JP5063843B2 - スラリー溶融液の滴下造粒方法及びこれを用いた尿素系複合肥料造粒物の製造方法 - Google Patents

スラリー溶融液の滴下造粒方法及びこれを用いた尿素系複合肥料造粒物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、肥料等で要求される、真球状で高硬度で直径2〜5mmφ程度の粒子の経済性に優れ、生産性が良い造粒方法、及びこの造粒方法を利用した尿素系複合肥料造粒物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬、農薬、肥料等の分野で、多数の成分を混合し粒子状に製品化することがある。そして、散布の都合とか保管時の固結対策として、真球状で高硬度な直径2〜5mmφの粒子が求められていた。
【0003】
これに対し、従来の方法では、転動造粒、攪拌造粒といった手段で、粉体成分をバインダーで固着成長させ粒子径を増大させたり、粉体成分の回りに他成分の溶融液または水溶液を、スプレー等の手段でコーテング造粒していた。ところがこうした造粒方法では、硬度が不足したり、溶融または溶解成分の微細結晶が表面に析出したりして、結局散布時に粉立ちが多かったり、固結して散布できなかったりする弊害が目立った。
【0004】
一方、溶融液1成分そのものを粒状化する技術としては、0.5〜2mmφ程度の粒子を、回転体、二流体、加圧型等のノズルから噴射空冷する技術が知られている。この方法で多数の成分を原料に造粒する例として特開平8−67591号公報が提案されている。この方法ではノズル直径2〜5mmφから圧力0.4〜0.8MPa・G(4〜8Kg/cm2G)程度で溶融した原料を噴出空冷造粒している。この方法で製造された粒子は、真球度、硬度、粉立ちといった上記物性は満足しているものの、粒子径が2〜4mmφに65〜67%しか存在せず、残りは2mmφ以下であり収率は必ずしも満足すべきものではなく、また冷却固化に要する高さも約30mが必要で生産性、経済性の面で改善すべき点があった。また噴射ノズルでの詰まりや摩耗等が生じる可能性もある。
【0005】
他の方法としては、種粒子にスプレー造粒する技術、冷媒中または冷却ベルト上に滴下造粒する技術等が知られているが、スプレー造粒した場合は硬度が高くできず、また、冷媒を用いると冷媒に可溶な成分は使用できない等の課題があった。冷却ベルトの上に液滴を滴下する板状滴下技術においては、冷却面に接触する部分が偏平となり、真球状粒子を製造することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、これまでの技術は要求される物性、特に硬度が低かったり、微粉の発生を抑えられなかったり、真球状粒子が得られなかったり、また製造できたとしても含有成分が制約されたり、直径2〜5mmφの粒子の収率が悪かったり、設備費が高かったり、設備の保全に手間がかかったりする方法であり、工業的に、経済的に満足できるものではなかった。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、前述した従来法の課題の解決、すなわち、多成分からなる直径2〜5mmφの大きな、硬度が高く粉立ちの少ない粒子の製造に必要な溶融造粒法において、ノズルの詰まり、摩耗といったトラブルを回避し、生産性が良く、かつ落下高さを節約して製造する方法、さらにこの造粒方法を用いた尿素系複合肥料造粒物の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題が解決できる製造方法として、多くの先行技術を調査し、そして、研究を積み重ね鋭意検討した。その結果、硬度が高く、微粉の発生もなく、直径2〜5mmφの粒子を生産性良く、かつノズルの摩耗及び詰まりを回避しつつ製造するには、原料の溶融液を重力滴下により滴下し、生成される液滴を空気冷却により造粒することで達成できることを見出した。さらにこの空気冷却により、直径5mmφの様な大きな粒子であっても、高さ30m以下で製造できること、さらにこの造粒方法は、尿素系複合肥料造粒物を製造するのに好適であることも見出し、経済性良く生産する方法を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、50〜500℃で固体を溶融して得た第1成分の溶融液と50〜500℃では溶融しない粉体を1成分以上含む混合物のスラリー液滴を滴下冷却固化することを特徴とするスラリー溶融液の滴下造粒方法、及びこの滴下造粒方法を用いた尿素系複合肥料造粒物の製造方法である。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明は、50〜500℃で固体を溶融して得た第1成分の溶融液と50〜500℃では溶融しない第2成分の粉体を含む混合物のスラリー液滴を滴下冷却固化してスラリー溶融液より造粒物を得る方法である。
【0012】
ここで、第1成分は50〜500℃で固体より溶融できるものであれば特に限定されず、例えば、肥料の成分として通常用いられる尿素や塩化カルシウムが例示できる。また、第2成分は50〜500℃では実質的に溶融せず固体状の粉末であればよく、例えば、肥料の成分として通常用いられる、熔成燐肥、五酸化燐等の燐酸質化合物、塩化カリウム、酸化カリウム等のカリウム質化合物、有機質化合物、酸化マンガン等のマンガン質化合物、三酸化ホウ素等のホウ素質化合物などが例示できる。これらの第2成分は1種単独のみならず、2種以上を適宜混合して用いることができる。さらにこれら以外にも二酸化珪素等の珪酸質化合物、酸化マグネシウム等のマグネシウム質化合物、鉄粉等、通常肥料に用いられる成分も適宜加えることができる。これらの第2成分の内でも、燐酸質化合物及び/又はカリウム質化合物が好ましく用いられる。
【0013】
本発明において用いられる第1成分はこのように、50〜500℃で溶融する性質を有し、一方、第2成分は50〜500℃では実質的に溶融せず粉末のままとなることから、両者が混合された混合物はこの温度範囲ではスラリー状となり、この溶融スラリーをノズル等より液滴として滴下させ冷却することで液滴が固化し、上記第1成分と第2成分を含む造粒物が得られるのである。殊に第2成分が粉末であることから、冷却固化する際に液成分の構成割合が少なくなるために、固化のための熱量を減ずることができ、迅速な固化が達成でき、あるいは滴下する際の落下させる設備を小さなものとすることができるという優れた効果を奏することができる。
【0014】
さらに、所定の大きさの液滴を得ると共に冷却効率も考慮すれば、混合物中のスラリー濃度を30〜55体積%、スラリー粘度を100〜2000センチポイズの範囲としておけばよい。
【0015】
上記溶融スラリーを滴下する際に、滴下ノズル径を1mmφ以上が好ましく、さらに1.5mmφ以上とすることが好ましい。これは第1にノズルの詰まりを防ぐためであり、第2に粉体成分の粒子径をなるべく大きくして、第1成分の溶融液と粉体を混合した場合の粘度の上昇を抑えること、第3に粉砕エネルギー節約のためである。殊に、ノズル径1.5mmφ以上であれば、粉体の粒子径は最大700μmまで許され、それ以下に粉砕するより大幅にエネルギーの節約と、粘度の低下をもたらすことができる。
【0016】
第2成分すなわち粉体成分の第1成分への混合は、第1成分の溶融後でも第1成分の溶融と同時でも良い。溶融及び混合は通常の攪拌槽に伝熱装置を設置したものでも、スクリュー型でも混合、伝熱できることが可能であれば良い。
【0017】
溶融液を滴下する滴下装置は、上記溶融槽を兼ねても良いし、溶融槽の下部に独立に設置しても良い。粉体の沈降による成分分離、滴下ノズルの詰まりを回避できるように、温度調整と、滴下ノズル直上での攪拌が実施できるようになっていれば良い。
【0018】
粉体成分の成分比率は、回転式粘度計の粘度として100〜2000センチポイズの範囲まで上げることができる。例えば尿素系化成肥料における、熔成燐肥においては、その比率を51.5wt%、塩化カリを17.2wt%とできる。これは粉体の体積%として53%もの高さである。
【0019】
溶融液をノズルから滴下し液滴を生成する方法は、重力滴下により、ノズル通過線速度を、10〜150cm/秒とすることが好ましい。この範囲であれば、ノズル通過流速によらず、液滴径は2〜5mmφの範囲に70%以上、さらには80%以上収めることができる。言い換えれば、重力滴下に必要な原料液の液深を数cmから1m程度までに変化させることを、可能にするもので、操作が容易である。さらに、ノズル通過線速度が10〜25cm/秒で滴下する、いわゆる滴状滴下領域では、粒子径分布は極めてシャープとなり、3〜4mmφの中に80%以上を含む粒子を製造できる。これに対し、ノズル通過流速25〜150cm/秒で滴下する、いわゆる平滑流滴下領域では、生産性は、前記の滴状滴下領域に比較して向上する。しかし、粒子径分布は2〜4mmφの中に80%以上となり粒子径分布のシャープさは、滴状滴下には劣る。このように、滴下を滴状滴下領域にておこなうか、平滑流滴下領域にて行なうかは、目的に応じて適宜決めればよい。
【0020】
生成された液滴の冷却空気は、冷却により空気温度があまりあがらない程度に置換されていれば良い。十字流、更には向流で冷却すれば冷却に必要な高さが節約でき更に良い。また空気が臨界湿度以下に除湿されていれば、造粒された製品の固結を更に防げ好ましい。
【0021】
冷却固化の空気中での落下高さ、つまり空気冷却により落下し造粒回収されるに必要な高さは、粒子の最大径が5mmφである時、外殻の固化した部分の厚みが0.2〜0.4mmあれば、強度的に着地回収できる。第1成分の凝固潜熱にもよるが、10m〜30m程度の高さ、さらにおおむね20m程度の高さでこれを達成でき、滴下設備、回収設備を含めた高さを30m以下とすることが可能で、極めて経済的である。また、この高さ20mの高さというのは、滴下ノズルのノズル通過流速が100cm/秒程度の低流速であることで、粒子径が2〜5mmφというような大きな粒子であっても達成されることに大きな特徴がある。
【0022】
本発明により造粒、回収された粒子の粒子径分布は、2〜5mmφ、更には運転条件範囲を選べば3〜4mmφの範囲に80%以上が収まる極めて狭い分布を持つことができるとともに、その形状も球状、さらに真球状となる。また空冷固化の特徴として表面硬度は高く、上記粒子径分布と相俟って、肥料等で要求される粉立ちが少なく散布性に優れた製品となる。そして、この造粒法は粒子径が範囲外で再使用ないし廃棄される製品が少なく、経済性、環境調和性にも優れた製造法である。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
実施例1
尿素31.3重量部と、最大粒子径500μm、平均265μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直径1.5mmφのノズルを7個設けた蒸気加熱できるジャケット付きの攪拌槽に供給し、スラリー溶融液の温度が115.0℃となるように温度調整を行い、液面を0.50mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、スラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は53体積%、スラリー粘度は回転式粘度計で1650センチポイズであった。このスラリー溶融液を底部ノズルからノズル通過線速度22.6cm/秒で液滴を生成落下させ、空気中の落下高さが20mの地点で造粒物を回収した。
【0025】
得られた造粒物の粒子径分布は、2.0〜4.33mmφが91.7%、3.0〜4.33mmφが75.4%であり、肥料としての組成も、保証成分を満足するものであった。
【0026】
実施例2
尿素31.3重量部と、最大粒子径500μm、平均265μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した熔成燐肥50.0重量部、マンガン1.0重量部、ホウ素0.5重量部を規定量混合した後、底部に直径1.5mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できるジャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が115.0℃となるように温度調整を行い、液面を0.50mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、スラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は53体積%、スラリー粘度は1650センチポイズであった。このスラリー溶融液を底部ノズルからノズル通過線速度24.1cm/秒で液滴を生成落下させ、空気中の落下高さが20mの地点で造粒物を回収した。
【0027】
得られた造粒物の粒子径分布は、2.0〜4.33mmφが95.9%、3.0〜4.33mmφが79.8%であり、肥料としての組成も、保証成分を満足するものであった。
【0028】
実施例3
尿素31.3重量部と、最大粒子径500μm、平均265μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直径1.5mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できるジャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が114.5℃となるように温度調整を行い、液面を0.30mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、スラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は53体積%、スラリー粘度は1650センチポイズであった。このスラリー溶融液を底部ノズルからノズル通過線速度12.5cm/秒で液滴を生成落下させ、空気中の落下高さが20mの地点で造粒物を回収した。
【0029】
得られた造粒物の粒子径分布は、2.0〜4.33mmφが96.5%、3.0〜4.33mmφが79.3%であり、肥料としての組成も、保証成分を満足するものであった。
【0030】
実施例4
尿素31.3重量部と、最大粒子径500μm、平均265μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直径1.5mmφのノズルを54個設けた蒸気加熱できるジャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が115.0℃となるように温度調整を行い、液面を0.45mに維持しつつ、攪拌回転数を136rpmとして、スラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は53体積%、スラリー粘度は1650センチポイズであった。このスラリー溶融液を底部ノズルからノズル通過線速度15.6cm/秒で液滴を生成落下させ、空気中の落下高さが20mの地点で造粒物を回収した。
【0031】
得られた造粒物の粒子径分布は、2.0〜4.33mmφが97.0%、3.0〜4.33mmφが81.0%であり、肥料としての組成も、保証成分を満足するものであった。
【0032】
実施例5
尿素31.3重量部と、最大粒子径500μm、平均265μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直径1.5mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できるジャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が117.0℃となるように温度調整を行い、液面を0.30mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、スラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は53体積%、スラリー粘度は1650センチポイズであった。このスラリー溶融液を底部ノズルからノズル通過線速度25.7cm/秒で液滴を生成落下させ、空気中の落下高さが19mの地点で造粒物を回収した。
【0033】
得られた造粒物の粒子径分布は、2.0〜4.33mmφが95.9%、3.0〜4.33mmφが79.8%であり、肥料としての組成も、保証成分を満足するものであった。
【0034】
比較例1
尿素31.3重量部と、最大粒子径500μm、平均45μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、最大粒子径500μm、平均45μmに粉砕・分級した熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直径1.5mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できるジャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が115.0℃となるように温度調整を行い、液面を0.50mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、スラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は53体積%、スラリー粘度は5000センチポイズであった。このスラリー溶融液を底部ノズルから液滴を生成落下させようと試みたが、スラリーの粘度が高いためノズルから滴下することができず、造粒物を回収することができなかった。
【0035】
比較例2
尿素31.3重量部と、最大粒子径750μm、平均550μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、最大粒子径750μm、平均550μmに粉砕・分級した熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直径1.5mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できるジャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が117.0℃となるように温度調整を行い、液面を0.50mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、スラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は53体積%、スラリー粘度は1300センチポイズであった。このスラリー溶融液を底部ノズルから液滴を生成落下させようと試みたが、スラリー溶融液の固液分離が顕著であり、組成の均一な球状粒子として回収することができなかった。
【0036】
比較例3
尿素31.3重量部と、最大粒子径500μm、平均265μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直径3.0mmφのノズルを1個設けた蒸気加熱できるジャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が117.0℃となるように温度調整を行い、スラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は53体積%、スラリー粘度は1650センチポイズであった。このスラリー溶融液の入った攪拌槽を密閉し、空気により0.6MPa・Gに加圧し、上記ノズルからノズル通過線速度30m/秒で噴射造粒した。冷却固化に必要な高さは約30mで、得られた造粒物の粒子径分布は2.0〜5.0mmφの範囲が50〜60%で、残りは2.0mmφよりも小さい粒子径に分布していた。
【0037】
比較例4
尿素31.3重量部と、最大粒子径500μm、平均265μmに粉砕・分級した塩化カリ17.2重量部と、最大粒子径500μm、平均72μmに粉砕・分級した熔成燐肥51.5重量部を規定量混合した後、底部に直径1.5mmφのノズルを8個設けた蒸気加熱できるジャケット付きの攪拌槽に供給し、溶融液の温度が117.0℃となるように温度調整を行い、液面を0.30mに維持しつつ、攪拌回転数を360rpmとして、スラリー溶融液を作製した。このときのスラリー濃度は53体積%、スラリー粘度は1650センチポイズであった。このスラリー溶融液を底部ノズルからノズル通過線速度25.7cm/秒で液滴を生成落下させ、空気中の落下高さが9mの地点で造粒物を回収しようと試みたが、この高さでは固化が不充分で、落下の衝撃でつぶれてしまい、球状粒子として回収することができなかった。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、以上詳細に述べた通り、肥料に要求される様な、2〜5mmφの真球状粒子を生産性良く、経済的に、環境保全にも優れた方法を提供する。
【0039】
以下本発明の効果を列記する。
(1)溶融スラリーを滴下して造粒するという手法を用いるため、滴下後の冷却が効率的に行なわれ、優れた物性を有した造粒物を効率的に製造することができる。殊に、溶融スラリーのスラリー濃度及び粘度を所定の範囲に制御することで、粒子径2〜5mmφの大きな粒子を80%以上の高収率で製造できる。
(2)本発明の方法により得られる造粒物は、その硬度が高く粉立ちが少なく、真球状で散布性に優れた粒子である。
(3)本発明の方法では、比較的低い落下高さで空冷固化造粒でき、経済性の高い造粒法である。
(4)本発明の造粒方法は粒状肥料の製造に適しており、特に尿素系複合肥料造粒物の製造に好適であり、産業上有用である。

Claims (4)

  1. 液滴を空気で冷却固化して得られる粒子の80%以上が粒子径2〜5mmφの球状粒子となるように、50〜500℃で固体を溶融して得た第1成分の溶融液と50〜500℃では溶融しない第2成分の粉体を含む混合物のスラリーであって、該溶融スラリーに含まれる粉体成分の粒子径が、最大700μm以下、平均径が50〜500μmであり、混合物のスラリー濃度が30〜55体積%であり、回転法で測定されるスラリー粘度が100〜2000センチポイズである溶融スラリーを、容器の底部に設けた直径1〜4mmφの孔径のノズルから重力滴下し、ノズル通過線速度10〜150cm/秒で落下高さ10〜30mの位置から滴下して液滴を生成させ、液滴を滴下冷却固化することを特徴とするスラリー溶融液の滴下造粒方法。
  2. 容器に攪拌機を設け、その回転数を制御して粉体成分の沈降を防止しつつ、ノズルから滴下させることを特徴とする請求項に記載の滴下造粒方法。
  3. 第1成分が尿素であり、第2成分が、燐酸質化合物、カリウム質化合物、有機質化合物、マンガン質化合物及びホウ素質化合物からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の滴下造粒方法を用いた尿素系複合肥料造粒物の製造方法。
  4. 第2成分が、燐酸質化合物及び/又はカリウム質化合物であることを特徴とする請求項に記載の尿素系複合肥料造粒物の製造方法。
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