Description
る、真球状で高硬度で直径2〜5mmφ程度の粒子の経
済性に優れ、生産性が良い造粒方法、及びこの造粒方法
を利用した尿素系複合肥料造粒物の製造方法に関する。
分を混合し粒子状に製品化することがある。そして、散
布の都合とか保管時の固結対策として、真球状で高硬度
な直径2〜5mmφの粒子が求められていた。
攪拌造粒といった手段で、粉体成分をバインダーで固着
成長させ粒子径を増大させたり、粉体成分の回りに他成
分の溶融液または水溶液を、スプレー等の手段でコーテ
イング造粒していた。ところがこうした造粒方法では、
硬度が不足したり、溶融または溶解成分の微細結晶が表
面に析出したりして、結局散布時に粉立ちが多かった
り、固結して散布できなかったりする弊害が目立った。
技術としては、0.5〜2mmφ程度の粒子を、回転
体、二流体、加圧型等のノズルから噴射空冷する技術が
知られている。この方法で多数の成分を原料に造粒する
例として特開平8−67591号公報が提案されてい
る。この方法ではノズル直径2〜5mmφから圧力0.
4〜0.8MPa・G(4〜8Kg/cm2G)程度で
溶融した原料を噴出空冷造粒している。この方法で製造
された粒子は、真球度、硬度、粉立ちといった上記物性
は満足しているものの、粒子径が2〜4mmφに65〜
67%しか存在せず、残りは2mmφ以下であり収率は
必ずしも満足すべきものではなく、また冷却固化に要す
る高さも約30mが必要で生産性、経済性の面で改善す
べき点があった。また噴射ノズルでの詰まりや摩耗等が
生じる可能性もある。
する技術、冷媒中または冷却ベルト上に滴下造粒する技
術等が知られているが、スプレー造粒した場合は硬度が
高くできず、また、冷媒を用いると冷媒に可溶な成分は
使用できない等の課題があった。冷却ベルトの上に液滴
を滴下する板状滴下技術においては、冷却面に接触する
部分が偏平となり、真球状粒子を製造することは困難で
あった。
れまでの技術は要求される物性、特に硬度が低かった
り、微粉の発生を抑えられなかったり、真球状粒子が得
られなかったり、また製造できたとしても含有成分が制
約されたり、直径2〜5mmφの粒子の収率が悪かった
り、設備費が高かったり、設備の保全に手間がかかった
りする方法であり、工業的に、経済的に満足できるもの
ではなかった。
ものであり、前述した従来法の課題の解決、すなわち、
多成分からなる直径2〜5mmφの大きな、硬度が高く
粉立ちの少ない粒子の製造に必要な溶融造粒法におい
て、ノズルの詰まり、摩耗といったトラブルを回避し、
生産性が良く、かつ落下高さを節約して製造する方法、
さらにこの造粒方法を用いた尿素系複合肥料造粒物の製
造方法を提供することを目的とする。
が解決できる製造方法として、多くの先行技術を調査
し、そして、研究を積み重ね鋭意検討した。その結果、
硬度が高く、微粉の発生もなく、直径2〜5mmφの粒
子を生産性良く、かつノズルの摩耗及び詰まりを回避し
つつ製造するには、原料の溶融液を重力滴下により滴下
し、生成される液滴を空気冷却により造粒することで達
成できることを見出した。さらにこの空気冷却により、
直径5mmφの様な大きな粒子であっても、高さ30m
以下で製造できること、さらにこの造粒方法は、尿素系
複合肥料造粒物を製造するのに好適であることも見出
し、経済性良く生産する方法を完成するに至った。
を溶融して得た第1成分の溶融液と50〜500℃では
溶融しない粉体を1成分以上含む混合物のスラリー液滴
を滴下冷却固化することを特徴とするスラリー溶融液の
滴下造粒方法、及びこの滴下造粒方法を用いた尿素系複
合肥料造粒物の製造方法である。
て得た第1成分の溶融液と50〜500℃では溶融しな
い第2成分の粉体を含む混合物のスラリー液滴を滴下冷
却固化してスラリー溶融液より造粒物を得る方法であ
る。
より溶融できるものであれば特に限定されず、例えば、
肥料の成分として通常用いられる尿素や塩化カルシウム
が例示できる。また、第2成分は50〜500℃では実
質的に溶融せず固体状の粉末であればよく、例えば、肥
料の成分として通常用いられる、熔成燐肥、五酸化燐等
の燐酸質化合物、塩化カリウム、酸化カリウム等のカリ
ウム質化合物、有機質化合物、酸化マンガン等のマンガ
ン質化合物、三酸化ホウ素等のホウ素質化合物などが例
示できる。これらの第2成分は1種単独のみならず、2
種以上を適宜混合して用いることができる。さらにこれ
ら以外にも二酸化珪素等の珪酸質化合物、酸化マグネシ
ウム等のマグネシウム質化合物、鉄粉等、通常肥料に用
いられる成分も適宜加えることができる。これらの第2
成分の内でも、燐酸質化合物及び/又はカリウム質化合
物が好ましく用いられる。
ように、50〜500℃で溶融する性質を有し、一方、
第2成分は50〜500℃では実質的に溶融せず粉末の
ままとなることから、両者が混合された混合物はこの温
度範囲ではスラリー状となり、この溶融スラリーをノズ
ル等より液滴として滴下させ冷却することで液滴が固化
し、上記第1成分と第2成分を含む造粒物が得られるの
である。殊に第2成分が粉末であることから、冷却固化
する際に液成分の構成割合が少なくなるために、固化の
ための熱量を減ずることができ、迅速な固化が達成で
き、あるいは滴下する際の落下させる設備を小さなもの
とすることができるという優れた効果を奏することがで
きる。
冷却効率も考慮すれば、混合物中のスラリー濃度を30
〜55体積%、スラリー粘度を100〜2000センチ
ポイズの範囲としておけばよい。
ズル径を1mmφ以上が好ましく、さらに1.5mmφ
以上とすることが好ましい。これは第1にノズルの詰ま
りを防ぐためであり、第2に粉体成分の粒子径をなるべ
く大きくして、第1成分の溶融液と粉体を混合した場合
の粘度の上昇を抑えること、第3に粉砕エネルギー節約
のためである。殊に、ノズル径1.5mmφ以上であれ
ば、粉体の粒子径は最大700μmまで許され、それ以
下に粉砕するより大幅にエネルギーの節約と、粘度の低
下をもたらすことができる。
混合は、第1成分の溶融後でも第1成分の溶融と同時で
も良い。溶融及び混合は通常の攪拌槽に伝熱装置を設置
したものでも、スクリュー型でも混合、伝熱できること
が可能であれば良い。
を兼ねても良いし、溶融槽の下部に独立に設置しても良
い。粉体の沈降による成分分離、滴下ノズルの詰まりを
回避できるように、温度調整と、滴下ノズル直上での攪
拌が実施できるようになっていれば良い。
度として100〜2000センチポイズの範囲まで上げ
ることができる。例えば尿素系化成肥料における、熔成
燐肥においては、その比率を51.5wt%、塩化カリ
を17.2wt%とできる。これは粉体の体積%として
53%もの高さである。
方法は、重力滴下により、ノズル通過線速度を、10〜
150cm/秒とすることが好ましい。この範囲であれ
ば、ノズル通過流速によらず、液滴径は2〜5mmφの
範囲に70%以上、さらには80%以上収めることがで
きる。言い換えれば、重力滴下に必要な原料液の液深を
数cmから1m程度までに変化させることを、可能にす
るもので、操作が容易である。さらに、ノズル通過線速
度が10〜25cm/秒で滴下する、いわゆる滴状滴下
領域では、粒子径分布は極めてシャープとなり、3〜4
mmφの中に80%以上を含む粒子を製造できる。これ
に対し、ノズル通過流速25〜150cm/秒で滴下す
る、いわゆる平滑流滴下領域では、生産性は、前記の滴
状滴下領域に比較して向上する。しかし、粒子径分布は
2〜4mmφの中に80%以上となり粒子径分布のシャ
ープさは、滴状滴下には劣る。このように、滴下を滴状
滴下領域にておこなうか、平滑流滴下領域にて行なうか
は、目的に応じて適宜決めればよい。
空気温度があまりあがらない程度に置換されていれば良
い。十字流、更には向流で冷却すれば冷却に必要な高さ
が節約でき更に良い。また空気が臨界湿度以下に除湿さ
れていれば、造粒された製品の固結を更に防げ好まし
い。
気冷却により落下し造粒回収されるに必要な高さは、粒
子の最大径が5mmφである時、外殻の固化した部分の
厚みが0.2〜0.4mmあれば、強度的に着地回収で
きる。第1成分の凝固潜熱にもよるが、10m〜30m
程度の高さ、さらにおおむね20m程度の高さでこれを
達成でき、滴下設備、回収設備を含めた高さを30m以
下とすることが可能で、極めて経済的である。また、こ
の高さ20mの高さというのは、滴下ノズルのノズル通
過流速が100cm/秒程度の低流速であることで、粒
子径が2〜5mmφというような大きな粒子であっても
達成されることに大きな特徴がある。
径分布は、2〜5mmφ、更には運転条件範囲を選べば
3〜4mmφの範囲に80%以上が収まる極めて狭い分
布を持つことができるとともに、その形状も球状、さら
に真球状となる。また空冷固化の特徴として表面硬度は
高く、上記粒子径分布と相俟って、肥料等で要求される
粉立ちが少なく散布性に優れた製品となる。そして、こ
の造粒法は粒子径が範囲外で再使用ないし廃棄される製
品が少なく、経済性、環境調和性にも優れた製造法であ
る。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
65μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、
最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した
熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直
径1.5mmφのノズルを7個設けた蒸気加熱できるジ
ャケット付きの攪拌槽に供給し、スラリー溶融液の温度
が115.0℃となるように温度調整を行い、液面を
0.50mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmと
して、スラリー溶融液を作製した。このときのスラリー
濃度は53体積%、スラリー粘度は回転式粘度計で16
50センチポイズであった。このスラリー溶融液を底部
ノズルからノズル通過線速度22.6cm/秒で液滴を
生成落下させ、空気中の落下高さが20mの地点で造粒
物を回収した。
4.33mmφが91.7%、3.0〜4.33mmφ
が75.4%であり、肥料としての組成も、保証成分を
満足するものであった。
65μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、
最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した
熔成燐肥50.0重量部、マンガン1.0重量部、ホウ
素0.5重量部を規定量混合した後、底部に直径1.5
mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できるジャケット
付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が115.0℃と
なるように温度調整を行い、液面を0.50mに維持し
つつ、攪拌回転数を360rpmとして、スラリー溶融
液を作製した。このときのスラリー濃度は53体積%、
スラリー粘度は1650センチポイズであった。このス
ラリー溶融液を底部ノズルからノズル通過線速度24.
1cm/秒で液滴を生成落下させ、空気中の落下高さが
20mの地点で造粒物を回収した。
4.33mmφが95.9%、3.0〜4.33mmφ
が79.8%であり、肥料としての組成も、保証成分を
満足するものであった。
65μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、
最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した
熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直
径1.5mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できるジ
ャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が11
4.5℃となるように温度調整を行い、液面を0.30
mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、ス
ラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は5
3体積%、スラリー粘度は1650センチポイズであっ
た。このスラリー溶融液を底部ノズルからノズル通過線
速度12.5cm/秒で液滴を生成落下させ、空気中の
落下高さが20mの地点で造粒物を回収した。
4.33mmφが96.5%、3.0〜4.33mmφ
が79.3%であり、肥料としての組成も、保証成分を
満足するものであった。
65μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、
最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した
熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直
径1.5mmφのノズルを54個設けた蒸気加熱できる
ジャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が11
5.0℃となるように温度調整を行い、液面を0.45
mに維持しつつ、攪拌回転数を136rpmとして、ス
ラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は5
3体積%、スラリー粘度は1650センチポイズであっ
た。このスラリー溶融液を底部ノズルからノズル通過線
速度15.6cm/秒で液滴を生成落下させ、空気中の
落下高さが20mの地点で造粒物を回収した。
4.33mmφが97.0%、3.0〜4.33mmφ
が81.0%であり、肥料としての組成も、保証成分を
満足するものであった。
65μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、
最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した
熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直
径1.5mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できるジ
ャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が11
7.0℃となるように温度調整を行い、液面を0.30
mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、ス
ラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は5
3体積%、スラリー粘度は1650センチポイズであっ
た。このスラリー溶融液を底部ノズルからノズル通過線
速度25.7cm/秒で液滴を生成落下させ、空気中の
落下高さが19mの地点で造粒物を回収した。
4.33mmφが95.9%、3.0〜4.33mmφ
が79.8%であり、肥料としての組成も、保証成分を
満足するものであった。
5μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、最
大粒子径500μm、平均45μmに粉砕・分級した熔
成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直径
1.5mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できるジャ
ケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が115.
0℃となるように温度調整を行い、液面を0.50mに
維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、スラリ
ー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は53体
積%、スラリー粘度は5000センチポイズであった。
このスラリー溶融液を底部ノズルから液滴を生成落下さ
せようと試みたが、スラリーの粘度が高いためノズルか
ら滴下することができず、造粒物を回収することができ
なかった。
50μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、
最大粒子径750μm、平均550μmに粉砕・分級し
た熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に
直径1.5mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できる
ジャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が11
7.0℃となるように温度調整を行い、液面を0.50
mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、ス
ラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は5
3体積%、スラリー粘度は1300センチポイズであっ
た。このスラリー溶融液を底部ノズルから液滴を生成落
下させようと試みたが、スラリー溶融液の固液分離が顕
著であり、組成の均一な球状粒子として回収することが
できなかった。
65μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、
最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した
熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直
径3.0mmφのノズルを1個設けた蒸気加熱できるジ
ャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が11
7.0℃となるように温度調整を行い、スラリー溶融液
を作製した。このときのスラリー濃度は53体積%、ス
ラリー粘度は1650センチポイズであった。このスラ
リー溶融液の入った攪拌槽を密閉し、空気により0.6
MPa・Gに加圧し、上記ノズルからノズル通過線速度
30m/秒で噴射造粒した。冷却固化に必要な高さは約
30mで、得られた造粒物の粒子径分布は2.0〜5.
0mmφの範囲が50〜60%で、残りは2.0mmφ
よりも小さい粒子径に分布していた。
65μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、
最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した
熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直
径1.5mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できるジ
ャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が11
7.0℃となるように温度調整を行い、液面を0.30
mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、ス
ラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は5
3体積%、スラリー粘度は1650センチポイズであっ
た。このスラリー溶融液を底部ノズルからノズル通過線
速度25.7cm/秒で液滴を生成落下させ、空気中の
落下高さが9mの地点で造粒物を回収しようと試みた
が、この高さでは固化が不充分で、落下の衝撃でつぶれ
てしまい、球状粒子として回収することができなかっ
た。
に要求される様な、2〜5mmφの真球状粒子を生産性
良く、経済的に、環境保全にも優れた方法を提供する。
いるため、滴下後の冷却が効率的に行なわれ、優れた物
性を有した造粒物を効率的に製造することができる。殊
に、溶融スラリーのスラリー濃度及び粘度を所定の範囲
に制御することで、粒子径2〜5mmφの大きな粒子を
80%以上の高収率で製造できる。 (2)本発明の方法により得られる造粒物は、その硬度
が高く粉立ちが少なく、真球状で散布性に優れた粒子で
ある。 (3)本発明の方法では、比較的低い落下高さで空冷固
化造粒でき、経済性の高い造粒法である。 (4)本発明の造粒方法は粒状肥料の製造に適してお
り、特に尿素系複合肥料造粒物の製造に好適であり、産
業上有用である。
Claims (9)
- 【請求項1】50〜500℃で固体を溶融して得た第1
成分の溶融液と50〜500℃では溶融しない第2成分
の粉体を含む混合物のスラリー液滴を滴下冷却固化する
ことを特徴とするスラリー溶融液の滴下造粒方法。 - 【請求項2】混合物のスラリー濃度が30〜55体積%
であり、回転法で測定されるスラリー粘度が100〜2
000センチポイズであることを特徴とする請求項1に
記載の滴下造粒方法。 - 【請求項3】溶融スラリーを、直径1〜4mmφの孔径
のノズルを底部に設けた容器から、ノズル通過線速度1
0〜150cm/秒で滴下して液滴を生成させ、該液滴
を空気で冷却固化して得られる粒子の径の80%以上が
2〜5mmφの真球状粒子であることを特徴とする請求
項1又は請求項2に記載の滴下造粒方法。 - 【請求項4】溶融スラリーに含まれる粉体成分の粒子径
が、最大700μm以下、平均径が50〜500μmで
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
滴下造粒方法。 - 【請求項5】容器に攪拌機を設け、その回転数を制御し
て粉体成分の沈降を防止しつつ、混合物のスラリー濃度
が30〜55体積%、回転法で測定されるスラリー粘度
が100〜2000センチポイズでノズルから滴下させ
ることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の滴下
造粒方法。 - 【請求項6】冷却固化の空気中での落下高さを、固化す
る粒子の外殻の0.2〜0.4mm(厚み)が固化した
状態となるように設定することを特徴とする請求項1〜
5のいずれかに記載の滴下造粒方法。 - 【請求項7】冷却固化に必要な空気中での落下高さを1
0〜30mとし、固化する粒子の外殻の0.2〜0.4
mm(厚み)が固化した状態で造粒物を回収することを
特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の滴下造粒方
法。 - 【請求項8】第1成分が尿素であり、第2成分が、燐酸
質化合物、カリウム質化合物、有機質化合物、マンガン
質化合物及びホウ素質化合物からなる群より選ばれる1
種以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
に記載の尿素系複合肥料造粒物の製造方法。 - 【請求項9】第2成分が、燐酸質化合物及び/又はカリ
ウム質化合物であることを特徴とする請求項8に記載の
尿素系複合肥料造粒物の製造方法。
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